JP2006035225A - 傾斜側壁部を持つ金属製容器の成形方法 - Google Patents

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隆一 江口
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Abstract

【要 約】
【課 題】 板厚が0.2mm以下という薄い金属板を用いても、しわのない、外観の良好な、傾斜側壁部を持つ金属製容器を効率良く製造する。
【解決手段】 板厚0.2mm以下の金属板を用い、傾斜角度が10度以下の傾斜側壁部を持つ、成形高さが30mm以上の円錐台形状の金属製容器をプレス成形して製造するに際し、円板状の金属板を、円筒形状のポンチを用いてプレス成形することで平底円筒状の成形体を得る第1次成形の後、先端に円錐台部分を持つポンチを用いて第1次成形で得られた前記平底円筒状の成形体を、第1次成形とは180度反対の方向にプレス成形することで傾斜側壁部を持つ金属製容器を最終的に得る第2次成形を行うにあたって、傾斜側壁部を持つ金属製容器の最終的な高さに応じて、複数回のプレス成形を、毎回ダイスの内径を段階的に大きくしていくように行う。
【選択図】 図1

Description

板厚0.2mm以下の金属板を用い、傾斜角度が10度以下の傾斜側壁部を持つ、成形高さが30mm以上の金属製容器を成形する方法に関する。
図3に示すような、口元から底に向かって先細りとなる、傾斜側壁部100Aを持つ容器は、多くの場合、紙製であるが、食品や医薬品等の包装用や飲料用に広く使用されている。代表的には厚みt’が0.005〜2.5mm、高さH’が25〜75mm、口元径D’が60〜80mmで、傾斜角度θが10度以下の傾斜側壁部100Aを持つ容器が飲料用によく用いられている。
傾斜角度θが10度以下の側壁を持つ容器は、図3に示すような成形体100を成形し、例えばフランジ部100Cの周縁を屈曲させるカーリング加工等を施して得られる。
成形体100の傾斜角度θは、持ちやすさや、内容物の取り出しの容易さ、それに容器同士を重ねて保管したり、輸送する際の占積率を確保する、等の目的のため、多くの場合10度以下とされる。成形体100は、底部100Bとそれに繋がる傾斜側壁部100Aを持つ。
ところで、このような形状の成形体100を、金属板をプレス成形することで得ようとする試みが従来からなされてきている。
それには、最初、図4に示すように、ポンチ101とダイス102としわ押さえ104を用い、ダイス102としわ押さえ104の間に、平底円筒状に絞り成形した金属の成形体103の底部を挟んで、適切なしわ押さえ力を付与しつつ、ポンチ101によりダイス102の底穴から張り出す方向にプレス成形する方法がとられた。
しわ押さえ104は、ダイス102としわ押さえ104に挟圧されつつ成形途中の成形体103のAで示す挟圧部分(フランジ部)にしわが発生しない程度の適切なしわ押さえ力を付与するようにコントロールされ、ダイス102としわ押さえ104の間を成形途中の成形体103を成す金属板が摺動するのを許容する。なお、ポンチ101、ダイス102、しわ押さえ104は通常、金属等で形成される。
図4で、L’は、ポンチ101先端の円錐台部分の先端面から、円錐台の傾斜側壁部のテーパー開始位置までの、同円錐台部分の高さを示し、DPは、ポンチ101の同円錐台部分の先端面の直径を示す。tBは成形途中の成形体103の底部を成す部分の金属板の厚みを示す。B’はダイス102の内径である。なお、pはポンチ先端の円錐台部分の先端面肩部の曲率半径、rはダイス102の肩部のコーナー面取りの曲率半径である。
