JP2006046062A - 吹付け装置および吹付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トンネルの覆工コンクリート面などのように、大型の湾曲した施工面に対しても表面処理剤を容易に吹付け施工することができる吹付け装置および吹付け方法を提供する。
【手段】 施工面に沿って伸びる供給管と、該供給管に噴射媒体を供給する送液ポンプとを有し、該供給管には噴射媒体を施工面に吹付ける複数のノズルが管長に沿って設けられており、さらに噴射媒体の流圧によって流路を開閉する圧力弁が設けられていることを特徴とし、好ましくは、ノズル内部に圧力弁が形成されており、例えば、供給管がトンネルの壁面に沿って配設され、トンネルの覆工コンクリート面に向かって液体収縮低減剤、養生水、洗浄水や薬剤などの噴射媒体を吹付ける吹付け装置ないし吹付け方法。
【選択図】 図1
【手段】 施工面に沿って伸びる供給管と、該供給管に噴射媒体を供給する送液ポンプとを有し、該供給管には噴射媒体を施工面に吹付ける複数のノズルが管長に沿って設けられており、さらに噴射媒体の流圧によって流路を開閉する圧力弁が設けられていることを特徴とし、好ましくは、ノズル内部に圧力弁が形成されており、例えば、供給管がトンネルの壁面に沿って配設され、トンネルの覆工コンクリート面に向かって液体収縮低減剤、養生水、洗浄水や薬剤などの噴射媒体を吹付ける吹付け装置ないし吹付け方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、トンネルの覆工コンクリート面などのように、大型の湾曲した施工面に対しても乾燥収縮低減剤などの表面処理剤を容易に吹付け施工することができる吹付け装置および吹付け方法に関する。
コンクリートの乾燥収縮によるひび割れを防止するために、収縮低減剤を使用することが従来から知られている。収縮低減剤の使用方法としては、コンクリートの混練時に直接添加する方法、打設後のコンクリート表面に塗布ないし噴霧する方法などが行われている。しかし、収縮低減剤をコンクリートに添加する方法では収縮低減剤の量が少ないと表層部に対して効果が不十分になると云う問題がある。一方、コンクリート表面に収縮低減剤を塗布ないし噴霧する方法は、塗布や噴霧に手間がかかり、また乾燥が進むと効果が無いなどの問題が指摘されている(特許文献1)。特にトンネルの覆工コンクリートなどは大型であり、しかも逆U字型の断面を有するので、収縮低減剤を塗布ないし噴霧するのは容易ではない。
一方、コンクリート表面に防水用表面処理剤と耐久用表面処理剤をコンクリート表面に吹付け、浸透散水後に乾燥させ、防水層や硬化層を形成するコンクリートの表面処理方法が知られている(特許文献2)。しかし、この表面処理方法もトンネルの覆工コンクリート面などの大型施工面に対して表面処理剤を吹付け施工するのは容易ではない。
また、トンネルなどのコンクリート壁に対する吹付け施工を行う装置としては、トラックの荷台に上下左右に動くアームを設け、このアームにホースを取り付け、ホース先端に設けた吹付けノズルから薬液や洗浄水などをコンクリート壁に向かって吹付ける装置が従来知られている(特許文献3)。しかし、この装置は単一の吹付けノズルから薬液等を噴射する構造であるため噴射範囲が限られ、トンネルのコンクリート全面に施工する場合などは施工能率が劣ると云う問題がある。
特開平11−256819号公報
特開2003−342085号公報
特開平10−231575号公報
本発明は、従来の施工方法および施工装置における上記問題を解決したものであり、トンネルの覆工コンクリート面などのように、大型の湾曲した施工面に対しても乾燥収縮低減剤などの表面処理剤を容易に吹付け施工することができる吹付け装置および吹付け方法を提供する。
本発明によれば以下の構成からなる吹付け装置が提供される。
(1)施工面に沿って伸びる供給管と、該供給管に噴射媒体を供給する送液ポンプとを有し、該供給管には噴射媒体を施工面に吹付ける複数のノズルが管長に沿って設けられており、さらに噴射媒体の流圧によって流路を開閉する圧力弁が設けられていることを特徴とする吹付け装置。
(2)噴射媒体の流路内に設けた弁体と、該弁体を管壁に押圧して流路を塞ぐバネ部材が内装されており、噴射媒体の流圧によって弁体がバネ力に抗して押し戻されて流路を開く圧力弁が形成されている上記(1)の吹付け装置。
