以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態のステープル処理装置が組み込まれたシート処理装置の全体構成を示した図である。
図1に示すシート処理装置2は、例えば、電子写真方式によってカラー画像を形成するプリンタや複写機等の画像形成装置1に接続され、後処理装置として用いられる。このシート処理装置2は、画像形成装置1に接続されるトランスポートユニット3、このトランスポートユニット3にて取り込まれたシート(用紙)に対して折り処理を施す折りユニット4、この折りユニット4を通過したシートに対して所定の最終処理を施すフィニッシャ5、冊子の表紙となる厚紙などの合紙を供給するインターポーザ6を備えている。本発明の一実施形態のステープル処理装置10は、これらの各ユニットのうちのフィニッシャ5に搭載されており、このフィニッシャ5内には、ステープル処理装置10の制御を含めた図1に示すシート処理装置2全体の制御を行う制御部7が配備されている。
これらの各ユニットにて構成されるシート処理装置2では、本実施形態のステープル処理装置10によって行われる、複数枚重ねられたシートをステープルで綴るステープル処理の他、フィニッシャ5に設けられた中綴じ製本機能部30によって行われる、複数枚重ねられたシートを中綴じして製本する中綴じ製本処理、折りユニット4に設けられた折り機能部50によって行われる、シートに対して内三折り(C折り)や外三折り(Z折り)を施す折り処理、フィニッシャ5に設けられたパンチ機能部70によって行われる、2穴や4穴の穴あけ(パンチ)を施すパンチ処理、およびインターポーザ6などで構成された合紙機能部80によって行われる、シート束の表紙に用いられる厚紙や窓空き用紙などの合紙を供給する合紙処理等が実施される。
次に、本実施形態のステープル処理装置10について詳述する。
図2は、図1に示すシート処理装置のフィニッシャに搭載された本実施形態のステープル処理装置を示す図である。
図2に示すステープル処理装置10は、搬送される用紙をガイドする搬送ガイド101,102、搬送されてきた用紙を検知して各機構部の動作を制御するための信号を出力するコンパイルイクジットセンサ103、搬送ガイド101,102の間を通って搬送された用紙を順次に送り込む搬送ローラ対104、搬送ローラ対104により送り込まれた用紙を積み重ねた状態で積載するコンパイルトレイ105を備えている。また、図2に示すステープル処理装置10は、ステープル綴じされたシート束(冊子)を積み重ねて積載する排出トレイ109を備えている。ステープル処理が施されたシート束を積み上げていくと、どうしてもシート束の、ステープル処理が施された部分が盛り上がってしまい、最後には、積み上げられたシート束が崩れ落ちてしまう。このため、この排出トレイ109には、シート束の崩れ落ちを防止するためにシート束の最大積載部数が定められている。また、コンパイルトレイ105には、縦方向揃え(用紙搬送方向揃え)の基準壁となる縦基準壁151が用紙排出方向の反対側に設けられている。さらに、コンパイルトレイ105には、横方向揃え(用紙搬送方向と直交する方向)の基準壁となる横基準壁(図示せず)が、例えば装置の手前側(フロント側)に設けられている。
また、各機能を実行する機構部として、コンパイルトレイ105に送り込まれる用紙について、縦方向(用紙搬送方向)の用紙揃えを実行する縦方向揃え部110、縦方向揃え部110による用紙搬送方向(縦方向)の用紙揃えを補助する縦揃え補助部120、コンパイルトレイ105に重ねられた複数の用紙の整合性を良くするために、ステープル綴じを実行する際、それらの用紙を押さえると共に、ステープル綴じが終了した後の用紙束を排出する用紙束支持・排出部130、コンパイルトレイ105に供給される用紙について、用紙搬送方向に直交する方向(横方向)に対して用紙揃えを実行する横方向揃え部140、縦方向の用紙揃えに際して壁となって用紙揃えを行うエンドウォール151を含み、このエンドウォール151を駆動させる機構を有するエンドウォール部150を備えている。また、コンパイルトレイ105に供給された複数枚のシートに対してステープル綴じを施すステープラユニット160、コンパイルトレイ105内の用紙を支えるガイドであるシェルフ171を含み、このシェルフ171を駆動させる機構を有するシェルフ機構部170も備えている。さらに、ステープル処理装置10は、ここでは不図示のレール部材を備えており、ステープラユニット160はこのレール部材の上を移動する。
まず、縦方向揃え部110について簡単に説明する。縦方向揃え部110は、コンパイルトレイ105に順次、供給される用紙をエンドウォール151に押し当てるコンパイルパドル111、コンパイルパドル111を上下動(リトラクト/アドバンス動作)させるコンパイルパドルアップ/ダウンソレノイド112、コンパイルパドルアップ/ダウンソレノイド112に連動して回動やスライドをするリンク113,114、カールの強い用紙を押さえる等、用紙揃えを助けるための規制ガイド115,116を備えている。コンパイルパドル111は、例えばEPDMで形成され、1つのコンパイルパドル111に3本程度の羽根が取り付けられている。この羽根によって、コンパイルトレイ105に供給される用紙の後端をエンドウォール151に押し当てている。この押し当てによって、用紙の後端(縦方向)の揃えを実行している。
次に、縦揃え補助部120について簡単に説明する。縦揃え補助部120は、コンパイルトレイ105に供給される用紙をエンドウォール151に押し当てる動作を補助するサブパドル121、例えば、用紙枚数が所定枚数(50枚)になった時点でサブパドル121の位置を上昇させる等、サブパドル121を上下動(リトラクト/アドバンス動作)させるサブパドルアップ/ダウンソレノイド122、サブパドルアップ/ダウンソレノイド122に連動してサブパドル121を上下動させるリンク123,124を備えている。サブパドル121は、コンパイルパドル111と同様に、例えばEPDMで形成され、1つのサブパドル121に3本程度の羽根が取り付けられている。この羽根によって、コンパイルトレイ105に供給される用紙の縦揃えを補助している。
続いて、用紙束支持・排出部130についても簡単に説明する。用紙束支持・排出部130は、対向ロール139に押圧し、用紙の支持と用紙束の排出を行うイジェクトロール131、例えば、Z形に折られた用紙の折部近傍を押さえ込む押さえ込みロール132を有している。この押さえ込みロール132は、イジェクトロール131よりもコンパイル方向側(用紙排出方向と反対側)に設けられ、例えばA3サイズの用紙(A3SEF)がZ形に折られてA4サイズとなったときの用紙の折部近傍を押さえ込むことができるように構成されている。イジェクトロール131および押さえ込みロール132は、回動中心軸137を中心として回動する。コンパイルトレイ105上でステープル綴りが行われ用紙束となった複数枚の用紙は、イジェクトロール131と対向ロール139によって挟み込まれる。イジェクトロール131は不図示のイジェクトモータによって回転し、用紙束を排出トレイ109に向けて排出する。なお、不図示のイジェクトモータは、用紙束が排出された後、空のコンパイルトレイ105に最初に用紙が搬送されるタイミングにて、排出方向と反対方向であるコンパイル方向に向かって用紙を搬送するように、イジェクトロール131を逆回転させる。