ポンチ101の円錐台部分の高さL’、先端面の直径DP、および対応するダイス102の内径B’並びにダイス102の肩部の曲率半径rは、図4中の破線で示すようにポンチ101の先端が平底円筒状に絞り成形した成形体103の底部に当接してから、図4中の2点鎖線で示すようにポンチ101が丁度円錐台部分の高さL’だけ張り出すまで成形が進んだ状態で停止したときにポンチ101とダイス102との間に先述のt’、H’、D’等の所望各部寸法の成形体100が成形できるように適切に決めてある。
ポンチ101を成形時と逆方向に後退させ、しわ押さえ104も同方向に後退させ、成形体103をダイス102から取り出すことによって成形が完了する。
しかし、上述した従来の成形方法は、上述したポンチ101、ダイス102、しわ押さえ104のような一組の成形用工具を用い、一回のプレス成形で金属製容器の最終製品の高さに相当する成形高さの傾斜側壁部を持つ成形体を成形するものであるが、成形体の傾斜側壁部にしわが発生しやすくなる欠点があった。成形体の傾斜側壁部のしわは、一旦生じると、解消するのは容易ではないために、成形後の容器の外観不良という、容器の品質確保上の問題があった。
このような成形体の傾斜側壁部に生じるしわを抑制する技術として、特許文献1には、傾斜側壁部を持つ、円錐台形状の金属製容器をプレス成形して製造するに際し、まず図5(a)に示すように、円板状の金属板を、円筒形状のポンチ10を用いてプレス成形することで平底円筒状の成形体を得る第1次成形の後、先端に円錐台部分を持つポンチを用いて第1次成形で得られた前記平底円筒状の成形体を、図5(b)〜(d)に示すように、第1次成形とは180度反対の方向にプレス成形することで傾斜側壁部を持つ金属製容器を最終的に得る第2次成形を行う、いわゆる逆再絞りによる傾斜側壁部を持つ金属製容器のプレス成形方法が開示されている。
逆再絞り成形を行わない場合、プレス成形により成形体を絞り成形する際のフランジ部のしわは、図6(a)に示すように、縮みフランジ変形時に生じる圧縮応力によりフランジ部が座屈することが原因で発生するものと推定される。
この座屈が発生するのは、何回もプレス成形を繰り返していくうちに経時的にダイスとしわ押さえ面の当たりがフランジ部全周のうち一部で局部的に不均一になるから、と推定される。
しかし、しわの発生を抑制するための対策として、負荷する全体のしわ押さえ力を大きくすると、ポンチ肩部で破断が発生する場合が出てきてしまう。そういうことのないようにしようとすると、今度はやはり、しわが発生してしまい、しわ押さえ力の調整だけでは思うほど効果が上がらない場合が多い。
この点、特許文献1に記載の、第1次成形とは180度反対の方向に再絞り成形を行う、いわゆる逆再絞りによる傾斜側壁部を持つ金属製容器のプレス成形方法が、成形途中の成形体の被挟圧部(フランジ部)に座屈すなわちしわが発生するのを抑制するのにある一定の効果があるのは、次のような理由によるものと推定される。
逆再絞りを行えば、まず、図6(b)に示すように、第1次成形で得られた成形体の底部が第2次成形における被挟圧部(フランジ部)になっていて、ポンチ(図示せず)の進行する方向に対向するようにダイスが配置されていることで、成形途中の成形体は、ポンチの進行に伴ってダイス側に押し付けられる。
また、同図6(b)の○で囲ったA、A’で示した部位に代表されるように、第2次成形時には成形体がダイスに巻きつくようにして成形されることになって、しわ押さえから成形体に積極的に力を付与しなくても、自励的にしわ押さえ力Fが作用し、しかもそれはフランジ部全周に殆ど均一に作用する。
以上の作用により、フランジ部全周でしわ押さえ力が不均一になるのを抑制できるから、座屈すなわちしわの発生を抑制することができるのである。
特開昭56-19932号公報
しかしながら、特許文献1に記載の逆再絞り成形によってもなお、成形体の傾斜側壁部にしわが発生する場合があった。傾斜側壁部の形成にあたっては、成形中の成形体は、図5(c)に示すように、ポンチとダイスいずれにも接触しないため、板厚が0.2mm以下というようにごく薄い場合、なおしわが発生するのを完全に防止できない場合があったのである。
