JP2006037700A - 擁壁用ブロック及び擁壁構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 擁壁(擁壁用ブロックを使用したもの及び現場打ちしたもの)の背面の透水層として、従来では一般に砕石を充填した砕石層を用いているが、この砕石層を設けるには、仕切り型枠の組立て、砕石の充填・締め固め、土壌充填後の仕切り型枠の取外し等の作業が必要であった。
【解決手段】 ブロック本体2(又は現場打ちコンクリート躯体)の背面12に上下方向に向く水案内用の凹溝16を形成しているとともに、該凹溝16を被覆し得る面状透水材3(又は凹溝16内に嵌入される棒状透水材3A)を有しているので、構築した擁壁背面側に砕石層が不要しなり、且つブロック本体(又は現場打ちコンクリート躯体)の背面の凹溝が土壌中の水の案内通路となって、擁壁背面の水を迅速に排出し得る。
【選択図】 図1
【解決手段】 ブロック本体2(又は現場打ちコンクリート躯体)の背面12に上下方向に向く水案内用の凹溝16を形成しているとともに、該凹溝16を被覆し得る面状透水材3(又は凹溝16内に嵌入される棒状透水材3A)を有しているので、構築した擁壁背面側に砕石層が不要しなり、且つブロック本体(又は現場打ちコンクリート躯体)の背面の凹溝が土壌中の水の案内通路となって、擁壁背面の水を迅速に排出し得る。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、道路側面や造成土地側面あるいは山肌等における土砂の崩壊を防止するのに使用される擁壁用ブロック、及びその擁壁用ブロックを使用して構築した擁壁構造、又は現場打ちによって構築した擁壁構造に関するものである。
例えば山肌等に構築される擁壁は、コンクリート成型品からなる複数個の擁壁用ブロックを上下・左右に組付けて構築したり、擁壁構築場所において現場打ちして構築したりしている。
図25には、擁壁用ブロックとして間知ブロック1を使用した一般的な擁壁(もたれ式擁壁)を示しているが、このもたれ式擁壁は、基礎コンクリート4上に複数個の間知ブロック1,1・・を上下・左右に組付け、各間知ブロック1,1・・を胴込めコンクリート7で固着し、その裏側に裏込めコンクリート層8を打設し、さらにその裏込めコンクリート層8の裏側に砕石を充填(砕石層5を形成)した後、該砕石層5の裏側に土壌6を埋戻して完成させている。
この種の間知ブロック1の積み上げ作業は、所定小高さずつ行われるが、その際、間知ブロック1の裏側に型枠を組立てて胴込めコンクリート7及び裏込めコンクリート8用の生コンクリートを充填し、該生コンクリートが固化するのを待ってその型枠を解体し、続いて裏込めコンクリート8の裏側に砕石層5用の仕切り型枠を組立ててその仕切り型枠内に20〜30cm高さずつ砕石を投入しながら振動機で締め固め、さらに該仕切り型枠の裏側に埋戻し土壌6を20〜30cm高さずつ投入しながら振動機で締め固めた後、該仕切り型枠を抜き外すことで、1段の構築が完了し、順次同様の作業を繰り返して最終高さまで擁壁を構築する。尚、間知ブロックを使用したもたれ式擁壁として、例えば特許文献1(特開2000−355949号公報)に示されるものがある。
又、図26には、現場打ちによって構築された一般的な擁壁(重力式擁壁)を示しているが、この重力式擁壁は、擁壁構築場所において基礎コンクリート4上に型枠を組立て、該型枠内に生コンクリートを充填して、該生コンクリートが固化した後に型枠を解体すればコンクリート躯体10を構築できる。尚、この種の現場打ちコンクリート躯体10は、一般に適宜小高さずつ複数回に分けて構築される。又、このコンクリート躯体10の背面側には透水用の砕石層5が設けられ、該砕石層5の裏側に埋戻し土壌6が充填される。
ところで、図25及び図26に示す各擁壁には、擁壁裏側に溜まる水(浸透水)を擁壁外側に排出する水抜き機構が必要であるが、この従来例の各擁壁では、上下・左右に適宜間隔をもって複数箇所に水抜き管9,9・・を埋設している。図25のもたれ式擁壁の水抜き管9は、間知ブロック1、胴込めコンクリート7及び裏込めコンクリート8を貫通して、擁壁前面から砕石層5に達しており、図26の重力式擁壁の水抜き管9は、コンクリート躯体10を貫通してコンクリート躯体の前面から砕石層5に達している。
図25及び図26の各砕石層5は、土壌6中の水が擁壁背面に溜まらないようにするための透水層となるもので、土壌6中の水が該透水層(砕石層5)に達すると水の流動性が良くなって、該水がスムーズに水抜き管9内に流入する(擁壁外側に排出される)。尚、擁壁背面に透水層(砕石層5)が無いと(図25の裏込めコンクリート8又は図26のコンクリート躯体10に直接、土壌6が接していると)、擁壁背面の土壌6中に多量の水を含んだままとなり、該水がスムーズに水抜き管9内に流入しなくなって、擁壁背面側の圧力(土圧+水圧)が高くなる(擁壁崩壊の危険が生じる)。
ところが、図25に示すような間知ブロック1を使用した擁壁、あるいは図26に示すような現場打ちによる擁壁では、裏込めコンクリート8(図25)の裏側あるいはコンクリート躯体10(図26)の背面側にそれぞれ砕石層5を設けて土壌6中の浸透水をスムーズに水抜き管9内に流入させ得るようにしているが、この各砕石層5を形成するには、次のような作業を必要とする。即ち、図25の場合は、間知ブロック1を1段積み上げるごとに、裏込めコンクリート8の裏側に仕切り型枠を組立て、その仕切り型枠内に20〜30cm高さずつ砕石を投入しながら振動機で締め固め、該仕切り型枠の裏側に埋戻し土壌6を20〜30cm高さずつ投入しながら振動機で締め固めた後、該仕切り型枠を抜き外すという作業が必要である。又、図26の場合でも同様に、所定小高さずつ、砕石層5用の仕切り型枠の組立て、砕石投入、砕石締め固め、仕切り型枠抜き外し等の作業が必要である。
従って、擁壁背面に砕石層5を設けた擁壁では、該砕石層5を形成するための作業が繁雑であるとともに、工期が長期化するという問題があった。特に、構築すべき擁壁の裏面に切り土面が迫っている箇所では、砕石層5を形成するための作業スペースが狭くなるので、砕石層形成作業が一層しにくくなる。又、擁壁裏側に砕石層5を設ける場合には、擁壁構築位置の裏側に形成すべき切り土部(空間部)として砕石層5の厚さ分(砕石層5は通常30cm程度の厚さが必要)を余分に掘削・排土する必要があり、その切り土部の掘削・排土量が多くなるという問題もある。
尚、従来から、空積みブロック擁壁と称される擁壁もあるが、この場合は、各ブロックの裏面側に裏込めコンクリート層はないものの、擁壁背面には砕石層が設けられる。この場合の砕石層も上記と同様に形成されるため、砕石層形成用の作業が繁雑であり且つ工期が長期化するという問題は同じである。
本願発明は、上記した擁壁の問題点に鑑み、擁壁の背面側に砕石層を無くすことができるようにした擁壁用ブロック及び擁壁構造を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明は、コンクリート成型品からなる擁壁用ブロックを対象にしている。そして、この請求項1の擁壁用ブロックは、ブロック本体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝を被覆し得るマット又はシート等の面状透水材を有していることを特徴としている。
