JP2006036783A - 体脂肪燃焼促進用香料組成物 - Google Patents

体脂肪燃焼促進用香料組成物 Download PDF

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和代 田辺
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英寿 金
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Abstract

【課題】 人体に安全で、脂肪の代謝を促進することによって体脂肪の蓄積を抑制することのできる香料組成物及び付香製品を提供する。具体的には、褐色脂肪組織を増加するために用いられる香料組成物及び付香製品、体脂肪の燃焼を促進するために用いられる香料組成物及び付香製品、並びに体脂肪の蓄積を抑制するか、または体脂肪量を低下するために用いられる香料組成物を提供する。
【解決手段】 香料組成物及び付香製品の有効成分としてジュニパー油を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、香料組成物に関する。より詳細には、本発明は、体内の褐色脂肪組織を増加させる目的、体脂肪の燃焼を促進する目的、または体脂肪の蓄積を抑制するかまたは体脂肪を低減する目的で用いられる香料組成物に関する。さらに本発明はこれらの香料組成物を含有することで、上記各効果を有する付香製品に関する。
肥満は、美容のみならず,高血症、高血圧及び糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因ともなり、飽食状態にある先進諸国においては、医療費の増大とあいまって、国家的な問題となっている。
肥満は、摂取エネルギー量が消費エネルギー量を上回ることにより誘導される。これを逆転させて肥満を解消する方法として、油脂代替物や非吸収性油脂を用いて脂肪の吸収量を抑制して摂取エネルギー量を低減する方法(例えば、特許文献1等参照のこと)や、生体が本来有する脂肪の代謝を促進して肥満を防止する方法が種々提案されている。
後者の方法に関して、体脂肪の代謝を促進する物質として、例えば烏龍茶ポリフェノール、カプサイシン、並びにガルシニアに含まれるヒドロキシクエン酸等が知られている。烏龍茶ポリフェノールは、高脂肪食ラットに与えた場合、脂肪排泄量が増加し、併せて脂肪分解酵素リパーゼの活性化が起こること、カプサイシンは、脳に働きかけ、副腎からのアドレナリンの分泌を促進すること、またヒドロキシクエン酸は脂肪の合成を阻害すると言われている(特許文献2の従来技術の欄参照)。また、カプサイシンやカフェインを含有する植物由来成分が脂肪の代謝を促進し、脂肪の分解を促す効果があることも示唆されている(非特許文献1及び2等参照のこと)。また、最近では、緑茶、紅茶及び烏龍茶などに含まれるカテキン類に体脂肪の燃焼を促進する効果が、またグレープフルーツ油の香りに交感神経を活発化させる効果があることが知られており、それぞれ人体に対して安全な体脂肪燃焼促進剤及び抗肥満香料組成物として提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
このように、従来から、健康的に肥満を防止したり解消する方法として、人体に安全な素材を利用して、身体の熱産生効率を上げたり消費エネルギーを増大させる方法が注目され、検討されているのが実情である。
米国特許第3600186号公報 特開2002−326932号公報 特開2002−193824号公報 吉田ら、J. Nutr. Sci. Vitaminol 1988 Dec.;34(6)587-594 吉岡ら、J. Nutr. Sci. Vitaminol 1990 Apr.;36(2)173-178
