JP2006035571A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 流路ユニットと共通電極との間に電位差が生じにくくなるようにしつつ個別電極間のショートを防ぐ。
【解決手段】 インクジェットヘッドは、流路ユニット4とアクチュエータユニット21とを含んでいる。流路ユニット4は、複数のプレートが積層されて構成されている。流路ユニット4のキャビティプレート18には、一部が曲げられた折り曲げ部6が形成されている。アクチュエータユニット21は流路ユニット4の上面に固定され、複数の圧力室10を跨るように配置された共通電極59と各圧力室10に対応する複数の個別電極58とを有している。共通電極59は、アクチュエータユニット21の上面に形成された表面電極65とスルーホール67内の導体67aを介して電気的に接続されている。流路ユニット4は、折り曲げ部6を介して共通電極59と電気的に接続されている。
【選択図】 図8















Description

本発明は、記録媒体にインクを吐出して印刷を行うインクジェットヘッドに関する。
インクジェットヘッドは、インクジェットプリンタ等において、インクタンクから供給されたインクを複数の圧力室に分配し、各圧力室に選択的にパルス状の圧力を付与することによりノズルからインクを吐出する。圧力室に選択的に圧力を付与するための一つの手段として、圧電性のセラミックからなる複数の圧電シートが積層されたアクチュエータユニットが用いられることがある。
かかるインクジェットヘッドの一例として、連続平板状の圧電シートを、複数の圧力室に跨って形成されたコモン電極(共通電極)と、各圧力室に対向して配置された複数の個別電極とで挟み込んだ圧電アクチュエータ(アクチュエータユニット)を有するものが知られている(特許文献1参照)。このインクジェットヘッドにおいて、圧電アクチュエータの側面には、キャビティユニット(流路ユニット)の上面から圧電アクチュエータの積層方向に沿って導電性接着剤が塗布されている。この導電性接着剤によってキャビティユニット(流路ユニット)と圧電アクチュエータのコモン電極とが電気的に接続され、キャビティユニットがグランドに接続されている。キャビティユニットとコモン電極とがグランドに接続されていることで、帯電した用紙がキャビティユニットに接触してもキャビティユニットとコモン電極間には電位差が生じない。これにより、キャビティユニットとコモン電極間の電位差に起因したアクチュエータユニットの破損(例えば、インクのイオン性成分と圧電シートの構成元素との化学反応による圧電シートの浸食や帯電量の増加による圧電シートの破壊など)を回避することが可能となる。
特開2003−80709号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載のインクジェットヘッドにおいては、キャビティユニットとコモン電極とが大量の導電性接着剤によって接続されているため、導電性接着剤が圧電アクチュエータ上に広がる可能性がある。導電性接着剤が圧電アクチュエータ上に広がると、圧電アクチュエータの上面に形成され且つそれぞれが各個別電極と接続された複数の表面電極どうしが電気的に接続される。その結果、個別電極間がショートしてしまう。
そこで、本発明の目的は、流路ユニットと共通電極との間に電位差が生じにくくなるようにしつつ個別電極間のショートを防ぐインクジェットヘッドを提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のインクジェットヘッドは、複数のプレートが積層された積層構造体であって、それぞれがノズルに連通した複数の圧力室が形成された流路ユニットと、前記複数の圧力室に跨って延在した圧電シート、それぞれが前記圧電シート上において各圧力室に対向する位置に配置された複数の個別電極、及び、前記複数の個別電極と共に前記圧電シートを挟む共通電極を含み、前記流路ユニットの一表面に固定されて各圧力室の容積を変化させるアクチュエータユニットとを備えている。そして、前記流路ユニットを構成する前記複数のプレートのうち、少なくとも前記一表面を含み最外層に積層された最外層プレートが導電性を有しており、前記一表面において、前記最外層プレートの前記アクチュエータユニットが固定されていない領域の一部が前記アクチュエータユニット側に曲げられており、前記曲げられた最外層プレートの一部を介して前記流路ユニットと前記共通電極とが電気的に接続されている。
これによると、流路ユニットと共通電極との間に電位差が生じにくくなる。そのため、電位差に起因したアクチュエータユニットの破損を抑制することが可能となる。流路ユニットと共通電極とが流路ユニットの最外層プレートの一部を介して電気的に接続されているので、上記公報のように大量の導電性接着剤を用いる必要がなく、個別電極間のショートを防ぐことが可能になる。
本発明においては、前記アクチュエータユニットにおいて前記流路ユニットに接する面とは反対側の面には、基準となる一定電位を供給する基準配線が接合され前記共通電極と電気的に接続された基準端子が形成されており、前記基準端子と前記最外層プレートの一部とが電気的に接続されていることが好ましい。これにより、流路ユニットと共通電極とを電気的に接続しやすくなる。
また、本発明において、前記最外層プレートの前記一部が曲げられることによって前記最外層プレートに開口が形成されていることが好ましい。これによると、最外層プレート巾の広い範囲から好適な場所を選択して曲げることができる。
また、このとき、前記流路ユニットにおいて最外層プレートの前記開口に対応した領域に、前記最外層プレートの厚さ以上の深さを有する凹部が形成されていてもよい。これによると、最外層プレートの前記一部を曲げる前に、最外層プレートと最外層プレートに隣接したプレートとを接着剤を介して積層しても、最外層プレートの一部が隣接したプレートと接着されにくくなる。したがって、最外層プレートの前記一部を曲げ加工しやすくなる。
また、このとき、前記凹部が、前記最外層プレートの厚さと前記最外層プレートに隣接したプレートの厚さとを足し合わせた以上の深さを有していてもよい。これにより、最外層プレートの一部が、隣接したプレートとより接着されにくくなる。
また、このとき、前記開口のサイズが、曲げられていない状態における前記一部のサイズよりも大きくてもよい。これにより、平板であった最外層プレートの一部を曲げやすくなる。
また、本発明において、前記最外層プレートの前記一部が、前記最外層プレートの周縁を含んでいることが好ましい。これにより、前加工しなくても最外層プレートの一部を曲げることが可能である。
また、本発明において、前記最外層プレートの前記一部が少なくとも1個所において角度をなして折り曲げられており、この折り曲げ位置の内側に溝が形成されていることが好ましい。これにより、最外層プレートの一部を折り曲げやすくなる。
