JP2006032808A - 位置ずれ検出装置、マスク搬送システム及び露光装置 - Google Patents

位置ずれ検出装置、マスク搬送システム及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハンド部の位置ずれを検出し、ハンド部の位置を調整する。
【解決手段】レチクル中継部は、第2のロボット188のアーム190の一部(ハンド部180)に光L1、L2を照射する照射部197a,197bと、ハンド部とロードシェルフ25とが所望の位置関係にあるときハンド部の異なる2箇所を経由した前記光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部199a,199bとを有する位置ずれ検出装置45を備えている。このため、光の受光状況に基づいて第2のロボットがロードシェルフにレチクルRを渡す際に、レチクルを保持したハンド部とロードシェルフとが所望の位置関係にあるか否か、すなわちハンド部180の位置ずれを確実に検出することができ、この検出結果に基づいてハンド部の位置を調整することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、位置ずれ検出装置、マスク搬送システム及び露光装置に係り、更に詳しくは、機械的に分離された第1物体と第2物体との間で試料を搬送する搬送部材の位置ずれを検出する位置ずれ検出装置、該位置ずれ検出装置を適用するのに好適なマスク搬送システム及び該マスク搬送システムを備える露光装置に関する。
近年、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、スループットを重視する観点から、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはこのステッパを改良したステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)などの逐次移動型の投影露光装置が、主として用いられている。
しかるに、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターンが転写されるウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、「ウエハ」と総称する)の大型化により、露光装置は次第に大型化している。このため、例えばレチクルローダ部から露光装置本体上のレチクルプリアライメント部(「レチクルプリ2部」とも呼ばれる)までの距離が必然的に長くなり、レチクルローダ部(レチクル搬入部)からレチクルプリ2部までのレチクル搬送時間の増加が、露光装置のスループット低下を招くおそれが生じてきた。
また、最近の300mmウエハ時代になって、小ロット指向が強くなり、レチクル交換の頻度がますます高まる傾向にある。このことは、上記のレチクル搬送に伴うスループットの低下に拍車をかけることになる。
さらに、レチクルローダ部とレチクルプリ2部との間の距離が長くなることで、レチクルローダ部のロボットがレチクルプリ2部にレチクルを直接渡すという従来の搬送シーケンスの採用が困難となってしまうという不都合もある。
レチクルローダ部によるレチクル搬送動作が、露光装置本体の振動要因になるのを防止する観点からは、レチクルローダ部のロボットと、レチクルプリ2部とは、異なる架台上に設置することが望ましい。この一方、機械的に分離された第1物体と第2物体との間でレチクルを受け渡す場合、その受け渡しに際して、搬送部材の位置が、所望の位置からずれると、受け渡しを円滑に行うことができずにエラーとなったり、最悪の場合は、所望の位置からずれてレチクルが受け渡されて、レチクルを破損する事故を起こすことがある。この意味で、機械的に分離された第1物体と第2物体との間でレチクルを搬送する搬送部材の位置ずれを確実に検出する技術が必要になる。
この他、露光装置が大型化する傾向にあるといっても、クリーンルームは高価であるため、フットプリント(装置の設置面積)は自ら制限される。このような制限の下では、露光装置の各部の温調のための設備は、露光装置の大型化を助長するため、温調空気は必要部位のみカバーできるような構成にすることが望ましい。
本発明は、上述のような事情の下でなされたもので、その第1の目的は、機械的に分離された第1物体と第2物体との間で試料を搬送する搬送部材の位置ずれを確実に検出することが可能な位置ずれ検出装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、マスク交換を含むマスク搬送に関する効率を向上させることが可能なマスク搬送システムを提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、マスク交換を含む露光処理動作におけるスループットの向上が可能な露光装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、機械的に分離された第1物体(36)と第2物体(25)との間で試料(R)を搬送する搬送部材(180)の位置ずれを検出する位置ずれ検出装置であって、前記試料を保持して前記第1物体から前記第2物体に搬送する搬送部材に光を照射する照射部(197a,197b)と;前記搬送部材と前記第2物体とが所望の位置関係にあるとき前記搬送部材の異なる2箇所を経由した前記光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部(199a,199b)と;を備える位置ずれ検出装置である。
ここで、搬送部材の異なる2箇所を経由した光は、搬送部材の異なる2箇所をそれぞれ透過した光、搬送部材の異なる2箇所それぞれで反射された光、及び搬送部材の異なる2箇所のうちの1箇所を透過した光と残りの1箇所で反射された光とのいずれをも含む。
これによれば、照射部から試料を保持して第1物体から第2物体に搬送する搬送部材に光が照射される。このとき、搬送部材と第2物体とが所望の位置関係にある場合には、搬送部材の異なる2箇所を経由した光が光検出部で同時に受光され、搬送部材と第2物体とが所望の位置関係から外れているときは、搬送部材の異なる2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光は光検出部では受光されない。このため、光の受光状況により、搬送部材と第2物体とが所望の位置関係にあるか否か、換言すれば搬送部材の位置ずれを確実に検出することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、露光装置本体(30)との間でマスク(R)を搬送するマスク搬送システムであって、マスクを搬送するマスク搬送部材(188)が設けられたマスク搬入部(87)と;前記マスク搬入部及び前記露光装置本体とは異なる架台(75)上に設置され、前記マスク搬入部と前記露光装置本体との間でマスクを搬送するマスク中継部(89)と;を備えるマスク搬送システムである。
これによれば、マスクを搬送するマスク搬送部材が設けられたマスク搬入部と、露光装置本体と、マスク搬入部と露光装置本体との間でマスクを搬送するマスク中継部とがそれぞれ異なる架台上に設置されている。このため、露光装置本体で露光処理動作が行われている最中でも、マスク中継部では、マスク搬入部からマスクを受け取り、露光装置本体の近傍まで搬送してその位置で待機する、あるいは、露光装置本体上のマスクの一時待機位置に渡すなどの動作が可能となる。いずれの場合でも、露光が終わり、マスク交換が必要になった場合に、直ちに露光に用いられていたマスクと待機していたマスクとを交換することが可能となり、マスク交換を含むマスク搬送を効率良く行うことが可能となる。
この場合において、請求項3に記載のマスク搬送システムの如く、前記マスク搬入部には、前記マスク搬送部材により複数のマスクを出し入れ可能で、その内部が温調空気により温調されたバッファ(36)が設けられていることとすることができる。
この場合において、請求項4に記載のマスク搬送システムの如く、前記マスク搬入部には、前記マスクに付された情報を読み取る情報読み取り装置(118)と、前記マスクに付着した異物をチェックする検査装置(34)とが更に設けられ、前記情報読み取り装置による情報読み取り、及び前記検査装置による異物チェックは、前記バッファ内へのマスクの収容に先立って行われることとすることができる。
上記請求項2〜4に記載の各マスク搬送システムにおいて、請求項5に記載のマスク搬送システムの如く、前記マスク中継部は、前記マスク搬入部から前記露光装置本体へ向かって前記マスクを搬送するロード側搬送経路と、前記ロード側搬送経路とは少なくとも一部が異なり前記露光装置本体側から前記マスク搬入部に向かって前記マスクを搬送するアンロード側搬送経路とを有することとすることができる。
