JP2006042516A - マルチメディア対応一体型コンセントボックス - Google Patents

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Abstract

【課題】 マルチメディア対応弱電流電線からの電磁波・放射線等の外部への漏洩、外部からの侵入、弱電流電線相互間の電磁誘導の防止を行うことができるマルチメディア対応一体型コンセントボックスを提供する。
【解決手段】 強電流電線用のコンセント配設領域12と、電話回線、インターネット接続部、LAN接続部等のマルチメディア関連接続部配設領域14との間に、隔壁16を設けたマルチメディア対応一体型コンセントボックス10において、第1の金属遮蔽層18aならびに第2の金属遮蔽層18bを重ね合わせて接地される複合金属シート層であって、該複合金属シート層の両面に絶縁体層18c、18cが重畳されたサンドイッチ構造として形成された絶縁遮蔽シート18が、前記隔壁16に対して付加される、マルチメディア対応一体型コンセントボックスの構造であり、前記第1の金属遮蔽層18aとしてアルミシートを用い、また前記第2の金属遮蔽層18bとして鉛シートを用いることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、商用電源用コンセントと共に、電話用、テレビ受信用、インターネット接続用、ディジタル家電制御用または出力用など接続端子類を組合わせたマルチメディア対応一体型コンセントボックスに関する。
住宅、事務所、商店、作業場等において小形電気・電子機器の電源として商用電源を手軽に利用するために、壁面、柱、床面等に配設されたコンセント(アウトレット)が多く用いられる。コンセントは、一部露出形も使用されるが、好ましくは壁面に埋め込まれる金属製または合成樹脂製のボックス内に収納されものが使用される。このようなコンセントボックスには1口、2口、3口等のコンセントの差込口のみを露出させて他部分をカバーする化粧カバーが取り付けられる。一方、テレビ、電話、インターネット、セキュリティ機器類に代表される各種情報機器が広く普及しつつあり、これら機器類のそれぞれの受容端子、コネクタ等の信号授受接続部も使いやすい部位に配設する必要がある。これら信号授受接続部の所要数や種類は、IT技術の進展、ディジタル家電の普及、メタルケーブル、同軸ケーブル、光ケーブル等信号伝送回線の発達等により増加し続けている。これら接続部をそれぞれ個別に独立して施設することは、技術的な観点からは望ましい。しかし、過度に煩雑となって、一般住宅や小規模の事務所・商店等においては実用上不便である上、外観上も見苦しいものとなることが多い。そこで、商用電源のコンセント部分に信号授受接続部となる各種コネクタ類と組み合わせたマルチメディア対応の一体型コンセントも出現している。その一方、電気事業法の一般電気工作物の維持・運用に関する規定、そしてこれを受けて規定された経済産業省令ならびに電気設備技術基準によれば、商用電源に接続される強電流電線と、通信および各種信号の授受に使用される弱電流電線(その他水管、ガス管等も含む)とは混触が生じないように施設することを義務付けている。すなわち、強電流電線と弱電流電線等の相互が接近又は交差する場合には、安全性の高い工事方法をとること、離隔距離を所定値以上にすること、両者間に隔壁を設けること等が定められている。したがって、上述のような一体型コンセントにおいても、強・弱両電流回線間に隔壁を設けることが要求されていた。しかしながら、このような電気事業法が制定された時点において、弱電流電線としては、専ら電信(テレックス)・電話、FAX等のアナログ方式または単なる電流のオンオフ信号による通信回線が一般的であった。したがって、この時点で法が確保しようとする安全の対象は、強電流電線による高電圧が通信機器側に加わり、通信機器類に障害を与え、さらには使用者に感電の危害を与える事態を回避することを目的としていたものと解される。そのため、隔壁は強・弱電線間における直接の接触を意味する混触、強電流電線側の雷撃電圧等によって生ずる異常電圧に起因して弱電流電線側に生ずる誘導電圧を低減することを目的とするものであった。したがって、隔壁は堅固な絶縁材であれば足り、さらに適宜離隔距離があれば十分であると解されていた。
