JP2006043480A - バルーンカテーテル及びバルーンカテーテルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 医療用バイアキシアル型バルーンカテーテルにおいて、シャフトの拡張ルーメンのみが、シャフトと近位側のバルーンスリーブの接合部からシャフト遠位端の間で取り除かれ、接合部より遠位側の拡張ルーメンの主たる壁が近位側バルーンスリーブによって構成されるていることを特徴とするバルーンカテーテル。
【選択図】 図7
Description
PTCAにおいてその治療を施行するには、まずガイディングカテーテルを大腿動脈から挿入して大動脈を経て冠状動脈の入口に先端を位置させた後、ガイドワイヤを冠状動脈等の狭窄部または閉塞部の病変部位を通過させ、そのガイドワイヤに沿ってバルーンカテーテルを挿入しバルーンを病変部位に一致させ、造影剤等をバルーンに供給してこのバルーンを拡張させる。病変部位の拡張治療後は、バルーンを減圧し収縮させ、拡張カテーテルを体外へ除去する。
このようなバルーンカテーテルのシャフト1は、一般に、2つのルーメンを有する。その1つはバルーン2と連通し前記バルーンを膨張、収縮させる為に加圧流体を通すルーメン6(以下、拡張ルーメンと呼ぶ)であり、ほかの一つは、ガイドワイヤを連通させるルーメン4(以下、ガイドワイヤルーメンと呼ぶ)である。またシャフト1の近位部には、前記拡張ルーメン6と連通する加圧流体供給口を備えたマニホールド3が設けられている。通常、拡張ルーメン6を構成する拡張チューブ8内にガイドワイヤルーメン4を有するガイドワイヤチューブ7を挿通し同軸状に配設した2重管構造を有するもの(コアキシアル型:coaxial type)(図1)が一般的であるが、特開平7−178175号公報記載のバルーンカテーテルのように、拡張チューブとガイドワイヤチューブとが同軸状でないもの(バイアキシアル型:bi-axial)(図2)もある。尚、バルーンカテーテルは、一般的に、ガイドワイヤチューブがシャフトの軸方向全長に亘り伸びているオーバー・ザ・ワイヤ型のもの(図3)と、ガイドワイヤチューブがバルーンカテーテルの先端20cm〜35cmの部位にのみ存在するモノレール型(図4)のものとに大別される。
近年のバルーンカテーテルには、狭窄度や屈曲度のある非常に高い血管部位にも適用可能なものが求められる傾向にある。特に屈曲部の多い冠状動脈にたいしては、バルーンをスムーズに病変部位まで進ませることの可能なPTCA及びPTA用バルーンカテーテルが求められている。この為、近年、PTCA用の前記バルーンチューブではその近位側約100cm〜135cmの部位に比較的硬い材料からなる近位側チューブを用い、その遠位側約20cm〜35cmの部位に比較的柔軟な樹脂材料からなる遠位側チューブを用いて構成されることが多い。これは近位側チューブが通る大動脈の屈曲度は小さい為、押込力伝達性(プッシャビリティ;Pushability)を高めるためにも硬い材料を用いるのが好ましく、一方、遠位側チューブが通る冠動脈の屈曲度は大きいためガイドワイヤに追随変形できるように柔軟な樹脂材料を用いるのが好ましいからである。
一方、図5及び図6に示すように近位側バルーンスリーブと遠位側シャフトとの接合には、接着剤を用いたり、熱溶着により一方が他方に外嵌接合されることが多い。その接合については、特公平4−670号公報に、接着剤によるものが特開平6−296693号公報に開示されている。また特開2000−126299号公報に開示されているようにバルーンの近位側スリーブと遠位側シャフトの接合部の柔軟性を得るために外嵌接合する接合部の一端を切削加工なされている。
しかしながら、このような従来の接合方法及び二次加工方法では以下の4つの問題が生じた。
第1に、特公平4−670号公報、特開平6−296693号公報に開示されている近位側バルーンスリーブと遠位側シャフトとの接合部で剛性が急変し、シャフトの近位端が接続されたマニホールドからの押込力が、前記接合部より先に伝達されないことである。バルーンの近位側スリーブと遠位側シャフトとは外嵌接合されるので、前記接合部が2層構造となるため非常に硬くなり、また、接着剤層も含めた3層構造となるため更に硬くなる。よって遠位側チューブは柔軟で、前記接合部は遠位側チューブより硬いため、剛性が急変する箇所が生じる。従ってバルーンカテーテルを狭窄度や屈曲度の高い血管部位を通過させる際、シャフトの近位側から加えられた押込力が、剛性が急変する箇所より先のシャフト遠位端へ伝達されず、最悪の場合は、前記剛性が急変する箇所でシャフトが折れ曲がるのである。このような場合、拡張カテーテルの押込伝達性は極端に低下する。