(3) ノズルの内部または近傍に圧力弁が設けられている上記(1)または(2)の吹付け装置。
(4)供給管が管長に沿って連結分割自在であり、湾曲ないし凹凸した施工面に沿って配設可能な上記(1)〜(3)の何れかに記載する吹付け装置。
(5)供給管がトンネルの壁面に沿って配設され、トンネルの覆工コンクリート面に向かって液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、または薬剤を吹付ける上記(1)〜(4)の何れかに記載する吹付け装置。
(6)供給管が移動自在なコンクリート型枠に設置され、コンクリートの脱型と同時ないし脱型直後に液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、塗料、または薬剤をコンクリート面に吹付ける上記(5)の吹付け装置
(1)施工面に沿って伸びる供給管と、該供給管に噴射媒体を供給する送液ポンプとを有し、該供給管には噴射媒体を施工面に吹付ける複数のノズルが管長に沿って設けられており、さらに噴射媒体の流圧によって流路を開閉する圧力弁が設けられていることを特徴とする吹付け装置。
(2)噴射媒体の流路内に設けた弁体と、該弁体を管壁に押圧して流路を塞ぐバネ部材が内装されており、噴射媒体の流圧によって弁体がバネ力に抗して押し戻されて流路を開く圧力弁が形成されている上記(1)の吹付け装置。
(3) ノズルの内部または近傍に圧力弁が設けられている上記(1)または(2)の吹付け装置。
(4)供給管が管長に沿って連結分割自在であり、湾曲ないし凹凸した施工面に沿って配設可能な上記(1)〜(3)の何れかに記載する吹付け装置。
(5)供給管がトンネルの壁面に沿って配設され、トンネルの覆工コンクリート面に向かって液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、または薬剤を吹付ける上記(1)〜(4)の何れかに記載する吹付け装置。
(6)供給管が移動自在なコンクリート型枠に設置され、コンクリートの脱型と同時ないし脱型直後に液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、塗料、または薬剤をコンクリート面に吹付ける上記(5)の吹付け装置
また、本発明は以下の吹付け方法に関する。
(7)施工面に沿って伸びる供給管を通じて噴射媒体を施工面に吹付ける方法において、噴射媒体の流圧によって流路が開閉する圧力弁を介して噴射媒体を吹付けることを特徴とする吹付け方法。
(8)噴射媒体の流路内に設けた弁体と、該弁体を管壁に押圧して流路を塞ぐバネ部材によって形成された圧力弁がノズルの内部または近傍に設けられており、該圧力弁およびノズルを介して噴射媒体を施工面に吹付ける上記(7)の吹付け方法。
(9)噴射媒体が液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、塗料、または各種薬剤であり、コンクリート面にこれらの媒体を吹付ける上記(7)または(8)の吹付け方法。
(7)施工面に沿って伸びる供給管を通じて噴射媒体を施工面に吹付ける方法において、噴射媒体の流圧によって流路が開閉する圧力弁を介して噴射媒体を吹付けることを特徴とする吹付け方法。
(8)噴射媒体の流路内に設けた弁体と、該弁体を管壁に押圧して流路を塞ぐバネ部材によって形成された圧力弁がノズルの内部または近傍に設けられており、該圧力弁およびノズルを介して噴射媒体を施工面に吹付ける上記(7)の吹付け方法。
(9)噴射媒体が液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、塗料、または各種薬剤であり、コンクリート面にこれらの媒体を吹付ける上記(7)または(8)の吹付け方法。
本発明の吹付け装置および吹付け方法は、施工面に沿って伸びる供給管を有し、噴射媒体を施工面に吹付ける複数のノズルが管長に沿って設けられているので、従来の吹付け装置のように単一の噴射ノズルによる吹付け作業とは異なり、施工面に対して同時に広く吹付け作業を行うことができ、作業能率が格段に向上する。
また、本発明の吹付け装置および吹付け方法は、噴射ノズルの内部または近傍には噴射媒体の流圧によって流路が開閉する圧力弁が形成されているので、上下の高低差が大きい施工面に対しても一定圧力以上の均一な流圧で媒体が噴射され、均一な吹付け施工を行うことができ、また、噴射媒体の供給を停止した場合にも上下均等に媒体の噴射を止めることができる。
