JP2006038591A - 湿度センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置全体の小型化および低コスト化を図れる湿度センサ装置を提供する。
【解決手段】湿度センサ10と温度センサ20とを同一の素子形成基板1に集積化した複合センサ素子Aを備えている。湿度センサ10は、第1の下部電極11と、第1の多孔質構造部12と、第1の表面電極13とで構成され、温度センサ20は、第2の下部電極21と、第2の多孔質構造部22と、第2の表面電極23とで構成されている。第1の下部電極11と第2の下部電極21とは構成材料および膜厚を同じとしてあり、第1の表面電極13と第2の表面電極23とは構成材料および膜厚を同じとしてある。第1の多孔質構造部12と第2の多孔質構造部22とは同一構造であって、素子形成基板1の一表面側に成膜したノンドープの多結晶シリコン層に対して陽極酸化処理および酸化処理を行うことにより形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、湿度に応じて抵抗値が変化する湿度センサを利用した湿度センサ装置に関するものである。
従来から、湿度センサ装置などに使用する湿度センサとして、多孔質シリコンを利用した感湿素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここにおいて、上記特許文献1に開示された感湿素子は、シリコン基板の一表面側に酸化処理を施した多孔質シリコン層からなる感湿部が形成されるとともに、感湿部の中央部上およびシリコン基板の他表面(裏面)それぞれに電極が形成されており、水分の吸着によって抵抗値が変化する。すなわち、上記特許文献1に開示された感湿素子は、周囲湿度に応じて抵抗値が変化する。なお、上述の多孔質シリコン層は、シリコン基板を陽極とした陽極酸化処理により形成されている。
ところで、上記特許文献1に開示された感湿素子のように周囲湿度に応じて抵抗値が変化する感湿素子では出力値に周囲温度の影響による誤差を含むので、この種の感湿素子を利用した湿度センサ装置の出力値の誤差を小さくするには、周囲温度に応じて出力値を補正することが必要である。したがって、この種の湿度センサ装置では、例えば、湿度センサ(上記感湿素子)および温度センサそれぞれの出力を各別の増幅回路により増幅して各別のA/D変換器を用いてディジタル値に変換した後に信号処理部に入力し、信号処理部の演算手段にて温度センサの出力を用いて湿度センサの出力を補正するように構成することにより、周囲温度に関わりなく正確な出力値を得ることができる。
特許第2559682号公報(第2頁左欄第18行〜第24行、第2頁左欄第47行〜右欄第5行、第2頁右欄第8行〜第20行、第1図、第2図)
しかしながら、上記特許文献1に開示された感湿素子を湿度センサとして利用した湿度センサ装置では、周囲温度を検出するための温度センサを別途に用意する必要があり、装置全体が大型化するとともにコストが高くなってしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、装置全体の小型化および低コスト化を図れる湿度センサ装置を提供することにある。
なお、本願発明者らは、多孔質シリコン層に対して酸化処理(例えば、急速熱酸化処理、電気化学的な酸化処理など)を施すことにより形成した電子通過部を表面電極と下部電極との間に備えた電界放射型電子源の研究過程において、当該電界放射型電子源を大気中で使用した場合、周囲湿度や周囲温度に応じて表面電極と下部電極との間に流れる電流が変化するという知見を得て、この知見に基づいて本願発明を行った。
請求項1の発明は、第1の下部電極と第1の表面電極との間に第1の多孔質構造部が設けられ周囲湿度に応じて抵抗値が変化する湿度センサと、湿度センサの周囲温度に応じて抵抗値が変化する温度センサとを備え、温度センサを利用して温度補正された湿度に応じた出力を発生する湿度センサであって、温度センサを、第2の下部電極と第2の表面電極との間に第2の多孔質構造部が設けられた構成とし、湿度センサと温度センサとを同一の素子形成基板に集積化してなることを特徴とする。
この発明によれば、湿度センサと温度センサとを別体として備えた湿度センサ装置に比べて装置全体の小型化および低コスト化を図れる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の下部電極と前記第2の下部電極とが前記素子形成基板の一表面上に同一材料且つ同一膜厚で形成され、前記第1の多孔質構造部と前記第2の多孔質構造部とが同一構造であり、前記第1の表面電極と前記第2の表面電極とが同一材料且つ同一膜厚で形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記湿度センサと前記温度センサとを同じ製造プロセスで同時に形成することができるので、低コスト化を図れる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記温度センサは、