本発明は、かかる当業界の要望に則して、体脂肪の燃焼を促進する香料組成物を提供することを目的とする。具体的には、本発明は、香りを嗅ぐことによって体内の褐色脂肪組織を増加させることのできる香料組成物、香りを嗅ぐことによって体脂肪の燃焼を促進することのできる香料組成物、並びに、これらのいずれかの機能に基づいて脂肪の蓄積を抑制したり、また減少することのできる香料組成物を提供することを目的とする。さらに、本発明は、かかる香料組成物を含有することで上記機能を有する付香製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、各種の植物精油に注目して鋭意検討していたところ、ジュニパー油の香りに体内の褐色脂肪組織を増加させる作用、並びに脂肪の燃焼を促進する作用があることを見いだした。そして、かかるジュニパー油若しくはこれを有する香料組成物、並びに当該ジュニパー油を用いて付香させた製品は、脂肪の蓄積を抑制したり体脂肪量を低下させることで、肥満の予防及び解消に有効に利用できることを確信した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は下記に記載する各種の目的で用いられる香料組成物である:
項1.ジュニパー油からなるか、またはこれを含有する褐色脂肪組織増加用香料組成物。
項2.ジュニパー油からなるか、またはこれを含有する体脂肪燃焼促進用香料組成物。
項3.ジュニパー油からなるか、またはこれを含有する体脂肪蓄積抑制または体脂肪量低下用香料組成物。
さらに本発明は、下記に記載する各種の目的で用いられる付香製品である:
項4.ジュニパー油を含有する褐色脂肪組織増加用の付香製品。
項5.ジュニパー油を含有する体脂肪燃焼促進用の付香製品。
項6.ジュニパー油を含有する体脂肪蓄積抑制または体脂肪量低下用の付香製品。
以下に、本発明を詳細に説明する。
I.香料組成物
本発明は、褐色脂肪組織の増加、体脂肪燃焼の促進、または体脂肪の蓄積抑制もしくは体脂肪量の低下を目的として使用される香料組成物に関する。
これらの香料組成物は、いずれもジュニパー油からなるか、またはジュニパー油を含有することを特徴とする。
ジュニパー油は、ヒノキ科に属するジュニパー(セイヨウネズ:Juniperus communis L.)の果実(液果)を水蒸気蒸留して得ることができる精油である。かかる精油は、従来
より、フレグランス、洋酒(ジン)、口中清涼剤などのフレーバーとして広く用いられており[日本香料協会編,香りの百科,214(1989),朝倉書店]、人体に対する安全性が
確認されている精油である。さらにジュニパー油には、殺菌消毒作用や利尿作用の他に、各種の有用な作用が知られており(例えば、強壮作用、駆風作用、解毒作用、健胃作用、抗神経障害作用、抗リウマチ作用、催淫作用、収斂作用、浄血作用、鎮痙作用、通経作用など)、これに基づいて各種の疾患の治療(芳香療法)に用いられている。
ジュニパー油は、前述するようにジュニパーの液果を水蒸気蒸留することによって調製することができるが、商業的に入手することもできる。なお、液果と小枝等の他の部位とを一緒に蒸留して調製されるジュニパー油もまた本発明が対象とするジュニパー油の中に含まれる。
本発明の香料組成物は、ジュニパー油だけからなるものであっても、又、本発明の効果を奏する範囲において前記の精油以外の成分を含有するものであってもよい。精油以外の成分としては、他の精油、香料、並びに香料組成物の調製に使用される基剤や添加剤等を挙げることができる。
ここで、ジュニパー油と組み合わせて用いられる精油として、制限はされないが、得られる香料組成物が本発明の効果を奏することに加えて、ジュニパー油がミドルノートに属する精油であることも考慮に入れて、選択することが好ましい。例えば安息香油、オレン
ジ油、グレープフルーツ油、サイプレス油、サンダルウッド油、ゼラニウム油、乳香油、ベルガモット油、メリッサ油、ライム油、レモングラス油、ローズマリー油、及びラベンダー油などを好適に例示することができる。
