JP2006037848A - ピストン式可変容量圧縮機 - Google Patents

ピストン式可変容量圧縮機 Download PDF

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智洋 村上
Sokichi Hibino
惣吉 日比野
Shiro Hayashi
志郎 林
Yoshio Kimoto
良夫 木本
Yusuke Kita
裕介 北
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Abstract

【課題】小容量運転時においても優れた性能を示すことができるピストン式可変容量圧縮機を提供することを課題とする。
【解決手段】小容量運転時にはメイン吸入口38及びサブ吸入口39が共に開放された状態となっているため、ロータリーバルブの吸入行程部40のメイン吸入口38によるシリンダボアに対応する導通路の開口行程に対してピストンの吸入行程の位相が遅れた領域が発生しても、この領域においてサブ吸入口39が導通路に対向する位置となってこの導通路を開き、これにより冷媒ガスがサブ吸入口39及び導通路を通ってシリンダボア内へ流入する。一方、大容量運転時にはスプール33によりサブ吸入口39が閉鎖されてメイン吸入口38のみが開放された状態となっているため、ピストンの圧縮行程においてシリンダボア内のガスがサブ吸入口39を通って吸入ガス側に流入することが防止される。
【選択図】図4

Description

この発明は、ピストン式可変容量圧縮機に関する。
例えば、特許文献1には、駆動シャフトの回転に応じてシリンダボア内でピストンが往復移動するピストン式可変容量圧縮機が開示されている。このような圧縮機では、駆動シャフトに固着された回転支持体に回転斜板が連結されており、駆動シャフトの回転に伴って回転斜板が回転することにより、回転斜板に係合されたピストンがシリンダボア内で往復移動するように構成されている。また、ピストンの吸入・圧縮行程に伴ってロータリーバルブによりシリンダボア内への吸入流路が開閉制御されており、図12に示されるように、ピストンが上死点位置に到達する時点P0を位相0°として、0°から180°までのピストンの吸入行程とロータリーバルブによる吸入流路の開口行程Tとの位相が一致するように制御されている。
特開平6−117363号公報
また、上述のような圧縮機では、回転斜板の傾斜角度を変化させることによりピストンのストロークを可変制御して容量を変化させることができる。すなわち、回転斜板の傾斜角度が増加するとピストンのストロークが増大して容量が大きくなる一方、回転斜板の傾斜角度が減少するとピストンのストロークが縮小して容量が小さくなる。なお、このような圧縮機では、例えば特許文献1の図3に示されるように、回転斜板と回転支持体とが連結ピンを介して連結されると共に、回転斜板と回転支持体との間に十分なクリアランスを有しており、最大容量時の回転斜板の傾きを許容し得るように構成されている。
しかしながら、上述のような回転斜板と回転支持体との間のクリアランスのために、特に小容量運転時の最小容量付近において、回転斜板にがたつきが生じることがある。その結果、図13に示されるように、ピストンが上死点位置に到達する時点Poが設定された位相0°から遅れて、ピストンの吸入行程とロータリーバルブによる吸入流路の開口行程Tとの位相がずれることにより、ピストンが吸入行程中であるにもかかわらずロータリーバルブが吸入流路を閉口している領域Aが発生することとなり、圧縮機の容量制御性が不安定になることがある。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、小容量運転時においても優れた性能を示すことができるピストン式可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