本願請求項1の発明は、コンクリート成型品からなる擁壁用ブロックを対象にしている。そして、この請求項1の擁壁用ブロックは、ブロック本体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝を被覆し得るマット又はシート等の面状透水材を有していることを特徴としている。
ブロック本体としては、例えばもたれ式擁壁や土止め壁等として使用する比較的小型のもの、重力式擁壁として使用する大型のもの等の適宜の大きさのものを採用できる。又、ブロック本体の形状としては、内部に空所を有する箱型のもの、内部に空所のない中実のもの、板状のもの、L型(あるいは逆T型)のもの等が採用できる。このブロック本体は、背面が平坦面であるものが使用される。尚、このブロック本体は、水抜き管のないものと、水抜き管を埋設したものとを製作できる。
ブロック本体の背面に形成される凹溝は、該ブロック本体背面に達した水を流下させる通路となるものであり、該背面に適数本形成されている。尚、この凹溝は、1つのブロック体の背面に少なくとも1箇所あればよいが、例えば10〜50cm間隔で複数本形成するとよい。又、この凹溝の大きさは、特に限定するものではないが、溝幅が2〜5cmで溝深さが2〜3cm程度のものが好ましい。尚、この凹溝は、鉛直方向だけでなく斜め方向に向けて形成したものでもよいが、各擁壁用ブロックを上下に積み重ねたときに上下の擁壁用ブロックの各凹溝同士が連続するようにすることが好ましい。
面状透水材には、比較的厚さのあるマット状のものや薄いシート状のもの等が採用できる。マット状の面状透水材としては、例えば線径が2mm程度の合成樹脂線材を立体網状に絡め合わせて、3〜5cm厚さの面状に成形したものが使用できる。尚、以下の説明では、マット状の面状透水材を透水マットということがある。該透水マットは、その表面を透水性があり且つ土壌の侵入を阻止し得るシート(例えば不織布シート)で被覆したものが好ましい。尚、この透水マットは、自然状態で80〜95%程度の空隙率を有しており、使用時に土圧で圧縮されても50%以上の空隙が残留するようになっている。又、シート状の面状透水材としては、例えば合成樹脂繊維製織物や合成樹脂シートのような耐水性と耐腐食性を有し且つ比較的強靭で透水性を有するもの(織物でも多孔質シートでもよい)が採用できる。
このマット又はシート等の面状透水材は、ブロック本体の背面のほぼ全面を被覆し得る面積を有することが好ましいが、少なくとも各凹溝を完全に被覆し得る面積があればよい。尚、面状透水材として、ブロック本体の背面のほぼ全面を被覆し得る面積のものを使用する場合は、該ブロック本体背面と同面積の1枚ものでもよく、あるいは小幅のものを複数枚並設してブロック本体の背面全面を被覆し得るようにしたものでもよい。
そして、この請求項1の擁壁用ブロックでは、面状透水材はブロック本体とは別体に準備しておき、該面状透水材を擁壁構築時にブロック本体の背面に取付けることができる。尚、面状透水材の取付けは、ブロック本体の背面に対してクギ止め、接着剤による接着等の手段で行える。
この請求項1の擁壁用ブロックは、上記のように、ブロック本体の背面に面状透水材を取付けた状態で上下・左右に組付けて擁壁を構築するが、その擁壁の背面(面状透水材の背面)側には、直接(砕石層なしに)埋戻し土壌が充填される。この状態では、各ブロック本体の背面と土壌との間に面状透水材が介在されており、土壌中の水(浸透水)が面状透水材部分まで浸透すると該水がスムーズに面状透水材を透過するようになる。尚、面状透水材が厚さのあるマット状のもの(マット状透水材)では、該マット状透水材中に水を含み、該水がマット状透水材中をランダムに(横方向にも)移動するようになる。
そして、面状透水材を透過した水の一部は、ブロック本体背面にある凹溝内に浸入し、該凹溝を通って速やかに流下するようになる。従って、擁壁背面付近に土壌中の水が溜まらなくなる。尚、凹溝を通って流下した水は、擁壁を貫通する水抜き管や、擁壁背面の下部付近に設置される導水管等を通して擁壁外側に排出される。
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明は、上記請求項1の擁壁用ブロックにおいて、マット又はシート等の面状透水材をブロック本体の背面に凹溝を被覆する状態で取付けていることを特徴としている。
本願請求項2の発明は、上記請求項1の擁壁用ブロックにおいて、マット又はシート等の面状透水材をブロック本体の背面に凹溝を被覆する状態で取付けていることを特徴としている。
この請求項2の擁壁用ブロックでは、ブロック本体の背面に面状透水材を予め一体的に取付けているので、擁壁構築現場での取り扱いが容易となる。
本願請求項3の発明
本願請求項3の発明も、コンクリート成型品からなる擁壁用ブロックであって、ブロック体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝内に嵌入される棒状透水材を有していることを特徴としている。
本願請求項3の発明も、コンクリート成型品からなる擁壁用ブロックであって、ブロック体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝内に嵌入される棒状透水材を有していることを特徴としている。
この請求項3の擁壁用ブロックでは、ブロック体として上記請求項1のものと同じものを採用できる。尚、この請求項3の擁壁用ブロックでは、ブロック体背面の凹溝内に棒状透水材を嵌入させ得るようになっているので、該凹溝の大きさは、特に限定するものではないが溝幅が4〜5cmで溝深さが3cm程度のものが好ましい。
棒状透水材は、例えば線径が2mm程度の合成樹脂線材を立体網状に絡め合わせて、ブロック体背面の凹溝内に嵌入させ得る外径の棒状体に形成されている。従って、この棒状透水材は、1個当たりの体積が小さいものとなる。この棒状透水材も、その表面を透水性があり且つ土壌の侵入を阻止し得るシート(例えば不織布シート)で被覆したものが好ましい。尚、この棒状透水材も、自然状態で80〜95%程度の空隙率を有している。
この請求項3の擁壁用ブロックでは、ブロック体と棒状透水材とを別体に準備しておき(棒状透水材は、1個のブロック体につき、該1個のブロック体に形成している凹溝の数と同数だけ準備する)、擁壁構築時にブロック本体の背面の凹溝内に棒状透水材を嵌入させて合体させる。尚、この場合、棒状透水材は凹溝内に圧入保持されるような外径にしておくと、該棒状透水材を特別な固定手段(例えばクギ止め、接着剤による接着等)で固定しなくてもよい。
この請求項3の擁壁用ブロックは、ブロック本体の背面の凹溝内に棒状透水材を嵌入させた状態で上下・左右に組付けて擁壁を構築するが、その擁壁の背面(各ブロック体の背面及び棒状透水材の背面)側には、直接(砕石層なしに)埋戻し土壌が充填される。この状態では、各ブロック本体背面の凹溝内に棒状透水材が嵌入されているので、該棒状透水材によって凹溝内に土壌が侵入するのを阻止している。又、このとき、擁壁背面には土圧がかかっているが、棒状透水材は凹溝内に収容されており且つ凹溝の溝幅が比較的狭いので、棒状透水材に対してさほど大きな土圧がかかららず、従って、棒状透水材の圧縮強度は比較的小さいものでよい。
又、この請求項3の擁壁用ブロックを用いた擁壁では、土壌中の水(浸透水)がブロック体の背面まで浸透すると、凹溝部分の近くにある水が順次凹溝内の棒状透水材中に流入していき、その棒状透水材中に流入した水が凹溝内(棒状透水材中)を通って比較的短時間で流下するようになる。尚、この請求項3では、凹溝内に棒状透水材を嵌入させているので、凹溝内を流下する水の流速は、該棒状透水材の線材(80〜95%程度の空隙率を有する)が抵抗となって凹溝内が空洞のものより若干遅くなるが、棒状透水材中でも水の重力によって相当の流速で流下するようになる。
