JP2006045088A - 植物生育阻害物質除去剤および養液中の植物生育阻害物質の除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の課題は、水耕栽培や固形培地耕栽培等の循環方式養液栽培において、植物の根から浸出し、養液中に蓄積するフェノール誘導体や有機酸等の老廃物(以下、植物生育阻害物質ともいう)の除去ができ、更に養液中の植物病原菌および/またはウイルスが原因の植物病害を防除、あるいは耐病性を向上させることにより、培養液の交換時期をより長くする工業的に適用範囲の広い養液栽培方法を提供することにある。
【解決手段】
フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤を提供する。
【選択図】 図1
本発明の課題は、水耕栽培や固形培地耕栽培等の循環方式養液栽培において、植物の根から浸出し、養液中に蓄積するフェノール誘導体や有機酸等の老廃物(以下、植物生育阻害物質ともいう)の除去ができ、更に養液中の植物病原菌および/またはウイルスが原因の植物病害を防除、あるいは耐病性を向上させることにより、培養液の交換時期をより長くする工業的に適用範囲の広い養液栽培方法を提供することにある。
【解決手段】
フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、植物生育阻害物質除去剤および養液中の植物生育阻害物質の除去方法に関する。より詳しくは、フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤および養液栽培の養液中に、フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤を施用することを特徴とする植物生育阻害物質の除去方法に関する。
通常、植物は畑や田のように土を培地として栽培され、水分や養分は土を介して根から吸収される。しかしながら,土に水や養分を散布して栽培する方法では、植物に吸収される効率が低く,水分や養分のロスが大きいという問題がある。
そこで近年、野菜,果物,花などの植物の養液栽培が盛んに利用されるようになってきている。養液栽培は土の代わりにロックウール、プラスチックの発泡体、繊維状物等を培地として使用する。植物に必要な養分である窒素、燐酸、カリや鉄、マンガン等の微量成分は水に溶かして所定の成分濃度に調整し、培地にポンプで供給する方法がとられている。このため養液栽培は、省力化、機械化が可能である。
すなわち、土耕の特徴である鍬,鋤、トラクターなどによる労働は必要がなく、除草等の手間も不要である。また、連作障害をなくすための土壌消毒、土替え、場所の変更、作物の変更等も不要である、水に肥料を溶解して循環させるため、肥料の流出等の無駄がなく、必要な養分を必要なだけ効率的に与えることができる。また、気象条件に左右され難く、栽培密度を高く、かつ回転を早くすることが可能であり、土地の有効利用と単位面積当たりの収穫量増大が期待できる等の利点がある。
近年、養液栽培は急速に栽培面積が拡大している。さらに野菜等においては工場化による大量生産も進んでいる。しかしながら、養液栽培において養液を長期間交換せずに追肥のみで運転していくと、植物によっては生育が著しく遅れる等、生育不良の問題が発生している。現状では、このような問題が生じる前に経験的に養液を新しいものに交換する等の対策が取られているが、このような対策では栽培のコストが上昇するという問題がある。また、養液を交換する場合、栄養分の高い水が直接河川に排出されると、河川や湖沼の富栄養化を招くため、養液を処理して排出することが必要となってきている。
養液栽培における植物の生育不良の原因は、栽培中の植物から分泌されるフェノール系物質や有機酸物質といった生育阻害物質が養液の中に蓄積されることに起因する。瀧嶋は、桂皮酸、サリチル酸等の有機酸が0.1〜0.01ppmの非常に低濃度で阻害作用を示すことを示した(非特許文献1)。土屋は、以下に示す各作物についてフェノール系物質の存在とその阻害作用を報告している(非特許文献2)。アスパラガスの根や茎の水抽出液がアスパラガス幼苗の生育を著しく阻害し、その抽出液のフェノール含量が高い。しかし、根の遺体の抽出液では阻害作用が茎や根の抽出液に比べると低い。そしてアスパラガス根圏土壌中の阻害物質として、5種類のフェノール酸を分離、同定している。
サトイモの根のメタノール抽出物などの中に3種類のフェノール酸が生育阻害物質として存在することを同定している。トウガラシの葉、茎、根のメタノール抽出液の中に数種のフェノール酸が生育阻害物質であることを推定した。スイカの根の水浸出液からサリチル酸が抽出されハツカダイコンの生育を阻害した。また、サリチル酸がつる割れ病羅病スイカの根の導管を褐変する前駆物質であることから、サリチル酸がスイカ残根の分解によって生じ、連作障害の一つに関与していることが推定された。トマトの根のエタノール抽
出物の中に発芽抑制、幼植物生育阻害物質が3種類分離・同定された。これらのフェノール酸はいずれも300ppmで阻害活性があった。エンドウの風乾根の熱水抽出物から、生育阻害物質であるフェノール酸が分離・同定され、エンドウの芽生えが阻害された。ルーピンの砂耕栽培の浸透水はルーピンに対して強い阻害性を示し、その阻害物質としてコーヒー酸(Caffeic acid)、フェルラ酸(Ferulic acid)を同定した(非特許文献3)。また、8種類の葉菜類の自家中毒物質として、乳酸、m−ヒドロキシ安息香酸、P−ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、アジピン酸、コハク酸を同定した。作物別に顕著に生育抑制を引き起こす物質としてパセリでは、アジピン酸、セロリでは乳酸、ミツバでは、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸及びコハク酸、レタスでは、バニリン酸、葉ゴボウではコハク酸、シュンギクでは安息香酸及びm-ヒドロキシ安息香酸及びコハク酸、チンゲンサイでは安息香酸及びp−ヒドロキシ安息香酸、ケールでは、安息香酸、P-ヒドロキシ安息香酸及びアジピン酸を同定している(非特許文献4)
出物の中に発芽抑制、幼植物生育阻害物質が3種類分離・同定された。これらのフェノール酸はいずれも300ppmで阻害活性があった。エンドウの風乾根の熱水抽出物から、生育阻害物質であるフェノール酸が分離・同定され、エンドウの芽生えが阻害された。ルーピンの砂耕栽培の浸透水はルーピンに対して強い阻害性を示し、その阻害物質としてコーヒー酸(Caffeic acid)、フェルラ酸(Ferulic acid)を同定した(非特許文献3)。また、8種類の葉菜類の自家中毒物質として、乳酸、m−ヒドロキシ安息香酸、P−ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、アジピン酸、コハク酸を同定した。作物別に顕著に生育抑制を引き起こす物質としてパセリでは、アジピン酸、セロリでは乳酸、ミツバでは、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸及びコハク酸、レタスでは、バニリン酸、葉ゴボウではコハク酸、シュンギクでは安息香酸及びm-ヒドロキシ安息香酸及びコハク酸、チンゲンサイでは安息香酸及びp−ヒドロキシ安息香酸、ケールでは、安息香酸、P-ヒドロキシ安息香酸及びアジピン酸を同定している(非特許文献4)