本発明の香料組成物が、ジュニパー油以外に他の成分を含有する場合、ジュニパー油の含有割合としては、本発明の効果を奏することを限度として、例えば0.1〜99%(w/w)の範囲から適宜選択することができる。
本発明の香料組成物は、その形状を特に問うものではない。例えば、通常の香料の溶剤として使用されるエタノール、プロピルアルコールまたはイソプロピルアルコールなどの炭素数1〜6の低級アルコール、並びにプロピレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールに溶解した溶液状;アラビアガムやトラガントガム等の天然ガム質類、またはグリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステルなどを用いて乳化した乳化状;アラビアガムなどの天然ガム質類、ゼラチン、デキストリンなどの香料の賦形剤として公知の材料で被覆した粉末状;界面活性剤などを用いて可溶化(分散化)した可溶化状(分散状);公知のカプセル化剤で処理して得られるマイクロカプセルなど、目的に応じて任意の形状を選択し、常法に従って調製することができる。また、サイクロデキストリンなどの公知の賦形剤で包接して、徐放性を持たせることもできる。
後述する試験例2で示すように、ジュニパー油からなるか若しくはこれを含む本発明の香料組成物は、その香りを嗅ぐことによって体内の褐色脂肪組織を増加することができる。褐色脂肪組織は、体内のエネルギーを燃やして熱産生を行う、エネルギーの消費器官である。ゆえに、本発明の香料組成物によれば、体内の褐色脂肪組織を増加させることに伴って、エネルギー代謝を活性化して体内の脂肪燃焼を促進することができると考えられる。そして、その結果、体内での脂肪の蓄積を抑制して太りにくい体質を作ることが可能である。
また、後述する試験例1で示すように、ジュニパー油からなるか若しくはこれを含む本発明の香料組成物は、その香りを嗅ぐことによって、血中の中性脂肪量が減少して遊離脂肪酸が増加する傾向がある。また試験例3で示すように、その香りを嗅ぐことで白色脂肪組織量が減少する。ゆえに、本発明の香料組成物によれば、体内の脂肪代謝を促進して蓄積した体脂肪を減少することができると考えられる。
従って、本発明の香料組成物は、体内の褐色脂肪組織の増加、体脂肪の燃焼促進、体脂肪の代謝促進、または体脂肪の蓄積抑制若しくは体脂肪量の減少を目的として使用することができる。
II.付香製品
本発明の香料組成物は、各種の製品に上記機能を有した香料として配合することができる。本発明は、また上記本発明の香料組成物を含有する付香製品を提供するものである。
本発明において、付香製品とは、上記本発明の香料組成物を、付香を目的として含有するか、又は上記本発明の香料組成物を含有し、その結果、香りを発生する製品を意味する。これらの性質を有するものであれば、特に制限されないが、具体的な付香製品としては、例えば、芳香剤、香粧品、吸入投与剤、繊維製品用洗剤、繊維製品、食品、医薬品、医薬部外品または日用品(雑貨)などを挙げることができる。好ましくは、芳香剤、香粧品、吸入投与剤、繊維製品及び食品であり、さらに好ましくは、芳香剤、香粧品、食品である。
芳香剤としては、例えば、室内用、トイレ用、自動車用、玄関用、浴室用、クローゼッ
ト用、衣類等の繊維用、タンス用等の従来から芳香剤として使用されているものが挙げられる。なお、消臭効果を兼ね備えているものもここでいう芳香剤に含まれる。芳香剤の形態も固体状、半固体状(ゼリー状、ゲル状等)、液体状、エアゾール状等の様々な形態が使用される。
香粧品には、化粧料に加えて、石鹸等の生体洗浄剤や入浴剤、香水などのフレグランス、練歯磨、液体歯磨、洗口剤、マウスペット、及び口中清涼剤等も包含される。香粧品として、具体的には、例えばクリーム、乳液、化粧パウダー、ボディーローション、整髪料、洗髪料、石鹸、ボディーソープ、制汗剤、シャンプー、リンス、香水、化粧水、口紅、リップクリーム、サンスクリーン、マッサージオイル、マッサージクリーム、及びスキンケアオイル等が挙げられる。