この場合において、請求項6に記載のマスク搬送システムの如く、前記マスク中継部は、ロード側の棚(25)と、アンロード側の棚(43)と、両方の棚と前記露光装置本体との間でマスクを搬送するロボットアーム(290)と、を有することとすることができる。
この場合において、請求項7に記載のマスク搬送システムの如く、前記ロード側の棚及びアンロード側の棚には、搭載されたマスクを位置決めする位置決め機構(31,131)が設けられていることとすることができる。
上記請求項6及び7に記載の各マスク搬送システムにおいて、請求項8に記載のマスク搬送システムの如く、前記マスク搬送部材(190)の一部に光を照射する照射部(197a,197b)と、前記マスク搬送部材と前記ロード側の棚とが所望の位置関係にあるとき前記マスク搬送部材の異なる2箇所を経由した前記光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部(199a,199b)とを有する位置ずれ検出装置(45)を、更に備えることとすることができる。
上記請求項6〜8に記載の各マスク搬送システムにおいて、請求項9に記載のマスク搬送システムの如く、前記ロボットアームに光を照射する照射部と、前記ロボットアームと前記露光装置本体とが所望の位置関係にあるとき前記ロボットアームの異なる2箇所を経由した前記光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部とを有する位置ずれ検出装置(145)を、更に備えることとすることができる。
上記請求項2〜9に記載の各マスク搬送システムにおいて、請求項10に記載のマスク搬送システムの如く、前記マスク搬入部には、少なくとも一枚のマスクを気密状態で収容する開閉型のマスクコンテナ(281,282)の搬出入ポートが設けられ、前記マスク搬入部及び前記マスク中継部には、前記マスクコンテナから取り出されたマスクを外気から隔離した状態で前記マスク搬入部から前記露光装置本体まで搬送するための搬送経路が設けられていることとすることができる。
請求項11に記載の発明は、マスク(R)に形成されたパターンを感光物体(W)上に転写する露光装置であって、前記パターンの転写が行われる露光装置本体(30)と;該露光装置本体との間でマスクを搬送する請求項2〜10のいずれか一項に記載のマスク搬送システムと;を備える露光装置である。
これによれば、露光装置本体との間でマスクを搬送する請求項2〜10のいずれか一項に記載のマスク搬送システムを備えているので、該マスク搬送システムにより、マスク交換を含むマスク搬送を効率良く行うことができる。この結果、特にマスクの交換を伴う露光処理動作におけるスループットを向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図11に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置10が、一部破断して斜視図にて示され、図2には、露光装置10が、一部破断して平面図にて示されている。露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)である。この露光装置10は、クリーン度がクラス100〜1000程度のクリーンルーム内に設置されている。この露光装置10は、内部空間が高度に防塵されるとともに、高精度な温度制御がなされたエンバイロンメンタル・チャンバ12(以下、「本体チャンバ12」と略述する)、該本体チャンバ12内に設置された露光装置本体30(図3参照)及び露光装置本体30との間でマスクとしてのレチクルを搬送するマスク搬送システムとしてのレチクル搬送系32等を備えている。本体チャンバ12の内部は、化学的清浄度もある一定レベルに保たれている。
後述するように露光装置10は、投影光学系を備えているので、以下では、この投影光学系の光軸方向をZ軸方向、Z軸に直交する平面内でレチクルとウエハとが同期移動される走査方向をY軸方向、及び該Y軸に直交する非走査方向をX軸方向として、説明を行うものとする。
前記本体チャンバ12の図1における−Y側の端部かつ+X側の端部のコーナー部分には、他の部分と比べて低い低段差部22が形成されている。この低段差部22に、マスクコンテナとしてのレチクルキャリアの搬出入ポートが2つ設けられている。以下では、説明の便宜上、これらの搬出入ポートを、低段差部22と同一の符号を用いて、「搬出入ポート22」と記述するものとする。
各搬出入ポート22を介してOHV(Over Head Vehicle)あるいはOHT(Over Head Transfer)と呼ばれる不図示の天井搬送系によってマスク(及び試料)としてのレチクルがレチクルキャリア281又はレチクルキャリア282内に収納された状態で、本体チャンバ12に対して搬入されあるいは本体チャンバ12から搬出される。
ここで、レチクルキャリア281,282としては、一例としてレチクルを複数枚上下方向に所定間隔を隔てて収納可能なボトムオープンタイプの密閉型のコンテナであるSMIF(Standard Mechanical Interface)ポッドが用いられている。
前記露光装置本体30は、本体チャンバ12の一部を破断して露光装置10を正面図にて示す図3に示されるように、不図示の光源からのパルス紫外光によりマスクとしてのレチクルRを照明する照明ユニットILU、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRから射出される照明光(パルス紫外光)を感光物体としてのウエハW1,W2上に投射する投影光学系PL、及びウエハW1、W2をそれぞれ保持するウエハステージWST1、WST2、並びにレチクルステージRST、投影光学系PL及びウエハステージWST1、WST2などが搭載されたボディ26等を備えている。
前記照明ユニットILUは、例えば特開平6−349701号公報(対応米国特許第5,534,970号)などに開示されるように、照明系ハウジング40と、該照明系ハウジング40内に所定の位置関係で配置された、可変減光器、ビーム整形光学系、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、内面反射型インテグレータ、あるいは回折光学素子など)、集光光学系、振動ミラー、照明系開口絞り板、リレーレンズ系、レチクルブラインド、メインコンデンサレンズ、ミラー及びレンズ系等を備え、レチクルステージRST上に保持されたレチクルR上の所定の照明領域(X軸方向に直線的に伸びたスリット状又は矩形状の照明領域)を均一な照度分布で照明する。ここで、レチクルRに照射される矩形スリット状の照明光は、投影光学系PLの円形投影視野の中央にX軸方向(非走査方向)に細長く延びるように設定され、その照明光のY軸方向(走査方向)の幅はほぼ一定に設定されている。
前記ボディ26は、ベースプレートBP上に設けられた複数本(例えば3本又は4本)の支持部材42及び各支持部材42上部にそれぞれ固定された防振ユニット44を介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤46と、この鏡筒定盤46の下面から下方に吊り下げられた吊り下げコラム48と、鏡筒定盤46の上面に設けられた支持コラム52とを備えている。
前記防振ユニット44は、例えば支持部材42それぞれの上部に直列(又は並列)に配置された内圧が調整可能なエアマウントとボイスコイルモータとを含んで構成されている。防振ユニット44によって、ベースプレートBP及び支持部材42を介して鏡筒定盤46に伝わる床面Fからの微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
前記鏡筒定盤46は鋳物等で形成され、その中央部に平面視(上方から見て)円形の開口が形成され、その開口の内部に投影光学系PLがその光軸方向をZ軸方向として上方から挿入されている。投影光学系PLの鏡筒の外周部にはフランジFLGが設けられ、該フランジFLGを介して投影光学系PLが鏡筒定盤46に対して取り付けられている。
前記吊り下げコラム48は、ウエハベース定盤54と、該ウエハベース定盤54をほぼ水平に吊り下げ支持する複数本(例えば3本又は4本)の吊り下げ部材56とを備えている。
前記支持コラム52は、鏡筒定盤46の上面に投影光学系PLを取り囲んで配置された複数本(例えば3本又は4本)の脚58と、これらの脚58によってほぼ水平に支持されたレチクルベース定盤60とを備えている。また、鏡筒定盤46の上面には、照明ユニットILUの一部を下方から支持する不図示の支持部材が設けられている。
