JP2006047026A - 超音波探傷方法及び超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷方法及び超音波探傷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部に含まれる欠陥の検知精度を向上できる超音波探傷方法を提供する。
【解決手段】検査対象溶接鋼管と同じ成形工程により製造され、検査対象溶接鋼管と同じ外径を有し、溶接部に欠陥を含むサンプル溶接鋼管を用意する(S1)。サンプル溶接鋼管の外周面上にアレイ探触子を配置後(S2)、超音波ビームをサンプル溶接鋼管の外周面及び内周面で反射させることなく直接欠陥に入射する(S3)。超音波ビームを出力しながら入射角及びアレイ探触子の配置位置を変更し、変更した入射角及び配置位置の中から欠陥のエコーが最大となる入射角及び配置位置を決定する(S4〜S7)。決定後、サンプル溶接鋼管を検査対象溶接鋼管と入れ替え(S8)、決定された入射角及び配置位置に基づいて、検査対象溶接鋼管を探傷する(S9)。
【選択図】図3

Description

本発明は、超音波探傷方法及び超音波探傷装置に関し、さらに詳しくは、溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部に含まれる欠陥を探傷するための超音波探傷方法及び超音波探傷装置に関する。
サブマージドアーク溶接(SAW)鋼管等の溶接鋼管の溶接部は、その内部に図13に示すような欠陥が発生する場合がある。溶接鋼管1の溶接部2に発生する欠陥25は、溶接部25に内在する。換言すれば、欠陥25は溶接部2表面に開口部を有さない。欠陥25はたとえばピンホールであったり、溶接時の溶け込み不足により発生したりする。このような溶接部の欠陥の有無を検査するため、図14に示すようなタンデム探傷法等の超音波探傷が実施されている。タンデム探傷法では、送信用探触子50と受信用探触子51とを用いる。溶接部2の欠陥25のエコーが伝搬する位置に受信用探触子51が配置され、受信用探触子51が欠陥25のエコーを検出する。
タンデム探傷法では、超音波ビームが検査対象である溶接鋼管(以下、検査対象溶接鋼管と称する)の外周面及び内周面で反射しながら伝搬し溶接部2の欠陥25に入射する。また、欠陥25のエコーも外周面及び内周面で反射しながら伝搬する。反射回数が多くなる程エコーは減衰し、欠陥が検出されにくくなる。
下記特許文献1及び2に開示された超音波探傷方法では、超音波ビームを検査対象溶接鋼管の外周面及び内周面で反射することなく溶接部内の欠陥に直接入射する。具体的には、図15に示すように、超音波ビームUWが欠陥25に垂直に入射するように、入射角α及び探触子52の配置位置Nを調整する。超音波ビームUWが欠陥25に垂直に入射されれば、欠陥25で反射したエコーが外周面及び内周面で反射することなく探触子52に戻る。このとき、エコーの伝搬方向は探触子52からずれない。そのため、タンデム探傷法と比較して、欠陥の検出精度を上げることができる。
図15に示した超音波探傷方法では、検査対象溶接鋼管に応じて探触子から出力される超音波ビームの入射角αと探触子の配置位置Nとを正確に決定した方がよい。特許文献1及び2の超音波探傷方法では、検査対象溶接鋼管の外径寸法及び肉厚寸法と、探触子内及び検査対象溶接鋼管内での超音波ビームの伝搬速度とに基づいて、入射角α及び配置位置Nを算出する。
しかしながら、算出された入射角α及び配置位置Nを用いた超音波探傷方法では、以下の理由により、欠陥の検出精度が上がらない場合がある。
(1)検査対象溶接鋼管は、鋼板をプレス成形等の曲げ加工によりオープンパイプに成形した後、オープンパイプの継ぎ目部を溶接することにより製造される。そのため、検査対象溶接鋼管の軸方向に対して垂直な断面の形状は完全な真円ではなく、曲げ加工によるゆがみが生じる。特に、溶接部近傍は形状のゆがみが発生しやすい。溶接部を挟んだ両側の形状が非対称になる場合もある。このように、検査対象溶接鋼管の断面形状が完全な真円でない場合、検査対象溶接鋼管の外径寸法及び肉厚寸法等に基づいて算出された入射角及び配置位置で探傷しても、超音波ビームは欠陥に垂直に入射されない。そのため、欠陥の検出精度が上がらない。
(2)検査対象溶接鋼管の音響異方性、探傷時の検査対象溶接鋼管の温度、及び探傷時の探触子のくさびの温度等は超音波ビームの伝搬速度に影響を与える。これらの条件を全て考慮した超音波ビームの伝搬速度値を想定することは困難である。そのため、算出した入射角及び配置位置で探傷しても、超音波ビームは溶接部の欠陥に垂直に入射されない。
要するに、算出により求めた入射角及び配置位置は、超音波ビームを欠陥に垂直に入射させる真の入射角及び配置位置からずれる。このずれが欠陥の検出精度の向上を妨げる。 また、超音波探傷装置の機械誤差の影響により、欠陥の検出精度が上がらない場合がある。たとえば、探傷時、検査対象溶接鋼管上に探触子を接触させながら検査対象溶接鋼管を搬送ローラにより管軸方向に移動させる。このとき、搬送ローラのガタ等により検査対象溶接鋼管が水平及び垂直方向に振動する。この振動により、探傷中の探触子の配置位置がずれたり、探触子の入射角が算定した入射角からずれたりする場合がある。
特開2003−215115号公報 特許第3446009号 溶接鋼管の超音波探傷法(鉄鋼協会品質管理部会(NDI部門)編、p60〜62
本発明の目的は、溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部に含まれる欠陥の検知精度を向上できる超音波探傷方法及び超音波探傷装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明による超音波探傷方法は、検査対象溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部に含まれる欠陥を斜角探傷法により探傷する超音波探傷方法であって、検査対象溶接鋼管と同じ成形工程により製造され、検査対象溶接鋼管と同じ外径及び肉厚を有し、溶接部に欠陥を含むサンプル溶接鋼管を用意する工程と、サンプル溶接鋼管の外周面上に、入射角を変更可能な入射角可変探触子を配置する工程と、入射角可変探触子から超音波ビームを出力し、超音波ビームをサンプル溶接鋼管の外周面及び内周面で反射させることなく直接欠陥に入射する工程と、超音波ビームを出力しながら入射角及び入射角可変探触子の配置位置を変更し、変更した入射角及び配置位置の中から欠陥のエコーが最大となる入射角及び配置位置を決定する工程と、決定された入射角及び配置位置で、検査対象溶接鋼管を探傷する工程とを備える。ここで、入射角可変探触子は、たとえば、アレイ探触子でもよいし、機械的に入射角を可変できる探触子でもよい。また、検査対象溶接鋼管と同じ外径及び肉厚とは、たとえば、検査対象溶接鋼管の外径±5%の外径及び検査対象溶接鋼管の肉厚±5%の肉厚をいう。