また、本発明において、前記最外層プレートの前記一部が、接着剤によって前記アクチュエータユニットに固定されていることが好ましい。これにより、共通電極と最外層プレートの一部との電気的接続の信頼性が向上する。
また、このとき、前記最外層プレートの前記一部が、前記基準端子に当接していてもよい。これにより、接着剤に非導電性のものを用いることが可能になる。
また、このとき、前記接着剤が、前記最外層プレートの前記一部を覆っていると共に前記一部からはみ出して前記アクチュエータユニットと接触していてもよい。これにより、共通電極と最外層プレートの一部との電気的接続の信頼性がより向上する。
また、このとき、前記基準配線と、各圧力室の容積を変化させるための駆動信号を供給する複数の個別配線と、前記基準配線及び前記複数の個別電極を支持する絶縁フレキシブル層とを含んでいると共に、前記アクチュエータユニットにおいて前記流路ユニットに接する面とは反対側の面に固定された平型柔軟ケーブルをさらに備えている。そして、前記複数の個別配線が、それぞれ対応する前記個別電極に電気的に接続されつつ前記最外層プレートの一部を避けるように配置されており、前記基準配線が、前記基準端子に固定されるとともに供給される前記一定電位が接地電位に保持されていてもよい。これにより、流路ユニットが接地電位になるので、駆動信号を供給するドライバICの静電気によるショートを防ぐことができる。
また、このとき、前記最外層プレートの一部が、前記平型柔軟ケーブルを避けるようにして前記基準端子と固定されていてもよい。これにより、平型柔軟ケーブルと最外層プレートの一部とが緩衝しなくなる。そのため、流路ユニットと基準端子、基準端子と共通電極、基準端子と基準配線という一連の電気的接続の信頼性が確保される。
また、このとき、前記平型柔軟ケーブルにおいて前記アクチュエータユニットに接する面とは反対側の面に固定されたものであって、前記基準端子に対向する位置まで延在した部分を有する金属平板をさらに備えていてもよい。そして、前記最外層プレートの前記一部が、前記アクチュエータユニットの前記基準端子と前記金属平板とによって挟持されていてもよい。これにより、接着剤を用いずに最外層プレートの一部と基準端子とを電気的に接続することが可能になる。
また、本発明のインクジェットヘッドは、別の観点では、複数の金属プレートが積層された積層構造体であって、それぞれがノズルに連通した複数の圧力室が形成された流路ユニットと、前記複数の圧力室に跨って延在した圧電シート、それぞれが前記圧電シート上において各圧力室に対向する位置に配置された複数の個別電極、及び、前記複数の個別電極と共に前記圧電シートを挟む共通電極を含み、前記流路ユニットの一表面に固定されて各圧力室の容積を変化させるアクチュエータユニットと、それぞれが前記個別電極に電気的に接続された複数の個別配線、接地電位に保持されており且つ前記共通電極に電気的に接続された基準配線、及び、前記複数の個別配線及び前記基準配線を支持する絶縁フレキシブル層を含み、前記アクチュエータユニットにおいて前記流路ユニットに接する面とは反対側の面に固定された平型柔軟ケーブルとを備えている。そして、前記流路ユニットの前記最外層プレートの一部が前記アクチュエータユニット側に曲げられており、前記流路ユニットが前記一部において前記基準配線に固定されている。これによると、流路ユニットの最外層プレートの一部が基準配線を介して共通電極と電気的に接続されているので、上記公報のように大量の導電性接着剤を用いる必要がなく、個別電極間のショートを防ぐことが可能になる。加えて、流路ユニットと共通電極とが接地電位に保持される。そのため、流路ユニットと共通電極との間に電位差が生じにくくなり、電位差に起因したアクチュエータユニットの破損を抑制することが可能となる。また、駆動信号を供給するドライバICの静電気によるショートを防ぐことができる。
また、本発明において、前記最外層プレートの一部が、前記アクチュエータユニットとによって前記平型柔軟ケーブルを狭持していることが好ましい。これにより、平型柔軟ケーブルがアクチュエータユニットから外れにくくなるので、流路ユニットと基準配線との電気的接続の信頼性が向上する。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッド1の斜視図である。図2は、図1のII−II線における断面図であり、インクジェットヘッドを構成するホルダにヘッド本体が組み付けられた状態を示している。図3は、図2に示すヘッド本体にフレームが接着された状態を示す斜視図である。図4は、図2に示すヘッド本体とフレキシブルプリント回路とを分離させた状態の斜視図である。インクジェットヘッド1は、シリアル式のインクジェットプリンタ(図示略)に用いられて、副走査方向に平行に搬送されてきた用紙に対してマゼンタ、イエロー、シアン及びブラックの4色のインクを吐出して記録するものである。図1及び図2に示すようにインクジェットヘッド1は、4色のインクをそれぞれ貯溜する4つのインク室3が形成されたインクタンク71と、このインクタンク71の下方に配置されたヘッド本体70と、ヘッド本体70の上方に接合されたフレキシブルプリント回路(FPC:Flexible Printed Circuit)50とを備えている。
インクタンク71の内部には、4つのインク室3が主走査方向に並んで形成されており、図2中左方のインク室3からマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのインクが順に貯溜されている。これら4つのインク室3は、対応するインクカートリッジ(図示せず)がチューブ40(図1参照)によってそれぞれ接続されており、インクカートリッジからインク室3に各色のインクが供給されるようになっている。また、図2及び図3に示すようにインクタンク71が、平面矩形形状のフレーム41に組み付けられている。このフレーム41は、略直方体形状を有するホルダ72に紫外線型硬化剤43で固着されている。さらに、このフレーム41には、図3に示すように、平面形状が長方形形状の開口部42が形成されており、この開口部42内に後述のアクチュエータユニット21を配置するようにしてヘッド本体70が接着固定されている。インクタンク71の下端部には、4つのインク室3にそれぞれ連通する4つのインク導出口3aが形成されている。一方、フレーム41には、図3に示すように、4つのインク導出口3aとそれぞれ連なる平面形状が楕円形状の4つの貫通孔41aが形成されている。