この発明に係るピストン式可変容量圧縮機は、駆動シャフトの周囲に配列された複数のシリンダボア内にそれぞれピストンを収容し、ピストンが吸入行程にあるシリンダボアに対応する導通路を開いてシリンダボア内の作動室に吸入ガスを導入するためのメイン吸入口が形成された吸入行程部と、ピストンが圧縮行程にあるシリンダボアに対応する導通路を閉じる圧縮行程部と、を有するロータリーバルブを駆動シャフトに同期して回転可能に配置すると共に、シリンダボア内のピストンのストロークを調整することにより容量が可変制御されるピストン式可変容量圧縮機において、ロータリーバルブは、圧縮行程部に形成されたサブ吸入口と、軸方向に移動してサブ吸入口を開閉するスプールとを有し、小容量運転時にスプールを移動させてサブ吸入口を開放することによりロータリーバルブの回転に対してピストンの吸入行程が遅れたシリンダボアに対応する導通路とサブ吸入口とを連通させてそのシリンダボア内の作動室に吸入ガスを導入し、大容量運転時にはスプールを移動させてサブ吸入口を閉鎖するものである。
小容量運転時に、ロータリーバルブの吸入行程部のメイン吸入口によるシリンダボアに対応する導通路の開口行程に対してピストンの吸入行程の位相が遅れた領域が生じても、小容量運転時にはロータリーバルブのサブ吸入口が開放されているため、ピストンの吸入行程の位相が遅れた領域においてこのサブ吸入口がピストンの吸入行程が遅れたシリンダボアに対応する導通路に対向する位置となってこの導通路を開き、これにより吸入ガスがサブ吸入口及び導通路を通ってシリンダボア内の作動室へ流入する。一方、大容量運転時にはスプールによりサブ吸入口が閉鎖された状態となり、ピストンの圧縮行程においてシリンダボア内のガスがサブ吸入口を通って吸入ガス側に流入することが防止される。
ロータリーバルブのメイン吸入口は、大容量運転時の流量を確保するための第1の部分と小容量運転時に圧力変動を抑制するのに十分な流量に絞るための第2の部分とを有し、小容量運転時にはサブ吸入口とメイン吸入口の第2の部分とが開放されると共にメイン吸入口の第1の部分がスプールにより閉鎖され、大容量運転時にはメイン吸入口の第1の部分及び第2の部分が共に開放されると共にサブ吸入口がスプールにより閉鎖されるようにすることが好ましい。
吸入室の圧力とクランク室の圧力との差圧によりスプールを移動する、あるいは吸入室圧力とシリンダボア内の圧力との差圧によりスプールを移動することができる。
また、ロータリーバルブが、駆動シャフトに同期して回転すると共にサブ吸入口が形成された円筒状部材を有し、スプールを円筒状部材内に軸方向に移動自在に配置することができる。あるいは、スプールを、駆動シャフトに同期して回転すると共に軸方向に移動自在に配置し、このスプールにサブ吸入口を形成することもできる。
この発明によれば、ロータリーバルブは、小容量運転時にスプールを移動させて圧縮行程部のサブ吸入口を開放することにより、ロータリーバルブの回転に対してピストンの吸入行程が遅れたシリンダボアに対応する導通路とサブ吸入口とを連通させてそのシリンダボア内の作動室に吸入ガスを導入し、大容量運転時にはスプールを移動させてサブ吸入口を閉鎖するようにしたので、小容量運転時にロータリーバルブの吸入行程部のメイン吸入口によるシリンダボアに対応する導通路の開口行程に対してピストンの吸入行程の位相が遅れた領域が生じても、この領域でサブ吸入口がシリンダボアに対応する導通路に対向し、吸入ガスがサブ吸入口及び導通路を通ってシリンダボア内の作動室へ流入するため、ピストンの吸入行程中に吸入ガスを吸入することができないという不具合が防止される。一方、大容量運転時にはスプールによりサブ吸入口が閉鎖されるため、性能を損なうことなく確実に圧縮して優れた性能を保持することができる。これにより、優れた性能を有する圧縮機を実現することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に実施の形態1に係るピストン式可変容量圧縮機の構造を示す。