また、わが国ではトマトやイチゴ、ミツバなどで養液栽培が広く行われているが、キュウリの養液栽培はほとんど行われていない。なぜなら、自家中毒のために生育後半のキュウリの収量が著しく低下することが経験上明らかであるからである。
これらのフェノール系物質や有機酸物質といった生育阻害物質を除去する方法として活性炭で吸着除去する方法が提案されている(非特許文献5、特許文献1および特許文献2等)。しかしながら、活性炭が植物に有用な養分まで吸着してしまい、養液に補給する養分の量が多くなるばかりか、目的とする生育阻害物質の吸着能力が低下する等々の問題があった。
更に、ハウスは開放系であり、大気中から付近の田畑の病原菌胞子が飛来したり、靴等に付着した病原菌汚染土壌により、栽培ベッドや培養液循環系に病原菌が飛び込む場合が多々ある。土壌とは異なり、養液栽培の場合、病原菌に対する拮抗菌が存在しないため被害は非常に大きいものとなる。土壌のような緩衝作用が少なく、病原菌の拡散が容易で、根との接触機会が多く、培養液中に菌が混入すると土耕よりも蔓延しやすい。一般に、培養液中の病原菌は胞子、菌糸や遊走子の形で液中を伝播し、根から侵入し、立枯れ、根腐れ病などを引き起こす。特に、ピシウム菌・リゾクトニア菌・フザリウム菌等による立ち枯れ病・萎凋病は、養液栽培作物のほとんどが被害の対象となる。
養液栽培法において農薬を用いない殺菌法として、紫外線・オゾン・加熱などによる殺菌方法が知られているが、紫外線だけでは十分な効果得られ難く、又、加熱装置やオゾン発生装置などの装置は維持管理の手間や、コスト面等の問題があった。また、近年オゾン発生装置の低価格化が達成されてきたが、鉄、Mn等微量成分の不溶化を起こすなど再循環に当たり課題が多い。
養液栽培用として唯一登録されている農薬としてはサトウセン製のオクトクロスという銀を布に含浸させた殺菌剤がある(2004年2月登録)。しかし、温度が30度以上、水中のアンモニア濃度、PHの変動により植物根が焼ける等甚大な薬害を起こす懸念があり、使用には極めて慎重な対応が必要である。また、培養液を交換することも頻繁に行われているが、地下水や河川の汚染等の環境問題からも、コストや手間の点からも好ましい対処法とは言えない。
特開平8−266171
特開平9−313055
瀧嶋康夫等、農業及園芸、第34巻、10、1573頁〜1574頁、1959年
土屋一成、根菜類の現状と問題点、北海道土壌肥料懇話会、第38回シンポジウム、1991年
安田環、農業におけるアレロパシーの重要性、農業技術41(2)、1986年
Toshiki Asao、 Hiroaki Kitazawa、 Takuya Ban、 M.H.R.Pramanik、 Yoshihisa Matsui and Takashi Hosoki、園学雑、J. Japan Soc. Hort.Sci., 73(3):247-249(2004)
Toshiki Asao 植物工場学会誌 12(1) 61頁〜63頁 2000年
本発明の課題は、水耕栽培や固形培地耕栽培等の循環方式養液栽培において、植物の根から浸出し、養液中に蓄積するフェノール誘導体や有機酸等の老廃物(以下、植物生育阻害物質ともいう)の除去ができ、更に養液中の植物病原菌および/またはウイルスが原因の植物病害を防除、あるいは耐病性を向上させることにより、培養液の交換時期をより長くする工業的に適用範囲の広い養液栽培方法を提供することにある。
本発明者らは、フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤が上記植物生育阻害物質の生育阻害活性を失活させること、および養液栽培の養液中に、フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤を施用することで植物生育阻害物質の除去ができ、更に、養液中の植物病原菌および/またはウイルスが原因の植物病害を防除、あるいは耐病性を向上させることができることを確認し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤。
(2)上記フェノールオキシダーゼが微生物または植物由来である、(1)に記載の植物生育阻害物質除去剤。
(3)上記フェノールオキシダーゼがラッカーゼである、(1)に記載の植物生育阻害物質除去剤。
(4)養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法であって、前記養液栽培の養液中に(1)〜(3)のいずれか1項に記載の植物生育阻害物質除去剤を施用することを特徴とする、養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法。
(5)前記植物生育阻害物質は、フェノール誘導体または有機酸である、(4)に記載の植物生育阻害物質の除去方法。
(6)前記植物生育阻害物質は、バニリン酸、サリチル酸、コーヒー酸(Caffeic acid)、フェルラ酸(Ferulic acid)、m−ヒドロキシ安息香酸、P−ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、乳酸、アジピン酸、コハク酸から選ばれる、(4)に記載の植物生育阻害物質の除去方法。
(7)養液栽培において、植物病原菌および/またはウイルスが原因の植物病害を防除する方法であって、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の植物生育阻害物質除去剤を施用することを特徴とする、植物病害を防除する方法。
(8)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の植物生育阻害物質除去剤(ただし、ラッカーゼを有効成分とするものを除く)にメディエータをさらに施用することを特徴とする、(7)に記載の植物病害を防除する方法。
(9)前記メディエータが下記一般式(I)で表される1種もしくは2種以上のフェノール誘導体またはその塩であることを特徴とする、(8)に植物病害を防除する方法。
(式中、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換の炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、置換または無置換の核炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のカルボキシル基、炭素数1〜10のカルボニル基、またはハロゲン原子を表し、かつ、R1〜R5の少なくとも一つは炭素数1〜10のアルケニル基である。ただし、R1およびR5のいずれもがアルコキシ基である場合を除く。)