前記第2の表面電極が耐湿性を有する保護部により覆われてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記温度センサが周囲湿度の影響を受けるのを防止することができ、温度補正を精度良く行うことができるので、より正確な湿度を求めることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記湿度センサは、前記第1の表面電極が前記第1の多孔質構造部の一部の表面を露出可能な形状に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記第1の表面電極の外周形状によらず前記第1の多孔質構造部の一部の表面が露出することになるので、前記第1の表面電極の厚みによらず前記湿度センサの感度を高めることができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記湿度センサが、前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間に駆動用の定電圧を入力として与えることにより前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間に流れる電流値を出力するものであり、前記温度センサの出力値を用いて前記湿度センサの出力値に温度補正を行う演算手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、広範囲の湿度を精度良く検知することができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記湿度センサが、前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間に駆動用の定電流を入力として与えることにより前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間の電位差を出力するものであり、前記温度センサの出力値を用いて前記湿度センサの出力値に温度補正を行う演算手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、前記湿度センサに過電流が流れるのを防止することができ、前記湿度センサの劣化を抑制できるとともに絶縁破壊を防止することができる。
請求項7の発明は、請求項5または請求項6の発明において、前記湿度センサを間欠駆動する間欠駆動手段と、前記湿度センサが駆動されていない期間に、前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間に駆動時とは逆極性の入力を与えることで前記湿度センサに吸着した水分を除去させるリセット手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、前記湿度センサに吸着した水分を前記湿度センサが駆動されていない期間に除去することができ、前記湿度センサの応答速度を速めることができる。
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記湿度センサと前記温度センサとの直列回路と、第1の定抵抗と第2の定抵抗との直列回路とを並列接続したブリッジ回路を備え、前記ブリッジ回路に定電圧を印加したときの前記湿度センサと前記温度センサとの接続点と定抵抗同士の接続点との間の出力値に基づいて湿度を演算する演算手段を備えることを特徴とする
この発明によれば、周囲温度にかかわりなく湿度を高精度に求めることができる。
請求項1の発明では、湿度センサと温度センサとを別体として備えた湿度センサ装置に比べて装置全体の小型化および低コスト化を図れるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の湿度センサ装置は、図1(a)に示すように、周囲湿度に応じて抵抗値が変化する湿度センサ10と、湿度センサ10の周囲温度に応じて抵抗値が変化する温度センサ20とを備えており、湿度センサ10が周囲湿度に対応した電流値(アナログ信号)を出力し、温度センサ20が周囲温度に対応した電流値(アナログ信号)を出力する。
また、本実施形態の湿度センサ装置は、各センサ10,20それぞれの出力を電流−電圧変換する2つのI/V変換回路31,32と、各I/V変換回路31,32それぞれの出力を増幅する増幅回路41,42と、各増幅回路41,42それぞれの出力をアナログ−ディジタル変換する2つのA/D変換器51,52と、両A/D変換器51,52の出力に基づいて温度補償した湿度を求めて出力するマイクロコンピュータからなる信号処理部60とを備えている。