第2に、前記接合部における2層もしくは3層構造の部位が非常に硬くなると共に、この部位が長い場合、この部位は直線的な形状を維持しやすい剛性を有することになり、バルーンカテーテルが屈曲した血管に沿って滑らかに曲がる性質(曲路追随性;Trackability)が極端に低下することである。これにより、例えばガイディングカテーテルの端部を前記接合部が通過しようとする際、術者は大きな抵抗を感じ、大きな不都合が生じる。
第3に、前記接合部において2層もしくは3層構造の部位が生じるので、その部位の外径が大きくなり且つ大きな段差が生じることになる。接合部において外径が大きくなり且つ大きな段差が生じると、バルーンカテーテルを進退する際に血管壁若しくはガイディングカテーテル内に引っかかり、引き抜くことが困難になるという危険性がある。さらにバルーンの接合部は血管の中でもより屈曲し、狭窄度の高い血管部位を通過するので、これら問題は通過能力に大きな影響を与える。
(1) 拡張ルーメンとガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフトと、少なくとも近位側にスリーブを有するバルーンを用いてバルーンカテーテルの少なくとも遠位部が形成され、更にバルーン近位側のスリーブと前記シャフトとの接合部から遠位側の拡張ルーメンのみが取り除かれてガイドワイヤルーメンのみがバルーンを貫通して遠位側に伸びているバルーンカテーテルにおいて、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面とスリーブの端面が、付き当てられて接合され、残されたガイドワイヤルーメンに近位側バルーンスリーブを被せて接合されているバルーンカテーテルであって、ここで、該バルーンカテーテルの軸方向に対して断面が垂直となる様に拡張ルーメンが取り除かれて生じた断面に対し、該バルーンカテーテルの軸方向に垂直な端面の前記近位側スリーブを付き当てた状態で接合するか、または、テーパー状に取り除かれた遠位側拡張ルーメン端部に対して、テーパー状にカットした前記近位側スリーブを付き当てて接合したことを特徴とする、バルーンカテーテル;
(2) バルーン近位側のスリーブと前記シャフトの接合部の最大外径が、前記接合部に隣接する近位側バルーンスリーブの最大径、又は、前記接合部に隣接する前記シャフトの最大径に対して、小径又は同径であることを特徴とする(1)に記載のバルーンカテーテル;
(3) バルーン近位側のスリーブと前記シャフトの接合部の最大外径が、前記接合部に隣接する近位側バルーンスリーブの最大径、及び、前記接合部に隣接する前記シャフトの最大径に対して、小径又は同径であることを特徴とする(1)又は(2)記載のバルーンカテーテル;
(4) 前記拡張ルーメンが1個である(1)〜(3)の何れか1項に記載のバルーンカテーテル;
(5) バルーン近位側のスリーブと前記シャフトの接合部が溶着によって接合された(1)〜(4)の何れか1項に記載のバルーンカテーテル;
(6) 前記近位側バルーンスリーブと前記シャフトが溶着によって接合可能な材質で構成された(1)〜(5)の何れか1項に記載のバルーンカテーテル;
(7) 拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが拡張ルーメンを形成する最長の長さが1mm〜200mmの長さを有する(1)〜(6)の何れか1項に記載のバルーンカテーテル;
(8) 拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが拡張ルーメンを形成する最長の長さが2mm〜10mmの長さを有する(7)に記載のバルーンカテーテル;