(1)フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤。
(2)上記フェノールオキシダーゼが微生物または植物由来である、(1)に記載の植物生育阻害物質除去剤。
(3)上記フェノールオキシダーゼがラッカーゼである、(1)に記載の植物生育阻害物質除去剤。
(4)養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法であって、前記養液栽培の養液中に(1)〜(3)のいずれか1項に記載の植物生育阻害物質除去剤を施用することを特徴とする、養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法。
(5)前記植物生育阻害物質は、フェノール誘導体または有機酸である、(4)に記載の植物生育阻害物質の除去方法。
(6)前記植物生育阻害物質は、バニリン酸、サリチル酸、コーヒー酸(Caffeic acid)、フェルラ酸(Ferulic acid)、m−ヒドロキシ安息香酸、P−ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、乳酸、アジピン酸、コハク酸から選ばれる、(4)に記載の植物生育阻害物質の除去方法。
(7)養液栽培において、植物病原菌および/またはウイルスが原因の植物病害を防除する方法であって、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の植物生育阻害物質除去剤を施用することを特徴とする、植物病害を防除する方法。
(8)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の植物生育阻害物質除去剤(ただし、ラッカーゼを有効成分とするものを除く)にメディエータをさらに施用することを特徴とする、(7)に記載の植物病害を防除する方法。
(9)前記メディエータが下記一般式(I)で表される1種もしくは2種以上のフェノール誘導体またはその塩であることを特徴とする、(8)に植物病害を防除する方法。
(式中、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換の炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、置換または無置換の核炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のカルボキシル基、炭素数1〜10のカルボニル基、またはハロゲン原子を表し、かつ、R1〜R5の少なくとも一つは炭素数1〜10のアルケニル基である。ただし、R1およびR5のいずれもがアルコキシ基である場合を除く。)
本明細書でいう「植物生育阻害物質」は、水耕栽培や固形培地耕栽培等の循環方式養液栽培において、植物の根から浸出し、養液中に蓄積するフェノール誘導体や有機酸等の老廃物をいう。
本明細書でいう「植物生育阻害物質除去」とは、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質が反応し、該植物生育阻害物質が植物生育阻害活性を失活した別の化合物に変化させるこという。また、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質が反応した際にラジカルが生成し、該ラジカルがフェノールオキシダーゼとは直接反応しない植物生育阻害物質に作用し、植物生育阻害活性を失活した別の化合物に変化させることも含まれる。
本明細書でいう「メディエータ」とは、生物の基質や生物反応には直接関与しない人工的な化学物質であり、かつ、酸化反応および還元反応を行うことができる化学物質をいう。
本明細書でいう「植物生育阻害物質除去」とは、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質が反応し、該植物生育阻害物質が植物生育阻害活性を失活した別の化合物に変化させるこという。また、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質が反応した際にラジカルが生成し、該ラジカルがフェノールオキシダーゼとは直接反応しない植物生育阻害物質に作用し、植物生育阻害活性を失活した別の化合物に変化させることも含まれる。
本明細書でいう「メディエータ」とは、生物の基質や生物反応には直接関与しない人工的な化学物質であり、かつ、酸化反応および還元反応を行うことができる化学物質をいう。
養液栽培作物の根から浸出する植物生育阻害物質が、フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤と反応し、除去されることで、作物の健全な生育が促進でき、養液の長期使用が可能となる。また、植物生育阻害物質除去剤の添加または、植物生育阻害物質除去剤に加えて、メディエータをさらに添加することにより、養液中に存在する植物病原菌を殺菌し、発育を阻害し、および/またはウイルスの増殖を阻止し、これらが原因の植物病害を防除する。一方、植物生育阻害物質除去剤を添加した養液を環境中に排出する場合、該植物生育阻害物質除去剤は環境を汚染しない酵素等天然物を由来とするため特別な処理が不用である。(図1参照)
<本発明の植物生育阻害物質除去剤>
本発明の植物生育阻害物質除去剤は、フェノールオキシダーゼを有効成分とする。
本発明の植物生育阻害物質除去剤は、フェノールオキシダーゼを有効成分とする。
本発明に用いるフェノールオキシダーゼとは、一価フェノールあるいは多価フェノールの、分子状酸素による酸化を触媒する酵素をいう。これらの酵素は一価フェノールに作用するモノフェノール酸化酵素と多価フェノールに作用するポリフェノール酸化酵素とに大別され、本発明においては、植物生育阻害物質除去作用を有するものである限りそれら何れの種類が利用できる。好ましいフェノールオキシダーゼとしては、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ等が挙げられる。さらに好ましいフェノールオキシダーゼとしては、ラッカーゼが挙げられる。