本発明による超音波探傷方法では、検査対象溶接鋼管を探傷する前に、検査対象溶接鋼管と同じ成形工程で製造されたサンプル溶接鋼管を用いて入射角及び配置位置を決定する。たとえば、検査対象溶接鋼管がCプレス、Uプレス、Oプレスで成形された場合、サンプル溶接鋼管も同じCプレス、Uプレス、Oプレスで成形されたものを用いる。また、検査対象溶接鋼管がロール成形により成形された場合、サンプル溶接鋼管も同じロール成形で成形される。
要するに、サンプル溶接鋼管は、検査対象溶接鋼管の軸方向の断面形状とほぼ同じ断面形状を有する。検査対象溶接鋼管の外周面上に凹凸等の形状ひずみが発生していれば、サンプル溶接鋼管の外周面上の同じ箇所にも同じ形状ひずみが発生している。
本発明による超音波探傷方法では、検査対象溶接鋼管とほぼ同じ断面形状を有するサンプル溶接鋼管を用いて超音波ビームの入射角及び探触子の配置位置を決定する。そのため、外径や肉厚等の寸法だけでなく、成形工程により発生する形状のひずみも考慮して超音波ビームの入射角及び探触子の配置位置を決定できる。サンプル溶接鋼管を用いて決定した入射角及び配置位置で検査対象溶接鋼管を探傷すれば、形状のひずみに起因して超音波ビームの伝搬方向が溶接部の欠陥からずれるのを防止できる。そのため、欠陥の検出精度を上げることができる。なお、超音波ビームを出力しながら入射角及び入射角可変探触子の配置位置を変更するとき、たとえば、超音波ビームはパルスに応じて断続的に出力される。
好ましくは、サンプル溶接鋼管は、検査対象溶接鋼管と同じ材質である。
この場合、サンプル溶接鋼管は検査対象溶接鋼管と同じ材質であるため、音響異方性も考慮した上で入射角及び配置位置を決定できる。
好ましくは、探傷する工程は、入射角が固定された複数の斜角探触子の中から、決定された入射角を有する斜角探触子を選択する工程と、選択された斜角探触子を用いて被検査材を探傷する工程とを備える。
この場合、たとえばオンラインの超音波探傷装置に入射角可変探触子を装備できない場合でも、オフラインで入射角可変探触子を用いて決定した入射角を有する斜角探触子を用いて、オンラインで検査対象溶接鋼管を探傷できる。
好ましくは、探傷する工程は入射角可変探触子を用いて検査対象溶接鋼管を探傷する。ここで、入射角可変探触子とは、アレイ探触子でもよいし、機械的に入射角を可変できる探触子でもよい。
好ましくは、探傷する工程は、入射角可変探触子の入射角を決定された入射角を中心とした所定の範囲で揺動しながら検査対象溶接鋼管を探傷する。
サンプル溶接鋼管を用いて決定した入射角及び配置位置で検査対象溶接鋼管を探傷しても、探傷時の検査対象溶接鋼管の温度、及び探傷時の探触子のくさびの温度等により超音波ビームの伝搬方向が欠陥からずれる場合もあり得る。また、超音波探傷装置の機械誤差等により、溶接部に対する探触子の配置位置が決定した配置位置から若干ずれる場合もあり得る。本発明による超音波探傷方法では、入射角可変探触子の入射角を決定された入射角を中心とした所定の範囲で揺動しながら探傷する。そのため、揺動する入射角の範囲内で超音波ビームの伝搬方向のずれを修正できる。また、溶接部に内在する欠陥が肉厚方向に平行ではなく、肉厚方向に対して多少の傾きを有する場合であっても、入射角を揺動することによりその欠陥を見逃さず検知できる。よって、欠陥検出精度がより高くなる。
好ましくは、決定する工程は、材質又はサイズが異なる複数のサンプル溶接鋼管の各々について、入射角及び配置位置を決定する。本発明による超音波探傷方法はさらに、複数の決定された入射角及び配置位置を複数のサンプル溶接鋼管のサイズ及び材質に対応付けて管理装置に保存する工程を含む。探傷する工程は、検査対象溶接鋼管のサイズ及び材質と同じサイズ及び材質のサンプル溶接鋼管に対応した入射角及び配置位置を管理装置から検索する工程と、検索された入射角及び配置位置に基づいて検査対象溶接鋼管を探傷する工程とを備える。
この場合、探傷前に予めサンプル溶接鋼管を用いて決定した入射角及び配置位置を管理装置に保存する。検査対象溶接鋼管を探傷する場合、検査対象溶接鋼管のサイズ及び材質に対応した入射角及び配置位置を管理装置から検索すればよい。そのため、検査対象溶接鋼管を検査する直前にサンプル溶接鋼管を用いて入射角及び配置位置を決定しなくてよい。
本発明による超音波探傷方法は、検査対象溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部に含まれる欠陥を、検査対象溶接鋼管の外周面上に配置した探触子を用いて斜角探傷法により探傷する超音波探傷方法であって、検査対象溶接鋼管の外径寸法及び肉厚寸法に基づいて、探触子から出力される超音波ビームが欠陥に垂直に入射するように検査対象溶接鋼管の外周面での超音波ビームの屈折角及び探触子の配置位置を決定する工程と、決定された屈折角と、超音波ビームの探触子内での伝搬速度と、超音波ビームの検査対象溶接鋼管内での伝搬速度とに基づいて、超音波ビームの検査対象溶接鋼管への入射角を決定する工程と、決定された配置位置に入射角が変更可能な入射角可変探触子を配置する工程と、入射角可変探触子の入射角を決定された入射角を中心とした所定の範囲で揺動しながら検査対象溶接鋼管を探傷する工程とを備える。
本発明による超音波探傷方法は、検査対象溶接鋼管の外径寸法及び肉厚寸法に基づいて探触子の配置位置を決定する。さらに、超音波ビームの探触子内での伝搬速度と、超音波ビームの検査対象溶接鋼管内での伝搬速度とに基づいて、入射角を決定する。
このような方法により決定した入射角及び配置位置で検査対象溶接鋼管を探傷する場合、超音波ビームの伝搬方向が欠陥からずれる可能性もある。そのため、本発明では、入射角可変探触子の入射角を決定された入射角を中心とした所定の範囲で揺動しながら検査対象溶接鋼管を探傷する。決定した入射角で入射された超音波の伝搬方向が欠陥から多少ずれていても、その入射角を揺動するため、揺動する範囲内でずれを修正できる。また、溶接部に内在する欠陥が肉厚方向に平行ではなく、肉厚方向に対して多少の傾きを有する場合であっても、入射角を揺動することによりその欠陥を見逃さず検知できる。その結果、欠陥の検出精度が向上する。
本発明による超音波探傷装置は、検査対象溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部に含まれる欠陥を斜角探傷法により探傷する超音波探傷装置であって、入射角可変探触子と、決定手段と、探触子配置機構と、揺動手段とを備える。
入射角可変探触子は入射角を変更できる。決定手段は、入射角変更探触子の入射角と、入射角可変探触子を検査対象溶接鋼管の外周面上に配置する配置位置とを決定する。探触子配置機構は、入射角可変探触子を決定された配置位置に配置する。揺動手段は、入射角可変探触子が超音波ビームを出力中に、決定された入射角を中心に所定の範囲で入射角を揺動する。