(9) 拡張ルーメンとガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフトと、少なくとも近位側にスリーブを有するバルーンを用いてバルーンカテーテルの少なくとも遠位部が形成され、更にバルーン近位側のスリーブと前記シャフトとの接合部から遠位側の拡張ルーメンのみが取り除かれてガイドワイヤルーメンのみがバルーンを貫通して遠位側に伸びているバルーンカテーテルにおいて、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面近傍とスリーブの端面近傍が、接合しろが4mm以内でオーバーラップして接合され、更に拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが単独で拡張ルーメンを形成する長さが1mm〜200mmの長さであるバルーンカテーテルであって、残されたガイドワイヤルーメンに近位側バルーンスリーブを被せて接合され、ここで、該バルーンカテーテルの軸方向に対して断面が垂直となる様に拡張ルーメンが取り除かれて生じた断面に対し、該バルーンカテーテルの軸方向に垂直な端面の前記近位側スリーブを付き当てた状態で接合するか、または、テーパー状に取り除かれた遠位側拡張ルーメン端部に対して、テーパー状にカットした前記近位側スリーブを付き当てて接合したことを特徴とする、バルーンカテーテル;
(10) 拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが単独で拡張ルーメンを形成する長さが2mm〜10mmの長さである(9)に記載のバルーンカテーテル;
(11) 拡張ルーメンとガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフトと、少なくとも近位側にスリーブを有するバルーンを用いてバルーンカテーテルの少なくとも遠位部が形成され、更にバルーン近位側のスリーブと前記シャフトとの接合部から遠位側の拡張ルーメンのみが取り除かれてガイドワイヤルーメンのみがバルーンを貫通して遠位側に伸びているバルーンカテーテルにおいて、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面とスリーブの端面を、付き当てて接合し、残されたガイドワイヤルーメンに近位側バルーンスリーブを被せて接合するバルーンカテーテルの製造方法であって、ここで、該バルーンカテーテルの軸方向に対して断面が垂直となる様に拡張ルーメンが取り除かれて生じた断面に対し、該バルーンカテーテルの軸方向に垂直な端面の前記近位側スリーブを付き当てた状態で接合するか、または、テーパー状に取り除かれた遠位側拡張ルーメン端部に対して、テーパー状にカットした前記近位側スリーブを付き当てて接合したことを特徴とする、バルーンカテーテルの製造方法;
(12)拡張ルーメンとガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフトと、少なくとも近位側にスリーブを有するバルーンを用いてバルーンカテーテルの少なくとも遠位部が形成され、更にバルーン近位側のスリーブと前記シャフトとの接合部から遠位側の拡張ルーメンのみが取り除かれてガイドワイヤルーメンのみがバルーンを貫通して遠位側に伸びているバルーンカテーテルにおいて、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面近傍とスリーブの端面近傍を、接合しろが4mm以内でオーバーラップする様に接合し、更に拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが単独で拡張ルーメンを形成する長さを1mm〜200mmとし、残されたガイドワイヤルーメンに近位側バルーンスリーブを被せて接合するバルーンカテーテルの製造方法であって、ここで、該バルーンカテーテルの軸方向に対して断面が垂直となる様に拡張ルーメンが取り除かれて生じた断面に対し、該バルーンカテーテルの軸方向に垂直な端面の前記近位側スリーブを付き当てた状態で接合するか、または、テーパー状に取り除かれた遠位側拡張ルーメン端部に対して、テーパー状にカットした前記近位側スリーブを付き当てて接合したことを特徴とする、バルーンカテーテルの製造方法;
(13) 拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが単独で拡張ルーメンを形成する長さを2mm〜10mmとする(12)に記載のバルーンカテーテルの製造方法;
(14) 芯材を用いることによって、前記接合部及び前記接合部より遠位側の拡張ルーメンの内径及び形状を確保することを特徴とする(11)〜(13)の何れか1項に記載のバルーンカテーテルの製造方法;
を提供する。