本発明に用いるフェノールオキシダーゼは、植物生育阻害物質除去作用を有するものである限り由来は特に制限されず、細菌(バチルス属等)、糸状菌(担子菌、木材腐朽菌等)若しくは酵母等の微生物、植物または動物由来の酵素を用いることが可能である。好ましくは、バチルス属等の細菌または担子菌、木材腐朽菌等の糸状菌由来のフェノールオキシダーゼが挙げられる。さらに好ましくは、トラメテス(Trametes)属、シゾフィラム(Schizophyilum)属、ファネロキーテ(Phanerochaete)属、ジェルカンデラ(Bjerkandera)属、イルぺックス(Irpex)属、プレウロタス(Pleurotus)属、マイセリオフトラ(Myceliophthora)属、レンチネラ(Lentinera)属、ピクノポラス(Pycnoporus)属、レンチナス(Lentinus)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、フナリア(Funaria)属、メルリウス(Merulius)属、ミセリオフトラ(Myceliophthora)属、コプリヌス(Coprinus)属、アガリクス(Agaricus)属、フォリオタ(Phoriota)属、フラムロナ(Flammulona)属、ガノデルマ(Ganoderma)属、ダニダレオプシス(Daedaieopsis)属、ファポラス(Favolus)属、リオフィラム(Lyophylum)属、オーリキュラリア(Auricularia)属、グロエオフィラム(Gloeophyllum)属、タイロマイセス(Tyromyces)属、コニオフォラ(Coniophora)属、ヘテロバシディオン(Heterobasidion)属、フォメス(Fomes)属、ケトミウム(Chaetomium)属、マイセリオフトラ(Myceliophthora)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、スクレロチウム(Sclerotium)属、フミコーラ(Humicola)属、モニリア(Monilia)属、キシラリア(Xylalia)属、クラドリナム(Cladorrhinum)属、グラフィウム(Graphium)属、スコプラリプシス(Scopularipsis)属、スフェロプシス(Sphaeropsis)属、フザリウム(Fusarium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ボツリティス(Botrytis)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、アクレモニウム(Acremonium)属、またはバチルス(Bacillus)属のいずれかの属由来のフェノールオキシダーゼが挙げられる。又、天然に由来するフェノールオキシダーゼに限られず、遺伝子組み換え技術により製造される組み換え体、変異体であってもよい。
さらに、本発明に用いるフェノールオキシダーゼは、精製された精製酵素若しくは粗精製酵素であってもよく、またはフェノールオキシダーゼを産生する微生物の菌体、植物もしくはその処理物であってもよい。上記微生物の菌体、植物もしくはその処理物としては、例えば、微生物の菌体、植物、またはそれらの破砕物、抽出物、もしくはそれらの分画物が挙げられる。
一方、本発明に用いるフェノールオキシダーゼは市販の酵素を利用することも可能である。例えば、大和化成株式会社製ラッカーゼダイワEC−Y120、ノボ ノルディスク
アクティーゼルスカブ社(NOVO社)製ラッカーゼ等が挙げられる。
アクティーゼルスカブ社(NOVO社)製ラッカーゼ等が挙げられる。
本発明の植物生育阻害物質除去剤には、1種類または複数種のフェノールオキシダーゼおよび/またはフェノールオキシダーゼを産生する微生物の菌体、植物もしくはその処理物が含まれていてもよい。
本発明の植物生育阻害物質除去剤はフェノールオキシダーゼを有効成分として含むこと以外は、通常の方法により製剤化することが可能である。すなわち、必要に応じて各種、任意成分と共に製剤化することが可能である。剤型としては、液剤、粉剤、粒剤、乳剤、油剤、カプセル剤、煙霧剤、水和剤、およびフロアブル等が含まれる。製剤化においては、液体担体、固体担体、界面活性剤(乳化剤、分散剤、消泡剤等が含まれる)、および補
助剤等が用いることができる。
助剤等が用いることができる。
液体担体としては、水、植物油、液体動物油、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、および生理食塩水等が用いられうる。固体担体としては、カチオンクレー、バイロフィライトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、および珪藻土類を含む天然鉱物粉末、ケイ酸、アルミナ、およびケイ酸塩を含む合成鉱物粉末、ならびに結晶性セルロース、コーンスターチ、ゼラチン、およびアルギン酸を含む高分子性天然物等が用いられうる。これらの液体担体および/または固体担体は、一種類を単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用してもよい。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−脂肪アルコールエーテル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、およびアリールスルフォネート等が用いられうる。
補助剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、グリセリン、アラビアゴム、デンプン、および乳糖等が用いられうる。
本発明の特定の実施形態においては、本発明の植物生育阻害物質除去剤は、水系溶媒を担体とする液剤としうる。この液剤を製造する場合には、溶媒中での混合物の水和性を向上させるために、水溶性高分子を添加することが好ましい。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアミン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、およびポリアクリルアミド等が挙げられる。さらに液剤の植物への付着性を改善し、製剤中におけるフェノールオキシダーゼの安定性を向上させるために、キシログルカン、グアーガム等の多糖類を配合することが好ましい。
本発明の「植物生育阻害物質除去剤」中のフェノールオキシダーゼの濃度(W/W%)は、任意の濃度を選択しうるが、0.0000001〜0.1質量%、好ましくは0.00001〜0.01質量%とするのが好ましい。フェノールオキシダーゼとして、フェノールオキシダーゼを産生する微生物を用いる場合は、任意の濃度を選択しうるが、102
〜1011cfu/g製剤、好ましくは105 〜108cfu/g製剤とするのが好ましい。
〜1011cfu/g製剤、好ましくは105 〜108cfu/g製剤とするのが好ましい。
市販の粒剤及び粉剤の場合には、使用に際して水で希釈して、製品重量の10〜50,000倍に希釈して使用することができ、好ましくは100〜10,000倍希釈で使用することができる。
<本発明の養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法>
本発明の養液中の植物生育阻害物質の除去方法は、養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法であって、前記養液栽培の養液中に植物生育阻害物質除去剤を施用することを特徴とする。本明細書でいう「植物生育阻害物質」は、水耕栽培や固形培地耕栽培等の循環方式養液栽培において、植物の根から浸出し、養液中に蓄積する老廃物をいう。ここでいう老廃物としては、例えば、フェノール誘導体(バニリン酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸またはP−ヒドロキシ安息香酸等のフェノール酸、コーヒー酸(Caffeic acid)またはフェルラ酸(Ferulic acid)等)、桂皮酸、乳酸、アジピン酸およびコハク酸等の有機酸が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