シリンダブロック11の前端部にフロントハウジング12が連結され、後端部に弁形成体13を介してリヤハウジング14が連結されている。シリンダブロック11とフロントハウジング12とによりクランク室15が区画形成されており、このクランク室15を貫通するようにシリンダブロック11及びフロントハウジング12に駆動シャフト16が回転可能に支持されている。駆動シャフト16の前端部はフロントハウジング12から外部に突出しており、車両のエンジンやモータ等の図示しない回転駆動源に連結される。フロントハウジング12内において駆動シャフト16に回転支持体17が固着されると共に回転支持体17に係合するように斜板18が取り付けられている。斜板18は、その中心部に形成された貫通孔に駆動シャフト16が貫通した状態で、斜板18に突出形成されたガイドピン19が回転支持体17に形成されたガイド孔20にスライド可能に嵌入されており、ガイドピン19とガイド孔20との連係により駆動シャフト16と一体的に回転すると共に駆動シャフト16の軸方向にスライド可能に且つ傾動可能に支持されている。また、回転支持体17はフロントハウジング12の前端内壁部に配設されたスラストベアリング21により回転可能に支持されている。
シリンダブロック11には駆動シャフト16の周りに複数のシリンダボア22が配列形成され、各シリンダボア22にピストン23がスライド可能に収容されている。各ピストン23はシュー24を介して斜板18の外周部に係合しており、斜板18が駆動シャフト16と共に回転すると、各ピストン23はシュー24を介してシリンダボア22内を駆動シャフト16の軸方向に往復運動する。
リヤハウジング14の中央部には弁形成体13に面して吸入室25が区画形成され、吸入室25の外周部には吸入室25を取り囲むように吐出室26が区画形成されている。
また、シリンダブロック11とリヤハウジング14には、クランク室15と吐出室26とを連通する連通路27が形成されており、この連通路27の途中に電磁弁からなる容量制御弁28が配設されている。さらに、シリンダブロック11には、クランク室15と吸入室25とを連通する抽気通路29が形成されている。
シリンダブロック11の中央部にはバルブ収容室30が軸方向に貫通形成されており、このバルブ収容室30内に駆動シャフト16の後端に配設されたロータリーバルブ31が収容されている。ロータリーバルブ31は、駆動シャフト16に同期して回転すると共に内部が吸入室25に連通する有底円筒状部材32を有している。
円筒状部材32の内部には、円筒状のスプール33が軸方向に移動自在に収容されている。また、円筒状部材32の底部32aは駆動シャフト16に形成された連通路34を介してクランク室15に連通されている。
さらに、ピストン23により区画される各シリンダボア22内の作動室とシリンダブロック11のバルブ収容室30とがそれぞれ導通路35を介して連通されている。また、各シリンダボア22内の作動室とリヤハウジング14内の吐出室26とは吐出ポート36を介して接続されている。
図2及び3に示されるように、円筒状部材32の内周面にはストッパ37が配置されており、スプール33は円筒状部材32の底部32aとストッパ37との間で移動可能に設けられている。
また、円筒状部材32にはメイン吸入口38とサブ吸入口39とが形成されている。サブ吸入口39は、円筒状部材32の内周面において底部32a近傍で開口しており、スプール33の移動に応じて選択的に開閉される。一方、メイン吸入口38は円筒状部材32の内周面においてスプール33の移動範囲に重ならないような軸方向の位置に開口しており、スプール33の移動に関わらずに常時開放されている。これらメイン吸入口38及びサブ吸入口39は、円筒状部材32の外周面において各シリンダボア22に接続された導通路35に対応した軸方向の位置に開口している。
また、スプール33には、吸入室25を臨む面に吸入室25の圧力Psが、円筒状部材32の底部32aを臨む反対側の面にクランク室15の圧力Pcがそれぞれ作用している。
