JP2006044968A - 光学素子の成形用型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光学素子の離型性を安定かつ良好にすることができる光学素子の成形型を提供する。
【解決手段】 光学素子をガラス成形する成形用型10であり、成形温度よりもガラス転移温度が高いガラス材料又は結晶化ガラスで形成された基材2と、前記基材の成形面に設け炭素濃度が65原子%以上85原子%以下の炭化珪素で形成された離型膜6とを備えている。このことにより、光学素子の離型性を安定かつ良好にすることができ、離型膜の剥離等の破損も防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レンズやプリズムなどの光学素子を成形する光学素子の成形用型に関する。
一般にレンズやプリズムといった光学素子を得るためには、一対の成形用型間に光学素子の成形材料を配置し、成形用型と成形材料とを加熱し、成形材料を押圧して成形する方法がある。
従来、このような成形用型、特に非球面レンズなどを成形するための成形用型は、型素材となる超硬合金などを高剛性の超精密CNC旋盤などにより超精密に切削・研削を行い、必要に応じて表面を研磨することによって作製されていた。
一方、成形用型をガラス素材で作製することが、例えば特許文献1に提案されている。これはガラス基材を精密加工して製造した成形母型、又は超硬合金などを超精密加工した成形母型を用いてガラス素材を熱間で押圧成形し、ガラス材の成形用型を製造するものである。
この場合、ガラス材の成形用型をそのまま用いて、ガラス製の光学素子を熱間で押圧成形すれば、光学素子と成形用型とが融着を起こすため、成形用型の表面に離型膜を形成する。この離型膜に関して、種々の材料が提案されている(例えば特許文献2−4参照)。
特開昭62−226825号公報 特開平01−320233号公報 特開平01−033022号公報 特開平01−148714号公報
しかしながら、これまでに提案されている離型膜は、離型膜とガラス型との間に中間膜を必要とし、また実際のガラス成形においては、その離型性が必ずしも十分安定しているというものではなかった。
例えば金属系の離型膜は、ガラスへの密着性が悪く、ガラス型との間に中間膜を必要とすることを余儀なくされていた。また、セラミック系の離型膜は、その性状が基本的にはガラスと類似しているため、ガラス付着などが生じることがあった。
本発明の成形用型は、前記のような従来の問題を解決するものであり、光学素子をガラス成形する成形用型であり、成形温度よりもガラス転移温度が高いガラス材料又は結晶化ガラスで形成された基材と、前記基材の成形面に設け炭素濃度が65原子%以上85原子%以下の炭化珪素で形成された離型膜とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、光学素子の離型性を安定かつ良好にすることができる。
本発明の成形用型は、炭素濃度が65原子%以上85原子%以下の炭化珪素で形成された離型膜を備えているので、光学素子の離型性を安定かつ良好にすることができる。
前記本発明においては、前記成形面は、前記成形面に対応した形状を含む母型を前記基材に高温押圧して形成したものであることが好ましい。この構成によれば、超精密CNC旋盤等による機械加工は必要なく、ガラス基材を用いて安価かつ容易に成形用型を作製できることができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る成形用型の製造方法を示す図である。図1(a)は、ガラス基材1の加圧成形前の状態を示している。ガラス基材1は、ガラス材料又は結晶化ガラスであり、ガラス型になるものである。本実施の形態では、ガラス転移温度690℃、屈伏点740℃の硼珪酸ガラスを用いた。このようなガラス基材1は、成形温度がガラス転移温度690℃より低い例えば600℃の成形に用いることができる。
下型(平型)4には胴型5がはめ込まれている。胴型5内にガラス基材1を挿入し、その上から母型3を挿入する。下型4、胴型5、及び母型3はそれぞれ超硬合金で形成されている。
図1(b)は、ガラス基材1の加圧成形中の状態を示している。図1(a)の状態で780℃まで加熱した後、図1(b)に示したように加圧成形を行い、母型3の形状をガラス基材1に転写する。その後、温度を緩やかに低下させ、加圧成形されたガラス基材2を取り出す。
図1(c)は、胴型5から取り出した成形後のガラス基材2の断面図を示している。図2は、成形用型10の断面図を示している。図2に示した成形用型10は、図1(c)に示したガラス基材2の成形面に離型膜6として炭化珪素を0.2μmスパッタ成膜したものである。