又、ブロック体背面における各凹溝間の平面部に達した浸透水は、凹溝付近の水が棒状透水材中に流入していくのにつれて順次凹溝付近に移動し、順次凹溝内の棒状透水材中に流入していく。従って、擁壁背面に直接土壌が接している場合でも、擁壁背面付近に土壌中の水が溜まらなくなる。尚、凹溝を通って流下した水は、擁壁を貫通する水抜き管や、擁壁背面の下部付近に設置される導水管等を通して擁壁外側に排出される。
本願請求項4の発明
本願請求項4の発明は、コンクリート成型品からなる複数個の擁壁用ブロックを上下・左右に組付けて構築した擁壁構造を対象にしている。そして、この請求項4の擁壁構造は、擁壁用ブロックとしてブロック背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成したものを使用しているとともに、各擁壁用ブロックの背面の凹溝をマット又はシート等の面状透水材で被覆していることを特徴としている。
本願請求項4の発明は、コンクリート成型品からなる複数個の擁壁用ブロックを上下・左右に組付けて構築した擁壁構造を対象にしている。そして、この請求項4の擁壁構造は、擁壁用ブロックとしてブロック背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成したものを使用しているとともに、各擁壁用ブロックの背面の凹溝をマット又はシート等の面状透水材で被覆していることを特徴としている。
この請求項4の擁壁構造は、上記請求項1又は請求項2の擁壁用ブロックを用いて構築される。尚、この請求項4で使用される面状透水材は、請求項1に記載したものを使用できる。そして、この擁壁の背面側には、直接(砕石層なしに)埋戻し土壌が充填されるが、該土壌と各ブロック本体の背面との間には面状透水材が介在しているので、土壌中の水がスムーズに面状透水材中に流入し、さらにその一部の水がブロック本体背面の凹溝内に浸入し、該凹溝を通って速やかに擁壁下方に流下するようになる。
尚、この請求項4の擁壁構造でも、擁壁用ブロックを貫通する水抜き管を設けたり、擁壁背面の下部に排水用の導水管を設けることができる。
本願請求項5の発明
本願請求項5の発明は、上記請求項3の擁壁用ブロック(凹溝つきのブロック体と棒状透水材とのセット)を上下・左右に組付けて構築した擁壁構造である。即ち、この請求項5の擁壁構造では、擁壁用ブロックとしてブロック背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成したものを使用しているとともに、各擁壁用ブロックの背面の凹溝内に棒状透水材を嵌入させている。
本願請求項5の発明は、上記請求項3の擁壁用ブロック(凹溝つきのブロック体と棒状透水材とのセット)を上下・左右に組付けて構築した擁壁構造である。即ち、この請求項5の擁壁構造では、擁壁用ブロックとしてブロック背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成したものを使用しているとともに、各擁壁用ブロックの背面の凹溝内に棒状透水材を嵌入させている。
従って、この請求項5の擁壁構造では、上記請求項3の擁壁用ブロックを使用した場合の機能が得られる。
本願請求項6の発明
本願請求項6の発明は、擁壁構築場所において型枠内に生コンクリートを充填して構築した現場打ち擁壁を対象にしている。
本願請求項6の発明は、擁壁構築場所において型枠内に生コンクリートを充填して構築した現場打ち擁壁を対象にしている。
そして、この請求項6の擁壁構造は、現場打ちしたコンクリート躯体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝をマット又はシート等の面状透水材で被覆した状態で、該面状透水材の背面側に埋戻し土壌を充填して構成している。尚、この請求項4で使用される面状透水材は、請求項1に記載したものを使用できる。
この請求項6の擁壁構造では、コンクリート躯体の背面に凹溝を形成するのに、型枠の背面側枠板(土壌埋戻し側枠板)として、内面に凹溝成形用の縦凸条を形成したものを使用する。そして、擁壁構築場所において、縦凸条つきの枠板と通常の枠板とを所定位置に組立てて、両枠板(型枠)内に生コンクリートを充填し、該生コンクリートが固化後に型枠を解体することで、背面に凹溝のあるコンクリート躯体を構築することができる。
又、この請求項6の擁壁構造では、現場打ちしたコンクリート躯体の背面の凹溝を面状透水材で被覆した状態で、面状透水材の背面側に埋戻し土壌を充填しているので、上記請求項4の擁壁構造と同様の機能を有する。
本願請求項7の発明
本願請求項7の発明も、上記請求項6と同様に、擁壁構築場所において型枠内に生コンクリートを充填して構築した現場打ち擁壁を対象にしている。
本願請求項7の発明も、上記請求項6と同様に、擁壁構築場所において型枠内に生コンクリートを充填して構築した現場打ち擁壁を対象にしている。
そして、この請求項7の擁壁構造は、現場打ちしたコンクリート躯体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝内に棒状透水材を嵌入させた状態で、コンクリート躯体の背面側に埋戻し土壌を充填して構成している。
この請求項7の擁壁構造のコンクリート躯体(凹溝つき)も、上記請求項6と同様に構築される。
又、この請求項7の擁壁構造では、現場打ちしたコンクリート躯体の背面の凹溝内に棒状透水材を嵌入させた状態で、コンクリート躯体の背面側に埋戻し土壌を充填しているので、上記請求項3の擁壁用ブロックを使用して構築した擁壁構造と同様の機能を有する。
本願請求項1の発明の効果
本願請求項1の発明の擁壁用ブロックでは、ブロック本体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成するとともに、該凹溝を被覆する面状透水材を有しているので、この擁壁用ブロックを使用して構築した擁壁では、擁壁背面に透水層となる砕石層が不要になり、その分(砕石層が不要となる分)、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮できるという効果がある。又、ブロック本体の背面に水案内用の凹溝を形成しているので、面状透水材に浸透した水の一部が該凹溝を通って速やかに流下し、擁壁背面側の水を迅速に排出することができるという効果もある。
本願請求項1の発明の擁壁用ブロックでは、ブロック本体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成するとともに、該凹溝を被覆する面状透水材を有しているので、この擁壁用ブロックを使用して構築した擁壁では、擁壁背面に透水層となる砕石層が不要になり、その分(砕石層が不要となる分)、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮できるという効果がある。又、ブロック本体の背面に水案内用の凹溝を形成しているので、面状透水材に浸透した水の一部が該凹溝を通って速やかに流下し、擁壁背面側の水を迅速に排出することができるという効果もある。
本願請求項2の発明の効果
