JP2006037844A - 可変圧縮比機構の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、可変圧縮比機構の駆動トルクを過剰に増加させることなく該可変圧縮比機構を適正に動作させることができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、偏心カム軸の回転角度を変更することによってクランクケースに対するシリンダブロックの相対位置を変化させる可変圧縮比機構の制御方法であり、内燃機関の燃焼圧が高く且つ偏心カム軸の回転角度が高圧縮比を実現する角度にあるときは、内燃機関の燃焼圧が低く且つ偏心カム軸の回転角度が低圧縮比を実現する角度にあるときに比べて、偏心カム軸の回転速度を高くすることにより、摩擦係数の低下と潤滑状態の向上を図ることを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構に関し、特に可変圧縮比機構の好適な制御方法に関する。
近年、圧縮比を変更するための可変圧縮比機構を備えた内燃機関が提案されている。可変圧縮比機構としては、クランクケースに対してシリンダブロックがシリンダ軸方向にスライド自在に構成されるとともに、これらシリンダブロックとクランクケースが偏心シャフトを介して連結され、偏心シャフトの回転位置を変更することによってシリンダブロックを変位させる機構が知られている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2003−206771号公報
ところで、可変圧縮比機構では、可変圧縮比機構の動作位置と内燃機関の運転状態によって可変圧縮比機構にかかる荷重が変化する。例えば、前述した従来の可変圧縮比機構では、偏心シャフトの回転位置や内燃機関の燃焼圧によって偏心シャフトの軸受けに作用する荷重が変化するため、偏心シャフトとその軸受けとの摩擦係数が変化する。
偏心シャフトと軸受けとの摩擦係数が変化すると、偏心シャフトの回転に要するトルクが過剰に大きくなり、或いは偏心シャフトが回転不良に陥る等の不具合が誘発される可能性がある。
本発明は、上記したような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は可変圧縮比機構の駆動トルクを過剰に増加させることなく該可変圧縮比機構を適正に動作させることができる技術を提供することにある。
本発明は上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明の特徴は、内燃機関の圧縮比を変更する際に回転摺動動作を伴う可変圧縮比機構の制御方法であって、可変圧縮比機構の摺動部の潤滑状態がストライベック線図における流体潤滑領域にあるときは摺動部の回転速度を低下させ、境界潤滑領域又は混合潤滑領域にあるときは摺動部の回転速度を増加させることを特徴とする。
ストライベック線図は、摺動部の摩擦係数:μと潤滑特性値(=η・V/P,η:潤滑油の粘度、V:摺動部の回転速度、P:摺動部に作用する荷重)の関係を示す特性図である。
ストライベック線図の境界潤滑領域及び混合潤滑領域では、潤滑特性値:η・V/Pが小さくなるほど摩擦係数:μが大きくなる。すなわち、境界潤滑領域及び混合潤滑領域では、動作速度:Vが高くなるほど摩擦係数:μが小さくなる。
ストライベック線図の流体潤滑領域では、潤滑特性値:η・V/Pが小さくなるほど摩擦係数:μが小さくなる。すなわち、流体潤滑領域では、動作速度:Vが低くなるほど摩擦係数:μが小さくなる。
従って、摺動部の潤滑状態がストライベック線図における境界潤滑領域又は混合潤滑領
域にあるときに摺動部の回転速度:Vが高められると摺動部の摩擦係数:μが減小し、流体潤滑領域にあるときに摺動部の回転速度:Vが低められると摺動部の摩擦係数:μが減小する。
この結果、摺動部の回転動作に要する駆動トルクが低減されるとともに、摺動部の耐久性が向上する。
尚、摺動部の回転速度を制御する場合には、摺動部の摩擦係数:μが所定値以下となるように回転速度:Vが制御されるようにしてもよい。その際の所定値は、適当な駆動トルクが可変動機構に入力されたときに、該可変圧縮比機構が応答遅れなく動作可能な値とすることが好ましい。
このように摩擦係数:μが所定値以下となるように摺動部の回転速度:Vが制御されれば、比較的小さな駆動トルクにより可変圧縮比機構を適正に動作させることが可能となる。