ヘッド本体70は、それぞれの色ごとに複数のインク流路が形成された流路ユニット4と、流路ユニット4の上面にエポキシ系の熱硬化性接着剤によって接着されたアクチュエータユニット21とを含んでいる。図4に示すように、流路ユニット4及びアクチュエータユニット21はともに、長方形平面形状を有する複数の薄板を積層して構成され、インクタンク71の下方に配置されている。流路ユニット4の上面には、アクチュエータユニット21を避けて、平面形状が楕円形状の4つのインク供給口4a(図5参照)が形成されている。これら4つのインク供給口4aが形成された領域には、各インク供給口4aと対向する位置に複数の微小孔が形成されたフィルタ45が配置されている。こうして、インク供給口4aから流路ユニット4内に流通するインク内のゴミなどがフィルタ45によって捕獲される。
また、図3に示すようにフレーム41には、流路ユニット4が接着されている。この構成により、フレーム41に形成された貫通孔41aと流路ユニット4に形成されたインク供給口4aとがそれぞれ連なる流路が形成されるので、インクタンク71から4つのインク導出口3a及び4つの貫通孔41aを通ってそれぞれに対応する流路ユニット4の4つのインク供給口4aから流路ユニット4内に至る一連の流路が形成されている。
図2に示すように、ヘッド本体70は、ホルダ72の下面に形成された段付き状の開口部72aに配置されている。より具体的には、インク吐出面70aが外部に露出するようにフレーム41を介してホルダ72に装着されている。ホルダ72と流路ユニット4との隙間には、シール剤73が配置されている。また、ヘッド本体70の底面は微小径を有する多数のノズル8(図6参照)が配列されたインク吐出面70aとなっている。また、アクチュエータユニット21の上面には、給電部材であるFPC(平型柔軟ケーブル)50が接合され主走査方向の一方に引き出されるとともに、屈曲しながら上方に引き出されている。図2及び図3に示すように、FPC50のアクチュエータユニット21と対向する部分における上面には、FPC50及びアクチュエータユニット21を保護しつつ、アクチュエータユニット21が発する熱を放散するアルミプレート(金属プレート)44が接着剤46(図8参照)を介して固定されている。このアルミプレート44は、アクチュエータユニット21の駆動している個別電極58(図7参照)部分からの熱を放散し、アクチュエータユニット21全体の温度分布を均一化している。
図2に示すように、アクチュエータユニット21に接合されたFPC50は、スポンジなどの弾性部材74を介してインクタンク71の側面に沿うように引き出され、その途中にドライバIC75が設置されている。つまり、FPC50は、搭載されたドライバIC75から出力された駆動信号をアクチュエータユニット21(後に詳述)に伝達するように、ハンダ付けによって各個別電極58に対して電気的に接合されている。
ホルダ72のドライバIC75に対向する側壁には、開口部72bが形成されている。また、ドライバIC75とこの開口部72bとの間には、略直方体形状のアルミ板からなるヒートシンク76が配置されている。ここには、弾性部材74も配置されており、ドライバIC75は、間にFPC50を挟んでヒートシンク76に対して押圧されている。これらヒートシンク76及び開口部72bにより、ドライバIC75で発生した熱を効率的に散逸させることができる。また、開口部72b内には、ホルダ72の側壁とヒートシンク76の隙間を埋めるためのシール剤77が配置されており、インクジェットヘッド1の本体にゴミやインクが侵入することを防いでいる。
図5は、図4に示すFPC50及びヘッド本体70の分解斜視図である。図6は、図4に示すVI−VI線における断面図である。図5から分かるように、ヘッド本体70は、流路ユニット4とアクチュエータユニット21とを含んでいる。このうち、流路ユニット4は、上から、キャビティプレート(最外層プレート)18、サプライプレート17、アパーチャプレート16、2枚のマニホールドプレート14,15、ダンパプレート13、カバープレート12、ノズルプレート11の計8枚のシート材が積層された積層構造である。本実施の形態において、流路ユニット4を構成する8枚のプレート11〜18は、すべて同じ金属からなり、例えばステンレス鋼からなる。
アクチュエータユニット21は、後で詳述するように、4枚の絶縁シート52〜55(図7参照)と2枚の圧電シート56,57(図7参照)とが積層され、活性部となる部分を有する1つの活性層(以下、単に「活性部を有する層」というように記する)と活性部を有しない5つの非活性層とを有している。なお、活性層となる総数は、要求されるアクチュエータユニット21の変位量に応じて適宜決められるものであり、本実施の形態のように1層に限るものではない。すなわち、複数層積層することもできる。
ノズルプレート11には、図5及び図6に示すように、微小径のノズル8が解像度に応じた間隔で複数形成されている。これらノズル8は、ノズルプレート11における長手方向に沿って、千鳥状の5列に配列されている。
図5に示すように、キャビティプレート18の中央部には、複数の圧力室10がキャビティプレート18の長手方向に沿って千鳥状配列で5列に穿設されている。また、キャビティプレート18の長手方向の一端部側には、図5に示すように、インク供給口4aとなる4つの孔35がキャビティプレート18の短手方向に沿って離隔して形成されている。さらに、キャビティプレート18の他端部側には、図4に示すように、キャビティプレート18の一部が曲げられた折り曲げ部6と、折り曲げ部6が曲げられることによって形成された開口部7とを有している。各圧力室10は、細幅で角が丸められた略矩形形状に形成されている。それらの長手方向は、キャビティプレート18の長手方向に対して直交している。また、各圧力室10の一端部は、図5及び図6に示すように、サプライプレート17、アパーチャプレート16、2枚のマニホールドプレート14,15、ダンパプレート13及びカバープレート12に千鳥状配列で穿設されている微小径の貫通孔31を介して、ノズルプレート11におけるノズル8に連通している。
図5に示すように、2枚のマニホールドプレート14,15のうち、アパーチャプレート16に近い側のマニホールドプレート15には、5つのインク室半部20aが貫通状に形成されている。これら5つのインク室半部20aは、マニホールドプレート15の長手方向に沿って延在されつつ、マニホールドプレート15の短手方向に互いに離隔している。
一方、ダンパプレート13側のマニホールドプレート14にも、5つのインク室半部20aと同様の5つのインク室半部20bが貫通して形成されている。図6に示すように、この構成で2枚のマニホールドプレート14,15、アパーチャプレート16及びダンパプレート13の計4枚を積層することにより、対向する2つのインク室半部20a,20bが相互に接合され、このときに形成される上下の開口が、上からのアパーチャプレート16と下からのダンパプレート13とにより覆われる。これにより、貫通孔31の列の間及び外側に計5つの共通インク室5が形成される。なお、各共通インク室5の一端部がインク供給口4aとそれぞれ対向している。