また、図4(a)及び(b)に示されるように、ロータリーバルブ31の円筒状部材32はその周方向に沿って、0°から180°までの回転位相角に形成された吸入行程部40と、180°から360°までの回転位相角に形成された圧縮行程部41とを有している。
ここで、ピストン23が上死点位置に到達する時点P0を位相0°として、吸入行程部40はピストン23の0°から180°までの吸入行程に対応し、圧縮行程部41はピストン23の180°から360°までの圧縮行程に対応するように構成されている。
また、吸入行程部40にはメイン吸入口38が30°程度から180°程度までの回転位相角に形成されており、圧縮行程部41にはサブ吸入口39が180°程度から230°程度までの回転位相角に形成されている。
図2及び図4(a)に示されるように、スプール33が円筒状部材32内を吸入室25に向かって移動すると、スプール33がストッパ33に当接し、メイン吸入口38及びサブ吸入口39が開放された状態となる。一方、図3及び図4(b)に示されるように、スプール33が円筒状部材32内を底部32aに向かって移動すると、スプール33が底部32aに当接したところで停止し、メイン吸入口38は開放されたままサブ吸入口39がスプール33により閉鎖された状態となる。
なお、容量制御弁28の開度を設定することにより、連通路27を介したクランク室15へのガス導入量と抽気通路29を介したクランク室15からのガス導出量とのバランスが制御されてクランク室15の圧力Pcが決定される。容量制御弁28の開度を変えてクランク室15の圧力Pcが変更されると、ピストン23を介したクランク室15内とシリンダボア22内との差圧が変更され、斜板18の傾斜角度が変化する。その結果、ピストン23のストロークすなわち圧縮機の吐出容量が調整される。
例えば、クランク室15の圧力Pcが下げられると、斜板18の傾斜角度が増加してピストン23のストロークが増大し、吐出容量が大きくなる。逆に、クランク室15の圧力Pcが上げられると、斜板18の傾斜角度が減少してピストン23のストロークが縮小し、吐出容量が小さくなる。
次に、この実施の形態1に係るピストン式可変容量圧縮機の動作について説明する。大容量運転時には、容量制御弁28の開度設定によりクランク室15の圧力Pcが低下されて吸入室25の圧力Psとほぼ等しくなる。このため、吸入室25から円筒状部材32内へ流れ込む吸入ガス流によってスプール33が円筒状部材32内を底部32aに向かって移動する。これにより、図3及び図4(b)に示されるように、スプール33によりサブ吸入口39が閉鎖されてメイン吸入口38のみが開放された状態となる。
ここで、ピストン23の吸入行程では、駆動シャフト16の回転駆動に伴うピストン23の復動動作すなわちシリンダボア22内を後退する動作と共に、駆動シャフト16と同期して回転するロータリーバルブ31の吸入行程部40がこのシリンダボア22に接続された導通路35に対向し、吸入行程部40のメイン吸入口38が導通路35と連通することによりこの導通路35が開かれ、冷媒ガスがメイン吸入口38及び導通路35を通ってシリンダボア22内へ流入する。
続くピストン23の圧縮行程では、ピストン23の往動動作すなわちシリンダボア22内を前進する動作と共に、駆動シャフト16と同期して回転するロータリーバルブ31の圧縮行程部41がこのシリンダボア22に接続された導通路35に対向することにより導通路35が閉じられ、シリンダボア22内の冷媒ガスが弁形成体13の吐出ポート36から吐出リード部を押しのけて吐出室26へ吐出される。
一方、小容量運転時には、容量制御弁28の開度設定によりクランク室15の圧力Pcが上昇されて吸入室25の圧力Psより高くなる。このため、スプール33が円筒状部材32内を吸入室25に向かって移動し、図2及び図4(a)に示されるように、サブ吸入口39が開放されて、メイン吸入口38及びサブ吸入口39が共に開放された状態となる。
