JP2006046806A - クリーンルーム - Google Patents

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Abstract

【課題】
設置及び撤去が容易で、本体の費用や設置及び撤去に関わる費用が少なくて済むクリーンルームを提供する。
【解決手段】
第1床9と、第1床9の少なくとも一部を覆い第1床9との間に部屋Rを形成するように設けられた第1曲面体1a、1b、1c、1d、1eとを具備するクリーンルームを用いる。第1曲面体は、第1壁(1b、1c、1d、1eの少なくとも一つ)と、空気流路11とを備える。第1壁は、第1二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成され、第1床9の上側に結合する。空気流路11は、その第1二重膜構造体内に設けられ、所定の範囲の清浄度を有する第1空気を部屋Rへ供給する。第1曲面体は、部屋Rへ供給されたその第1空気を第2空気として排出する送出口7を有している。第1曲面体は、第1壁により第1床9上で自立している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、クリーンルームに関し、特に膜構造体を用いたクリーンルームに関する。
昨今、ナノテクノロジーや半導体、液晶などの先端技術分野では、ダストを排した環境である築造型及びパネルを用いた構造のクリーンルームにおいて研究、開発、製造が行われている。そのようなクリーンルームを新たに既設の工場の施設内に設置する場合、施設内には通常既存の設備があるために設置作業が行い難い。既存の設備を一時的に停止したり、別の場所へ避難させたりすることは、施設の稼働率の低下につながる。既設の施設内に設置する際、既存設備への影響が少なく容易に設置することが可能なクリーンルームが求められる。
クリーンルームの設置には一般に多大な設備投資費用が発生する。そのクリーンルーム内での開発や作業が終了した場合、クリーンルームをそのまま放置すれば、デッドスペースを発生させることになる。再利用を考慮してクリーンルームの運転を継続すれば無駄なランニングコストが発生する。クリーンルームを他の場所へ移設するにも多大な移設費用がかかる。クリーンルームを撤去するにも多大な撤去費用と産業廃棄物の処理費用がかかる。設備投資費用がより少ないクリーンルームが望まれる。使用後の処分が容易でその経費もより少ないクリーンルームが望まれる。
関連する技術として、特許第2549910号公報に、二重空気膜構造クリーンルームの技術が開示されている。この二重空気膜構造クリーンルームは、二重膜構造体の内部である膜材と膜材との間、および二重膜構造体の内側に空気を送り込んで、それぞれの箇所の内部圧を外気圧より高くし、これらの内部圧によって支持される二重膜構造体である。二重膜構造体の内側を上下に区分する状態に、高性能フィルターを設ける。この高性能フィルターより下方の、二重膜構造体の内側には、高性能フィルターを有する清浄空気供給管を開口させる。また、二重膜構造体の内側の下方に開口する循環ダクトと、二重膜構造体の内側で高性能フィルターの上方に開口する送風ダクトとを連通して設ける。かつ、この送風ダクトには、これから分岐して二重膜構造体の膜材と膜材との間に開口する分岐管を設ける。
すなわち、この二重空気膜構造クリーンルームは、二重膜構造体の内部である膜材と膜材との間の内部圧だけでなく、二重膜構造体の内側の内部圧も外気圧より高くすることで支持されている。クリーンルームで行われる上方から下方の清浄な空気の吹き出しに関しては、二重膜構造体の本体とは別に天井に高性能フィルターを設置している。
特許第2549910号公報
従って、本発明の目的は、設置及び撤去が容易なクリーンルーム用膜構造体及びクリーンルームを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、既設の施設内に設置する際、既存設備への影響が少なく容易に設置及び撤去することが可能なクリーンルーム用膜構造体及びクリーンルームを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、本体の費用や設置及び撤去に関わる費用が少ないクリーンルーム用膜構造体及びクリーンルームを提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
従って、上記課題を解決するために、本発明のクリーンルームは、第1床(9)と、第1床(9)の少なくとも一部を覆い第1床(9)との間に部屋(R)を形成するように設けられた第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)とを具備する。第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)は、第1壁(1b、1c、1d、1eの少なくとも一つ)と、空気流路(11、1a3)とを備える。第1壁(1b、1c、1d、1eの少なくとも一つ)は、第1二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成され、第1床(9)の上側に結合する。空気流路(11、1a3)は、その第1二重膜構造体内に設けられ、所定の範囲の清浄度を有する第1空気を部屋(R)へ供給する。第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)は、部屋(R)へ供給されたその第1空気を第2空気として排出する送出口(7)を有している。第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)は、第1壁(1b、1c、1d、1eの少なくとも一つ)により第1床(9)上で自立している。
