JP2006040548A - 燃料電池電解質層の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面が平滑な燃料電池電解質層を形成する。
【解決手段】 SiC、液体溶媒、バインダーを混合して形成したペーストを、ナチュラルロールコーター等により燃料電池電極の電極面に塗布した後(ステップS1,S2,S3)、その塗布後のペーストに超音波振動を与える、加湿環境下に放置する、液体溶媒を散布する等の平滑化処理を行う(ステップS4)。この平滑化処理によりペーストはその流動性を増し、塗布時にできた凹凸の凸部から凹部へと容易に移動するようになる。これにより、塗布面が全体的に平滑化され、凹凸が小さく均一性の良い塗膜が得られる。このような平滑化処理後に、乾燥および熱処理を行って電解質層を形成し(ステップS5,S6)、その電解質層に電解質であるリン酸を含浸させる(ステップS7)。
【選択図】 図1

Description

本発明は燃料電池電解質層の製造方法に関し、特に燃料電池内で電解質を保持する燃料電池電解質層の製造方法に関する。
一般に、リン酸を電解質に用いるリン酸型燃料電池には、リン酸を保持する電解質層として、主に炭化ケイ素(SiC)の微粒子とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のバインダーを含んだ混合物が用いられている。リン酸型燃料電池では、このような電解質層がリン酸を含んだ状態でアノード電極(燃料極)とカソード電極(空気極)の間に挟まれて配置される。
電解質層の形成方法としては、あらかじめシート化したものを燃料極と空気極の間に挟み込む方法のほか、その前駆体となるペーストを電極面(触媒層表面)にナチュラルロールコーターやリバースロールコーターあるいはスクリーン印刷やスプレー塗布によって塗布した後に乾燥・熱処理する方法等が知られている。電解質層形成にペーストを用いる場合、そのペーストは、通常、適当な液体溶媒中にSiCを攪拌翼で混合したり、溶媒とSiCを乳鉢、ボールミル、ポットミル等を用いて混合したりしてから、できたスラリーにPTFE等のバインダーを混合して形成される。
形成された電解質層には、リン酸水溶液等の電解液を含浸するなどして電解質となるリン酸が保持され、これが燃料極と空気極の間に挟まれた状態で燃料電池内に配置される。このような燃料電池の燃料極側には水素を含んだ燃料系ガスが供給され、一方、空気極側には酸素を含んだ酸化剤ガスが供給され、触媒作用によって燃料極側で生成したプロトンが電解質層を通って空気極側に移動しそこで酸素イオンと結合することによって、発電に必要な電気化学反応が実現される。
そのため、燃料電池の発電性能を向上させるためには、燃料極と空気極の間の電解質層における電気抵抗(イオン移動抵抗)を低減して発電反応をより効率的に行わせることが重要になってくる。電解質層の電気抵抗を低減するためには、電解質層の厚さを薄くし、その気孔率を高くすればよい。しかしながら、電解質層が薄すぎたり、気孔率が高すぎたりすると、電解質層内部を電解液で満たした場合でも、電解質層で燃料極側と空気極側の反応ガスの気密を保つことが難しくなる。その結果、電解質層を介して燃料系ガスと酸化剤ガスが直接反応してしまい、却って燃料電池の発電性能が低下してしまうようになる。また、そればかりか発熱や発火の危険性も出てくる。そのため、電解質層は、30μm〜80μm程度の適度な厚さと、40%〜60%程度の適度な気孔率を有していることが望ましい。
電解質層の形成においては、その前駆体であるペーストの粘度が重要になり、ペースト粘度によって電解質層の厚さを変化させることも可能である。しかし、ペースト粘度が低すぎると、これを電極面に塗布する際、触媒層に含まれるバインダーの影響でペーストがはじかれて塗布性が悪化してしまう場合や、コーティングロールを用いたときのロールからの液ダレによって厚さが不均一な電解質層が形成されてしまう場合がある。また、低粘度ペーストを用いた場合には、形成される電解質層の厚さが30μm未満になってしまう可能性が高くなり、それによって前述のような反応ガスの気密性確保が難しくなってしまうといったことも起こり得る。
