JP2006045024A - 燃料改質システム - Google Patents

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元久 上條
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Abstract

【課題】燃焼排ガスによる大気汚染を抑制できる燃料改質システムを提供する。
【解決手段】水蒸気改質反応を生じる改質器8と、改質器8を加熱するバーナ9と、バーナ9から排出された燃焼排ガス中のNOxを浄化するNOx吸着器11を備える。NOx吸着堆積量Aが所定量A0より大きくなった場合、負荷減少時、アノードパージ時などに、一時的にNOx吸着器11内を還元環境とすることで吸着NOxの還元除去を行うことにより、NOx吸着性能を維持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料改質システムに関する。特に、反応場の加熱を行う燃焼手段を備えた燃料改質システムにおける燃焼排ガスの処理システムに関する。
従来の燃料改質システムとして、燃料電池からのオフガスを燃料として導入される燃焼バーナを用いて、水蒸気改質反応に必要な熱を生成するものが知られている。
バーナにおいて、オフガスよりなる燃焼燃料を燃焼するために供給される燃焼用空気の供給量は、定常運転状態の燃料電池発電装置から供給される燃焼燃料の供給量に対する理論空燃比値で表現して、1.2〜1.3程度としている。しかし、燃焼燃料に含まれる燃料成分である水素の濃度は、燃料電池発電装置の出力電力値の変動の影響を受けて変動するものである。したがって、燃焼用空気と燃焼燃料との間の理論空燃比値は、1.1〜2程度の幅を持って変動している(例えば、特許文献1、参照。)。
特開平09−063619号公報
水蒸気改質方式で用いられる燃焼バーナにおいては、リッチ燃焼方式で燃焼を行うと、排気中に多量のCO、H2ガスが含まれることから、排気ガスが大気を汚染する可能性がある。また、燃焼エンタルピの観点からも、完全燃焼しないガスが排出されると、燃焼および加熱効率が悪いシステムとなる。一方、特開平09−063619号公報に開示されているように、理論空燃比近辺で燃焼を行うと、その燃焼温度の高さから窒素酸化物(以下、NOx)を生成することとなり、排気ガスによる大気の汚染という問題が生じる。
そこで、NOxが生成されない温度領域となるように燃料と空気の混合比を設定して、リーン燃焼を行うことが好ましい。しかしながら、リーン燃焼で反応領域の温度調整を行う水蒸気改質方式のシステムでは、バーナの上流側に改質ガス流路が設けられている、もしくは、独立しているために、負荷変動時の空燃比のずれなどに起因してNOxが発生し、大気中に排出されてしまうといった問題が生じる。
そこで本発明は、上記問題を鑑みて、燃焼排ガスによる大気汚染を抑制できる燃料改質システムを提供することを目的とする。
本発明は、吸熱反応を生じる反応場と、リーン燃焼により前記反応場を加熱する燃焼手段と、前記燃焼手段より排出された燃焼排ガス中のNOx(窒素酸化物)を浄化するNOx浄化手段と、を備える。
燃焼手段より排出された燃焼排ガス中のNOxを浄化するNOx浄化手段を備えることで、燃焼排ガス中のNOxを低減することができる。その結果、システム外に放出される燃焼排ガスによる大気汚染を抑制することができる。
第1の実施形態について説明する。燃料改質システム1の構成を図1に示す。ここでは吸熱反応である水蒸気改質反応を生じることにより改質ガスを生成するシステムについて説明する。
改質原料としての水と改質燃料とを導入する水ポンプ3、燃料ポンプ4と、これらにより取出された水および改質燃料を改質する改質装置5を備える。改質装置5には、蒸発器兼高圧コンデンサ6、熱交換器7、改質器8、およびバーナ9を備える。
蒸発器兼高圧コンデンサ6では、導入された水と改質燃料を蒸発して燃料蒸気を生成する。後述するように改質器8から排出された高温の改質排ガスと、液状の水および燃料との間で熱交換を行うことにより燃料蒸気を生成する。また、熱交換器7では、蒸発器兼高圧コンデンサ6で生成した燃料蒸気を水蒸気改質反応に適した温度まで加熱する。ここでは、後述するバーナ9との熱交換により、燃料蒸気を加熱する。また、改質器8では、水蒸気改質により改質ガスを生成し、さらに改質ガスからH2のみを分離・回収する。改質器8には水素分離膜10を備え、改質ガス中の水素を選択的に分離・回収する。水蒸気改質は全体として吸熱反応となるので、改質器8の反応場温度を適切に維持するために、後述するバーナ9と熱交換可能に構成する。
さらに、バーナ9を熱交換器7、改質器8と熱交換可能に構成する。ここでは、バーナ9の上流側と改質器8、バーナ9の下流側と熱交換器7とを熱交換可能に構成する。バーナ9では、蒸発器兼高圧コンデンサ6で熱源として用いられた改質排ガスを燃焼燃料とする。バーナ9における燃焼反応により、燃料蒸気を改質反応に適した温度まで加熱し、また改質反応場の温度を維持する。バーナ9の燃焼燃料である改質排ガスは、H2、CO、CH4、H2O等よりなる。バーナ9ではリーン燃焼を行い、燃焼排ガス中に含まれるNOx濃度を抑制する。例えば、酸素過剰率が約3となる混合比で空気と混合し、バーナ9に導入する。
また、水素分離膜10を選択的に透過して分離・回収された水素ガスと、コンプレッサ16により導入された空気を用いて発電を行う燃料電池15を備える。なお、コンプレッサ16によりシステム内に導入された空気は、一部は燃料電池15に導入され、一部はバーナ9に導入される。
ここで、バーナ9でリーン燃焼を行った場合にも、約950℃以上で燃焼運転を行うと燃焼排ガス中にNOxが混在してしまう。また、リーン燃焼を約950℃以下で行うように設定した場合にも、燃焼場の不均一性や、負荷変動時の空燃比のずれなどに起因してNOxが発生する。
そこで、バーナ9の下流に燃焼排ガス中のNOx濃度を低減するNOx浄化手段を備える。ここでは、NOxを一時的に吸着可能なNOx吸着材11aを備えたNOx吸着器11を備える。これにより、燃焼排ガス中のNOxを低減し、システム後流へNOxが排出されるのを抑制することができる。その結果、バーナ9に用いる燃焼燃料について、運転可能な酸素過剰率の範囲を広げることができる。
