JP2006041575A - エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法 - Google Patents

エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エレクトレットコンデンサマイクロホンを小型化した場合であっても、その感度のバラツキを十分に小さく抑えて所要の感度特性を得ることができる、エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法を提供する。
【解決手段】 背面電極板18の電極板本体18Aの表面に形成された絶縁膜に対して、所定のチャージ電圧で分極処理を施すことにより、エレクトレット層18Bを生成する。その際、上記絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させる。具体的には、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従って、チャージ電圧を絶対値で2V増大させる。これにより、エレクトレット層18Bの膜厚にたとえ大きなバラツキがあっても、膜厚の変化による感度変化をチャージ電圧の変化による感度変化で略相殺して、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度のバラツキを小さく抑える。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法に関するものであり、特に、そのエレクトレット層生成工程に関するものである。
一般に、エレクトレットコンデンサマイクロホンは、振動膜と背面電極板とが対向配置されてなるコンデンサ構造部と、このコンデンサ構造部の静電容量の変化を電気インピーダンス変換するインピーダンス変換素子とを備えた構成となっている。その際、背面電極板は、金属製の電極板本体の表面にエレクトレット層が配置された構成となっており、このエレクトレット層は、電極板本体の表面に形成された絶縁膜に、所定のチャージ電圧で分極処理を施すことによって生成されるようになっている。
そして、このエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造工程においては、所要の感度特性を有する製品が得られるようにするため、その背面電極板としてエレクトレット層の表面電位が一定範囲内のものを選別する工夫がなされている。
また「特許文献1」に記載されているように、完成したエレクトレットコンデンサマイクロホンに対して電離放射線を照射することにより、その背面電極板のエレクトレット層の表面電位を低減調整するといった工夫もなされている。
特開2000−32596号公報
近年、エレクトレットコンデンサマイクロホンの小型化が進展してきているが、これに伴って、その感度のバラツキが大きくなる傾向にある。この原因について本願発明者が解析したところ、背面電極板のエレクトレット層の膜厚のバラツキが大きく寄与していることが明らかになった。
すなわち、背面電極板のエレクトレット層は、その全領域にわたって膜厚が均一というわけではなく、大きくうねるようにして連続的に膜厚が変化している。その際、背面電極板のサイズがある程度大きければ、エレクトレット層の膜厚は、そのサイズ範囲内において平均化されるので、量産される背面電極板相互間で略一定の値となる。これに対し、背面電極板のサイズが極端に小さくなると、エレクトレット層の膜厚変化のうねりをそのサイズ範囲内において十分に平均化することができず、このため背面電極板相互間でエレクトレット層の膜厚にバラツキが生じてしまう。したがって、たとえ同じチャージ電圧で分極処理を施しても、エレクトレット層の膜厚が厚い背面電極板を有するエレクトレットコンデンサマイクロホンは、エレクトレット層の膜厚が薄い背面電極板を有するエレクトレットコンデンサマイクロホンに比して感度が低下してしまう。
このような知見によれば、従来のように、単にエレクトレット層の表面電位が一定範囲内の背面電極板を選別するだけでは、感度のバラツキを十分に小さく抑えることは困難である。
一方、上記「特許文献1」に記載されているように、エレクトレットコンデンサマイクロホンに電離放射線を照射して、その背面電極板のエレクトレット層の表面電位を低減調整すれば、エレクトレットコンデンサマイクロホンの感度を低下させることはできるが、その感度を向上させることはできず、しかも、エレクトレットコンデンサマイクロホンの完成後に追加的な作業を行うことが必要となる、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エレクトレットコンデンサマイクロホンを小型化した場合であっても、その感度のバラツキを十分に小さく抑えて所要の感度特性を得ることができる、エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法を提供することを目的とするものである。
本願発明は、絶縁膜に分極処理を施す際、その膜厚に応じてチャージ電圧を変化させることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法は、
振動膜と背面電極板とが対向配置されてなるコンデンサ構造部と、このコンデンサ構造部の静電容量の変化を電気インピーダンス変換するインピーダンス変換素子とを備え、上記背面電極板が、金属製の電極板本体の表面にエレクトレット層が配置されてなるエレクトレットコンデンサマイクロホン、を製造する方法において、
