JP2006042853A - 担架 - Google Patents

Abstract

【課題】担架上の被介助者の上肢部が誤って担架から滑り落ちることや、被介助者の腕や手等が担架の隙間に挟まれることを防止する。
【解決手段】担架本体１の胴体側の両側に胴体用サイドフェンス４を垂直に取り付け、支軸８回りに上肢部１ａが回動できる上肢用サイドフェンス５と、上肢用サイドフェンス５の内側面に締結部材１２により固定された板状の緩衝材９とを備えた。緩衝材９は、胴体部サイドフェンス４と上肢用サイドフェンス５との間の第１の隙間１４に突出する第１張出部９ａと、上肢用サイドフェンス５と担架本体１との間の第２の隙間１５に突出する第２張出部９ｂとを設けている。
【選択図】 図２

Description

本発明は、被介助者を保護するためのサイドフェンスを備えた担架に関する。

一般に、介助用担架においては、担架上に載せられた老人や患者等の被介助者の転落を防止するため、担架の両側にスチールパイプ製のサイドフェンスが設けられている。例えば、入浴用担架がある。サイドフェンスは担架の両側に垂直に取り付けられ、担架に横たわる被介助者の胴体から下肢部に向けて延びている。介助者が患者等を担架からベッドや浴槽等に移し替える際、サイドフェンスが邪魔になるため、サイドフェンスを取り除く必要があることから、サイドフェンスには脱着または転倒できる機構が備えられている。
また、担架は、被介助者の上体を起こすことができるように担架本体の上肢側と胴体側が分割され、その中間部を回転軸として上肢側を起こすことができる機構が設けられている（例えば、特許文献１参照）。
特開平１１−３１８９８６号公報

しかしながら、上記した従来のサイドフェンスは、主に被介助者の胴体部から下半身までを保護するものであって、上肢部を保護するためのものではない。そのため、担架上の被介助者が、身体を動かしたりした際に誤って上肢部から滑り落ちてしまったり、腕や手等が担架の外側にはみ出してしまう等の危険があった。とくに、担架本体の上肢側を起こしたときは、上肢側の両側にサイドフェンスが無い危険な状態となる。
また、サイドフェンスと担架本体との間には隙間があり、介助者が転倒したサイドフェンスを起立させる際にその隙間に腕や手等を挟まれるおそれがある。

本発明は、上記した問題を考慮して、担架に載せられている被介助者の上肢部が担架から滑り落ちることや、被介助者の腕や手等が担架からはみ出すことを防止するようにした担架を提供することを目的としている。

本発明は、担架本体の側部に第一のサイドフェンスを設けた担架において、第一のサイドフェンスに対して担架に載せられる被介助者の頭部側に第二のサイドフェンスが備えられていることを特徴としている。
本発明による担架では、担架に載せられている被介助者の上肢部が担架から滑り落ちることや、被介助者の腕や手等が担架からはみ出すことを防止することができる。

本発明では、第二のサイドフェンスは、その内側に緩衝材が設けられていることが好ましい。
本発明による担架では、被介助者が第二サイドフェンスに腕や手等をぶつけても緩衝材により保護することができ傷つけることを防止できる。

本発明では、第二のサイドフェンスに設けられた緩衝材は、第一のサイドフェンスとの隙間に突出していることが好ましい。
本発明による担架は、緩衝材の突出によってこの隙間を小さくすることや塞ぐことができるため、担架上の被介助者の腕や手等が誤って隙間に入り挟むことを防止できる。仮に被介助者の手等が挟まれた場合でも、弾力のある緩衝材によって挟まれた手等を保護できる。