吸入投与剤としては、スプレーや芳香成分の揮発等によって鼻付近で芳香を発生させ、意図的に芳香を吸入させるもの等をいい、例えば、点鼻薬、噴霧剤、吸入液等である。
食品としては、例えば、本発明の香料組成物を含有し、体内の褐色脂肪組織の増加、体脂肪の燃焼促進、体脂肪の代謝促進、または体脂肪の蓄積抑制若しくは体脂肪量の減少を目的として摂取されるものを挙げることができる。香り成分による効果を効率よく得るためには、口中に比較的長い時間留まり口を経由して芳香が吸入されるものや、口に入れる前に香り成分が吸入されるものが好ましい。具体的には、ガム、飴、グミ、及びトローチなどの菓子類;ヨーグルトやアイスクリーム等の冷菓やデザート;茶等の清涼飲料水:口中清涼剤;サプリメントなどを挙げることができる。
繊維製品用洗剤としては、例えば、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性若しくは両性イオン性の洗剤、繊維製品柔軟剤、繊維製品柔軟用製品、ドライヤー用繊維柔軟剤製品等が挙げられる。
繊維製品としては、肌着や上着などの衣料品、ハンカチやタオル類、敷物、バッグや袋、及び小物等を挙げることができる。
また、医薬部外品には、練歯磨、液体歯磨、洗口剤、マウスペット、口中清涼剤、パップ剤などが、また日用品(雑貨)としては台所用洗剤、及び吸熱や冷却用のジェルシート等の貼付剤が含まれる。
付香製品における本発明の香料組成物の含有量は、特に制限されず、ジュニパー油の含有量に換算して0.1〜99%(w/w)の範囲から適宜選択することができる。ただし、本発明の香料組成物の効果は、年令、性別、心理状態、身体状態、及び体脂肪量等の個人差などにより影響を受けるので、0.1%(w/w)未満の香料組成物を含有する付香製品を用いることもある。好ましくは1〜50%(w/w)、より好ましくは3〜30%(w/w)である。
芳香剤には、本発明の香料組成物に加えて、従来芳香剤に使用されてきた基剤、添加剤等の成分を含有させることができる。芳香剤用基剤としては、固体、液体、半固体状(ゼリー状、ゲル状等)、エアゾール状等の形態をとるものが一般的である。例えば、水、エタノール、固体又は液体の陰イオン性、陽イオン性、非イオン性活性剤、高分子剤、油脂、グアガム、キサンタンガム、アラビアガム、ジェランガム、カラギーナン、ゼラチン、寒天等が挙げられる。さらに、固体ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン)、ケイ酸カルシウム等の保持用担体に含浸させた製品形態で用いることができる。
香粧品には、本発明の香料組成物に加えて、従来香粧品に使用されてきた基剤、添加剤
等の成分を含有させることができる。基剤としては、特に制限されないが、例えば、水、エタノール、タルク、ゼラチン、等が挙げられる。添加剤としては、特に制限されないが、例えば、保湿剤、皮膚柔軟剤、防腐剤、溶解剤等が挙げられる。
香粧品が香水の場合には、本発明による香料組成物をそのまま単独で何も加えずに使用するか、アルコール(例えば、エチルアルコール)または水性アルコールに本発明の香料組成物を溶解した状態で使用することができる。香水には、本発明の香料組成物を、ジュニパー油の含有量に換算して0.1〜99(w/w)%の割合で配合することができる。水とアルコールとの配合比は、50:50〜0:100(容量比)の範囲を挙げることができる。コロンは、溶解剤、柔軟化剤、ヒューメクタン、濃化剤、静菌剤、またはその他化粧品に通常用いられる材料を含有することができる。通常の調香手段を用いて、本発明の香料組成物に調和する香料成分を更に添加して変調し、保留性やこくなどを加えて仕上げたり、あるいはトップノート、ミドルノート、ベースノートを適当に組み合わせて経時的にも魅力的な芳香を発する配合物を調製することができる。