前記レチクルベース定盤60の上面には、レチクルステージRSTから−Y方向に所定距離離れて露光装置本体上レチクルプリアライメント部(レチクルプリ2部)29が設けられている。このレチクルプリ2部の構成は、後述するレチクルプリ1部の載置台71c及び後述するロードシェルフ25と同様の構成であるので、その詳細については、そのロードシェルフ25について代表的に説明を行うものとする。
前記レチクルステージRSTは、支持コラム52を構成する前記レチクルベース定盤60上に配置されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系62(図3では図示せず、図11参照)によって駆動され、レチクルRをレチクルベース定盤60上でY軸方向に大きなストロークで直線駆動するとともに、X軸方向とθz方向(Z軸回りの回転方向)に関しても微小駆動可能な構成となっている。
前記レチクルステージRSTのXY面内の位置情報(θz方向の回転量の情報を含む)は、移動鏡79を介してレチクルベース定盤60に固定されたレチクルレーザ干渉計64によって例えば0.5〜1nm程度の分解能で検出される。なお、実際には、レチクルステージRST上面の+Y側端部に一対のレトロリフレクタから成るY軸移動鏡が設置され、+X側端部に平面ミラーから成るX軸移動鏡がY軸方向に沿って延設されている。また、これらの移動鏡に対応して、Y軸方向の位置計測に用いられる一対のY軸レーザ干渉計と、X軸方向の位置計測に用いられるX軸レーザ干渉計とがそれぞれ設けられている。このように、移動鏡及びレーザ干渉計はともに複数設けられているが、図3ではこれらが代表的に移動鏡79、レチクルレーザ干渉計64として図示されている。なお、移動鏡79を設ける代わりに、例えばレチクルステージRSTの端面(側面)を鏡面加工して反射面としても良い。
レチクルレーザ干渉計64によって計測されるレチクルステージRST(即ちレチクルR)の位置情報(又は速度情報)は主制御装置50(図11参照)に送られる。主制御装置50は、基本的にはレチクルレーザ干渉計64から出力される位置情報(或いは速度情報)が指令値(目標位置、目標速度)と一致するようにレチクルステージ駆動系62を制御する。
前記投影光学系PLとしては、ここでは、物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW1(又はW2))側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英やホタル石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る1/4、1/5又は1/6縮小倍率の屈折光学系が使用されている。このため、レチクルRにパルス紫外光が照射されると、レチクルR上の回路パターン領域のうちのパルス紫外光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの像(部分倒立像)がパルス紫外光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状または矩形状(多角形)に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW1(又はW2)上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
前記投影光学系PLのY軸方向の両側には、同じ機能を持ったオフアクシス(off-axis)方式の一対のアライメント系ALG1,ALG2が、投影光学系PLの光軸(レチクルパターン像の投影中心とほぼ一致)よりそれぞれ同一距離だけ離れた位置に配置され、鏡筒定盤48に保持されている。
上記アライメント系ALG1、ALG2としては、本実施形態では、画像処理方式の結像式アライメントセンサの一種であるFIA(Field Image Alignment)系のアライメントセンサが用いられている。これらのアライメント系ALG1、ALG2では、光源(例えばハロゲンランプ)からのブロードバンド(広帯域)光により検出対象であるマークを照明し、このマーク近傍からの反射光を結像光学系及び検出基準となる指標マークが形成された指標板を介して撮像素子(CCD等)で受光する。このとき、マークの像が指標マークの像とともに撮像素子の撮像面に結像される。そして、不図示のアライメント処理系では、撮像素子からの画像信号(撮像信号)に所定の信号処理を施すことにより、検出基準点である指標マークの中心を基準としてマークの位置情報を計測する。
本実施形態では、アライメント系ALG1は、ウエハステージWST1上のマーク(ウエハステージWST1上に保持されたウエハ上のアライメントマーク及び不図示の基準マーク板上に形成された基準マーク)の位置情報の計測等に用いられる。また、アライメント系ALG2は、ウエハステージWST2上の同様のマークの位置情報の計測等に用いられる。
前記ウエハステージWST1,WST2は、前述したウエハベース定盤54上に配置され、例えばリニアモータ等を含むウエハステージ駆動系162(図3では図示せず、図11参照)によってXY面内で自在に駆動されるようになっている。ウエハステージWST1,WST2それぞれの上面には、不図示のウエハホルダを介してウエハW1、W2が真空吸着等によって固定されている。
ウエハステージWST1,WST2のXY面内の位置情報は、移動鏡70、移動鏡170をそれぞれ介してウエハ干渉計システムによって計測されている。
これを更に詳述すると、ウエハステージWST1,WST2の上面には、実際には、X軸方向の一側の端部にY軸方向に延びる平面ミラーから成るX移動鏡が設けられ、Y軸方向の一側の端部にX軸方向に延びる平面ミラーから成るY移動鏡が設けられているが、図3ではこれらの移動鏡が、代表的に移動鏡70、移動鏡170として図示されている。なお、ウエハステージWST1,WST2の端面を鏡面加工して反射面(上記X移動鏡、Y移動鏡の反射面に相当)を形成しても良い。
前記ウエハ干渉計システムは、鏡筒定盤46下方の投影光学系PLのY軸方向の一側と他側にそれぞれ設けられたウエハY軸干渉計72、172(図3参照)と、鏡筒定盤46下方の投影光学系PLの−X側に設けられたウエハX軸干渉計121(図3では不図示、図11参照)とを備えている。ウエハY軸干渉計72、172は、ウエハステージWST1,WST2にそれぞれ設けられたY移動鏡に干渉計ビーム(測長ビーム)を照射し、それぞれの移動鏡反射面で反射された干渉計ビームを受光することで、ウエハステージWST1、WST2のY軸方向位置を常時それぞれ検出する。
前記ウエハX軸干渉計121は、投影光学系PLの光軸、アライメント系ALG1の光軸、アライメント系ALG2の光軸を、それぞれ通るX軸方向に平行な3つの測長軸を有し、これらの測長軸は、投影光学系PLの光軸、アライメント系ALG1の光軸、アライメント系ALG2の光軸で、ウエハY軸干渉計72、172の測長軸と垂直に交差する。このため、本実施形態では、干渉計システムの計測結果に基づき、主制御装置50が、投影光学系PLを用いた露光時、及びアライメント系ALG1、ALG2をそれぞれ用いたウエハアライメント時のいずれのときにおいても、ウエハステージWST1、WST2のXY2次元面内の位置をいわゆるアッベ誤差のない状態で精度良く計測できるようになっている。
前記レチクル搬送系32は、図1及び図2に示されるように、本体チャンバ12内部の−Y側の端部近傍に配置されたマスク搬入部としてのレチクル搬入部87と、該レチクル搬入部87の+Y側かつ露光装置本体30のボディ26の一部を構成するレチクルベース定盤60の−Y側に設けられたマスク中継部としてのレチクル中継部89とを備えている。
前記レチクル搬入部87は、本体チャンバ12内部の−Y側の端部近傍に設置された支持架台83と、該支持架台83上面に所定の位置関係で配置された第1ロボット88、第2ロボット188、レチクル搬入部内レチクルプリアライメント部(以下、「レチクルプリ1部」と記述する)37、検査装置としての異物検査装置34、及びバッファとしての内部バッファ36等とを備えている。
前記支持架台83は、長方形の板状部材から成り、その長手方向がX軸方向と一致する状態で本体チャンバ12内に設置されている。この支持架台83の+X方向の端部は、前述した本体チャンバ12の低段差部22近傍の縦断面図である図4に示されるように、前述した搬出入ポートに対向している。ここで、低段差部22には、図1に示されるレチクルキャリア281、282がそれぞれセットされる2つの矩形の開口781、782がY軸方向に沿って所定間隔で形成されている(但し、図4における紙面奥側の開口782は不図示)。なお、本実施形態ではレチクル搬送系32が全て本体チャンバ12内に配置されているものとしているが、レチクル搬送系32の少なくとも一部、例えば少なくともレチクル搬入部87を、本体チャンバ12とは仕切られた別のチャンバ内に配置しても良い。