また、ストライベック線図の流体潤滑領域では、摺動部に作用する荷重:Pが小さくなるほど摩擦係数:μが大きくなるため、荷重:Pが小さくなるほど回転速度:Vを低くするようにしてもよい。一方、ストライベック線図の境界潤滑領域及び混合潤滑領域では、摺動部に作用する荷重:Pが大きくなるほど摩擦係数:μが大きくなるため、荷重:Pが大きくなるほど回転速度:Vを高くするようにしてもよい。
本発明において、可変圧縮比機構が偏心カム軸の回転角度を変更することによってクランクケースに対するシリンダブロックの相対位置を変化させる機構である場合は、偏心カム軸の回転角度をパラメータとして該偏心カム軸の回転速度が定められるようにしてもよい。
ストライベック線図の流体潤滑領域においては、荷重:Pが小さくなる(潤滑特性値:η・V/Pが大きくなる)ほど軸受け部の摩擦係数:μが大きくなる。これに対し、荷重:Pが小さくなるほど偏心カム軸の回転速度:Vが低くされれば、それに応じて潤滑特性値:η・V/Pも小さくなるため、軸受け部の摩擦係数:μを小さくすることが可能である。
ストライベック線図の境界潤滑領域又は混合潤滑領域においては、荷重:Pが大きくなる(潤滑特性値:η・V/Pが小さくなる)ほど軸受け部の摩擦係数:μが大きくなる。これに対し、荷重:Pが大きくなるほど偏心カム軸の回転速度:Vが高められれば、それに応じて潤滑特性値:η・V/Pも大きくなるため、軸受け部の摩擦係数:μを小さくすることが可能である。
従って、軸受け部の荷重:Pが大きくなるほど偏心カム軸の回転速度:Vが高められれば、軸受け部の摩擦係数:μを小さくすることができる。
偏心カム軸の回転角度を変更することによってクランクケースに対するシリンダブロックの相対位置を変化させる可変圧縮比機構では、偏心カム軸の軸受け部に作用する荷重:Pが圧縮比に応じて変化する。例えば、圧縮比が高くなるほど荷重:Pが大きくなり、圧縮比が低くなるほど荷重:Pが小さくなる。
そこで、偏心カム軸の回転角度が高圧縮比を実現する角度にある時は低圧縮比を実現する角度にある時より偏心カム軸の回転速度:Vを高くなるようにすれば、軸受け部の摩擦係数:μを小さくすることが可能となる。
尚、偏心カム軸の軸受け部に作用する荷重は、内燃機関の燃焼圧によっても変化する。例えば、軸受け部の荷重:Pは燃焼圧が高くなるほど大きくなり、燃焼圧が低くなるほど小さくなる。
従って、燃焼圧が高く且つ偏心カム軸の回転角度が高圧縮比を実現する角度にあるときは、燃焼圧が低く且つ偏心カム軸の回転角度が低圧縮比を実現する角度にあるときに比して、偏心カム軸の回転速度:Vが高められれば、軸受け部の摩擦係数:μを小さくすることができる。
本発明に係る可変圧縮比機構の制御方法によれば、可変圧縮比機構の摺動部の摩擦係数を減小させることができるため、可変圧縮比機構の駆動トルクを過剰に増大させることなく可変圧縮比機構を適正に動作させることができる。更に、摩擦係数の減小により摺動部の耐久性も向上する。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用する内燃機関1の概略構成を示す図である。内燃機関1は、シリンダブロック2とクランクケース3とシリンダヘッド4を備えている。
シリンダブロック2は、クランクケース3に対してシリンダ20軸方向へ変位自在に取り付けられている。シリンダブロック2とクランクケース3の接続部には、シリンダブロック2を変位させるための変位機構5と、変位機構5を駆動するためのアクチュエータ50が設けられている。変位機構5とアクチュエータ50は本発明に係る可変圧縮比機構に相当する。
図2は、変位機構5とアクチュエータ50の構成を示す図である。シリンダブロック2の両側下部に複数の隆起部が形成されており、この各隆起部にカム収納孔6が形成されている。これらのカム収納孔6は、シリンダ配列方向に平行に且つ同一軸線上に形成されている。
クランクケース3には、上述したカム収納孔6が形成された複数の隆起部の間に位置するように、立壁部が形成されている。各立壁部のクランクケース3外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。各立壁部には、半円形の凹部を有するキャップ7がボルトによって固定される。立壁部とキャップ7が固定されると、双方の凹部によって円形の軸受収納孔8が形成される。軸受収納孔8の内径はカム収納孔6と同径である。