吸入投与剤には、本発明の香料組成物に加えて、従来吸入投与剤に使用されてきた基剤、添加剤等の成分を含有させることができる。また、吸入用の気体を使用する場合も従来の吸入投与剤に使用されてきた気体を使用することができる。
繊維製品用洗剤には、本発明の香料組成物に加えて、従来から繊維製品用洗剤に使用されている他の成分を使用することができる。
本発明の付香製品は、その香り成分としてジュニパー油を含有するものである。従って、本発明の付香製品によれば、体内の褐色脂肪組織を増加させることができる。そして、それに伴って、エネルギー代謝を活性化して体内の脂肪燃焼を促進することができると考えられる。その結果、体内での脂肪の蓄積を抑制して太りにくい体質を作ることが可能である。また、本発明の付香製品によれば、体内の脂肪代謝を促進して蓄積した体脂肪を減少することができると考えられる。従って、本発明の付香製品は、体内の褐色脂肪組織の増加、体脂肪の燃焼促進、体脂肪の代謝促進、または体脂肪の蓄積抑制若しくは体脂肪量の減少を目的として使用することができる。
以上述べるように、ジュニパー油を有効成分とする本発明の香料組成物及び付香製品によれば、体内の褐色脂肪組織を増加させることができる。そして、それに伴って、エネルギー代謝を活性化して体内の脂肪燃焼を促進することができると考えられる。その結果、体内での脂肪の蓄積を抑制して太りにくい体質を作ることが可能である。また、ジュニパー油を有効成分とする本発明の香料組成物及び付香製品によれば、体内の脂肪代謝を促進して蓄積した体脂肪を減少することができると考えられる。従って、本発明の付香製品は、体内の褐色脂肪組織の増加、体脂肪の燃焼促進、体脂肪の代謝促進、または体脂肪の蓄積抑制若しくは体脂肪量の減少を目的として使用することができる。
以下、試験例及び実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
試験例1
Wistar系雄性ラットに、植物精油(ジュニパー油、グレープフルーツ油)を嗅がせて、血液中の中性脂肪量及び遊離脂肪酸量、並びに体重に対する影響を調べた。なお、ジュニパー油(商品名:ジュニパーベリー油、小川香料株式会社)、及びグレープフルーツ油(商品名:グレープフルーツ精油(白)、稲畑香料株式会社)は、それぞれ3%(w/w)
となるようにジプロピレングリコールに溶解し、被験精油として用いた。なお、グレープフルーツ油の香りは、交感神経を活性化させる作用があり、それにより代謝を活発化して体重が低減する効果(抗肥満効果)のあることが知られている(例えば、特開2002-193824号公報参照)。
具体的には、無作為に選択したWistar系雄性ラット(5週齢、体重100〜120g)を3群にわけ(各群:6匹)、第1群及び第2群のラットには、それぞれ上記各ジュニパー油及びグレープフルーツ油から発せられる香気を5日間自然吸入させた(ジュニパー油吸入群、グレープフルーツ油吸入群)。また第3群のラットには、ネガティブコントロールとして、ジプロピレングリコールを5日間自然吸入させた(非吸入群)。自然吸入は、上記の各被験精油またはジプロピレングリコール100μgを、それぞれにおい紙(7mm×50mm、第一薬品産業株式会社製)に含浸させ、当該におい紙から発せられる香気をラットが自然吸入するように、これをラット飼育ケージの上部に5日間設置することで行った。なお試験中は、ラットに餌及び水を自由に摂取させ、餌の摂取量を記録した。
自然吸入させてから5日後、体重を測定した後に、ラットをエーテル麻酔により屠殺し、腹大静脈より採血し、血清中の中性脂肪量及び遊離脂肪酸量を測定した。なお、血清中の中性脂肪量及び遊離脂肪酸量は、それぞれトリグリセライドE−テストワコー(和光純
薬工業(株))及びNEFA C−テストワコー(和光純薬工業(株))を用いて測定した。
結果を、ラットの5日間の餌の総摂取量(総摂餌量g)と併せて、表1に示す。なお、表1に示す体重増加量(g)は、各ラットについて試験前に測定した体重と対比した場合の増加量を示す。表1の各測定値は、各群のラット(6匹)の測定値の平均値±標準偏差である。