図3は、本実施の形態の別の例に係る成形用型の断面図を示している。成形用型11は、図1の下型4の成形面にCr等の金属膜を形成して、図1(c)のガラス基材2と一体化したものである。
ここで、スパッタ成膜の際には、炭化珪素ターゲット上に、カーボンチップを配し、炭素濃度(原子(atom)%)を変化させて離型膜6の組成を調整することができる。炭素濃度の単位とした原子%は、炭化珪素膜全体の原子数を100としたときの炭素の原子数の割合(原子百分率)のことである。離型膜6の炭素濃度が異なる各種成形用型を作製し、それぞれについて離型性を確認した。以下の表1に炭素濃度(原子%)と離型性との関係の実験結果を示している。
Figure 2006044968
実施例1−4は、保護膜形成時に炭化珪素スパッタターゲット上のカーボンチップの数を調整し、炭素濃度を65−85原子%の範囲内で変化させたものであり、比較例1−3は炭素濃度をこの範囲外としたものである。実施例1−4、及び比較例1−3は、炭素濃度以外の実験条件は統一しており、成形用型の成形方法は図1を用いて説明した成形方法と同様のものである。
比較例4は、保護膜形成時にカーボンのスパッタターゲットを用い、離型膜としてカーボン膜を形成したものである。実施例1−4、及び比較例4は、離型膜の材料以外の実験条件は統一しており、比較例4についても成形用型の成形方法は、図1を用いて説明した成形方法と同様のものである。
以下、実験条件について具体的に説明する。被成形ガラスのガラス材料は、住田光学ガラス社のK−PBK40(ガラス転移温度501℃、屈伏点549℃)を用いた。成形温度を600℃として、窒素雰囲気中で成形を行った。500回の成形を行い、そのときの離型性、離型膜の剥離等の評価を行った。
図4は、成形試験の試験工程を示す概略断面図である。図4(a)に示したように、下成形型22を胴型21に嵌め込み、被成形ガラス23を胴型21内に上側から入れた後、その上に上成形型20を入れる。これらを加熱ヒータ24a、24bにより600℃に加熱した下プレスヘッド25上に乗せる。
これと並行して加熱ヒータ26a、26bにより600℃に加熱した上プレスヘッド27を、図4(a)に示したように、上成形型20から0.5mm離れた位置に固定する。この状態で30秒間保持した後、上プレスヘッド20を図4(b)に示すように、上成形型20に当接させて490Nの荷重を上成形型20に加える。この荷重の印加状態を保つことにより、被成形ガラス23は変形を開始して図4(c)に示すように光学素子の形状となる。
表1中、実施例1から4は500回の成形において、離型性は良好であり、離型膜の剥離や消失もなかった。これに対して、比較例1及び2では成形初回において、光学素子は成形用型に付着して離型しなかった。比較例1は、光学素子は強固に成形用型に付着していた。比較例2は、光学素子を成形用型から外し観察したところ、成形用型の一部が破損し光学素子に付着したままであった。
また、比較例3は300回目の成形時に、光学素子の離型はしたものの、離型膜の一部にピンホール状の剥離が見られた。比較例4は、カーボン膜を離型膜として用いたため、試験当初から離型性は良好であったが、430回目の成形時にカーボン膜の一部消失が見られた。これは、成形試験は窒素環境下としたが、若干の酸素の存在は免れず、カーボン膜の酸化消失が生じたものと考えられる。
実際の成形においては、光学素子の成形後の冷却時に、光学素子と成形用型の熱膨張係数の違いによって成形用型から光学素子が離型する。このため、離型性は、比較例4のように離型膜自体が離型性に優れている場合を除き、離型時における「光学素子と離型膜の付着力」と「ガラス基材(型)と離型膜の付着力」とによって決定されるものと考えられる。より具体的には、これらが以下の関係を満足するときに、離型性が良好であるといえる。
A(光学素子と離型膜との付着力)<B(ガラス基材と離型膜との付着力)
この関係を満足していれば、光学素子が離型膜から離型した際に、離型膜とガラス基材との付着は保たれるので、離型膜の剥離は起こりにくい。A=Bの関係であれば、付着力が大きい場合、無理に光学素子を離型させようとすると、同時に離型膜が成形型から剥離する可能性があり、光学素子と成形型のいずれかが破損し易くなる。A>Bの関係であれば、光学素子が離型する以前に、離型膜が剥離する可能性が高くなる。
離型の良好であった実施例1から4については、炭素濃度が65原子%以上85原子%以下と大きいことによる離型性の向上に加えて、A<Bが達成されているものと考えられる。すなわち、この場合は光学素子が離型膜から良好に離型しつつ、離型膜はガラス基材から剥離することなく密着状態を保つことができる。