上記エレクトレット層を、上記電極板本体の表面に形成された絶縁膜に対して所定のチャージ電圧で分極処理を施すことにより生成するエレクトレット層生成工程を含み、
このエレクトレット層生成工程において上記絶縁膜に分極処理を施す際、該絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させる、ことを特徴とするものである。
上記「絶縁膜」の材質や膜厚等の具体的な構成は特に限定されるものではない。
上記「絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させる」際の、チャージ電圧の具体的な変化量は特に限定されるものではない。また、この「チャージ電圧」自体の値についても特に限定されるものではない。
上記構成に示すように、本願発明に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法は、背面電極板の電極板本体の表面に形成された絶縁膜に対して所定のチャージ電圧で分極処理を施すことによりエレクトレット層を生成するようになっているが、その際、絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させるようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、上述したように、チャージ電圧を一定にして分極処理を施した場合、絶縁膜の膜厚が厚くなるほどエレクトレットコンデンサマイクロホンの感度は低下することが、本願発明者の解析により明らかになった。一方、絶縁膜に対して異なるチャージ電圧で分極処理を施すと、エレクトレットコンデンサマイクロホンの感度が変化することが、従来より知られている。
そこで、絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させるようにすれば(具体的には絶縁膜の膜厚が厚くなるほどチャージ電圧を増大させるようにすれば)、エレクトレット層の膜厚にたとえ大きなバラツキがあっても、膜厚の変化による感度変化をチャージ電圧の変化による感度変化で略相殺することができ、これによりエレクトレットコンデンサマイクロホンの感度のバラツキを小さく抑えることができる。
このように本願発明によれば、エレクトレットコンデンサマイクロホンを小型化した場合であっても、その感度のバラツキを十分に小さく抑えることができ、これにより所要の感度特性を得ることができる。しかも、この感度のバラツキを抑えるための処理は、エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造工程内で行われるので、その完成段階では感度特性を揃えることができ、これにより工程能力を高めることができる。
上記構成において、絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させる際の、チャージ電圧の具体的な変化量が特に限定されないことは上述したとおりであるが、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従ってチャージ電圧を絶対値で1〜3V増大させるようにすれば、エレクトレットコンデンサマイクロホンの感度のバラツキをある程度効果的に抑制することができる。
その際、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従ってチャージ電圧を絶対値で1.5〜2.5V増大させるようにすれば、エレクトレットコンデンサマイクロホンの感度のバラツキをより効果的に抑制することができる。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る製造方法の適用対象となるエレクトレットコンデンサマイクロホンを上向きに配置した状態で示す側断面図である。
同図に示すように、本実施形態に係るエレクトレットコンデンサマイクロホン10は、外径が3mm程度、高さが1.2〜1.5mm程度の超小型マイクロホンであって、円筒状のケース12内に、振動膜サブアッセンブリ14、スペーサ16、背面電極板18、コイルスプリング20、絶縁ブッシュ22およびJFETボード24が収容されてなっている。そして、このエレクトレットコンデンサマイクロホン10は、その目標感度が−41.5dBに設定されている。
ケース12は、金属製(例えばアルミニウム製)であって、その上端壁には音孔12aが形成されており、また、その開放下端部12bにおいてJFETボード24にカシメ固定されている。
振動膜サブアッセンブリ14は、円形の振動膜26が支持リング28に張設固定されてなっている。振動膜26は、厚みが1.5μm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの上面にニッケル合金等の金属蒸着膜が形成されてなり、その外径はケース12の内径と略同一の値に設定されている。一方、支持リング28は、金属製のプレス加工品であって振動膜26と略同じ外径を有している。
スペーサ16は、ケース12の内径と略同じ外径を有するステンレス鋼製の薄板リングで構成されており、その厚みは25μm程度に設定されている。