次いで、図2に示す横方向揃え部140について簡単に説明する。この横方向揃え部140は、用紙搬送方向と直交する方向にスライドし、コンパイルトレイ105に送り込まれてきた用紙について、例えば装置のリア側からフロント側に向けて、1枚ごとに横揃えを行うタンパ141、タンパ141を往復動させる駆動源であるタンパモータ142、タンパモータ142の駆動力をタンパ141に伝達するベルト143を備えている。
続いて、ステープラユニット160について説明する。
図3は、いままで図示省略されていたレール部材の上に載せられたステープラユニットを示す図である。
図3に示すステープラユニット160は、針廃棄位置と複数のステープル処理位置とを結ぶレール部材180上を移動するものである。このレール部材180の延在方向中央位置には、ステープラユニット160がその中央位置に位置しているか否かを検出するステープルセンターポジションセンサ166が設けられている。レール部材180は、ベース191上に形成されたものであって、直線部分1801と、その直線部分1801の両端それぞれに接続されたR部分1802,1803とを有する。図3には、右側のR部分1803に位置するステープラユニット160が示されている。この図3に示すステープラユニット160の位置は針廃棄位置であり、ステープル処理装置の筐体、すなわちここでは図1に示すフィニッシャ5の筐体の外になる位置である。こここで、図3とともに図4も用いて説明する。
図4は、図1に示すシート処理装置を、フロント側パネルを取り外して示す斜視図である。
この図4は、シート処理装置を、操作者側を向くフロント面側から見たときの斜視図であり、紙面手前側がフロント側になる。図4には、図3に示すステープラユニット160が、フィニッシャ5の筐体フレーム5aの外、すなわちステープル処理装置10の筐体外のフロント面側に位置している様子が示されている。図4に示すステープラユニット160は、図3に示すステープラユニット160と同じく、針廃棄位置に位置するものである。本実施形態における針廃棄位置は、筐体外のフロント面側に設けられた位置であって、ステープラユニット160のホーム位置である。ステープラユニット160を所望の位置に停止させるためにはセンサが必要であるが、このように針廃棄位置とホーム位置が一致していることで、センサを兼用させることができコストダウンにつながる。また、この針廃棄位置は、複数のステープル処理位置のうちの一つのステープル処理位置でもある。したがって、針廃棄位置に配備するセンサを、ステープル処理位置に配備するセンサとさらに兼用させることができ、さらなるコストダウンにつながる。
図5は、A4の用紙に横書きの文字列が並んだ例と縦書きの文字列が並んだ例を示す図である。
図5に示す左側のA4サイズの用紙910には、横書きの文字列がその用紙の長手方向に複数行並んでいる。このようなA4横書用紙の場合、ステープル900で綴る位置として最も使用頻度が高い位置は左上の角の位置であり、用紙は、矢印が示すように、ステープル処理装置10へ短手方向に沿って搬送されてくる。また、図5に示す右側のA4サイズの用紙920には、縦書きの文字列がその用紙の長手方向に複数行並んでおり、このようなA4縦書用紙の場合、ステープル900で綴る位置として最も使用頻度が高い位置は右上の角の位置であり、用紙は、矢印が示すように、ステープル処理装置10へ短手方向に沿って搬送されてくる。すなわち、図5の左側に示すA4横書用紙910であっても、右側に示すA4縦書用紙920であっても、ステープル処理装置10へ搬送されてくる用紙の搬送方向上流側の縁の上隅の角の位置がステープル処理位置10として最も使用頻度が高い位置になる。本実施形態のステープル処理装置10では、この使用頻度が最も高いステープル処理位置を針廃棄位置としている。すなわち、針廃棄位置と同一の位置であるステープル処理位置は、A4横書用紙の左上をステープル900で綴るステープル処理の位置である。
図3に示すステープラユニット160は、ステープル綴じを実際に行うステープル部161、ステープルの針先端部を、形成するシート束の厚み又は枚数に応じた量だけカットするカッタ部162、およびカッタ部162によりカットされた針先端部を収容する収容部163を備えている他、このステープラユニット160の、レール部材180上の移動の駆動源となるステッピングモータであるステープルムーブモータ164、ステープル部161がステープラの移動動作を行ったことを検知するステープルムーブセンサ165も備えている。さらに、ステープラユニット160は、図2に示すように、ステープル部161がステープル動作を行ったことを検知するステープル動作検知センサ167も備えている。ステープル部161には、複数枚重ねられたシートにステープルを打ち込むステープル打ち込み口が設けられているが、図4に示すステープル部161の反対側に位置するため図示されていない。図2に示すステープラユニット160は、図3に示すレール部材180の直線部分1801に位置するステープラユニットを、その直線部分1801の延在方向側から見た図であり、エンドウォール151がステープル打ち込み口の近傍に位置している。収容部163は、図1に示す排出トレイ109に定められた最大積載部数のシート束を得るのに必要な数のステープルからカットされる針先端部を総て収容する容積以上の容積を有するものである。
また、本実施形態のステープル処理装置10は、ダクトシュータ181と針回収ボックス182を備えており、これらのダクトシュータ181および針回収ボックス182は針廃棄位置に配備されたものであり、針回収ボックス182は取り外し自在なものである。図3には、ダクトシュータ181が示されており、図4には、針廃棄位置へ移動したステープラユニット160の下に位置するダクトシュータ181、そのダクトシュータ181の下に位置する針回収ボックス182が示されている。収容部163に収容された針先端部は、針廃棄位置へ移動したステープラユニット160からダクトシュータ181を介して針回収ボックス182の投入口1821へ投入される。針回収ボックス182が配備された針廃棄位置は、筐体の外であるため、収容部163に収容された針先端部を針回収ボックス182へ廃棄する際、このステープル処理装置10が設けられた図1に示すフィニッシャ5の内部に針先端部が散乱してしまうことが防止される。また、針回収ボックス182はフロント面側に配備されたものであり、取り外し操作が容易である。さらに、ダクトシュータ181によって、フィニッシャ5の外に針先端部が散乱してしまうことも防止されている。
また、収容部163、ダクトシュータ181、および針回収ボックス182はいずれも、導電性部材で構成されたものであり、静電気による針先端部の引っかかりを防止ししている。この結果、これら各部材163,181,182にもたせる斜度の自由度が広がり、各部材の形状設計が容易になっている。
図6は、収容部から針回収ボックスへの針先端部の廃棄の様子を示す図である。
図6(a)には、針廃棄位置から離れた位置にあるステープラユニットの収容部周辺が示されており、図6(b)には、針廃棄位置にあるステープラユニットの収容部周辺が示されている。