このように構成されたシリンダブロック2とクランクケース3が連結されると、シリンダブロック2及びクランクケース3の両側面にはカム収納孔6と軸受収納孔8が交互に配置された連通孔が形成される。これらの連通孔には、偏心カム軸5が各々挿通される。
各偏心カム軸5は、一本の軸部5aと、複数のカム部5b及び可動軸受部5cを備えている。カム部5bは、正円形のカムプロフィールを有し、軸部5aに偏心固定される。可動軸受部5cは、カム部5bと同一形状を有し、軸部5aに対して回転自在に取り付けられる。
尚、カム部5bと可動軸受部5cは、カム部5bが前記カム収納孔6に収容され且つ可動軸受部5cが前記軸受収納孔8に収容されるように交互に配置されるものとする。
このように構成された偏心カム軸5の一端にはアクチュエータ50が設けられている。アクチュエータ50は、各偏心カム軸5の軸部5aの一端に固定されるウォームホイール51a、51bと、各ウォームホイール51a、51bに噛み合うウォーム52a、52bと、ウォーム52a、52bを回転駆動するモータ53を備えている。
尚、ウォームホイール51a、51bの中心は、軸部5aの中心軸からオフセットされ、且つカム部5bの中心と一致している。また、ウォーム52a、52bの螺旋溝は互いに逆方向に形成され、モータ53の回転により2本の偏心カム軸5が互いに逆回転するようになっている。
ここで図1に戻り、変位機構5には、軸部5aの回転角度を検出する回転角センサ9が取り付けられている。回転角センサ9は、電子制御ユニット(ECU)100と電気的に接続されている。
ECU11は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される算術論理演算回路であり、上記した回転角センサ9の出力信号や内燃機関1の運転状態に基づいてモータ53を制御する。
ここで、モータ53の基本的な制御方法について図3に基づいて説明する。図3において、a、b、及びcは、軸部5aの中心、カム部5bの中心、及び可動軸受部5cの中心を各々表している。
図3中の(a)は、圧縮比が最も高くなる状態、言い換えればシリンダブロック2が下死点側へ最も変位した状態を示している。この場合、全てのカム部5b及び可動軸受部5cの中心b、cが同一軸線上に位置するとともに、それらカム部5b及び可動軸受部5cの外周面が軸方向において一致する。これに対応して、カム収納孔6及び軸受収納孔8の中心も互いに一致している。
ECU11は、図3(a)の状態から圧縮比を低下させる場合には、2本の偏心カム軸5が図中の矢印方向へ回転するようにモータ53を制御する。図3(b)は偏心カム軸5が図3(a)の状態から凡そ45°回転した状態を示している。この場合、カム部5bの中心bが可動軸受部5cの中心cに対して上死点側へオフセットされ、それに応じてカム部5bの外周面も可動軸受部5cの外周面に対して上死点側へオフセットされる。
カム部5bが可動軸受部5cに対して上死点側へオフセットされると、カム収納孔6も軸受収納孔8に対して上死点側へオフセットされるため、シリンダブロック2がクランクケース3に対して上死点側へ変位する。その結果、燃焼室容積が拡大するため、内燃機関1の圧縮比が低下する。
ECU11が2本の偏心カム軸5を図中の矢印方向へ更に回転させるようモータ53を制御すると、カム部5bと可動軸受部5cのオフセット量が更に増加し、それに応じて圧縮比が一層低くなる。図3(c)は、偏心カム軸5が図3(a)の状態から90°回転した状態を示している。
このとき、軸部5aの中心aとカム部5bの中心bと可動軸受部5cの中心cとがシリンダ軸方向に一列に並び、カム部5bと可動軸受部5cのオフセット量が最大となる。すなわち、偏心カム軸5が図3(a)の状態から90°回転したときに、シリンダブロック2の上死点側への変位量が最大となる。その結果、内燃機関1の圧縮比が最も低くくなる。
尚、図3(b)、(c)の状態から圧縮比を上昇させる場合には、ECU11はモータ53を逆回転させて2本の偏心カム軸5が図3中の矢印方向と逆方向へ回転するようにすればよい。
上述したような変位機構5及びアクチュエータ50によれば、シリンダブロック2がシリンダ軸方向へ変位自在となり、それに応じて内燃機関1の圧縮比が自在に変更されることとなる。