Figure 2006036783
表1で示されるように、ジュニパー油吸入群は、非吸入群に比して、血液中の中性脂肪量が格段に減少し、また遊離脂肪酸量も増加傾向にあった。このことから、ジュニパー油吸入群は、からだが、脂肪の合成及び蓄積(エネルギー貯蔵)よりも代謝(脂肪の分解、エネルギー源としての利用)の方向に傾いていることが示唆された。
前述するように、グレープフルーツ油は、その香りを嗅ぐことで交感神経が活性化し、それによって代謝を活発化して体重が低減することが知られている。上記の結果で示すように、ジュニパー油は、かかるグレープフルーツ油よりも、血中の中性脂肪量を減少させる効果が格段に高かった。ジュニパー油吸入群は、グレープフルーツ油吸入群よりも餌の摂取量が多いにも拘わらず、このように血中の中性脂肪量の低下率が格段に大きいことから、脂肪の燃焼(異化、エネルギー源としての利用)が促進されている可能性が示唆された。
試験例2 褐色脂肪組織の重量変化
Wistar系雄性ラットに、ジュニパー油を嗅がせた場合の、褐色脂肪組織の重量変化を調べた。
具体的には、試験例1と同様に無作為に選択したWistar系雄性ラット(6週齢、体重125〜145g)を2群にわけ(各群:6匹)、第1群のラットには、ジュニパー油から発せられる香気を8日間自然吸入させ(ジュニパー油吸入群)、第2群のラットには、コントロールとして、ジプロピレングリコールを8日間自然吸入させた(非吸入群)。なお、自然吸入方法は、試験例1と同様に、被験精油またはジプロピレングリコール含浸させたにおい紙をラット飼育ケージの上部に8日間設置することで行った。なお試験中は、ラットに餌及び水を自由に摂取させた。吸入から8日めに、各群のラットをエーテル麻酔により屠殺し、開腹して肩胛骨間の褐色脂肪組織を摘出し、その重量を測定した。結果を表2に示す。なお、表2には、各ラット群について、褐色脂肪組織の体重に占める割合〔(褐色脂肪組織重量/体重)×100 (%)〕を求めた結果を合わせて示す。なお、表2の各測定値は
、各群の各ラット(6匹)の測定値の平均値±標準偏差である。
Figure 2006036783
表2で示されるように、ジュニパー油吸入群は、非吸入群に比して褐色脂肪組織重量及びその体重に占める割合が有意に増加することがわかった。褐色脂肪組織は、エネルギー貯蔵庫としての機能を担う白色脂肪組織とは異なり、体内のエネルギーを燃やして熱産生を行う、エネルギーの消費器官である。ゆえに、体内における褐色脂肪組織の増加は、体のエネルギー代謝が活性化されて、その結果、太りにくい体質になることを意味する。すなわち、上記結果から、ジュニパー油を嗅ぐことにより、褐色脂肪組織が増加して、熱産生効率のよい太りにくい体質になることが示唆された。
試験例3
Wistar系雄性ラットに、ジュニパー油を嗅がせた場合の、褐色脂肪組織のミトコンドリアに含まれるタンパク質量を測定した。
具体的には、試験例2と同様に、無作為に選択したWistar系雄性ラット(6週齢、体重120〜140g)を2群にわけ(各群:8匹)、第1群のラットには、ジュニパー油から発せられる香気を3日間自然吸入させ(ジュニパー油吸入群)、第2群のラットには、コントロールとして、ジプロピレングリコールを3日間自然吸入させた(非吸入群)。なお試験中は、試験例2と同様に、ラットに餌及び水を自由に摂取させた。吸入から3日後に、各群のラットをエーテル麻酔により屠殺し、開腹して肩胛骨間の褐色脂肪組織を摘出した。次いで、その褐色脂肪細胞からミトコンドリアを抽出し、そのタンパク質量を、Bio-rad Protein Assay(日本バイオラッドラボラトリーズ(株))を用いて測定した。
結果を表3に示す。なお、表3の各測定値は、各群の各ラット(8匹)の測定値の平均値±標準偏差である。
Figure 2006036783