上記開口781、782の下方には、図4に示されるように、インデクサとも呼ばれる開閉装置801、802がそれぞれ設置されている(但し、図4では紙面奥側の開閉装置802は不図示、図11参照)。
前記一方のレチクルキャリア281は、レチクルを上下方向に所定間隔で収納する複数段(例えば6段)の収納棚が一体的に設けられたキャリア本体741と、このキャリア本体741に上方から嵌合するカバー761と、キャリア本体741の底壁に設けられカバー761をロックする不図示のロック機構とを備えている。前述の開口781は、キャリア本体741の底板より一回り大きく形成されており、開口781は、通常は、図4に示される開閉装置801を構成する開閉部材821によって閉塞されている。
開閉装置801は、開閉部材821と、該開閉部材821がその上端面に固定された駆動軸841と、該駆動軸841を上下方向に(Z軸方向)に駆動する駆動機構861とを備えている。ここで、開閉部材821は、搬出入ポート22に搬入されるレチクルキャリア281のキャリア本体741の底板を真空吸引あるいはメカニカル連結して係合するとともに、そのキャリア本体741に設けられた不図示のロック機構を解除する不図示の係合・ロック解除機構を備えている。
開閉装置801では、開閉部材821の係合・ロック解除機構により、ロック機構を解除するとともに、キャリア本体741を係合した後、開閉部材821を下方に所定量移動し、本体チャンバ12の内部と外部とを隔離した状態で、複数枚のレチクルを保持したキャリア本体741をカバー761から分離させることができる。この開閉装置801は、主制御装置50(図11参照)によって制御される。
前記他方の開閉装置802は、上述した開閉装置801と同様に構成され、開閉装置801と同様にして低段差部22の開口782部分にセットされたレチクルキャリア282を構成するキャリア本体をカバーから分離させる。この開閉装置802も、主制御装置50(図11参照)によって制御される。なお、図4では、レチクルキャリア282、開閉装置802に関連する構成各部を、添え字「2」を付して括弧内に示している。
前記第1ロボット88は、上述した開閉装置801又は802の−X側に配置されている。この第1ロボット88としては、水平多関節ロボット(いわゆるスカラーロボット)が用いられている。この第1ロボット88は、図5に示されるように、伸縮及びXY面内での回転(旋回)が自在のアーム90と、このアーム90を駆動する駆動部92とを備えている。この第1ロボット88は、図5に示されるように、支持架台85上の開閉装置801又は802の−X側に所定距離隔てた位置にY軸方向に延設されたYガイド100上に配置されたスライダ102の上面にその下端が固定された上下方向に延びる支柱ガイド94に上下動可能に取り付けられた不図示のスライダ上に搭載されている。従って、第1ロボット88のアーム90は、伸縮及びXY面内での回転(旋回)に加え、上下動も可能となっている。この場合、上記スライダの上下動は、該スライダに一体的に設けられた不図示の可動子と支柱ガイド94の内部にZ軸方向に延設された不図示の固定子とから成るZ軸リニアモータ98(図11参照)によって行われる。
前記スライダ102には不図示の可動子が設けられ、これに対応してYガイド100には、その可動子とともにY軸リニアモータ104(図11参照)を構成する不図示の固定子が設けられている。Y軸リニアモータ104によって、スライダ102及び支柱ガイド94と一体で第1ロボット88がYガイド100に沿ってY軸方向に往復駆動される。
本実施形態では、第1ロボット88の駆動部92、Z軸リニアモータ98及びY軸リニアモータ104等が、主制御装置50によって制御される(図11参照)。
前記第2ロボット188は、開閉装置802の−X側に配置されている。この第2ロボット188としては、水平多関節ロボット(いわゆるスカラーロボット)が用いられている。この第2ロボット88は、図5に示されるように、伸縮及びXY面内での回転(旋回)が自在のマスク搬送部材としてのアーム190と、このアーム190を駆動する駆動部192とを備えている。この第2ロボット188は、図5に示されるように、支持架台85上の開閉装置802の−X側に所定距離隔てた位置にX軸方向に延設されたXガイド200上に配置されたスライダ202の上面にその下端が固定された上下方向に延びる支柱ガイド194に上下動可能に取り付けられた不図示のスライダ上に搭載されている。従って、第2ロボット88のアーム190は、伸縮及びXY面内での回転(旋回)に加え、上下動も可能となっている。この場合、上記スライダの上下動は、該スライダに一体的に設けられた不図示の可動子と支柱ガイド194の内部にZ軸方向に延設された不図示の固定子とから成るZ軸リニアモータ198(図11参照)によって行われる。
前記スライダ202には不図示の可動子が設けられ、これに対応してXガイド200には、その可動子とともにX軸リニアモータ204(図11参照)を構成する不図示の固定子が設けられている。X軸リニアモータ204によって、スライダ202及び支柱ガイド194と一体で第2ロボット188がXガイド200に沿ってX軸方向に往復駆動される。
本実施形態では、第2ロボット188の駆動部192、Z軸リニアモータ198及びX軸リニアモータ204等が、主制御装置50によって制御される(図11参照)。
前記レチクルプリ1部37は、図1に示されるように、支持架台85上面のYガイド100の−X側に所定距離を隔て、かつXガイド200の−Y側に所定距離隔てた位置に配置されている。このレチクルプリ1部37は、図1に示されるように、支持台71aと、該支持台71a上に搭載された回転テーブル71bと、該回転テーブル71b上に載置された平面視(上方から見て)矩形の載置台71cとを備えている。
前記載置台71cには、レチクルを所定の状態に位置決めするための接触式の位置決め装置117(図11参照)が設けられている。なお、載置台71cは、後述するロードシェルフ25と同様の構成であるので、その詳細については、そのロードシェルフ25について代表的に説明を行うものとする。
載置台71cは、前述のように前記回転テーブル71b上に載置されていることから、主制御装置50により回転テーブル71bが回転駆動されることにより、載置台71c上に載置されたレチクルの水平面(XY面)内の向きが変更されるようになっている。
載置台71cの上方には、バーコードリーダ118が配置されている。このバーコードリーダ118は、前述した支持台71aにその下端部が固定された支持部材の上端部に固定されている(図1参照)。レチクル搬入部87に搬入される各レチクルには、そのレチクルに関する情報が記録されたバーコードが付設されており、載置台71cに載置されたレチクルに付設されたバーコードが、バーコードリーダ118によって読み取られるようになっている。このバーコードリーダ118で読み取られた各レチクルの情報は、主制御装置50に送られ、該主制御装置50では、このレチクル情報に基づいてレチクルを個別に管理する。これにより、レチクルの管理を効果的に行うことができる。
前記異物検査装置(PPD)34は、支持架台85上のレチクルプリ1部37の−Y側に所定距離隔てた位置に配置されている。この異物検査装置34は、支持架台85上に設置された土台部上に配置され、支持架台85上面から所定高さの位置に配置されている。この異物検査装置34は、レチクルR及びレチクルRのパターン面を保護するためのペリクルに付着した異物(主としてパーティクル)の有無とその大きさを調べるものである。この異物検査装置34としては、例えば、小さなスポット状にしたレーザ光をレチクルR(及びペリクル)に照射し、その反射光を受光して本来あるべきパターンか異物かを判断するものが用いられる。この異物検査装置34では、第2ロボット188によってレチクルプリ1部37から搬出され異物検査装置34内部に搬入されたレチクルRのパターン面及びその反対側の面を同時に検査し、その検査結果(その異物の転写可能性の情報を含む)を主制御装置50に送るとともに、不図示のディスプレイ上に表示する。
ここで、異物検査結果が良好であるとは、転写可能性のある異物がレチクルR及びペリクルのいずれにも付着していない状態をいい、異物検査結果が不良であるとは、転写可能性のある異物がレチクルR及びペリクルの少なくとも一方に付着している状態を意味する。