本発明による超音波探傷装置は、決定手段で超音波ビームの入射角及び入射角可変探触子の配置位置を決定する。探触子配置機構は入射角可変探触子を決定された配置位置に配置する。
入射角可変探触子を決定された配置位置に配置した後、超音波探傷装置は入射角を揺動しながら検査対象溶接鋼管を探傷する。そのため、決定された入射角及び配置位置により出力された超音波ビームの伝搬方向が欠陥から多少ずれていても、入射角を揺動する範囲内で、そのずれを修正できる。その結果、欠陥の検出精度が向上する。
好ましくは、超音波探傷装置はさらに蓄積手段を備える。蓄積手段は、複数の溶接鋼管のサイズ及び材質に対応した複数の入射角及び配置位置を蓄積する。決定手段は、検査対象溶接鋼管のサイズ及び材質に対応した入射角及び配置位置を検索する。
この場合、蓄積手段に蓄積された複数の入射角及び配置位置から、検査対象溶接鋼管に適した入射角及び配置位置を決定できる。
好ましくは、溶接部に含まれる欠陥に超音波ビームが垂直に入射するように、検査対象溶接鋼管の外径寸法及び肉厚寸法に基づいて、検査対象溶接鋼管の外周面での超音波ビームの屈折角及び探触子の配置位置を決定する手段と、決定された屈折角と、超音波ビームの探触子内での伝搬速度と、超音波ビームの検査対象溶接鋼管内での伝搬速度とに基づいて、超音波ビームの検査対象溶接鋼管への入射角を決定する手段とを備える。
好ましくは、入射角可変探触子は複数の振動子を備え、揺動手段は、複数の振動子の中から、複数の振動子を選択する手段と、決定された入射角に基づいて、選択された振動子を励振するタイミングを振動子ごとに決定する手段と、励振手段とを備える。励振手段は、選択された振動子の各々を決定されたタイミングで励振する。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
1.第1の実施の形態
1.1.超音波探傷装置の構成
図1Aを参照して、本発明の実施の形態による超音波探傷装置10は、検査対象溶接鋼管1の溶接部2をアレイ探触子15A及び15Bで探傷する。検査対象溶接鋼管1は図1Aに示すように、V字型の搬送ローラ20上に置かれても良いし、V字型の架台上に設置してもよい。
超音波探傷装置10は、昇降フレーム11と、レール12と、アーム13と、探触子ホルダ14と、アレイ探触子15A及び15Bと、制御装置16と、溶接部2の位置を検出するシーム検出器17とを備える。
昇降フレーム11及びアーム13は、アレイ探触子15A及び15Bを所定の配置位置に移動する。昇降フレーム11は、その下面の中心位置にシーム検出器17が取り付けられ、下面両端部にレール12が取り付けられる。昇降フレーム11は、油圧又は電動で昇降する。昇降フレーム11は検査対象溶接鋼管1の外径寸法に対応して昇降し、アレイ探触子15A及び15Bを検査対象溶接鋼管1の外周面に接触させる。
昇降フレーム11はさらに、検査対象溶接鋼管1の周方向に所定範囲内で回動できる。超音波探傷を実施中、昇降フレーム11はシーム検出器17が溶接部2の真上に位置するように回動する。たとえば、検査対象溶接鋼管1が図1Aの状態から時計回りに回転し、溶接部2がシーム検出器17の真下から右側にずれた場合、昇降フレーム11は時計回りに回動し、シーム検出器17が溶接部2の真上となる位置で停止する。これにより、超音波探傷中における溶接部2とアレイ探触子15A及び15Bとの距離が一定に保たれる。
アーム13は、探触子ホルダ14に把持されたアレイ探触子15A及び15Bを水平方向及び垂直方向に移動する。アーム13は水平アーム部材131と垂直アーム部材132とで構成される。水平アーム部材131は電動によりレール12に沿って水平方向に移動する。垂直アーム部材132は下端に探触子ホルダ14を有する。垂直アーム部材131は垂直方向に移動する。
制御装置16は昇降フレーム11,アーム13及びアレイ探触子15を制御する。制御装置16は、アレイ探触子15A及び15Bの配置位置を決定し、昇降フレーム11及びアーム13により、決定した配置位置にアレイ探触子15A及び15Bを移動する。また、溶接部2の欠陥25を検知するための超音波ビームの入射角を決定する。
図1Bを参照して、アレイ探触子15Aは、くさび151と複数の振動子CH1〜CH32とを備える。振動子CH1〜CH32はくさび151の上面の円弧部に沿って振動子番号順に1列に配列される。具体的には、複数の振動子CH1〜CH32のうち、振動子CH1が一番上に配置される。続いて、振動子CH2、CH3と振動子番号順に配列され、振動子CH32が一番下に配置される。振動子CH1〜CH32は制御装置16から出力されるパルスを受け、超音波を発信する。発信された複数の超音波が合成されて超音波ビームを形成する。さらに、振動子CH1〜CH32はエコーを受信する。アレイ探触子15Bもアレイ探触子15Aと同じ構成を有する。
制御装置16は、揺動部180A及び180Bと、エコー受信部190A及び190Bと、決定部166と、ハードディスク170とを備える。揺動部180A及びエコー受信部190Aはアレイ探触子15Aに対応し、揺動部180B及びエコー受信部190Bはアレイ探触子15Bに対応する。揺動部180A及び180Bは同じ構成であり、エコー受信部190A及び190Bは同じ構成である。
揺動部180Aは、アレイ探触子15Aに種々の入射角の超音波ビームを出力させる。揺動部180AはパルサPL1〜PL32と、送信用遅延素子TD1〜TD32と、揺動指示部169とを備える。パルサPLn(n=1〜32)は対応する振動子CHnを励振させるためのパルスを出力する。たとえば、パルサPL1は振動子CH1にパルスを出力し、パルサPL2は振動子CH2にパルスを出力する。
揺動指示部169はパルサPL1〜PL32の中からパルスを出力する複数のパルサPLを選択し、さらに選択したパルサPLにパルスを出力するタイミングを決定する。換言すれば、揺動指示部169はアレイ探触子15Aから出力される超音波ビームの入射角を揺動できる。具体的には、揺動指示部169は以下の動作を行う。
揺動指示部169は、連続した16個のパルサPLを選択する。具体的には、揺動指示部169は、パルサPLk〜PLk+15(k=1〜17)を選択する。ここで、kはカウント値であり、揺動指示部169がインクリメント又はデクリメントする。カウント値kは揺動指示部169内の図示しないメモリに記憶される。パルサPLを選択後、揺動指示部169は、表1に示す遅延時間テーブルに基づいてパルサPLk〜PLk+15に対応した送信用遅延素子TDk〜TDk+15の遅延時間を決定する。遅延時間テーブルはハードディスク170に記憶される。
Figure 2006047026