サプライプレート17には、複数の貫通孔31の他に、複数の連絡孔32が貫通して形成されている。これらの連絡孔32は、一方の開口において圧力室10と連通し、他方の開口において後述のアパーチャ33と連通している。さらに、複数の連絡孔32は、各圧力室10に対応してサプライプレート17の長手方向に沿って千鳥状の5列に配列されている。また、サプライプレート17には、長手方向の一端部側に図5に示す4つの孔36と、他端部側に形成した1つの貫通孔19(図8参照)とを有している。このうち、一端部側の孔36は、それぞれキャビティプレート18の4つの孔35と対向するように形成されている。一方の貫通孔19は、キャビティプレート18の開口部7と対向するように形成されている。なお、貫通孔19の平面形状は開口部7の平面形状と同じであるとともに、そのサイズも同じである。この構成で、キャビティプレート18、サプライプレート17及びアパーチャプレート16が積層することで、開口部7に対応した領域に凹部が形成されることになる(図8参照)。
アパーチャプレート16には、複数の貫通孔31の他に、アパーチャプレート16の短手方向に沿って延在した略長方形平面形状のアパーチャ33が、アパーチャプレート16の長手方向に沿って千鳥状の5列に配列されている。アパーチャ33は、一端部において連絡孔32と連通し、他端部において共通インク室5と連通している。アパーチャ33は、インク流動方向と直交する方向の断面積が若干小さくなっており、インク吐出時に圧力室10から共通インク室5側に逆流しようとするインクの流れを制限するものである。また、アパーチャプレート16には、4つの孔35あるいは孔36とそれぞれ対向する位置に孔37が形成されている。各孔37は、一方の開口において孔36とそれぞれ連通し、他方の開口において対応する共通インク室5の一端側でそれぞれ連通している。
なお、4つの孔37のうち、図5中最も奥に位置する1つの孔37は、図5中奥の2つの共通インク室5と連通しており、他の3つの孔37は、図5中手前の3つの共通インク室5とそれぞれ連通している。つまり、5つの共通インク室5のうち、図5中奥に位置する2つの共通インク室5には、1つのインク供給口4aからのインクがそれぞれに供給され、他の3つの共通インク室5には、対応する1つのインク供給口4aからのインクがそれぞれに供給される。本実施の形態において、図5中奥の2つの共通インク室5には、ブラックのインクが供給され、図5中手前から奥に向かって配置する3つの共通インク室5には、マゼンタ、イエロー及びシアンの順にインクが供給されている。
ダンパプレート13には、図5及び図6に示すように5列のダンパ溝38が凹設されている。これらダンパ溝38は、カバープレート12に向けてのみ開放するように形成され、その位置及び形状は共通インク室5と同形状となっている。したがって、マニホールドプレート14,15及びダンパプレート13を接合したときは、ダンパプレート13の共通インク室5と対向する部分には、ダンパ部39が位置する。ここで、ダンパ部39は、適宜弾性変形し得るステンレス鋼に形成された凹部の底面として構成されているので、共通インク室5側及びダンパ溝38側に自由に振動することができる。このような構成により、インク吐出時に圧力室10で発生した圧力変動が共通インク室5に伝播しても、これに対応してダンパ部39が弾性変形することによって吸収減衰させることができる。
このような流路ユニット4の構成により、流路ユニット4の内部には、インク供給口4aから順に共通インク室5、アパーチャ33、連絡孔32、圧力室10及び貫通孔31を通ってノズル8に至るインク流路が構成されている。インク供給口4aから流路ユニット4内に流入したインクは、一旦共通インク室5に貯溜される。そして、アパーチャ33を経由して、各圧力室10に供給される。各圧力室10でアクチュエータユニット21により圧力が付与されたインクが、各貫通孔31を経由して対応するノズル8から吐出される。
図7は、図4に示すアクチュエータユニット21の要部分解斜視図である。図8は、図4に示すVIII−VIII線における断面図である。図9は、図4に示すヘッド本体70の拡大平面図である。図7及び図8に示すように、アクチュエータユニット21は、4枚の絶縁シート52〜55と2枚の圧電シート56,57とが積層されて構成されている。圧電シート57の上面には、複数の個別電極58が、流路ユニット4における各圧力室10に対向配置するように形成されている。これらの個別電極58は、圧力室10の配列に対応して、圧電シート57の長手方向に沿って千鳥状の5列に配列されている。各個別電極58は、全体として圧電シート57の短手方向に細長く形成されている。また、各個別電極58は、いずれか一方の端部から圧電シート57の長手方向に延出された引き出し部58aを有している。なお、いずれの引き出し部58aも、各圧力室10を区画する隔壁と対向する位置まで引き出されている。
圧電シート56の上面には、複数の圧力室10に跨って共通の共通電極(コモン電極)59が設けられている。図7及び図8に示すように、圧電シート56の上面には、共通電極59が形成されていない複数の非形成領域60が存在する。これらの非形成領域60は、引き出し部58aに対向して配置されている。各非形成領域60内には、共通電極59の代わりに、後述のスルーホール68の一部となる孔が夫々形成されている。これによって、スルーホール68内に存在する導体68aと共通電極59とが電気的に絶縁されている。この構成で、各個別電極58と共通電極59とに挟まれる圧電シート56の領域は、圧力室10毎に対応した活性部となる。なお、圧電シート56以外の4枚の絶縁シート52〜55及び圧電シート57は、活性部を有しない非活性層となる。
図7に示すように、上から2段目の絶縁シート53の上面には、共通電極59と同様なダミー電極61が形成されている。ダミー電極61にも複数の非形成領域62が形成されており、非形成領域62内に後述のスルーホール67,68の一部となる孔が夫々形成されている。これによって、ダミー電極61がスルーホール67,68内の導体67a,68aと電気的に接続しない。なお、ダミー電極61は、電極としての機能はないが、各シートを積層して焼成するときに、共通電極59とともに、圧電シートと電極との熱膨張の違いに対して、積層方向でバランスを取る働きをしている。つまり、下方に共通電極59が形成され、上方にダミー電極61が形成されていないアクチュエータユニットでは、アクチュエータユニットの下方と上方とで熱膨張率に大きな差が生じることとなり、各シートを焼成したときにアクチュエータユニットの上方に向かって周縁が反ってしまうが、アクチュエータユニット21のように、下方に共通電極59、上方にダミー電極61が形成されることで、アクチュエータユニット21内における上下の熱膨張率の差が極めて小さくなり、アクチュエータユニット21の周縁が反りにくくなる。また、絶縁シート54,55には、後述のスルーホール67,68となる孔が夫々形成されている。