収容部163の底部には、収容した針先端部を廃棄する廃棄口1631(図6(b)参照)が設けられているとともに、その廃棄口1631をヒンジ機構1632aによって開閉自在に覆う開閉蓋1632が配備されている。この開閉蓋1632は、不図示のバネによって廃棄口1631を塞ぐ方向に付勢されている。ステープル処理装置10には、針廃棄位置へ向けて移動してくるステープラユニット160の収容部163に配備された開閉蓋1632に係合する係合ピン185が設けられている。また、開閉蓋1632には、この係合ピン185と係合する係合部1633が設けられている。ステープラユニット160が針廃棄位置近傍まで移動してくると、開閉蓋1632に設けられた係合部1633に係合ピン185が当接する。さらに、ステープラユニット160が針廃棄位置へ向けて移動すると、係合ピン185によって係合部1633が押され、開閉蓋1632が、不図示のバネによる付勢力に抗して図6(b)に示す矢印方向に回動し始める。すなわち、開閉蓋1632が開き始める。そして、ステープラユニット160が針廃棄位置へ到達すると、図6(b)に示すように、開閉蓋1632は開ききった状態になり、廃棄口1631から針先端部が廃棄される。したがって、係合ピン185と係合部1633との係合機構が本発明にいう針廃棄機構の一例に相当し、本実施形態のステープル処理装置10では、ステープラユニット160が針廃棄位置へ到達すれば、収容部163は空の状態になる。また、上述のごとく、本実施形態のステープル処理装置10では、ステープル処理位置として最も使用頻度が高い位置が針廃棄位置と一致しているため、生産性を低下させることなく針先端部の廃棄を頻繁に行うことができ、収容部163における針先端部のオーバーフローの可能性を低減させることと、生産性の低下を極力抑えることが両立されている。さらに、針廃棄位置がホーム位置であることから、収容部163に貯まった針先端部はことあるごとに針回収ボックス182へ廃棄され、収容部163のオーバーフローが起こりにくい。
また、図6(b)に示すように、収容部163の廃棄口1631は、ヒンジ機構1632aから離れた位置に設けられている。これは、廃棄口1631から廃棄された針先端部の落下経路から、開閉蓋1632を完全に退避させるためになされた工夫である。
ここで、図6とともに図3および図4を再び用いて説明を続ける。図3に示すステープラユニット160が有する収容部163の廃棄口1631は、レール部材180のR部分1803の外周側に位置している。また、図示されていない、ステープル部161のステープル打ち込み口は、R部分1803の内周側に位置している。すなわち、ステープル部161はR部分1803の内周側を向いている。このため、直線部分1801からR部分1803に移動してきたステープラユニット160は、不図示のステープル打ち込み口が設けられた前側よりも、廃棄口1631が設けられた後ろ側を大きく移動させながら、直線部分1801における姿勢に対して斜め45°を向いた図3に示す姿勢に姿勢変化する。すなわち、ステープラユニット160は、針廃棄位置では、コンパイルトレイ105の傾きと略同一線上に傾いた状態で、廃棄口1631の部分をさらに筐体の外側に傾けた姿勢になる。
また、ダクトシュート181は、図4に示すように筐体の外部に固定配置されたものであり、図3に示す収容部163の底部を側方から覆うように上方に延びた飛散防止板1811を有する。すなわち、この飛散防止板1811は、収容部163の、開いた開閉蓋1632とは反対側、つまり、開閉蓋1632のヒンジ機構1632aとは反対側に位置するものである。針廃棄位置では、収容部163の廃棄口1631は、開ききった開閉蓋1632とこの飛散防止板1811との間に位置し、廃棄口1631から廃棄された針先端部が側方に飛び出してしまうことが開閉蓋1632と飛散防止板1811によって防止されている。なお、上述した係合ピン185は、図3に示す飛散防止版1811に取り付けられている。飛散防止板1811は収容部163に設けてもよい。
以上説明した本実施形態のステープル処理装置10は、ジョブに従ってステープル綴りされた用紙束を形成する。ここにいうジョブは、複数枚重ねられたシートの一箇所をステープルによって綴るステープル処理を、複数のステープル処理位置の中から選択された1又は複数のステープル処理位置で行ない1又は複数部の用紙束を形成することを指示するものである。このジョブは、図1に示す画像形成装置とシート処理装置とを併せたシステムのUI(ユーザ・インターフェース)として用意された操作パネルを操作者が操作することによって決定される。
図7は、操作パネルに用意された液晶タッチパネルの初期画面を示す図である。
以下の説明では、液晶タッチパネル上に用意された各種ボタンのうち、ハッチングを施したボタンは、押下(選択)されたボタンであり、点線で示すボタンは選択不能のボタンである。
図7に示す初期画面510では、用紙サイズ、画像形成濃度、作成部(枚)数等といった様々な指定が行われるが、ここではそれらの指定を行う操作ボタンは省略し、画面の左下に用意された紙種選択ボタン511のみを示している。この紙種選択ボタン511は、画像形成を行いシート処理装置に搬送されてくるシートとして普通紙を希望する場合には操作不要のボタンである。すなわち、普通紙以外のシートを用いることを希望する場合に操作されるボタンである。
図8は、図7に示す紙種選択ボタンが押下されると初期画面から切り替わる紙種選択画面を示す図である。
操作者は、図8に示す紙種選択画面520に表された紙種(厚紙,コート紙,コート紙厚紙,OHPシート)の中から所望の紙種を選択し、選択した紙種の上に用意された紙種決定ボタン521を押下する。
図9は、図8に示す紙種選択画面から切り替わる基本設定画面を示す図である。
操作者は、図9に示す基本設定画面530中の、基本コピーボタン531、応用コピーボタン532、画質調整ボタン533、およびその他のボタン534の中から所望のボタンを押下する。ステープル処理を行うには、応用コピーボタン532を押下する。
図10は、図9に示す応用コピーボタンが押下されると基本設定画面から切り替わる応用コピー選択画面を示す図である。
操作者は、図10に示す応用コピー選択画面540中の、折り処理ボタン541、仕分け/ステープル処理ボタン542、および合紙処理ボタン543の中から所望のボタンを押下する。ステープル処理を行うには、仕分け/ステープル処理ボタン542を押下する。
図11は、図10に示す仕分け/ステープル処理ボタンが押下されると応用コピー選択画面から切り替わる詳細選択画面を示す図である。
操作者は、図11に示す詳細選択画面550中の、ソート/ステープルボタン551とスタックボタン552のいずれか一方を選択し押下する。ステープル処理を行うには、ソート/ステープルボタン551を押下する。
図12は、図11に示すソート/ステープルボタンが押下されると詳細選択画面から切り替わるステープル要否選択画面を示す図である。
操作者は、ステープル処理を行うことが必要であれば、図12に示すステープル要否選択画面560中の、右側に示されるステープル設定ボタン562を押下し、ステープル処理を行うことが不要であれば、左側に示すステープル設定不要ボタン561を押下する。
図13は、図12に示すステープル設定ボタンが押下されるとステープル要否選択画面から切り替わるステープル位置選択画面を示す図である。