本発明に係る担架によれば、担架上に載せられている被介助者の上肢部が誤って担架から滑り落ちることや、被介助者の腕や手等が担架の外側にはみ出すことがなくなる。

以下、本発明の実施の形態による上肢用サイドフェンスについて、図面に基づいて説明する。図１、図２は、それぞれ本発明の実施の形態による上肢用サイドフェンスを備えた、入浴用担架の平面図、側面図である。
この入浴用担架は、病人、寝たきりの老人、手術後の患者等、被介助者を担架に載せたままの状態で入浴させるものである。この入浴用担架は、担架本体１と、担架本体１の床面に敷設された頭部側のマット２と、体部側のマット３と、被介助者の身体部を担架本体１の上に固定するためのバンド６と、足あて７を備えている。
また、被介助者の担架からの滑り落ちを防止するため、担架本体１の胴体側の両側に垂直に取り付けたサイドフェンス４と、同じく頭部側の両側に垂直に取り付けた上肢用サイドフェンス５が設けられている。上肢用サイドフェンス５は、上肢用サイドフェンス５の転倒を可能とする回転部に、ロック機構１１が設けられている。
担架本体１は、上肢部１ａ、胴体部１ｂと下肢部１ｃで３分割されており、上肢部１ａと胴体部１ｂの境界の分割部分に支軸８が設けられていて、支軸８回りに上肢部１ａが上方に回動できる機構を有している。

次に、上肢用サイドフェンス５について図に基づいて説明する。図３は図２に示す上肢用サイドフェンス５の拡大図、図４は図３に示すＡ−Ａ線断面図である。
上肢用サイドフェンス５の取り付け部は、担架本体１の下部に接続されているフェンス支持部材１７と、フェンス支持部材１７の両端部に接合され矩形に突出したキー部材１７ａと、キー部材１７ａを収容する回転継手１８から構成されている。
回転継手１８は、フェンス支持部材１７に取り付けられる端部にキー溝１８ａと円形孔１８ｂを有しており、キー部材１７ａとキー溝１８ａが嵌合することで、上肢用サイドフェンス５の転倒を規制するロック状態となる。キー部材１７ａがキー溝１８ａから外れて円形孔１８ｂ内に相対移動すると、回転継手１８は、キー部材１７ａを回転軸として回転自由となり、ロックが解除となる。よって、上肢用サイドフェンス５を転倒できる（図４参照）。
上肢用サイドフェンス５は、スチールパイプ製で四角形枠形状のパイプ部材１３ａと、このパイプ部材１３ａの枠内を塞ぐ板状のガードフェンス１３ｂとで形成されている。上肢用サイドフェンス５の内側面には板状の緩衝材９が締結部材１２によって固定され、緩衝材９は発泡ゴム等の弾力のある材質で形成されている。

図３に示すように、胴体用サイドフェンス４と上肢用サイドフェンス５との間には、第１の隙間１４が形成されている。この第１の隙間１４を形成する胴体用サイドフェンス４の端部は、傾斜面をなす傾斜端部４ａと垂直面をなす垂直端部４ｂとを有する屈曲部で形成されている。胴体用サイドフェンス４に対面する上肢用サイドフェンス５の端部は、傾斜面からなる側端部５ａを有している。
また、図４より上肢用サイドフェンス５の下端部５ｂと担架本体１の側面との間には、第２の隙間１５が形成されている。

緩衝材９は、上肢用サイドフェンス５の側端部５ａと胴体用サイドフェンス４の屈曲部との間にある第１の隙間１４内に突出している第１張出部９ａと、上肢用サイドフェンス５の下端部５ｂと担架本体１との間にある第２の隙間１５内に突出している第２張出部９ｂを有している。
第１張出部９ａは、胴体用サイドフェンス４の屈曲部と干渉しない位置まで第１の隙間１４内に突出し、第２張出部９ｂは、担架本体１の床面よりも下方に突出する。第１張出部９ａによって第１の隙間１４が小さくなる又は塞がれ、第２張出部９ｂによって第２の隙間１５が小さくなる又は塞がれることで、被介助者の手等が担架から外方にはみ出すことを防止する。

