JP2006036057A - 自動車用整流板 - Google Patents

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Abstract

ブロー成型体の中子に補強繊維を巻き付けてRTM成形し、連続した強化繊維の中空構造からなるFRPにより車幅方向に横長な水平翼を成形し、従来に比べて軽量で、走行性能を向上した自動車用整流板を提供する。
【課題】
そこで本発明の課題は、従来の製法で問題としてきた整流板の重量に対して、水平翼を中空構成とすることにより従来の整流板に対して軽量化し、さらに単に中空構造を実現するだけではなく芯材が無くても強度の低下をできるだけ抑えて、自動車の操縦性能の向上を提供することにある。
【解決手段】
車幅方向に横長な水平翼が継ぎ目のない繊維強化樹脂の中空構造からなる自動車整流板。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の主に後端部に取りつけられる整流板に関する。
自動車において、高速走行時のタイヤと路面の摩擦力を高めるべく、図1,2 に示すように、いわゆるダウンフォースを発生させるために横から見ると翼形状の断面の整流板を車体後端部に装着する。
このような整流板は、従来はレーシング仕様など限られた車両にのみ搭載されていたが、近年の自動車の高性能化や、ユーザの関心の高さなどから一般車への搭載も増加している。
このような整流板においては、一般車両への搭載を考えると、アルミニウム製などが用いられてきたが、走行性能から見るとさらに軽量化することが要求されてきた。そのなかで、FRPでの製作が検討され、翼自体の強度の他、耐衝撃性や生産性などの考慮をしたとき、内部にフォーム材を用いることで補強する手段が取られてきた。
また、フォーム材など中子には、風船などを用いる方法によるさらなる軽量化も考案されてきた。この方法では、事前に成形型の内面に、未硬化のプラスティック層を張り付け、さらにその上に風船を張り付ける工程となっている。しかし、この方法では、成形型上での作業時間が長く、成形サイクルが長くなる欠点があり、量産性の面での対応は困難であった。
特開2000−302062号公報(第0002段落〜第0004段落) 特開2003−311765号公報(第0020段落、第0021段落)
そこで本発明の課題は、従来の製法で問題としてきた整流板の重量に対して、水平翼を中空構成とすることにより従来の整流板に対して軽量化し、さらに単に中空構造を実現するだけではなく芯材が無くても強度の低下をできるだけ抑えて、自動車の操縦性能の向上を提供することにある。
さらに、中子に事前に強化繊維を巻き付けるなどプリフォーミングすることで、成形型上での作業を樹脂注入と硬化の最低限とすることが可能であり、経済的な成形方法を提供する。
さらに、従来は芯材の形状寸法精度に依存していた型と芯材の隙間体積についても中子への加圧を追加することで、中子と型の隙間体積を制御し、樹脂中の強化繊維比率を上げることでより軽量化と剛性向上を提供する。
上記課題を達成するために本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)車幅方向に横長な水平翼が中空構造を有する継ぎ目のない繊維強化樹脂からなる自動車用整流板。
(2)繊維強化樹脂を構成する強化繊維が連続繊維である(1)に記載の自動車用整流板。
(3)水平翼の最表層において強化繊維の端部が水平翼弦端部に位置する(2)に記載の自動車用整流板。
(4)強化繊維が主として炭素繊維からなる(2)または(3)に記載の自動車用整流板。
本発明によれば、従来の整流板では困難であったさらなる軽量化が達成され、自動車の操縦性能の向上が得られる。