本発明において、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)の少なくとも一部である第1壁(1b、1c、1d、1eの少なくとも一つ)が二重膜構造体で形成されていることは、クリーンルームを設置及び撤去する際に作業を効率的に行えて好ましい。その第1二重膜構造体内に空気流路(11、1a3)が設けられていることは、ダクトスペースが不要となり好ましい。第1壁(1b、1c、1d、1eの少なくとも一つ)により、部屋内部に陽圧を与えることなく自立した部屋(R)を形成することができる。部屋(R)へ供給される第1空気は所定の範囲の清浄度に入っているので、部屋(R)内も概ねその清浄度に保つことができる。その清浄度は、例えば、空気中の浮遊物(例示:浮遊微粒子、浮遊微生物)の数により定義することができる。
上記のクリーンルームにおいて、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)は、第2二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成された第1天井(1a)を含む。空気流路(11、1a3)は、その第1二重膜構造体内及びその第2二重膜構造体内の少なくとも一方に設けられている。
本発明において、第1天井(1a)が二重膜構造体で形成されていることは、クリーンルームを設置及び撤去する際に作業を効率的に行えて好ましい。
上記のクリーンルームにおいて、空気流路(11)は、第3二重膜構造体の内部にその第1空気を供給されて、その第1空気が移動可能に形成されている。
空気流路(11)が、二重膜構造体で形成されていることは、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)に重量負担がほとんど発生せず好ましい。また、クリーンルームを設置及び撤去する際に作業を効率的に行えて好ましい。
上記のクリーンルームは、浄化装置(2)を更に具備する。浄化装置(2)は、部屋(R)の内側又は外側に設けられ、その第2空気及び外部の空気の少なくとも一方の清浄度を所定の範囲になるように浄化して、空気流路(11)へその第1空気として供給する。
浄化装置(2)を用いることで、部屋(R)の清浄度を管理することができる。
上記のクリーンルームは、部屋(R)の内側又は外側に設けられ、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)にその気体を送る送風装置(5)を更に具備する。
送風装置(5)を用いることで、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)の形状を維持することができる。
上記のクリーンルームにおいて、部屋(R)は略直方体形状であっても良い。
部屋(R)を略直方体形状とすることは、クリーンルームを設置する空間、特に上方の空間をより有効に活用することができ好ましい。
上記のクリーンルームにおいて、第1床(9)は、第4二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成されている。
本発明において、第1床(9)が二重膜構造体で形成されていることは、クリーンルームを設置及び撤去する際に作業を効率的に行えて好ましい。
上記のクリーンルームにおいて、その気体の清浄度は、その第1空気の清浄度と実質的に同じである。
本発明において、その気体と第1空気とが清浄度を実質的に同じにすることは、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)から部屋(R)へ気体が漏れても、クリーンルームの清浄度に影響がなく好ましい。ここで、実質的に同じとは、制御できる範囲で同じとのことであり、ある程度の誤差を含んでよい。
上記のクリーンルームにおいて、第1壁(1b、1c、1d、1e)は複数あり、一体に形成されている。
本発明において、複数の第1壁(1b、1c、1d、1e)が一体に形成されていることは、クリーンルームを設置及び撤去する際に、作業を効率的に行えて好ましい。
上記のクリーンルームにおいて、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)の少なくとも一部は、透明な材料で形成されている。
本発明において、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)の少なくとも一部が透明な材料で形成されることは、クリーンルーム内の照明をクリーンルーム外の照明で代替でき好ましい。部屋(R)の作業者を外部から確認でき、安全のためにも好ましい。
上記のクリーンルームにおいて、部屋(R)内に設けられ、膜構造体の内部にその気体及びその空気のいずれか一方を供給されて形成され、部屋(R)の一部を占有する占有体(8)を更に具備する。
本発明において、部屋(R)内に占有体(8)を置くことで、第1空気を送風すべき領域を少なく出来る。
上記のクリーンルームにおいて、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)は、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)の一部又は全部の外側又は内側に断熱材(51、52、53)を有する。
本発明において、断熱材(51、52、53)を設けることで、クリーンルームを設置する場所の温度の影響を部屋(R)が受け難くすることができる。
上記のクリーンルームにおいて、第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)に隣接して設けられたエアシャワー室(33、60)を更に具備する。第1曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)は、前記エアシャワー室(33、60)に隣接した部分に、前記エアシャワー室(33、60)に出入可能な出入部(31)を有する。
本発明において、エアシャワー室(33、60)を設けることで、部屋(R)へ出入する人間の持ち込む塵やゴミ、微粒子を低減することができる。