比較例1、2は、炭素濃度が50原子%、60原子%と実施例1から4に比べて小さくなっており、このことにより光学素子と離型膜との密着が強固になっていると考えられる。さらに比較例1、2においては、概ねA=Bではないかと考えられる。すなわち、無理に光学素子を成形用型から取り外すと、光学素子と成形用型のどちらかが破損することが考えられる。前記のように、比較例2では、成形用型の一部が破損し光学素子に付着したままであった。
比較例3は、離型膜中の炭素量を90原子%と大きくしたことに伴い、離型膜とガラス基材との密着性と、離型膜と光学素子との付着性は共に小さくなっていると考えられる。成形当初においては離型が良好であったことから、この間においては、A<Bが保たれたことにより、離型膜のガラス基材からの剥離もなかったものと考えられる。
しかしながら、比較例3は表1に示したように、良好な離型は300回に満たない。これは、成形試験を進めるうちに、Aの増加、Bの低下、又は両方の現象により部分的にA>Bとなる部分が発生して離型膜の剥離に及んだものと推察される。この原因は明確ではないが、その一つとして離型膜中の炭素量を増加させた影響が成形時の温度によってより大きくなり、離型膜とガラス基材との密着性が弱まったことが考えられる。また別の原因として、成形時の窒素中に含まれる若干の酸素により炭素の一部が酸化消失し、離型膜と光学素子との密着性が強くなったことが考えられる。
比較例4は、成形試験を進めるうちに、前記のように若干の酸素の存在により、カーボン膜の酸化消失が生じたものと考えられる。このことにより、比較例3と同様に、A>Bとなる部分が発生したものと推察される。
以上の結果をまとめてみると、比較例3、4のように、離型膜中の炭素濃度を大きくすると、一旦は良好な離型性が保たれるが、成形回数の増加に伴って離型性は低下してしまう。逆に、比較例1、2のように、離型膜中の炭素濃度が小さいと、光学素子と離型膜とが強固に付着し離型が困難になる。また、これらの場合は、A=B又はA>Bの関係になると考えられ、光学素子を離型できたとしても、離型膜の一部剥離や一部消失が生じてしまう。
他方、離型膜の炭素濃度が65原子%から85原子%の範囲にあるものは、離型が良好でありながら、離型膜の一部剥離等も生じない。すなわち、離型膜の炭素濃度が65原子%から85原子%の範囲にあるものは、良好な離型とA<Bの関係とを両立させる構成であるといえる。
したがって、本実施の形態によれば、離型性を安定かつ向上させた光学素子の成形用型を得られる。このことにより、従来、超硬合金等を用いていた型素材にもガラス素材を用いることが可能となり、安価かつ容易に加工できる成形用型を得ることができる。
なお、離型膜の形成に、炭化珪素スパッタターゲットを用い、その上にカーボンチップを配してスパッタ成膜を行ない例で説明したが、カーボンターゲット上に炭化珪素チップを配して成膜してもよい。
また、スパッタ成膜により離型膜を形成する例で説明したが、成膜プロセスはこれに限るものではなく、化学蒸着(CVD)等の他のプロセスによって形成してもよい。
以上のように、本発明によれば、光学素子の離型性を安定かつ良好にすることができるので、本発明は、例えばレンズやプリズムなどの光学素子を成形する成形用型に有用である。
本発明の一実施の形態に係る成形用型の製造方法を示す図 本発明の一実施の形態に係る成形用型の断面図。 本発明の実施の形態の別の例に係る成形用型の断面図 本発明の成形用型を用いた成形試験の試験工程を示す概略断面図。
符号の説明
1、2 ガラス基材
3 母型
4 下型
5 胴型
6 離型膜
10,11 成形用型
20 上成形型
21 胴型
22 下成形型
23 被成形ガラス
24a、24b 加熱ヒータ
25 下プレスヘッド
26a、26b 加熱ヒータ
27 上プレスヘッド

Claims (2)

  1. 光学素子をガラス成形する成形用型であり、成形温度よりもガラス転移温度が高いガラス材料又は結晶化ガラスで形成された基材と、前記基材の成形面に設け炭素濃度が65原子%以上85原子%以下の炭化珪素で形成された離型膜とを備えたことを特徴とする光学素子の成形用型。
  2. 前記成形面は、前記成形面に対応した形状を含む母型を前記基材に高温押圧して形成したものである請求項1に記載の光学素子の成形用型。
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JP2007254234A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Olympus Corp 光学素子成形用型の製造方法
JP2009120447A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Osaka Prefecture ガラスレンズ用成形型及びその製造方法

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