表3で示すように、ジュニパー油吸入群では、非吸入群に比して、褐色脂肪組織中のミトコンドリアに含まれるタンパク質量が有意に増加していることが確認された。
試験例4 白色脂肪組織の重量変化
Wistar系雄性ラットに、ジュニパー油を嗅がせた場合の、白色脂肪組織の重量変化を調べた。具体的には、試験例2と同様に、無作為に選択したWistar系雄性ラット(6週齢、体重125〜145g)を2群にわけ(各群:6匹)、第1群のラットには、ジュニパー油から発せられる香気を8日間自然吸入させ(ジュニパー油吸入群)、第2群のラットには、コントロールとして、ジプロピレングリコールを8日間自然吸入させた(非吸入群)。なお試験中は、試験例2と同様に、ラットに餌及び水を自由に摂取させた。吸入から8日めに、各群のラットをエーテル麻酔により屠殺し、開腹して精巣周囲の白色脂肪組織を摘出し、重量を測定した。結果を表4に示す。なお、表4の各測定値は、各群の各ラット(6匹)の測定値の平均値±標準偏差である。
Figure 2006036783
表4で示されるように、ジュニパー油吸入群は、非吸入群に比して白色脂肪組織重量が有意に減少した。上記試験例2の結果から、ジュニパー油吸入群は褐色脂肪組織が増加しており、脂肪の燃焼効率の向上に伴って代謝が促進されていることが示唆されたが、白色脂肪組織重量の減少を示す本件試験の結果は、これを裏付けるものと考えられる。
すなわち、上記の試験例の結果から、ジュニパー油を嗅ぐことにより、褐色脂肪組織が増加し、その結果脂肪燃焼が促進されて、体内の脂肪蓄積が抑制されるか、または体脂肪が減少するという効果が得られることが示唆された。
<実施例>
以下の処方例に示す、本発明の香料組成物を含有する付香製品を調製した。
なお、下記のジュニパー油として、Juniperus communis(ヒノキ科)の液果から抽出された精油(商品名:ジュニパーベリー油、小川香料株式会社)を用いた。
処方例1:液体芳香剤
Figure 2006036783
処方例2:ゲル芳香剤
Figure 2006036783
処方例3:芳香エアゾール剤
Figure 2006036783
処方例4:素焼きに含浸させる芳香剤
Figure 2006036783
ジュニパー油及びイソパラフィンからなる混合物を担持体(特殊ケイ酸カルシウム(トク
ヤマ製、フローライトRM-90))に含浸させ、素焼き容器に入れた。
処方例5:吸入用液体芳香剤
Figure 2006036783
処方例6:マッサージオイル
Figure 2006036783
処方例7:マッサージクリーム
Figure 2006036783
処方例8:飴
Figure 2006036783
上記成分を上記の割合で混合して、加熱濃縮した。成形後、冷却して飴を調製した。
処方例9:ガム
Figure 2006036783
本発明の香料組成物及び付香製品によれば、体内の褐色脂肪組織の増加効果、または体脂肪燃焼促進若しくは体脂肪代謝促進効果を発揮することによって、体脂肪の蓄積を抑制したり、また体脂肪量を低下することができる。よって、本発明によれば、エネルギー代謝を改善して、太りにくい体質を作るのに有効に使用できる香料組成物及び付香製品を提供することができる。

Claims (7)

  1. ジュニパー油からなるか、またはこれを含有する褐色脂肪組織増加剤。
  2. 付香製品の形態である、請求項1記載の褐色脂肪組織増加剤。
  3. ジュニパー油からなるか、またはこれを含有する体脂肪蓄積抑制剤。
  4. 付香製品の形態である、請求項3記載の体脂肪蓄積抑制剤。
  5. ジュニパー油からなるか、またはこれを含有する体脂肪量低下剤。
  6. 付香製品の形態である、請求項5記載の体脂肪量低下剤。
  7. 付香製品の形態である、ジュニパー油からなるか、またはこれを含有する体脂肪燃焼促進剤。
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