表1において、遅延時間は、各パルサPLk〜PLk+15から出力された超音波の合成波である超音波ビームUWの波面が、振動子CHkの下面中心部と振動子CHk+15の下面中心部とを結ぶ直線と並行になるように設定される。遅延時間T1〜T7は式(1)の関係を有する。
0<T1<T2<T3<T4<T5<T6<T7 (1)
たとえば、揺動指示部169がカウント値k=1とし、パルサPL1〜PL16を選択する。換言すると、超音波を出力する振動子として振動子CH1〜CH16が選択される。続いて、揺動指示部169は、送信用遅延素子TD1〜TD16の遅延時間を表1に示す時間に決定する。具体的には、遅延素子TD1及びTD16は遅延時間T7とし、遅延素子TD2及びTD15は遅延時間T6とする。なお、遅延素子TD7及びTD8は遅延時間を0とする。
続いて、決定された遅延時間に基づいて、パルサPL1〜PL16がパルスを出力する。図2Aを参照して、パルサPL7及びPL8は一番早くパルスを出力するため、振動子CH1〜CH16の中で振動子CH7及びCH8が初めに超音波を出力する。続いて、振動子CH6及びCH9が超音波を出力し、その後、振動子CH5及びCH10が超音波を出力する。同様に各振動子CHが順次超音波を出力し、最後に振動子CH1及びCH16が超音波を出力する。選択された各振動子の超音波の出力タイミングをずらすことにより、各振動子の超音波の合成波である超音波ビームUWの波面は、振動子CH1の下面中心部と振動子CH16の下面中心部とを結ぶ弦100に並行になる。超音波ビームUWは、くさび151の下面の地点N1から検査対象溶接鋼管1内に出力される。このときの入射角をα1とする。
続いて、揺動指示部169はカウント値k=2とし、同様の動作を行う。このとき、図2Bに示すように、振動子CH2〜CH17が超音波を出力する。振動子CH2〜CH17の超音波の出力タイミングは表1に従う。具体的には、振動子CH8及びCH9が初めに超音波を出力し、振動子CH2及び振動子CH17が最後に超音波を出力する。その結果、超音波ビームUWの波面は振動子CH2の下面中心部と振動子CH17の下面中心部とを結ぶ弦101に並行になる。このときも、超音波ビームUWは地点N1から出力される。入射角をα2とすると、α1<α2となる。
揺動指示部169はカウント値kを順次インクリメントし、同様の動作を行う。k=17となったとき、図2Cに示すように、振動子CH17〜振動子CH32が表1に示すタイミングで超音波を出力する。このときの超音波ビームUWも地点N1から検査対象溶接鋼管1に出力される。このときの入射角をα17とすると、α17>α2となる。
以上の動作により、揺動指示部169がカウント値kをインクリメントすることで、超音波ビームUWの入射角を揺動できる。k=17となった後、揺動指示部169はkをデクリメントしてもよい。
また、所定範囲内でカウント値kのインクリメント及びデクリメントを繰り返してもよい。たとえば、カウント値k=3〜5の範囲でインクリメント及びデクリメントを繰り返しても良い。この場合、カウント値k=4のときの入射角を中心に入射角を揺動できる。
なお、カウント値kを順次変化させても、出力される超音波ビームUWは常に地点N1から出力される。超音波ビームUWの波面はくさび151の上面の円弧部のいずれかの弦と並行になるからである。要するに、地点N1は円弧部の円の中心である。
図1Aに戻って、アレイ探触子15Aの地点N1から出力された超音波ビームUWは溶接部2内の欠陥25に反射し、欠陥エコーとしてアレイ探触子15Aに戻る。エコー受信部190Aはアレイ探触子15Aに戻ってきたエコーに基づいて探傷結果を解析する。
エコー受信部190Aは、複数のレシーバRE1〜RE32と、複数の受信用遅延素子RD1〜RD32と、加算器163と、増幅器164と、評価器165とを備える。レシーバREn及び受信用遅延素子RDnは、振動子CHnに対応する。たとえば、レシーバRE1及び受信用遅延素子RD1は、振動子CH1に対応する。
揺動部180Aにより振動子CHk〜CHk+15が超音波を出力し、アレイ探触子15Aから超音波ビームUWが出力される。このとき、各振動子CHk〜CHk+15は戻ってきたエコーを受け、電気信号に変換する。レシーバREk〜REk+15は対応する振動子CHk〜CHk+15から出力された信号を受ける。受信用遅延素子RDk〜RDk+15は対応するレシーバREk〜REk+15から信号を受け、表1の遅延時間テーブルに示された遅延時間だけ遅延する。遅延素子RDk〜RDk+15から出力された信号は加算器163で加算される。
表1に示すとおり、送信用遅延素子TDkの遅延時間と受信用遅延素子RDkの遅延時間とは同じである。パルス出力時の遅延時間とエコー受信時の遅延時間とを同じにすることで、加算器163で加算された信号は正確な探傷結果となる。
加算器から出力された信号は増幅器164で増幅され、評価器165に出力される。評価器165は、増幅器164から出力された信号を受け、信号の波形を探傷結果として図示しないディスプレイに表示する。評価器165はさらに、探傷結果に基づいて欠陥の有無を判断する。信号波形はエコー強度を示す。そこで、評価器165は、所定値以上のエコー強度があれば、欠陥が存在すると判断する。
決定部166は、検査対象溶接鋼管1を探傷するときの超音波ビームUWの入射角を決定する。また、探傷時のアレイ探触子15A及び15Bの配置位置を決定する。
1.2.超音波探傷方法
本実施の形態による超音波探傷方法では、検査対象溶接鋼管1を探傷する前に、その溶接部2に欠陥25を含んでいることが予めわかっているサンプル溶接鋼管200を探傷する。超音波探傷装置10はサンプル溶接鋼管200の探傷結果に基づいて、検査対象溶接鋼管1を探傷するための入射角及びアレイ探触子15A及び15Bの配置位置を決定する。なお、検査対象溶接鋼管1は次の製造工程により製造される。Cプレス、Uプレス、Oプレス又はロール成形等の周知の曲げ加工方法により鋼板を曲げ加工してオープンパイプを形成する。形成されたオープンパイプの継ぎ目を周知の溶接方法により溶接して検査対象溶接鋼管1にする。溶接後、以下に説明する超音波探傷方法により検査対象溶接鋼管1を探傷する。
以下、本実施の形態による超音波探傷方法の詳細を説明する。
図3を参照して、初めに、サンプル溶接鋼管200を用意し、用意したサンプル溶接鋼管200をローラ20上に置く(S1)。サンプル溶接鋼管200は検査対象溶接鋼管1とほぼ同じ外径及び肉厚を有し、かつ、検査対象溶接鋼管1と同じ成形工程で製造されたものである。たとえば、検査対象溶接鋼管1がCプレス、Uプレス、Oプレスで曲げ加工された場合、同じCプレス、Uプレス、Oプレスで曲げ加工された溶接鋼管をサンプル溶接鋼管200として用意する。また、検査対象溶接鋼管1がロール成形工程により加工された場合、同じロール成形工程により加工された溶接鋼管をサンプル溶接鋼管200として用意する。要するに、サンプル溶接鋼管200は、検査対象溶接鋼管1の軸方向の断面形状とほぼ同じ断面形状を有する。たとえば、検査対象溶接鋼管1の断面形状が真円ではなく、ある箇所に曲げ加工によるゆがみがある場合、サンプル溶接鋼管200の断面形状の同じ箇所にも曲げ加工によるゆがみがある。また、サンプル溶接鋼管200は検査対象溶接鋼管と同じ材質である。