上記のクリーンルームにおいて、エアシャワー室(60)は、第2床(62)と、第2床(62)の少なくとも一部を覆い第2床(62)との間に空間を形成するように設けられた第2曲面体(61a、61b、61c、61d、61e)とを備える。第2曲面体(1a、1b、1c、1d、1e)は、複数の第2壁(61b、61c、61d、61e)と、第2天井(61a)と、空気放出部(63+66)とを含む。複数の第2壁(61b、61c、61d、61e)は、第5二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成され、第2床(62)の上側に結合する。第2天井(61a)は、複数の第2壁(61b、61c、61d、61e)の上側に結合する。空気放出部(63+66)は、その空間内に設けられ、所定の範囲の清浄度を有する第3空気をその空間の中心方向へ向かって放出する。複数の第2壁(61b、61c、61d、61e)のうちの一つ(61b)は、人の出入可能な複数の第1スリット(S1)を有する。複数の第2壁(61b、61c、61d、61e)のうちの他の一つ(61d)は、人の出入可能な複数の第2スリット(S1’)を有する。複数の第2壁(61b、61c、61d、61e)により第2床(62)上で自立している。
本発明において、第2曲面体(61a、61b、61c、61d、61e)の少なくとも一部である複数の第2壁(61b、61c、61d、61eの少なくとも一つ)が二重膜構造体で形成されていることは、クリーンルームを設置及び撤去する際に作業を効率的に行えて好ましい。
本発明により、クリーンルームにおける設置及び撤去が容易となり、本体の費用や設置及び撤去に関わる費用が少なくて済む。
以下、本発明のクリーンルームの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のクリーンルームの実施の形態の構成を示す上面概略図である。クリーンルーム10は、クリーンルーム本体1、浄化装置2、ダクト3、ダクト4、送風装置5、ダクト6、外気取入装置37、ダクト38、エアシャワー室33及び着替え室35を具備する。
クリーンルーム本体1は、壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eと、天井1aと、床9とを備える(ただし床9は天井1aの奥にあり本図では見えない)。壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eと、天井1aと、床9とは、内部に気体を含む二重膜構造体で形成されている。壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eは、クリーンルーム本体1の設置面から略垂直に、所定の領域を囲むように配置されている。天井1aと床9とは、それら4枚の壁の上部及び下部に設けられている。4枚の壁、天井及び床は、清浄環境となる直方体形状の部屋Rを構成する。各壁が略垂直に設けらていることは、半球状の場合と比較して、上部空間を有効に利用でき好ましい。二重膜構造体でクリーンルーム本体1を構成することは、空気の出し入れで簡単に部屋Rを撤去又は設置でき好ましい。
浄化装置2は、空気送出口7からダクト4を介して部屋Rの空気を吸引すると共に、外気取入装置37からダクト38を介して外部の空気を取り入れ、清浄な空気に変換する。その清浄な空気は、空気中における浮遊物(例示:浮遊微粒子や浮遊微生物)が所定の範囲(所定の密度以下)になるように浄化されている。そして、その清浄な空気をクリーンルーム本体1の部屋Rへダクト3を介して供給する。送風装置5は、外部の空気(気体)を取り入れ、4枚の壁、天井及び床がその形状を維持できるように、それらの二重膜構造体内部へダクト6を介して空気を供給する。その空気も、空気中における浮遊物(例示:浮遊微粒子や浮遊微生物)が所定の範囲(所定の密度以下)になるように浄化されていることが好ましい。部屋内に漏れても問題ないからである。
エアシャワー室33は、クリーンルームを利用する作業者にエアを吹き付け、作業者の着る防塵服の表面の塵を除去する。クリーンルーム本体1の壁1bに密接して設けられている。その一方の扉41は、壁1bの出入部31に面した位置にあり、その開閉によりクリーンルーム本体1への出入りが可能である。その他方の扉42は、その開閉により着替え室35への出入りが可能である。着替え室35は、作業者が防塵服に着替える場所である。クリーンルーム本体1の壁1bとエアシャワー室33に密接して設けられている。その一方の扉43は、外部へ出入が可能である。
クリーンルーム本体1について詳細に説明する。図2は、本発明のクリーンルームの実施の形態の構成を示す側面図である。ここでは、エアシャワー室33及び着替え室35を省略している。
壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eの各々は、二重膜構造体の内部に気体を供給されて風船のようにふくらみ、概ね長方形の厚みのある平板状に形成されている。各壁は、対向する二辺をそれぞれ他の壁の一辺に結合している。すなわち、壁1bの対向する二辺は、それぞれ壁1e及び壁1cの一辺に結合している。壁1cの対向する二辺は、それぞれ壁1b及び壁1dの一辺に結合している。壁1dの対向する二辺は、それぞれ壁1c及び壁1eの一辺に結合している。壁1eの対向する二辺は、それぞれ壁1b及び壁1dの一辺に結合している。それにより、壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eは、所定の領域を囲みながら、略垂直に自立している。
各壁(図中では壁1c)は、縫製により複数の領域(壁1cでは領域1c1〜1c8)に分割されている。但し、各領域同士は、内部の気体が互いに行き来することが可能である。縫製を施すことにより、概ね長方形の厚みのある平板状の形状を維持することができる。その形状の複数の壁を互いに結合することにより、全体として自立することができる。ただし、縫製は、図に示す構成に限定されるものではなく、その形状が維持できれば他の形態を用いても良い。
天井1aは、二重膜構造体の内部に気体を供給されて風船のようにふくらみ、概ね長方形の厚みのある平板状に形成されている。天井1aは、壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eが自立したときの上部に結合されている。すなわち、天井1aの四辺は、それぞれ壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eの上側の一辺に結合している。