本発明の目的は、上記した従来技術の問題を解消することにあり、持ちやすさや、内容物の取り出しの容易さ、それに容器同士を重ねて保管したり、輸送する際の占積率を確保する、等の目的のため、多くの場合傾斜角度θが10度以下(好ましくは1度以上)とされる傾斜側壁部を持つ金属製容器の成形を対象に、成形用工具を構造の簡単なものとすることができると共に、成形される金属板が0.15mm以下というように薄い場合でも、成形高さが30mm以上と高い成形体の傾斜側壁部にしわが発生するのを抑制でき、外観の良好な傾斜側壁部を持つ金属製容器を効率的に得ることができる、成形方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
1.板厚0.2mm以下の金属板を用い、傾斜角度が10度以下の傾斜側壁部を持つ、成形高さが30mm以上の円錐台形状の金属製容器をプレス成形して製造するに際し、円板状の金属板を、円筒形状のポンチを用いてプレス成形することで平底円筒状の成形体を得る第1次成形の後、先端に円錐台部分を持つポンチを用いて第1次成形で得られた前記平底円筒状の成形体を、第1次成形とは180度反対の方向にプレス成形することで傾斜側壁部を持つ金属製容器を最終的に得る第2次成形を行うにあたって、該第2次成形を複数回のプレス成形にて行うものとし、傾斜側壁部を持つ金属製容器の最終的な高さに応じて該複数回のプレス成形を、毎回ダイスの内径を段階的に大きくしていくように行うことを特徴とする傾斜側壁部を持つ金属製容器の成形方法。
2.板厚0.2mm以下の金属板を用い、傾斜角度が10度以下の傾斜側壁部を持つ、成形高さが30mm以上の円錐台形状の金属製容器をプレス成形して製造するに際し、円板状の金属板を、円筒形状のポンチを用いてプレス成形することで平底円筒状の成形体を得る第1次成形の後、先端に円錐台部分を持つポンチを用いて第1次成形で得られた前記平底円筒状の成形体を、第1次成形とは180度反対の方向にプレス成形することで傾斜側壁部を持つ金属製容器を最終的に得る第2次成形を行うにあたって、該第2次成形を複数回のプレス成形にて行うものとし、傾斜側壁部を持つ金属製容器の最終的な高さに応じて、該複数回のプレス成形を、同一のポンチを用いて、毎回ダイスの内径を段階的に大きくしていくように行うことを特徴とする傾斜側壁部を持つ金属製容器の成形方法。
板厚が0.15mm以下という薄い金属板を用いても、しわのない、外観の良好な、傾斜側壁部を持つ金属製容器を効率良く製造可能になる。
本発明に用いるポンチ、ダイス、しわ押さえなどは、金属で形成するのが、液圧成形等の他の方法に比べ生産性が高く、コストも安価であるという利点があるため好ましいが、必ずしもそれに限るものではなく、セラミックや樹脂等でもよい。
本発明に用いる金属板は、鋼板やアルミニウム板、アルミニウム合金板、表面処理鋼板、金属箔、プラスチックフィルムなどを被覆した被覆金属板などが好適である。
図1は、本発明による金属製容器の成形方法について説明するための図である。
本発明ではまず最初に図1(a)に示すように、円板状の金属板1(厳密な意味での円形の板でなくても略円形でもよい)を、ポンチ10とダイス20としわ押さえ40を用い、ダイス20としわ押さえ40の間に、円板状の金属板1を挟んで、適切なしわ押さえ力を付与しつつ、ポンチ10によりダイス20の底穴から張り出す方向にプレス成形することによって、平底円筒状に絞り成形する(以下第1次成形と呼ぶ)。成形後の中間生成物を第1次成形体30と以下、称す。第1次成形に用いるポンチ10は、円筒形状のものとする。ここに、円筒形状とは、円柱形状をも含む意味とする。