NOx吸着器11に用いるNOx吸着材11aとしては、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムなどの貴金属、銅、ニッケル、コバルトなどの遷移金属、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属を用いる。NOxの吸着メカニズムとしては、貴金属もしくは遷移金属表面へNO、NO2分子レベルで吸着する現象や、貴金属もしくは遷移金属の酸化能力により高酸化状態になったNOxが、貴金属もしくは遷移金属表面へ吸着する現象、貴金属もしくは遷移金属の酸化能力により、より高酸化状態になったNOxが、アルカリ金属、アルカリ土類金属とイオン的に結合した状態、たとえばBa(NO32のような状態で吸着する現象等を用いる。
このようなNOx吸着器11においては、NOxの吸着が飽和することによりNOxの除去が出来なくなってしまう。そこで、NOx吸着器11に還元ガスを導入することにより、吸着されたNOxを還元除去する制御を行う。このようなNOx処理の制御手段としてコントローラ17を備える。
通常、NOxの吸着種の安定温度域は、およそ100℃から550℃である。100℃以下では、吸着材11a上に水が凝縮しているため、表面吸着が阻害されて吸着しない可能性がある。550℃以上では、吸着したNOxの熱運動エネルギーが増加し、吸着材11a表面との吸着エネルギーを超える、もしくはイオン的に生成した吸着種が不安定になるために、NOもしくはNO2として放出される可能性がある。
ただし、安定温度領域内であっても、還元ガスを導入することで吸着NOxを還元除去することができる。NOxの吸着は様々なため、反応経路も数多く存在する。吸着状態については、FTIR(フーリエ変換式赤外分光光度計)などを用いて分光学的に吸着したNOxの状態を調べると、温度、雰囲気酸化状態や触媒表面状態の差により、多くの吸着種が存在し得ることがわかる。そのため、吸着したNOxの状態を特定することは困難である。下記にその一例を示す。
NO2+2CO→1/2N2+2CO2 ・・・ (1)
NO2+2H2→1/2N2+2H2O ・・・ (2)
なお、このような反応は、少なくとも150℃以上で進行する。この還元反応によりNOxを還元除去することにより、NOx吸着器11のNOx吸着能力を回復することができる。
還元ガスとしては、CO、H2、炭化水素等を用いる。ここでは、還元ガスとして、改質器8で水素分離膜10を透過しなかった改質排ガスの一部を用いる。前述したように、改質排ガスは、蒸発器兼高圧コンデンサ6で燃料蒸気を生成する際の熱源として用いられた後、バーナ9で燃焼燃料として使用されるが、その一部を分岐してNOx吸着器11の上流側に選択的に導入する。図1に示すように、改質器8の下流側とバーナ9の上流側を連通する流路27から分岐してNOx吸着器11上流に接続する流路28を設け、さらに、流路28に流量調整バルブ13を設ける。なお、改質排ガスは、後述する三方バルブ12の下流でNOx吸着器11の上流側に導入される。
また、NOx吸着器11の吸着NOxを還元除去する際に、還元ガスの一部がNOxと反応せずに排出されてしまう場合がある。そこで、NOx吸着器11のさらに下流側に酸化触媒14を備える。また、酸化触媒14の上流側に、NOx吸着器11から排出された還元ガス中に酸化剤ガスを混入する構成を備える。ここでは、燃料電池15のカソード下流側と酸化触媒14の上流側とを接続する流路31を備え、酸化剤ガスとしてカソード排ガスを用いる。酸化触媒14のみに酸化剤ガスが供給されるため、還元雰囲気下で進行する吸着NOxの還元と、酸化雰囲気下で進行する還元ガスの酸化の両立が可能となる。
また、NOx還元時には、NOx吸着器11内を還元雰囲気とする必要があるため、NOx吸着器11内にバーナ9の燃焼排ガスを導入するのは好ましくない。そこで、バーナ9の下流側に三方バルブ12を設け、燃焼排ガスをNOx吸着器11に導入するか否かを選択可能に構成する。なお、このとき燃焼排ガスがNOx吸着器11を通らずに排出されるが、吸着容量を十分大きくとるようにNOx吸着器11を設計することにより、全体の運転時間に対する還元除去が行われる時間を小さくすることができる。なお、これについては後に詳細する。
次に、このような吸着NOxの処理方法を、図2のフローチャートを用いて説明する。本フローは、システム運転中に所定時間毎に繰り返し行われる。
ステップS1において、バーナ9でのNOx生成量を予測する。単位時間あたりに排出されるNOx量を、改質燃料、水の供給量等の運転条件と運転負荷変更履歴から、予め調べられた実験値に従って予測する。改質システムの運転条件および運転負荷変更履歴は、燃料改質システム1の燃料供給等を制御する図示しないCPUから読み込む。
ステップS2において、バーナ9から排出されるNOx量から予測される、所定時間あたりにさらに吸着されるNOx吸着量Axを計算し、前回までに積算されているNOx吸着堆積量Aに積算する。つまり、
Ax=バーナ9で生成されるNOx量×NOx吸着率×0.01 ・・・ (3)
NOx吸着率:(1−出口NOx量/入口NOx量)×100 ・・・ (4)
NOx吸着堆積量A → A+Ax ・・・ (5)
とする。なお、所定時間を、フローが繰り返される時間間隔とする。また、予め実験等によりNOx吸着堆積量Aに対するNOx吸着率を求めておき、図3に示すようなマップとして記憶しておく。現時点でのNOx吸着堆積量Aを用いて、図3よりNOx吸着率を求める。さらに、NOx吸着率は、NOx吸着器11の温度にも関係する。そこで、複数の温度に対して図3に示すようなマップを備え、NOx吸着器11の温度に応じてマップを選択してもよい。さらに、NOx吸着率は、NOx吸着器11に導入される燃焼排ガス流量にも関係する。そこで、複数の燃焼排ガス流量に対して図3に示すようなマップを備え、燃焼排ガス流量に応じてマップを選択してもよい。または、NOx吸着量Axを計算で求める代わりに、NOx吸着器11の出入口それぞれにNOx濃度を検出する装置を設け、出入口の検出値の差から求めても良い。