本実施形態のステープル処理装置10では、ステープルで綴る位置として、角の1箇所と、縁に沿った2箇所が用意されており、角の1箇所をステープルするシングルモードには、2箇所のステープル位置で対応している。すなわち、ステープル処理が、図13に示すステープル位置選択画面570中の一番左端に示されたシートのアイコンボタン571が押下されると、針廃棄位置と同一の位置であるステープル処理位置で施される。また、図13の右から二番目に示されたシートのアイコンボタン574が押下されると、図2に示すコンパイルトレイ105に向けて搬送中のシートの表裏面を反転させることで、今まで搬送方向下流側の縁であった縁を搬送方向上流側の縁にして図2に示すコンパイルトレイ105に搬送し、ステープル処理が、図3に示すレール部材180の、針廃棄位置とは反対側のR部分1830に用意されたステープル処理位置で施される。
一方、縁に沿った2箇所をステープルするデュアルモードでは、シートのサイズによってステープル処理位置が異なるが、本実施形態のステープル処理装置10ではシートサイズごとに、図3に示すレール部材180の直線部分1801に用意された2箇所のステープル位置で対応している。すなわち、図13に示すステープル位置選択画面570中の左から2番目に示されたシートのアイコンボタン572と一番右端に示されシートのアイコンボタン575は、ステープル処理をシートの長手方向の縁に沿った2箇所に施すことを指定するボタンである。図13の一番右端に示されアイコンボタン575が押下されると、搬送中のシートの表裏面を反転させることで、今まで搬送方向下流側の縁であった縁を搬送方向上流側の縁にして図2に示すコンパイルトレイ105に搬送し、左から2番目に示されたシートのアイコンボタン572が押下されると、搬送中のシートは表裏面を反転させることなくコンパイルトレイ105に搬送され、いずれのボタンが押下されても、ステープル処理位置は同じになる。一方、図13に示すステープル位置選択画面570中の中央に示されたアイコンボタン573は、ステープル処理をシートの短手方向の縁に沿った2箇所に施すことを指定するボタンであり、このボタンが押下されると、これまで説明した2箇所のステープル処理位置の間隔よりも狭い間隔の2箇所でステープル処理が施される。コンパイルトレイ105へ搬送されてくるシートは、シングルモードおよびシートの長手方向の縁に沿った位置でのステープル処理を施すデュアルモードでは、シートの短手方向に沿って搬送されてくるが、シートの短手方向の縁に沿った位置でのステープル処理を施すデュアルモードでは、シートの長手方向に沿って搬送されてくる。このように、本実施形態のステープル処理装置10では、シートの搬送方向を変えることで、長手方向の縁および短手方向の縁いずれの縁に沿ったステープル処理も、レール部材180の直線部分1801に用意された2箇所のステープル位置で対応している。
以上説明したような各画面においての操作を行うことでジョブが決定される。図1に示すステープル処理装置10の制御を含めたシート処理装置2全体の制御を行う制御部7は、決定されたジョブの内容を表すジョブ情報を取得し、以下に説明する処理を実行する。なお、以下の説明においては、説明を簡単明瞭にするために、角の1箇所をステープルするシングルモードの場合を例にあげて説明する。
制御部7は、収容部163における針先端部数カウント処理を実行する。
図14は、収容部における針先端部数カウント処理を実行する際の制御部を表す機能ブロック図である。
図14に示す制御部7は、ステープル処理の回数をカウントするカウンタ部701と、カウンタ701のカウントを停止させたりあるいはそのカウントのカウント値をリセットするカウンタ制御部702と、カウンタ701のカウント値が所定値を越えたことにより収容部163が針先端部によって満杯になったことを検出する満杯検出部703と、ステープラユニット160を移動させるとともにステープラユニットの位置を判定するステープラユニット制御部704を有する。
図15は、図14に示す制御部で実行される、収容部における針先端部数カウント処理のフローチャートである。
図14に示す制御部7は、ジョブ情報を取得するとともに、画像形成装置1において、取得したジョブに基づく画像形成が開始された画像形成開始情報も取得する。この制御部7は、この画像形成開始情報を受けて、図15に示す針先端部数カウント処理を開始する。
まず、ステープラユニット160を、ジョブ情報に基づくステープル処理位置へ移動させ(ステップS1_1)、移動させたステープル処理位置が、針廃棄位置と同一の位置のステープル処理位置であるか否かを判定する(ステップS1_2)。ここまでの処理は、ステープラユニット制御部704の機能によってなされる。ここで、ステープル処理位置が針廃棄位置とは異なる位置(No)であれば、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作を検知した時点で、ステープラユニット160によるステープル処理実行回数(ステープル処理回数)をカウントする(ステップS1_3)。この処理は、カウンタ制御部702の機能によってなされる。
続いて、ステープル処理回数のカウント値が所定値を越えたか否かを判定し(ステップS1_4)、越えていればステップS1_5へ進む。この一連の流れは、満杯検出部703の機能によってなされる。ここにいう所定値は、空の状態の収容部に針先端部を貯めていき収容部が針先端部で満杯になるまでに実施されるステープル処理回数の総数である。ステップS1_5では、ステープラユニット160を、一旦針廃棄位置まで移動させた後、ステップS1_1でステープラユニット160を移動させたステープル処理位置に復帰させる。このステップS1_5は、ステープラユニット制御部704の機能によってなされる。一旦針廃棄位置まで移動したステープラユニット160の収容部163からは針先端部が廃棄され、収容部163が空の状態となったステープラユニット160は、前のステープル処理位置に復帰する。
次いで、ジョブ情報に基づいてジョブ終了か否かを判定し(ステップS1_6)、ジョブ継続(No)であればステップS1_1に戻り、ジョブ終了(Yes)であれば、ステープラユニット制御部704の機能によって、ステープラユニット160を針廃棄位置まで移動させるとともにカウンタ制御部702の機能によってステープル処理回数のカウント値をクリアして(ステップS1_7)、この針先端部数カウント処理を終了する。このように、ジョブ終了時に、ステープラユニット160を針廃棄位置へ移動させることで、ジョブ開始時にはいつも、ステープラユニット160の収容部163が空の状態になり、次のジョブ中に収容部163が満杯になってしまう可能性を低減させている。
一方、ステップS1_2においてステープル処理位置が針廃棄位置と同一の位置である旨の判定がなされると、カウンタ制御部702の機能によってカウント値をクリアして(ステップS1_8)、この針先端部数カウント処理を終了する。ステープル処理位置が針廃棄位置と同一であれば、図6に示す開閉蓋1632は開ききった状態であり、カットされた針先端部は収容部163に貯まることなく針回収ボックス182に回収される。このため、針先端部数のカウントを行う必要はなく、そのカウント値をクリアして、次のジョブにおける針先端部数カウント処理に備える。
また、ステップS1_4においてカウント値が所定値以下である旨の判定がなされた場合には、ジョブ終了か否かを判定するステップS1_6へ進む。