サンプル溶接鋼管200は、溶接部2に内在する欠陥25を含む。欠陥25はサンプル溶接鋼管200の肉厚方向に並行である。また、欠陥25は溶接部の表面に開口部を有さない。欠陥25は人工的に作製される。
続いて、超音波探傷装置10の昇降フレーム11及びアーム13を調整し、アレイ探触子15A及び15Bをサンプル溶接鋼管200の外周面上に接触させる(S2)。このとき、シーム検知部17は溶接部2の真上に配置される。
配置後、各アレイ探触子15A、15Bで欠陥25を探傷し、入射角及び配置位置を決定する(S3〜S7)。具体的には、超音波ビームUWを出力しながら入射角及び配置位置を変更し、変更した入射角及び配置位置の中から欠陥25のエコーが最大となる入射角及び配置位置を決定する。入射角及び配置位置は、アレイ探触子ごとに決定する。以下、アレイ探触子15Aの入射角及び配置位置の決定方法を説明するが、入射角及び配置位置の決定方法はアレイ探触子15Bについても同じである。
アレイ探触子15Aからサンプル溶接鋼管200内に超音波ビームUWを出力する(S3)。このとき、超音波ビームUWがサンプル溶接鋼管200の外周面及び内周面で反射することなく、欠陥25に直接入射されるように初期入射角を設定し、超音波ビームUWを出力する。初期入射角はサンプル溶接鋼管の外径寸法等からの算出値であってもよいし、従来の経験により得られた経験値であってもよい。ここで、初期入射角のカウント値をkとする。
超音波ビームUWを出力後、揺動部180により超音波ビームUWの入射角を変動する(S4)。具体的には、揺動指示部169がカウント値kをインクリメント又はデクリメントする。揺動した入射角の範囲内において、欠陥25のエコー強度が高い入射角を強度が高い順に3つ選択する(S5)。入射角は決定部166により選択される。選択された3つの入射角をα101、α102、α103とする。
続いて、アレイ探触子15Aの入射角を各入射角α101、α102、α103で固定し、アレイ探触子15Aの配置位置を変化させる。具体的には、図4に示すように、入射角をα101に固定し、アレイ探触子15Aをサンプル溶接鋼管200の外周面に接触させた状態で、円周方向に移動させる。このとき、超音波ビームUWの伝搬方向が欠陥25に最も垂直となる配置位置で欠陥エコーの強度が最も高くなる。
決定部166は、各入射角α101〜α103で欠陥エコー強度が最も高くなる配置位置をその入射角での配置位置に選択する(S6)。たとえば、図4中の位置N11〜N13のうち、位置N12で最もエコー強度が高い場合、決定部166は、入射角α101での配置位置として位置N12を選択する。このとき決定部166は位置N12での欠陥25のエコー強度を記憶する。入射角α102、α103についても、欠陥エコー強度の最も高い配置位置を決定する。
各入射角の配置位置を選択後、決定部166は、ステップS6で決定した配置位置の欠陥エコー強度の中から最も強度の高い配置位置及び入射角を選択する。決定部166は、選択した入射角及び配置位置を、検査対象溶接鋼管1を探傷するときの入射角及び配置位置に決定する(S7)。たとえば、入射角α101の位置L2の欠陥エコー強度が最も高い場合、決定部166は検査対象溶接鋼管1を探傷するときのアレイ探触子15Aの入射角をα101に決定し、アレイ探触子15Aの配置位置を位置L2に決定する。
なお、ステップS3〜ステップS7の動作でアレイ探触子15Bの入射角及び配置位置も決定する。
また、ステップS5での入射角の選択、ステップS6での配置位置の選択、ステップS7での入射角及び配置位置の決定は、超音波探傷装置10のオペレータが行ってもよい。具体的には、欠陥25の探傷結果を評価器165に表示させながら、オペレータが入射角及び配置位置を選択又は決定してもよい。この場合、ステップS7でオペレータは選択又は決定した入射角及び配置位置を超音波探傷装置10に入力する。決定部166は入力された入射角及び配置位置を検査対象溶接鋼管を探傷するときの入射角及び配置位置に決定する。
入射角度及び配置位置を決定後、サンプル溶接鋼管200をローラ20上から取り除き、検査対象溶接鋼管1をローラ20上に搬送する(S8)。搬送後、超音波探傷装置10は検査対象溶接鋼管1に対して超音波探傷を実施する(S9)。このとき、ステップS7で決定されたアレイ探触子15Aの入射角及び配置位置、アレイ探触子15Bの入射角及び配置位置で超音波ビームUWをそれぞれ出力する。
本実施の形態による超音波探傷方法は、検査対象溶接鋼管1を探傷する前に、サンプル溶接鋼管200で入射角及び配置位置を決定する。サンプル溶接鋼管200は検査対象溶接鋼管1と同じ成形工程により製造されるため、表面の局所的な凹凸や曲げゆがみの発生箇所も含めて検査対象溶接鋼管1とほぼ同じ断面形状となる。そのため、入射角及び配置位置は検査対象溶接鋼管1の形状の局所的な凹凸や曲げゆがみも考慮して決定される。
さらにサンプル溶接鋼管200は検査対象溶接鋼管1と同じ材質であるため、入射角及び配置位置は音響異方性も考慮して決定される。よって、決定された入射角及び配置位置で検査対象溶接鋼管1を探傷すれば、局所的な形状歪みや音響異方性の影響による欠陥の探傷精度の低下を防止できる。そのため、溶接部2を高精度に探傷できる。
また、アレイ探触子15A、15Bごとに入射角及び配置位置を決定するため、検査対象溶接鋼管1の溶接部2近傍の形状が非対称であっても、各アレイ探触子で欠陥を精度よく探傷できる。
さらに、サンプル溶接鋼管に超音波を出力しながら入射角及び配置位置を変更し、変更した入射角及び配置位置の中から欠陥25のエコーが最大となる入射角及び配置位置を決定する。そのため、超音波ビームが欠陥25になるべく垂直に入射するように入射角及び配置位置を決定できる。
2.第2の実施の形態
検査対象溶接鋼管を探傷中に入射角を所定範囲で揺動させれば、溶接部の欠陥の探傷精度をさらに向上できる。
具体的には、図3中のステップS9において、決定された入射角を中心とした所定範囲内で入射角を揺動しながら超音波探傷を実施する。たとえば、図5に示すように、決定された入射角度が47degであった場合、47±3deg、すなわち44deg〜50degの範囲で入射角度を揺動しながら超音波探傷を実施する。