本願請求項2の発明は、上記請求項1の擁壁用ブロックにおいて、面状透水材をブロック本体の背面に凹溝を被覆する状態で取付けているので、ブロック本体と面状透水材とを一体に取り扱える。従って、この請求項2の発明では、上記請求項1の効果に加えて、擁壁構築現場での作業性が良好となり、工期を一層短縮できるという効果がある。
本願請求項2の発明は、上記請求項1の擁壁用ブロックにおいて、面状透水材をブロック本体の背面に凹溝を被覆する状態で取付けているので、ブロック本体と面状透水材とを一体に取り扱える。従って、この請求項2の発明では、上記請求項1の効果に加えて、擁壁構築現場での作業性が良好となり、工期を一層短縮できるという効果がある。
本願請求項3の発明の効果
本願請求項3の発明の擁壁用ブロックでは、ブロック本体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成するとともに、該凹溝内に嵌入される棒状透水材を有している。そして、この擁壁用ブロックを使用して構築した擁壁では、ブロック体背面の凹溝内に棒状透水材が嵌入されているので、該棒状透水材によって凹溝内に土壌が侵入するのを阻止でき、且つ土壌中の水(浸透水)がブロック体の背面まで浸透すると、凹溝部分の近くにある水が順次凹溝内の棒状透水材中に流入して、その棒状透水材中に流入した水が凹溝内(棒状透水材中)を通って比較的短時間で流下するようになる。
本願請求項3の発明の擁壁用ブロックでは、ブロック本体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成するとともに、該凹溝内に嵌入される棒状透水材を有している。そして、この擁壁用ブロックを使用して構築した擁壁では、ブロック体背面の凹溝内に棒状透水材が嵌入されているので、該棒状透水材によって凹溝内に土壌が侵入するのを阻止でき、且つ土壌中の水(浸透水)がブロック体の背面まで浸透すると、凹溝部分の近くにある水が順次凹溝内の棒状透水材中に流入して、その棒状透水材中に流入した水が凹溝内(棒状透水材中)を通って比較的短時間で流下するようになる。
従って、この請求項3の擁壁用ブロックでは、擁壁背面に透水層となる砕石層が不要になり、その分(砕石層が不要となる分)、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮でき、さらに砕石層がないものでも、擁壁背面側の浸透水を凹溝内(棒状透水材中)を通して迅速に排出することができるという効果がある。さらに、この請求項3の発明では、凹溝内に嵌入される棒状透水材は、比較的細径のものが使用されるので、上記請求項1又は請求項2の面状透水材より小面積でよく、材料コストを低減させることができるという効果もある。
本願請求項4の発明の効果
本願請求項4の発明の擁壁構造では、上記請求項1又は請求項2の擁壁用ブロックを使用して擁壁を構築したものであり、砕石層が不要になる分、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮でき、さらに擁壁背面側の水を迅速に排出することができるという効果がある。
本願請求項4の発明の擁壁構造では、上記請求項1又は請求項2の擁壁用ブロックを使用して擁壁を構築したものであり、砕石層が不要になる分、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮でき、さらに擁壁背面側の水を迅速に排出することができるという効果がある。
本願請求項5の発明の効果
本願請求項5の発明の擁壁構造では、上記請求項3の擁壁用ブロックを使用して擁壁を構築したものであり、この場合も砕石層が不要になる分、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮でき、さらに擁壁背面側に水を迅速に排出することができる。又、凹溝内に嵌入される棒状透水材は、比較的細径のものが使用されているので、材料コストを低減させることができるという効果もある。
本願請求項5の発明の擁壁構造では、上記請求項3の擁壁用ブロックを使用して擁壁を構築したものであり、この場合も砕石層が不要になる分、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮でき、さらに擁壁背面側に水を迅速に排出することができる。又、凹溝内に嵌入される棒状透水材は、比較的細径のものが使用されているので、材料コストを低減させることができるという効果もある。
本願請求項6の発明の効果
本願請求項6の発明の擁壁構造は、現場打ちしたコンクリート躯体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝を面状透水材で被覆した状態で、該面状透水材の背面側に埋戻し土壌を充填して構築している。
本願請求項6の発明の擁壁構造は、現場打ちしたコンクリート躯体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝を面状透水材で被覆した状態で、該面状透水材の背面側に埋戻し土壌を充填して構築している。
従って、この請求項6の発明では、現場打ち擁壁において、砕石層が不要になる分、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮でき、さらに擁壁背面側に水を迅速に排出することができるという効果がある。
本願請求項7の発明の効果
本願請求項7の発明の擁壁構造は、現場打ちしたコンクリート躯体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝内に棒状透水材を嵌入させた状態で、コンクリート躯体の背面側に埋戻し土壌を充填して構築している。
本願請求項7の発明の擁壁構造は、現場打ちしたコンクリート躯体の背面に上下方向に向く水案内用の凹溝を形成しているとともに、該凹溝内に棒状透水材を嵌入させた状態で、コンクリート躯体の背面側に埋戻し土壌を充填して構築している。
従って、この請求項7の発明では、現場打ち擁壁において、砕石層が不要になる分、擁壁構築工事が簡単になるとともに工期を短縮でき、さらに擁壁背面側の水を迅速に排出することができる。又、凹溝内に嵌入される棒状透水材は、比較的細径のものが使用されているので、材料コストを低減させることができるという効果もある。
図1〜図24を参照して本願のいくつかの実施例を説明すると、図1には第1実施例の擁壁用ブロック1Aを示し、図2には第2実施例(図1の変形例)の擁壁用ブロック1Bを示し、図3〜図6には図1及び図2の各擁壁用ブロック1A,1Bを使用した擁壁構造を示し、図7には図1の擁壁用ブロック1A及び図2の変形例の擁壁用ブロック1Bを使用した他の擁壁構造を示している。図8には第3実施例の擁壁用ブロック1Cを示し、図9には図8の擁壁用ブロック1Cを使用した擁壁構造を示し、図10には図8の変形例(第4実施例)の擁壁用ブロック1Dを使用した擁壁構造を示している。図11には第5実施例の擁壁用ブロック1Eを示し、図12には図11の擁壁用ブロック1Eを使用した擁壁構造を示している。図13には第6実施例の擁壁用ブロック1Gを示している。図14には第7実施例の擁壁用ブロック1Hを示し、図15には図14の擁壁用ブロック1Hを使用した擁壁構造を示している。図16〜図18には、第8実施例の擁壁構造が示され、図19には図18の変形例(第9実施例)が示されている。図20〜図21には第10実施例の擁壁構造が示され、図22〜図24にはそれぞれ第11〜第13実施例の擁壁構造が示されている。