また、「植物生育阻害物質除去」とは、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質が反応し、該植物生育阻害物質が植物生育阻害活性を失活した別の化合物に変化させるこという。また、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質が反応した際にラジカルが生成し、該ラジカルがフェノールオキシダーゼとは直接反応しない植物生育阻害物質
に作用し、植物生育阻害活性を失活した別の化合物に変化させることも含まれる。ここでいう「フェノールオキシダーゼとは直接反応しない植物生育阻害物質」とは、フェノールオキシダーゼの基質とはならない物質をいい、具体的には植物の根から浸出し、養液中に蓄積する乳酸、アジピン酸、桂皮酸、コハク酸等のフェノール誘導体ではない有機酸が例示される。
本発明の養液中の植物生育阻害物質の除去方法は、養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法であって、前記養液栽培の養液中に植物生育阻害物質除去剤を施用することを特徴とする。本明細書でいう「植物生育阻害物質」は、水耕栽培や固形培地耕栽培等の循環方式養液栽培において、植物の根から浸出し、養液中に蓄積する老廃物をいう。ここでいう老廃物としては、例えば、フェノール誘導体(バニリン酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸またはP−ヒドロキシ安息香酸等のフェノール酸、コーヒー酸(Caffeic acid)またはフェルラ酸(Ferulic acid)等)、桂皮酸、乳酸、アジピン酸およびコハク酸等の有機酸が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
また、「植物生育阻害物質除去」とは、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質が反応し、該植物生育阻害物質が植物生育阻害活性を失活した別の化合物に変化させるこという。また、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質が反応した際にラジカルが生成し、該ラジカルがフェノールオキシダーゼとは直接反応しない植物生育阻害物質
に作用し、植物生育阻害活性を失活した別の化合物に変化させることも含まれる。ここでいう「フェノールオキシダーゼとは直接反応しない植物生育阻害物質」とは、フェノールオキシダーゼの基質とはならない物質をいい、具体的には植物の根から浸出し、養液中に蓄積する乳酸、アジピン酸、桂皮酸、コハク酸等のフェノール誘導体ではない有機酸が例示される。
さらに、本ラジカルは、循環方式養液栽培において、抗菌、抗ウイルス活性を有し、養液中に存在する植物病原菌の殺菌、発育阻害し、および/またはウイルスの増殖を阻止し、これらが原因の植物病害を防除することが可能である。
本ラジカルは、フェノールオキシダーゼと上記植物生育阻害物質を反応させる以外にも、外部から下記一般式(I)で表される1種又は2種以上のフェノール誘導体、又はその塩(以下、メディエータともいう)からなる組成物を添加することによっても発生させることが可能である。つまり、循環方式養液栽培において養液中に、植物生育阻害物質除去剤の施用または、植物生育阻害物質除去剤に加えて、メディエータをさらに施用することで、抗菌、抗ウイルス活性を有し、養液中に存在する植物病原菌の殺菌、発育阻害し、および/またはウイルスの増殖を阻止し、これらが原因の植物病害を防除することが可能である。
(式中、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換の炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、置換または無置換の核炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のカルボキシル基、炭素数1〜10のカルボニル基、またはハロゲン原子を表し、かつ、R1〜R5の少なくとも一つは炭素数1〜10のアルケニル基である。ただし、R1およびR5のいずれもがアルコキシ基である場合を除く。)
(式中、R1〜R5はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換の炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、置換または無置換の核炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜10のカルボキシル基、炭素数1〜10のカルボニル基、またはハロゲン原子を表し、かつ、R1〜R5の少なくとも一つは炭素数1〜10のアルケニル基である。ただし、R1およびR5のいずれもがアルコキシ基である場合を除く。)
好ましくは、上記R3が下記一般式(II)で表される上記(I)に示されるフェノール誘導体である。
(式中、R6は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコシキ基、または炭素数1〜4のカルボニル基を表し、シス位またはトランス位のいずれにあってもよく、nは0または1の整数を表す。)
(式中、R6は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコシキ基、または炭素数1〜4のカルボニル基を表し、シス位またはトランス位のいずれにあってもよく、nは0または1の整数を表す。)
さらに好ましくは、下記構造式(III)で表されるフェノール誘導体を挙げることができる。
(式中、R7〜R10はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
これらメディエータの好ましい具体例として、オイゲノール、イソオイゲノール、フェルラ酸、バニリン酸等が挙げられる。
(式中、R7〜R10はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
これらメディエータの好ましい具体例として、オイゲノール、イソオイゲノール、フェルラ酸、バニリン酸等が挙げられる。
尚、一般式(I)で表わされるフェノール誘導体は、塩を形成していてもよい。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等をあげることができる。好ましい塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩である。