水平翼とは、図1中の36で示される車幅方向に横長の整流板をいう。これを中空構造でかつ継ぎ目をなくすることにより、軽量化と強度を両立することを可能とした。ここでいう継ぎ目とは、接着やネジ止めによる接合部のつなぎ目をいい、この様な部分をなくすことで走行中の風力による変形時に応力集中を生じる部分をなくし、水平翼全体に応力を分散できることから、上記の軽量化と強度の両立をなし得たものである。
また、強化繊維はより少ない厚みで強度や剛性といった機械特性を得られることから、形態としては、連続繊維であることが好ましい。
また、水平翼の最表層において強化繊維の端部が水平翼弦端部に位置することが好ましい。水平翼弦端部とは水平翼の前後の端部のことをいい、強化繊維の端部を、ここにのみ位置させることで水平翼の上下面に繊維端部が来ないことから、繊維端部による凹凸や、織り目の不連続等が生じないため、意匠上好ましい。
また、強化繊維の材質としては、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリコンカーバイド繊維、ボロン繊維、単価ケイ素繊維など無機繊維や、ポリアラミド繊維(例えば、米国デュポン(株)製の“ケブラー”)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(例えば、東洋紡績(株)製の“ザイロン”)等の有機繊維が使用できるが、比強度、比弾性率に優れる炭素繊維を用いることが好ましい。炭素繊維として、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、セルロース系など挙げられるが、強度・剛性のバランスからはPAN系の炭素繊維が好ましい。
第3図は 中空構造の整流板水平翼の成型方法について図示する。本実施例では RTM(Resin Injection Molding)を採用した。
本発明におけるFRPとは、強化繊維により強化されている樹脂を指し、強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、あるいはケブラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる補強繊維が挙げられる。また、例えば樹脂の含浸されていない強化繊維の織物や、マット、ニット材料、さらにこれらとインサート部品との組み合わせ等が挙げられ、その用途により使い分けられる。FRPのマトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さらには、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用可能である。
以下、本発明である整流板の構成、およびその製造方法について最良の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
第1図において、整流板は、水平翼36、垂直翼37から構成され、自動車35のトランクリッド38に取り付られる。垂直翼37はトランクリッドへの取り付け機能を有するが、水平翼36の両端の形状を垂直翼に似せて、この機能も受け持つことが可能であり、別体の垂直翼が必ずしも必要ではない。本実施例におけるスポイラーは、第1図に示すように中空の水平翼36と、垂直翼37にはブロー成形で成形した部材を用いている。
ここで、垂直翼の成形方法はCFRPとすることで更なる軽量化が期待できるがコストが高く形状面でも制約が大きいため ブロー成形や、インジェクションとブロー成形の組み合わせなどの熱可塑樹脂を用いた成型を推奨する。
図3の流れに沿って、また成型の詳細については図4・5をあわせて本発明である整流板の製造方法について説明する。
(1) 図3・中子工程50
水平翼の最終形状より、FRPの厚み分小さい成形体を成形する。この成形体を中子33と称して 本実施例では ポリプロピレンのブロー成形体を採用している。
(2) 図3・プリフォーム工程51