さらには前記接合部が溶着によって接合可能な材質で構成されたものを用い、溶着によって接合することによってバルーンの高圧力下での加圧時に対する強度を得ることができるため好ましい。
さらに前記拡張ルーメンは拡張ルーメンの径方向の断面積を大きくするために1個にすることが好ましい。
本発明に係るバルーンカテーテルは、近位側にスリーブ2b’を有するバルーン2、一般的には直管部2aとその直管部両端に隣接し漸次縮径する近位側テーパー部2c’及び遠位側テーパー部2cと、これらテーパー部に隣接する近位側スリーブ2b’及び遠位側スリーブ部2bとを有してなるバルーン2と、拡張ルーメン6とガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフト、一般的にはバイアキシアル型のシャフト10から構成されるバルーンカテーテルに関するもので、オーバー・ザ・ワイヤ型であってもモノレール型であってもよい。また、それ以外の構造も発明の効果を何ら制限するものではない。
図7は本発明に係る実施形態の一例である。本発明におけるバルーン近位側スリーブとシャフトの接合は、シャフトのガイドワイヤルーメン4を形成する壁肉部を残した形で、特定の区間の拡張ルーメンの壁肉部を取り除くことで拡張ルーメンが取り除かれた後、その残されたガイドワイヤルーメン4に近位側バルーンスリーブ2b’を被せて接合され、更に拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面とスリーブの端面が、付き当てられて接合されていることを特徴としている。これにより近位側バルーンスリーブ2b’と遠位側シャフトの接合部において柔軟な構造を有し、剛性が急変せず、段差を少なくして、狭窄度や屈曲度が高度な血管部位を通過可能なバルーンカテーテルを提供することが出来る。柔軟な構造をとるためには、拡張ルーメンの壁肉部を完全に取り除くことが好ましいが、必要な剛性を持たせる為、または他の目的で一部を残した構造としても良い。
ここでいう接合部は、シャフトとバルーン近位側スリーブとが接触して固定されている円周一周にわたる部分を意味する。更に接合部は、その接合形態から大きく2つの部分に分けられる。一つは、円周上の拡張ルーメン側に位置し、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じたバルーンカテーテル軸に垂直またはテーパー状の断面とスリーブの端面が、主に付き当てられて接合されており、本願では“拡張ルーメン側の接合部”と記述することとする。他方は、円周上のガイドワイヤルーメン側に位置し、シャフト上にバルーン近位側スリーブが被さって接合されており、本願では“ガイドワイヤルーメン側の接合部”と記述することとする。
狭窄度や屈曲度が高度な血管部位にスムーズに進入可能なバルーンカテーテルを得るためには、前記接合部11の最大外径を、前記接合部に隣接する範囲のバルーンスリーブ2b’の最大径、または、前記接合部に隣接する範囲のシャフトの最大径に対して小径又は同径にする方が好ましい。ここで、隣接する範囲とは、おおよそ接合部から10cmの距離を意味する。但し、前記接合部の最大外径が前記バルーンスリーブ2b’の最大径、または、前記シャフトの最大径に対して小さくできなくても、その段差を軽減するのみの目的に使用することもできる。
拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが拡張ルーメンを形成する最長の長さ、言い換えれば拡張ルーメン側の接合部からバルーンテーパー部の近位端までの長さが1mm〜200mmの長さを有するバルーンカテーテルであれば、あらゆる長さのルーメン長でも良いが、生産時の接合方法の簡易度及び容易度から2mm〜10mmの拡張ルーメン長を有するバルーンカテーテルのものが好ましい。拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが拡張ルーメンを形成する最長の長さが、2mmより小さいとバルーンとシャフトの接合時にバルーンをいためる可能性が高く、1mmより小さいといためずに接合することが困難となり、一方、10mmより大きいと、バルーンスリーブは多くの場合薄肉なので良好なプッシャビリティを得ることが難しく、200mmより大きいとキンク等を生じてしまう。