次に、ステップS3に進み、NOx吸着堆積量Aが所定値A0を超えたか否かを判断する。ここで、図3に示すように、NOx吸着堆積量Aが大きくなるとNOx吸着率が低下してしまう。そこで、予め所定値A0を設定し、NOx吸着堆積量Aがこれを超さないように制御することにより適切なNOx吸着率を維持する。ここでは、NOx吸着率が99%以上に維持されるように、所定値A0を設定する。
NOx吸着堆積量Aが所定値A0以下の場合には、吸着能力は十分であると判断して本フローを終了する。一方、吸着堆積量Aが所定値A0を超えた場合には、ステップS4に進み、吸着NOxの還元除去を行う。
ステップS4において、流量調整バルブ13を調整して、NOx吸着器11に還元ガスである改質排ガスを導入する。ここでは、還元を継続する時間T0を予め設定しておく。また、改質排ガス中に含まれる還元成分の濃度を、予め燃料改質システム1の運転状態に応じて実験等により求めておき、これを記憶しておく。図示しないCPUから運転状態を読み込み、これより改質排ガス中の還元成分の濃度を求める。またNOx吸着堆積量Aより除去するのに必要な還元成分の総量を算出し、これらより、還元ガスの供給量を求め、さらにこれに応じて流量調整バルブ13の開度を設定する。
次に、ステップS5において、三方バルブ12を切り替えることにより、NOx吸着器11への燃焼排ガスの導入を停止する。ただしこの限りではなく、燃焼排ガスの導入量を低減するように制御してもよい。これにより、NOx吸着器11内を還元雰囲気として、式(1)、(2)に示すようなNOxの還元を行う。この時、NOx吸着器11で還元に使われなかった還元ガスの一部がNOx吸着器11から排出されるが、酸化触媒14においてカソード排ガスに含まれる酸素と反応して浄化される。
また、前述したように、このとき燃焼排ガスがNOx吸着器11を通らずに排出される。そこで、吸着容量が十分大きなNOx吸着器11を用いることにより、全体の運転時間に対する還元時間T0の割合が十分小さくなるように設定する。
ここで、NOx吸着器11上ではNOxが凝縮された状態にあり、この状態で還元ガスと反応させることで、式(1)、(2)に示す反応速度は気相反応に比べ飛躍的に向上される。これに対して、機械的な切り替え時間の制約上、還元時間T0を実質およそ1秒以下とすることができない。そのため、吸着容量の小さなNOx吸着器11を用いると、還元除去を行う頻度が比較的多くなるということと、理論上必要な還元時間に対して実際の還元時間T0が大きくなるということから、全運転時間に対して還元除去が行われている時間の割合が大きくなってしまう。そこで、機械的な切り替えの制約時間(例えば、1秒)が理論的な還元時間T0となるような吸着容量のNOx吸着器11を用いる。これにより、還元処理の頻度を低減するとともに、無駄に還元処理を行う時間を無くすことができ、全運転時間に対する還元除去が行われている時間を短くすることができる。その結果、NOx吸着器11を通らずに排出される燃焼排ガス量を抑制することができる。また、システム内でバーナ9の燃焼燃料として使われる改質排ガスを還元ガスとして用いるため、改質効率の悪化に繋がるが、上述したように吸着NOxの還元時間T0を最適化するように設定することにより、還元ガスの使用量を抑制する事が可能となる。
次に、ステップS6において、還元を継続している時間Tをカウントする。つまりT→T+1。次に、ステップS7において、還元が継続されている時間Tが予め設定された還元時間T0を超えたか否かを判断する。超えていなければステップS7に戻り、再びカウントし、還元時間を超えたらステップS8に進む。
ステップS8において、流量調整バルブ13を閉じて還元ガスの供給を停止し、ステップS9に進み、吸着堆積量Aおよび還元継続時間Tを0に設定する。ステップS10において三方バルブ12を切り替えて、バーナ9からの燃焼排ガスを再びNOx吸着器11に導入し、燃焼排ガス中のNOxの浄化を再開する。
このように、バーナ9の下流側にNOx吸着器11を備えることにより燃焼排ガス中のNOxを浄化することができる。吸着NOx量が多くなり吸着性能が低下したら、NOx吸着器11内のNOxを還元除去することにより性能を回復する。
なお、ここでは、NOx吸着堆積量Aおよび還元成分の濃度に応じて供給する還元ガスの総量を設定し、設定された量が予め設定された還元時間T0で供給されるようにしたが、この限りではない。還元ガスの供給量が制限される場合などには、NOx吸着堆積量Aおよび還元成分の濃度から算出される還元ガスの総量を一定供給量で導入されるように還元時間T0を変動してもよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。
吸熱反応を生じる反応場と、リーン燃焼により反応場を加熱するバーナ9と、バーナ9より排出された燃焼排ガス中のNOxを浄化するNOx浄化手段と、を備える。これにより、燃料改質システム1の後流に流出されるNOxを低減することができ、バーナ9の運転可能範囲を広げることができる。なお、前記反応場を、燃料電池15のアノードに導入する燃料ガスを生成する改質反応を生じる改質器8とする。これにより、水蒸気改質反応により改質ガスを生成する燃料改質システム1において、排気ガス中のNOxを抑制することができる。
また、NOx浄化手段として、バーナ9から排出された燃焼排ガス中に含まれるNOxを一時的に吸着する吸着物質11aを備えたNOx吸着器11を備える。燃焼排ガス中からNOxを吸着することができるので、燃料改質システム1の後流にNOxを流出するのを避けることができる。
さらに、NOx吸着器11上流へ還元ガスを供給する還元ガス供給手段を備える。還元ガスを供給することにより、NOx吸着器11に吸着したNOxを還元除去することができるので、吸着NOxの飽和によりNOx吸着性能が低下するのを抑制することができる。