一方、電解質層形成に高粘度ペーストを用いた場合には、形成される電解質層が厚くなる傾向があり、これは電解質層の電気抵抗低減に不利となる。また、高粘度ペーストでは、コーティングロールでのせん断応力の上昇によってペーストに含まれているバインダーが固結し、ペーストの塗布時に電解質層の目的とする厚さを大きく超えてしまうような凝集粒子の生成や電極面へのペーストの転写欠損等が生じる場合もある。
このような点から、電解質層形成に用いるペーストは、現在のところおよそ1500mPa・s〜3500mPa・s程度の粘度範囲にすることが望ましいとされている。また、電気抵抗を低減するとともに反応ガスの気密性を確保して安定した発電性能を有する燃料電池を実現するためには、このようにペースト粘度に留意するほか、形成後の電解質層が凹部や欠損部がなくできるだけその表面が平滑で均一な厚さになるよう留意する必要もある。例えば、これまでにも、凹部等のない平滑な電解質層表面を得るため、電解質層に電解質を含浸した後に、その電解質層表面に存在する凹部等に、電解質を含んだ別のペーストを充填する方法等が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開昭64−41174号公報(第3頁,第1図)
ロールコーターのコーティングロールにはペーストを保持するためにピッチ1mm程度の溝が形成されていることが多く、上記のような適当な粘度範囲内のペーストを用いた場合でも、ペースト塗布後にはその溝と同ピッチで比較的大きな凹凸が形成される場合がある。また、ペーストをスクリーン印刷等により塗布した場合も、その際用いたスクリーンに応じて塗布面に凹凸が形成されるようになる。このようにしてできた凹凸は、ペースト粘度が非常に低い場合を除けば、重力程度の小さな力ではペーストの流動が生じにくいため、そのまま放置しただけでは平滑なペースト塗布面を得ることは難しい。
このときにできる凹部は、その厚さが目的の厚さよりも薄くなってしまう場合があり、20μm以下、時には欠損部となるほど薄くなってしまうため、反応ガスの気密性を低下させ、燃料電池の発電性能を低下させる一因となる。特に大きな凹凸が残っている状態で電解質層が燃料電池セルに組み入れられ、その凹凸部分がセル端部のシール部に及ぶと、その凹部での接触性が低下するため、反応ガスの気密性が著しく低下する可能性が懸念される。
また、このような凹凸によって電解質層に厚い部分と薄い部分ができるため、それらの間で電気抵抗に差が生じ、それによって電極面内に電流分布が生じると、安定した発電性能を得ることが難しくなる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、表面が平滑で安定した発電性能を得ることのできる燃料電池電解質層の製造方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、燃料極と空気極の電極間で電解質を保持する燃料電池電解質層の製造方法において、前記電解質に対して安定な粒子を含むペーストを電極面に塗布した後に、塗布後の前記ペーストの流動性を増加させ前記ペーストを流動させて塗布面を平滑化する平滑化処理を行うことを特徴とする燃料電池電解質層の製造方法が提供される。
このような燃料電池電解質層の製造方法によれば、電極面に塗布した後のペーストをその流動性を増加させることによって流動させ、塗布時に生じた凹凸の凸部から凹部へとペーストを移動させてその塗布面の平滑化を図る。これにより、塗布面全体が平滑化され、凹凸が小さく厚さの均一性の良い電解質層が形成されるようになる。
本発明の燃料電池電解質層の製造方法は、電極面に塗布した後のペーストをその流動性を増加させて流動させることで、その塗布面を平滑化する。これにより、反応ガスの気密性の低下や性能分布のない高品質の電解質層を所望の厚さで安定して製造することが可能になり、燃料電池の発電性能を向上させるとともに、信頼性の高い燃料電池を実現することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は電解質層の製造フローの一例である。