入射角度の揺動は揺動指示部169が指示する。カウント値k=9のとき入射角が47degになり、カウント値k=11のときに入射角が50deg、カウント値k=7のときに入射角が44degになる場合、揺動指示部169はカウント値k=7〜11の範囲で入射角を揺動する。その結果、探傷中の超音波ビームUWの入射角は44deg〜50degの範囲を変動する。
サンプル溶接鋼管200で入射角及び配置位置を決定しても、超音波探傷装置10の機械誤差により超音波ビームUWの伝播方向が欠陥25からずれる場合がある。また、探傷時の検査対象溶接鋼管1やアレイ探触子のくさび151の温度等によっても超音波ビームUWの伝搬方向がずれる。実施の形態2による超音波探傷方法では、決定した入射角を中心に探傷中の入射角を所定範囲だけ揺動する。そのため、上記機械誤差や温度等による超音波ビームUWのずれが生じても、入射角の揺動によりそのずれを修正できる。要するに、超音波ビームUWのずれが予想される入射角範囲内で超音波ビームを揺動することで、超音波ビームUWを欠陥25にほぼ垂直に入射できる。そのため、欠陥の探傷精度が向上する。
3.第3の実施の形態
複数のサイズ及び材質のサンプル溶接鋼管200により決定された入射角及び配置位置をデータベースとして超音波探傷装置10に登録しても良い。
本実施の形態による超音波探傷装置10は、ハードディスク170に表2に示す設定テーブルを記憶する。
Figure 2006047026
表2を参照して、設定テーブルでは、材質と外径寸法と肉厚寸法とに対応した入射角及び配置位置が登録される。なお、探傷検査の検査基準や、探傷感度、探傷時の入射角の揺動範囲等も設定テーブルに登録される。材質と外径寸法と肉厚寸法とに対応した入射角及び配置位置は、サイズ及び材質の異なる複数のサンプル溶接鋼管200を用いて図3のステップS1〜S7の工程を繰り返して決定され、予め設定テーブルに登録される。設定テーブルへの入力は図示しない入力装置を用いてオペレータが行ってもよいし、決定部166が行ってもよい。
図6を参照して、検査対象溶接鋼管1を探傷する場合、検査対象溶接鋼管1をローラ20上に設置する(S10)。また、超音波探傷装置10に検査対象溶接鋼管1の材質と外径と肉厚が入力される(S11)。これらの値の入力は図示しない入力装置を用いてオペレータが行ってもよい。
超音波探傷装置10内の決定部166は、入力された材質と外径と肉厚に対応した入射角及び配置位置を設定テーブルから検索する(S12)。検索後、決定部166は検索された入射角及び配置位置を探傷時の入射角及び配置位置に決定する(S13)。
超音波探傷装置10はステップS13で決定された入射角及び配置位置で検査対象溶接鋼管1を探傷する(S14)。
設定テーブルに複数の入射角及び配置位置データを登録しておけば、検査対象溶接鋼管1を探傷する前に、いちいちサンプル溶接鋼管200を探傷しなくてもよい。そのため、検査効率が向上する。なお、複数のサンプル溶接鋼管200は、対応する検査対象溶接鋼管1と同じ成形工程で製造される。
4.第4の実施の形態
オンラインに設置された超音波探傷装置が、入射角が固定された斜角探触子を装着できるが、アレイ探触子を装着できない場合がある。この場合、オフラインに超音波探傷装置10を設置し、アレイ探触子15A及び15Bを用いて入射角及び配置位置を決定する。オフラインで決定した入射角を持つ斜角探触子をオンラインの超音波探傷装置に装着し、オンラインで検査対象溶接鋼管を探傷する。
超音波探傷装置10は、ハードディスク170に表3に示す斜角探触子テーブルを記憶する。
Figure 2006047026
表3を参照して、斜角探触子テーブルには入射角に対応した斜角探触子の探触子番号が登録される。
図7を参照して、ステップS1〜ステップS7までの動作は図3と同じである。ただし、超音波探傷装置10はオフラインに設置される。ステップS7により入射角及び配置位置を決定した後、超音波探傷装置10は決定された入射角に対応した斜角探触子を斜角探触子テーブルから検索する(S20)。
オンラインの超音波探傷装置はステップS20で検索された探触子番号の斜角探触子を装着する(S21)。斜角探触子はオペレータにより装着されてもよい。装着後、検査対象溶接鋼管をオンラインのローラに搬送する(S22)。オンラインの超音波探傷装置はステップS7で決定された配置位置に斜角探触子を配置し(S23)、超音波探傷を実施する(S24)。
なお、図7では、超音波探傷装置10が斜角探触子を選択したが、ステップS7で決定された入射角に基づいて、オペレータが斜角探触子を選択してもよい。
5.第5の実施の形態
第1〜第4の実施の形態では、サンプル溶接鋼管200の欠陥25を探傷して入射角及び配置位置を設定したが、検査対象溶接鋼管1の断面形状が真円であると仮定して、入射角を及び配置位置を計算により算出しても良い。
この場合、算出した入射角で出力された超音波ビームUWが欠陥25からずれる可能性が高い。そのため、第2の実施の形態と同様に、超音波探傷中に入射角を揺動する。
図8及び図9を参照して、超音波探傷装置10に検査対象溶接鋼管1の外径寸法及び肉厚寸法が入力される(S31)。入力な図示しない入力装置からオペレータにより入力されてもよいし、ネットワーク介して接続されたコンピュータ等から自動的に入力されてもよい。
決定部166は入力された外径寸法及び肉厚寸法に基づいて、屈折角D1を算出する(S32)。図9に示すように、外径寸法がDであり、肉厚寸法がtであり、かつ、断面形状が真円の検査対象溶接鋼管1を想定する。さらに、肉厚tの中心点Pを含む肉厚方向に面欠陥が存在すると仮定する。なお、点Pを含む肉厚方向と外周との交点を地点N0とする。このとき、超音波ビームUWが点Pに入射し、かつ、超音波ビームUWが点Pを含む肉厚方向に対して垂直に入射するように、屈折角D1を算出する。この場合、屈折角D1は式(2)により算出する。
D1=sin−1(1−(t/D)) (2)
ここで、DはステップS31で入力された外径寸法であり、tはステップS31で入力された肉厚である。
なお、図9中の超音波ビームUWと検査対象溶接鋼管1の外周との交点は地点N1となる。地点N1に基づいて、アレイ探触子15A及び15Bの配置位置が算出される(S32)。
続いて、決定部166は、ステップS332で算出された屈折角を用いて入射角を算出する(S33)。具体的には、決定部166は、スネルの法則に基づいて、式(3)より入射角αを算出する。
α=sin−1(sin(D1)×V/V) (3)
ここで、Vはくさび151中の超音波ビームUWの縦波音速であり、Vは検査対象溶接鋼管1内での超音波ビームUWの横波音速である。縦波音読V及び横波音速Vは過去の経験値等を用いる。決定部166は、ステップS32及び33で算出した配置位置及び入射角を、探傷時の配置位置及び入射角に決定する。