図1の第1実施例の擁壁用ブロック1Aは、コンクリート成型品からなるブロック本体2と、該ブロック本体2の背面12に取付けられる面状透水材3とを有している。
ブロック本体2は、この第1実施例では平面視矩形で内部を中空とした箱型(四角筒形)のものを採用している。即ち、このブロック本体2は、前面11、背面12及び左右の各側面13,13がそれぞれ鉛直面で、内部にかなり大きな空所14を有している。又、このブロック本体2は、適宜大きさのものが採用できるが、この第1実施例では左右幅が100cm、高さが50cm、奥行き幅が65cmのものを採用している。尚、他の実施例では、ブロック本体2として、空所14の無い中実のものも採用できる。
ブロック本体2の背面12には、上下方向に向く水案内用の凹溝16,16・・が形成されている。この凹溝16,16・・は、この第1実施例では、左右に等間隔をもって5本有しており、それぞれ鉛直方向に向く姿勢でブロック本体2の全高さ範囲に引き通して形成されている。又、この各凹溝16,16・・は、溝幅が4〜5cmで溝深さが3cm程度である。
そして、この各凹溝16,16・・は、擁壁用ブロック1A(又は1B)を上下に積み重ねたときに、図4に示すように上下の擁壁用ブロックの各凹溝16,16・・が相互に連続するようになっている。尚、他の実施例では、各凹溝16は、傾斜させたものでもよいが、上下(又は左右)に隣接する擁壁用ブロック1A,1Aの凹溝16,16同士が相互に連続するようにすることが望ましい。
又、この第1実施例の擁壁用ブロック1Aには、ブロック体背面12の各凹溝16,16・・同士を連通させる横向きの連通溝16Aを形成している。この連通溝16Aは、図示例(図1)ではブロック体背面12の下部寄りにおいて1本だけ横向きに引き通しているが、他の実施例では、該連通溝16Aをブロック体背面12に上下に間隔をもって複数本(2〜3本)形成してもよい。尚、他の実施例の擁壁用ブロックでは、この連通溝16Aは、無くてもよい。
面状透水材3としては、厚さのあるマット状のものや薄いシート状のものを採用できるが、この実施例では、例えば線径が2mm程度の合成樹脂線材を立体網状に絡め合わせて、3〜5cm厚さのマット状に成形したものを使用している。尚、この実施例で使用している面状透水材3は、マット状のものを使用しているので、以下の説明では、この面状透水材を透水マットという。
この透水マット3は、自然状態で80〜95%程度の空隙率を有しており、使用時に土圧で圧縮されても50%以上の空隙が残留するようになっている。又、この透水マット3は、その表面を透水性があり且つ土壌の侵入を阻止し得るシート(例えば不織布シート)で被覆したものが好ましい。
透水マット3は、この第1実施例では、ブロック本体2の背面12の面積とほぼ同面積を有する1枚ものが使用されている。尚、他の実施例では、この透水マット3は、小幅(例えば20〜30cm)のものを複数枚並設してブロック本体の背面全面を被覆し得るようにしてもよい。又、この透水マット3は、ブロック本体の背面のほぼ全面を被覆し得る面積を有することが好ましいが、少なくとも各凹溝16,16・・を完全に被覆し得る面積があればよい。
そして、この透水マット3は、図1に実線図示するようにブロック本体2とは別体にした状態で用意しておき、擁壁構築現場でブロック本体2の背面12に取付けてもよいし、あるいは図1に鎖線図示(符号3′)するように予めブロック本体2の背面12に取付けて一体化させておいてもよい。透水マット3のブロック本体背面12への取付けは、クギ止め、接着剤による接着等の手段で行うことができる。尚、ブロック本体背面12に透水マット3を取付けた状態では、ブロック本体背面12の各凹溝16,16・・が全高さ範囲に亘って透水マット3で被覆されており、擁壁背面側に埋戻し土壌6(図3、図5、図6)を充填しても、該土壌6が凹溝16内に入らない。
図2に示す第2実施例の擁壁用ブロック1Bは、ブロック本体2に前面11と背面12との間に貫通する水抜き管9を取付けている。この図2の擁壁用ブロック1Bは、図3又は図5に示すようにもたれ式擁壁として使用するものであり、該擁壁用ブロック1Bが後方傾斜状態で設置される関係で、水抜き管9を背面12から前面11に向けてかなり大きな下り勾配をもたせた状態で取付けている。尚、水抜き管9の背面側端部9aは、ブロック本体背面12の幅中央上端寄り位置に開口しており、該水抜き管9の前面側端部9bは、ブロック本体前面11幅中央下端寄り位置に開口している。
又、図2の擁壁用ブロック1Bでは、背面12の上部寄り位置(水抜き管9の背面側端部9aが開口する位置)に、5本の各凹溝16,16・・の上部寄り部分を連続させた集水溝17が形成されている。この集水溝17は、図4に示すように、水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bの上に積み重ねられる通常(図1)の擁壁用ブロック1の各凹溝16,16・・内を流下する水を受け取って幅中央部(水抜き管9の端部9aが開口している)に集中させるものである。又、この第2実施例(図2)の擁壁用ブロック1Bにも、ブロック体背面12の下端部寄りに各凹溝16,16・・同士を連通させる横向きの連通溝16Aを形成している。尚、他の実施例では、この連通溝16Aは無いものでもよい。
そして、この図2(第2実施例)の擁壁用ブロック1Bでも、透水マット3を、図2に実線図示するようにブロック本体2とは別体にした状態で用意しておき、擁壁構築現場でブロック本体2の背面12に取付けてもよいし、あるいは図2に鎖線図示(符号3′)するように予めブロック本体2の背面12に取付けて一体化させておいてもよい。
尚、他の実施例では、図2に示す水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bは使用しないことがあり、又水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bを使用する場合でも背面12に集水溝17を設けていないもの(単に各凹溝16,16・・を形成しただけのもの)を使用することができる。
上記図1(第1実施例)の擁壁用ブロック1A及び図2(第2実施例)の擁壁用ブロック1Bは、ブロック本体2の背面12に透水マット3を取付けた状態で、図3〜図6に示すように、もたれ式擁壁の各ブロックとして使用できる。このもたれ式擁壁の場合は、基礎コンクリート4の上に各擁壁用ブロック(1Aまたは1B)を所定角度だけ後方傾斜させた姿勢で上下・左右に組付けていくが、地表部GLに位置する高さに水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bを配置する。図4の例では、地表部GLに位置する擁壁用ブロックとして全て水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bを使用しているが、該水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bは、左右に1つおき又は2つおきに設置してもよい。上下・左右に隣接する各擁壁用ブロック(1A,1B)は、適宜の方法で固着させることができる。尚、各擁壁用ブロック(1A,1B)の空所14には、必要に応じて、土壌や砕石や栗石、あるいは生コンクリートを充填することができる。又、最下段の擁壁用ブロック1Aの背面側下部には、必要に応じて導水管21を設けることができる。この導水管21には透水管が使用されており、該透水管の周囲から管内に水が浸入し得るようになっている。尚、この導水管21を設置する場合は、該導水管21の周囲に目詰まり防止用の砕石22を配置するとよい。