中子33に、炭素繊維やガラス繊維のクロス34を巻き付ける。中子33に、クロスを巻き付けることで、連続した強化繊維で構成できる。また、いわゆるフィラメントワインディグの要領で繊維を巻き付けることでも可能である。また、上記クロスと繊維を複合的に使用してもかまわない。さらに、主は連続繊維で構成されるが、短繊維で構成されたマット等を一部に使用してもかまわない。
最表層については、クロスの端が翼の中央部に来ると見栄えが損なわれるため、クロス端部が翼弦の端部に来るようにして、クロスの端が見えにくくし意匠性の低下を防ぐ。

(3) 図3・成形型への載置53
炭素繊維やガラス繊維のクロス34を巻き付けた中子33を、下型17に載置する。
成形型へ設置する前に、中子33にクロス34を巻き付けることで、成形型上で作業を樹脂の注入に関わる作業のみとする事が出来る。
成形型の材質としてはFRP、鋳物、構造用炭素鋼、アルミニウム合金、亜鉛合金、ニッケル電鋳、銅電鋳があげられる。型剛性、耐熱性、作業性の面から構造用炭素鋼が好適である。
(4) 図3・成型54
炭素繊維やガラス繊維のクロス34を巻き付けた中子33をRTM成形下型17に載置した後、上型16を下降させて、型を閉じる。樹脂を注入する前に、樹脂注入圧より高い圧力(好ましくは1.25倍以上)を中子33に連通する中子内圧受け入れ口18に加える。
なお、空気圧を中子33に加える際は、中子の耐内圧と加える内圧の関係によるが、場合によっては破裂することが考えられ、成形型に収まっている場合のみ加わるような工夫をしておくことが望まれる。また、中子の強度は、前述した炭素繊維やガラス繊維を巻き付ける巻き付け力や、樹脂注入圧力から調整する必要がある。強度の調整は、中子材質や板圧により実施できる。本実施例では、ポリプロピレン樹脂を中子材に用いており、肉厚を0.3mm〜1.5mmが最適である。肉厚が厚いと剛性が上がり、内圧を加えた際に中子が全く変形せず、上型16下型17の成形面に沿いにくい部分ができ、FRPの厚みに差が生じる。さらにこの後で説明する、成型完了後(樹脂硬化後)中子の内圧を真空にして中子33を引き抜くときに、変形量が小さくなるため引き抜き力が増大する課題がある。逆に、肉厚が薄すぎると、炭素繊維やガラス繊維のクロス34を巻き付けた際に形状が変化するなどの問題が発生する。
次に、図4,5を用いて樹脂の注入についてさらに詳細を説明する。
成形型には任意に複数個の樹脂注入口8aにつながる樹脂注入流路13、排出口8bにつながる排出路14(図4例ではそれぞれ1個)を設けた。注入用流路13、排出路14はそれぞれ、カプラを介して注入口8a、排出口8bに接続する。樹脂注入流路13には樹脂注入装置3が接続されている。樹脂注入装置3は主剤・硬化剤を主剤タンク5、硬化剤タンク6にそれぞれ収容し、それぞれのタンクは加温、真空脱泡できる機構を備えている。樹脂注入時にはそれぞれのタンクから加圧装置23により加圧注入する。加圧装置23は、シリンジポンプを用いており、シリンジを同時に押し出すことで定量性も確保することが2液混合により硬化する樹脂には好ましい。混合ユニット4で混合され樹脂注入流路13に至る。排出路14は真空ポンプ7aあるいは加圧ポンプ7bへの樹脂の流入を防ぐために、樹脂トラップ15に接続される。樹脂注入時の注入用樹脂流路13、排出路14の途中に設置するバルブ22a22bは、図5にしめすようなバイスグリップ21により作業者によりチューブを挟むことで開閉や口径を変化させることができる。また、バイスグリップのハンドル部分にアクチュエータを設置して自動化することや、バイスグリップの代わりに電磁バルブやエアーオペレーションバルブを用い、事前にバルブの開度情報を入力した記憶装置22cを接続することで、より精度の高い開閉を行うことも好適である。さらに、バルブ22bは、単なる開閉の2値ではなく、流路の径を変化(ボールバルブの開度調節のような)させることも可能である。