背面電極板18は、電極板本体18Aと、この電極板本体18Aの上面に配置されたエレクトレット層18Bとからなり、その複数箇所に貫通孔18aが形成されている。
電極板本体18Aは、板厚が0.15mm程度のステンレス鋼板からなり、絶縁ブッシュ22の内径と略同じ外径を有している。
エレクトレット層18Bは、電極板本体18Aの上面に形成された絶縁膜に対して、所定のチャージ電圧(例えば−100V程度)で分極処理を施すことによって生成されており、これにより所定の表面電位が付与されている。その際、上記絶縁膜は、12.5μm程度の膜厚を有するFEP(フッ化エチレンプロピレン)フィルムを、電極板本体18Aの上面に熱融着することにより形成されている。
ケース12内においては、エレクトレット層18Bと振動膜26とがスペーサ16を介して所定の微小間隔をおいて対向配置されており、これによりコンデンサ構造部を構成するようになっている。
絶縁ブッシュ22は、ケース12の内径と略同じ外径を有する円筒状部材であって、その内周側に背面電極板18およびコイルスプリング20が配置されるようになっている。その際、背面電極板18は、コイルスプリング20によりスペーサ16へ向けて弾性的に押圧されるようになっている。
JFETボード24は、ケース12の内径と略同じ外径を有するボード本体32と、このボード本体32の上面に実装されたインピーダンス変換素子34およびコンデンサ36とからなっている。
ボード本体32の上面には、所定のパターンで導電層32aが形成されており、また、ボード本体32の下面には、その中心部にプラス端子となる導電層32bが形成されるとともに、その外周縁部にアース端子となる導電層32cが形成されている。
インピーダンス変換素子34は、接合型電界効果トランジスタ(JFET)であって、そのゲート電極が導電層32aおよびコイルスプリング20を介して背極板18に電気的に接続されており、そのドレイン電極が導電層32aを介して導電層32bに電気的に接続されており、そのソース電極が導電層32a、32c、ケース12および支持リング28を介して振動膜16の金属蒸着膜に電気的に接続されている。
次に、本実施形態に係るエレクトレットコンデンサマイクロホン10の製造工程について説明する。
このエレクトレットコンデンサマイクロホン10は、カシメ固定が行われる前の状態のケース12(図1において2点鎖線で示す形状のケース)を上下逆さに配置した状態で、該ケース12内に、振動膜サブアッセンブリ14、スペーサ16、絶縁ブッシュ22、背面電極板18、コイルスプリング20およびJFETボード24をこの順序で組み込んだ後、ケース12の開放下端部12bをJFETボード24にカシメ固定することにより、その組付けが行われるようになっている。
その際、背面電極板18は、そのエレクトレット層18Bの表面電位の調整が行われた状態で、ケース12内に組み込まれるようになっている。
すなわち、上述したようにエレクトレット層18Bは電極板本体18Aの上面に形成された絶縁膜に対して所定のチャージ電圧で分極処理を施すことにより生成されるが、このエレクトレット層生成工程において上記絶縁膜に分極処理を施す際、その膜厚に応じてチャージ電圧を変化させるようになっている。具体的には、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従って、チャージ電圧を絶対値で2V増大させるようになっている。
これは、以下の知見に基づくものである。
すなわち、エレクトレット層18Bを構成する絶縁膜は、電極板本体18Aの上面にFEPフィルムを熱融着することにより形成されるが、その際、FEPフィルムは引き伸ばされて元の膜厚よりも薄くなり、その膜厚は大きくうねるようにして連続的に変化する。このとき、仮に背面電極板18がある程度大きければ、エレクトレット層18Bの膜厚は、そのサイズ範囲内において平均化されるので、量産される背面電極板18相互間で略一定の値となる。これに対し、本実施形態のように、背面電極板18のサイズが極端に小さくなると、エレクトレット層18Bの膜厚変化のうねりをそのサイズ範囲内において十分に平均化することができず、このため背面電極板18相互間でエレクトレット層18Bの膜厚にバラツキが生じてしまう。そして、このようなバラツキがあると、たとえ同じチャージ電圧で分極処理を施しても、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度が変化してしまう。
図2は、チャージ電圧を一定にして分極処理を施した背面電極板18が組み込まれたエレクトレットコンデンサマイクロホン10について、エレクトレット層18Bの膜厚とエレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度との関係を測定した結果を示すグラフである。その際、測定したサンプル数は20個であり、測定した感度は1kHzでの感度である。
このグラフから明らかなように、エレクトレット層18Bの膜厚は6〜12μmの範囲でバラついており、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度への影響は2.2dB程度である。そして、エレクトレット層18Bの膜厚が1μm増大すると、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度は0.37dB程度低下している。