次いで本発明では、図1(b)〜(f)に示したように、第1次成形で得られた平底円筒状の第1次成形体30を用いて、傾斜側壁部を持つ金属性容器の成形を行う(以下第2次成形と呼ぶ)。ちなみに図1(b)は第1次成形で得られた平底円筒状の第1次成形体を用いて、まさに傾斜側壁部を持つ金属性容器に成形するべく成形を開始しようとする際のようす、図1 (b)〜(e)は成形途中、図1(f)は成形完了時のようすを示している。
このとき図1(b)には、図1(a)に示したときとは平底円筒状の第1次成形体30を上下逆にセッティングしなおしたようすを示したように、第1次成形のときとは180度反対の方向(図1(a)と図1(b)とでは上下逆)に逆再絞り成形を行うことが本発明の第一の特徴である。
第1次成形体30は、ダイス201〜20を内包するように配置されている。平底円筒状の第1次成形体30の底部の周縁部分がしわ押さえとダイス201〜20で挟圧される。挟圧されている部分が、傾斜した側壁部を形成する第2次成形のしわ押さえ面になる。
第1次成形体30を第2次成形により成形してできる成形体を第2次成形体と呼ぶことにすると、第1次成形体30を第2次成形により成形できる第2次成形体すなわち傾斜側壁部を持つ円錐台形状の金属製容器2の最終的な高さH’の限界や、側壁の傾斜角度θの限界は、使用する金属板1の材質や板厚等に応じて決定する必要がある。ここに、円錐台形状の金属製容器は、当然、中空であるから、円錐台形状の、とは、外形が円錐台形状の、という意味とする。
第2次成形体すなわち傾斜側壁部を持つ金属製容器に仕上げる第2次成形は、1回のプレス成形ではなく、複数回のプレス成形で行うことが本発明の第二の特徴である。
傾斜側壁部を持つ金属製容器を成形するに際しては、ポンチ10’の側壁が傾斜しているため、図5(c)中にも示した通り、ポンチ10’とダイス201〜20の間にクリアランスが発生してしまう。このクリアランスに起因して側壁に大きなしわが発生しやすい。しかも、このクリアランスは、一回のプレス成形による成形高さが高いほど大きくなる。このため、一回のプレス成形で成形可能な高さには限界がある。0.2mm以下の板厚の薄い金属板を用いて成形した場合、この成形高さの限界は、従来からの知見では30mmである。
もしも1回のプレス成形で第2次成形を完了することとすると、この限界を超えてしまう場合が出てくる。そこで、本発明では、複数回(N回)のプレス成形で第2次成形を行うようにし、所望寸法の傾斜側壁を持つ金属製容器2を最終的に得るようにする。
その際、ダイス側の口元の直径d(内径。曲率のある部分を除く)や底部の直径D(内径。曲率のある部分を除く)が1回1回異なるようにしてプレス成形する。当然、ダイスは、図1(b)〜(f)中に示す201〜20Nのように、毎回内径の異なるものを使用する。
一方、ポンチ側は、毎回先端の直径の異なるもの101〜10Nを使用してもよいし、ある回数だけ部分的に先端の直径の異なるものを使用してもよいし、毎回同じ先端の直径のもの10’を使用してもよい。毎回同じ先端の直径のものを使用すれば、同一のポンチを用いて、第2次成形を完了することができるため、途中でポンチを交換する必要がなくなるという利点がある。
1回のプレス成形でしわの発生がなく成形が可能な限界の高さは、側壁の傾斜角度、それに金属板の材質や板厚に依存するため、予め、傾斜側壁部を持つ金属製容器の最終的な高さ、側壁の傾斜角度、それに金属板の材質や板厚を各水準に変更した実験を行ってしわが発生する、しないを検証しておき、しわが発生しない条件内において可及的にプレス成形回数が少なくなるようにすればよい。
平底円筒状の第1次成形体30を成形する第1次成形も、1回のプレス成形ではなく、複数回のプレス成形で行ってもよく、プレス成形(絞り成形)の絞り比と金属板の材質からくる成形性を考慮して決定すればよい。
(本発明例1)
本発明を適用して、底部の直径(内径。曲率のある部分を除く)Dが47mm、高さH’が105mm、傾斜側壁部の傾斜角度θが4.4°のスチール製容器を製造した。