外部から養液中に施用されるメディエータの濃度(W/Wppm)は、任意の濃度を選択しうるが、0.01ppm〜10,000ppm、好ましくは0.1ppm〜1,000ppmとするのが好ましい。
上記ラジカルは非選択的抗菌、抗ウイルス性を発現するため、広範な植物病害やウイルスに適用でき、その防除効果を得ることが可能である。特に効果を示す病害としては、以下に限定されないが、例えば、ウリ類のうどんこ病(病原菌学名:Sphaer otheca fuliginea)、各種野菜および花弁の灰色かび病(病原菌学名:Botrytis cinerea)、トマトうどんこ病(病原菌学名:Oidiumviolaeなど)、トマト、ナスの青枯れ病(Pseudomonas solanacearum)、イチゴうどんこ病(病原菌学名:Sphaerotheca macularis)、およびバラうどんこ病(病原菌学名:Sphaerotheca ponnosa)、立ち枯れ病、根腐れ病等(病原菌:ピシウム属(Pythium)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、フザリウム属(Fusarium)、リゾープス属(Rhizopus))幅ひろい病害に適用できる。
また、上記ラジカルは汁液伝染性植物ウイルス、生物媒介伝染性植物ウイルスによる病害にも効果を示す。これらの植物ウイルスとしては、タバコモザイルウイルス(tobacco mosaic virus; TMV)、タバコラットルウイルス(tobacco rattle virus)、タバコ矮化ウイルス(tobacco stunt virus; TStuV)、タバコ葉巻ウイルス(tobacco leaf curl virus; VLCV)、タバコ脈葉モザイクウイルス(TVBMV)、タバコ壊疽萎縮ウイルス(TNDV)、タバコストリークウイルス(tobacco streak virus; TSV)、ジャガイモXウイルス(potato virus X; PVX)、ジャガイモY,S,M,Aウイルス、ジャガイモ黄斑ウイルス(potato acuba mosaic virus; PAMV)、ジャガイモモップトップウイルス(PMTV)、ジャガイモ葉巻ウイルス(potato leaf- roll virus; PLRV)、アルファルファモザイクウイルス(alfalfa mosaic virus; AMV)、キュウリモザイクウイルス(cucumber mosaic virus; CMV)、キュウリ緑斑モザイクウイルス(cucumber green mottlemosaicvirus; CGMMV)、キュウリ黄化ウイルス(cucumber yellows virus; CuYV)、カボチャモザイクウイルス(watermelon mosaic virus; WMV)、トマト黄化壊疽ウイルス(tomato spotted wilt virus; TSWV)、トマト輪点ウイルス(tomato ringspot virus; TomRSV)、サトウキビモザイクウイルス(sugarcane mosaic virus; SCMV)、イネ萎縮ウイルス(rice drawf virus)、イネ縞葉枯ウイルス(rice stripe virus)、イネ黒条萎縮ウイルス(rice black-streaked drawfvirus)、イチゴモットルウイルス(strawberry mottle virus; SMoV)、イチゴベインバンデングウイルス(strawberry vein banding virus; SVBV)、イチゴマ
イルドイエローエッジウイルス(strawberry mild yellow edge virus; SMYEV)、イチゴクリンクルウイルス(strawberry crinkle virus; SCrV)、ソラマメウイルトウイルス(broad beanwilt virus; BBWV)、メロン壊疽斑点ウイルス(melonnecroticspot virus; MNSV)等が含まれる。
イルドイエローエッジウイルス(strawberry mild yellow edge virus; SMYEV)、イチゴクリンクルウイルス(strawberry crinkle virus; SCrV)、ソラマメウイルトウイルス(broad beanwilt virus; BBWV)、メロン壊疽斑点ウイルス(melonnecroticspot virus; MNSV)等が含まれる。
上記における「抗菌」「抗ウイルス」とは当業者が一般的に理解する意味であるが、「抗菌」とは、カビや細菌の殺菌、発育阻害の意味を含み、「抗ウイルス」とは、ウイルスの増殖阻止およびウイルス病害の発生阻止の意味を含む。
本発明の植物生育阻害物質除去剤の施用方法は、剤型等の使用形態、養液栽培作物や養液栽培方式によって適宜選択される。養液栽培の植物生育阻害物質を除去するために施用する場合、養液中のフェノールオキシダーゼ濃度(W/W%)が、
0.0000001〜0.1質量%になるように施用するのが好ましい。さらに好ましくは、0.00001〜0.01質量%になるように施用する。また、他の実施形態として、栽培初期より耐病性向上・予防を兼ねた低濃度(フェノールオキシダーゼ濃度(W/W%)として0.000001〜0.001質量%以下)で植物生育阻害物質除去剤を定期的に施用することも可能である。1つの実施形態としては、レタスの養液中に存在する植物生育阻害物質の除去剤として施用する場合には、養液中のフェノールオキシダーゼ濃度(W/W%)が、0.00001〜0.001質量%(例えば、ラッカーゼダイワEC−Y120(ダイワ化成社製)を用いる)となるように流量センサーと電磁定量ポンプを用いてポンプの吸込み口に添加することができる。
0.0000001〜0.1質量%になるように施用するのが好ましい。さらに好ましくは、0.00001〜0.01質量%になるように施用する。また、他の実施形態として、栽培初期より耐病性向上・予防を兼ねた低濃度(フェノールオキシダーゼ濃度(W/W%)として0.000001〜0.001質量%以下)で植物生育阻害物質除去剤を定期的に施用することも可能である。1つの実施形態としては、レタスの養液中に存在する植物生育阻害物質の除去剤として施用する場合には、養液中のフェノールオキシダーゼ濃度(W/W%)が、0.00001〜0.001質量%(例えば、ラッカーゼダイワEC−Y120(ダイワ化成社製)を用いる)となるように流量センサーと電磁定量ポンプを用いてポンプの吸込み口に添加することができる。
或いは、本発明の植物生育阻害物質除去剤を固定化し、長期間安定して養液中の植物生育阻害物質を除去することも可能である。例えば、日立プラント製の固定化フェノールオキシダーゼ(例えば、ラッカーゼ)担体を養液中にフェノールオキシダーゼ濃度(W/W%)が、0.0000001〜0.1質量%になるように添加することができる。