ここで、小容量運転時には、斜板18と回転支持体17との間に形成されたクリアランスに起因して斜板18のがたつき等が発生することがあり、その場合、図5に示されるように、ピストン23が上死点位置に到達する時点P0が設定された位相0°から遅れて、ピストン23の吸入行程及び圧縮行程がロータリーバルブ31の回転に対して遅れ、ロータリーバルブ31の吸入行程部40のメイン吸入口38による導通路35の開口行程Tに対してピストン23の吸入行程の位相が遅れた領域Aが発生する。ところが、小容量運転時にロータリーバルブ31の圧縮行程部41のサブ吸入口39が開放されているため、ピストン23の吸入行程の位相が遅れた領域Aにおいて、サブ吸入口39が導通路35に対向する位置となってこの導通路35を開き、これにより冷媒ガスがサブ吸入口39及び導通路35を通ってシリンダボア22内へ流入する。したがって、ピストン23の吸入行程がロータリーバルブ31のメイン吸入口38による導通路35の開口行程Tに対し遅れて吸入行程中に吸入ガスを吸入することができないという不具合が防止され、圧縮機として優れた性能を確保することができる。
なお、図6及び7に示されるように、ロータリーバルブ31のメイン吸入口38は、ボア内圧力Pbが吸入室25内の圧力と同等になると予想される例えば30°程度の位相でピストン23が吸入行程中のシリンダボア22に対応する導通路35を開き、180°程度の位相で閉口することが好ましい。また、図6に示されるように、大容量運転時にはスプール33によりサブ吸入口39は閉鎖された状態となっているため、位相180°〜360°のピストン23の圧縮行程においてシリンダボア22内のガスがサブ吸入口39を通って吸入ガス側に流入することが防止され、これにより確実に圧縮して優れた性能を保持することができる。
また、図7に示されるように、小容量運転時には、サブ吸入口39が開放された状態にあり、このサブ吸入口39よりピストン23が吸入行程中のシリンダボア22に対応する導通路35が開かれて冷媒ガスが導入されるため、ピストン23の吸入行程の位相が遅れても、図7の位相180°〜230°付近に破線で示されるような圧力損失を生じることが回避され、これにより小容量運転時の容量制御性を向上することができる。
実施の形態2.
図8及び9に、実施の形態2に係るピストン式可変容量圧縮機のロータリーバルブの構造を示す。この実施の形態2は、図1〜4に示した実施の形態1において、ロータリーバルブ31の円筒状部材32が、メイン吸入口38の代わりに、第1の部分51と第2の部分52とからなるメイン吸入口53を有するものである。すなわち、図10(a)及び(b)に示されるように、メイン吸入口53はロータリーバルブ31の円筒状部材32の吸入行程部40に形成されており、その第1の部分51は大容量運転時の流量を確保するために大きな開口面積S1を有し、一方、第2の部分52は、第1の部分51に対して軸方向に隣接して形成され、小容量運転時に圧力変動を抑制するに十分な流量に絞るために小さな開口面積S2を有している。このメイン吸入口53の第1の部分51及び第2の部分52は、各導通路35に対応した軸方向の位置に形成されている。
また、円筒状部材32の吸入室25側の端部近傍にストッパ37が配置されており、このストッパ37と円筒状部材32の底部32aとの間に軸方向に移動自在に配置されたスプール33により、サブ吸入口39だけでなくメイン吸入口53の第1の部分51も選択的に開閉されるように構成されている。また、メイン吸入口53の第2の部分52はスプール33の移動に関わらずに常時開いている。なお、円筒状部材32の周方向に沿って、吸入行程部40にはメイン吸入口53が30°程度から180°程度までの回転位相角に形成されており、圧縮行程部41にはサブ吸入口39が例えば190°程度から230°程度までの回転位相角に形成されている。その他の部分の構造は実施の形態1と同様である。