最上段の絶縁シート52の上面(すなわち、アクチュエータユニット21の上面)には、各個別電極58の夫々に接続する表面電極63と、共通電極59に接続する表面電極(基準端子)65とが設けられている。表面電極63は、図7及び図9に示すように、各圧力室10を区画する隔壁と対向する位置に配置されており、各個別電極58に対応してアクチュエータユニット21の長手方向に沿って千鳥状の5列に配列されている。表面電極63は、アクチュエータユニット21の短手方向に沿って延在した長方形形状を有している。各表面電極63の一端部には、ランド63aが設けられており、FPC50と電気的に接続されている。なお、ランド63aも、表面電極63の列に沿って千鳥状に配置されている。
図7及び図9に示すように、表面電極65は、絶縁シート52の一端部上において、アクチュエータユニット21の短手方向に沿って延在している。表面電極65上には、FPC50と電気的に接続されるランド65aが設けられている。
図8に示すように、絶縁シート52のランド63a,65aと対向する位置には、スルーホール68,67の一部となる孔が夫々形成されている。この構成で、4枚の絶縁シート52〜55及び1枚の圧電シート56のそれぞれの孔を互いに位置合わせすることで、4枚の絶縁シート52〜55を連続して貫通するスルーホール67と、4枚の絶縁シート52〜55と1枚の圧電シート56とを連続して貫通する複数のスルーホール68とが形成される。スルーホール67内には、導体67aが配置されており、表面電極65と共通電極59とを電気的に接続している。スルーホール68内には、導体68aが配置されており、表面電極63と個別電極58とをそれぞれ電気的に接続している。
図8に示すように、キャビティプレート18の折り曲げ部6は、貫通孔19のアクチュエータユニット21側の周縁近傍を支点として、一旦上方に向かって引き起こされるように曲げられ、さらに折り曲げ部6の中央部分において曲げられている。折り曲げ部6の先端は、図9に示すように、FPC50を避けて且つFPC50と離隔するように表面電極65の図9中右側端部と接触している。こうして、流路ユニット4と共通電極59とが、キャビティプレート18の折り曲げ部6、表面電極65及びスルーホール67内の導体67aを介して電気的に接続される。さらに、これらは表面電極65を介してFPC50とも電気的に接続されている。また、折り曲げ部6は、先端が表面電極65の上面に沿って水平になるように若干曲げられている。これにより、折り曲げ部6と表面電極65とが面で接触することになり、互いの接触面積が大きくなる。折り曲げ部6の先端には、少量の非導電性接着剤69が折り曲げ部6の先端を覆うようにして配置されており、表面電極65から折り曲げ部6が離隔しないように固定している。このように、折り曲げ部6の先端と表面電極65とが直接接触していることで、本実施の形態のように接着剤69に非導電性のものを使用することが可能になる。加えて、接着剤69によって折り曲げ部6の先端が表面電極65に固定されていることで、キャビティプレート18と表面電極65との電気的接続の信頼性が向上する。すなわち、流路ユニット4と共通電極59との電気的接続の信頼性が向上する。
また、図8には、曲げられる前の折り曲げ部6が2点鎖線で示されている。折り曲げ部6の上面(キャビティプレート18の上面)には、2つの溝88,89が形成されている。それぞれ上述した折り曲げ部6の折り曲げ位置に対応しており、一方の溝89は折り曲げ部6の基端部に形成され、他方の溝88は折り曲げ部6の中央部に形成されている。これら2つの溝88,89は、折り曲げ部6の折り曲げ方向と直交する方向に沿って延在している。このように2つの溝88,89が形成されることで、キャビティプレート18の折り曲げ部6に強度が低下した部分ができ、図8中実線で示すように、折り曲げ部6の先端を表面電極65に接触するように曲げやすくなる。
図9に示すように、折り曲げ部6が曲げられた後には開口部7が形成されている。その開口サイズは、曲げる前の折り曲げ部6(図9中2点鎖線で示す折り曲げ部6)の平面サイズよりも大きい。これは、曲げられる前の折り曲げ部6の周囲に、平面形状がコ型形状の貫通部が形成されており、その分、開口部7の開口サイズが大きくなるからである。このように、開口部7が曲げられる前の折り曲げ部6の平面サイズより大きい開口サイズを有していることで、平板であるキャビティプレート18の折り曲げ部6を折り曲げやすくなる。また、サプライプレート17の折り曲げ部6に対向する部分(すなわち、開口部7に対応する領域)に貫通孔19が形成されていることで、折り曲げ部6を曲げる前にキャビティプレート18とサプライプレート17とを接着剤で固定しても、折り曲げ部6がサプライプレート17と接着されることはない。これにより、キャビティプレート18の折り曲げ部6を曲げ加工しやすくなる。
アクチュエータユニット21の上方には、各表面電極63,65のランド63a,65aと位置合わせして接続されたFPC50が配置されている。FPC50は、ベースフィルム81と、その下面に形成された2種類の導体パターン82a,82bと、ベースフィルム81の下面のほぼ全体を覆うカバーフィルム(絶縁フレキシブル層)83とを含む。カバーフィルム83には、複数の貫通孔84が、各導体パターン82a,82bの夫々に対応するように形成されている。これらの貫通孔84からは、導体パターン82a,82bの中央部が露出している。つまり、ベースフィルム81、導体パターン82a,82b及びカバーフィルム83は、各貫通孔84の中心と導体パターン82a,82bの中心とが対応し、導体パターン82a,82bの外周縁部分がカバーフィルム83に覆われるよう、互いに位置合わせして積層されている。
FPC50の端子85a,85bは、貫通孔84を介して対応する各導体パターン82a,82bと接続されている。端子85a,85bは、例えば、ニッケル等の導電性材料から構成されている。端子85a,85bは、貫通孔84を塞ぐと共に、貫通孔84の外側周縁を覆い、カバーフィルム83の下面より突出して形成されている。端子85a,85bは、対向するランド63a,65aとそれぞれ半田86を介して電気的に接続されている。
