JP2006036789A - ヒトインターロイキン−6レセプターに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を含む腎癌治療剤 - Google Patents

ヒトインターロイキン−6レセプターに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を含む腎癌治療剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 腎癌の新規な治療剤の提供。
【解決手段】 活性成分して、例えば、ヒトインターロイキン−6レセプター(ヒトIL-6R)をコードするmRNAの翻訳開始コドンを含む少なくとも9個の連続する塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を有効成分とする腎癌治療剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒトインターロイキン−6レセプター(ヒトIL-6R)の発現を阻害する医薬として有用なアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体に関する。
ヒトインターロイキン−6(ヒトIL-6)はB細胞の抗体産生細胞への最終段階の分化を誘導する因子としてクローニングされたサイトカインであり(Kishimoto Tら、Blood 74, 1-10, 1989)、現在では肝臓における急性期蛋白の誘導などさまざまな作用を持つことが知られている(Kishimoto Tら、Blood 74, 1-10, 1989)。
またヒトIL-6はリンパ系細胞のみにかぎらず、線維芽細胞、血管内皮細胞、膀胱癌細胞株T24やグリオブラストーマなどにおいても産生されていることが報告され(Kohase M.ら、 J.Cell Physiol. 132, 271-278, 1978;Meir EVら、Cancer Res.50,6683-6688, 1990)、さらにその標的細胞も多種類にわたっている(Kishimoto Tら、 Blood 74,1-10, 1989)。
近年Kawano MらによりヒトIL-6が骨髄腫細胞ではautocrine growth factorとして機能していることが報告され(Kawano Mら、Nature, 332, 83-85, 1988)、さらに腎細胞癌においても同様のことが報告された(Miki Sら、FEBS Letter 250, 607-610, 1989)。
一方、ヒトIL-6による細胞の増殖あるいは分化のシグナルは細胞表面に存在するヒトIL-6R及び糖蛋白質gp130を介して細胞に伝達されることが知られている。(Taga T.ら、Cell 58, 573-581, 1989; Hibi Mら、Cell 68, 1149-1157, 1990)。
近年、病態の原因となっている遺伝子の働きを抑制する方法として、DNAから転写されたmRNAに相補的なオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴヌクレオチド)を用いて、該蛋白質の発現を抑制することが提案されている(村上、化学、46巻 681-684頁, 1991)。
さらには、アンチセンスオリゴヌクレオチドの寿命、安定性、細胞への取り込み効率などの問題点を解消する方法としてヌクレオチドのリン酸基の酸素をメチル基に置換したメチルホスホネート型誘導体やイオウに置換したホスホロチオエート型誘導体などの修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが知られており(村上、前述)、実際これらのアンチセンスヌクレオチドがウィルスの蛋白質合成を阻害することが認められている(Agris,C.H.ら、Biochemistry, 25, 6268-6275, 1986)。
このような考えをもとにLevy Yらは、ヒトIL-6のmRNAの翻訳をアンチセンスオリゴヌクレオチドによって阻害することにより、ヒトIL-6を増殖因子としている骨髄腫細胞株の増殖が抑制されることを確認した(Lovy Yら、J. Clin. Invest., 88, 696-699, 1991)。
しかしながら、ヒトIL-6Rを発現する種々の細胞においてIL-6Rの発現を有意に抑制するようなアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体については知られていない。
従って本発明は、ヒトIL-6Rの発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を提供しようとするものである。
さらに詳しくは、本発明は、ヒトIL-6RをコードするmRNAの翻訳開始コドンを含む少なくとも9個の連続する塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を含んで成るヒトIL-6Rの発現阻害剤を提供する。
本発明者はヒトIL-6RをコードするmRNAの翻訳開始コドンを含む少なくとも9個の連続する塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を合成し、ヒト腎細胞癌とともに培養したところ癌の増殖を抑制することを見出し本発明を完成した。
本発明の好ましい態様においては、ヒトIL-6RをコードするmRNAの翻訳開始コドンを含む9〜30個、より好ましくは12〜25個の連続する塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を用いる。