樹脂を注入する前に、すでに樹脂注入圧より高い圧力(好ましくは1.25倍以上)を中子33に連通する中子内圧受け入れ口18に加えているが、この圧力を調整することで中子の膨張度合い(型への密着度合い)を調整できる。つまり、中子圧力を樹脂注入圧に対して高く設定すれば、強化繊維の間の樹脂の入る隙間の体積を少なくなり、中子圧力を樹脂注入圧力に近づけると隙間の体積が増える(ただし、樹脂注入圧より低くなると中子が押しつぶされて樹脂体積が大きくなりあるところで圧力がバランスする)。このことは、いわゆる強化繊維と樹脂の比率の向上による、より軽量で剛性の高いFRPを提供できる。さらに、樹脂を注入するときには中子内圧を低くして樹脂の流動を容易にし、型内に素早く樹脂充填を完了させ、その後、樹脂注入が終了して中子圧力を高くすることで余剰な樹脂を排出させることも可能である。
樹脂注入流路13の材料は十分な流量の確保と樹脂との適合性(温度や耐溶剤性、耐圧)を考慮する必要がある。チューブには直径5〜30mmのものを用い、樹脂の注入圧力に耐えるために1.0MPa以上の耐圧性、樹脂硬化時の温度に耐えるために100℃以上の耐熱性が必要となり、厚みが3mm程度のテフロン(登録商標)チューブを用いる。材質はテフロン(登録商標)以外にも、テフロン(登録商標)に比べて安価なポリエチレンやスチール、アルミであっても問題ない。
排出路14の材料は、供給路13と同様に十分な流量の確保と樹脂との適合性(温度や耐溶剤性、耐圧)を考慮する必要がある。排出路14としてはスチール、アルミ等の金属製、あるいはポリエチレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の管が挙げられるが、直径5〜10mm、厚み1〜2mmのテフロン(登録商標)チューブが作業性の面からより好適である。
排出路14から真空ポンプ7aで吸引して、バルブ22aを閉じて、型内圧力Pmを好ましくは0.01MPa以下の減圧状態にして、次に注入用流路13から樹脂を加圧注入(バルブ22aを開)する。ここで型内圧力Pmとは図4型内圧力計Pm32の圧力を表す。樹脂の加圧は、シリンジポンプによる加圧方法によれば定量性も得られる。樹脂の注入圧Piは0.1〜1MPaの範囲で用いるのが好ましい。ここで樹脂の注入圧Piとは、加圧装置23により加圧される最大の圧力を表す。樹脂が型内の基材に含浸し、排出路14まで到達したら、排出路14を閉じ、ほぼ同時に注入用流路も閉じ注入を終了する。成形型は温調機26によって加温されており、これにより樹脂を硬化させる。
さらに、本発明にかかるRTM成形法では、成型金型へ樹脂を注入している途中に、排出路14に設置されるバルブ22bを開閉、あるいは口径を変化させることにより、たとえば22bを完全に閉じることで供給圧Pi=型内圧力Pmとなり成型金型2に流入する樹脂の量は、供給圧力Piで成形金型の気体が圧縮する体積に限られることになる。さらには、すべて樹脂で満たされた後では樹脂の注入流量はゼロになる。一方、22bが開の状態では、供給圧Pi>型内圧力Pmとなり、樹脂は注入口から供給することが可能となる。バルブ22bの開度を調節することで、型内圧力をさらに細かく制御することも可能である。さらに、バルブ22bの閉状態から開状態へ速やかに、望ましくは1秒以内で実施することで、型内に残留している気体が急激に膨張し、さらにその気体の体積の変化に併せて急激な樹脂の流れが発生し、強化基材の間や型の表面などに残存していた気体がこの急激な樹脂の流れにより留まることができなくなり排出口8bより排出される。
このように瞬間的に型内の圧力をPiから変化させる方法は、樹脂トラップ15に接続される真空ポンプ7aと圧空ポンプ7bの瞬間的な切り替えによっても実現することができる。また、排出路14に設置するバルブ22bの開度を微妙に調節することで、さらに細かい制御が可能である。
樹脂が、型内部に充満すれば樹脂注入を終了して、排出バルブ22bを閉じてから注入バルブ22aを閉じる。
(5) 図3・樹脂硬化完了55
所定時間経過後、注入した樹脂が硬化する。硬化したら、RTM上型16を上昇させて型を開ける。中子付き成型物39は離型材などの配合量調整や、型形状から下型に残るように構成しておく。