導体パターン82a,82bは、銅箔により形成されている。2種類の導体パターン82a,82bは、ベースフィルム81の下面において所定のパターンを形成しており、導体パターン(個別配線)82aは、キャビティプレート18の折り曲げ部6を避けるように離隔して形成されている。本実施の形態において、導体パターン82aはドライバIC75と接続されており、個別電極58が表面電極63のランド63a及び端子85aを介してドライバIC75に接続されている。一方、導体パターン(基準配線)82bはグランドと接続されており、共通電極59が表面電極65のランド65a及び端子85bを介してグランドに接続されている。これにより、共通電極59を一定電位(すなわち、グランド電位)にしつつ、任意の個別電極58と共通電極59との間にドライバIC75からの駆動電圧(駆動信号)を印加することが可能となる。また、流路ユニット4のキャビティプレート18が、表面電極65に電気的に接続されているため、流路ユニット4もグランド電位となる。こうして、所望の個別電極26に対応する活性部に、積層方向の歪みを発生させ、この個別電極26に対応するノズル8からインクを吐出させることで、用紙への所定の印字が行われる。
以上のように、本実施の形態のインクジェットヘッド1によると、流路ユニット4のキャビティプレート18の折り曲げ部6がアクチュエータユニット21の共通電極59と電気的に接続されているので、帯電した用紙が流路ユニット4と接触しても流路ユニット4と共通電極59との間に電位差が生じない。そのため、この電位差に起因したアクチュエータユニット21の破損を抑制することが可能となる。また、折り曲げ部6を介して流路ユニット4と共通電極59とを電気的に接続しているので、上記公報のように大量の導電性接着剤を用いる必要がない。そのため、個別電極58間のショートを防ぐことが可能になる。さらに、折り曲げ部6の先端が、表面電極65に当接しているので、両者の電気的接続が確実になる。このときの当接力は、折り曲げ部6が一種の弾性体として働くことから生まれているもので、電気的接続の信頼性向上に寄与している。
また、アクチュエータユニット21の上面に共通電極59と電気的に接続された表面電極65が形成されていることで、キャビティプレート18の折り曲げ部6を共通電極59と電気的に接続しやすくなる。また、キャビティプレート18が、折り曲げ部6が曲げられることでキャビティプレート18に開口部7が形成される構成となっているため、キャビティプレート18の広い範囲から好適な場所を選択して曲げることができる。
また、共通電極59がFPC50の導体パターン85bを介してグランド電位に接続されているため、流路ユニット4もグランド電位になる。そのため、流路ユニット4と帯電した用紙とが接触して流路ユニット4に静電気が生じても、直ちにグランドに解放されてしまうのでドライバIC75が静電気によってショートしなくなる。加えて、流路ユニット4と共通電極59との間に電位差が生じないため、この電位差に起因したアクチュエータユニット21の破損を抑制することが可能となる。これは、インクジェットヘッドに使用するインクには、水及び電解するとイオン性成分となる導電性組成物が含まれており、共通電極59と流路ユニット4との間に電位差が生じると、圧力室10内のインクが電解され、イオン化した導電性組成物などが流路ユニット4と共通電極59との間に介在する圧電シート56,57内に浸透し、その結果、複数の個別電極間がショートしたり、圧電シート56,57の構成元素(鉛、チタン、亜鉛など)とイオン化した導電性組成物とが化学反応を起こして、圧電シート56,57自体を浸食する。さらに、共通電極59と流路ユニット4との間の圧電シート56,57の厚さや耐電圧に対して、その帯電量が大幅に超えると、圧電シート56,57自体が破壊する可能性がある。しかし、上述したように流路ユニット4と共通電極59とがグランドに接続されていることで、このような不具合を回避することが可能となる。
また、キャビティプレート18の折り曲げ部6の先端が、FPC50を避けるように離隔して表面電極65に接触しているので、折り曲げ部6とFPC50とが緩衝しなくなる。これにより、アルミプレート44がFPC50に密着することができるので、アクチュエータユニット21の発する熱を放散してその温度分布を均一にすることができる。さらに、流路ユニット4と表面電極65、表面電極65と共通電極59、表面電極65と導体パターン82bという一連の電気的接続の信頼性が確保される。また、流路ユニット4が金属からなる各プレートから構成されているので、流路ユニット4全体をグランド電位に接続することが可能となる。加えて、流路ユニット4全体が複数の金属プレートからなることで、いずれのプレートからも流路ユニット4全体をグランド電位に接続することが可能となる。
本実施の形態においては、キャビティプレート18の折り曲げ部6は、先端を表面電極65に接触させつつその周囲を非導電性接着剤69で覆って表面電極65に固定し、流路ユニット4と共通電極59とを電気的に接続しているが、図10〜図12に示すような形態で流路ユニット4と共通電極59とを電気的に接続してもよい。図10は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの第1変形例を示す拡大断面図である。なお、上述したインクジェットヘッド1と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。
第1変形例におけるインクジェットヘッドでは、図10に示すように、キャビティプレート18の折り曲げ部23をコ型形状に曲げるとともに、その先端を表面電極65に接触させずに導電性接着剤90を介して表面電極65に折り曲げ部23を固定している。これにより、キャビティプレート18の折り曲げ部23と表面電極65とが導電性接着剤90によって電気的に接続されるとともに、流路ユニット4と共通電極59とが電気的に接続される。したがって、折り曲げ部23と表面電極65とが単に接触しただけの構成よりも、流路ユニット4と共通電極59との電気的接続の信頼性が向上する。
また、図10に示すように、アパーチャプレート16には、サプライプレート17に形成された貫通孔19と同様の貫通孔91が形成されている。貫通孔91は、アパーチャプレート16の貫通孔19と対向する位置に設けられている。このようにアパーチャプレート16に貫通孔91が形成されることで、流路ユニット4には、折り曲げ部23と対向する部分にキャビティプレート18の開口部7とサプライプレート17の貫通孔19による凹部よりもアパーチャプレート16の厚み分だけ深くなった凹部が形成されることになる。したがって、折り曲げ部23を曲げる前に各プレート11〜18を接着積層しても、折り曲げ部23がサプライプレート17とより接着されにくくなる。