一方、養液中に存在する植物病原菌を殺菌し、発育阻害し、および/またはウイルスの増殖を阻止し、これらが原因の植物病害を防除するために施用する場合には、養液中のフェノールオキシダーゼ濃度(W/W%)が、0.00001〜1質量%になるように施用するとよい。好ましくは0.0001〜0.1質量%になるように施用するとよい。さらに好ましくは、上記フェノールオキシダーゼ濃度(W/W%)が、0.00001〜1質量%になることに加えて、オイゲノール、フェルラ酸、バニリン酸等メディエータの濃度(W/Wppm)が0.1〜10,000ppmになるように施用する。これらの濃度は適宜変更してもよい。これらを施用する場合には、流量センサーと電磁定量ポンプを用いてポンプの吸込み口に同時に添加することもできるし、植物生育阻害物質除去剤を先に添加し、その後数時間〜数日後にバニリン酸等メディエータを添加することもできる。
例えば、一つの実施形態として、低い濃度の病原菌の発生(103〜104cfu/ml)を確認後、病害の拡大を緊急的に阻止したい直前に植物生育阻害物質除去剤を施用し、バニリン酸等メディエータをその後施用する方策を取ることも可能である。或いは大発生後の養液殺菌等、病気の発生状況に応じて、本発明の植物生育阻害物質除去剤およびメディエータの濃度を変化させることで養液中に存在する植物病原菌を殺菌し、発育阻害し、および/またはウイルスの増殖を阻止し、これらが原因の植物病害を防除することができる。更に養液のPHを中性付近からpH5.0〜pH6.0に下げることや、養液の温度を15〜25℃より30℃〜35℃以上にすることで植物病原菌の殺菌等を短時間で効果的に行うことができる。
バニリン酸等メディエータを先に添加すると養液中のフェノール誘導体の濃度が高まり植物の根に生育阻害作用、ひどい場合には根が褐変化し壊死を引き起こす場合もあるので
注意が必要である。本植物生育阻害物質除去剤の有効成分であるフェノールオキシダーゼは、養液中で比較的安定に存在するため(温度、養液中の微生物濃度により異なるが、半滅期は約2〜14日)、植物生育阻害物質除去剤添加後、養液中のフェノールオキシダーゼ濃度が初濃度の30%以下に低下するまで、バニリン酸等のメディエータのみを添加することで、コストを抑えながら殺菌を継続することも可能である。
注意が必要である。本植物生育阻害物質除去剤の有効成分であるフェノールオキシダーゼは、養液中で比較的安定に存在するため(温度、養液中の微生物濃度により異なるが、半滅期は約2〜14日)、植物生育阻害物質除去剤添加後、養液中のフェノールオキシダーゼ濃度が初濃度の30%以下に低下するまで、バニリン酸等のメディエータのみを添加することで、コストを抑えながら殺菌を継続することも可能である。
さらに具体的な実施形態として、養液栽培装置での、養液中に存在する植物病原菌を殺菌し、発育阻害し、および/またはウイルスの増殖を阻止し、これらが原因の植物病害を防除するための、本発明の植物生育阻害物質除去剤または本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータの施用として以下の方策が可能である。10アールの養液栽培では養液10tを使用する。そのうち10tの養液の半分をリザーブタンクに湛水し、残りの5tの養液を栽培植物根に回流する。養液中に病原菌が発生、或いは大量発生した場合には、5tのリザーブタンク中の養液に本発明の植物生育阻害物質除去剤または本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータを上記濃度で添加し、約30分程度リサイクルループから独立させ、攪拌すればリザーブタンク中の植物病原菌を殺菌し、発育阻害し、および/またはウイルスの増殖を阻止することが可能である。更に本植物病害の防除効率を上げる方法として、養液のpHをリン酸等によりpH5.0〜pH6.0、好ましくはpH5.5に調製し、本処理を実施する。本処理終了後、重炭酸カリウム等を用いてpHを中性付近に戻した後リサイクルループに連結すれば、植物の根への影響を最小限に留めることができる。10t養液中の植物病原菌を殺菌等ためには、5tのリザーブタンクによるバッチ処理を5〜6回繰り返す必要がある。また、養液中の病原菌等の発生状況に応じて、本発明の植物生育阻害物質除去剤または本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータの濃度を変化させる必要がある。
以下、本発明を製剤例、実施例、試験例により具体的に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。
<実施例1>
1)本発明の植物生育阻害物質除去剤の調製
フェノールオキシダーゼ製剤であるラッカーゼダイワEC−Y120(大和化成株式会社製)を1質量%(W/W%)になるように水道水に混合することにより本発明の植物生育阻害物質除去剤(フェノールオキシダーゼ濃度:0.03%)を調製した。
2)オイゲノール乳剤
オイゲノール(永廣堂社製)とソルポール7290P(東邦化学工業社製)を1:1の割合で混合することにより乳剤を得た。
1)本発明の植物生育阻害物質除去剤の調製
フェノールオキシダーゼ製剤であるラッカーゼダイワEC−Y120(大和化成株式会社製)を1質量%(W/W%)になるように水道水に混合することにより本発明の植物生育阻害物質除去剤(フェノールオキシダーゼ濃度:0.03%)を調製した。
2)オイゲノール乳剤
オイゲノール(永廣堂社製)とソルポール7290P(東邦化学工業社製)を1:1の割合で混合することにより乳剤を得た。
<実施例2> 本発明の植物生育阻害物質除去剤の施用によるミツバへの効果
10アールに関西白茎ミツバを養液栽培した。養液は、大塚ハウス肥料1号(窒素全量:10%(アンモニア性窒素1.5%、硝酸性窒素8.2%)、P2O5:8%、K2O:27%、MgO:4%、MnO:0.1%、B2O3:0.1%、Fe:0.18%、大塚化学株式会社製)および大塚ハウス肥料2号(硝酸性窒素:11%,CaO:23%、大塚化学株式会社製)を、園試処方の濃度に調整したものを用いた。本発明の植物生育阻害物質除去剤で処理をしない3連作した10tの養液(A)と養液(A)を後述の方法で処理した養液(B)を用い、それぞれ関西白茎ミツバを養液栽培し、その収量を比較した。
養液(B)の処理方法は、実施例1の1)で調製した植物生育阻害物質除去剤100Lを1L/時間のスピードで養液(B)に添加し、養液中での植物生育阻害物質除去剤の有効成分が半滅する4日後に、同様の処理を再び実施した。本処理を1作につき、計3回繰り返した。更に3連作同じ処理を繰り返した。結果は表1に示すように、本発明の植物生
育阻害物質除去剤の施用により、作物収量の低下を著しく防止することができた。
10アールに関西白茎ミツバを養液栽培した。養液は、大塚ハウス肥料1号(窒素全量:10%(アンモニア性窒素1.5%、硝酸性窒素8.2%)、P2O5:8%、K2O:27%、MgO:4%、MnO:0.1%、B2O3:0.1%、Fe:0.18%、大塚化学株式会社製)および大塚ハウス肥料2号(硝酸性窒素:11%,CaO:23%、大塚化学株式会社製)を、園試処方の濃度に調整したものを用いた。本発明の植物生育阻害物質除去剤で処理をしない3連作した10tの養液(A)と養液(A)を後述の方法で処理した養液(B)を用い、それぞれ関西白茎ミツバを養液栽培し、その収量を比較した。