そして、擁壁用ブロックを所定段数(1〜2段)積み上げる毎に、該擁壁用ブロックの背面側に直接(砕石層を形成することなく)土壌6を埋戻し、該土壌6を振動機で締め固める。順次同様に、必要段数の擁壁用ブロックを積み上げて擁壁を完成させる。尚、図3の構築例では、水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bは、上下方向に3つおきに配置しているが、この実施例の擁壁構造では、後述するように擁壁背面側の排水効率が良いので、上方側に設置される水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bの個数を少なくすることも可能である。
図3〜図6に示す擁壁では、擁壁用ブロックを所定段数(1〜2段)積み上げる毎に擁壁用ブロックの背面側に土壌6を充填するが、該土壌6の充填時には型枠は不要であるので、該土壌6の充填作業は簡単に且つ短時間で行える。尚、従来(図25)のように、擁壁用ブロックの背面側に砕石層を設ける場合には、該砕石層用の仕切り型枠を組立てる必要があり、しかも該仕切り型枠の内外に砕石及び土壌を充填した後、該仕切り型枠を抜き外す作業が必要である(作業が面倒で工期が長くなる)。
図3〜図6に示す擁壁では、各ブロック本体2の背面12にそれぞれ透水マット3が取付けれらているので、擁壁背面側の土壌6が直接ブロック本体2の背面12に接触することがない。又、ブロック本体2の背面12と土壌6との間に透水マット3が介在されていると、土壌6中の水(浸透水)が透水マット3部分まで浸透したときに該水がスムーズに透水マット3中に流入するようになる。そして、透水マット3中に流入した水の一部は、ブロック本体背面にある各凹溝16,16・・内に浸入し、該凹溝16を通って速やかに流下するようになる。又、各凹溝16,16・・を通って流下した水は、擁壁を貫通する水抜き管9や、擁壁背面の下部付近に設置される導水管21等を通して擁壁外側に排水される。このように、土壌6中の水が透水マット3部分まで達すると、比較的速やかに擁壁外に排出されるようになり(擁壁背面側に水が溜まりにくい)、水圧増加による擁壁崩壊の危険性を大幅に緩和できる。
ところで、長期に亘って使用していると、透水マット3が部分的に破損して一部の凹溝16が土壌等で目詰まりすることが考えられるが、第1実施例(図1)の擁壁用ブロック1A及び第2実施例(図2)の擁壁用ブロック1Bのように、ブロック体背面12の各凹溝16,16・・を連通溝16Aで連通させていると、もし何れかの凹溝16が土壌等で目詰まりしたときでも、該連通溝16Aを通って隣接する凹溝16内に流入させることができるので、水の流れが滞らないという作用がある。
図7の実施例の擁壁構造は、図1の擁壁用ブロック1A及び水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bを鉛直方向に積み上げたものである。この図7の擁壁構造で使用される水抜き管9付きの擁壁用ブロック1Bは、該擁壁用ブロックが鉛直姿勢で設置されることから、水抜き管9をブロック本体に対して緩やかな角度で取付けている。尚、この図7の擁壁構造のその他の構成は、図5のものと同じであり、土壌6中の水がブロック本体2の背面12の透水マット3まで達すると、該水が透水マット3中に流入し、その一部の水がブロック本体背面12の各凹溝16内を通って速やかに流下して、水抜き管9や導水管21を通って速やかに擁壁外に排出される。
図8に示す第3実施例の擁壁用ブロック1Cは、図9に示すように、重力式擁壁として使用されるもので比較的大型に成形されている。又、この第3実施例では、擁壁用ブロック1Cを上下に5段積みして擁壁を構築するようになっている。各擁壁用ブロック1Cのブロック本体2は、鉛直姿勢の壁面(符号11部分)と傾斜姿勢の壁面(符号12部分)とを2枚の連結壁で連結して一体化させている。尚、この擁壁用ブロック1Cは、一方が傾斜壁面となっている関係で、上段側に積み上げられる擁壁用ブロックほど奥行き幅が小さくなっている。又、図9の擁壁構築例では、擁壁用ブロック1Cの傾斜壁面(符号12部分)が土壌6側に向く背面12となる。
そして、各擁壁用ブロック1Cには、それぞれブロック本体2の背面(傾斜壁面)12に上下方向に向く複数本(図示例では4本)の凹溝16,16・・が形成されている。又、各擁壁用ブロック1Cには、ブロック本体2の背面12に各凹溝16,16・・を被覆するようにして透水マット3が取付けられている。この透水マット3は、ブロック本体2の背面12のほぼ全面積を被覆しているが、この場合も該透水マット3は1枚ものでもよいし、小幅のものを複数枚並設したものでもよい。尚、この場合も、透水マット3は、ブロック本体の背面のほぼ全面を被覆し得る面積を有することが好ましいが、少なくとも各凹溝16,16・・を完全に被覆し得る面積があればよい。
図8に示す各擁壁用ブロック1Cは、図9に示すように、透水マット3の取付け側が背面になる姿勢で、基礎コンクリート4上に大型のものから順に1段ずつ積み上げていく。その際、擁壁用ブロック1Cを1段設置する毎に、ブロック本体2内の空所に土壌等の充填物15を充填するとともに、擁壁用ブロック1Cの背面側に土壌6を充填していく。そして、最終段(第5段)まで積み上げると重力式擁壁が完成する。又、この重力式擁壁でも、水抜き管9あるいは導水管21等の排水設備を設ける。
この図9の擁壁構造も、各擁壁用ブロック1Cの背面側に透水マット3が取付けられており、且つ各ブロック本体2の背面12に水案内用の凹溝16,16・・が形成されているので、土壌6中の水が透水マット3部分まで達すると、該水が透水マット3中に流入し、さらにその一部の水が各凹溝16,16・・を通って流下して、水抜き管9あるいは導水管21を通して速やかに擁壁外に排出される。
図10の擁壁構造は、図9の変形例を示しているが、この図10の擁壁構造では、第4実施例の擁壁用ブロック1Dを使用している。この第4実施例の擁壁用ブロック1Dでは、第3実施例の各擁壁用ブロック1Cにおける鉛直壁面が土壌6側に向く背面12となる。そして、この鉛直壁面(背面12)に、図8の擁壁用ブロックと同様に複数本(4本)の凹溝16を形成するとともに、該鉛直壁面(背面12)に各凹溝16を被覆するようにして透水マット3を取付けている。即ち、この図10の擁壁構造に使用される各擁壁用ブロック1Dは、図8の擁壁用ブロック1Cにおける鉛直壁面(符号11)に凹溝16を形成するとともに、透水マット3を取付けたものである。尚、図10の擁壁構造におけるその他の構成は、図9のものと同様である。
図11に示す第5実施例の擁壁用ブロック1Eは、ブロック体2として平板状のものが使用されている。そして、この平板状ブロック体2の背面12となる面に第1実施例(図1)と同様に上下方向に向く複数本(5本)の凹溝16,16・・を形成している。尚、このブロック体背面12の各凹溝16,16・・も、透水マット3で被覆されるが、この第5実施例で使用される透水マット3は、図1のものと同じものである。