ところで、内燃機関1の圧縮比を適正に変更するためには、偏心カム軸5を円滑に回転させる必要がある。このため、上述したような変位機構5では、偏心カム軸5の軸受けとして機能するカム収納孔6及び軸受収納孔8(以下、軸受け部と総称する)には潤滑油が供給される。
しかしながら、偏心カム軸5の回転角度や内燃機関1の運転状態(燃焼圧)によって前記軸受け部の潤滑状態が不適切となり、モータ53の駆動電力が過剰に増加し、或いは偏心カム軸5の回転不良等が生じる可能性がある。
ここで、軸受け部のストライベック線図を図4に示した。図4中の縦軸は軸受け部の摩擦係数:μを表し、横軸は軸受け部の潤滑特性値を表している。
潤滑特性値は、偏心カム軸5から軸受け部へ作用する荷重:Pと潤滑油の粘度:ηと偏心カム軸5の回転速度:Vとの関数:η・V/Pで表され、潤滑油の膜厚に相当する値である。
ストライベック線図は、潤滑特性値:η・V/Pの大きさ(潤滑油の膜厚)に応じて流体潤滑領域と混合潤滑領域と境界潤滑領域とに区画される。
流体潤滑領域は、潤滑特性値:η・V/Pが比較的大きくなる(潤滑油の膜厚が比較的厚くなる)領域である。この流体潤滑領域では、潤滑特性値:η・V/Pが小さくなるほど摩擦係数:μが小さくなる。言い換えれば、流体潤滑領域では、荷重:Pが大きくなるほど摩擦係数:μが小さくなる。
混合潤滑領域は、潤滑特性値:η・V/Pが比較的小さくなる(潤滑油の膜厚が比較的薄くなる)領域である。この混合潤滑領域では、潤滑特性値:η・V/Pが小さくなるにつれて摩擦係数:μが急激に大きくなる。言い換えれば、混合潤滑領域では、荷重:Pが大きくなるにつれて摩擦係数:μが急激に増大する。
境界潤滑領域は、潤滑特性値:η・V/Pが非常に小さくなる(潤滑油の膜厚が殆ど零になる)領域である。この領域では、潤滑特性値:η・V/Pの大小にかかわらず摩擦係数:μが最大となる。
このようなストライベック線図によれば、潤滑特性値:η・V/Pが混合潤滑領域にあるときはモータ53の駆動トルクが過剰に大きくなる可能性がある。そして、潤滑特性値:η・V/Pが境界潤滑領域にあるときは偏心カム軸5が回転困難になる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、ECU100は、潤滑特性値:η・V/Pが境界潤滑領域に入らず且つ摩擦係数:μが所定値以下となるように偏心カム軸5の回転速度:V、言い換えればモータ53の回転速度を制御するようにした。
以下、モータ53の回転速度を制御する具体的な方法について図5に基づいて説明する
。図5はモータ回転速度制御ルーチンを示すフローチャートである。このモータ回転速度制御ルーチンは、予めECU100のROMに記憶されているルーチンであり、ECU100が所定時間毎に繰り返し実行するルーチンである。
モータ回転速度制御ルーチンでは、ECU100は先ずS101において内燃機関1の運転状態を検出する。具体的には、ECU100は、アクセル開度、機関回転数、或いは燃料噴射量などを入力する。
S102では、ECU100は、S101で検出された運転状態に基づいて目標圧縮比:εを演算する。この場合の目標圧縮比:εは偏心カム軸5の回転角度で表される。
S103では、ECU100は、回転角センサ9の出力信号(現時点における偏心カム軸5の回転角度):θを入力する。
S104では、ECU100は、前記S101で検出された内燃機関1の運転状態と前記S102で算出された目標圧縮比:εと前記S103で入力された偏心カム軸5の回転角度:θとをパラメータとして、偏心カム軸5を回転角度:θから目標圧縮比:εまで回転する際のモータ53の回転速度:Vmを決定する。
前述の図4の説明で述べたように、軸受け部の摩擦係数:μは荷重:Pによって変化する。軸受け部の荷重:Pは、内燃機関1の燃焼圧と偏心カム軸5の回転角度と相関がある。
図6は、軸受け部に作用する荷重:Pと偏心カム軸5の回転角度:θと内燃機関1の燃焼圧との関係を示す図である。尚、偏心カム軸5の回転角度は、圧縮比が最も低いとき(すなわち、前述した図3(a)の状態のとき)の回転角度を0°とし、圧縮比が最も高いとき(すなわち、前述した図3(c)の状態のとき)の回転角度を90°としている。
図6において、荷重:Pは、偏心カム軸5の回転角度:θの増加に伴い非線形で増加する。特に偏心カム軸5の回転角度:θが90°に近づくにつれて荷重:Pの増加率が大きくなっている。更に、荷重:Pは内燃機関1の燃焼圧が高くなるほど大きくなる。