近年のIT技術およびディジタル技術の発達は著しく、高速化ならびに高密度化の要請から使用される信号もGHz台の高周波域に移行し、信号のパケット伝送も多用されるなど事情は変わっている。さらに、省エネルギーならびに精確な制御の必要性から電気機器の半導体制御が急増し、商用電源側に高調波成分が多く含まれるようになり、信号線側への誘導も懸念されるに至っている。かかる事情を考慮して多数開示されている先行文献の中で、特許文献1は、壁や床、天井、屋根に電磁遮蔽材を用いて電磁遮蔽層を形成してなる電磁遮蔽空間のスイッチ・コンセントボックス取付け壁部の電磁遮蔽であって、スイッチ・コンセントボックスと壁の取付け穴との隙間及びスイッチ・コンセントボックスの内側を電磁遮蔽材で覆い、該電磁遮蔽材を壁面の電磁遮蔽材に接続して電気的に電磁遮蔽層を一体化することを開示し、そして、鉄板製のスイッチ・コンセントボックスに対しては壁の取付け穴との隙間から内側周囲を電磁遮蔽材で覆い、樹脂製のスイッチ・コンセントボックスに対しては壁の取り付け穴との隙間から内側前面を電磁波遮蔽材で覆う技術思想を開示している。この発明は、取付け壁部の電磁遮蔽技術を開示するものであり、いわば工事方法に関するものである。また、特許文献2は、電源ケーブルや光ケーブル等の外線により電子機器類に誘導される可能性のある電磁波をシールドするための電磁シールドキャビネットを開示している。この発明は、ケーブル引き込み部を電磁遮蔽材で覆い、電子機器類を保護する構造である。電子機器類は大小様々であり、現場に応じた構造で対応する必要がある。
特開平11−74679号公報 特開2003−264391号公報
本発明は、従来技術の問題点を勘案し、強電流電線側から弱電流電線側への混触の防止はもとより、マルチメディア対応弱電流電線からの電磁波・放射線等の外部への漏洩、反対に外部からの侵入、弱電流電線相互間の電磁誘導の防止を行うことができるマルチメディア対応一体型コンセントボックスを提供することを課題とする。
第1の発明は、強電流電線用のコンセント配設領域と、電話回線、インターネット接続部、LAN接続部等のマルチメディア関連接続部配設領域との間に、隔壁を設けたマルチメディア対応一体型コンセントボックスにおいて、第1の金属遮蔽層ならびに第2の金属遮蔽層を重ね合わせて接地される複合金属シート層であって、該複合金属シート層の両面に絶縁体層が重畳されたサンドイッチ構造として形成された絶縁遮蔽シートが、前記隔壁に対して付加される、マルチメディア対応一体型コンセントボックスを特徴とする。そして、第2の発明では、前記第1の金属遮蔽層としてアルミシートを用い、また前記第2の金属遮蔽層として鉛シートを用いることを特徴とする。
第3の発明は、強電流電線用のコンセント配設領域と、電話回線、インターネット接続部、LAN接続部等のマルチメディア関連接続部配設領域との間に、隔壁を設けたマルチメディア対応一体型コンセントボックスにおいて、前記マルチメディア関連接続部配設領域の底面、周壁、およびカバー内面の全部または所要部位に、アルミシートおよび鉛シートを重ね合わせた複合金属シート層の両面に絶縁体層が重畳された絶縁遮蔽シート材を付加する、マルチメディア対応一体型コンセントボックスを特徴とする。
第4の発明は、強電流電線用のコンセント配設領域と、電話回線、インターネット接続部、LAN接続部等のマルチメディア関連接続部配設領域との間に、隔壁を設けたマルチメディア対応一体型コンセントボックスにおいて、前記マルチメディア関連接続部配設領域内における信号種別および/またはケーブル類の異なる各部位間に、アルミシートおよび鉛シートを重ね合わせた複合金属シート層の両面に絶縁体層が重畳されたサンドイッチ構造として形成された絶縁遮蔽シート材を貼付した隔壁が配設されることを特徴とするマルチメディア対応一体型コンセントボックスを特徴とする。