以上説明した針先端部数カウント処理では、ジョブに、針廃棄位置と同一の位置であるステープル処理位置でのステープル処理を行う指示が含まれていない場合には、ジョブ終了時に、ステープラユニットを針廃棄位置へ移動させ、収容部163のオーバーフローの可能性を低減させている。また、カウント値が所定値を越えると、ステープラユニット160を針廃棄位置へ移動させることによっても、収容部163のオーバーフローの可能性が低減する。
続いて、第2実施形態のステープル処理装置について説明する。この第2実施形態のステープル処理装置には、用紙束の厚み検知機構が備えられている。なお、第1実施形態のステープル処理装置が有する構成要素と同じ構成要素には、今まで用いた符号を付しこれまで用いた図面を引用する。
第2実施形態のステープル処理装置では、図2に示すイジェクトロール131が回転することで用紙束を排出トレイ109に向けて排出する際に、用紙束の厚み検出が行われる。
図16は、第2実施形態のステープル処理装置が備える用紙束の厚み検知機構を示す図である。
図16には、図2に示す回動中心軸137が示されている他、その回動中心軸137に取り付けられた能動ギア1371と、その能動ギア1371に噛合した受動ギア1372も示されている。受動ギア1372の回転軸には、周方向に多数のスリット1373aが設けられた円板1373が取り付けられている。また、この円板1373のスリット1373aを検知する厚み検知センサ1374も示されている。図16に示す厚み検知機構では、用紙束の厚みによって回動中心軸137の回転量が変化することを利用して、回動中心軸137の回転に伴うギア駆動により円板1373を回転させ、厚み検知センサ1374を通過する、その円板1373に設けられたスリット1373aの数によって用紙束の厚みを検出する。
第2実施形態のステープル処理装置10によれば、用紙束の、検出された厚みに応じた収容部163における針先端部数カウント処理が制御部によって実行される。
図17は、用紙束の厚みに応じた収容部における針先端部数カウント処理を実行する際の制御部を表す機能ブロック図である。
図17に示す制御部7は、収容部に収容される針先端部の数を、形成する用紙束の厚みに応じて増減させながらカウントする針屑カウンタ部711と、ステープラユニット160を移動させるとともにステープラユニット160の位置を判定するステープラユニット制御部712と、針屑カウンタ711にカウントを中断させたり再開させたりするカウンタ制御部713と、搬送されてくる用紙の厚みを表す厚み情報を取得する厚み情報取得部714と、針屑カウンタ部711のカウント値が所定値を越えたことにより収容部163が針先端部によって満杯になったことを検出する満杯検出部715を有する。
図18は、図17に示す制御部で実行される、用紙束の厚みに応じた針先端部数カウント処理のフローチャートである。
図17に示す制御部7も、ジョブ情報を取得するとともに画像形成開始情報も取得し、この画像形成開始情報を受けて、図18に示す針先端部数カウント処理を開始する。
まず、ステープラユニット160を、ジョブ情報に基づくステープル処理位置へ移動させ(ステップS2_1)、移動させたステープル処理位置が、針廃棄位置と同一の位置のステープル処理位置であるか否かを判定する(ステップS2_2)。ここまでの処理は、ステープラユニット制御部704の機能によってなされる。ここで、ステープル処理位置が針廃棄位置と同一の位置(Yes)であれば、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作を検知した時点で、ステープラユニット160によるステープル処理回数のカウント値に1×0の値をインクリメントする(ステップS2_3)。すなわち、このステップS2_3ではカウント値は変動せず、カウンタ制御部713が針屑カウンタ部711にカウントを中断させたことになる。ステップS2_3の実行後は、ステープル処理回数のカウント値が所定値を越えたか否かを判定し(ステップS2_4)、越えていればステップS2_5へ進む。この一連の流れは、満杯検出部715の機能によってなされる。ここにいう所定値は、空の状態の収容部に針先端部を貯めていき収容部が針先端部で満杯になるまでに実施されるステープル処理回数の総数である。このステップS2_5では、ステープラユニット160を、一旦針廃棄位置まで移動させた後、ステップS2_1でステープラユニット160を移動させたステープル処理位置に復帰させる。このステップS2_5は、ステープラユニット制御部712の機能によってなされる。一旦針廃棄位置まで移動したステープラユニット160の収容部163からは針先端部が廃棄され、収容部163が空の状態となったステープラユニット160は、前のステープル処理位置に復帰する。続いて、ジョブ情報に基づいてジョブ終了か否かを判定し(ステップS2_6)、ジョブ終了(Yes)であれば、ステープラユニット制御部712の機能によって、ステープラユニット160を針廃棄位置まで移動させるとともににカウンタ制御部713の機能によってステープル処理回数のカウント値をクリアして(ステップS2_7)、この針先端部数カウント処理を終了し、ジョブ継続(No)であればステップS2_2へ戻る。一方、ステップS2_4の判定において所定値を越えていなければ(Noであれば)、ジョブ終了か否かを判定するステップS2_6へ進む。
また、ステップS2_2におけるステープル処理位置の判定で、ステープル処理位置が針廃棄位置と異なる位置(No)であれば、厚み情報取得部714の機能によって用紙束の、検出された厚みを表す厚み情報を取得し(ステップS2_8)、針屑カウンタ部711の機能によってステップS2_9からステップS2_18までの処理が実施される。すなわち、厚み情報に基づく厚みが10mm以上であるか否かを判定し(ステップS2_9)、10mm以上(Yes)であれば、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作を検知した時点で、カウント値に0をインクリメントするステップS2_3へ進み、反対に10mm未満(No)であればステップS2_10へ進む。ステップS2_10では、厚み情報に基づく厚みが8mm以上であるか否かを判定し、8mm以上(Yes)であれば、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作を検知した時点で、ステープル処理回数のカウント値に1×0.2の値をインクリメントし(ステップS2_11)、ステップS2_4へ進み、8mm未満(No)であればステップS2_12へ進む。このステップS2_12では、厚み情報に基づく厚みが6mm以上であるか否かを判定し、6mm以上(Yes)であれば、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作を検知した時点で、ステープル処理回数のカウント値に1×0.4の値をインクリメントし(ステップS2_13)、ステップS2_4へ進み、6mm未満(No)であればステップS2_14へ進む。ステップS2_14では、厚み情報に基づく厚みが4mm以上であるか否かを判定し、4mm以上(Yes)であれば、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作を検知した時点で、ステープル処理回数のカウント値に1×0.6の値をインクリメントし(ステップS2_15)、ステップS2_4へ進み、4mm未満(No)であればステップS2_16へ進む。ステップS2_16では、厚み情報に基づく厚みが2mm以上であるか否かを判定し、2mm以上(Yes)であれば、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作を検知した時点で、ステープル処理回数のカウント値に1×0.8の値をインクリメントし(ステップS2_17)、ステップS2_4へ進み、2mm未満(No)であれば、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作を検知した時点で、ステープル処理回数のカウント値に1×1.0の値をインクリメントし(ステップS2_18)、ステップS2_4へ進む。