一方、エレクトレット層18Bの膜厚が一定であっても、絶縁膜に対して異なるチャージ電圧で分極処理を施すようにすれば、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度を変化させることができる。この点について、静電電位計を用いて定量的に測定した結果、チャージ電圧が絶対値で2V増大すると、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度は0.36dB程度向上することが明らかになった。
したがって以上のことから、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従って、チャージ電圧を絶対値で2V程度増大させるようにすれば、膜厚増大による感度低下分をチャージ電圧増大による感度向上分で略相殺することができ、これによりエレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度のバラツキを非常に小さく抑えることができる。そしてこれにより、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度を、その目標感度である−41.5dBに近い値に維持することができる。
図3および4は、本実施形態に係る製造方法により製造されたエレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度特性を示すグラフである。
図3は、エレクトレット層18Bの膜厚が薄い背面電極板18を有するエレクトレットコンデンサマイクロホン10の10個のサンプルのデータを示すグラフである。一方、図4は、エレクトレット層18Bの膜厚が厚い背面電極板18を有するエレクトレットコンデンサマイクロホン10の10個のサンプルのデータを示すグラフである。
その際、エレクトレット層18Bの膜厚が薄い背面電極板18のサンプルとしては、エレクトレット層18Bの膜厚が6μmのものを用いており、エレクトレット層18Bの膜厚が厚い背面電極板18のサンプルとしては、エレクトレット層18Bの膜厚が12μmのものを用いている。また、エレクトレット層18Bの膜厚が厚い背面電極板18については、エレクトレット層18Bの膜厚が薄い背面電極板18に対して、そのエレクトレット層18Bの膜厚が6μm厚いので、絶縁膜に分極処理を施す際のチャージ電圧を絶対値で12V(=6×2V)増大させたものが組み込まれている。
これらの図から明らかなように、絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させることにより、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度は、目標感度である−41.5dBに近い値に維持されている。
すなわち、エレクトレット層18Bの膜厚が薄い背面電極板18を有するエレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度は、−42.05〜−41.10dBで、その平均値は−41.59dBである。また、エレクトレット層18Bの膜厚が厚い背面電極板18を有するエレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度は、−42.06〜−41.19dBで、その平均値は−41.55dBである。
一方、図5は、本実施形態に係る製造方法により製造されたエレクトレットコンデンサマイクロホン10ではなく、エレクトレット層18Bの膜厚が厚い(具体的には膜厚12μm)背面電極板18を有するエレクトレットコンデンサマイクロホンにおいて、絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させなかった場合(具体的には膜厚6μmの場合と同じチャージ電圧に設定した場合)の8個のサンプルの感度特性のデータを示すグラフである。
同図に示すように、絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させなかった場合には、エレクトレットコンデンサマイクロホンの感度は、−44.14〜−43.11dBで、その平均値は−43.68dBであり、目標感度である−41.5dBに対して2dB程度低い値となっている。
以上詳述したように、本実施形態に係るエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法は、背面電極板18の電極板本体18Aの表面に形成された絶縁膜に対して所定のチャージ電圧で分極処理を施すことによりエレクトレット層18Bを生成するようになっているが、その際、絶縁膜の膜厚が厚くなるほどチャージ電圧を増大させるようになっているので、エレクトレット層18Bの膜厚にたとえ大きなバラツキがあっても、膜厚の変化による感度変化をチャージ電圧の変化による感度変化で略相殺することができ、これによりエレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度のバラツキを小さく抑えることができる。
したがって本実施形態によれば、エレクトレットコンデンサマイクロホン10が超小型マイクロホンとして構成されているにもかかわらず、その感度のバラツキを十分に小さく抑えることができ、これにより所要の感度特性を得ることができる。しかも、この感度のバラツキを抑えるための処理は、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の製造工程内において行われるので、その完成段階では感度特性を揃えることができ、これにより工程能力を高めることができる。