素材金属板として、PTFE被覆鋼板を用いた。PTFE被覆鋼板は板厚が0.1mmの缶用鋼板の両面にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のラミネート処理を施したものである。PTFE鋼板の機械特性値(圧延方向)は、YS=280MPa、TS=380MPa、El=27%、r値=1.1であった。
まず、直径175mmのPTFE鋼板の円板から、直径がφ100mmの平底円筒状の成形体を成形した後、さらに再絞り成形を行い、直径がφ76mmの平底円筒状の第1次成形体30を製造した。
次いで各プレス成形回の成形体およびポンチ先端直径、ダイスの内径の各寸法を表1のように決めて第1次成形とは180度反対の方向にプレス成形を複数回行うことで、逆再絞り成形を行った。4回目〜7回目のプレス成形では、ポンチの先端径を段階的に大きくし、成形体に伸び歪みを付与してしわを抑制するようにした。
Figure 2006035225
第1次成形で2回のプレス成形、傾斜側壁部を形成する第2次成形で7回のプレス成形、合計9回のプレス成形により、所望寸法の傾斜側壁部を持つ金属製容器2を最終的に製造した。なおポンチ先端の円錐台部分の先端面肩部の曲率半径pは3mm、ダイス102の肩部の曲率半径rは1.5mmとした。
ダイスの肩部の曲率半径は小さい方が、成形体にしわが発生するのを抑制するのに有利な反面、ポンチの肩部がダイスの肩部を通過する時に成形体にはたらく曲げ・曲げ戻し変形に起因して、成形体にはポンチの肩部に相当する部分で破断が発生しやすくなる。したがってダイスの肩部の曲率半径については、金属板の材質や板厚を各水準に変更した実験を行い、破断が発生する、しないを検証しておき、破断が発生しない条件内において可及的に小さくなるような値にすればよい。本発明例では 1.5mmに設定した。
本発明例では、傾斜側壁部にしわが発生するのを抑制することができ、傾斜角度が4.4°の外観の良好なスチール製容器を得ることができた。
(本発明例2)
発明例1と同じPTFE被覆鋼板を素材として、直径175mmのPTFE鋼板の円板から、直径がφ100mmの平底円筒状の成形体を成形した後、さらに再絞り成形を行い、直径がφ76mmの平底円筒状の第1次成形体30を製造した。次いで各プレス成形回の成形体およびポンチ先端直径、ダイスの内径の各寸法を表2のように決めて第1次成形とは180度反対の方向にプレス成形を複数回行うことで、逆再絞り成形を行った。本発明例では、全てのプレス成形で同一のポンチを用いた。また、本発明例1と同じく、ポンチ先端の円錐台部分の先端面肩部の曲率半径pは3mm、ダイス102の肩部の曲率半径rは1.5mmとした。
Figure 2006035225
本発明例でも、同じく傾斜側壁部にしわが発生するのを抑制することができ、同一のポンチを用いることで成形の途中でポンチを交換することなく、効率的に傾斜角度が4.4°の外観の良好なスチール製容器を得ることができた。
(比較例)
本発明例1と同じPTFE被覆鋼板を用いて、直径175mmの円板から、直径がφ100mmの平底円筒状の成形体を成形した後、さらに再絞り成形を行い、直径がφ76mmの平底円筒状の第1次成形体を得た。得られたφ76mmの平底円筒状の第1次成形体に対し、第1次成形と同じ方向にさらに再絞り成形(第2次成形)を行い、本発明例と同じ寸法、形状の容器を1回のプレス成形で製造した。この比較例では、傾斜側壁部に大きなしわが発生するとともに、成形途中で割れが発生し、良好なスチール製容器を得ることができなかった。
図2に、板厚の異なるPTFE被覆鋼板を用い、本発明例2および比較例のプレス成形方法を適用して、底部の直径(内径。曲率のある部分を除く)Dが47mm、傾斜側壁の傾斜角度θが4.4°の、成形高さの異なる各種スチール製容器を製造した際の結果を示した。破断したものを×、しなかったものを○で示した。