養液(B)の処理方法は、実施例1の1)で調製した植物生育阻害物質除去剤100Lを1L/時間のスピードで養液(B)に添加し、養液中での植物生育阻害物質除去剤の有効成分が半滅する4日後に、同様の処理を再び実施した。本処理を1作につき、計3回繰り返した。更に3連作同じ処理を繰り返した。結果は表1に示すように、本発明の植物生
育阻害物質除去剤の施用により、作物収量の低下を著しく防止することができた。
<実施例3>
実施例1の1)で調製した本発明の植物生育阻害物質除去剤を水道水で10倍に希釈したもの100ml、実施例1の2)で調製したオイゲノール乳剤100ml(オイゲノール乳剤の濃度を0.1質量%に調製したもの)、および0.01M酢酸バッファー(PH=4.5)100mlを混合し、本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータの混合物を調製した。本混合物300mlに表2に示す植物病原菌(106cfu/ml)1mを添加・攪拌後、25℃で10分間静置した。その後、ショ糖−ポテト寒天平板培地普通寒天培地にその0.1mlを塗布し、1週間後に各植物病原菌の生育を観察した。
表2に示すように本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータの混合物は多種類の植物病原菌の生育を抑制した。
実施例1の1)で調製した本発明の植物生育阻害物質除去剤を水道水で10倍に希釈したもの100ml、実施例1の2)で調製したオイゲノール乳剤100ml(オイゲノール乳剤の濃度を0.1質量%に調製したもの)、および0.01M酢酸バッファー(PH=4.5)100mlを混合し、本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータの混合物を調製した。本混合物300mlに表2に示す植物病原菌(106cfu/ml)1mを添加・攪拌後、25℃で10分間静置した。その後、ショ糖−ポテト寒天平板培地普通寒天培地にその0.1mlを塗布し、1週間後に各植物病原菌の生育を観察した。
表2に示すように本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータの混合物は多種類の植物病原菌の生育を抑制した。
<実施例4>
養液栽培で問題となる病原菌について、殺菌試験を行った。トマト養液栽培で使用している養液(養液は、上記大塚ハウス肥料1号および大塚ハウス肥料2号を用い、園試処方の濃度に調製したもの)100mlを120℃で20分高圧蒸気滅菌処理した。この滅菌処理した養液に軟腐病菌(Erwinia carotovorasp.carotvora)、トマト萎調病菌(Fusari
umoxysporum f. lycopersiciの小型分生胞子)濃度が105cfu/mlとなるように調製した。この調製液に、実施例1の1)で調製した植物生育阻害物質除去剤1mlと 2)のオイゲノール乳剤を0.01質量%になるように添加した。添加後、一定時間(1、5、10、20、30分)経過後に1000倍希釈した液を普通寒天培地に塗布し、希釈平板法により菌数を算出した。その結果を表3に示す。
養液栽培で問題となる病原菌について、殺菌試験を行った。トマト養液栽培で使用している養液(養液は、上記大塚ハウス肥料1号および大塚ハウス肥料2号を用い、園試処方の濃度に調製したもの)100mlを120℃で20分高圧蒸気滅菌処理した。この滅菌処理した養液に軟腐病菌(Erwinia carotovorasp.carotvora)、トマト萎調病菌(Fusari
umoxysporum f. lycopersiciの小型分生胞子)濃度が105cfu/mlとなるように調製した。この調製液に、実施例1の1)で調製した植物生育阻害物質除去剤1mlと 2)のオイゲノール乳剤を0.01質量%になるように添加した。添加後、一定時間(1、5、10、20、30分)経過後に1000倍希釈した液を普通寒天培地に塗布し、希釈平板法により菌数を算出した。その結果を表3に示す。
<比較例1>
流水殺菌灯として、紫外線出力1.7W、ランプ電力13Wの二重管流水殺菌灯を用いて、上記実施例4と同様に調製した軟腐病菌(Erwinia carotovorasp.carotvora)、トマト萎調病菌(Fusariumoxysporum f. lycopersiciの小型分生胞子)の濃度が105cfu/mlの調製液に、254nmを主波長とする紫外線照射を行なった。紫外線照射後は培養液を攪拌し、実施例4と同様にして希釈平板法により殺菌効果を測定した。結果を表3に示す。
流水殺菌灯として、紫外線出力1.7W、ランプ電力13Wの二重管流水殺菌灯を用いて、上記実施例4と同様に調製した軟腐病菌(Erwinia carotovorasp.carotvora)、トマト萎調病菌(Fusariumoxysporum f. lycopersiciの小型分生胞子)の濃度が105cfu/mlの調製液に、254nmを主波長とする紫外線照射を行なった。紫外線照射後は培養液を攪拌し、実施例4と同様にして希釈平板法により殺菌効果を測定した。結果を表3に示す。
表3に示された結果から、本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータの混合物は養液栽培において問題となる養液中の病原菌を効果的に殺菌していることが分かる。従って、本発明の植物生育阻害物質除去剤とメディエータの混合物により養液中に存在する植物病原菌を殺菌し、これらが原因の植物病害を防除することが可能である。
Claims (6)
- フェノールオキシダーゼを有効成分とする植物生育阻害物質除去剤。
- 前記フェノールオキシダーゼが微生物または植物由来である、請求項1に記載の植物生育阻害物質除去剤。
- 前記フェノールオキシダーゼがラッカーゼである、請求項1に記載の植物生育阻害物質除去剤。
- 養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法であって、前記養液栽培の養液中に請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物生育阻害物質除去剤を施用することを特徴とする、養液栽培の養液中に蓄積する植物生育阻害物質の除去方法。
- 前記植物生育阻害物質は、フェノール誘導体または有機酸である、請求項4に記載の植物生育阻害物質の除去方法。
- 前記植物生育阻害物質は、バニリン酸、サリチル酸、コーヒー酸(Caffeic acid)、フェルラ酸(Ferulic acid)、m−ヒドロキシ安息香酸、P−ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、乳酸、アジピン酸、コハク酸から選ばれる、請求項4に記載の植物生育阻害物質の除去方法。
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2004
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