前記内部バッファ36は、支持架台85上面の−X側端部近傍の位置(異物検査装置34の−X側の位置)に設置されている。この内部バッファ36としては、レチクルを複数枚(例えば14枚)出し入れ可能(収納可能)なものが用いられている。図6には、この内部バッファ36が取り出して示されている。この図6に拡大して示されるように、内部バッファ36は、土台部120と、この土台部120上に載置された一方の面(前面)が開口した箱型のバッファ本体ケース122と、該バッファ本体ケース122の上面に取り付けられたエア噴出機構124と、バッファ本体ケース122の内部空間に上下方向に所定間隔で設けられた複数段(例えば14段)の収納棚126と、バッファ本体ケース122の開口を開閉する観音開き構造の開閉ドア128A,128Bと、該開閉ドア128A,128Bの開閉機構136、136’とを備えている。
ここで、内部バッファ36の構成各部について更に詳述すると、前記エア噴出機構124は、バッファ本体ケース122の上部に固定された所定厚さの直方体状の中空のケースを有している。このケースとバッファ本体ケース122との隔壁(すなわち、ケースの低壁及びバッファ本体ケース122の天井壁)には、所定間隔で多数の噴き出し口(図示省略)が形成されている。エア噴出機構124を構成するケースの内部にはその天井壁に接続された給気管130を介して温調空気(所定温度に温度調整された空気)が供給されるようになっている。この温調空気は、例えば工場内に設置された大型の温調空気用の空気タンク(図示省略)からポンプ132(図11参照)によって供給されるようになっている。この場合、空気タンクから給気管130に至る温調空気の給気経路には、HEPAフィルタあるいはULPAフィルタ等のパーティクル除去用のエアフィルタが設けられている。このエアフィルタによってパーティクルが除去されたクリーンな温調空気がエア噴出機構124を介してバッファ本体ケース122内にダウンフローにて供給されるようになっている。ポンプ132のオン・オフは、主制御装置50によって制御される(図11参照)。
本実施形態では、空気タンク、ポンプ132、給気管130を含む給気系及びエア噴出機構124によって、内部バッファ36の内部、より正確にはバッファ本体ケース122の内部空間に、クリーンな温調空気を供給可能なガス供給機構134(図11参照)が構成されており、このガス供給機構134によるクリーンな温調空気の供給・停止が主制御装置50によって制御されるようになっている。
なお、上記の空気タンクからのクリーンな温調空気の供給に限らず、例えば本体チャンバ12内部に不図示の空調装置によって供給されるクリーンエア(本体チャンバ12内部の空調用のクリーンエア)の供給路に分岐路を設け、その分岐路に温調装置(ヒータ及びクーラー)を設け、その温調装置を経由した温調空気をエア噴出機構124に送り込むようにしても良い。
前記一方の開閉ドア128Aを開閉する開閉機構136は、バッファ本体ケース122の−X側の側壁の+Y側の端部に固定されたZ軸方向に伸びる軸受部材138と、この軸受部材138に回転可能に支持されたZ軸方向に伸びる支軸(回転軸)140と、軸受部材138の下端に固定されたアクチュエータボックス142とを備えている。これを更に詳述すると、軸受部材138は円筒状部材の上端及び下端の一部を除く残りの部分を切除して、その切除部分の断面形状が中心角約240°の2/3円弧状とされた部材から成り、この軸受部材138の上端部及び下端部にそれぞれ設けられた軸受を介して支軸140が支持されている。この場合、この支軸140に開閉ドア128Aが固定されているので、開閉ドア128Aは、支軸140を中心に約120°の範囲内で回動が可能になっている。アクチュエータボックス142には、アクチュエータの力を支軸140に伝達する機構が内蔵されている。そして、アクチュエータが主制御装置50によって制御され、開閉ドア128Aの開閉が行われる。このように、実際にはアクチュエータを介して開閉ドア128Aの開閉が制御されるが、以下においては、便宜上開閉機構136が主制御装置50によって制御され、開閉ドア128Aの開閉が行われるものとして説明を行う。
他方の開閉ドア128Bについても、前記一方の開閉ドア128Aと同様にして、バッファ本体ケース122に取り付けられており、開閉ドア128Aと同様に、アクチュエータを介して主制御装置50により開閉が制御されている。このように、開閉ドア128Bも実際にはアクチュエータを介して開閉が制御されるが、以下においては、便宜上開閉機構136と同様の開閉機構136’(図6及び図11参照)が主制御装置50によって制御され、開閉ドア128Bの開閉が行われるものとする。
ここで、開閉ドア128A,128Bの閉状態で、開閉ドア128A,128Bが接触するバッファ本体ケース122の接触面には、不図示のガスケット等のシーリング部材が設けられており、開閉ドア128A,128Bの閉状態では、バッファ本体ケース122の内部は陽圧状態を保てるようになっている。このように、バッファ本体ケース122の内部が陽圧状態を保てるので、エア噴出機構124から温調空気を供給することで、バッファ本体ケース122内部のレチクルを所定の温度管理状態に維持し、かつクリーン度も維持することができるようになっている。
前記レチクル中継部89は、図1及び図2に示されるように、本体チャンバ12内部のレチクルベース定盤60と支持架台85との間に設置された架台としての搬送系支持架台75と、該搬送系支持架台75上に所定の位置関係で配置されたロードシェルフ25、アンロードシェルフ43及び第3ロボット39等とを備えている。
前記搬送系支持架台75は、図1に示されるように、複数本(例えば4本)の支持部材23と、これらの支持部材23によって水平に支持された平面視(上方から見て)矩形の支持板21とから構成されている。
前記アンロードシェルフ43は、図1及び図2に示されるように、支持板21上面の+X側端部近傍に配置されている。このアンロードシェルフ43は、レチクルステージRSTからアンロードされたレチクルが一時的に載置されるアンロード側の棚である。このアンロードシェルフ43の構成は、次に説明するロードシェルフ25と同様になっているので、そのロードシェルフ25について代表的に説明を行うものとする。
前記ロードシェルフ25は、図1に示されるように、アンロードシェルフ43の真上に所定間隔を隔てて配置されている。このロードシェルフ25は、レチクルステージRSTに向けて搬送されるレチクルが一時的に載置されるロード側の棚である。なお、このロードシェルフ25は、実際には、一端がアンロードシェルフ43に接続された不図示の支持部材によってアンロードシェルフ43の上方に支持されている。従って、ロードシェルフ25とアンロードシェルフ43との位置関係は一定に保たれている。
前記ロードシェルフ25は、図7の拡大斜視図に示されるように、所定厚さの矩形板状の載置テーブル27と、該載置テーブル27の上面に固定された3つのレチクル支持部材33a、33b、33cと、載置テーブル27に設けられた6本の位置決めピン31a〜31fを有する接触式レチクル位置決め装置31(図11参照)とを備えている。
図7に示されるように、前記6本の位置決めピン31a〜31fのうち、2本の位置決めピン31a,31bは、載置テーブル27の−Y側の側面にY軸方向に沿って往復移動可能に設けられた平面視(上方から見て)T字状のスライド部材55aの両端部上面に固定されている。また、別の2本の位置決めピン31c,31dは、載置テーブル27の+X側の側面にX軸方向に沿って往復移動可能に設けられた平面視(上方から見て)T字状のスライド部材55bの両端部上面に固定されている。また、位置決めピン31eは、載置テーブル27の+Y側の側面にY軸方向に沿って往復移動可能に設けられた棒状のスライド部材55cの上面に固定され、残りの位置決めピン31fは、載置テーブル27の−X側の側面にX軸方向に沿って往復移動可能に設けられた棒状のスライド部材55dの上面に固定されている。スライド部材55a〜55dは、主制御装置50の指示の下、不図示の駆動装置を介して、載置テーブル27の側面に形成された4つのスライド用の開口27a〜27d(ただし、図7ではスライド部材55b,55cに対応する開口27b,27cのみ図示、スライド部材55a,55dに対応する開口27a,27dは不図示)に沿って、それぞれの駆動方向に独立に駆動される。この場合、スライド部材55aとスライド部材55cとは、相互に接近又は離間する方向に同一量だけ駆動され、スライド部材55bとスライド部材55dとは、相互に接近又は離間する方向に同一量だけ駆動されるようになっている。これにより、載置テーブル27上に載置され、レチクル支持部材レチクル支持部材33a、33b、33cによって3点支持されたレチクルの位置決め、すなわちメカ的なプリアライメントが可能になっている(図8参照)。
更に、ロードシェルフ25近傍には、位置ずれ検出装置45が設けられている。この位置ずれ検出装置45は、図7に示されるように、光源から発した光を上方に向けて射出する一対の照射部197a,197bと、該照射部197a,197bそれぞれに対向した位置に配置された一対の光検出部199a,199bとを備えている。なお、照射部197a,197b及び光検出部199a,199bは、ロードシェルフ25に対して一定の位置関係で設けられている。