大容量運転時には、容量制御弁28の開度設定によりクランク室15の圧力Pcが低下されて吸入室25の圧力Psとほぼ等しくなる。このため、吸入室25から円筒状部材32内へ流れ込む吸入ガス流によってスプール33が円筒状部材32内を底部32aに向かって移動する。これにより、図9及び図10(b)に示されるように、メイン吸入口53の第1の部分51及び第2の部分52の双方が開放されて、スプール33によりサブ吸入口39が閉鎖された状態となる。
ピストン23の吸入行程において、吸入行程部40のメイン吸入口53が導通路35と連通することにより冷媒ガスがこれらメイン吸入口53及び導通路35を通ってシリンダボア22内へ流入し、続くピストン23の圧縮行程において圧縮行程部41がこのシリンダボア22に接続された導通路35に対向して導通路35が閉じられ、シリンダボア22内で冷媒ガスが圧縮されて吐出室26へ吐出される。
この大容量運転時には、圧縮行程部41のサブ吸入口39はスプール33により閉鎖されているため、圧縮行程中のシリンダボア22内のガスがサブ吸入口39を通って吸入ガス側に流入することが防止され、これにより確実に圧縮して優れた性能を保持することができる。また、メイン吸入口53は、第1の部分51及び第2の部分52の双方が開放された状態となっているため、その開口面積がS1+S2となり、これにより大容量の吐出が可能となる。また、スプール33にはスプリング等による付勢力は作用していないため、スプール33の移動に際してほとんどエネルギーの損失はなく、大容量運転時の性能が確保される。
一方、小容量運転時には、容量制御弁28の開度設定によりクランク室15の圧力Pcが上昇されて吸入室25の圧力Psより高くなる。このため、スプール33が円筒状部材32内を吸入室25に向かって移動し、図8及び図10(a)に示されるように、サブ吸入口39が開放されると共に、メイン吸入口53の第2の部分52を開放したままスプール33によりメイン吸入口53の第1の部分51が閉鎖された状態となる。
ここで、小容量運転時に斜板18のがたつき等によりピストン23の吸入行程がロータリーバルブ31の回転に対して遅れて、ロータリーバルブ31の吸入行程部40のメイン吸入口53の第2の部分52による導通路35の開口行程に対してピストン23の吸入行程の位相が遅れた領域が発生しても、ロータリーバルブ31の圧縮行程部41のサブ吸入口39が開放されているため、ピストン23の吸入行程が遅れた領域においてサブ吸入口39が導通路35に対向する位置となってこの導通路35を開くことにより、冷媒ガスがサブ吸入口39及び導通路35を通ってシリンダボア22内へ流入する。
したがって、ピストン23の吸入行程がロータリーバルブ31のメイン吸入口53による開口行程に対し遅れて吸入行程中に吸入ガスを吸入することができないという不具合が防止され、上述の実施の形態1と同様に、圧縮機として優れた性能を確保することができる。
また、このときメイン吸入口53の第1の部分51が閉鎖されて第2の部分52のみが解放されているため、その開口面積はS2となる。これにより、吸入ガスの通路が絞られ、吸入脈動による圧力変動の発生を抑制することができる。
なお、上記の実施の形態2では、スプール33の移動に関わらずにメイン吸入口53の第2の部分52が常時開いていたが、これに限るものではなく、スプール33の移動に伴ってサブ吸入口39とメイン吸入口53の第1の部分51と同様に、第2の部分52を開閉するように構成することもできる。
また、上述の実施の形態2において、メイン吸入口53とサブ吸入口39とは互いに独立して形成していたが、その代わりに、メイン吸入口53とサブ吸入口39とを連結して一体に形成しても、実施の形態2と同様の効果が得られる。その場合、円筒状部材32にメイン吸入口53及びサブ吸入口39を容易に作製することができる。同様に、上述の実施の形態1においても、図4(a)及び(b)に示されるメイン吸入口38とサブ吸入口39とを連結して一体に形成することができる。
実施の形態3.