燃料電池電解質層形成用のペーストの主材料には、例えば、電解質として用いるリン酸に対して安定なSiCを用いることができる。電解質層の形成は、まず、例えば、平均粒径約1μmのSiC微粒子粉末を溶媒である70%ジエチレングリコール水溶液に混合し、これを28kHz、1200Wの超音波を印加しながら攪拌翼を使って約1時間攪拌して分散させる(ステップS1)。
そして、このようにしてできたスラリーにPTFEのディスパージョンを混合して約5分間攪拌し、電解質層形成用のペーストを形成する(ステップS2)。得られたペーストの粘度をB形回転粘度計によって測定したところ、その粘度は約4550mPa・sであった。
次いで、このペーストを、例えばナチュラルロールコーターを用い、アルミ板上に固定した燃料電池電極の電極面に塗布する(ステップS3)。このようにナチュラルロールコーターを用いて塗布を行った場合は、通常、主にそのコーティングロールに形成されている一定ピッチの溝の影響により、塗布面に比較的大きな凹凸が形成されてしまうようになる。また、ペースト粘度が比較的高いため、そのまま放置したのみでは、一旦形成された凹凸の重力による自然消滅はほとんど期待できない。そのため、ここではペーストを塗布した後に、例えば次に示すような方法で、その塗布面を平滑化するための平滑化処理を行う(ステップS4)。
すなわち、塗布面を平滑化する際は、例えば、まずあらかじめ水槽内に適量の水を入れた超音波振動装置を準備する。そして、その水面上に、ペースト塗布後の燃料電池電極を固定したアルミ板を設置し、水槽に約30秒間超音波を印加する。あるいは、超音波振動装置に代えて低周波振動装置を用い、これにペースト塗布後の燃料電池電極を固定したアルミ板を設置して約30秒間低周波を印加する。
このように塗布直後のペーストに対して超音波振動や低周波振動を与えることにより、その流動性が増加するため、塗布時にできた凹凸の凸部から凹部へとペーストが容易に移動するようになる。その結果、塗布面が全体的に平滑化され、凹凸が小さく均一性の良い塗膜を得ることが可能になる。
なお、超音波振動や低周波振動の時間を約30秒間としたのは、ペースト粘度にも依るが、30μm〜80μm程度の厚さの電解質層を形成しようとした場合、時間が短すぎると処理後にも依然比較的大きな凹凸が残り十分な平滑化の効果が得られない場合があり、逆に時間が長すぎるとペーストが広がって薄化してしまい必要な厚さが得られない場合があるためである。
このほかにも、塗布面の平滑化には、ペーストの塗布後にそれを加湿環境下に放置する方法、ペーストの塗布面にその溶媒あるいは溶媒として使用可能な液体を散布する方法、液体溶媒の散布後に加湿環境下に放置する方法等を用いることができる。また、これらの方法を、上記したペーストに超音波振動や低周波振動を与える方法と組み合わせてもよい。これらのような方法によっても、超音波振動や低周波振動を単独で与えたときと同様、塗布後のペーストの流動性を増加させ、凹凸が小さく均一性の良い塗膜を得ることが可能になる。
塗布面の平滑化を加湿環境下に放置して行う場合には、ペースト塗布後の燃料電池電極を、例えば湿度約60%〜100%に設定された恒湿炉に約15時間放置する。また、液体溶媒を散布して平滑化を行う場合には、ペースト塗布後の燃料電池電極に、例えばペースト形成に用いた70%ジエチレングリコール水溶液を適量散布する。液体溶媒の散布後に加湿環境下に放置して平滑化を行う場合には、例えば、ペースト塗布後の燃料電池電極に70%ジエチレングリコール水溶液を散布した後、湿度約60%〜100%に設定された恒湿炉に約15時間放置する。これらの処理を、超音波や低周波を利用した平滑化処理と組み合わせる場合にも、同様に処理することができる。