本発明にかかるマルチメディア対応一体型コンセントボックスによれば、強電流電線系統と弱電流電線・ケーブル系統との間には、絶縁遮蔽シートを含む隔壁が配設されており、該絶縁遮蔽シートの表裏に貼付された絶縁体層によって電気的に絶縁され、電気事業法に基づいて定められている電気設備技術基準の要件を充足している。また、電気用品安全法(旧電気用品取締法)における配線用具としての要請も満たすことができるものである。さらに、マルチメディア関連接続部配設領域における底部、周壁、カバー部分の内面にはそれぞれ絶縁遮蔽シートが配設され、該複合遮蔽シートの導電部を図示していない接地線に接続することにより完全に遮蔽(シールド)される。したがって、外部からの不所望な電波、磁波の侵入を防止し、併せて該領域内に導入されているメタルケーブル、同軸ケーブル、光ケーブル類からの電磁波の漏洩を防ぐことができ、したがって、信号の漏洩、他装置類に及ぼす障害を防止することができる。
以下、添付図に即して実施するための最良の形態を開示する。図1は、本発明にかかるマルチメディア対応一体型コンセントボックスを示す平面図である。コンセントボックスは、金属製と合成樹脂製とがあるが、本発明はいずれにおいても適用可能である。図において、一体型コンセントボックス10の右方には、強電流電線が導入されてこれに接続されるコンセントを配設するためのコンセント配設領域12が設けられる。また、図左方には、同軸ケーブル用コネクタ、モジュラージャック、光ファイバ用コネクタ、LANその他のデータ・信号等の授受に使用される各種規格のコネクタ類を取り付けるマルチメディア関連接続部配設領域14が設けられる。これら両領域12、14の間には、強電流電線と弱電流電線とを離隔し、主として両電線間の混触および混触に伴う事故を防止するために設けられる絶縁性の隔壁16が設けられる。
かかる構造において、混触および混触に伴う事故を防止するための隔壁16は絶縁性素材であれば目的を達成することができる。しかしながら、MHz、GHz領域に及ぶような高周波の時分割多重化や、高次変調方式、パケット方式等のように多様化されたマルチメディア用弱電流電線にあっては、相互間で妨害信号、不要電磁波、高調波成分等を発生、誘導、漏洩、放射、侵入等に起因して、被害を受け、または周囲に及ぼす可能性が大きくなる。このような高周波電磁波等による被害を回避するには、前述のような強・弱電線間の混触防止を目的とする絶縁体の隔壁は役立たない。そこで、本発明における隔壁16には、図2に示すような絶縁遮蔽シート18が少なくとも片面に貼付されている。その結果、表面に配設された絶縁体によって混触防止効果があり、また内部に配設されている遮蔽シート群によって不要電磁波類の遮蔽が行われる。
図2は、本発明において使用される絶縁遮蔽シート18の構成例を模式的に示す断面図である。この絶縁遮蔽シート18は、第1の金属遮蔽層18aと第2の金属遮蔽層18bとが重畳された複合金属シートの両面に絶縁体層18cを貼付したものである。第1の金属遮蔽層18a及び第2の金属遮蔽層の端部を接地することによって高周波数の電波、電磁波遮蔽に効果がある。ここで、第1の金属遮蔽層18aとしては、例えば厚さ0.5mm程度のアルミ箔とすることができるが、プラスチックフィルムにアルミ蒸着を行ったものであってもよい。第2の金属遮蔽層18bは、例えば厚さ0.5mm程度の鉛シートとすることができる。この鉛シートは、X線や放射線を遮蔽する効果がある。したがって、第1の遮蔽シート18aおよび第2の遮蔽シート18bが重畳された複合金属シートによって、高周波、電磁波、X線、放射線等の妨害ノイズが外部から侵入する被害、ボックス内部のケーブル側から外部へ漏洩する事態を包括的に遮蔽することができる。
図2に示した絶縁遮蔽シート18の表裏両面には、厚さ0.5mm程度のプラスチックシートによる絶縁体層18cが貼り合わされる。プラスチックシート18cの素材としては、塩化ビニルをはじめ、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネートのフィルムなどを利用することができる。絶縁体層18cによって電気的な絶縁効果が発揮され、電気設備技術基準における「絶縁性隔壁」としての機能を発揮する。