緩衝材９の第１張出部９ａについて、担架本体１の上肢部１ａが図２に示す二点鎖線の位置にあるとき、胴体用サイドフェンス４の傾斜端部４ａと、緩衝材９の第１張出部９ａの端面が略平行となり接近又は接触することで、第１の隙間１４が小さくなる又は塞がれる。したがって、上肢部１ａを起こした場合でも、被介助者の手等が第１の隙間１４から担架外側にはみ出すことがない。
次に、緩衝材９の第２張出部９ｂについて、上肢用サイドフェンス５を転倒する場合、上肢用サイドフェンス５を引き上げると、キー部材１７ａとキー溝１８ａの噛み合いが外れロックが解除される。キー部材１７ａは、円形孔２１内で回転自由となり、上肢用サイドフェンス５は転倒が可能となる。転倒した上肢用サイドフェンス５を元の状態に戻す際は、上肢用サイドフェンス５をキー部材１７ａとキー溝１８ａが嵌合する位置まで立て戻し、上肢用サイドフェンス５が自重で下がり、キー部材１７ａとキー溝１８ａが嵌合してロック状態となる。上肢用サイドフェンス５が自重により下がるときに第２の隙間１５が狭くなり、被介助者の手等の挟まれるおそれがあるが、緩衝材９の第２張出部９ｂによって第２の隙間１５が小さくなることで、被介助者の手等がこの隙間に入り挟むことを防止する。

実施の形態は上述の構成を有しているから、上肢用サイドフェンス５は、胴体用サイドフェンス４に対して被介助者の上肢部両側に設置されているため、被介助者の上肢部が担架から滑り落ちることや、被介助者の腕や手等が担架外にはみ出すことを防ぐことができる。
上肢用サイドフェンス５が設けられる位置は、被介助者の腕や手等の近傍となるため、被介助者が上肢用サイドフェンス５に接触することがあっても、緩衝材９によって腕や手等を保護することができる。
また、第１張出部９ａによって第１の隙間１４を、第２張出部９ｂによって第２の隙間１５を小さくする又は塞ぐことができるため、担架本体１にある上肢部１ａを起こす場合や、転倒した上肢用サイドフェンス５を元の状態に戻す場合であっても、被介助者の手等が第１の隙間１４や第２の隙間１５に入る危険を少なくできる。仮に被介助者の腕や手等がこれらの隙間に挟まれても緩衝材９が突出してくるため、腕や手等を保護することができる。

以上、本発明に係る上肢用サイドフェンス５の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、緩衝材９は、被介助者の手等が隙間に入ることを防ぐ効果と、緩衝材９自体のもつ緩衝作用が被介助者の腕や手等を保護する効果とを期待するものであるが、このいずれか一方の効果を得ることが出来ればよい。

また、上記した実施の形態にある緩衝材９は、上肢用サイドフェンス５の内側全面と第１張出部９ａと第２張出部９ｂとが一体化されたものであるが、緩衝材９の第１張出部９ａまたは第２張出部９ｂのみの取り付けでもよく、緩衝材９の取り付け位置、範囲、数量については特定されることはなく、機能性、経済性によって選定することが望ましい。
さらに、緩衝材９は、上肢用サイドフェンス５に設けているが、上肢用サイドフェンス５のみ、または胴体用サイドフェンス４のみに設けて第１の隙間１４に突出させてもよく、または両者サイドフェンス４、５に設けてもよい。

本発明の実施の形態による入浴用担架の平面図である。 図１に示す入浴用担架の側面図である。 図２に示す入浴用担架の上肢用サイドフェンスの拡大図である。 図３に示す入浴用担架のＡ−Ａ線断面図である。

符号の説明

１ 担架本体
１ａ 上肢部
４ 胴体用サイドフェンス（第一のサイドフェンス）
５ 上肢用サイドフェンス（第二のサイドフェンス）
８ 支軸
９ 緩衝材
９ａ 第１張出部
９ｂ 第２張出部
１３ｂ ガードフェンス
１４ 第１の隙間
１５ 第２の隙間

Claims (3)

1. 担架本体の側部に第一のサイドフェンスを設けた担架において、前記第一のサイドフェンスに対して担架に載せられる被介助者の頭部側に第二のサイドフェンスが備えられていることを特徴とする担架。
2. 前記第二のサイドフェンスは、その内側に緩衝材が設けられていることを特徴とする請求項１に記載された担架。
3. 前記第二のサイドフェンスに設けられた前記緩衝材は、前記第一のサイドフェンスとの隙間に突出していることを特徴とする請求項２に記載された担架。
   
   
   
   

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