下型17からRTM成型物を取り外す(いわゆる脱型)ために、中子に再度内圧を加える。内圧を加えることで成型物形状が変化してRTM型から剥離することで、特に大きな力や、型への付加機能無く簡単に脱型する事が出来る。
このように、従来RTM成形では困難であった中空成形を、簡単にかつ生産性高く生産できる。
以上の真空RTM成形法を用いて、CFRP成形品を製造した結果を説明する。
RTM成型装置の全体図を図4に、金型部分について図5に示す。注入口8aを1個、排出口8bを1個持つ図5に示したような形状の金属型(上型16、下型17とも:長さ1500mm幅1000mm、高さ500mm)に、コア材にポリプロピレンのブロー成形体(肉厚1mm)を用いてその周囲に炭素繊維基材(CO6343B:T300−3K、組織:平織、目付:200g/m2、東レ(株)製)を全面に10周巻き付け、下型17に載置する。
金型昇降機1にて上型16を閉じ密閉する。上型16は金型昇降機1にて20Kgf/cm2で加圧されている。また、上型16、下型17とも温調機26によって100℃に一定に加温されている。
樹脂を注入する前に、樹脂注入圧より高い圧力(約1.05倍)により中子内圧受け入れ口18に内圧を加える。この圧力は中子圧空源20aにより設定され、中子加圧圧空バルブ19aを開することで加圧することができる。 本実施例では、樹脂注入厚最大0.5MPaに対して、0.52MPaの内圧を加える。内圧は、空気圧により加える。
注入口8aには樹脂注入用流路13を接続し、排出口8bには排出路14を接続した。注入用流路13、排出路14ともに直径12mm、厚さ2mmのテフロン(登録商標)チューブを使用した。排出路14には樹脂が真空ポンプ7aまで流入するのを防ぐため、途中に樹脂トラップ15を設けた。
型内の密閉を保つため、シール材を型の外周に配置している。上型16を閉じることで、型の内部が樹脂注入用流路13と排出路14以外に連通していないことが理想的である。しかし、実質的には完全な密閉は困難であり、たとえば、樹脂注入路13に配置されるバルブ22aを閉じた状態で型内圧力計Pmの圧力をモニターし、ここでは真空ポンプ7a停止後10秒間0.01MPaを保持できた状態であれば成形上問題ないとして密閉の状態を確認することとした。
次に、樹脂注入装置3の加圧装置23により樹脂の注入を開始する。加圧装置23は、シリンジポンプを用いており、樹脂注入時にはタンク側への樹脂の逆流を防ぐように構成されている。樹脂は主剤としてエピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)、硬化剤は東レブレンドのTR−C35H(イミダゾール誘導体)を混合して得た液状エポキシ樹脂を使用した。樹脂注入装置3では事前に主剤5、硬化剤6を攪拌しながら40℃で加温し、所定の粘度まで降下させ、かつ真空ポンプ7で脱泡を行った。
樹脂注入の初期は樹脂混合ユニット4内の空気、ホース内の空気が入るため型内には流さずに図示しない分岐路から廃棄した。加圧装置23は200g/ストロークに設定した。最初の樹脂を廃棄し、次に注入用流路13に設置したバルブ22aを開け、型内に樹脂を注入する。注入開始時は排出路14の排出バルブ22bは開の状態とした。そして、樹脂の強化繊維基材への含浸促進と、気泡を除去するための操作として排出路の開閉をおこなった。排出バルブ22bは、ここでは開閉の2値制御とした。開閉作業はバイスグリップを用い手作業とした。
他の実施例として、バルブ22bにはボールバルブなどを用いて、ボールの回転角度をサーボモータでコントロールすることでバルブ開度を精度良く決めることができる。また、その回転の角度やタイミングをコンピュータに事前に登録することで、自動でバルブの制御を実行することが可能であり、作業者を増やすことなく容易に実現が可能であった。
成型条件や型内の樹脂の流れを関知するセンサーによる情報を入力として、バルブ22bの開閉のタイミングを制御することもできる。