図11に、実施の形態3に係るピストン式可変容量圧縮機のロータリーバルブの構造を示す。この実施の形態3は、図1〜4に示した実施の形態1において、クランク室15の圧力Pcと吸入室25の圧力Psとの差圧によりスプール33を移動させる代わりに、シリンダボア22内の圧力Pbと吸入室25との圧力Psとの差圧を用いてスプール33を移動させるものである。
すなわち、円筒状部材32の底部32aには、ボア内圧検知孔61が開口しており、このボア内圧検知孔61は円筒状部材の外周面において、サブ吸入口39に対して周方向に離間した位置で開口しており、サブ吸入口39が対向するシリンダボア22とは別のシリンダボア22の作動室に連通してそのボア内圧Pbをスプール33の背圧として導入するように構成されている。スプール33には、吸入室25を臨む面に吸入室25の圧力Psが、円筒状部材32の底部32aを臨む反対側の面に他のシリンダボア22の圧力Pbがそれぞれ作用している。その他の部分の構造は実施の形態1と同様である。
大容量運転時には、ボア内圧検知孔61が連通するシリンダボア22内の圧力Pbが吸入室25の圧力Psとほぼ等しくなって、吸入室25から円筒状部材32内へ流れ込む吸入ガス流によりスプール33が円筒状部材32内を底部32aに向かって移動し、このスプール33によりサブ吸入口39が閉鎖されてメイン吸入口38のみが開放された状態となる。一方、小容量運転時には、例えば図7に示されるように、斜板18のがたつき等によりピストン23の吸入行程の位相がロータリーバルブ31の回転に対し遅れるので、ボア内圧検知孔61を介して円筒状部材32内へ導入されるシリンダボア22内の圧力Pbと吸入室25の圧力Psとの差圧ΔPを利用しやすく、この差圧ΔPによりスプール33がストッパ37で停止するまで円筒状部材32内を吸入室25に向かって移動してメイン吸入口38及びサブ吸入口39が共に開放された状態となる。
このように小容量運転時にはサブ吸入口39が開放されているため、斜板18のがたつき等によりピストン23の吸入行程の位相がロータリーバルブ31のメイン吸入口38による開口行程に対し遅れて吸入行程中に吸入ガスを吸入することができないという不具合が防止される。また、大容量運転時にはサブ吸入口39が閉鎖された状態となっているため、確実に圧縮して優れた性能を保持することができる。これにより、上述の実施の形態1と同様の効果を得られる。
同様に、上述の実施の形態2においても、クランク室15の圧力Pcと吸入室25の圧力Psとの差圧の代わりに、シリンダボア22内の圧力Pbと吸入室25との圧力Psとの差圧を用いてスプール33を移動させることができる。
なお、上述の実施の形態1〜3において、サブ吸入口39は、ロータリーバルブ31の円筒状部材32において、圧縮行程部41から吸入行程部40への移行点を0°として、この移行点から180°〜270°の回転位相角の範囲内に形成されていることが好ましく、また、圧縮行程部41から吸入行程部40への移行点から180°〜250°の回転位相角の範囲内に形成されていることがより好ましい。
なお、上記の実施の形態1及び3においては、円筒状部材32の内周面にメイン吸入口38及びサブ吸入口39を開口させ、円筒状部材32内を円筒状のスプール33が移動することによりサブ吸入口39を開閉したが、これに限るものではなく、駆動シャフト16に同期して回転すると共に軸方向に移動自在に配置されたスプールにサブ吸入口を開口形成し、このスプールを移動させることによりサブ吸入口を開閉する構造とすることもできる。
また、上記の実施の形態2において、円筒状部材32の内周面にメイン吸入口53及びサブ吸入口39を開口させ、円筒状部材32内を円筒状のスプール33が移動することによりメイン吸入口53の第1の部分51とサブ吸入口39とをそれぞれ開閉したが、これに限るものではなく、駆動シャフト16に同期して回転すると共に軸方向に移動自在に配置されたスプールに第1の部分及び第2の部分を有するメイン吸入口とサブ吸入口とを開口形成し、このスプールを移動させることによりメイン吸入口の第1の部分とサブ吸入口とをそれぞれ開閉する構造とすることもできる。