この図18に示す針先端部数カウント処理によれば、形成する用紙束の厚みに応じた針先端部数のカウントを行うことにより、形成する用紙束の厚みによって変わる針先端部の量に正確に対応することができる。また、好適なタイミングでステープラユニット160を針廃棄位置へ移動させることができ、収容部163における針先端部のオーバーフローの可能性を低減させつつ生産性の低下を最小限に抑えることができる。さらに、ジョブ終了時に、ステープラユニット160を針廃棄位置へ移動させることで、次のジョブ開始時には収容部163は空の状態になり、生産性の低下をより最小限に抑えることができる。
また、第2実施形態のステープル処理装置10では、制御部7によって、用紙束の厚みに応じた針回収ボックス182における針先端部数カウント処理も実行される。
図19は、針回収ボックスにおける用紙束の厚みに応じた針先端部数カウント処理を実行する際の制御部を表す機能ブロック図である。
図19に示す制御部7は、針回収ボックス182に収容される針先端部の数を、形成する用紙束の厚みに応じて増減させながらカウントする針屑カウンタ部721と、針屑カウンタ部721によるカウント値が所定の値を越えたらメッセージを表示する発報部722と、ステープラユニット160を移動させるとともにステープラユニット160の位置を判定するステープラユニット制御部723と、針屑カウンタ721にカウントを中断させたり再開させたりするカウンタ制御部724と、搬送されてくる用紙の厚みを表す厚み情報を取得する厚み情報取得部725と、針屑カウンタ部721のカウント値が所定値を越えたことにより針回収ボックス182が針先端部によって満杯になったことを検出する満杯検出部726を有する。
また、針回収ボックス185には、針先端部を収容することができる限界の針先端部数(限界数)と、その限界数の80%に相当する針先端部数(警告数)が定められている。
図20は、図19に示す制御部で実行される、針回収ボックスにおける用紙束の厚みに応じた針先端部数カウント処理のフローチャートである。
図20に示す針先端部数カウント処理でも、図19に示す制御部7は、針先端部数をカウントしており、カウント値のクリアが行われない限り、この針先端部数カウント処理が終了してもカウント値は記憶されている。制御部7は、図12に示すステープル要否選択画面560でステープル設定ボタン562が押下されたことを受けて、この針先端部数カウント処理を開始する。
まず、記憶しておいたカウント値が満杯検出部726の機能によって限界数を越えていないか否かを判定し(ステップS3_1)、越えていれば(Yesであれば)、発報部722の機能によってメッセージを表示するとともにステープル処理位置の選択操作を禁止した状態にする(ステップS3_2)。
図21は、図20に示すステップS3_2の処理によって表示された画面を示す図である。
この図21に示す画面580は、図13に示すステープル位置選択画面570に似ているが、上方にはメッセージが表示されている。また、ステープル位置を選択するための各シートのアイコンボタン571〜575が選択不能になっている。したがって、ステープル処理位置の選択操作が禁止されており、ステープル処理を行えない状態になっている。針回収ボックス185は取り外し自在なものであり、針先端部を捨てる際には取り外される。第2実施形態のステープル処理装置10には、針回収ボックス185の取り外しを検知する取外検知センサが配備されており、制御部7は、このセンサから針回収ボックス185が取り外されたことを受けて、図21に示す画面580を図13に示すステープル位置選択画面570に切り替えるとともに、カウント値をクリアする。
一方、ステップS3_1において、カウント値が限界数を越えていなければ(Noであれば)、今度は、カウント値が警告数を越えていないか否かを判定し(ステップS3_3)、越えていれば(Yesであれば)メッセージを表示し(ステップS3_4)、ステップS3_6へ進み、越えていなければ、図13に示すステープル位置選択画面570を表示し(ステップS3_5)、ステップS3_6へ進む。
図22は、図20に示すステップS3_4の処理によって表示された画面を示す図である。
この図22に示す画面590の上方には、警告メッセージが表示されている。なお、図21に示す画面580とは異なり、ステープル位置を選択するための各シートのアイコンボタン571〜575は選択可能である。したがって、ステープル処理を行うことができる状態である。
以下のステップS3_6からステップS3−19までの各処理は、図18に示すフローチャート中の処理と同じ処理であるため説明を省略するが、これらの処理は、カウント値のインクリメント量を用紙束の厚みに応じて変えながら、針先端部数をカウントしていく処理である。
ステップS3_20では、ジョブ情報に基づいてジョブ終了か否かを判定し、ジョブ継続(No)であればステップS3_7へ戻り、ジョブ終了(Yes)であればこの針先端部数カウント処理を終了する。したがって、針先端部数のカウント値はクリアされず、次回にこの針先端部数カウント処理が開始される際には、今回カウントしたカウント値が用いられる。
この図20に示す針先端部数カウント処理においても、形成する用紙束の厚み又は枚数に応じた針先端部数のカウントを行うことにより、形成する用紙束の厚み又は枚数によって変わる針先端部の量に正確に対応することができる。また、好適なタイミングで針回収ボックス182から針先端部を廃棄することを報知することができ、針回収ボックス182における針先端部のオーバーフローの可能性を低減させつつ生産性の低下を最小限に抑えることができる。なおここでは、オーバーフローよりも生産性を優先させ、ジョブの途中でカウント値が限界数に達しても、そのジョブは継続するようになっている。
続いて、第3実施形態のステープル処理装置について説明する。ここでも、第1実施形態のステープル処理装置が有する構成要素と同じ構成要素には、今まで用いた符号を付しこれまで用いた図面を引用する。
第3実施形態のステープル処理装置10によれば、紙種の違いに応じた収容部における針先端部数カウント処理が実行される。すなわち、制御部7が取得するジョブ情報には、図8に示す紙種選択画面520によって選択された紙種の情報が含まれており、制御部7は、この紙種の情報を利用して紙種の違いに応じた収容部における針先端部数カウント処理を実行する。