床9は、クリーンルーム本体1の設置面に置かれている。その上に、壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eが置かれ、密接している。床9は、二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成されていても良い。
壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eと天井1aと床9とは、クリーンルーム本体1内部に面する面が、所定の導電性、及び、防塵性を有する布やシートを用いることが好ましい。導電性を有することで、壁や天井や床が静電気を帯びずに済む。防塵性を有することで、クリーンルーム本体1内部での塵の発生が抑制される。
天井1aは、透明な材料で形成されていることが好ましい。クリーンルーム本体1内に照明を設けなくても、クリーンルーム本体1の外側の照明で代用できるからである。壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eの各々は、透明な材料で形成されていてもよい。その場合、クリーンルーム本体1内を外側の照明でより明るくすることができる。クリーンルーム本体1の作業者を外部から確認でき、安全のためにも好ましい。
壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eと、天井1aと床9共とで形成される部屋Rは、4枚の壁が自立し、天井1aと共にその形状を維持している。そのため、部屋の内部に部屋の形状を維持するための空気を部屋R内へ供給しなくても良い。すなわち、部屋の内部を必ずしも陽圧にする必要はなく、用途に応じて陽圧又は陰圧で使用することができる。例えば、塵の進入を嫌う半導体に関連する分野のような場合は陽圧で、菌の漏洩を嫌うバイオに関連する分野の場合は陰圧で用いることができる。
ここでは、壁が4枚の場合を示しているが、壁の枚数を更に多くしても良い。壁の枚数を更に多くして(正)多角形形状にすることは、部屋内部の陽圧又は陰圧の程度が大きい場合に部屋の形状の維持をより容易に行うことができる点で好ましい。
ここでは、壁及び天井が平板状の場合を示している。しかし、床9と共に部屋Rを形成していれば、壁及び天井は曲面状又は擬似曲面状(例示:複数の平板状の小壁が連続的に向きを変えた壁)に形成されていても良い。曲面の形状を、クリーンルーム10を設置する屋内の場所の形状に合わせることで、その設置場所の空間をより有効に利用することができる。このようなフレキシビリティを有する自立した部屋Rは、壁及び天井の少なくとも一部を、二重膜構造体とすることで容易に設置可能となる。
ここでは、壁及び天井が全て二重膜構造体の場合を示している。しかし、全てではなく、その一部が二重膜構造であれば良い。例えば、図2において壁1dが、防塵処理を施し、静電気の蓄積しない所定の導電性を有する薄板パネルや樹脂製のであってもよい。この場合でも、クリーンルームの一部に二重膜構造体を用いているので、クリーンルーム設置及び撤去を容易に行うことができる。
天井1aは、空気流路11を備える。空気流路11は、浄化装置2から供給される清浄な空気の流路となり、その空気を部屋R内へ供給する。天井1aの内部に設けられ、二重膜構造体の内部に空気を供給されて形成される。その空気は、天井1aに形状維持のために供給される気体とは異なる。空気流路11は、その空気を部屋へ供給する複数の供給口12を有する。空気流路11に供給された空気は、空気流路11の内部を移動して、複数の供給口12の一つから部屋Rへ送出される。
浄化装置2は、空気送出口7からダクト4を介して部屋Rの空気を吸引すると共に、外気取入装置37からダクト38を介して外部の空気を取り入れる。そして、その空気について、その温度及び湿度を調整したうえで、例えば、HEPA(high efficiency particulate absolute)フィルタを通して除塵する。それにより、所定の範囲の清浄度を有する清浄な空気、例えばクラス100に対応する清浄度を有する空気となる。クリーンルーム本体1の用途に応じて滅菌処理を行うようにしても良い。浄化装置2は、その空気をクリーンルーム本体1の空気流路11へダクト3を介して供給する。
壁1dの送出口7は、床面から所定の高さ以下の低い位置に設けられている。それにより、部屋R内に、空気流路11の複数の供給口12から送出口7へ向かう部分ダウンフローが形成される。すなわち、部分ダウンフロー方式(乱流方式)の清浄なクリーンルームになる。このとき、浄化装置2は、部屋に求められている圧力が陽圧か又は陰圧かにより、空気の送出量及び吸入量を調整する。
送風装置5は、外部の空気を取り入れる。そして、その空気について、その温度及び湿度を調整したうえで、例えば、HEPAフィルタを通して除塵する。滅菌処理を行うようにしても良い。それにより、浄化装置2が部屋へ供給する空気と同程度の清浄な空気をクリーンルーム本体1の壁1b、壁1c、壁1d、壁1e及び天井1aへダクト6を介して供給する。送風装置5の供給する空気は、浄化装置2の供給する空気と同程度の清浄度を有することが好ましい。壁1b、壁1c、壁1d、壁1e及び天井1aから空気が部屋内へ漏れても、部屋内のクリーン度が低下しないで済むからである。ダクト6は、クリーンルーム本体1が自立して部屋を維持できるように、各壁(1b、1c、1d、1e)及び天井1aのうちの所望の位置に設けられている。
図3は、本発明のクリーンルームの実施の形態の構成を示す上面図である。この図では、エアシャワー室33及び着替え室35を省略している。天井1aは、縫製により複数の領域(1a1〜1a6)に分割されている。但し、各領域同士は、内部の気体が互いに行き来することが可能である。縫製を施すことにより、概ね長方形の厚みのある平板状の形状を維持することができる。空気流路11は、その領域の一つ(1a3)に設けられている。複数の供給口12は、空気流路11の下側(部屋R側)に所定の間隔で配置されている。各供給口12は、供給口12の口が広がらないように形状を維持しながら空気を通す格子13を含む。ただし、縫製は、図に示す構成に限定されるものではなく、その形状を維持できれば他の形態であっても良い。