この発明の実施の形態1に係るピストン式可変容量圧縮機の構造を示す断面図である。 実施の形態1における小容量運転時のロータリーバルブの様子を示す断面図である。 実施の形態1における大容量運転時のロータリーバルブの様子を示す断面図である。 (a)は実施の形態1における小容量運転時のロータリーバルブの周方向の展開図を示し、(b)は実施の形態1における大容量運転時のロータリーバルブの周方向の展開図を示す。 実施の形態1における小容量運転時のピストンの行程とロータリーバルブによる吸入ガス流路の開閉行程との様子を示す図である。 実施の形態1における大容量運転時のロータリーバルブの回転位相角とシリンダボア内の圧力との関係を示すグラフである。 実施の形態1における小容量運転時のロータリーバルブの回転位相角とシリンダボア内の圧力との関係を示すグラフである。 実施の形態2における小容量運転時のロータリーバルブの様子を示す断面図である。 実施の形態2における大容量運転時のロータリーバルブの様子を示す断面図である。 (a)は実施の形態2における小容量運転時のロータリーバルブの周方向の展開図を示し、(b)は実施の形態2における大容量運転時のロータリーバルブの周方向の展開図を示す。 実施の形態3における小容量運転時のロータリーバルブの様子を示す断面図である。 従来のピストン式可変容量圧縮機における通常時のピストンの行程とロータリーバルブによる吸入ガス流路の開閉行程との様子を示す図である。 従来のピストン式可変容量圧縮機における斜板のがたつき発生時のピストンの行程とロータリーバルブによる吸入ガス流路の開閉行程との様子を示す図である。
符号の説明
11 シリンダブロック、12 フロントハウジング、13 弁形成体、14 リヤハウジング、15 クランク室、16 駆動シャフト、17 回転支持体、18 斜板、22 シリンダボア、23 ピストン、25 吸入室、26 吐出室、27,34 連通路、28 容量制御弁、30 バルブ収容室、31 ロータリーバルブ、32 円筒状部材、32a 底部、33 スプール、35 導通路、37 ストッパ、38,53 メイン吸入口、39 サブ吸入口、40 吸入行程部、41 圧縮行程部、51 第1の部分、52 第2の部分、61 ボア内圧検知孔。

Claims (6)

  1. 駆動シャフトの周囲に配列された複数のシリンダボア内にそれぞれピストンを収容し、ピストンが吸入行程にあるシリンダボアに対応する導通路を開いてシリンダボア内の作動室に吸入ガスを導入するためのメイン吸入口が形成された吸入行程部と、ピストンが圧縮行程にあるシリンダボアに対応する導通路を閉じる圧縮行程部と、を有するロータリーバルブを駆動シャフトに同期して回転可能に配置すると共に、シリンダボア内のピストンのストロークを調整することにより容量が可変制御されるピストン式可変容量圧縮機において、
    ロータリーバルブは、圧縮行程部に形成されたサブ吸入口と、軸方向に移動してサブ吸入口を開閉するスプールとを有し、
    小容量運転時に前記スプールを移動させてサブ吸入口を開放することによりロータリーバルブの回転に対してピストンの吸入行程が遅れたシリンダボアに対応する導通路とサブ吸入口とを連通させてそのシリンダボア内の作動室に吸入ガスを導入し、
    大容量運転時には前記スプールを移動させてサブ吸入口を閉鎖する
    ことを特徴とするピストン式可変容量圧縮機。
  2. ロータリーバルブのメイン吸入口は、大容量運転時の流量を確保するための第1の部分と小容量運転時に圧力変動を抑制するのに十分な流量に絞るための第2の部分とを有し、小容量運転時にはサブ吸入口とメイン吸入口の第2の部分とが開放されると共にメイン吸入口の第1の部分が前記スプールにより閉鎖され、大容量運転時にはメイン吸入口の第1の部分及び第2の部分が共に開放されると共にサブ吸入口が前記スプールにより閉鎖される請求項1に記載のピストン式可変容量圧縮機。
  3. 前記スプールは、吸入室の圧力とクランク室の圧力との差圧により移動される請求項1または2に記載のピストン式可変容量圧縮機。
  4. 前記スプールは、吸入室の圧力とシリンダボア内の圧力との差圧により移動される請求項1または2に記載のピストン式可変容量圧縮機。
  5. ロータリーバルブは、駆動シャフトに同期して回転すると共にサブ吸入口が形成された円筒状部材を有し、前記スプールは前記円筒状部材内を軸方向に移動自在に配置された請求項1〜4のいずれか一項に記載のピストン式可変容量圧縮機。
  6. 前記スプールは、駆動シャフトに同期して回転すると共に軸方向に移動自在に配置され、サブ吸入口は前記スプールに形成された請求項1〜4のいずれか一項に記載のピストン式可変容量圧縮機。
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JP2007309198A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Sanden Corp 斜板式圧縮機

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JP2007309198A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Sanden Corp 斜板式圧縮機

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