その際、本実施形態においては、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従ってチャージ電圧を絶対値で2V増大させるようになっているので、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度のバラツキを非常に小さく抑えることができる。
なお、本実施形態のように、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従ってチャージ電圧を絶対値で2V増大させる代わりに、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従ってチャージ電圧を絶対値で1〜3V増大させるようにした場合においても、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度のバラツキを許容可能な範囲内に抑えることができる。その際、絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従ってチャージ電圧を絶対値で1.5〜2.5V増大させるようにすれば、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の感度のバラツキを許容可能な範囲よりも狭い範囲内に抑えることができる。
上記実施形態においては、チャージ電圧として−100V程度の値が例示されるとともに、エレクトレットコンデンサマイクロホン10の目標感度が−41.5dBに設定されている場合について説明したが、エレクトレット層18Bの表面電位およびエレクトレットコンデンサマイクロホン10の目標感度が上記以外の値に設定されている場合においても、上記実施形態と同様の条件で分極処理を施すことにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、絶縁膜がFEPフィルムで構成されている場合について説明したが、これ以外の材質のフィルムで構成されている場合においても、上記実施形態と同様の条件で分極処理を施すことにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本願発明の一実施形態に係る製造方法の適用対象となるエレクトレットコンデンサマイクロホンを上向きに配置した状態で示す側断面図 チャージ電圧を一定にして分極処理を施した背面電極板が組み込まれたエレクトレットコンデンサマイクロホンについて、エレクトレット層の膜厚と感度との関係を測定した結果を示すグラフ 本実施形態に係る製造方法により製造されたエレクトレットコンデンサマイクロホンの感度特性を示すグラフであって、エレクトレット層の膜厚が薄い背面電極板を有する場合のデータを示すグラフ 本実施形態に係る製造方法により製造されたエレクトレットコンデンサマイクロホンの感度特性を示すグラフであって、エレクトレット層の膜厚が厚い背面電極板を有する場合のデータを示すグラフ 本実施形態に係る製造方法以外の方法により製造されたエレクトレットコンデンサマイクロホンの感度特性を示すグラフであって、エレクトレット層の膜厚が厚い背面電極板を有する場合のデータを示すグラフ
符号の説明
10 エレクトレットコンデンサマイクロホン
12 ケース
12a 音孔
12b 開放下端部
14 振動膜サブアッセンブリ
16 スペーサ
18 背面電極板
18A 電極板本体
18B エレクトレット層
18a 貫通孔
20 コイルスプリング
22 絶縁ブッシュ
24 JFETボード
26 振動膜
28 支持リング
32 ボード本体
32a、32b、32c 導電層
34 インピーダンス変換素子
36 コンデンサ

Claims (3)

  1. 振動膜と背面電極板とが対向配置されてなるコンデンサ構造部と、このコンデンサ構造部の静電容量の変化を電気インピーダンス変換するインピーダンス変換素子とを備え、上記背面電極板が、金属製の電極板本体の表面にエレクトレット層が配置されてなるエレクトレットコンデンサマイクロホン、を製造する方法において、
    上記エレクトレット層を、上記電極板本体の表面に形成された絶縁膜に対して所定のチャージ電圧で分極処理を施すことにより生成するエレクトレット層生成工程を含み、
    このエレクトレット層生成工程において上記絶縁膜に分極処理を施す際、該絶縁膜の膜厚に応じてチャージ電圧を変化させる、ことを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。
  2. 上記絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従って、上記チャージ電圧を絶対値で1〜3V増大させる、ことを特徴とする請求項1記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。
  3. 上記絶縁膜の膜厚が1μm増大するに従って、上記チャージ電圧を絶対値で1.5〜2.5V増大させる、ことを特徴とする請求項1記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。
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