又、この第5実施例の擁壁用ブロック1Eでは、ブロック体2が平板状であるために自立性(耐圧力)が乏しいが、耐圧力が要求される擁壁に使用する場合には、平板状ブロック体2を使用した擁壁用ブロック1Eの左右に箱型ブロック体2を使用した擁壁用ブロック1F,1Fを配置するとよい。その場合、平板状ブロック体2の左右側面に縦凹溝18と縦凸条19を形成するとともに、箱型ブロック体2の左右側面(平板状ブロック体との接合面)に縦凹溝18Aと縦凸条19Aを形成したものを使用して、図12に示すように、平板状ブロック体2の縦凹溝18(又は縦凸条19)と箱型ブロック体2の縦凸条19A(又は縦凹溝18A)とを凹凸嵌合させた状態で、各擁壁用ブロック1E,1Fで擁壁を構築するとよい。尚、箱型ブロック体2の背面12にも、上下方向に向く凹溝16,16・・が形成されており、且つ該各凹溝16,16・・を透水マット3で被覆している。そして、図12に示すように各擁壁用ブロック1E,1Fを使用した擁壁構造でも、各透水マット3,3・・の背面側に直接、埋戻し土壌6を充填している。
図13に示す第6実施例の擁壁用ブロック1Gは、ブロック体2として、底版2Aと立上げ版2BとをL型に一体成形したものを使用している。そして、該立上げ版2Bにおける背面12となる内面に上下方向に向く複数本(5本)の凹溝16,16・・を形成するとともに、該各凹溝16,16・・を被覆する透水マット3を有している。このL型ブロック体2には、符号9で示す水抜き管を設けたり、施工状態で立上げ版2Bの内面下端部に導水管21を設置したりすることができる。尚、L型ブロック体2の変形例として、逆T型のブロック体もあるが、その場合も、立上げ版の内面に複数本の凹溝が形成するとともに、該各凹溝を被覆する透水マットが使用される。
図14の第7実施例の擁壁用ブロック1Hは、箱型ブロック体1の背面12に形成した各凹溝16,16・・と、該凹溝16に嵌入される各棒状透水材3A,3A・・とを有している。この第7実施例の擁壁用ブロック1Hで使用されるブロック体2の外形は、基本的には図1のものと同じであるが、この第7実施例では、後述するようにブロック体背面12側に直接、埋戻し土壌6が接触する関係で、ブロック体背面12の凹溝16の本数を図1のものの2倍(9本と両端に半割り凹溝が2本)形成している。又、各凹溝16の大きさは、特に限定するものではないが、溝幅が4〜5cmで溝深さが3cm程度のものが好ましい。
各棒状透水材3A,3A・・は、1つのブロック体2につき、凹溝16の形成本数と同数(10本)が使用される。この各棒状透水材3Aは、例えば線径が2mm程度の合成樹脂線材を立体網状に絡め合わせて、ブロック体背面12の凹溝16内に嵌入させ得る外径の棒状体に形成されている。従って、この棒状透水材3Aは、1個当たりの体積が小さいものとなる。尚、この棒状透水材3Aも、その表面を透水性があり且つ土壌の侵入を阻止し得るシート(例えば不織布シート)で被覆したものが好ましい。尚、この棒状透水材3Aも、透水マット3と同様に自然状態で80〜95%程度の空隙率を有している。
この図14の擁壁用ブロック1Hは、擁壁構築時にブロック本体背面12の各凹溝16,16・・内にそれぞれ棒状透水材3A,3A・・を嵌入させて合体させる。この場合、棒状透水材3Aは凹溝16内に圧入保持されるような外径にしておくと、該棒状透水材3Aを特別な固定手段で固定しなくてもよい。
そして、この第7実施例(図14)の擁壁用ブロック1Hは、ブロック本体2の各凹溝16,16・・内にそれぞれ棒状透水材3A,3A・・を嵌入させた状態で上下・左右に組付けて擁壁を構築するが、その擁壁の背面(各ブロック体2の背面12及び棒状透水材3Aの背面)側には、図15に示すように直接(砕石層なしに)埋戻し土壌6が充填される。図15の状態では、各ブロック本体背面12の各凹溝16,16・・内にそれぞれ棒状透水材3A,3A・・が嵌入されているので、該各棒状透水材3A,3A・・によって各凹溝16,16・・内に土壌6が侵入するのを阻止している。又、このとき、擁壁背面には土圧がかかっているが、棒状透水材3Aは凹溝16内に収容されており且つ凹溝16の溝幅が比較的狭いので、棒状透水材3Aに対してさほど大きな土圧がかからず、従って、棒状透水材3Aの圧縮強度は比較的小さいものでよい。
第7実施例(図14)の擁壁用ブロック1Hを用いた擁壁(図15)では、土壌6中の水(浸透水)がブロック体2の背面12まで浸透すると、各凹溝16,16・・部分の近くにある水が順次凹溝内の棒状透水材3A,3A・・中に流入していき、その各棒状透水材3A中に流入した水が凹溝16内(棒状透水材3A中)を通って比較的短時間で流下するようになる。尚、ブロック体背面12における各凹溝16,16間の平面部に達した浸透水は、凹溝16付近の水が棒状透水材3A中に流入していくのにつれて順次凹溝16付近に移動し、順次凹溝16内の棒状透水材3A中に流入していく。従って、擁壁背面付近に土壌中の水が溜まらなくなる。尚、凹溝16を通って流下した水は、擁壁を貫通する水抜き管や、擁壁背面の下部付近に設置される導水管等を通して擁壁外側に排出される。
図16〜図18には、第8実施例の擁壁構造が示されているが、この第8実施例のものは、現場打ちによって構築された擁壁を対象にしている。尚、この第8実施例の擁壁構造は、重力式擁壁である。
この第8実施例の擁壁構造は、次のようにして構築される。まず、図16に示すように、例えば山肌に切り土部36を形成して、該切り土部36の底面に基礎コンクリート4を打設し、該基礎コンクリート4上に内外各枠板31,32を有する型枠30を組立てる。この第8実施例では、型枠30の前面側の枠板31が鉛直で背面側(埋戻し土壌充填側)の枠板32が前面側に向けて昇り傾斜した状態で組立てている。
型枠30の背面側(埋戻し土壌充填側)の枠板32の内面には、左右に所定間隔をもって凹溝形成用の縦凸条33,33・・が形成されている。この各縦凸条33,33の間隔は、特に限定するものではないが、10〜50cm程度が適当である。尚、このように枠板32内面に各縦凸条33,33・・を形成していると、該縦凸条33が枠板32の補強になる。
次に、該型枠30内に生コンクリート35を充填して、該生コンクリート35を固化させる。そして、該生コンクリート35が固化した後に型枠30を解体すれば、図17に示すコンクリート躯体10Aが構築できる。尚、この第8実施例では、コンクリート躯体10Aの前面(外面)側11が鉛直面で背面12側が傾斜面となっている。又、この擁壁構築例では、図16に示すように現場打ちされるコンクリート躯体10A(図17)の全高さをそれぞれ1枚ものの前後枠板31,32により1回で構築するようにしているが、コンクリート躯体10Aの高さが高い場合には、高さ方向に複数回に分けて構築する。このようにして構築されたコンクリート躯体10Aの背面12側には、図17に示すように枠板32の各縦凸条33,33・・によって上下方向に向く複数本の凹溝16,16・・が形成されている。
そして、このコンクリート躯体10Aの背面12に、各凹溝16,16・・を被覆するようにして透水マット3が取付けられる。尚、この透水マット3は、図17では大面積の1枚ものが使用されているが、左右(又は上下)に細幅の透水マットを順次接合させたものでもよく、あるいは各凹溝16,16・・部分を被覆し得る範囲の細幅のものを使用してもよい。
次に、コンクリート躯体10Aの背面12(透水マット3の背面)側に埋戻し土壌6を充填すると、図18に示すような擁壁(重力式擁壁)を構築できる。尚、図16に示す型枠30の組立て状態で、構築されるコンクリート躯体10Aを内外に貫通する水抜き管を設置したり、図18に示すように擁壁背面の下端部に、導水管21(目詰まり防止用の砕石22で被覆されている)を設置することができる。