図10は本発明に係る実施形態の一例で、前記シャフトの断面図である。シャフトの断面形状は、円形、楕円、四角形等、いかなる形状でも良いが、血管を傷つけにくいという点から、円形が好ましい。
シャフトに形成する拡張ルーメン12の断面形状及び個数は、いかなる形状及び個数でも良いが、圧力損失を小さくする観点から円形で、その個数は1個にすることが好ましい。
シャフトを形成するガイドワイヤルーメン4の断面形状はいかなる形状でも良いが、ガイドワイヤ摺動性の点から円形が好ましい。
シャフトと近位側バルーンスリーブ2b’の接合方法は、接着剤による接合方法及び溶着による接合方法等、いかなる接合方法でも良いが、前記接合部11の加工精度及び加工収率の点から溶着による接合方法が好ましい。
前記接合部11の溶着による接続方法は、熱風溶着、超音波溶着、レーザー溶着、薬品による溶着等、いかなる溶着方法を用いても良いが、作業者の作業容易度及び安全性等の点から、熱溶着による接合方法が好ましい。
前記接合部11と前記接合部より遠位側の拡張ルーメン12の形状及びその内径の形成方法はいかなる方法を用いてもよいが、加工の容易度及び加工精度の点から芯材を用いる方法が好ましく、その芯材は接着剤や溶着による加工後も取出し易くするためにその外側部がコーティングされていることが好ましい。
また前記接合部11は溶着によって接合可能であれば、材質も限定されない。すなわち、使用する前記バルーンスリーブ2b’やシャフトの材質について溶着可能であれば同一又は異なる材質でも良いし、異なる材質が積層した多層系であってもよい。例えばPTCA用バルーンカテーテルの場合、前記バルーンは柔軟且つ薄肉であり、高強度の性能が求められることからポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマーが好ましく、前記シャフトはそれらに溶着可能であれば同じ材質でも良いし、異なる材質でも良いが、前記接合部の溶着強度等の点からシャフトと同材質及び同材質のエラストマーが好ましい。したがってバルーン2及び近位側バルーンスリーブ2b’がポリアミドの材質である場合、単一及び多層状の少なくとも1層がポリアミドまたはポリアミドエラストマーで形成された前記シャフトを使用するのが好ましい。
ポリアミドエラストマー(商品名:PEBAX7233SA01;elf atochem社製)を用いて押出成形法によりチューブ状パリソン(内径1.10mm、外径2.30mm)を作製し、次いで、このパリソンを用いて二軸延伸ブロー成形法により直管部の外径が7.0mmのバルーンを作製した。
図2に示す断面を有するシャフト(外径 1.65mm、ガイドワイヤルーメン内径 0.95mm、拡張ルーメン内径 0.40mm)はポリアミドエラストマー(商品名:PEBAX7233SA01;elf atochem社製)を用いて押出成形にて作製した。
次いで、シャフトの拡張ルーメンの壁肉部分を、ガイドワイヤルーメンの壁肉部分を残した状態で、遠位端側から8mmの位置で図11に示すようにテーパー状にカットして取り除いた。
シャフトのガイドワイヤルーメンに芯材13(外径 0.94mm)を、拡張ルーメンに芯材14(外径 0.40mm)を十分に貫通するような長さを維持し、配置した。
近位側バルーンスリーブを、近位側テーパー開始部からバルーンカテーテルの軸方向に対して近位方向に8mm離れた位置でテーパー状にカットすること以外は、前記実施例1に記載方法と同様に、実施例のサンプルを作製した。
ガイドワイヤールーメンの壁肉部分を残した状態で、遠位端から8mmの間、拡張ルーメンの壁肉部分を図8に示すようにバルーンカテーテルの軸方向に対して垂直にカットして取り除いたこと以外は、前記実施例1に記載方法と同様に、実施例のサンプルを作製した。
前記シャフトの拡張ルーメン壁肉部をカットせずに残した状態にすることと、図13に示すように前記シャフト上に前記近位側バルーンスリーブを外篏するような状態で配置後、熱収縮チューブ(内径 2.38mm)を被覆する以外は前記実施例1に記載方法と同様に、実施例のサンプルを作製した。
レーザー外径測定器(商品名:LS−3100 ;KEYENCE製)を用いて、接合部の最大外径を測定した。評価結果は、表1に示すとおり、前記実施例の接合部外径値は、比較例の接合部外径に比して、小径のものが得られた。尚、触感で確認したところ、接合部の柔軟性且つ剛性の連続性についても実施例全てが比較例に比べ優れており、更に接合部の加工も比較的容易で、簡素であり、加工収率もきわめて良かった。