還元ガス供給手段を、バーナ9に導入する燃焼燃料の少なくとも一部を分岐して、NOx吸着器11上流へ導く手段とする。また、前記反応場を、燃料電池15のアノードに導入する燃料ガスを生成する改質器8とし、還元ガス供給手段を、改質器8より排出された改質ガスの少なくとも一部を分岐して、NOx吸着器11上流へ導く手段とする。特に、改質器8に改質ガス中の少なくとも水素を選択的に分離する水素分離膜10を備え、還元ガス供給手段を、水素分離膜10により分離されなかった改質排ガスの少なくとも一部を分岐して、NOx吸着器11上流へ導く手段とする。ここでは還元ガス供給手段として、流路28と流量調整バルブ13を備える。これにより、既存のガスを還元ガスとして用いることができる。なお、水素分離膜10を備えない場合には、水素を含有する改質ガスの一部を、還元ガスと用いても良い。
また、NOx吸着器11の下流側に酸化触媒14を備える。これにより、余剰還元ガスを酸化により浄化してから大気に放出するので、排気ガスによる大気汚染を抑制することができる。また、NOx吸着器11と酸化触媒14との間に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段を備える。ここでは、酸化剤ガス供給手段として、燃料電池15のカソード排ガスを酸化触媒14の上流に導入する流路31を備える。これにより、NOx吸着器11から排出された還元ガスを、確実に酸化して浄化することができる。
NOx吸着器11上流へ供給する還元ガスの総量を、NOx吸着器11中のNOx吸着堆積量Aに対応して設定し、一時的に、バーナ9からNOx吸着器11への燃焼排ガスの供給を停止または減少させ、かつ、同時に、供給可能な還元ガス流量および濃度に応じて、NOx吸着器11へ還元ガスを導入する。これにより、吸着NOxの還元効率を高め、NOx還元に必要な還元ガスの消費を減らして燃費悪化を抑制することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。燃料改質システム1の構成を図4に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
還元ガスとして、蒸発器兼高圧コンデンサ6で生成される燃料蒸気を用いる。蒸発器兼高圧コンデンサ6の下流領域で熱交換器7へと流通する経路から分岐し、NOx吸着器11の上流に連通する流路29を設け、これに流量調整バルブ21を設ける。流量調整バルブ21を調整することにより、蒸発器兼高圧コンデンサ6で生成された燃料蒸気を、選択的にNOx吸着器11に導入可能とする。なお、燃料蒸気は三方バルブ12の下流で、NOx吸着器11の上流側に導入される。
このように、反応場が、燃料電池15のアノードに導入する燃料ガスを生成する改質器8であり、還元ガス供給手段を、改質器8に導入する改質燃料の一部を分岐して、NOx吸着器11上流へ導く手段とする。ここでは、還元ガス供給手段として、流路29と流量調整バルブ21を備える。これにより、還元ガスとして改質に用いる燃料蒸気を用いて、吸着NOxを還元除去し、NOx吸着器11の吸着性能を回復することができる。
次に、第3の実施形態について説明する。燃料改質システム1の構成を図5に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
酸化剤ガスとして空気を用いる。ここでは、NOx吸着器11と酸化触媒14との間と、外部と、を接続する流路32と、流路32に配したコンプレッサ22を備える。なお、コンプレッサ22は必ずしも必要ではなく、例えばコンプレッサ16の吐出口と酸化触媒14の上流側とを選択的に接続可能に構成してもよい。この場合には、吸着NOxの還元除去時には、コンプレッサ16の出力を増大するとともに、コンプレッサ16と酸化触媒14の上流側とを連通させることにより、余剰還元ガスの浄化を行う。
吸着NOxの処理方法を、図6のフローチャートを用いて説明する。
ここでは、還元開始時には、流量調整バルブ13の開度を制御する(S15)前に、ステップS14において、コンプレッサ22を稼動して、外部から酸化触媒14に空気を導入する。また、還元除去終了時には、流量調整バルブ13を閉じた(S19)後、ステップS20において、コンプレッサ22を停止する。その他は、図2の制御と同様とする。これにより、NOx吸着器11に還元ガスが導入される期間のみコンプレッサ22を稼動するので、コンプレッサ22による消費電力量を抑制することができる。
このように、酸化剤ガス供給手段を、コンプレッサ22により、NOx吸着器11と酸化触媒14との間に空気を導く手段とする。ここでは、酸化剤ガス供給手段を、流路32とコンプレッサ22により構成する。これにより、余剰還元ガスを浄化する酸化剤ガスとして空気を用いることができる。このとき、吸着NOxの還元除去時のみに、酸化触媒14に空気を導入することで、コンプレッサ22による消費電力量を抑制することができる。
次に、第4の実施形態について説明する。燃料改質システム1の構成を図7に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
酸化剤ガスとして、バーナ9から排出される燃焼排ガスを用いる。バーナ9内ではリーン燃焼が行われており、排出される燃焼排ガス中には多くの酸素が含まれる。そこで、第1の実施形態において、吸着NOxの還元除去時に、三方バルブ12を介して大気中に放出されていた燃焼排ガスを、酸化触媒14の上流側に導入する流路30を備える。つまり、三方バルブ12は、バーナ9の下流側を、NOx吸着器11の上流とを接続させるか、酸化触媒14の上流とを接続させるかを選択する手段となる。
このように、酸化剤ガス供給手段を、バーナ9の下流側で分岐して、燃焼排ガスの少なくとも一部をNOx吸着器11と酸化触媒14との間に導く手段とする。ここでは、酸化剤ガス供給手段を、流路30および三方バルブ12により構成する。これにより、酸化剤ガスとして燃焼排ガスを用いることができる。比較的温度が高い燃焼排ガスを酸化剤ガスとして用いることで、燃焼触媒14において酸化反応を生じ易くさせることができる。
次に、第5の実施形態について説明する。燃料改質システム1の構成を図8に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