従って、本発明の吹付け装置および吹付け方法は、トンネルの覆工コンクリート面などのように大型の湾曲した施工面に対して、液体乾燥収縮低減剤などの表面処理剤を吹付け施工するのに適する。
以下、本発明を図面に基づいて具体的に示す。図1は本発明に係る吹付け装置の概略図であり、図2はノズル部分の概略断面である。図1に示すように、本発明の吹付け装置は、施工面に沿って伸びる供給管10と、該供給管10に噴射媒体を供給する送液ポンプ11を有し、供給管の管長に沿って複数のノズル12が施工面に向かって設けられており、該ノズル12には噴射媒体の流圧によって流路を開閉する圧力弁13が形成されている。
供給管10の材質は限定されない。布製やゴム製のホースでも良く、あるいは樹脂製のパイプや鋼管でも良い。図示するように、供給管10は施工面に沿って伸びるように形成される。布製やゴム製のホースを用いる場合には一連の長いホースを用いることができ、または複数本のホースを連結しても良い。樹脂製のパイプや鋼管を用いる場合には、例えば、供給管10を管長に沿って連結分割自在に形成し、湾曲ないし凹凸した施工面に対して複数本の管を連結することによって、施工面に沿って供給管10を配設すると良い。
具体的には、例えば、供給管10は、図示するように、トンネルのコンクリート壁に対して、その逆U字型断面の全面に沿って配設される。供給管10をトンネルの逆U字型断面に沿って設けるには、コンクリートの型枠を利用することができる。例えば、トンネルの掘削面に一次覆工コンクリートを吹付け施工した後、この一次覆工コンクリートの上に二次覆工コンクリートを施工する場合、コンクリート型枠が使用され、この型枠はトンネルの進行方向に沿って移動自在な構造のものが用いられている。このコンクリートの型枠を利用し、供給管10をコンクリート型枠の支持枠(図示省略)に取り付けて使用することができる。
コンクリート型枠を利用して供給管10を設置することによって、コンクリートの脱型と同時ないし脱型直後に液体収縮低減剤などの吹付け施工を行うことができる。収縮低減剤はコンクリートの乾燥が進まないうちに施工する必要があり、コンクリートの脱型と同時ないし脱型直後に施工できることによって収縮低減剤の効果を十分に発揮させることができる。
供給管10には、その管長に沿って複数のノズル12が施工面(例えば、コンクリート壁面)に向かって設けられている。ノズル12の間隔ないし装着数は施工条件に応じて定めれば良い。このノズル12には噴射媒体の流圧によって流路を開くする圧力弁13が形成されている。圧力弁13としては、例えば、噴射媒体の流路を塞ぐ弁体と、該弁体を流路に押圧するバネ部材とをノズル内部に設け、噴射媒体の流圧によって弁体がバネ力に抗して押し戻され、流路が開くように形成すると良い。
ノズル内部の圧力弁の具体例を図2に示す。図示するように、筒状のノズル12の内部空間に噴射媒体が流れる管20が連結しており、この内部空間のノズル先端側には溝21が形成されており、この溝21はノズル口22に連通し、かつバネ部材23が収納されている。また、上記管20と溝21の間には球状の弁体24が内装されており、この弁体24は上記バネ部材23によって管20の管端に押圧されている。球状弁体24は例えば塩化ビニール製の球体を用い、管端は球状弁体24に密着するように形成され、弁体24が管端に押圧されることによって噴射媒体の流路が閉じられている。噴射媒体が流れ、その流圧がバネ力を上回ると、弁体24が押し戻されて管端を離れ、噴射媒体の流路が開き、噴射媒体がノズル12の内部空間を流れ、溝21を通じてノズル口22から噴射される。
図2の圧力弁は、バネ力を調整することによって異なる流圧に対応することができる。例えば、図1に示すトンネルの二次覆工コンクリート面に液体収縮低減剤を吹付ける場合、トンネルの頂部に向かって配置される供給管の上側部分よりも、側壁に向かって配置される供給管の下側部分は管内を流れる液体収縮低減剤の流圧が高い。そこで、供給管10の下側部分のノズル12に内装されるバネ部材23を上側部分のバネ部材23よりもバネ力の大きいものを用いることによって、上下均等に流圧を制御することができる。
なお、図2の圧力弁の構造において、溝21の形成されるノズル12の先端部分をネジによる連結構造とし、ノズル先端部分のネジ込み深さを調整することによって溝21の深さを変え、溝21に収納されているバネ部材23のバネ力を調整できるようにしても良い。