要するに、本実施形態の湿度センサ装置は、湿度センサ10の出力を増幅回路41により増幅してA/D変換器51を用いてディジタル値に変換した後に信号処理部60に入力するとともに、温度センサ20の出力を増幅回路42により増幅してA/D変換器52を用いてディジタル値に変換した後に信号処理部60に入力し、温度センサ20の出力を用いて湿度センサ10の出力を補正するのである。信号処理部60には、湿度センサ10の出力と湿度値との対応関係を第1のテーブルとして格納した第1のメモリと、温度センサ20の出力に応じた補正値を第2のテーブルとして格納した第2のメモリとが設けられており、信号処理部60の演算回路(図示せず)にて、A/D変換器51の出力値に基づいて第1のメモリから湿度値を読み出すとともに、A/D変換器52の出力値に基づいて第2のメモリから補正値を読み出し、湿度値を補正値により補正する。この構成により、周囲温度に関わりなく正確な出力値を得ることができるのである。なお、本実施形態では、上記演算回路が、温度センサ20の出力値を用いて湿度センサ10の出力値に温度補正を行う演算手段を構成している。
ところで、本実施形態の湿度センサ装置では、上述の湿度センサ10と温度センサ20とを図1(b)に示すように同一の素子形成基板1に集積化した複合センサ素子Aを備えている点に特徴がある。
複合センサ素子Aは、矩形板状の絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラス基板、絶縁性を有するセラミック基板など)からなる素子形成基板1の一表面上で湿度センサ10と温度センサ20とが並設されている。湿度センサ10は、素子形成基板1上に形成された導電層(例えば、金属層、高濃度多結晶シリコン層など)からなる第1の下部電極11と、第1の下部電極11上に形成された第1の多孔質構造部12と、第1の多孔質構造部12上に形成された金属薄膜(例えば、金薄膜)からなる第1の表面電極13とで構成されている。一方、温度センサ20は、素子形成基板1上に形成された導電層(例えば、金属層、高濃度多結晶シリコン層など)からなる第2の下部電極21と、第2の下部電極21上に形成された第2の多孔質構造部22と、第2の多孔質構造部22上に形成された金属薄膜(例えば、金薄膜)からなる第2の表面電極23とで構成されている。ここにおいて、第1の下部電極11と第2の下部電極21とは構成材料および膜厚を同じとしてあり、第1の表面電極13と第2の表面電極23とは構成材料および膜厚を同じとしてある。ただし、温度センサ20が周囲湿度の影響を受けないように第2の表面電極23の膜厚は上記電界放射型電子源における表面電極の膜厚(例えば、10nm程度)に比べて厚く設定してあるので、湿度センサ10の第1の表面電極13については第1の多孔質構造部12の一部の表面が露出するように第1の表面電極13の平面サイズを第1の多孔質構造部12の平面サイズよりも小さくしてある。言い換えれば、第1の表面電極13は、第1の多孔質構造部12の一部の表面を露出可能な形状に形成されている。
また、本実施形態の湿度センサ装置は、各センサ10,20の表面電極13,23と下部電極11,21との間に表面電極13,23を高電位側として駆動電圧を与える駆動手段(図示せず)を備えている。
上述の第1の多孔質構造部12と第2の多孔質構造部22とは同一構造であって、上記電界放射型電子源の電子通過部と同様の構造を有し、後述のように素子形成基板1の上記一表面側に成膜したノンドープの多結晶シリコン層に対して陽極酸化処理および酸化処理を行うことにより形成されており、少なくとも、図2に示すように、素子形成基板1の上記一表面側に列設された柱状の多結晶シリコンのグレイン(半導体結晶)71と、グレイン71の表面に形成された薄いシリコン酸化膜72と、グレイン71間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶(半導体微結晶)73と、各シリコン微結晶73の表面に形成されシリコン微結晶73の結晶粒径よりも小さな膜厚の酸化膜である多数のシリコン酸化膜(絶縁膜)74とから構成されている。ここに、各グレイン71は、素子形成基板1の厚み方向に延びている。
上述の各センサ10,20では、表面電極13,23が下部電極11,21に対して高電位側となるように表面電極13,23と下部電極11,21との間に直流電圧(駆動電圧)を上記駆動手段により印加すれば、下部電極11,12から多孔質構造部12,22へ注入された電子がそれぞれ多孔質構造部12,22をドリフトし表面電極13,23へ到達するので、表面電極13,23から下部電極11,21へ電流が流れる。さらに説明すれば、各センサ10,20では、表面電極13,23と下部電極11,21との間に表面電極13,23を高電位側として電圧を印加することにより、下部電極11,21からそれぞれ多孔質構造部12,22へ電子が注入される。一方、多孔質構造部12,22それぞれに印加された電界の大部分はシリコン酸化膜74にかかるから、注入された電子はシリコン酸化膜74にかかっている強電界により加速され、多孔質構造部12,22それぞれにおけるグレイン71の間の領域を表面に向かって図2における上向きへドリフトし、表面電極13,23へ到達する。しかして、多孔質構造部12,22では下部電極11,21から注入された電子がシリコン微結晶73でほとんど散乱されることなくシリコン酸化膜74にかかっている電界で加速されてドリフトし、表面電極13,23へ到達する。以上説明した原理は上記電界放射型電子源の動作原理と同様である。