比較例である、第2次成形を1回のプレス成形で行う場合は、板厚0.2mm以下の領域では、成形高さが30mm未満の非常に高さの低い容器しか成形できない。これに対し、本発明例である、第2次成形を複数回のプレス成形で行う場合は、0.2mm以下の板厚の薄い領域でも成形高さの高い容器の成形が可能になった。
もちろんだが、図2の本発明例には、成形高さが低い容器は当然成形できるため、表記していない。
また板厚の厚い領域では、比較例である、第2次成形を1回のプレス成形で行う場合であっても、しわが発生することなく成形が可能になることから、本発明の適用範囲は、冷間圧延で製造可能な板厚の下限である、0.08mmから、成形時にしわが発生しやすい板厚0.2mmまでの範囲が好適と言える。
また、成形高さ30mm未満の領域では、比較例である、第2次成形を1回のプレス成形で行う場合であっても、板厚が薄くても成形が可能であるため、本発明の適用範囲は高さ30mm以上の範囲が好適と言える。
本発明を説明するための図面。 本発明の効果を説明するための図面。 傾斜側壁部を持つ金属製容器の概要を説明するための図面。 従来技術を説明するための図面。 従来技術を説明するための図面。 従来技術を説明するための図面。
符号の説明
1 金属板
2、100 傾斜側壁を持つ金属製容器
10、10’、101〜10N、10、101 ポンチ
20、201〜20N、20、102 ダイス
30、103 成形体
40、104 しわ押さえ
100A 傾斜側壁部
100B 底部
100C フランジ部
A 挟圧部分(フランジ部)
L’ ポンチ先端の円錐台部分の先端面から、円錐台の傾斜側壁部のテーパー開始位置までの、同円錐台部分の高さ
D’ 成形体の口元の直径(内径)
P ポンチ先端の円錐台部分の直径
B 成形途中の成形体の底部を成す部分の金属板の厚み
B、B’ダイスの内径
1・・・dn 成形体の口元の直径(内径)
1・・・Dn 成形体の底部の直径(内径)
p ポンチの肩部の曲率半径
r ダイスの肩部の曲率半径

Claims (2)

  1. 板厚0.2mm以下の金属板を用い、傾斜角度が10度以下の傾斜側壁部を持つ、成形高さが30mm以上の円錐台形状の金属製容器をプレス成形して製造するに際し、円板状の金属板を、円筒形状のポンチを用いてプレス成形することで平底円筒状の成形体を得る第1次成形の後、先端に円錐台部分を持つポンチを用いて第1次成形で得られた前記平底円筒状の成形体を、第1次成形とは180度反対の方向にプレス成形することで傾斜側壁部を持つ金属製容器を最終的に得る第2次成形を行うにあたって、該第2次成形を複数回のプレス成形にて行うものとし、傾斜側壁部を持つ金属製容器の最終的な高さに応じて、該複数回のプレス成形を、毎回ダイスの内径を段階的に大きくしていくように行うことを特徴とする傾斜側壁部を持つ金属製容器の成形方法。
  2. 板厚0.2mm以下の金属板を用い、傾斜角度が10度以下の傾斜側壁部を持つ、成形高さが30mm以上の円錐台形状の金属製容器をプレス成形して製造するに際し、円板状の金属板を、円筒形状のポンチを用いてプレス成形することで平底円筒状の成形体を得る第1次成形の後、先端に円錐台部分を持つポンチを用いて第1次成形で得られた前記平底円筒状の成形体を、第1次成形とは180度反対の方向にプレス成形することで傾斜側壁部を持つ金属製容器を最終的に得る第2次成形を行うにあたって、該第2次成形を複数回のプレス成形にて行うものとし、傾斜側壁部を持つ金属製容器の最終的な高さに応じて、該複数回のプレス成形を、同一のポンチを用いて、毎回ダイスの内径を段階的に大きくしていくように行うことを特徴とする傾斜側壁部を持つ金属製容器の成形方法。
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