浄化装置2からダクト3を介して空気流路11に供給された空気は、空気流路11の内部を移動して、複数の供給口12のいずれか一つから部屋へ、床9へ向かって送出される。部屋へ送出された空気は、送出口7からダクト4を介して浄化装置2へ吸い出される。
図4は、図2におけるAA断面図である。壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eは、前述のように、縫製を施した箇所22により複数の領域(1b1〜1b6、1c1〜1c8、1d1〜1d6、1e1〜1e8)に分割されている。各領域同士は、仕切21で気体が流通可能に区切られている。ここでは、壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eは、一体に形成されている。一体に形成することは、気体を供給することで、壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eが結合した形状を容易に得やすく、その形状を維持しやすく好ましい。ただし、各壁を別々に形成し、使用時に結合するようにすることも可能である。この場合、部屋Rに物を入れやすく好ましい。壁1b、壁1c、壁1d及び壁1eと、天井1aとは、一体に形成されていてもよい。その場合、クリーンルーム本体1の設置がより容易になる。加えて、使用時の気体の供給が容易になる。仕切21は、その材料に強度の高いものを用いることで、付加的に各壁の形状維持の役割を持たしても良い。それにより形状維持がより容易になる。
図5は、図3におけるBB断面図である。天井1aは、前述のように縫製を施した箇所24により複数の領域(1a1〜1a6)に分割されている。各領域には、その内部Nに送風装置5からの空気が流通する。各領域同士では、仕切23を介して互いの内部Nに空気が流通可能である。空気流路11は、一つの領域1a3の中に設けられている。空気流路11は、その内部Mに浄化装置2からの空気が流通する。内部Mを流れる空気は、空気流路11に設けられた供給口12からクリーンルームの清浄空気として部屋の床9方向へ向かって送出される。仕切23は、その材料に強度の高いものを用いることで、付加的に天井の形状維持の役割を持たしても良い。それにより形状維持がより容易になる。
空気流路11を天井1aの内部に二重膜構造体で設けることで、清浄な空気を供給するだけで、その清浄な空気を分配するための流路を形成することができる。すなわち、清浄な空気用の配管をクリーンルーム本体1と別に設ける必要がなく、設置空間が不要となるほか、容易にクリーンルーム本体1を設置又は撤去することができる。
図6は、本発明のクリーンルームの実施の形態の構成を示す他の側面図である。この図では、エアシャワー室33及び着替え室35を省略している。クリーンルーム本体1の壁1bの面には、出入部31を有している。出入部31は、後述のエアシャワー室との出入口として用いられる。出入部31の形状はこの例に限定されず、例えば、用途に応じて、更に狭くしたり、広くしたりすることが可能である。
次に、本発明のクリーンルームの実施の形態における設置方法について説明する。
まず、クリーンルーム設置場所に床9を設置する。床9の上に空気の入っていないクリーンルーム本体1を載せる。クリーンルーム本体1は空気が入っていないので、この段階での占有面積も、床9の面積で充分である。その後、予め設定された設置場所に浄化装置2及び送風装置5をそれぞれ設置する。続いて、ダクト3を浄化装置2とクリーンルーム本体1の空気流路11とに接続する。ダクト4を浄化装置2とクリーンルーム本体1の壁1dとに接続する。同様に、ダクト6を送風装置5とクリーンルーム本体1の壁1dとに接続する。次に、浄化装置2と送風装置5とを駆動し、クリーンルーム本体1内に及び部屋Rに空気を満たす。空気を満たす際、クリーンルーム本体1は、クリーンルーム10の設置場所より外側にへ大きく広がることはない。それにより、クリーンルーム本体1が形成される。その後、出入部31の前に、エアシャワー室33を密接するように設置する。それに隣接して着替え室35を設置する。このようにして、クリーンルーム10が完成する。クリーンルームの解体は、上記プロセスを逆に行うことで実施することができる。
このように設置の際、クリーンルーム10の設置場所以外の場所をほとんど取ることなく、クリーンルーム10を容易に設置及び解体することができる。すなわち、既設の施設内に設置する際、既存設備への影響が少なく容易に設置及び撤去することが可能である。加えて、クリーンルーム本体1は、二重膜構造体を用いているので、従来のクリーンルームに比較して、本体費用を抑えることができる。そして、設置及び撤去に関わる費用も抑えることができる。
次に、本発明のクリーンルームの実施の形態における動作方法について説明する。
空気は、送風装置5から送出され、ダクト6から壁1dへ供給される。その空気は、各壁及び天井へ送出される。各壁及び天井は、二重膜構造であり風船のように閉じているので、クリーンルーム本体1が完成した後は、それほど多くの空気を送り込む必要はない。しかし、表面や縫製部分などから若干のリークがあるため、概ね常時空気を供給する必要がある。また、リークした空気が部屋R内へ向かうことを考慮し、送風装置5も清浄な空気を供給可能であることが好ましい。ダクト6にHEPAフィルタを装着するようにしても良い。
一方、清浄な空気は、浄化装置2から送出され、ダクト3から空気流路11へ供給される。その清浄な空気は、空気流路11を膨らませて流路を形成する。そして、空気流路11の供給口12から部屋Rへ、床9の方向へ向かって送出される。このような、清浄な空気のダウンフローを継続的に行うことは、部屋Rをクリーンルームとして使用する際に非常に重要である。その清浄な空気は、部屋R内を移動した後、壁1dの下部に設けられたダクト4を介して浄化装置2へ吸引される。
このようにして、クリーンルーム10が動作する。