図23は、紙種の違いに応じた収容部における針先端部数カウント処理を実行する際の制御部を表す機能ブロック図である。
図23に示す制御部7は、収容部に収容される針先端部の数を、形成する用紙束の枚数に応じて増減させながらカウントする針屑カウンタ部731と、ステープラユニット160を移動させるとともにステープラユニット160の位置を判定するステープラユニット制御部732と、針屑カウンタ731にカウントを中断あるいは再開させたりそのカウント値をクリアするカウンタ制御部733と、針屑カウンタ部731のカウント値から収容部163が針先端部によって満杯になったことを検出する満杯検出部734と、搬送されてくる用紙の紙種を表す紙種情報を取得する紙種情報取得部735と、搬送されてくる用紙の枚数を、紙種情報取得部735で取得した紙種情報に基づいて増減させながらカウントする枚数カウンタ部736を有する。
図24は、図23に示す制御部で実行される、紙種の違いに応じた針先端部数カウント処理のフローチャートである。
ここでも図23に示す制御部7は、ジョブ情報を取得するとともに画像形成開始情報も取得し、この画像形成開始情報を受けて、図24に示す針先端部数カウント処理を開始する。
まず、ステープラユニット制御部732の機能によってステープラユニット160を、ジョブ情報に基づくステープル処理位置へ移動させる(ステップS4_1)。次いで、コンパイルトレイ105に向けて用紙が搬送されてきたことをコンパイルイクジットセンサ103によって検知したら、取得したジョブ情報に含まれる紙種の情報に基づいて、コンパイルトレイ105に搬送されてきた用紙が厚紙であるか否かを判定する(ステップS4_2)。このステップS4_2は、紙種情報取得部735の機能によってなされる。ここで、厚紙でなければ(Noであれば)、コンパイルトレイ105上の用紙の枚数をカウントするカウント値に1×1.0の値をインクリメントし(ステップS4_3)、ステップS4_5へ進む。一方、厚紙であれば(Yesであれば)、用紙枚数のカウント値に1×2の値をインクリメントし(ステップS4_4)、ステップS4_5へ進む。ステップS4_2に続くこれらの処理は、枚数カウンタ736の機能によってなされる。
ステップS4_5では、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161がステープル動作を行ったか否か、すなわちステープラユニット160がステープル処理を実施したか否かを判定し、未実施の場合にはステップS4_2へ戻る。反対に、ステープル処理が実施された場合には、ステープラユニット制御部732の機能によって、実施されたステープル処理におけるステープル処理位置が、針廃棄位置と同一の位置のステープル処理位置であるか否かを判定し(ステップS4_6)、同じ位置(Yes)であれば、針先端部の数をカウントする針屑カウント値をインクリメントせずに、満杯検出部734の機能によって、その針屑カウント値が所定値を越えたか否かを判定する(ステップS4_7)。ここで、針先端部の数をカウントする針屑カウント値をインクリメントさせなかったことは、カウンタ制御部733が針屑カウンタ部731にカウントを中断させたことになる。一方、針屑カウント値が所定値を越えていればステップS4_8へ進む。このステップS4_8へ進む流れは、満杯検出部734の機能によってなされる。ここにいう所定値は、保持部に収容することができる針先端部の最大数である。ステップS4_8では、ステープラユニット160を、一旦針廃棄位置まで移動させた後、ステップS4_1でステープラユニット160を移動させたステープル処理位置に復帰させる。このステップS4_8は、ステープラユニット制御部732の機能によってなされる。一旦針廃棄位置まで移動したステープラユニット160の保持部163からは針先端部が廃棄され、保持部163が空の状態となったステープラユニット160は、前のステープル処理位置に復帰する。続いて、ジョブ情報に基づいてジョブ終了か否かを判定し(ステップS4_9)、ジョブ終了(Yes)であれば、ステープラユニット制御部732の機能によってステープラユニット160を針廃棄位置まで移動させ、用紙枚数のカウント値をクリアするとともにカウンタ制御部733の機能によって針屑カウント値もクリアして(ステップS4_10)、この針先端部数カウント処理を終了する。反対に、ジョブ継続(No)であればステップS4_2へ戻る。また、ステップS4_7における判定で針屑カウント値が所定値を越えていない(Noである)旨の判定がなされると、ジョブ終了か否かを判定するステップS4_9へ進む。
また、ステップS4_6における判定で異なる位置(No)である旨の判定がなされると、今度は、用紙枚数のカウント値が70以上であるか否かを判定する(ステップS4_11)。ここで、用紙枚数のカウント値が70以上(Yes)であれば、針先端部のカウント値をインクリメントせずにステップS4_7へ進む。ここでも、針屑カウント値をインクリメントさせなかったことは、カウンタ制御部733が針屑カウンタ部731にカウントを中断させたことになる。用紙枚数のカウント値が70以上であれば、ステープルの針先端部のカットがなされないため、針屑カウント値のカウントアップは不要である。一方、用紙枚数のカウント値が70未満(No)であれば、針屑カウント値に(70−用紙枚数のカウント値)/68の値をインクリメントしてから(ステップS4_12)、ステップS4_7へ進む。このステップS4_12では、例えば、用紙枚数のカウント値が69である場合には針屑カウント値に0.01をインクリメントし、用紙枚数のカウント値が35である場合には針屑カウント値に0.51をインクリメントし、用紙枚数のカウント値が2である場合には針屑カウント値に1.00をインクリメントする。このようなステップS4_12の処理は針屑カウンタ部731の機能によってなされる。
この図24に示す針先端部数カウント処理によれば、形成する用紙束の枚数を厚紙を考慮してカウントすることにより、形成する用紙束の枚数によって変わる針先端部の量に正確に対応することができる。また、好適なタイミングでステープラユニット160を針廃棄位置へ移動させることができ、収容部163における針先端部のオーバーフローの可能性を低減させつつ生産性の低下を最小限に抑えることができる。さらに、ジョブ終了時に、ステープラユニット160を針廃棄位置へ移動させることで、次のジョブ開始時には収容部163は空の状態になり、生産性の低下をより最小限に抑えることができる。
また、この第3実施形態のステープル処理装置10では、制御部によって、針回収ボックスにおいても紙種の違いに応じた針先端部数カウント処理が実施される。
図25は、針回収ボックスにおける紙種の違いに応じた針先端部数カウント処理を実行する際の制御部を表す機能ブロック図である。
図25に示す制御部7は、針回収ボックス182に収容される針先端部の数を、形成する用紙束の枚数に応じて増減させながらカウントする針屑カウンタ部741と、針屑カウンタ部721によるカウント値が所定の値を越えたらメッセージを表示する発報部742と、ステープラユニット160の位置を判定するステープル位置判定部743と、針屑カウンタ741にカウントを中断あるいは再開させたりそのカウント値をクリアするカウンタ制御部744と、針屑カウンタ部741のカウント値から針回収ボックス182が針先端部によって満杯になったことを検出する満杯検出部745と、搬送されてくる用紙の紙種を表す紙種情報を取得する紙種情報取得部746と、搬送されてくる用紙の枚数を、紙種情報取得部745で取得した紙種情報に基づいて増減させながらカウントする枚数カウンタ747を有する。