NOx吸着器11のNOx吸着性能が低下した場合に加えて、燃料改質システム1の負荷が減少した場合、および、燃料電池15のアノードパージ時に、NOx吸着器11内の吸着NOxの還元除去を行う。還元ガスとしては、改質排ガスを用いる。ただし、燃料電池15のアノードのパージ時には、還元ガスとしてアノード排ガスを用いる。
燃料電池15のアノードから排出されたアノードガスを再びアノード上流に還流する還流路23を設け、その一部を排出流路24と接続する。排出流路24は、還流路23とNOx吸着器11の上流側とを接続する。排出流路24にはストップバルブ25を備え、ストップバルブ25を開とすることにより燃料電池15のアノードおよび還流路23内のアノードガスをパージ可能に構成する。排出流路24の下流側をNOx吸着器11の上流側に接続することにより、パージされたH2を含むアノード排ガスがNOx吸着器11に導入される。ここでは、アノードのパージを一定時間毎に繰り返し行うが、この限りではなく、窒素センサ等を用いてアノードガス中の窒素濃度が所定より大きくなった場合に行っても良い。
次に、NOx処理方法について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。本フローを、燃料改質システム1の運転中、所定時間毎に繰り返し実行する。
ステップS31において、燃料改質システム1の負荷が減少状態であるか否かを判断する。ここでは、図示しないCPUから、燃料改質システム1の負荷変化を読み込むことにより判断する。なお、燃料改質システム1を車に搭載する場合などには、アクセル開度や車速等より判断してもよい。
燃料改質システム1の負荷が低減していると判断されたら、ステップS32において、負荷低減ルーチンを実行する。減速時には、応答遅れにより、要求負荷に応じた運転を行うのに必要な熱を生じるための燃焼燃料流量に比べて、改質器8から排出される改質排ガスよりなる燃焼燃料の流量のほうが多くなる。そこで、過剰に排出された改質排ガスを吸着NOxの還元除去に用いる。
ステップS32の負荷低減ルーチンについて図10を用いて説明する。
ステップS41において、これまでの運転履歴からNOx吸着器11に堆積した吸着NOx量を算出する。つまり、NOx吸着堆積量Aを算出する。ステップS42において、三方バルブ12を切り替えて、バーナ9からの燃焼排ガスを大気開放に切り替える。
ステップS43において、NOx吸着器11内を還元雰囲気とするために、流量調整バルブ13を調整する。システムの負荷減少に伴ってシステムの出力が変化する際、主に改質装置5の流路容積に起因する負荷応答遅れが生じる。そこで、減速時には、要求負荷に応じた燃焼燃料流量と、その瞬間に改質器8から排出される燃焼燃料である改質排ガス流量の差から計算される余剰改質排ガスを還元ガスとしてNOx吸着器11に導入するように流量調整バルブ13の開度を調整する。予め実験等により負荷変化速度に応じて余剰改質排ガス流量を求めておき、CPUから読み込まれた運転状態に応じて、流量調整バルブ13の開度を設定する。
次に、ステップS44においてNOxの残存率ηを決定する。ここで、残存率ηはステップS41で算出したNOx吸着堆積量Aおよび還元ガス供給量により予測する。なお、導入される還元ガス量は、ステップS43で構成した流量調整バルブ13の開度と、開度を調整してからの経過時間により計算することができる。経過時間はステップS46で負荷低減継続の判定が行われるまでの時間であり、ステップS43からステップS46の負荷低減継続の判定が繰り返し行われる毎の時間を加算することで計算できる。ここでは、図11に示すようなNOx吸着堆積量Aと還元ガス供給量に応じた残存率ηのマップを予め実験等により求めておき、ステップS41で求めたNOx吸着堆積量Aと還元ガス供給量より残存率ηを求める。ステップS45において、現時点でのNOx吸着堆積量Aと残存率ηから、還元終了判定が終わった時点でのNOx吸着堆積量Aを求める。つまりA→A×ηとし、これを記憶する。
ステップS46において、負荷の減少が継続しているか否かを判断することにより還元を終了するか否かを判定する。例えば、直前の運転からの負荷の変動量が一定値以上であるか否かで判断する。負荷の減少が継続している場合には、ステップS43に戻り、新たに流量調整バルブ13の開度を調整してNOx吸着堆積量Aを求める。負荷の減少が終了したと判断されたら、ステップS47に進み、流量調整バルブ13を閉じる。ステップS48において三方バルブ12を切り替えて、NOx吸着器11に再び燃焼排ガスを導入し、燃焼排ガス中のNOx浄化を再開する。
一方、図9のメインルーチンにおいて、ステップS31で負荷低減時ではないと判断された場合には、ステップS33に進み、アノードのパージが行われているか否かを判断する。パージが行われている場合には、ステップS34においてアノードパージルーチンを実行する。アノードパージルーチンを、図12を用いて説明する。
ステップS51において、これまでの運転履歴よりNOx吸着堆積量Aを算出する。ステップS52において、ストップバルブ25を開くことにより、燃料電池15のアノードおよび環流路23内のパージを実行する。ステップS53において、三方バルブ12を切り替えて、NOx吸着器11へのバーナ9からの燃焼排ガスの導入を停止する。
ステップS54において、NOxの残存率εを決定する。水素パージガス量および濃度は毎回ほぼ一定値に固定されており、吸着NOxと一定量のパージガスとの反応後の吸着NOxの残存を予め実験等により求めておくことができる。そこで、ステップS51で求めたNOx吸着堆積量Aを用いて、図13に示すようなマップから残存率εを求める。
ステップS55において、NOx吸着堆積量Aを、パージ終了後に予測される値A×εに設定し、これを記憶する。次に、ステップS56において、パージが継続しているか否かを判断する。ここでは、タイマー等によりパージの継続時間を計測し、予め設定された時間が経過したらパージ終了と判断する。パージが継続している間はこの状態を維持し、パージが終了したら、ステップS57に進み、ストップバルブ25を閉じてパージを終了する。次に、ステップS58において、三方バルブ12を切り替えて、燃焼排ガスをNOx吸着器11に導入し、通常運転に移行する。