配置位置及び入射角を算出後、ローラ20上に検査対象溶接鋼管1を設置する(S34)。超音波探傷装置10は、ステップS32で算出した配置位置にアレイ探触子15A及び15Bを配置する(S35)。配置後、検査対象溶接鋼管1を探傷する(S36)。このとき、第2の実施の形態と同じく、決定された入射角を中心とした所定範囲内で入射角を揺動しながら超音波探傷を実施する。入射角度の揺動は揺動指示部169が指示する。
サンプル溶接鋼管200を用いてアレイ探触子15A及び15Bの入射角を求めた場合と、式(2)及び式(3)により入射角を求めた場合とで、欠陥25のエコー強度の違いを調査した。
サンプル溶接鋼管200は以下の様に製造した。TMCP鋼板をCプレス、Uプレス、Oプレスで曲げ加工し、オープンパイプとした後、継ぎ目部を多電極サブマージアーク溶接法により溶接した。サンプル溶接鋼管200の外径は660mmとし、肉厚を18mmとした。溶接後、図10に示すように、形成された溶接部2に人工欠陥25を作製した。欠陥25は外径1.6mmで長さを5mmの円柱状の中空とし、欠陥の軸方向が肉厚方向と並行になるように作製した。
式(2)及び式(3)を用いてアレイ探触子15A及び15Bの配置位置及び入射角を算出した。その結果、入射角α=47.5degとなった。
続いて、サンプル溶接鋼管200上にアレイ探触子15A及び15Bを配置し、超音波ビームUWを出力しながら入射角を揺動した。このとき、配置位置は式(2)に基づいて決定した値を用いた。具体的には、式(2)により図9中の地点N1が決定する。決定した地点N1上にアレイ探触子15Aを設置し、欠陥25を対称軸とした地点N1と対称の地点にアレイ探触子15Bを設置した。地点N0から地点N1までの外周面に沿った距離Sは約98mmであった。
入射角を揺動しながら、揺動した各入射角での欠陥25のエコー強度を調査した。具体的には、入射角を43deg〜49degの範囲で揺動させた。なお、探傷時の周波数は5MHzとした。図11に調査結果を示す。算出された入射角が47.5degであったのに対し、アレイ探触子15Aのエコー強度が最大となった入射角は48.5degであり、アレイ探触子15Bのエコー強度が最大となった入射角は48.0degであった。換言すれば、アレイ探触子15A及び15Bのエコー強度が最大となった入射角は、算出された入射角とは異なった。サンプル溶接鋼管200の断面形状が真円ではなく、局所的に曲げゆがみや凹凸が存在することや、材質の音響異方性のために、算出された入射角よりもずれた入射角でエコー強度が最大となったと考えられる。
以上の調査の結果、検査対象溶接鋼管1を探傷する場合、探傷前にサンプル溶接鋼管200で入射角及び配置位置を決定した方が、欠陥の検出精度が向上すると考えられる。
アレイ探触子15Aで図10に示した欠陥25を有するサンプル溶接鋼管200を探傷した。このとき、超音波ビームの入射角を48.5degから±3.0degの範囲で揺動してサンプル溶接鋼管200を繰り返し10回探傷し、欠陥25のエコー強度を測定した。さらに、超音波ビームの入射角を48.5degで固定したまま、サンプル溶接鋼管200を繰り返し10回探傷し、欠陥25のエコー強度を測定した。
探傷結果を図12に示す。図中○印が入射角を揺動して探傷した結果であり、×印が入射角を固定して探傷した結果である。縦軸は、入射角を揺動して探傷した第1回目のエコー強度を「1」とした場合のエコー強度の相対値をを示す。
図12より、入射角を揺動して探傷した場合、探傷回数ごとのエコー強度はほぼ同じであった。一方、入射角を固定して探傷した場合、探傷回数ごとのエコー強度はばらついた。以上の結果、入射角を変動して探傷した方が入射角を固定して探傷するよりもエコー強度が安定した。そのため、入射角を揺動して探傷した方が欠陥の検出精度を向上できると考えられる。
上記実施の形態では、入射角を変更可能な入射角可変探触子としてアレイ探触子を用いたが、他の入射角可変探触子を用いてもよい。たとえば、アレイ探触子に代えて、機械的に入射角を変更できる探触子を用いてもよい。
また、サンプル溶接鋼管200の欠陥25は人工のものでなくてもよい。たとえば、過去に超音波探傷して発見された欠陥25を有する溶接鋼管をサンプル溶接鋼管として用いてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本発明による超音波探傷方法及び超音波探傷装置は、溶接鋼管の非破壊検査に広く利用可能であるが、特に、油井管又はラインパイプとして利用される溶接鋼管の非破壊検査に利用可能である。
本発明の第1の実施の形態による超音波探傷装置の構成を示す概略図である。 図1に示した制御装置の詳細を示す機能ブロック図である。 アレイ探触子から出力される超音波ビームの入射角の揺動動作を説明するための概略図である。 アレイ探触子から出力される超音波ビームの入射角の揺動動作を説明するための他の概略図である。 アレイ探触子から出力される超音波ビームの入射角の揺動動作を説明するための他の概略図である。 本発明の第1の実施の形態による超音波探傷方法を説明するためのフロー図である。 図3中のステップS6を説明するための概略図である。 本発明の第2の実施の形態による超音波探傷方法を説明するための概略図である。 本発明の第3の実施の形態による超音波探傷方法を説明するためのフロー図である。 本発明の第4の実施の形態による超音波探傷方法を説明するためのフロー図である。 本発明の第5の実施の形態による超音波探傷方法を説明するためのフロー図である。 図8中のステップS32を説明するための概略図である。 実施例で使用したサンプル溶接鋼管中の欠陥寸法を示す概略図である。 超音波ビームの入射角と欠陥のエコー強度との関係を示す図である。 入射角を揺動して探傷した場合と入射角を固定して探傷した場合の欠陥の検出精度を調査した結果を示す図である。 従来の溶接鋼管の溶接部に内在する欠陥を示す概略図である。 従来のタンデム探傷法を説明するための概略図である。 溶接部内の欠陥に超音波ビームを垂直に入射する超音波探傷方法を説明するための概略図である。
符号の説明
1 検査対象溶接鋼管
2 溶接部
10 超音波探傷装置
11 昇降フレーム
12 レール
13 アーム
14 探触子ホルダ
15A,15B アレイ探触子
16 制御装置
17 シーム検出器
20 搬送ローラ
25 欠陥
131 垂直アーム部材
132 水平アーム部材
166 決定部
169 揺動指示部
170 ハードディスク
180A,180B 揺動部
190A,190B エコー受信部
200 サンプル溶接鋼管
200 検査対象溶接鋼管
CH1〜CH32 振動子

Claims (12)

  1. 検査対象溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部に含まれる欠陥を斜角探傷法により探傷する超音波探傷方法であって、