前記照射部197a,197bは、不図示の発光源、例えば発光素子をそれぞれ有し、主制御装置50(図11参照)の指示の下、レチクルRをロードシェルフ25に対して搬入する第2ロボット188のアーム部190の先端部材である搬送部材としてのハンド部180に向けて光L1,L2を照射する。
前記光検出部199a,199bは、受光素子をそれぞれ有し、障害物によって遮られない場合には、光L1,L2を個別に検出(受光)する。
本実施形態では、第2ロボット188のアーム部190の先端部材であるハンド部180には、図7に示されるように、Y軸方向を長手方向とする開口191aとX軸方向を長手方向とする開口191bとが、照射部197a,197bの位置関係に対応する位置関係で形成されている。この場合、ハンド部180とロードシェルフ25とが所望の位置関係にあるときには、図9(A)に示されるように、照射部197a,197bから射出された光L1,L2がハンド部180に形成された開口191a,191bをそれぞれ透過し、光L1,L2が光検出部199a,199bにて同時にかつ個別に検出(受光)されるようになっている(図7参照)。
この一方、第2ロボット188のハンド部180の位置が、所望の位置から例えばX軸方向にずれた場合には、図9(B)に示されるように、光L1は、開口191aを通過して光検出部199aで受光されるが、光L2は、開口191bを通過できなくなるため、光検出部199bでは、光L2を検出することができなくなる。また、第2ロボット188のハンド部180の位置が、所望の位置から例えばY軸方向にずれた場合には、図9(C)に示されるように、光L2は、開口191bを通過して光検出部199bで受光されるが、光L1は、開口191aを通過できなくなるため、光検出部199aでは、光L1を検出することができなくなる。さらに、第2ロボット188のハンド部180の位置が、所望の位置からX軸方向にも、Y軸方向にもずれている場合には、光検出部199a,199bのいずれにおいても光L1,L2を検出することができなくなる。
この場合、位置ずれ検出装置45の出力(具体的には、光検出部199a,199bの出力)は、主制御装置50に供給されるようになっており(図11参照)、主制御装置50では、上記のようにして、第2ロボット188のアーム190を構成するハンド部180(すなわちハンド部180に保持されたレチクルR)が所望の位置にあるのか、あるいはハンド部180が所望の位置からどの方向にずれているかを判別することが可能となっている。
主制御装置50は、その判別結果に基づいて、第2ロボット188のハンド部180とロードシェルフ25とが所望の位置関係になるように、ハンド部180(及びレチクルR)の位置を調整する。なお、主制御装置50は、入出力装置51(図11参照)を介してオペレータに対して判別結果の情報を知らせることとしても良い。この場合には、オペレータによって、第2ロボット188のハンド部180の位置調整が行われることとなる。
前記アンロードシェルフ43は、上述したロードシェルフ25と同様に構成されていることは前述したとおりである。本実施形態では、アンロードシェルフ43は、前述した接触式レチクル位置決め装置31と同様の接触式レチクル位置決め装置231を備えているものとする(図11参照)。
前記第3ロボット39は、搬送系支持架台75上のアンロードシェルフ43等の+Y側に配置されている。この第3ロボット39は、前述した第1ロボット88,第2ロボット188と同様に構成されている。すなわち、第3ロボット39は、図3に示されるように、伸縮及びXY面内での回転(旋回)が自在のロボットアーム290と、このロボットアーム290を駆動する駆動部292とを備えている。この第3ロボット39は、Z軸方向に延設された支柱ガイド294に沿って上下動する不図示のスライダの上面に搭載されている。従って、第3ロボット39を構成するロボットアーム290は、伸縮及びXY面内での回転(旋回)に加え、上下動も可能となっている。また、スライダは、該スライダに一体的に設けられた不図示の可動子と支柱ガイド294の内部にZ軸方向に延設された不図示の固定子とから成るZ軸リニアモータ298(図11参照)によって、上下方向に駆動される。
前記支柱ガイド294は、図2及び図3を総合するとわかるように、搬送系支持架台75上のアンロードシェルフ43等の+Y側に、Y軸方向に延設されたYガイド300上に配置されたスライダ302の上面に固定されている。スライダ302には不図示の可動子が設けられており、該可動子とともにY軸リニアモータ304(図11参照)を構成する不図示の固定子がYガイド300に設けられている。Y軸リニアモータ304によって、スライダ302及び支柱ガイド294と一体で第3ロボット39が、Yガイド300に沿ってY軸方向に往復駆動される。
本実施形態では、第3ロボット39の駆動部292、Z軸リニアモータ298及びY軸リニアモータ304等が、主制御装置50によって制御される(図11参照)。
第3ロボット39は、ロードシェルフ25と露光装置本体30(具体的には、レチクルプリ2部29)との間、及び露光装置本体30(具体的には、レチクルプリ2部29)とアンロードシェルフ43との間でレチクルを搬送する。
なお、第3ロボット39は駆動部292内にモータ等を備えているため、その駆動部292周囲が、不図示の冷却装置によって冷却されるようになっており、これによりそのモータ等の発熱が周囲へ与える影響が低減されている。
前記第3ロボット39の+Y側に所定間隔を隔てて配置されたレチクルステージ定盤60上に設けられたレチクルプリ2部29は、上述したロードシェルフ25、アンロードシェルフ43と同様に構成されていることは前述したとおりである。本実施形態では、レチクルプリ2部29は、前述した接触式レチクル位置決め装置31と同様の接触式レチクル位置決め装置131を備えているものとする(図11参照)。また、レチクルプリ2部29の近傍にも、図2に示されるように、前述の位置ずれ検出装置45と同様の構成の位置ずれ検出装置145が設けられ、該位置ずれ検出装置145により、第3ロボット39によってレチクルプリ2部29上方まで搬送されたレチクルRの位置ずれが検出されるようになっている。
なお、レチクルプリ2部29近傍も不図示のダクトを介して温調空気が吹き付けられ、部分的に温調が行われている。
さらに、本実施形態の露光装置では、図1〜図3等に示されるように、レチクルベース定盤60の上方に、レチクル交換機構220が設けられている。このレチクル交換機構220は、レチクルプリ2部29の載置テーブル上に載置されたレチクルと、レチクルステージRST上に載置されたレチクルとを、交換するためのものである。このレチクル交換機構220は、図3からわかるように、レチクルベース定盤60に設けられている。
レチクル交換機構220は、図10の平面図からわかるように、上下動・回転機構205(図11参照)の駆動軸204と、該駆動軸204に固定されたアーム駆動部202と、該アーム駆動部202の一側と他側にそれぞれ設けられた各一対のアーム206A,206B、及び208A,208Bとを備えている。このレチクル交換機構220では、アーム駆動部202と二対のアーム206A,206B、及び208A,208Bとの全体は、前記上下動・回転機構205により上下方向(図10における紙面直交方向)及び回転方向に駆動軸204を介して駆動可能となっている。また、アーム206A,206B及びアーム208A,208Bは、アーム駆動部202により開閉されるようになっている。
なお、図10において、符号131a〜131fは、前述の接触式レチクル位置決め装置131を構成する6本の位置決めピンを示す。
図11には、本実施形態の露光装置10の制御系の構成が簡単に示されている。この制御系は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)から成る主制御装置50を中心として構成されている。主制御装置50は、これまでに説明した各種の制御を行う他、装置全体を統括的に制御する。
次に、本実施形態の露光装置10におけるレチクルの搬送動作について概略的に説明する。なお、以下に説明する各部の動作は、主制御装置50の制御下で行われるが、以下では、説明の簡略化のため、特に必要な場合以外は、主制御装置50に関する説明は省略する。