樹脂が型内に充満し、なおかつ型内の気泡の流出作業が完了すると、排出路14の排出バルブ22bを閉じ樹脂注入は1分続け、樹脂の注入圧と型圧力を同一にして樹脂中の細かい気泡を押しつぶす。1分後に注入路13の注入バルブ22aを閉じ樹脂注入を終了する。
樹脂注入の後、樹脂注入圧より高い圧力(約1.25倍)により中子内圧受け入れ口18に内圧を加える。この圧力は中子圧空源20aにより設定され、中子加圧圧空バルブ19aを開することで加圧することができる。 本実施例では、樹脂注入厚最大0.5MPaに対して、0.63MPaの内圧を加える。内圧は、空気圧により加える。
この状態で60分間放置し、硬化させる。
硬化が完了すれば、中子内圧バルブ19aを中子と大気が連通するように操作する。中子33の内圧を解除し、大気圧とする。
中子内圧が大気圧であることを確認して上型16を上昇する。
中子付き成型物39は、下型に残るように離形材の濃度を上型に高く設定している。中子内圧受け入れ口18に、中子脱型圧源20bで設定された圧力0.2MPaを中子脱型圧空バルブ19bを開して供給すると、中子33は内圧により丸くなろうとするため中子付き成型物39が成形型の形状から若干変化して成形型表面から剥離する。
脱型が完了した後、中子脱型圧空バルブ19bを中子と大気が連通するように操作する。
次に、中子内圧受け入れ口18に、中子引き抜き圧源20cで設定された圧力0.01MPaを中子引き抜き圧空バルブ19cを開して供給すると、中子付き成型物39から中子33が剥離してつぶれる。
中子付き成型物39から中子33が剥離したことを確認したら、中子33を引き抜くと中空のCFRP水平翼の成型が完了する。
表面の仕上げ、塗装などを施し、垂直翼と組み立てることで中空の構造からなるFRPの水平翼を備えた整流板が完成する。
本発明は、自動車用の整流板に適用できる。
本発明にかかる整流板の一例を示す概略全体図である。 本発明にかかる整流板の断面図である。 本発明の整流板製造するに適した成形法の手順の一例を示す図である。 本発明の整流板製造するに適した成形法の樹脂注入手順の詳細一例図である。 本発明の整流板製造するに適した成型法に用いる成形型の一例図である。
符号の説明
1:金型昇降装置
2:成形金型
3:樹脂注入装置
4:混合ユニット
5:主剤タンク
6:硬化剤タンク
7a:真空ポンプ
7b:加圧ポンプ
8a:注入口
8b:排出口8b
9:油圧ユニット
10:油圧ポンプ
11;油圧シリンダー
12;逆止弁
13:樹脂注入流路
14:排出路
15:樹脂トラップ
16:上型
17:下型
18:中子内圧受け入れ口
19a:中子加圧圧空バルブ
19b:中子脱型圧空バルブ
19c:中子引き抜き圧空バルブ
20a:中子圧空源
20b:中子脱型圧源
20c:中子引き抜き圧源
21:バイスグリップ
22a:注入バルブ
22b:排出バルブ
22c:記憶装置
23:加圧装置
24:真空ポンプ
26:金型温調機
31:注入圧力計Pi
32:型内圧力計Pm
33:中子
34:基材(炭素繊維やガラス繊維のクロス)
35:自動車
36:水平翼
37:垂直翼
38:トランクリッド
39:中子付き成型物
40:FRP
41:空洞
50:中子工程
51:プリフォーム工程
52:プリフォーム完成
53:成形型への載置
54:成型
55:樹脂硬化完了
56:脱型 中子引き抜き
57:成型完了

Claims (4)

  1. 車幅方向に横長な水平翼が中空構造を有する継ぎ目のない繊維強化樹脂からなる自動車用整流板。
  2. 繊維強化樹脂を構成する強化繊維が連続繊維である請求項1に記載の自動車用整流板。
  3. 水平翼の最表層において強化繊維の端部が水平翼弦端部に位置する請求項2に記載の自動車用整流板。
  4. 強化繊維が主として炭素繊維からなる請求項2または請求項3に記載の自動車用整流板。
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