図11は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッド1の第2変形例を示す拡大断面図である。なお、上述したインクジェットヘッド1と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。第2変形例におけるインクジェットヘッドでは、図11に示すように、アルミプレート44とほぼ同様のアルミプレート92の一端部93を表面電極65のほぼ全体と対向する位置にまで延出させている。その一端部93と表面電極65とで折り曲げ部6の先端を挟み込んで、折り曲げ部6を表面電極65に対して固定することで、流路ユニット4と共通電極59とを電気的に接続している。このような構成にすることで、折り曲げ部6の先端に接着剤を配置しなくても表面電極65と折り曲げ部6とを固定することが可能となり、流路ユニット4と共通電極59とが電気的に接続されることになる。この場合、アルミプレート92の一端部93から折り曲げ部6に対して押圧力が加えられることになり、折り曲げ部6と表面電極65との電気的な接続の信頼性が向上する。さらに、アルミプレート92自体もグランドに接続されることになるので、アクチュエータユニット21のほぼ全体がグランド電位に保たれた部材により包囲されることになる。すなわち、外部からの電磁界がアクチュエータユニット21に及ばないようにシールドされた状態となっており、電磁誘導により誘起される電荷がアクチュエータユニット21に生じることが抑制される。
図12は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッド1の第3変形例を示す拡大断面図である。なお、上述したインクジェットヘッド1と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。第3変形例におけるインクジェットヘッドでは、図12に示すように、ベースフィルム81´の一部に欠設部94が形成されたFPC50´が使用されており、導体パターン82bが外部に露出している。また、折り曲げ部24の先端が導体パターン82bの上面に接触するように曲げられており、折り曲げ部24と表面電極65とで欠設部94を挟み込む構成となっている。このようにして、流路ユニット4と共通電極59とを電気的に接続している。アルミプレート95は、折り曲げ部24の先端と離隔されつつベースフィルム81´のアクチュエータユニット21と対向する部分の上面上に接着剤46で固定されている。このような構成にすることで、流路ユニット4とグランド電位に接続された導体パターン82bとが直接電気的に接続されることになる。そのため、折り曲げ部24の先端がFPC50´の欠設部94に当接する形になっているので、直接表面電極65に当接する場合に比べて、脆いアクチュエータユニット21を破損する心配がなくなる。この当接力は、電気的な接続の信頼性を向上するために寄与している。すなわち、表面電極65のランド65aと端子85bとの接続不良が生じても流路ユニット4と導体パターン82bとの電気的接続に影響しない。したがって、表面電極65等を介して流路ユニット4と導体パターン82bとが電気的に接続されるよりも電気的接続の信頼性が向上する。
図13は、本発明の一実施形態によるインクジェットヘッド1の第4変形例を示すヘッド本体の斜視図である。なお、上述したインクジェットヘッド1と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。第4変形例におけるインクジェットヘッドでは、図13に示すように、流路ユニット4のキャビティプレート18の折り曲げ部6´がキャビティプレート18の一端部全体から構成されている。これにより、折り曲げ部6´を曲げるための前加工を施さなくても折り曲げ部6´を曲げることが可能になる。つまり、上述の本実施の形態においては、折り曲げ部6の周囲3辺がキャビティプレート18と切り離されるように前加工されているが、本変形例ではそのような前加工をしなくてもそのまま曲げることが可能になる。また、他の変形例として、キャビティプレート18の流路ユニット4の長手方向に沿う2辺のみがキャビティプレート18と切り離されるように前加工され、当該2辺と交差する1辺がキャビティプレート18の周縁の一部を含んでいてもよい。この構成においても上述の本実施の形態におけるよりも前加工箇所が3辺から2辺に減少するため、前加工が容易となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した本実施の形態における流路ユニット4は、必ずしもグランド電位に接続されていなくてもよい。つまり、FPC50,50´の導体パターン82bは、グランド電位に接続されていなくてもよい。また、流路ユニット4を構成する各プレートは、キャビティプレート18のみが金属から構成されておればよく、他の各プレートは樹脂などで構成されていてもよい。また、サプライプレート17に貫通孔19が形成されていなくてもよい。また、各個別電極58とドライバIC75とがFPC以外の配線で接続されていてもよく、必ずしもFPCを使用する必要はない。
また、図7及び図8に示すダミー電極61に電気的に接続される表面電極をアクチュエータユニットの表面に形成し、その表面電極と折り曲げ部6とを接触させて電気的に接続していてもよい。これにおいても、ヘッド本体内で電位差が生じにくくなる。
本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図2に示すヘッド本体にフレームが接着された状態を示す斜視図である。 図2に示すヘッド本体とFPCとを分離させた状態の斜視図である。 図4に示すFPC及びヘッド本体の分解斜視図である。 図4に示すVI−VI線に沿った断面図である。 図4に示すアクチュエータユニットの要部分解斜視図である。 図4に示すVIII−VIII線に沿った断面図である。 図4に示すヘッド本体の拡大平面図である。 本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの第1変形例を示す拡大断面図である。 本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの第2変形例を示す拡大断面図である。 本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの第3変形例を示す拡大断面図である。 本発明の一実施形態によるインクジェットヘッドの第4変形例を示すヘッド本体の斜視図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
4 流路ユニット
6 折り曲げ部(最外層プレートの一部)
7 開口部
8 ノズル
10 圧力室
16 アパーチャプレート
17 サプライプレート
18 キャビティプレート(最外層プレート)
21 アクチュエータユニット
44 アルミプレート(金属プレート)