なお、加湿環境を湿度約60%〜100%に設定するのは、湿度が60%を下回る場合には、その処理後にも依然比較的大きな凹凸が残り十分な平滑化の効果が得られない場合があるためである。また、放置時間が短い場合についても、これと同様であり、さらに時間設定の場合には、例えば組み合わせる他の平滑化処理に応じ、ペーストの変質等にも留意する必要がある。
ペースト塗布面の平滑化処理後は、温度約45℃に制御された乾燥炉内で15時間以上乾燥する(ステップS5)。その後、窒素雰囲気で温度約270℃、約20分間の熱処理を施し(ステップS6)、ペースト中の液体溶媒成分やPTFEディスパージョン中の界面活性成分を完全に除去するとともに、PTFEを部分的に溶解させてバインダーとしての性質を発現させる。
なお、電解質層の形成過程に液体溶媒の散布による平滑化処理を含む場合には、このステップS6の熱処理工程でその散布した液体溶媒も完全に蒸発して除去されるようになる。したがって、例えば熱処理後に別のペーストを用いて凹部等の充填を行う場合のように、本来含まれ得る原材料以外のものが電解質層内に混入しないため、均質な電解質層を形成することができるという利点がある。
このようにして一方の電極面に対して電解質層を形成し、形成された電解質層に電解質であるリン酸を含浸させる(ステップS7)。なお、リン酸の含浸後は、この一方の電極を他方の電極とその電解質層を挟んで接合して一体化し、燃料電池セルを形成する。
なお、ステップS1の液体溶媒には、上記70%ジエチレングリコール水溶液のほか、80%プロピレングリコール水溶液、60%トリエチレングリコール水溶液、80%エチレングリコール水溶液、70%ベンジルアルコール水溶液等を用いることもできる。ペースト塗布面の平滑化を液体溶媒の散布によって行う場合には、その散布する液体溶媒にはここに挙げたようなものを用いることが可能である。
また、ステップS3ではペーストの塗布にナチュラルロールコーターを用いたが、勿論、リバースロールコーターを用いても構わない。さらに、ペーストの塗布手段としては、このようなロールコーターのほか、スクリーン印刷やスプレー塗布等の手法を用いることも可能である。これらの塗布手段を用いた場合にも、塗布面に凹凸が形成されるようになるため、上記のような平滑化処理が有効になる。
また、ペーストの組成、ペースト形成時の攪拌や分散、ペースト塗布面の平滑化、乾燥、熱処理等の条件は、製造する燃料電池の形態に応じて適宜設定される。
次に、上記ステップS1〜S6に例示した条件で形成されたリン酸含浸前の電解質層について、電子顕微鏡を用いてその断面の電解質層厚さを観察測定した結果について述べる。
図2は電解質層厚さの測定結果である。
図2には、超音波振動によって平滑化を行った場合(A)、加湿環境下での放置によって平滑化を行った場合(B)、液体溶媒の散布によって平滑化を行った場合(C)、および液体溶媒の散布後の加湿環境下での放置によって平滑化を行った場合(D)のそれぞれについての、リン酸含浸前の電解質層厚さの測定結果を示している。また、図2には、比較のため、平滑化を行わない場合(Ref)のリン酸含浸前の電解質層厚さの測定結果も併せて示している。なお、この図2には、各平滑化処理を行って、あるいは行わずに形成した各電解質層の複数箇所の厚さを測定した結果をプロットしている。
図2に示したように、平滑化を行わない場合(Ref)には、10μm前後から50μm前後の広い範囲の厚さで電解質層が形成され、その凹凸が大きいことがわかる。さらに、厚さが10μm以下となるような薄膜部も存在している。これに対し、平滑化を行った場合(A,B,C,D)には、形成される電解質層は、平滑化を行わない場合(Ref)に比べてより狭い範囲の厚さで形成され、その凹凸が小さいことがわかる。
超音波振動によって平滑化を行った場合(A)には、およそ30μm〜40μm程度の狭い範囲の厚さで電解質層を形成することができ、同様に、加湿環境下での放置によって平滑化を行った場合(B)にも、およそ30μm〜40μm程度の狭い範囲の厚さで電解質層を形成することができる。また、液体溶媒の散布によって平滑化を行った場合(C)には、およそ30μm〜50μm程度の範囲の厚さで電解質層を形成することができる。さらに、液体溶媒の散布と加湿環境下での放置を組み合わせて平滑化を行った場合(D)には、それぞれを単独で行った場合よりも一層狭い範囲の厚さで電解質層を形成することができるようになる。