図3には湿度センサ10の一例として周囲温度が24℃の場合について、湿度センサ10の周囲湿度と湿度センサ10に流れる電流の電流密度との関係データを示す。図3から、周囲湿度が高くなるにつれて電流密度が徐々に増加していることが分かる。また、図4には、温度センサ20の第2の表面電極23の膜厚を上記電界放射型電子源と同様に10nmとした場合について、周囲温度と温度センサ20に流れる電流の電流密度との関係データを示す。ここに、図4中の「イ」は周囲湿度を30%として測定した結果を示し、同図中の「ロ」は周囲湿度を50%として測定した結果を示し、同図中の「ハ」は周囲湿度を70%として測定した結果を示し、同図中の「ニ」は周囲湿度を90%として測定した結果を示し、同図中の「ホ」は周囲湿度を略0%として測定した結果を示している。図4から、周囲湿度が一定であれば、周囲温度が高くなるにつれて電流密度が徐々に増加していることが分かる。そこで、本実施形態では、温度センサ20の出力が周囲湿度の影響を受けないように第2の表面電極23の膜厚を上記電界放射型電子源の表面電極の膜厚に比べて大きく設定してある(例えば、20nm〜50nm程度に設定すればよい)。なお、上述の第1のテーブルは例えば図3の結果に基づいて作成すればよく、上述の第2のテーブルは例えば図4の結果に基づいて作成すればよい。
以下、上述の多孔質構造部12,22の形成方法の一例について説明する。
多孔質構造部12,22の形成にあたっては、まず、素子形成基板1の上記一表面上に2つの下部電極11,21を形成し、素子形成基板1の上記一表面側の全面にノンドープの多結晶シリコン層を例えばLPCVD法などにより形成した後、上述の陽極酸化処理を行うことにより、多結晶シリコンの多数のグレイン71(図2参照)と多数のシリコン微結晶73(図2参照)とが混在する多孔質多結晶シリコン層を形成する。ここにおいて、陽極酸化処理では、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合した混合液よりなる電解液を用い、下部電極11,21を陽極とし、電解液中において多結晶シリコン層に白金電極よりなる陰極を対向配置して、500Wのタングステンランプからなる光源により多結晶シリコン層の主表面に光照射を行いながら、電源から陽極と陰極との間に定電流を所定時間だけ流すことによって、多結晶シリコンのグレイン71およびシリコン微結晶73を含む多孔質多結晶シリコン層を形成する。
陽極酸化処理が終了した後に、上述の酸化処理として多孔質多結晶シリコン層を電気化学的に酸化することによって、図2のような構成の多孔質構造部12および電子通過部22をを形成する。酸化処理では、例えば、エチレングリコールからなる有機溶媒中に0.04mol/lの硝酸カリウムからなる溶質を溶かした溶液よりなる電解液を用い、下部電極11,21を陽極とし、電解液中において多孔質多結晶シリコン層に白金電極よりなる陰極を対向配置して、電源から陽極と陰極との間に定電流(例えば、電流密度が0.1mA/cmの電流)を流し陽極と陰極との間の電圧が20Vだけ上昇するまで多孔質多結晶シリコン層を電気化学的に酸化することによって、上述のグレイン71、シリコン微結晶73、各シリコン酸化膜72,74を含む多孔質構造部12,22を形成するようになっている。ここにおいて、上述のノンドープの多結晶シリコン層のうち多孔質構造部12,22となる部位以外の部分は、湿度センサ10と温度センサ20とを電気的に分離する分離部2を構成する。なお、本実施形態では、上述の陽極酸化処理を行うことによって形成される多孔質多結晶シリコン層においてグレイン71、シリコン微結晶73以外の領域は孔となっており、多孔質構造部12,22においてグレイン71、シリコン微結晶73、各シリコン酸化膜72,74以外の領域が孔となっている。
以上説明した本実施形態の湿度センサ装置では、湿度センサ10と温度センサ20とを別体として備えた湿度センサ装置に比べて装置全体の小型化および低コスト化を図れる。また、第1の下部電極11と第2の下部電極21とが素子形成基板1の上記一表面上に同一材料且つ同一膜厚で形成され、第1の多孔質構造部12と第2の多孔質構造部22とが同一構造であり、第1の表面電極13と第2の表面電極23とが同一材料且つ同一膜厚で形成されているので、湿度センサ10と温度センサ20とを同じ製造プロセスで同時に形成することができるので、低コスト化を図れる。