本発明において、空気流路11を設けなくても、壁1aの一部である領域1a3そのものが空気流路の機能を有していても良い。図7は、図3における他の変形例のBB断面図である。天井1aは、前述のように縫製を施した箇所24により複数の領域(1a1〜1a6)に分割されている。領域1a1、1a2、1a4〜1a6には、その内部Nに送風装置5からの気体(空気)が流通する。それらの領域のうちの隣り合うもの同士では、仕切23を介して互いの内部Nに気体(空気)が流通可能である。一方、領域1a3は、気体(空気)の流通が不可能なように隣接する領域1a2及び1a4と仕切23aにより遮断されている。領域1a3は、その内部Mに浄化装置2からの空気が流通する。内部Mを流れる空気は、領域1a3に設けられた供給口12からクリーンルームの清浄空気として部屋の床9方向へ向かって送出される。
領域1a3を空気流路として設け、清浄な空気を供給するだけで、その清浄な空気を分配するための流路を形成することができる。すなわち、清浄な空気用の配管をクリーンルーム本体1と別に設ける必要がなく、設置空間が不要となるほか、容易にクリーンルーム本体1を設置又は撤去することができる。
本発明において、浄化装置及び送風装置の少なくとも一方は、部屋R内部に設けても良い。図8は、本発明のクリーンルームの実施の形態の他の構成を示す上面概略図である。清浄装置2a及び送風装置5aが部屋R内に設けられている点で、図1の場合と異なる。
浄化装置2aは、部屋Rから空気取入口4aを介して部屋Rの空気を吸引すると共に、外気取入装置37aからダクト38aを介して外部の空気を取り入れ、清浄な空気に変換する。その清浄な空気は、空気中における浮遊物が所定の範囲になるように浄化されている。そして、その清浄な空気をクリーンルーム本体1の部屋Rへダクト3aを介して供給する。浄化装置2aが直接部屋Rから空気を取得することは、浄化装置2aにおける空気浄化の効率の面で好ましい。
送風装置5aは、部屋Rの空気を取り入れ、4枚の壁、天井及び床がその形状を維持できるように、それらの二重膜構造体内部へダクト6aを介して空気を供給する。送風装置5aを部屋R内に設けることで、HEPAフィルタのような浄化用の機器を有しなくても送風装置5aが清浄な部屋Rの空気を壁や天井へ送出することができる。それにより、壁や天井の空気が部屋R内に漏れても、部屋R内の清浄度に与える影響が少なくて済む。
本発明において、エアシャワー室は、クリーンルーム本体1のように二重膜構造体であっても良い。図9は、本発明のクリーンルームの実施の形態に適用されるエアシャワー室の構成を示す側面図及び上面図である。エアシャワー室60は、床62、複数の壁61b、61c、61d、61e、天井61a、空気放出管66、空気供給管63、取付部材67、スイッチ68、配線69、清浄空気供給装置64、送風装置5b、ダクト6b、空気排出口91及びダクト92を含む。但し、上面図では、スイッチ68、配線6を省略している。
複数の壁61b、61c、61d、61eの各々は、二重膜構造体の内部に送風装置5bによりダクト6bを介して気体を供給される。それにより、風船のようにふくらみ、概ね長方形の厚みのある平板状に形成される。各壁は、対向する二辺をそれぞれ他の壁の一辺に結合し、床62の上側に結合されている。天井61aは、複数の壁61b、61c、61d、61eの上側に結合する。エアシャワー室60は、二重膜構造の壁により床62上で自立している。清浄空気供給装置64は、スイッチ68からのON信号に応答して、外部又はダクト92から空気を取得し、所定の範囲の清浄度の空気に浄化して、空気供給管63へ送出する。空気供給管63は、浄化された空気を空気放出管66へ供給する。空気放出管66は、浄化された空気をエアシャワー室60内の空間の中心方向へ向かってへ放出する。空気排出口91は、ダクト92を介して清浄空気供給装置64と接続している。清浄空気供給装置64は、エアシャワー室60内の空気を空気排出口91及びダクト92を介して吸引する。
清浄空気供給装置64は、エアシャワー室60へ供給する空気について、その温度及び湿度を調整したうえで、例えば、HEPAフィルタを通して除塵する。それにより、所定の範囲の清浄度を有する清浄な空気、例えばクラス100に対応する清浄度を有する空気となる。
壁61bは、二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成される扉部65(65a、65b、65c)を含む。扉部65aと65bとの間、扉部65bと65cとの間には、人の出入可能な複数のスリットS1を有する。壁61bに対向する壁61dも、二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成される扉部65’(65a’、65b’、65c’)を含む。扉部65a’と65b’との間、扉部65b’と65c’との間には、人の出入可能な複数のスリットS1’を有する。
図10は、扉部65の動作を示す側面図及び上面図である。図9から扉部65を抜粋したものである。エアシャワー室60に入室しようとする作業者は、例えば、扉部65aを左側へ押し、扉部65bを右側へ押す。それにより、扉部65aが左側へ凹み、扉部65cと扉部65bは、右側に凹む。この状態では、扉部65aと65bとの間に空間が出来、作業者は図のEの矢印のように移動して室内へ入ることができる。部屋から出る場合も同様である。扉部65’の場合も同様である。作業者の出入後、扉部65a、65b及び65cの弾性により、扉部65は元の閉じられた状態に戻る。
このように、エアシャワー室60が二重膜構造体で形成されていることは、エアシャワー室60(クリーンルーム10)を設置及び撤去する際に作業を効率的に行えて好ましい。
本発明において、部屋Rは、常時全体を使用する必要はない。図11は、図1の変形例におけるAA断面図である。部屋内の不要な領域には、占有体8を設置することも可能である。占有体8は、二重膜構造体の内部に空気を供給されて形成される。不要な領域を占有でるのであれば形状は問わない。ただし、高さは天井1aまである。この占有体8を用いることで、清浄な空気を供給すべき範囲を制限し、浄化装置2を効率的に動作させることができる。ただし、占有体8の形状は、清浄な空気の流れの淀みを作らないような構造が好ましい。図の例では、壁側では壁に沿った形状にしているが、部屋R’側では角を少なくして、送出口7へ向かう清浄な空気の流れを邪魔しないようにしている。