図3は、図2に示した一体型コンセントボックスの構成例を示す斜視図である。本発明にかかる絶縁遮蔽効果をより確実なものとするために、隔壁16として構成されている面Aを含め、マルチメディア関連接続部配設領域14を包囲する周壁面B、C、Dならびに底面Eにも絶縁遮蔽シート18を貼付する構造を示すものである。また、図4は、コンセントボックスのカバー20の裏面図で、強電流電線側のコンセント配設部分12に該当するカバー部分12Rと、マルチメディア関連接続部配設領域14のカバー部分14Rとからなる。カバー20内面の少なくとも14Rに相当する領域Fの部分に前述の絶縁遮蔽シート18を付加することにより、一体側コンセントボックス10の内部と外部との間における電磁波、X線・放射線、高調波成分等の外部への漏洩ならびに外部からの侵入を効果的に防止することができる。
さらに、マルチメディア関連接続部配設領域14内における相互干渉または相互妨害を回避するためには、信号種類の異なるそれぞれの小領域の間に、図示していない絶縁遮蔽シートを配設することができる。かかる構成によって、より確実な電磁波・放射線・X線等の漏洩・侵入、そしてこれらに伴う被害を効果的に防止することができる。
本発明にかかるマルチメディア対応一体型コンセントボックスの基本構成を示す平面図である。 本発明において使用される絶縁遮蔽シートの構成モデルを示す断面図である。 図1に示したマルチメディア対応一体型コンセントボックスの構成を示す斜視図である。 図1に示したマルチメディア対応一体型コンセントボックスのカバーの裏面図である。
符号の説明
10 一体型コンセントボックス
12 コンセント配設領域
12R 同上カバー部分
14 マルチメディア関連接続部配設領域
14R 同上カバー部分










Claims (4)

  1. 強電流電線用のコンセント配設領域と、電話回線、インターネット接続部、LAN接続部等のマルチメディア関連接続部配設領域との間に、隔壁を設けたマルチメディア対応一体型コンセントボックスにおいて、第1の金属遮蔽層ならびに第2の金属遮蔽層を重ね合わせて接地される複合金属シート層であって、該複合金属シート層の両面に絶縁体層が重畳されたサンドイッチ構造として形成された絶縁遮蔽シートが、前記隔壁に対して付加されることを特徴とするマルチメディア対応一体型コンセントボックス。
  2. 強電流電線用のコンセント配設領域と、電話回線、インターネット接続部、LAN接続部等のマルチメディア関連接続部配設領域との間に、隔壁を設けたマルチメディア対応一体型コンセントボックスにおいて、第1の金属遮蔽層としてアルミシートを、そして第2の金属遮蔽層として鉛シートを重ね合わせて接地される複合金属シート層であって、該複合金属シート層の両面に絶縁体層が重畳されたサンドイッチ構造として形成された絶縁遮蔽シートが、前記隔壁に対して付加されることを特徴とするマルチメディア対応一体型コンセントボックス。
  3. 強電流電線用のコンセント配設領域と、電話回線、インターネット接続部、LAN接続部等のマルチメディア関連接続部配設領域との間に、隔壁を設けたマルチメディア対応一体型コンセントボックスにおいて、前記マルチメディア関連接続部配設領域の底面、周壁、およびカバー内面の全部または所要部位に、アルミシートおよび鉛シートを重ね合わせた複合金属シート層の両面に絶縁体層が重畳された絶縁遮蔽シート材を付加することを特徴とするマルチメディア対応一体型コンセントボックス。
  4. 強電流電線用のコンセント配設領域と、電話回線、インターネット接続部、LAN接続部等のマルチメディア関連接続部配設領域との間に、隔壁を設けたマルチメディア対応一体型コンセントボックスにおいて、前記マルチメディア関連接続部配設領域内における信号種別および/またはケーブル類の異なる各部位間に、アルミシートおよび鉛シートを重ね合わせた複合金属シート層の両面に絶縁体層が重畳されたサンドイッチ構造として形成された絶縁遮蔽シート材を貼付した隔壁が配設されることを特徴とするマルチメディア対応一体型コンセントボックス。





















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