まず、レチクル搬入部87内におけるレチクルの搬送動作について説明する。レチクル搬入部87では、まず、例えば、OHVによりレチクルキャリア281(又は282)が搬出入ポート22へ搬入されると、開閉装置801(又は802)によって、前述の如くして、本体チャンバ12の内部と外部とを隔離した状態で、レチクルキャリア281の底部が開放される。すなわち、複数枚(例えば、6枚)のレチクルを保持したキャリア本体741(又は742)がカバー761(又は762)から分離される(図4参照)。このとき、第1ロボット88は、開閉装置801(又は802)にほぼ対向する位置に待機している。
次に、Z軸リニアモータ98、駆動部92により第1ロボット88のアーム90が所定の手順で駆動され、そのアーム90によって開閉部材821(又は822)に支持されているキャリア本体741(又は742)の所定段の収納棚からレチクルRが取り出される。次に、Z軸リニアモータ98、駆動部92(及びY軸リニアモータ104)によりアーム90が所定の手順で駆動され、アーム90によってレチクルRがレチクルプリ1部37の載置テーブル71c上のレチクル保持部材に載置される。次いで、レチクルプリ1部37の位置決め装置117によってレチクルRの外形基準の機械的な位置決め(メカニカルプリアライメント)が行われるとともに、バーコードリーダ118によりレチクルRに付されたバーコードが読み取られ、その読み取りの結果得られた情報(ここでは、レチクルのIDの情報)が主制御装置50に送られる。上記の読み取りの結果、レチクルIDが不明のレチクルは、露光装置本体に搬入してはならず、レチクルキャリア281(又は282)に戻す必要がある。このため、本実施形態では、レチクルIDのチェックのためのバーコード読みとりを、露光装置12内にレチクルを搬入した初期の段階で行っているのである。
その後、回転テーブル71dにより載置テーブル71cの水平面内の向きが90°回転され、これによりレチクルRの向きが、第2ロボット188のアーム190(ハンド部180)による搬出に適した向きに設定される。
次いで、X軸リニアモータ204、Z軸リニアモータ198及び駆動部192によって第2ロボット188のアーム190が所定の手順で駆動され、そのアーム190のハンド部180によって、レチクルプリ1部37からレチクルRが取り出されるとともに、異物検査装置34内に搬入される。その搬入後に、ハンド部180が異物検査装置34外部に退避すると、異物検査装置34内部では、レチクルR及びペリクルの異物検査が行われ、その検査結果が不図示のディスプレイに表示されるとともに、主制御装置50に伝えられる。
このとき、主制御装置50は、上記の異物検査の結果が不良であった場合には、そのレチクルRを第2ロボット188及び第1ロボット88を用いて、レチクルキャリア281(又は282)のキャリア本体741(又は742)の空いている棚に戻す。このように、異物検査の結果が不良であったレチクルを早期にリジェクトするため、本実施形態では、異物検査を、露光装置12内にレチクルを搬入した初期の段階で行っているのである。但し、OHTの運用の都合等何らかの事情により、キャリア本体741(又は742)に空いている棚がない、あるいは開閉装置上にキャリア本体がないような場合があり、このような場合には、主制御装置50は、異物検査結果が不良であったレチクルを、第2ロボット188を用いて、内部バッファ36の最下段の棚に暫定的に入れておくこととしても良い。このようにすると、パーティクルが付着したレチクルがレチクルステージRST上に搬送されて露光不良が発生するのを未然に防止できるとともに、内部バッファ36内部では温調空気がダウンフローされているので、最下段の棚に収納されているレチクルに付着したパーティクルが、それより上段の棚に収納されている他のレチクルに影響を与えることがない。
一方、主制御装置50は、上記の異物検査の結果が良好であった場合には、そのレチクルRを、第2ロボット188を用いて例えば内部バッファ36の空いている棚のうち、最上段の棚から順次収納する。
内部バッファ36へのレチクルの搬入は、次のようにして行われる。すなわち、Z軸リニアモータ198、駆動部192及びX軸リニアモータ204により第2ロボット188のアーム190が所定の手順で駆動され、異物検査の終了したレチクルRがアーム190(ハンド部180)によって異物検査装置34内から取り出され、内部バッファ36の前方まで搬送される。ハンド部180が内部バッファ36に対して所定距離の範囲に接近すると、ドア開閉機構136、136’により開閉ドア128A、128Bが開放される。このとき、ガス供給機構134を構成するポンプ132の作動は継続されており、ガス噴出機構124からバッファ本体ケース122内への温調空気の供給は継続されている。
次いで、Z軸リニアモータ198及び駆動部192によって第2ロボット188のアーム190が所定の手順で駆動され、アーム190のハンド部180によってレチクルRが、バッファ本体ケース122内の空いている所定の段の棚126に搬入される。このとき、その棚126の選択は、上述した異物検査の結果に応じて前述の通りに行われる。この場合、所定の段の棚126に、レチクルRが搬入されると、これが不図示のセンサによって検知され、そのセンサの検知信号(レチクルRが収納された棚のナンバーに対応するスイッチのオン信号)が、主制御装置50に通知される。これにより、主制御装置50では、その棚のナンバーと予め通知されているレチクルIDとに基づいて、レチクルRが、バッファ36内のどの段の棚に収納されたかを管理することができるようになる。
勿論、上記のバッファ36内へのレチクルRの搬入後、アーム190のハンド部180はバッファ36外部へ退避し、その退避後に、ドア開閉機構136、136’により開閉ドア128A、128Bが閉鎖される。
上述した手順を、繰り返し行うことにより、レチクルキャリア281(又は282)から所望の枚数及び種類のレチクルR(当初から予定していた露光に必要な枚数及び種類のレチクルR)が、バッファ36内に収納される。なお、上記の繰り返しの過程で、異物検査の結果が不良であったレチクルについては、その結果をディスプレイに表示するとともに、前述と同様にバッファ36の最下段の棚に入れておく。最下段の棚が空いていない場合は、例えばユーザによるアシストを待つ。
次に、内部バッファ36からレチクルステージRSTまでのロード側のレチクル搬送系の動作の流れ及びレチクルステージRSTから内部バッファ36までのアンロード側のレチクル搬送系の動作の流れについて説明する。ここでは、待機部としてのレチクルプリ2部29に、次の露光に用いられるレチクルをあらかじめ準備しておく、カスケード処理と呼ばれる方法を例にとって説明する。以下では、レチクルステージRST上に載置された使用中のレチクルをレチクルRa、レチクルプリ2部29の載置テーブル上に載置されている待機レチクルをレチクルRb、内部バッファ36内部に収容されているロードすべきレチクルをレチクルRcとする。
《A.レチクルステージRSTからアンロードシェルフまでのレチクルのアンロード》
レチクルRaを用いた露光が終了すると、レチクル交換のため、まず、図10に示されるように、レチクルプリ2部29上で、位置決めピン131a〜131fから成る接触式位置決め装置131により、予め機械的にプリアライメント(中心出し及び回転合わせ)されているレチクルRbが、アーム208A,208Bにより吸着保持される。これと並行して、レチクルステージRST上では、レチクルRaがアーム206A,206Bにより吸着保持される。そして、位置決めピン131a〜131fが図10に示される位置決め位置からそれぞれ外方(開方向)に向かって移動し、上下動・回転機構205(図11参照)により、駆動軸204と一体的にアーム駆動部202が所定量上昇駆動される。これによりレチクルRb、Raをそれぞれ保持したアーム208A,208B、206A,206Bが、レチクルプリ2部29、レチクルステージRSTからそれぞれ搬出(アンロード)される。
次に、レチクルRbがレチクルステージRST上方に、レチクルRaがレチクルプリ2部29上方に位置するように、上下動・回転機構205により、駆動軸204と一体的にアーム駆動部202が180°回転駆動される。次いで、上下動・回転機構205により、駆動軸204と一体的にアーム駆動部202が下降駆動され、レチクルRb,Raが、レチクルステージRST、レチクルプリ2部29にそれぞれ載置される。
次いで、アーム208A,208B及びアーム206A,206Bによるレチクル吸着解除、及びアーム208A,208B及びアーム206A,206Bの開動作が行われる。そして、上下動・回転機構205により駆動され、駆動軸204と一体的にアーム駆動部202が上方へ退避することにより、レチクルステージRST上では、レチクルRaからレチクルRbへのレチクル交換が終了する。
上述のようにして、レチクルステージRST上には、レチクルRbがロードされたので、そのレチクルRbを用いた後述するような一連の露光処理動作が開始される。