ところで、上記駆動手段は、第1の表面電極13と第1の下部電極11との間に第1の表面電極13を高電位側としてパルス状の定電圧からなる駆動電圧(電圧値をV1とすれば、例えばV1=8〔V〕)を間欠的に印加可能な駆動電源81(図5参照)を備えているが、本実施形態の湿度センサ装置では、駆動電源81により湿度センサ10へ上記駆動電圧が印加される期間の合間ごとに、第1の表面電極13と第1の下部電極11との間に上記駆動電圧とは逆極性のパルス状の逆バイアス電圧(電圧値を−V2とすれば、例えば−V2=−6〔V〕)を間欠的に印加可能なリセット用電源82(図5参照)を備えている。ここに、本実施形態では、駆動電源81を直流電圧源Eaとスイッチング素子Saとの直列回路により構成するとともに、リセット用電源82を直流電圧源Ebとスイッチング素子Sbとの直列回路により構成し、これらの直列回路を並列接続してあり、上述の信号処理部60によってスイッチング素子Sa,Sbが同時にオン状態とならず交互にオン状態となるようにスイッチング素子Sa,Sbをオンオフ制御するように構成してある。したがって、湿度センサ10の第1の表面電極13と第1の下部電極11との間には、第1の下部電極11を基準として図6に示すようなパターンで電圧が印加されることとなる。なお、本実施形態では、駆動電源81と信号処理部60とで湿度センサ10を間欠駆動する間欠駆動手段を構成し、リセット用電源82と信号処理部60とで湿度センサ10が駆動されていない期間に、第1の表面電極13と第1の下部電極11との間に駆動時とは逆極性の入力を与えることで湿度センサ10に吸着した水分を除去させるリセット手段を構成している。
しかして、本実施形態の湿度センサ装置では、湿度センサ10を間欠駆動する間欠駆動手段と、湿度センサ10が駆動されていない期間に、第1の表面電極13と第1の下部電極11との間に駆動時とは逆極性の入力を与えることで湿度センサ10に吸着した水分を除去させるリセット手段とを備えているので、湿度センサ10の第1の多孔質構造部12に吸着した水分を湿度センサ10が駆動されていない期間に除去することができ、湿度センサ10の応答速度を速めることができる。なお、上述の駆動電源81とリセット用電源82とを個別に設ける代わりに、図7に示すように湿度センサ10の第1の表面電極13と第1の下部電極11との間に交流電圧を印加する交流電源Esを設けてもよい。
(実施形態2)
本実施形態の湿度センサ装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、複合センサ素子Aにおける温度センサ20の第2の表面電極23の周囲を、耐湿性を有する材料(例えば、エポキシ樹脂など)からなる保護部24により覆っている点に特徴がある。なお、保護部24の材料は、エポキシ樹脂に限らず、金属などを採用可能であるが、熱伝導率の高い材料を採用することが望ましい。他の構成は実施形態1と同じなので図示および説明を省略する。
しかして、本実施形態の湿度センサ装置では、温度センサ20が周囲湿度の影響を受けるのを確実に防止することができ、温度補正を精度良く行うことができるので、より正確な湿度を求めることが可能となる。特に、本実施形態の湿度センサ装置では、第2の表面電極13の平面サイズと第2の多孔質構造部22の平面サイズとを同じサイズに設定しているような場合、製造時に第2の表面電極13の位置ずれが生じて第2の多孔質構造部22の一部の表面が露出しても保護部24により覆われるので、温度センサ20が周囲湿度の影響を受けるのを確実に防止することができるという利点がある。したがって、各表面電極13,23の膜厚を上記電界放射型電子源の表面電極と同様に電子がトンネリング可能な膜厚(例えば、10nm)程度に薄くして、第1の表面電極13の平面サイズと第1の多孔質構造部12の平面サイズとを揃えるようにしてもよい。
ところで、上記各実施形態の湿度センサ装置において、第1の表面電極13の平面形状をメッシュ状の形状とすれば、第1の多孔質構造部12の表面の周部だけでなく中央部も露出することになるので、第1の表面電極13の平面サイズおよび第1の表面電極13の厚みによらず湿度センサ10の感度を高めることができる。
なお、上記各実施形態では、温度センサ20を湿度センサ10と同様の構造としているので、図9に示すように、ノンドープの多結晶シリコン層からなる分離部2上で一対の電極92,92間に感温部91が介在するサーミスタ90を温度センサとして用いる場合に比べて製造プロセスが簡単になる。
また、上記各実施形態では、湿度センサ10の第1の表面電極13と第1の下部電極11との間に駆動用の定電圧を入力として与えることにより第1の表面電極13と第1の下部電極11との間に流れる電流値を湿度センサ10の出力としており、広範囲の湿度を精度良く検知することができるが、湿度センサ10の第1の表面電極13と第1の下部電極11との間に駆動用の定電流を入力として与えることにより第1の表面電極13と第1の下部電極11との間の電位差(電圧値)を湿度センサ10の出力とするようにすれば、湿度センサ10に過電流が流れるのを防止することができ、湿度センサ10の第1の多孔質構造部12の劣化を抑制できるとともに絶縁破壊を防止することができる。このように、湿度センサ10の出力値を電圧値(アナログ値)とした場合には上述のI/V変換回路31が不要となるという利点もある。
(実施形態3)