ここでいう「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、DNA又はmRNAの所定の領域を構成するヌクレオチドに対応するヌクレオチドがすべて相補的であるもののみならず、DNA又はmRNAとオリゴヌクレオチドとが安定にハイブリダイズできる限り、多少のミスマッチが存在してもよい。
ヒトIL-6Rの翻訳開始コドンおよびその近傍の塩基配列は次の通りである(たとえば特開平2-288,898号公報参照)(配列番号:1)。
1 -1
5′CTGTCCGCCTCTGCGGGACCATGGAGTGGTAGCCGAGGAGGAAGC
ATG CTG GCC GTC GGC TGC GCG CTG CTG GCT GCC CTG CTG GCC GCG 3′
Met Leu Ala Val Gly Cys Ala Leu Leu Ala Ala Leu Leu Ala Ala
従って、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体の塩基配列は、第1アミノ酸MetのコドンのATGを含みその5′側および3′側の連続する塩基配列から適宜選択できるものである。
本発明の1つの態様によれば、発現阻害オリゴヌクレオチドは、配列番号:1における開始コドンATGとその下流の配列とから成る塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、例えば、第1位のMetから第5位のGlyまでをコードするコドンの塩基配列に相補的なヌクレオチド配列、すなわち、5′GCCGACGGCCAGCAT−3′(配列番号:2)を有するものである。
本発明の好ましい態様によれば、発現阻害オリゴヌクレオチドは、配列番号:1における開始コドンとその上流の配列とから成る塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。この様なオリゴヌクレオチドの1例として、開始コドンATGとその上流の17個の塩基とに対して相補的な塩基配列、すなわち5′-CATGCTTCCTCCTCGGCTAC-3′(配列番号:3)を有するものが挙げられる。また、他の1例として、開始コドンとその上流の12個の塩基とに対して相補的な塩基配列、すなわち5′-CATGCTTCCTCCTCG-3′(配列番号:4)を有するものが挙げられる。
本発明の他の好ましい態様によれば、発現阻害オリゴヌクレオチドは、配列番号:1における開始コドン並びにその上流及び下流の配列から成る塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。この様なオリゴヌクレオチドの1例として、開始コドン並びにその上流の11個の塩基及び下流の6個の塩基から成る塩基配列に対して相補的な塩基配列、すなわち5′-GGCCAGCATGCTTCCTCCTC-3′(配列番号:5)を有するものが挙げられる。
本発明において使用されるオリゴヌクレオチド誘導体がデオキシリボヌクレオチドの場合それぞれの構造は、化1に示したとおりであるが、Xは独立して酸素(O),イオウ(S),低級アルキル基あるいは一級アミンまたは二級アミンのいずれでもよい。Yは独立して酸素(O)あるいはイオウ(S)のいずれでもよい。Bはアデニン、グアニン、チミン、あるいはシトシンのいずれかから選ばれ、主としてヒトIL-6レセプターをコードするDNA又はmRNAの相補的オリゴヌクレオチドである。Rは独立して水素またはジメトキシトリチル基あるいは低級アルキル基である。nは7−28である。
好ましいオリゴヌクレオチド誘導体としては修飾されていないオリゴヌクレオチドだけでなく、修飾されたオリゴヌクレオチドでもよい。この様な修飾体として、例えば前述のメチルホスホネート型又はエチルホスホネート型のような低級アルキルホスホネート修飾体、その他ホスホロチオエート修飾体あるいはホスホロアミデート修飾体等が挙げられる(化2参照)。
Figure 2006036789
Figure 2006036789
これらのオリゴヌクレオチド誘導体は次のとおり常法によって得ることができる。
化1のX及びYがOであるオリゴヌクレオチドは市販のDNA合成装置(例えばApplied Biosystems社製など)によって容易に合成される。
合成法はホスホロアミダイトを用いた固相合成法、ハイドロジェンホスホネートを用いた固相合成法などで得ることができる。
例えば、T. Atkinson, M.Smith, in Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, ed. M.J. Gait, IRL Press, 35-81 (1984);M.H.Caruthers, Science, 230, 281 (1985); A.Kume, M.Fujii, M.Sekine, M.Hata, J. Org. Chem., 49, 2139 (1984); B.C.Froehler, M.Matteucci, Teterahedron Lett., 27, 469 (1986); P.J.Garegg, I.Lindh, T.Regberg, J.Stawinski, R.Stromberg, C.Henrichson, ibid.,27, 4051 (1986);
B.S.Sproat, M.J.Gait, in Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, ed. M.J. Gait. IRL Press, 83-115 (1984);S.L.Beaucage and M.H.Caruthers, Tetrahedron Lett., 22, 1859-1862 (1981); M.D.Matteucci and M.H.Caruthers, Tetrahedron Lett.,21, 719-722 (1980); M.D.Matteucci and M.H.Caruthers, J.Am. Chem. Soc., 103, 3185-3191 (1981)を参照のこと。