上記装置構成において、供給管10を施工面に対して設置した後に、液体収縮低減剤や洗浄水などの噴射媒体を送液ポンプ11によって供給管10に送り込む。供給管10に流入された噴射媒体が所定の流圧以上になると噴射媒体の流れがノズル内部の圧力弁を押し開いてノズル口22から施工面に向かって噴射される。一方、送液ポンプによる供給を停止し、あるいは送液量を減少することによって、供給管10を流れる噴射媒体の流圧が低下し、圧力弁が閉じて媒体の噴射が止まる。
本発明の吹付け装置は、図1に示すような、トンネルの覆工コンクリート面に液体収縮低減剤を吹付け施工する装置に限らず、噴射媒体が塗料である塗料吹付け装置、噴射媒体が養生水や洗浄水ないし洗浄薬液である吹付け洗浄装置、または噴射媒体が液体防水剤や樹脂モルタル等のコーティング材である表面処理吹付け装置などとして使用することができる。
因みに、本発明のような圧力弁がノズルに内装されていないと、図2のように上下の高低差が大きい場合、トンネル上方に設置された部分よりもトンネル下方に設置された部分の流圧が高低差分だけ高いので、トンネル上方に対して噴射されないうちにトンネル下方に対して噴射が始まり、均一な吹付け作業ができない。また、媒体の供給を停止し、トンネル上方に対する噴射が止んでも、トンネル下方に対する部分は高低差分の流圧が残り、噴射媒体の漏れが生じる。本発明の吹付け装置は圧力弁がノズルに内装されているので、このような不都合を生じない。
本発明によれば、上記吹付け装置を用いることによって、施工面に沿って伸びる供給管を通じて噴射媒体を施工面に吹付ける方法において、(イ)噴射媒体の流圧によって流路が開閉する圧力弁を介して噴射媒体を吹付ける方法、(ロ)噴射媒体の流路内に設けた弁体と、該弁体を管壁に押圧して流路を塞ぐバネ部材によって形成された圧力弁およびノズルを介して噴射媒体を施工面に吹付ける方法、(ハ)噴射媒体として液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、塗料、または各種薬剤をコンクリート面に吹付ける方法を実施することができる。
10−供給管、11−送液ポンプ、12−ノズル、13−圧力弁、20−管、21−溝、22−ノズル口、23−バネ部材、24−弁体。
Claims (9)
- 施工面に沿って伸びる供給管と、該供給管に噴射媒体を供給する送液ポンプとを有し、該供給管には噴射媒体を施工面に吹付ける複数のノズルが管長に沿って設けられており、さらに噴射媒体の流圧によって流路を開閉する圧力弁が設けられていることを特徴とする吹付け装置。
- 噴射媒体の流路内に設けた弁体と、該弁体を管壁に押圧して流路を塞ぐバネ部材が内装されており、噴射媒体の流圧によって弁体がバネ力に抗して押し戻されて流路を開く圧力弁が形成されている請求項1の吹付け装置。
- ノズルの内部または近傍に圧力弁が設けられている請求項1または2の吹付け装置。
- 供給管が管長に沿って連結分割自在であり、湾曲ないし凹凸した施工面に沿って配設可能な請求項1〜3の何れかに記載する吹付け装置。
- 供給管がトンネルの壁面に沿って配設され、トンネルの覆工コンクリート面に向かって液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、または薬剤を吹付ける請求項1〜4の何れかに記載する吹付け装置。
- 供給管が移動自在なコンクリート型枠に設置され、コンクリートの脱型と同時ないし脱型直後に液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、塗料、または薬剤をコンクリート面に吹付ける請求項5の吹付け装置
- 施工面に沿って伸びる供給管を通じて噴射媒体を施工面に吹付ける方法において、噴射媒体の流圧によって流路が開閉する圧力弁を介して噴射媒体を吹付けることを特徴とする吹付け方法。
- 噴射媒体の流路内に設けた弁体と、該弁体を管壁に押圧して流路を塞ぐバネ部材によって形成された圧力弁がノズルの内部または近傍に設けられており、該圧力弁およびノズルを介して噴射媒体を施工面に吹付ける請求項7の吹付け方法。
- 噴射媒体が液体収縮低減剤、養生水、洗浄水、塗料、または各種薬剤であり、コンクリート面にこれらの媒体を吹付ける請求項7または8の吹付け方法。
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