本実施形態の湿度センサ装置では、実施形態1にて説明した複合センサ素子Aにおける湿度センサ10を抵抗Rs、温度センサ20を抵抗Reとして、図10に示すように、抵抗Rsと抵抗Reとの直列回路と、第1の定抵抗R1と第2の定抵抗R2との直列回路とを並列接続したブリッジ回路を備えており、ブリッジ回路に直流電源Edから定電圧を印加したときの抵抗Rsと抵抗Reとの接続点と定抵抗R1,R2同士の接続点との間の出力値(電位差)Voutを増幅回路(図示せず)により増幅してA/D変換器(図示せず)を用いてディジタル値に変換した後にマイクロコンピュータからなる信号処理部(図示せず)に入力するように構成してあり、信号処理部に、A/D変換器からの入力(つまり、ブリッジ回路の出力)に基づいて湿度を演算する演算手段を設けてある。
しかして、本実施形態の湿度センサ装置においては、実施形態1,2に比べてI/V変換回路、増幅回路、A/D変換器それぞれの数を少なくすることができ、しかも、周囲温度にかかわりなく湿度を高精度に求めることができる。
実施形態1を示し、(a)は全体構成を示す概略構成図、(b)は複合センサ素子の概略断面図である。 同上における要部説明図である。 同上の説明図である。 同上の説明図である。 同上の要部説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の要部説明図である。 実施形態2における複合センサ素子の概略断面図である。 複合センサ素子の比較例を示す概略断面図である。 実施形態3を示す要部説明図である。
符号の説明
A 複合センサ素子
1 素子形成基板
2 分離部
10 湿度センサ
11 第1の下部電極
12 第1の多孔質構造部
13 第1の表面電極
20 温度センサ
21 第2の下部電極
22 第2の多孔質構造部
23 第2の表面電極

Claims (8)

  1. 第1の下部電極と第1の表面電極との間に第1の多孔質構造部が設けられ周囲湿度に応じて抵抗値が変化する湿度センサと、湿度センサの周囲温度に応じて抵抗値が変化する温度センサとを備え、温度センサを利用して温度補正された湿度に応じた出力を発生する湿度センサであって、温度センサを、第2の下部電極と第2の表面電極との間に第2の多孔質構造部が設けられた構成とし、湿度センサと温度センサとを同一の素子形成基板に集積化してなることを特徴とする湿度センサ装置。
  2. 前記第1の下部電極と前記第2の下部電極とが前記素子形成基板の一表面上に同一材料且つ同一膜厚で形成され、前記第1の多孔質構造部と前記第2の多孔質構造部とが同一構造であり、前記第1の表面電極と前記第2の表面電極とが同一材料且つ同一膜厚で形成されてなることを特徴とする請求項1記載の湿度センサ装置。
  3. 前記温度センサは、前記第2の表面電極が耐湿性を有する保護部により覆われてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の湿度センサ装置。
  4. 前記湿度センサは、前記第1の表面電極が前記第1の多孔質構造部の一部の表面を露出可能な形状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の湿度センサ装置。
  5. 前記湿度センサが、前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間に駆動用の定電圧を入力として与えることにより前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間に流れる電流値を出力するものであり、前記温度センサの出力値を用いて前記湿度センサの出力値に温度補正を行う演算手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の湿度センサ装置。
  6. 前記湿度センサが、前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間に駆動用の定電流を入力として与えることにより前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間の電位差を出力するものであり、前記温度センサの出力値を用いて前記湿度センサの出力値に温度補正を行う演算手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の湿度センサ装置。
  7. 前記湿度センサを間欠駆動する間欠駆動手段と、前記湿度センサが駆動されていない期間に、前記第1の表面電極と前記第1の下部電極との間に駆動時とは逆極性の入力を与えることで前記湿度センサに吸着した水分を除去させるリセット手段とを備えることを特徴とする請求項5または請求項6記載の湿度センサ装置。
  8. 前記湿度センサと前記温度センサとの直列回路と、第1の定抵抗と第2の定抵抗との直列回路とを並列接続したブリッジ回路を備え、前記ブリッジ回路に定電圧を印加したときの前記湿度センサと前記温度センサとの接続点と定抵抗同士の接続点との間の出力値に基づいて湿度を演算する演算手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の湿度センサ装置。
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