この第8実施例(図18)の擁壁構造では、現場打ちしたコンクリート躯体10Aの背面12の凹溝16を透水マット3で被覆した状態で、透水マット3の背面側に埋戻し土壌6を充填しているので、上記第3実施例(図9)の擁壁構造と同様の機能を有する。
図19に示す第9実施例の擁壁構造は、上記第8実施例の変形例を示すもので、現場打ちしたコンクリート躯体10Bとして、該コンクリート躯体10Bの前面(外面)11側が傾斜面で背面12側が鉛直面となっている。そして、この第9実施例の擁壁構造では、上記第8実施例(図17)と同様に、コンクリート躯体10Bの背面12(鉛直面)に左右方向に所定間隔を(例えば10〜50cm間隔)もって複数本の凹溝16を形成しているとともに、該各凹溝16を透水マット3で被覆した状態で、該透水マット3の背面側に埋戻し土壌6を充填して構成されている。この第9実施例(図19)の現場打ち擁壁構造でも、上記第8実施例のものと同様の機能を有する。
図20〜図21に示す第10実施例の擁壁構造は、上記第8実施例(図16〜図18)の現場打ち擁壁構造の変形例を示すもので、図20に示すように現場打ちしたコンクリート躯体10Aの背面(傾斜面側)12に左右方向に所定間隔をもって複数本の凹溝16,16・・を形成するとともに、図21に示すように該各凹溝16,16・・内にそれぞれ棒状透水材3A,3A・・を嵌入させた状態で、コンクリート躯体の背面12側に埋戻し土壌6(図21)を充填して構成している。尚、この第9実施例で使用する棒状透水材3Aは、図20では長尺の1本ものを使用しているが、長さ方向に分割したものを継ぎ足し状態で凹溝16内に嵌入させてもよい。
この第9実施例(図20〜図21)の現場打ち擁壁構造では、上記第7実施例(図14〜図15)の擁壁構造と同様の機能を有する。
図22に示す第11実施例も現場打ちした擁壁構造であって、この第11実施例では、もたれ式擁壁として構築している。尚、この第11実施例(図22)の擁壁構造にも、コンクリート躯体10Cの背面12に凹溝16を形成しているとともに、該凹溝16を透水マット3で被覆した状態で、該透水マット3の背面側に埋戻し土壌6を充填している。
図23に示す第12実施例も現場打ちした擁壁構造であって、この第12実施例では、L型擁壁として構築している。尚、この第12実施例(図23)の擁壁構造にも、コンクリート躯体10Dの立上げ版の背面12に凹溝16を形成しているとともに、該凹溝16を透水マット3で被覆した状態で、該透水マット3の背面側に埋戻し土壌6を充填している。
図24に示す第13実施例も現場打ちした擁壁構造であって、この第13実施例では、逆T型擁壁として構築している。尚、この第13実施例(図24)の擁壁構造にも、コンクリート躯体10Dの立上げ版の背面12に凹溝16を形成しているとともに、該凹溝16を透水マット3で被覆した状態で、該透水マット3の背面側に埋戻し土壌6を充填している。
尚、上記第1実施例(図1)、第2実施例(図2)、第3実施例(図8〜図9)、第4実施例(図10)、第5実施例(図11〜図12)、及び第6実施例(図13)の各擁壁用ブロックにおいては、凹溝16を被覆している透水マット3に代えて、第7実施例(図14〜図15)のように棒状透水材3Aを使用してもよい。又、上記第8実施例(図16〜図18)、第9実施例(図19)、第11実施例(図22)、第12実施例(図23)、及び第13実施例(図24)の各現場打ち擁壁構造においても、凹溝16を被覆している透水マット3に代えて、第10実施例(図20〜図21)のように棒状透水材3Aを使用してもよい。
さらに、上記第3実施例(図8〜図9)、第4実施例(図10)、第5実施例(図11〜図12)、及び第6実施例(図13)の各擁壁用ブロックにおいても、第1実施例(図1)に形成している横向きの連通溝16A(1本でも複数本でもよい)を形成することができる。又、上記第8実施例(図16〜図18)、第9実施例(図19)、第11実施例(図22)、第12実施例(図23)、及び第13実施例(図24)の各現場打ち擁壁構造においても、コンクリート躯体背面12に、第1実施例(図1)に形成している横向きの連通溝16A(1本でも複数本でもよい)を形成してもよい。
又、本願の擁壁用ブロック及び擁壁構造、特にブロック体背面(又はコンクリート躯体背面)の凹溝16、及び透水マット3又は棒状透水材3A等の構造は、例えば地下室のコンクリート壁面の背面(埋戻し土壌側の面)や、トンネルの側壁面の背面(埋戻し土壌側の面)にも適用できる。
1A〜1Hはそれぞれ擁壁用ブロック、2はブロック本体、3は面状透水材(透水マット)、3Aは棒状透水材、6は土壌、9は水抜き管、10はコンクリート躯体、12は背面、16は凹溝、21は導水管、30は型枠、31,32は枠板、33は縦凸条、35は生コンクリートである。
Claims (7)
- コンクリート成型品からなる擁壁用ブロック(1A〜1H)であって、ブロック本体(2)の背面(12)に上下方向に向く水案内用の凹溝(16)を形成しているとともに、該凹溝(16)を被覆し得るマット又はシート等の面状透水材(3)を有していることを特徴とする擁壁用ブロック。
- 請求項1において、面状透水材(3)は、ブロック本体(2)の背面に凹溝(16)を被覆する状態で取付けていることを特徴とする擁壁用ブロック。
- コンクリート成型品からなる擁壁用ブロック(1A〜1H)であって、ブロック本体(2)の背面(12)に上下方向に向く水案内用の凹溝(16)を形成しているとともに、該凹溝(16)内に嵌入される棒状透水材(3A)を有していることを特徴とする擁壁用ブロック。
- コンクリート成型品からなる複数個の擁壁用ブロックを上下・左右に組付けて構築した擁壁構造であって、前記擁壁用ブロック(1A〜1H)として、ブロック背面(12)に上下方向に向く水案内用の凹溝(16)を形成したものを使用しているとともに、各擁壁用ブロックの背面(12)の凹溝(16)をマット又はシート等の面状透水材(3)で被覆していることを特徴とする擁壁構造。
- コンクリート成型品からなる複数個の擁壁用ブロックを上下・左右に組付けて構築した擁壁構造であって、前記擁壁用ブロック(1A〜1H)として、ブロック背面(12)に上下方向に向く水案内用の凹溝(16)を形成したものを使用しているとともに、各擁壁用ブロックの背面(12)の凹溝(16)内に棒状透水材(3A)を嵌入させていることを特徴とする擁壁構造。
- 擁壁構築場所において型枠内に生コンクリートを充填して構築した現場打ち擁壁であって、現場打ちしたコンクリート躯体(10A〜10E)の背面(12)に上下方向に向く水案内用の凹溝(16)を形成しているとともに、該凹溝(16)をマット又はシート等の面状透水材(3)で被覆した状態で、該面状透水材(3)の背面側に埋戻し土壌(6)を充填していることを特徴とする擁壁構造。
- 擁壁構築場所において型枠内に生コンクリートを充填して構築した現場打ち擁壁であって、現場打ちしたコンクリート躯体(10A〜10E)の背面(12)に上下方向に向く水案内用の凹溝(16)を形成しているとともに、該凹溝(16)内に棒状透水材(3A)を嵌入させた状態で、コンクリート躯体(10A〜10E)の背面(12)側に埋戻し土壌(6)を充填していることを特徴とする擁壁構造。
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