本発明において、クリーンルーム本体1の広さが充分でない場合、他のクリーンルーム本体1’を接続することも可能である。図12は、本発明のクリーンルームの実施の形態の他の変形例の構成を示す上面概略図である。クリーンルーム10aは、図1の構成に加えて、更に、クリーンルーム本体1’と、それに付属する浄化装置2’、ダクト3’、ダクト4’、送風装置5’及びダクト6’を備えている。クリーンルーム本体1と他のクリーンルーム本体1’とは、壁1cと壁1e’とで密接している。それぞれ互いに出入可能な開口部37及び開口部37’を有する。開口部37及び開口部37’の構造は、例えば、図6の出入部31のようである。開口部37及び開口部37’は更に大きくすることも可能である。例えば、壁1c及び壁1e’の概ね全面に開口させても良い。その場合、部屋R及び部屋R’間の行き来が容易となり、内部のものの配置の自由度も上がる。
図12においては、2つのクリーンルーム本体を接続している。しかし、本発明がその数に制限されるものではない。例えば、行列状に接続して部屋数を増やすことも可能である。その場合、浄化装置2や送風装置5などは、行列の外側に設けたり、いくつかのクリーンルーム本体で共用するようにすることができる。また、図8に示しように、浄化装置2(’)及び送風装置5(’)の少なくとも一つを部屋R(’)の内部に設けることも可能である。
本発明において、外部に対するクリーンルーム本体1の断熱性を向上させたい場合、壁や天井に沿って断熱材を設置することも可能である。図13は、図3の変形例のCC断面図である。部屋をその外側から断熱したい場合、図に示すように、クリーンルーム本体1を断熱材で覆うようにする。例えば、天井1aの上部又は下部に密接するように断熱材51を配置する。壁1b〜壁1eの外側又は内側に密接するように断熱材52を配置する。床9の上側又は下側に断熱材53を引く。そのようにすることで、部屋をその外側から断熱することができる。
断熱材を壁の内側に配置する場合、帯電防止加工を施した断熱材をタペストリーのように壁に掛けるようにしても良い。壁に帯電防止加工をしていなくても、この断熱材で断熱効果と帯電防止効果とを併せて得ることができる。
断熱材の配置は、クリーンルーム本体1の外側に配置(外断熱)する場合、断熱材51及び断熱材52を一体化すれば、クリーンルーム本体1に被せるだけで容易に施工できる。その場合、発塵の恐れのあるものを部屋内に持ち込まずに済むからである。更に、断熱材51及び断熱材52と壁や天井との間に発生する恐れのある結露を室内に発生させずに済む。
空気流路11は、領域1a3の範囲に限定されるものではない。図14は、本発明のクリーンルームの実施の形態の他の変形例の構成を示す上面図である。ここでは、仕切23(図5参照)を一部取り除き、複数の領域1a2〜1a5に広がる空気流路15を設けた点で、図3の場合と異なる。空気流路15は、格子17がついた更に多くの供給口16を有している。これにより、部屋Rに対してより均一な清浄な空気のダウンフローを形成することができる。
清浄な空気のダウンフローをよりより良くするために、床9を高床式にしても良い。図15は、本発明のクリーンルームの実施の形態の他の変形例の構成を示す側面図である。ここでは、部屋内の架台56の上に格子状のステンレス製の高床55を設けた点が図2の場合と異なる。高床55の高さは、送出口7よりも高くしている。これにより、空気流路11の供給口12から送出される清浄な空気は、概ね高床55の下まで達することが出来る。すなわち、より完全なダウンフロー方式(層流方式)に近づけることが出来、クリーン度を向上することが可能となる。
空気流路11及び15は、壁1b〜壁1eのいずれかに設けることも可能である。図16は、本発明のクリーンルームの実施の形態の更に他の変形例の構成を示す上面図である。図17は、図16における側面図である。ここでは、エアシャワー室33及び着替え室35を省略している。クリーンルーム10は、クリーンルーム本体71、浄化装置72、ダクト73、ダクト74、送風装置5、ダクト6、外気取入装置37、ダクト38、を具備する。クリーンルーム本体71は、壁71b、壁71c、壁71d及び壁71eと、天井71aと、床79とを具備する。クリーンルーム本体71、壁71b〜壁71e、天井71a、浄化装置72、床79は、クリーンルーム本体1、壁1b〜壁1e、天井1a、浄化装置2、床9と同じである。
供給口82と格子83とを含む空気流路81は、構造は空気流路11と同じであるが、その位置が壁71eの内部における設置面と平行な方向に延びるように設けられている点で、図2や図3の場合と異なる。浄化装置72からダクト73を介して第1空気を共有され、部屋Rへその第1空気を供給する。
第1空気の出口である送出口77は、壁1eと対向する壁1cに設けられている。浄化装置72は、ダクト74を介して部屋Rの第2空気を吸引し、取り出す。
図16及び図17に示すクリーンルーム10は、部屋Rにおいて清浄な空気のクロスフローを形成することができる。すなわち、クロスフロー方式のクリーンルームにすることができる。
なお、図16及び図17のような構成は、エアシャワー室60に対して適用することも可能である。その場合、図9における取付部材67が不要となるほか、空気放出管66及び空気供給管63を膜構造体で形成できる。それにより、設置や撤去をより容易に行うことが可能となる。
なお、各図で説明した構成は、矛盾が生じる場合や実施不可能となるような場合でない限り、クリーンルーム10に重複して適用することが可能である。
図1は、本発明のクリーンルームの実施の形態の構成を示す上面概略図である。 図2は、本発明のクリーンルームの実施の形態の構成を示す側面図である。 図3は、本発明のクリーンルームの実施の形態の構成を示す上面図である。 図4は、図2におけるAA断面図である。 図5は、図3におけるBB断面図である。 図6は、本発明のクリーンルームの実施の形態の構成を示す他の側面図である。 図7は、図3における他のBB断面図である。 図8は、本発明のクリーンルームの実施の形態の他の変形例の構成を示す上面概略図である。 図9は、本発明のクリーンルームの実施の形態に適用されるエアシャワー室の構成を示す側面図及び上面図である。 図10は、扉部の動作を示す側面図及び上面図である。 図11は、図1の変形例におけるAA断面図である。 図12は、本発明のクリーンルームの実施の形態の他の変形例の構成を示す上面概略図である。 図13は、図3の変形例のCC断面図である。 図14は、本発明のクリーンルームの実施の形態の他の変形例の構成を示す上面図である。 図15は、本発明のクリーンルームの実施の形態の他の変形例の構成を示す側面図である。 図16は、本発明のクリーンルームの実施の形態の更に他の変形例の構成を示す上面図である。 図17は、本発明のクリーンルームの実施の形態の更に他の変形例の構成を示す側面図である。