    前記検査対象溶接鋼管と同じ成形工程により製造され、検査対象溶接鋼管と同じ外径及び肉厚を有し、溶接部に欠陥を含むサンプル溶接鋼管を用意する工程と、
    前記サンプル溶接鋼管の外周面上に、入射角を変更可能な入射角可変探触子を配置する工程と、
    前記入射角可変探触子から超音波ビームを出力し、前記超音波ビームを前記サンプル溶接鋼管の外周面及び内周面で反射させることなく直接前記欠陥に入射する工程と、
    前記超音波ビームを出力しながら入射角及び前記入射角可変探触子の配置位置を変更し、変更した入射角及び配置位置の中から前記欠陥のエコーが最大となる入射角及び配置位置を決定する工程と、
    前記決定された入射角及び配置位置で、前記検査対象溶接鋼管を探傷する工程とを備えることを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 請求項1に記載の超音波探傷方法であって、
    前記サンプル溶接鋼管は、前記検査対象溶接鋼管と同じ材質であることを特徴とする超音波探傷方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の超音波探傷方法であって、
    前記探傷する工程は、
    入射角が固定された複数の斜角探触子の中から、前記決定された入射角を有する斜角探触子を選択する工程と、
    前記選択された斜角探触子を用いて前記検査対象溶接鋼管を探傷する工程とを備えることを特徴とする超音波探傷方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の超音波探傷方法であって、
    前記探傷する工程は前記入射角可変探触子を用いて前記検査対象溶接鋼管を探傷することを特徴とする超音波探傷方法。
  5. 請求項4に記載の超音波探傷方法であって、
    前記探傷する工程は、前記入射角可変探触子の入射角を前記決定された入射角を中心とした所定の範囲で揺動しながら前記検査対象溶接鋼管を探傷することを特徴とする超音波探傷方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の超音波探傷方法であって、
    前記決定する工程は、材質又はサイズが異なる複数のサンプル溶接鋼管の各々について、入射角及び配置位置を決定し、
    前記超音波探傷方法はさらに、
    前記複数の決定された入射角及び配置位置を前記複数のサンプル溶接鋼管のサイズ及び材質に対応付けて管理装置に保存する工程を含み、
    前記探傷する工程は、
    前記検査対象溶接鋼管のサイズ及び材質と同じサイズ及び材質のサンプル溶接鋼管に対応した入射角及び配置位置を前記管理装置から検索する工程と、
    前記検索された入射角及び配置位置で前記検査対象溶接鋼管を探傷する工程とを備えることを特徴とする超音波探傷方法。
  7. 検査対象溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部内に含まれる欠陥を、前記検査対象溶接鋼管の外周面上に配置した探触子を用いて斜角探傷法により探傷する超音波探傷方法であって、
    前記検査対象溶接鋼管の外径寸法及び肉厚寸法に基づいて、前記探触子から出力される超音波ビームが前記欠陥に垂直に入射するように前記検査対象溶接鋼管の外周面での超音波ビームの屈折角及び前記探触子の配置位置を決定する工程と、
    前記決定された屈折角と、前記超音波ビームの探触子内での伝搬速度と、前記超音波ビームの検査対象溶接鋼管内での伝搬速度とに基づいて、前記超音波ビームの検査対象溶接鋼管への入射角を決定する工程と、
    前記決定された配置位置に入射角が変更可能な入射角可変探触子を配置する工程と、
    前記入射角可変探触子の入射角を前記決定された入射角を中心とした所定の範囲で揺動しながら前記検査対象溶接鋼管を探傷する工程とを備えることを特徴とする超音波探傷方法。
  8. 鋼板を曲げ加工してオープンパイプに成形する工程と、
    前記オープンパイプの継ぎ目を溶接し、溶接鋼管を製造する工程と、
    請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の超音波探傷方法により、前記溶接鋼管を探傷する工程とを備えたことを特徴とする溶接鋼管の製造方法。
  9. 検査対象溶接鋼管の軸方向に形成された溶接部に含まれる欠陥を斜角探傷法により探傷する超音波探傷装置であって、
    入射角を変更可能な入射角可変探触子と、
    前記入射角変更探触子の入射角と、前記入射角可変探触子を前記検査対象溶接鋼管の外周面上に配置する配置位置とを決定する決定手段と、
    前記入射角可変探触子を前記決定された配置位置に配置する探触子配置機構と、
    前記入射角可変探触子が超音波ビームを出力中に、前記決定された入射角を中心に所定の範囲で入射角を揺動する揺動手段とを備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
  10. 請求項9に記載の超音波探傷装置であってさらに、
    複数の検査対象溶接鋼管のサイズ及び材質に対応した複数の入射角及び配置位置を蓄積する蓄積手段を備え、
    前記決定手段は、前記検査対象溶接鋼管のサイズ及び材質に対応した入射角及び配置位置を検索することを特徴とする超音波探傷装置。
  11. 請求項9に記載の超音波探傷装置であって、
    前記決定手段は、
    前記溶接部に含まれる欠陥に超音波ビームが垂直に入射するように、前記検査対象溶接鋼管の外径寸法及び肉厚寸法に基づいて、前記検査対象溶接鋼管の外周面での超音波ビームの屈折角及び前記探触子の配置位置を決定する手段と、
    前記決定された屈折角と、前記超音波ビームの探触子内での伝搬速度と、前記超音波ビームの検査対象溶接鋼管内での伝搬速度とに基づいて、超音波ビームの検査対象溶接鋼管への入射角を決定する手段とを備えることを特徴とする超音波探傷装置。
  12. 請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の超音波探傷装置であって、
    前記入射角可変探触子は複数の振動子を備え、
    前記揺動手段は、
    前記複数の振動子の中から、複数の振動子を選択する手段と、
    前記決定された入射角に基づいて、前記選択された振動子を励振するタイミングを前記振動子ごとに決定する手段と、
    前記選択された振動子の各々を前記決定されたタイミングで励振する複数の励振手段とを備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
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