Xが低級アルコキシ基であるリン酸トリエステル修飾体は、常法、例えば化学合成で得られたオリゴヌクレオチドをトシルクロリドのDMF/メタノール/2,6−ルチジン溶液で処理することにより得ることができる(Moody H.M., etal., Nucleic Acids Res.,17, 4769-4782 (1989))。
Xがアルキル基であるアルキルホスホネート修飾体は、常法、例えばホスホアミダイトを用いて得ることができる(M.A.Dorman, et.al., Tetrahedron, 40, 95-102 (1984); K.L.Agarwal and F.Riftina, Nucleic Acids Res., 6, 3009-3024 (1979))。
XがSであるホスホロチオエート修飾体は、常法、例えばイオウを用いた固相合成法(C.A.Stein, et.al., Nucleic Acids Res., 16, 3209-3221 (1988))あるいはテトラエチルチウラム ジスルフィドを用いて、固相合成法により得ることができる(H.Vu and B.L.Hirschbein, Tetrahedron Letters, 32, 3005-3008 (1991))。
X,YがともにSであるホスホロジチオエート修飾体は、例えばビスアミダイトをチオアミダイトに変換しイオウを作用させることにより固相合成法により得ることができる(W.K.-D.Brill, et.al., J. Am. Chem. Soc., 111, 2321-2322(1989))。
Xが一級アミンあるいは二級アミンであるホスホロアミデート修飾体は、例えばハイドロジェンホスホネートを一級あるいは二級アミンで処理することにより固相合成法で得ることができる(B.Froehler, et.al. Nucleic Acids Res., 16, 4831-4839 (1988))。あるいは、アミダイトをtert−ブチルハイドロパーオキサイドで酸化しても得ることができる(H.Ozaki,et.al., Tetrahedron Lett., 30, 5899-5902 (1989))。
精製および純度確認は、高速液体クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で行うことができる。分子量の確認は、Electrospray Ionization Mass Spectrometry又はFast Atom Bonbardment-Mass Spectrometryで行うことができる。 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体はヒトIL-6RをコードするDNA又はmRNAの塩基配列にハイブリダイズする配列を有するものであれば、その合成法や由来はいずれでもよい。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体は、ヒトIL-6Rの産生細胞に作用して、ヒトIL-6RをコードするDNA又はmRNAに結合することにより、その転写又は翻訳を阻害し、ヒトIL-6Rの発現を抑制することによって結果的にヒトIL-6の作用を抑制する効果を有する。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体により抑制されるヒトIL-6の作用としては、血小板増多作用、抗体産生増強作用、急性期蛋白誘導作用、腫瘍細胞増殖作用、神経細胞分化作用等が挙げられる。
従って、これらの作用に起因する疾患、例えば腎癌、ミエローマ、レンネルトTリンパ腫、カポジ肉腫などの癌、慢性関節リウマチ等の自己免疫疾患、メサンギウム増殖性腎炎、乾癬、癌性悪液質、感染症におけるエンドトキシンショック等の治療において本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体は有効であると考えられる。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体は、それらに対して不活性な適当な基剤と混和して塗布剤、パップ剤などの外用剤とすることができる。
また、必要に応じて、賦形剤、等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、無痛化剤等を加えて錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、リポソームカプセル剤、注射剤、液剤、点鼻剤など、さらに凍結乾燥剤とすることができる。これらは常法に従って調製することができる。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体は患者の患部に直接適用するか、または血管内に投与するなどして結果的に患部に到達し得るように患者に適応させる。さらに持続性、膜透過性を高めるアンチセンス封入素材を用いることもできる。例えば、リポゾーム、ポリ−L−リジン、リピッド、コレステロール、リポフェクチル又はこれらの誘導体が挙げられる。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体の投与量は、患者の状態に応じて適宜調整し好ましい量を用いることができる。例えば、0.1〜100mg/kg好ましくは0.1〜50mg/kgの範囲で投与することができる。
以下本発明を実施例において詳しく説明する。
合成例1