符号の説明
1 クリーンルーム本体
1a 天井
1b、1c、1d、1e 壁
2 浄化装置
3、4、6 ダクト
5 送風装置
7 送出口
8 占有体
9 床
10 クリーンルーム
11、15 空気流路
12、16 供給口
13、17 格子
21、23 仕切
22、24 縫製を施した箇所
31 出入部
33 エアシャワー室
35 着替え室
37 外気取入装置
38 ダクト
41、42、43 扉
51、52、53 断熱材
55 高床
56 架台
91 空気排出口
92 ダクト

Claims (14)

  1. 第1床と、
    前記第1床の少なくとも一部を覆い、前記第1床との間に部屋を形成するように設けられた第1曲面体と
    を具備し、
    前記第1曲面体は、
    第1二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成され、前記第1床の上側に結合する第1壁と、
    前記第1二重膜構造体内に設けられ、所定の範囲の清浄度を有する第1空気を前記部屋へ供給する空気流路を備え、
    前記部屋へ供給された前記第1空気を第2空気として排出する送出口を有し、
    前記第1壁により前記第1床上で自立している
    クリーンルーム。
  2. 請求項1に記載のクリーンルームにおいて、
    前記第1曲面体は、
    第2二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成された第1天井を含み、
    前記空気流路は、前記第1二重膜構造体内及び前記第2二重膜構造体内の少なくとも一方に設けられている
    クリーンルーム。
  3. 請求項1又は2に記載のクリーンルームにおいて、
    前記空気流路は、第3二重膜構造体の内部に前記第1空気を供給されて、前記第1空気が移動可能に形成されている
    クリーンルーム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記部屋の内側又は外側に設けられ、前記第2空気及び外部の空気の少なくとも一方の清浄度を所定の範囲になるように浄化して、前記空気流路へ前記第1空気として供給する浄化装置を更に具備する
    クリーンルーム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記部屋の内側又は外側に設けられ、前記第1曲面体に前記気体を送る送風装置を更に具備する
    クリーンルーム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記部屋は略直方体形状である
    クリーンルーム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記第1床は、第4二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成されている
    クリーンルーム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記気体の清浄度は、前記第1空気の清浄度と実質的に同じである
    クリーンルーム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記第1壁は複数あり、一体に形成されている
    クリーンルーム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記第1曲面体の少なくとも一部は、透明な材料で形成されている
    クリーンルーム。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記部屋内に設けられ、膜構造体の内部に前記気体及び前記空気のいずれか一方を供給されて形成され、前記部屋の一部を占有する占有体を更に具備する
    クリーンルーム。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載のクリーンルームにおいて、
    前記第1曲面体は、前記第1曲面体の一部又は全部の外側又は内側に断熱材を有する
    クリーンルーム。
  13. 請求項1乃至12に記載のクリーンルームにおいて、
    前記第1曲面体に隣接して設けられたエアシャワー室を更に具備し、
    前記第1曲面体は、前記エアシャワー室に面した部分に、前記エアシャワー室に出入可能な出入部を有する
    クリーンルーム。
  14. 請求項13に記載のクリーンルームにおいて、
    前記エアシャワー室は、
    第2床と、
    前記第2床の少なくとも一部を覆い、前記第2床との間に空間を形成するように設けられた第2曲面体と
    を備え、
    前記第2曲面体は、
    第5二重膜構造体の内部に気体を供給されて形成され、前記第2床の上側に結合する複数の第2壁と、
    前記複数の第2壁の上側に結合する第2天井と、
    前記空間内に設けられ、所定の範囲の清浄度を有する第3空気を前記空間の中心方向へ向かって放出する空気放出部と
    を含み、
    前記複数の第2壁のうちの一つは、人の出入可能な複数の第1スリットを有し、
    前記複数の第2壁のうちの他の一つは、人の出入可能な複数の第2スリットを有し、
    前記複数の第2壁により前記第2床上で自立している
    クリーンルーム。
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