図9のメインルーチンにおいて、ステップS33でパージが行われていないと判断されたら、ステップS35に進み、通常運転の制御を行う。なお、通常運転は、第1の実施形態と同様に図2に示すフローに従って行い、終了したら再びメインルーチンに戻るように制御する。
このように、本実施形態では、NOx吸着堆積量Aが所定値A0より大きくなった場合に加えて、過剰に改質排ガスが排出される負荷低下時や、水素含有ガスが排出されるアノードパージにも吸着NOxの還元除去を行う。
なお、ここではアノードパージを、予め設定した時間および流量にて行っているが、この限りではない。ただし、時間が変化する場合にはパージ継続を図示しないCPUからの燃料供給量等から判断し、また、ステップS56においてパージ継続と判断された場合にステップS54に戻る。さらにパージガスの供給流量や濃度が変化する場合には、その変化に応じてNOx残存率εを算出する。
さらに、図10の負荷低減ルーチンおよび図12のアノードパージルーチンでは各ルーチンが実行されると毎回吸着NOxの還元除去が行われるが、ルーチン実行の度に還元除去の必要性を判断してから、必要がある場合にのみ還元除去を行ってもよい。つまり、図2の通常運転ルーチンのステップS3の判断を行っても良い。これにより、本来、還元操作の必要のないときに大気中に排出される、NOxを含む燃焼排ガスの量を抑制することができる。
また、還元ガスとして改質ガスを用いるが、この限りではなく、第2の実施形態と同様に、改質反応に用いる燃料蒸気を用いても良い。また、酸化剤ガスとして、カソード排ガスを用いるが、第3の実施形態と同様にように外部から導入した空気や、第4の実施形態と同様に燃焼排ガスを用いても良い。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果についてのみ説明する。
反応場を、燃料電池15のアノードに導入する燃料ガスを生成する改質器8とし、燃料電池15のアノードから排出されたガスを再度アノードに導入する還流路23を備える。還元ガス供給手段を、還流路23と、NOx吸着器11上流とを選択的に連通する手段とする。ここでは、排出流路24とストップバルブ25により構成する。このようにアノード排ガスを還元ガスとして用いることができ、NOx吸着器11が吸着NOxが飽和することにより、NOx吸着できなくなるのを防ぐ事ができる。
NOx吸着器11上流への還元ガス供給を、システム負荷の減少時に行う。負荷減少時には、バーナ9に求められる生成熱量が、改質器8から排出された全改質排ガスを用いて生成される熱量より小さくなる。そこで、改質器8から排出された余剰改質排ガスを還元ガスとして使用することにより、吸着NOxの還元除去時における改質効率の悪化を抑制することができる。
また、反応場を、燃料電池15のアノード導入する燃料ガスを生成する改質器8とし、燃料電池15のアノードには、排出されたガスを再度アノードに導入する還流路23を備える。還元ガス供給手段を、還流路23と、NOx吸着器11上流とを選択的に連通する手段とする。NOx吸着器11上流への還元ガス供給を、燃料電池15のアノードおよび還流路23のパージ時に行う。これにより、パージ時に排出される水素を利用して、吸着NOx還元除去を行うため、改質効率の悪化を抑制する事が可能となる。
次に、第6の実施形態について説明する。図14に、燃料改質システム1の構成を示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃焼排ガス中のNOxを浄化する手段として、NOx吸着器11の替わりに、NOx選択還元器26を備える。NOx選択還元器26に、定常的にNOx含有ガスである燃焼排ガスと還元ガスを導入し、NOxを選択的に酸化する。つまり、流量調整バルブ13の開度は、その時々に要求される還元ガス量に応じて制御される。
NOx選択還元器26に用いるNOx選択還元触媒としては、Cuゼオライト、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウムなどの貴金属、銅、ニッケル、コバルトなどの遷移金属の少なくとも一種類の元素を、酸化アルミニウムもしくは酸化ガリウムの少なくとも一種から構成される酸化物に担持した触媒を用いる。
このような燃料改質システム1におけるNOx処理方法を図15のフローチャートを用いて説明する。
ステップS61において、予め実験等により求めたマップより、バーナ9から排出される燃焼排ガス流量、NOx選択還元器26の出口ガス温度、燃焼排ガスのNOx生成濃度を求める。なお、燃焼排ガス流量は燃料改質システム1の運転負荷から求めることができる。また、NOx選択還元器26の出口ガス温度は、運転負荷に応じて予め求めたマップから予測するか、または、反応器の断熱構造によって決まる放熱量を計算して決める。さらに、NOx生成濃度は、運転負荷に応じて予め求めたマップから予測する。
ステップS62では、ステップS61で読み込まれた情報と、図16に示すNOx選択還元器26の性能マップより、NOx転化率を一定に保つ為に必要な還元ガス量を判断する。図16より燃焼排ガス流量とNOx選択還元器26の出口のガス温度から還元ガス/NOx比が求まり、この比にNOx流量を掛ければ還元ガス流量が求まる。次に、ステップS63において、ステップS62で求められた、必要な還元ガス流量に対応して、流量調整バルブ13の調整を行う。
このように、NOx選択還元器26を用いた場合には、燃焼排ガス量に応じて還元ガス量を調整する。
次に、本実施形態の効果を説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