そこで、ECU100は、図7に示すマップに従って、偏心カム軸5を回転角度:θから目標圧縮比:εまで回転する際のモータ53の回転速度:Vmを定める。
図7のマップでは、燃焼圧が高く且つ回転角度:θが大きくなる(軸受け部の荷重:Pが大きくなる)ほどモータ53の回転速度:Vmが高くなり、燃焼圧が低く且つ回転角度:θが小さくなる(軸受け部の荷重:Pが小さくなる)ほどモータ53の回転速度:Vmを低くなっている。
図7のマップによれば、軸受け部の潤滑状態がストライベック線図の何れの領域にあっても、軸受け部の摩擦係数:μを小さくすることが可能となる。
例えば、ストライベック線図の流体潤滑領域においては、荷重:Pが小さくなる(潤滑特性値:η・V/Pが大きくなる)ほど軸受け部の摩擦係数:μが大きくなるため、荷重:Pが小さくなるほど偏心カム軸5の回転速度:Vが低くされれば、それに応じて潤滑特性値:η・V/Pも小さくなり、以て軸受け部の摩擦係数:μが小さくなる。
また、ストライベック線図の境界潤滑領域又は混合潤滑領域においては、荷重:Pが大きくなる(潤滑特性値:η・V/Pが小さくなる)ほど軸受け部の摩擦係数:μが大きく
なるため、荷重:Pが大きくなるほど偏心カム軸5の回転速度:Vが高められれば、それに応じて潤滑特性値:η・V/Pも大きくなり、以て軸受け部の摩擦係数:μが小さくなる。
尚、図7のマップに示されるモータ53の回転速度:Vmは、軸受け部の摩擦係数:μが所定値(好ましくは0.1程度)以下となり、且つ、ストライベック線図における潤滑特性値:η・V/Pが可能な限り流体潤滑領域に入るようにるように定められている。
ここで図5に戻り、ECU100は、S105において前記S104で定められたモータ53の回転速度:Vmに従ってモータ53を制御する。
以上述べた実施の形態によれば、軸受け部の摩擦係数:μが低下するとともに潤滑油の膜厚が適正な厚さになるため、モータ53の駆動電力が過剰に増加することがなくなるとともに偏心カム軸5や軸受け部の耐久性が向上する。
尚、上述したモータ回転制御によれば、荷重:Pが比較的小さいときにモータ53の回転速度:Vmが低くされるため、圧縮比切換の所要時間が長くなる可能性がある。そのような場合には、摩擦係数:μが所定値より十分に小さい領域においてモータ53の回転速度:Vmを高めることで所要時間の延長を抑制するようにしてもよい。
本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図 変位機構とアクチュエータの構成を示す図 変位機構の動作を説明する図 偏心カム軸の軸受け部における潤滑特性を示すストライベック線図 モータ回転制御ルーチンを示すフローチャート 軸受け部に作用する荷重と偏心カム軸の回転角度と燃焼圧との関係を示す図 モータ回転速度の制御マップを示す図
符号の説明
1・・・・内燃機関
2・・・・シリンダブロック
3・・・・クランクケース
5・・・・変位機構
6・・・・カム収納孔
8・・・・軸受収納孔
50・・・アクチュエータ
500・・偏心カム軸

Claims (4)

  1. 内燃機関の圧縮比を変更する際に回転摺動動作を伴う可変圧縮比機構の制御方法であり、
    前記可変圧縮比機構の摺動部の潤滑状態がストライベック線図における流体潤滑領域にあるときは前記摺動部の回転速度を低下させ、境界潤滑領域又は混合潤滑領域にあるときは前記摺動部の回転速度を増加させることを特徴とする可変圧縮比機構の制御方法。
  2. 請求項1において、前記摺動部の摩擦係数が所定値以下になるように前記摺動部の回転速度を制御することを特徴とする可変圧縮比機構の制御方法。
  3. 偏心カム軸の回転角度を変更することによってクランクケースに対するシリンダブロックの相対位置を変化させる可変圧縮比機構の制御方法であり、
    前記偏心カム軸の回転角度をパラメータとして前記偏心カム軸の回転速度を増減させることを特徴とする可変圧縮比機構の制御方法。
  4. 請求項3において、前記偏心カム軸の回転角度に加え前記内燃機関の燃焼圧をパラメータとして前記偏心カム軸の回転速度を増減することを特徴とする可変圧縮比機構の制御方法。
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