5′-GCCGACGGCCAGCAT-3′(配列番号:2)の合成
ヒトIL−6RアンチセンスオリゴヌクレオチドとしてヒトIL-6レセプターmRNAの開始コドンよりの5コドンに相補的な15ヌクレオチド(GCCGACGGCCAGCAT)(配列番号:2)を、DNA合成装置(Gene' Assembler Plus, 社製)で合成した。
合成例2
5′-GCCGACGGCCAGCAT-3′(配列番号:2)(ホスホロチオエート修飾体)の合成
3′−水酸基が支持体に結合した5′−ジメトキシトリチルチミジン(1μmol)のジメトキシトリチル基をトリクロロ酢酸によって脱保護し、その5′−水酸基に5′−ジメトキシトリチルデオキシアデノシン β−シアノエチルホスホアミダイト誘導体をテトラゾールにより縮合し、テトラエチルチウラム ジスルフィドによってリンをイオウ化した後、未反応の5′−水酸基を無水酢酸とジメチルアミノピリジンでアセチル化する。
同様に脱保護、縮合、イオウ化、アセチル化を繰り返す。最後の5′−ジメトキシトリチルデオキシグアノシン β−シアノエチルホスホアミダイト誘導体を縮合し、イオウ化して得られた15−merのホスホロチオエート修飾体(以上までの工程はApplied Biosystems社製381A型DNA合成装置により行った。)を濃アンモニア水2mlによって支持体から切り出すと共に、リンからシアノエチル基をはずし、さらにアデニン、グアニン、シトシンに付いている保護基をはずす。
得られた5′−ジメトキシトリチルオリゴヌクレオチドホスホロチオエートは未精製のまま、または高速液体クロマトグラフィーにより精製した後、トリフルオロ酢酸5mlによって5′−ジメトキシ保護基をはずす。得られたオリゴヌクレオチドホスホロチオエートを必要があれば高速液体クロマトグラフィーで精製し、目的の5′-GCCGACGGCCAGCAT-3′(配列番号:2)(ホスホロチオエート修飾体)約2.09 mgを得る。
合成例3
5′-GCGCAGCCGACGGCCAGCAT-3′(配列番号:6)(ホスホロチオエート修飾体)の合成
合成例1と同様にして、目的の5′-GCGCAGCCGACGGCCAGCAT-3′(配列番号:6)(ホスホロチオエート修飾体)約1.81 mgを得る。
合成例4
5′-CATGCTTCCTCCTCGGCTAC-3′(配列番号:3)(ホスホロチオエート修飾体)の合成
合成例2と同様にして、目的の5′-CATGCTTCCTCCTCGGCTAC-3′(配列番号:3)(ホスホロチオエート修飾体)約1.96mgを得る。
合成例5
5′-CATGCTTCCTCCTCG-3′(配列番号:4)(ホスホロチオエート修飾体)の合成
合成例2と同様にして、目的の5′-CATGCTTCCTCCTCG-3′(配列番号:4)(ホスホロチオエート修飾体)約1.91 mgを得る。
合成例6
5′-GGCCAGCATGCTTCCTCCTC-3′(配列番号:5)(ホスホロチオエート修飾体)の合成
合成例2と同様にして、目的の5′-GGCCAGCATGCTTCCTCCTC-3′(配列番号:5)(ホスホロチオエート修飾体)約1.08 mgを得る。
実験例1
ヒト腎細胞癌増殖抑制効果
ヒトIL-6オートクライン癌細胞株を用いて本願発明のヒトIL-6Rアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体の癌増殖抑制効果をみた。
Schroederらにより樹立されたヒト腎細胞癌株NC65を用いた(Hoeehn Wら、 Invest, Urol. 16, 106-112,1978)。培養液として2%ウシ胎児血清(FCS)を加えたRPMI1640(ニッスイ社製)を用いた。
1mlの培養液を入れた35 mm培養皿を一晩37℃、5% CO2 インキュベーターで保存し、これに0.25%トリプシン処理とpipettingにより単一細胞にしたNC65細胞を1×102 個ずつ加えた。24時間後合成例1で得られたヒトIL-6Rアンチセンスオリゴヌクレオチド(0,2,5及び10μg/ml)を含んだ1mlの培養液と交換し、さらに4日間培養した。30個以上の細胞塊をコロニーと定義し、倒立顕微鏡下でそれぞれの個数を数えた。
ヒトIL-6Rのアンチセンスオリゴヌクレオチドはコロニーの形成に対する抑制効果を示した(図1)。
実験例2ヒト可溶性IL-6R(sIL-6R)の発現抑制効果
ヒトIL-6R遺伝子(特開平2-288898号第2図及び第3図参照)からNcoIフラグメントを作製し、それにTAGリンカー(CATG TAGAGATCT)を付加し、CHO発現ベクターpdR (文献名: H.Hasegawa, Eur. J. Biochem., 210,9-12 (1992))に挿入し、可溶性IL-6R発現ベクター(pRNDR1)を構築した。
pRNDR1をdhfr- ・CHO細胞にリン酸カルシウム法により導入し、MTXにて増幅した。最終的に1μM MTX耐性可溶性IL-6R産生CHO細胞(CHO・RN1)を得た。このpRNDR1には配列番号1の翻訳開始コドンATGの上流(5′側)−26番目から始まる可溶性IL-6R遺伝子が含まれている。
細胞の培養は1% FCS(ベーリンガーマンハイム社製)及び1μM MTXを含むIMDM培地(GIBCO社製)で行った。
96穴の培養プレート上でCHO・RN1培養液75μl(6.6×104 個/ml)に10μMのヒトIL-6Rアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体75μlを加え、37℃,5%CO2 インキューベーターで培養した。
24時間培養後、その培養上清の可溶性IL-6R量をマウス抗IL-6Rモノクローナル抗体(MT-18)(特開平2-288898号参照)及びウサギ抗IL-6Rポリクローナル抗体を用いたサンドイッチELISA法によって測定した。