NOx浄化手段を、燃焼排ガス中に含まれるNOxを還元ガスで定常的に浄化するNOx選択還元器26とし、NOx選択還元器26上流へ還元ガスを供給する還元ガス供給手段を備える。これにより、酸化雰囲気中の燃焼排ガス中からNOxを選択還元する事が出来るので、システムの後流にNOxが流出するのを抑制することができる。過渡時にNOxが増加した場合には、図16のマップに基づいて、NOx転化率が一定になるように還元ガス量を調整することにより燃焼排ガス中のNOxを浄化することができる。
また、NOx選択還元器26の下流側に酸化触媒14を備え、NOx選択還元器26と酸化触媒14の間に酸化剤ガスを導入する。NOx選択還元触媒は、流量の増加や酸素濃度の増大により性能が低下するが、酸化剤ガスの導入を酸化触媒14の直前としたので、NOx浄化効率を維持することができる。
NOx選択還元器26上流への還元ガス供給量を、NOx選択還元器26へ流入される燃焼排ガス中のNOx濃度、ガス総流入量、およびNOx選択還元器26の温度に対応して設定する。これにより、NOx選択還元器26のNOx浄化性能を常に高く保つことができるとともに、最適還元ガス量を導入することができ、燃費の悪化を防止することができる。
次に、第7の実施形態について説明する。燃料改質システム1の構成を図17に示す。以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第2の実施形態と同様に流路29および流量調整バルブ21を備え、還元ガスとして、改質反応に用いられる燃料蒸気を用いる。さらに、第6の実施形態と同様に、燃焼排ガス中のNOxを除去するために、NOx選択還元器26を用いる。なお、制御方法は、第6の実施形態と同様となる。
このように、NOx選択還元器26に用いる還元ガスとして燃料蒸気を用いることで、定常的に燃焼排ガス中のNOxの還元浄化を行うことができる。
次に、第8の実施形態について説明する。燃料改質システムの構成を図18に示す。以下、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第3の実施形態と同様に、流路32とコンプレッサ22を備え、酸化触媒14に導入する酸化剤ガスとして空気を用いる。さらに、第6の実施形態と同様に、燃焼排ガス中のNOxを除去するために、NOx選択還元器26を用いる。なお、制御方法は、第6の実施形態と同様となる。
このように、定常的に還元ガスが導入されるNOx選択還元器26の下流側に酸化触媒14を備え、酸化触媒14の上流側に酸化剤ガスとして空気を導入する。これにより、NOx選択還元器26から排出されるガスを浄化してから大気中に放出することができる。
次に、第9の実施形態について説明する。燃料改質システムの構成を図19に示す。以下、第4の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第4の実施形態と同様に、流路30を設け、三方バルブ12の一方のポートを酸化触媒14の上流側に接続する。つまり、バーナ9からの燃焼排ガスが、NOx選択還元器26側と酸化触媒14側に分岐されるように構成する。このときには酸化触媒14側に導入される燃焼排ガスが少ない方が好ましい。そこで、NOx選択還元器26の下流側にNOx検出手段等を設け、フィードバック制御により三方バルブ12の開度を変更してもよい。
このように、定常的に還元ガスが導入されるNOx選択還元器26の下流側に酸化触媒14を備え、酸化触媒14の上流側に酸化剤ガスとして燃焼排ガスを導入する。これにより、NOx選択還元器26から排出されるガスを浄化してから大気中に放出することができる。
なお、上記実施形態においては、バーナ9を改質器8の加熱手段としたが、この限りではない。例えば、改質器8とは別に蒸発器等を有する場合には、それらの加熱手段として用いる燃焼装置から排出される燃焼排ガスに対して同様に、NOx浄化手段を用いることができる。
また、NOx浄化手段としてNOx選択還元器26を用いた場合にも、還元ガスとしてアノードパージガスを用いることができる。ただし、パージを実行していない場合にも、改質排ガスを用いる等により還元ガスが導入可能となるように構成する必要がある。
さらに、アノードの還流路23を備えず、アノード排ガスとして定常的に燃料電池15の外部に排出されるように構成した場合にも、アノード排ガスを還元ガスと用いてもよい。特に、NOx選択還元器26を用いた場合には、定常的にアノード排ガスの少なくとも一部を還元ガスとして用いることができる。また、NOx吸着器11を用いた場合にも、分岐路を構成することで、選択的にアノード排ガスを還元ガスとして用いることができる。
このように、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることはいうまでもない。
本発明は、燃焼排ガス中のNOxの浄化を行うシステムに適用することができる。例えば、燃料改質システムで生成される燃焼ガスの処理システムに適用することができる。
第1の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。 第1の実施形態におけるNOx処理制御のフローチャートである。 NOx吸着率と吸着堆積量との関係図である。 第2の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。 第3の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。 第4の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。 第4の実施形態におけるNOx処理制御のフローチャートである。 第5の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。 第6の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。 第6の実施形態におけるNOx処理制御のメインルーチンである。 減速運転制御を示すサブルーチンである。 還元ガス量とNOx吸着堆積量に対するNOx残存率を示すマップである。 水素パージ制御を示すサブルーチンである。 パージ時のNOx吸着堆積量に対するNOx残存率を示すマップである。 第7の実施形態におけるNOx処理制御のフローチャートである。 燃焼排ガス流量、NOx選択還元器出口温度、還元ガス/NOx比の関係を示す図である。 第7の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。 第8の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。 第9の実施形態に用いる燃料改質システムの構成図である。