50 FPC(平型柔軟ケーブル)
52〜55 絶縁シート
56,57 圧電シート
58 個別電極
59 共通電極
65 表面電極(基準端子)
69,90 接着剤
82a 導体パターン(個別配線)
82b 導体パターン(基準配線)
83 カバーフィルム(絶縁フレキシブル層)
88,89 溝

Claims (16)

  1. 複数のプレートが積層された積層構造体であって、それぞれがノズルに連通した複数の圧力室が形成された流路ユニットと、
    前記複数の圧力室に跨って延在した圧電シート、それぞれが前記圧電シート上において各圧力室に対向する位置に配置された複数の個別電極、及び、前記複数の個別電極と共に前記圧電シートを挟む共通電極を含み、前記流路ユニットの一表面に固定されて各圧力室の容積を変化させるアクチュエータユニットとを備えており、
    前記流路ユニットを構成する前記複数のプレートのうち、少なくとも前記一表面を含み最外層に積層された最外層プレートが導電性を有しており、
    前記一表面において、前記最外層プレートの前記アクチュエータユニットが固定されていない領域の一部が前記アクチュエータユニット側に曲げられており、前記曲げられた最外層プレートの一部を介して前記流路ユニットと前記共通電極とが電気的に接続されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記アクチュエータユニットにおいて前記流路ユニットに接する面とは反対側の面には、基準となる一定電位を供給する基準配線が接合され前記共通電極と電気的に接続された基準端子が形成されており、
    前記基準端子と前記最外層プレートの一部とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記最外層プレートの前記一部が曲げられることによって前記最外層プレートに開口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記流路ユニットにおいて最外層プレートの前記開口に対応した領域に、前記最外層プレートの厚さ以上の深さを有する凹部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記凹部が、前記最外層プレートの厚さと前記最外層プレートに隣接したプレートの厚さとを足し合わせた以上の深さを有していることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記開口のサイズが、曲げられていない状態における前記一部のサイズよりも大きいことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記最外層プレートの前記一部が、前記最外層プレートの周縁を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記最外層プレートの前記一部が少なくとも1個所において角度をなして折り曲げられており、この折り曲げ位置の内側に溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記最外層プレートの前記一部が、接着剤によって前記アクチュエータユニットに固定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記最外層プレートの前記一部が、前記基準端子に当接していることを特徴とする請求項9に記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記接着剤が、前記最外層プレートの前記一部を覆っていると共に前記一部からはみ出して前記アクチュエータユニットと接触していることを特徴とする請求項10に記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記基準配線と、各圧力室の容積を変化させるための駆動信号を供給する複数の個別配線と、前記基準配線及び前記複数の個別電極を支持する絶縁フレキシブル層とを含んでいると共に、前記アクチュエータユニットにおいて前記流路ユニットに接する面とは反対側の面に固定された平型柔軟ケーブルをさらに備えており、
    前記複数の個別配線が、それぞれ対応する前記個別電極に電気的に接続されつつ前記最外層プレートの一部を避けるように配置されており、
    前記基準配線が、前記基準端子に固定されるとともに供給される前記一定電位が接地電位に保持されていることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  13. 前記最外層プレートの一部が、前記平型柔軟ケーブルを避けるようにして前記基準端子と固定されていることを特徴とする請求項12に記載のインクジェットヘッド。
  14. 前記平型柔軟ケーブルにおいて前記アクチュエータユニットに接する面とは反対側の面に固定されたものであって、前記基準端子に対向する位置まで延在した部分を有する金属平板をさらに備えており、
    前記最外層プレートの前記一部が、前記アクチュエータユニットの前記基準端子と前記金属平板とによって挟持されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のインクジェットヘッド。
  15. 複数の金属プレートが積層された積層構造体であって、それぞれがノズルに連通した複数の圧力室が形成された流路ユニットと、
    前記複数の圧力室に跨って延在した圧電シート、それぞれが前記圧電シート上において各圧力室に対向する位置に配置された複数の個別電極、及び、前記複数の個別電極と共に前記圧電シートを挟む共通電極を含み、前記流路ユニットの一表面に固定されて各圧力室の容積を変化させるアクチュエータユニットと、
    それぞれが前記個別電極に電気的に接続された複数の個別配線、接地電位に保持されており且つ前記共通電極に電気的に接続された基準配線、及び、前記複数の個別配線及び前記基準配線を支持する絶縁フレキシブル層を含み、前記アクチュエータユニットにおいて前記流路ユニットに接する面とは反対側の面に固定された平型柔軟ケーブルとを備えており、
    前記流路ユニットの前記最外層プレートの一部が前記アクチュエータユニット側に曲げられており、前記流路ユニットが前記一部において前記基準配線に固定されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  16. 前記最外層プレートの一部が、前記アクチュエータユニットとによって前記平型柔軟ケーブルを狭持していることを特徴とする請求項15に記載のインクジェットヘッド。
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