また、第3実施形態のステープル処理装置10の針回収ボックス185にも、針先端部を収容することができる限界の針先端部数(限界数)と、その限界数の80%に相当する針先端部数(警告数)が定められている。
図26は、図25に示す制御部で実行される、針回収ボックスにおける紙種の違いに応じた針先端部数カウント処理のフローチャートである。
図26に示す針先端部数カウント処理でも、図25に示す制御部7は、針先端部数をカウントしており、針屑カウント値のクリアが行われない限り、この針先端部数カウント処理が終了しても針屑カウント値は記憶されている。この制御部7は、図12に示すステープル要否選択画面560でステープル設定ボタン562が押下されたことを受けて、この針先端部数カウント処理を開始する。
この図26に示すステップS5_1からステップS5_4までの各処理は、図20に示すステップS3_1からステップS3_4までの各処理と同じ処理であるため説明を省略するが、これらの処理は、記憶しておいた針屑カウント値に応じてメッセージを表示する処理である。
また、ステップS5_6からステップS5−12までの各処理は、図24に示すフローチャート中の処理と同じ処理であるためここでも説明を省略するが、これらの処理は、厚紙か否かによって枚数カウント値のインクリメント量を変えながら、枚数カウント値をカウントアップし、その枚数カウント値に基づいて針屑カウント値を求める処理である。
ステップS5_13では、ジョブ情報に基づいてジョブ終了か否かを判定し、ジョブ継続(No)であればステップS5_6へ戻り、ジョブ終了(Yes)であればこの針先端部数カウント処理を終了する。したがって、針屑カウント値はクリアされず、次回にこの針先端部数カウント処理が開始される際には、今回カウントした針屑カウント値が用いられる。
この図26に示す針先端部数カウント処理においても、形成する用紙束の枚数を厚紙を考慮してカウントすることにより、形成する用紙束の枚数によって変わる針先端部の量に正確に対応することができる。また、好適なタイミングで針回収ボックス182から針先端部を廃棄することを報知することができ、針回収ボックス182における針先端部のオーバーフローの可能性を低減させつつ生産性の低下を最小限に抑えることができる。
次に、第4実施形態のステープル処理装置について説明する。ここでも、第1実施形態のステープル処理装置が有する構成要素と同じ構成要素には、今まで用いた符号を付しこれまで用いた図面を引用する。
これまで説明した各実施形態におけるステープル処理装置では、収容部163に収容される針先端部の数を制御部7を用いてカウントしていたが、本実施形態のステープル処理装置では、収容部163に、その収容部163が針先端部によって満杯になったことを検出する満杯検出センサを備えている。
図27は、第4実施形態のステープル処理装置の収容部を示す図である。
図27に示す収容部163の内部には満杯検出センサ1635が示されている。この満杯検出センサ1635は、投光部1635aと受光部1635bを備えており、針先端部が収容部163に貯まり、投光部1635aからの光が針先端部によって遮られることで収容部163が針先端部によって満杯になったことを検出する。制御部7は、この満杯検出センサ1635からの検出結果に基づき、ステープラユニット160を針廃棄位置へ移動させる。
続いて、第5実施形態のステープル処理装置について説明する。ここでも、第1実施形態のステープル処理装置が有する構成要素と同じ構成要素には、今まで用いた符号を付しこれまで用いた図面を引用する。
本実施形態のステープル処理装置では、用紙束の、排出トレイ109への排出を、イジェクトモータの回転によってカウントしており、このステープル処理装置には、排出トレイ109に積載された用紙束の部数が最大積載部数に達した時点で以降の用紙束の形成を中断させる制限モードが用意されている。また、排出トレイ109に積載された用紙束の部数が最大積載部数に達しても用紙束の形成を継続させる制限解除モードも用意されている。これらのモードの切り替えは、図7に示す初期画面510に用意された不図示のモード切替ボタンを操作することで行われる。制限モードを設けることで、収容部163における針先端部のオーバーフローを防止することができ、制限解除モードを設けることで、生産性の低下を抑えている。しかしながら、制限解除モードでは、収容部163においてオーバーフローが生じてしまうため、制御部7は、図2に示すステープル動作検知センサ167によってステープル部161のステープル動作をモニタして、制限解除モードでは、ステープル処理が1ジョブ中に所定回数以上行われると、用紙束を排出した後であって次の用紙束の形成を開始する前に、ステープラユニット160を、針廃棄位置へ一旦移動させ、その後、選択されたステープル処理位置へ復帰させる。ここにいう所定回数は、デュアルモードで想定した、用紙束を最大積載部数得るのに必要なステープル処理回数である。ステープラユニット160を、このような、ジョブ中であっても、次のシートが貯まるまでのステープル処理が行われない間に、針廃棄位置へ一旦移動させることで、生産性の低下を最小限に抑えつつ、収容部163のオーバーフローの可能性を低減させている。なお、この際、排出トレイ109から用紙束を取り去ることを促すメッセージを発報することが好ましい。
また、図1に示す画像形成装置では、用紙サイズが小さいサイズの用紙ほど、画像形成間隔が短くなり、図2に示す搬送ローラ対104の、コンパイルトレイ105への用紙送り込み間隔も短くなる。ジョブ情報には、用紙サイズを表す用紙サイズ情報が含まれており、制御部7は、この用紙サイズ情報をもとに、搬送ローラ対104によって所定サイズ以下のサイズの用紙が送り込まれる場合には、ステープル処理が1ジョブ中に所定回数以上行われたことによりステープラユニット160が針廃棄位置へ一旦移動しステープル処理位置へ復帰するまでの間、搬送ローラ対104の駆動を制御して、次の用紙束の1枚目のシートの送り込みタイミングを遅延させている。こうすることで、ステープル処理を受けるシートが総て揃うタイミングとステープラユニット160の復帰タイミングが一致し、スムーズなステープル処理が行われる。なお、制御部7は、図1に示す画像形成装置1の画像形成間隔を長めにとって画像形成装置1内の搬送ピッチを抑えるようにして、次の用紙束の1枚目のシートの送り込みタイミングを遅延させてもよい。
最後に、今まで説明した以外の、ステープル処理装置の様々な態様について説明する。
針回収ボックス182にも、図27に示すような満杯検知センサを設け、この満杯検知センサの検知結果を受けて、図21に示す画面580を表示してもよい。また、満杯検知センサよりも下方にも検知センサを設け、図22に示す画面590を表示してもよい。さらに、満杯検知センサよりも下方に設けた検知センサがオンした状態になっても、ステープラユニット160が針廃棄位置に到達するまでは、警告メッセージの表示を控え、ステープラユニット160が針廃棄位置に到達した時点で、ジョブの途中であっても警告メッセージを表示するようにしてもよい。