符号の説明
1 燃料改質システム
8 改質器(反応場、改質反応場)
9 バーナ(燃焼手段)
10 水素分離膜(水素分離手段)
11 NOx吸着器(NOx浄化手段)
12 三方バルブ
13 流量調整バルブ(還元ガス供給手段)
14 酸化触媒
15 燃料電池
21 流量調整バルブ(還元ガス供給手段)
22 コンプレッサ(酸化剤ガス供給手段、圧縮手段)
23 還流路
24 排出流路(還元ガス供給手段)
25 ストップバルブ(還元ガス供給手段)
26 NOx選択還元器(NOx浄化手段)
28、29 流路(還元ガス供給手段)
30、31、32 流路(酸化剤ガス供給手段)

Claims (18)

  1. 吸熱反応を生じる反応場と、
    リーン燃焼により前記反応場を加熱する燃焼手段と、
    前記燃焼手段より排出された燃焼排ガス中のNOx(窒素酸化物)を浄化するNOx浄化手段と、を備えることを特徴とする燃料改質システム。
  2. 前記反応場を、燃料電池のアノードに導入する燃料ガスを生成する改質反応を生じる改質反応場とする請求項1に記載の燃料改質システム。
  3. 前記NOx浄化手段上流へ還元ガスを供給する還元ガス供給手段を備える請求項1または2に記載の燃料改質システム。
  4. 前記還元ガス供給手段を、前記燃焼手段に導入する燃焼燃料の少なくとも一部を分岐して、前記NOx浄化手段上流へ導く手段とする請求項3に記載の燃料改質システム。
  5. 前記反応場が、燃料電池のアノードに導入する燃料ガスを生成する改質反応場であり、
    前記還元ガス供給手段を、前記改質反応場に導入する改質燃料の一部を分岐して、前記NOx浄化手段上流へ導く手段とする請求項3に記載の燃料改質システム。
  6. 前記反応場が、燃料電池のアノードに導入する燃料ガスを生成する改質反応場であり、
    前記還元ガス供給手段を、前記改質反応場より排出された改質ガスの少なくとも一部を分岐して、前記NOx浄化手段上流へ導く手段とする請求項3に記載の燃料改質システム。
  7. 前記改質反応場で生成された改質ガス中の少なくとも水素を選択的に分離する水素分離手段を備え、
    前記還元ガス供給手段を、前記水素分離手段により分離されなかった改質排ガスの少なくとも一部を分岐して、前記NOx浄化手段上流へ導く手段とする請求項6に記載の燃料改質システム。
  8. 前記反応場が、燃料電池のアノードに導入する燃料ガスを生成する改質反応場であり、
    前記燃料電池のアノードから排出されたガスを再度アノードに導入する還流路を備え、
    前記還元ガス供給手段を、前記還流路と、前記NOx浄化手段上流とを選択的に連通する手段とする請求項3に記載の燃料改質システム。
  9. 前記NOx浄化手段の下流側に酸化触媒を備える請求項1から8のいずれか一つに記載の燃料改質システム。
  10. 前記NOx浄化手段と前記酸化触媒との間に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段を備える請求項9に記載の燃料改質システム。
  11. 前記酸化剤ガス供給手段を、前記燃焼手段の下流側で分岐して、燃焼排ガスの少なくとも一部を前記NOx浄化手段と前記酸化触媒との間に導く手段とする請求項10に記載の燃料改質システム。
  12. 前記酸化剤ガス供給手段を、圧縮手段により、前記NOx浄化手段と前記酸化触媒との間に空気を導く手段とする請求項10に記載の燃料改質システム。
  13. 前記NOx浄化手段を、前記燃焼手段より排出された燃焼排ガス中に含まれるNOxを一時的に吸着するNOx吸着器とする請求項1から12のいずれか一つに記載の燃料改質システム。
  14. 前記NOx吸着器上流へ還元ガスを供給する還元ガス供給手段を備え、
    前記NOx吸着器上流へ供給する還元ガス総量を、前記NOx吸着器に吸着されているNOx量に対応して設定し、
    一定時間、前記燃焼手段から前記NOx吸着器への燃焼排ガスの供給を停止または減少させ、かつ、同時に、供給可能な還元ガスの流量および濃度に応じて、前記NOx吸着器へ還元ガスを導入する請求項13に記載の燃料改質システム。
  15. 前記NOx吸着器上流へ還元ガスを供給する還元ガス供給手段を備え、
    前記NOx吸着器上流への還元ガスの供給を、システム負荷の減少時に行う請求項13に記載の燃料改質システム。
  16. 前記反応場が、燃料電池のアノード導入する燃料ガスを生成する改質反応場であり、
    前記燃料電池のアノードから排出されたガスを再度アノードに導入する還流路と、
    前記還流路と、前記NOx浄化手段上流とを選択的に連通することにより、前記NOx吸着器上流へ還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、を備え、
    前記NOx吸着器上流への還元ガス供給を、前記燃料電池のアノードおよび前記還流路のパージ時に行う請求項13に記載の燃料改質システム。
  17. 前記NOx浄化手段を、燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元ガスで定常的に浄化するNOx選択還元器とし、
    前記NOx選択還元器上流へ還元ガスを供給する還元ガス供給手段を備える請求項1から12のいずれか一つに記載の燃料改質システム。
  18. 前記NOx選択還元器上流への還元ガス供給量を、前記NOx選択還元器へ流入される燃焼排ガス中のNOx濃度、ガス流入量、および前記NOx選択還元器の温度に応じて設定する請求項17に記載の燃料改質システム。
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