2 バルーン
3 マニホールド
4 ガイドワイヤルーメン
5 ガイドワイヤポート
6 拡張ルーメン
7 ガイドワイヤチューブ
8 拡張チューブ
9 リングマーカー
10 遠位側シャフト
11 接合部
12 接合部より遠位側の拡張ルーメン
13 ガイドワイヤルーメン用芯材
14 拡張ル ーメン用芯材
Claims (14)
- 拡張ルーメンとガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフトと、少なくとも近位側にスリーブを有するバルーンを用いてバルーンカテーテルの少なくとも遠位部が形成され、更にバルーン近位側のスリーブと前記シャフトとの接合部から遠位側の拡張ルーメンのみが取り除かれてガイドワイヤルーメンのみがバルーンを貫通して遠位側に伸びているバルーンカテーテルにおいて、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面とスリーブの端面が、付き当てられて接合され、残されたガイドワイヤルーメンに近位側バルーンスリーブを被せて接合されているバルーンカテーテルであって、ここで、該バルーンカテーテルの軸方向に対して断面が垂直となる様に拡張ルーメンが取り除かれて生じた断面に対し、該バルーンカテーテルの軸方向に垂直な端面の前記近位側スリーブを付き当てた状態で接合するか、または、テーパー状に取り除かれた遠位側拡張ルーメン端部に対して、テーパー状にカットした前記近位側スリーブを付き当てて接合したことを特徴とする、バルーンカテーテル。
- バルーン近位側のスリーブと前記シャフトの接合部の最大外径が、前記接合部に隣接する近位側バルーンスリーブの最大径、又は、前記接合部に隣接する前記シャフトの最大径に対して、小径又は同径であることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
- バルーン近位側のスリーブと前記シャフトの接合部の最大外径が、前記接合部に隣接する近位側バルーンスリーブの最大径、及び、前記接合部に隣接する前記シャフトの最大径に対して、小径又は同径であることを特徴とする請求項1又は2記載のバルーンカテーテル。
- 前記拡張ルーメンが1個である請求項1〜3の何れか1項に記載のバルーンカテーテル。
- バルーン近位側のスリーブと前記シャフトの接合部が溶着によって接合された請求項1〜4の何れか1項に記載のバルーンカテーテル。
- 前記近位側バルーンスリーブと前記シャフトが溶着によって接合可能な材質で構成された請求項1〜5の何れか1項に記載のバルーンカテーテル。
- 拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが拡張ルーメンを形成する最長の長さが1mm〜200mmの長さを有する請求項1〜6の何れか1項に記載のバルーンカテーテル。
- 拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが拡張ルーメンを形成する最長の長さが2mm〜10mmの長さを有する請求項7に記載のバルーンカテーテル。
- 拡張ルーメンとガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフトと、少なくとも近位側にスリーブを有するバルーンを用いてバルーンカテーテルの少なくとも遠位部が形成され、更にバルーン近位側のスリーブと前記シャフトとの接合部から遠位側の拡張ルーメンのみが取り除かれてガイドワイヤルーメンのみがバルーンを貫通して遠位側に伸びているバルーンカテーテルにおいて、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面近傍とスリーブの端面近傍が、接合しろが4mm以内でオーバーラップして接合され、更に拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが単独で拡張ルーメンを形成する長さが1mm〜200mmの長さであるバルーンカテーテルであって、残されたガイドワイヤルーメンに近位側バルーンスリーブを被せて接合され、ここで、該バルーンカテーテルの軸方向に対して断面が垂直となる様に拡張ルーメンが取り除かれて生じた断面に対し、該バルーンカテーテルの軸方向に垂直な端面の前記近位側スリーブを付き当てた状態で接合するか、または、テーパー状に取り除かれた遠位側拡張ルーメン端部に対して、テーパー状にカットした前記近位側スリーブを付き当てて接合したことを特徴とする、バルーンカテーテル。