このように、平滑化処理を行った場合には、形成される電解質層の凹凸差が小さく、また、薄い部分でもその厚さは30μmを超えるようになる。したがって、燃料電池にこのような電解質層を用いることにより、反応ガスの気密性の低下を抑えるとともに、電解質層内の発電性能分布の発生を抑えることができるようになる。
なお、ここでは図示しないが、低周波振動によって平滑化を行った場合、超音波振動や低周波振動と加湿環境下での放置あるいは液体溶媒の散布とを組み合わせて平滑化を行った場合についても同様、厚さが30μmより厚くかつ凹凸の少ない電解質層を形成することができた。
また、平滑化処理を行って形成した電解質層を用いた燃料電池の性能評価を行ったところ、いずれの平滑化処理であっても、電解質層を挟んだ両電極側に供給される反応ガスの圧力差が20kPaになっても対極側への反応ガスの漏れや発電性能の低下は認められなかった。この20kPaの差圧は、現在の燃料電池の電極間差圧設計値の5倍以上に相当する大きな値であり、非常に信頼性の高い燃料電池が実現できる。
以上説明したように、電極面に所定の塗布手段によって電解質層形成用のペーストを塗布し、その後、そのペーストに超音波振動や低周波振動を与える、あるいはそのペーストを加湿環境下に放置する、あるいはそのペーストに液体溶媒を散布する、といった平滑化処理を行うようにする。それにより、そのペーストの流動性が増し、塗布時に生じた凹凸の凸部から凹部へとペーストが容易に移動するようになるため、塗布面全体を平滑化し、均一性の良い所望の厚さの電解質層を形成することが可能になる。
したがって、この燃料電池電解質層の製造方法によれば、反応ガスの気密性の低下や性能分布のない高品質の電解質層を所望の厚さで安定して製造することが可能になり、燃料電池の発電性能を向上させるとともに、信頼性の高い燃料電池を製造することが可能になる。
電解質層の製造フローの一例である。 電解質層厚さの測定結果である。
符号の説明
A 超音波振動によって平滑化を行った場合
B 加湿環境下での放置によって平滑化を行った場合
C 液体溶媒の散布によって平滑化を行った場合
D 液体溶媒の散布と加湿環境下での放置を組み合わせて平滑化を行った場合
Ref 平滑化を行わない場合

Claims (4)

  1. 燃料極と空気極の電極間で電解質を保持する燃料電池電解質層の製造方法において、
    前記電解質に対して安定な粒子を含むペーストを電極面に塗布した後に、塗布後の前記ペーストの流動性を増加させ前記ペーストを流動させて塗布面を平滑化する平滑化処理を行うことを特徴とする燃料電池電解質層の製造方法。
  2. 前記ペーストは、ロールコーターを用いてまたはスクリーン印刷により、前記電極面に塗布することを特徴とする請求項1記載の燃料電池電解質層の製造方法。
  3. 前記塗布面の平滑化は、塗布後の前記ペーストに振動を与えることによって前記ペーストの流動性を増加させ前記ペーストを流動させて前記塗布面を平滑化する第1の処理、塗布後の前記ペーストを加湿環境下に放置することによって前記ペーストの流動性を増加させ前記ペーストを流動させて前記塗布面を平滑化する第2の処理、および塗布後の前記ペーストに前記ペーストの溶媒として使用可能な液体を散布することによって前記ペーストの流動性を増加させ前記ペーストを流動させて前記塗布面を平滑化する第3の処理のうち、少なくとも1つの処理を用いて平滑化することを特徴とする請求項1記載の燃料電池電解質層の製造方法。
  4. 前記平滑化処理後に、前記ペーストを乾燥し、熱処理を行い、前記熱処理後の前記ペーストに前記電解質を保持させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池電解質層の製造方法。
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