なお、対照(コントロール)としては上記培養液のみを用いて測定した。
ヒトIL-6Rのアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体は可溶性IL-6Rの発現抑制効果を示した(図2)。
図1は、実験例1における本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドがヒト腎細胞癌株NC65の増殖を抑制することを示すグラフである。 図2は実験例2における本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体が可溶性IL-6Rの発現を抑制することを示すグラフである。

Claims (13)

  1. ヒトインターロイキン−6(ヒトIL-6)の作用抑制剤を有効成分とする腎癌治療剤。
  2. ヒトインターロイキン−6レセプター(ヒトIL-6R)をコードするmRNAの翻訳開始コドンを含む少なくとも9個の連続する塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を有効成分とする請求項1に記載の腎癌治療剤。
  3. 配列番号:1における翻訳開始コドンとその下流の塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を含んで成る請求項2に記載の腎癌治療剤。
  4. 塩基配列がGCCGACGGCCAGCAT(配列番号:2)であるアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を含んで成る請求項3に記載の腎癌治療剤。
  5. 配列番号:1における翻訳開始コドンとその上流の塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を含んで成る請求項2に記載の腎癌治療剤。
  6. 前記塩基配列がCATGCTTCCTCCTCGGCAC(配列番号:3)である請求項5に記載の腎癌治療剤。
  7. 前記塩基配列がGATGCTTCCTCCTCG(配列番号:4)である請求項5に記載の腎癌治療剤。
  8. 配列番号:1における翻訳開始コドン並びにその上流及び下流の塩基配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導体を含んで成る、請求項2に記載の腎癌治療剤。
  9. 前記塩基配列がGGCCAGCATGCTTCCTCCTC(配列番号:5)である請求項8に記載の腎癌治療剤。
  10. 下記の構造:
    Figure 2006036789
    [式中、Xは独立に硫黄、低級アルキル基、一級アミン、二級アミン、又は低級アルコキシ基であり;
    Yは独立に酸素又は硫黄であり;
    Bはアデニン、グアニン、チミン又はシトシンであり;
    Rは独立に水素、ジメトキシトリチル又は低級アルキル基であり;そして
    nは13であり;
    そして、ヌクレオチド配列:GCCGACGGCCAGCAT(配列番号:2)を有する]
    により表されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを有効成分として含んで成る請求項1に記載の腎癌治療剤。
  11. 下記の構造:
    Figure 2006036789
    [式中、Xは独立に硫黄、低級アルキル基、一級アミン、二級アミン、又は低級アルコキシ基であり;
    Yは独立に酸素又は硫黄であり;
    Bはアデニン、グアニン、チミン又はシトシンであり;
    Rは独立に水素、ジメトキシトリチル又は低級アルキル基であり;そして
    nは18であり;
    そして、ヌクレオチド配列:CATGCTTCCTCCTCGGCAC(配列番号:3)を有する]
    により表されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを有効成分として含んで成る請求項1に記載の腎癌治療剤。
  12. 下記の構造:
    Figure 2006036789
    [式中、Xは独立に硫黄、低級アルキル基、一級アミン、二級アミン、又は低級アルコキシ基であり;
    Yは独立に酸素又は硫黄であり;
    Bはアデニン、グアニン、チミン又はシトシンであり;
    Rは独立に水素、ジメトキシトリチル又は低級アルキル基であり;そして
    nは13であり;
    そして、ヌクレオチド配列:GATGCTTCCTCCTCG(配列番号:4)を有する]
    により表されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを有効成分として含んで成る請求項1に記載の腎癌治療剤。
  13. 下記の構造:
    Figure 2006036789
    [式中、Xは独立に硫黄、低級アルキル基、一級アミン、二級アミン、又は低級アルコキシ基であり;
    Yは独立に酸素又は硫黄であり;
    Bはアデニン、グアニン、チミン又はシトシンであり;
    Rは独立に水素、ジメトキシトリチル又は低級アルキル基であり;そして
    nは18であり;
    そして、ヌクレオチド配列:GGCCAGCATGCTTCCTCCTC(配列番号:5)を有する]
    により表されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを有効成分として含んで成る請求項1に記載の腎癌治療剤。
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