- 拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが単独で拡張ルーメンを形成する長さが2mm〜10mmの長さである請求項9に記載のバルーンカテーテル。
- 拡張ルーメンとガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフトと、少なくとも近位側にスリーブを有するバルーンを用いてバルーンカテーテルの少なくとも遠位部が形成され、更にバルーン近位側のスリーブと前記シャフトとの接合部から遠位側の拡張ルーメンのみが取り除かれてガイドワイヤルーメンのみがバルーンを貫通して遠位側に伸びているバルーンカテーテルにおいて、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面とスリーブの端面を、付き当てて接合し、残されたガイドワイヤルーメンに近位側バルーンスリーブを被せて接合するバルーンカテーテルの製造方法であって、ここで、該バルーンカテーテルの軸方向に対して断面が垂直となる様に拡張ルーメンが取り除かれて生じた断面に対し、該バルーンカテーテルの軸方向に垂直な端面の前記近位側スリーブを付き当てた状態で接合するか、または、テーパー状に取り除かれた遠位側拡張ルーメン端部に対して、テーパー状にカットした前記近位側スリーブを付き当てて接合したことを特徴とする、バルーンカテーテルの製造方法。
- 拡張ルーメンとガイドワイヤルーメンを一体的に有するシャフトと、少なくとも近位側にスリーブを有するバルーンを用いてバルーンカテーテルの少なくとも遠位部が形成され、更にバルーン近位側のスリーブと前記シャフトとの接合部から遠位側の拡張ルーメンのみが取り除かれてガイドワイヤルーメンのみがバルーンを貫通して遠位側に伸びているバルーンカテーテルにおいて、拡張ルーメンが取り除かれることで新たに生じた断面近傍とスリーブの端面近傍を、接合しろが4mm以内でオーバーラップする様に接合し、更に拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが単独で拡張ルーメンを形成する長さを1mm〜200mmとし、残されたガイドワイヤルーメンに近位側バルーンスリーブを被せて接合するバルーンカテーテルの製造方法であって、ここで、該バルーンカテーテルの軸方向に対して断面が垂直となる様に拡張ルーメンが取り除かれて生じた断面に対し、該バルーンカテーテルの軸方向に垂直な端面の前記近位側スリーブを付き当てた状態で接合するか、または、テーパー状に取り除かれた遠位側拡張ルーメン端部に対して、テーパー状にカットした前記近位側スリーブを付き当てて接合したことを特徴とする、バルーンカテーテルの製造方法。
- 拡張ルーメン側の接合部から遠位側に向かい、バルーンスリーブが単独で拡張ルーメンを形成する長さを2mm〜10mmとする請求項12に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
- 芯材を用いることによって、前記接合部及び前記接合部より遠位側の拡張ルーメンの内径及び形状を確保することを特徴とする請求項11〜13の何れか1項に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
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JP2005308592A JP2006043480A (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | バルーンカテーテル及びバルーンカテーテルの製造方法 |
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-
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- 2005-10-24 JP JP2005308592A patent/JP2006043480A/ja active Pending
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