一方、レチクルプリ2部29上に載置されたレチクルRaは、第3ロボット39のロボットアーム290によってレチクルプリ2部29上から取り出され、アンロードシェルフ43上に載置される。このとき、ロボットアーム290は、Z軸リニアモータ298、Y軸リニアモータ304及び駆動部292によって所定の手順で駆動される。
《B.内部バッファからロードシェルフまでのレチクルのロード》
上記A.の動作と並行して、以下のようにして、第2ロボット188のアーム90によって、内部バッファ36内のロードすべきレチクル(レチクルRc)が取り出され、ロードシェルフ25上にロードされ、プリアライメントが施される。
すなわち、まず、X軸リニアモータ204により第2ロボット188が、内部バッファ36の前方に駆動され、この直後にドア開閉機構136、136’により内部バッファ36の開閉ドア128A、128Bが開放される。次いで、Z軸リニアモータ198及び駆動部192により、第2ロボット188のアームが所定の手順で駆動され、アーム190のハンド部180がバッファ本体ケース122内の所定の棚126からレチクルRcを取り出す。その後、ドア開閉機構136、136’によって開閉ドア128A、128Bが閉鎖される。
次に、Z軸リニアモータ198により第2ロボット188が所定高さまで駆動されるとともに、駆動部192によりアーム190が旋回及び伸縮駆動され、レチクルRcがロードシェルフ25の載置テーブル27上に載置される。このとき、主制御装置50は、第2ロボット188のアーム190のうち、レチクルRを保持しているハンド部180の位置ずれを、前述した位置ずれ検出装置45を介して検出し、ハンド部180が所望の位置から位置ずれしている場合には、そのハンド部180の位置を調整した後、レチクルRcをロードシェルフ25の載置テーブル27上に載置する。その後は、前述した接触式レチクル位置決め装置31を介してレチクルRcを所望の位置に位置決めする(図8参照)。
ここで、位置ずれ検出装置45を介してハンド部180の位置ずれを検出し、また、接触式レチクル位置決め装置31を用いてレチクルRの位置決め(プリアライメント)を行うのは、第2ロボット188とロードシェルフ25とは互いに異なる構造体上に設置されているため、構造体間の位置関係の変動に起因する、アーム90のハンド部180とロードシェルフ25との位置誤差を低減して、レチクルの受け渡しを円滑に行うためである。
上記A.の動作と、上記B.の動作とは、ほぼ同時に終了する。これらの動作が終了した時点では、アンロードシェルフ43(の載置テーブル)上にレチクルRaが載置され、かつロードシェルフ25(の載置テーブル)上にレチクルRcが載置された状態となっている。
《C.ロードシェルフからレチクルプリ2部までのレチクルの搬送》
接触式レチクル位置決め装置31によってプリアライメントが行われたレチクルRcは、レチクルRaのアンロードシェルフ43への搬送が終わった第3ロボット39のロボットアーム290によって、以下のようにして、ロードシェルフ25からレチクルプリ2部29へ搬送され、プリアライメントが施される。
すなわち、まず、Z軸リニアモータ298、Y軸リニアモータ304及び駆動部292によって、第3ロボット39のロボットアーム290が所定の手順で駆動され、ロボットアーム290によってロードシェルフ25上のレチクルRcが受け取られる。次いで、Z軸リニアモータ298、Y軸リニアモータ304及び駆動部292によって、第3ロボット39のロボットアーム290が所定の手順で駆動され、レチクルRがレチクルプリ2部29上に搬送される。
ここで、主制御装置50は、前述した位置ずれ検出装置145(図2,図11参照)によりロボットアーム290(より正確にはハンド部)の位置ずれを検出し、該検出結果に基づいてロボットアーム290の位置を調整した後、レチクルプリ2部29にレチクルRを載置後、接触式レチクル位置決め装置131(図11参照)を介してレチクルRを所望の位置に位置決めする。
ここで、位置ずれ検出装置145によるロボットアーム290の位置ずれ検出、及び接触式レチクル位置決め装置131を用いたレチクルRの位置決めを行うのは、第3ロボット39とレチクルプリ2部29とは互いに異なる構造体(搬送系支持架台75、レチクルベース定盤60)上に設置されているために、それらの構造体の位置関係の変動に起因して発生するロボットアーム290のレチクルプリ2部29に対する位置誤差を低減し、レチクルの受け渡しを円滑に行うためである。
なお、この場合、レチクルプリ2部は、防振ユニットを介して支持され外部と振動絶縁がされたボディの一部を構成するレチクルベース定盤60上にあるのに対し、第3ロボット39は装置ベースになるフレームキャスタ上に設置された搬送系支持架台75上に搭載されている。
そして、レチクルRcは、上述のようにしてレチクルプリ2部29上で位置決めされた後、待機レチクルとなり、その時点でレチクルステージRST上に載置されているレチクルRbを用いた露光が終了するまで待機する。レチクルプリ2部29上で待機中、そのレチクルRcは温調空気により所定の温度に維持される。
《D.アンロードシェルフから内部バッファまでのレチクルの搬送》
上記A.の工程で、アンロードシェルフ43上に載置されたレチクルRaは、接触式レチクル位置決め機構231を用いて、機械的に位置決め(プリアライメント)される。これにより、後述するように、支持架台85上に設置された第2ロボット188のアーム190が、搬送系支持架台75上に設置されたアンロードシェルフ43上からレチクルRaを搬出する際に、支持架台85と搬送系支持架台75との位置関係の変動に起因する、アーム190のアンロードシェルフ43に対する位置誤差を低減して、そのレチクルの搬出が円滑に行われる。
接触式レチクル位置決め機構231を用いて、機械的に位置決め(プリアライメント)されたレチクルRaは、第2ロボット188のアーム190によってアンロードシェルフ43から取り出され、内部バッファ36の所定段の棚に搬入される。ここで、主制御装置50からの指示によっては、第2ロボット188のアーム190は、レチクルRaを内部バッファ36に戻さずに、レチクルキャリアの方に戻すこともある。
上述したC.及びD.の動作は、レチクルRbを用いた露光中に行われる(すなわち、その露光動作と並行して行われる)が、これらの動作に関わる部材は、露光装置本体のボディとは、別の支持部材上に配置されているため、上述したC.及びD.の動作によって発生する振動が露光に影響しないとともに、上記の並行動作により、レチクル交換に要する時間を、並行動作を行わない場合に比べて短縮することができ、ロットの処理を連続して行うことができる。
次に、上記C.及びD.の動作と並行して行われる、露光処理動作について簡単に説明する。
まず、前述のようにして、レチクルステージRST上にレチクルRがロードされると、まず、主制御装置50により、一方のウエハステージ、例えばウエハステージWST1が投影光学系PLの下方に移動され、レチクルステージRST上のレチクルRに形成された一対のレチクルアライメントマークとこれに対応するウエハステージWST1上の一対の第1基準マークとの位置関係が不図示のレチクルアライメント系を用いて検出され、これにより一対の第1基準マークに対するレチクルパターンの投影中心の相対位置が検出される。
この場合、例えば特開平10−214783号公報などに詳細に開示されるように、この露光開始に先立ってアライメント系ALG1を用いてウエハステージWST1上のウエハW1に対してEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のウエハアライメントが行われ、ウエハW1上の複数のショット領域の配列座標(上記一対の第1基準マークとの位置関係が既知の第2基準マークを基準とする座標)が得られている。
そこで、主制御装置50は、上述した一対の第1基準マークに対するレチクルパターンの投影中心の相対位置の検出結果と上記ウエハアライメントの結果とに基づいて、ウエハステージWST1をウエハW1上の各ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)へ移動する動作と、レチクルR(レチクルステージRST)とウエハW1(ウエハステージWST1)とを同期してY軸方向に相対走査する走査露光動作とを繰り返す、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作を行う。これにより、ウエハW1上の複数のショット領域それぞれにレチクルRのパターンが順次転写される。
上記のウエハW1に対する露光動作が行われているのと並行して、主制御装置50では、他方のウエハステージWST2上でウエハ交換及びアライメント系ALG2を用いたウエハアライメントを実行し、ウエハW1に対する露光が終了するまで、ウエハステージWST2を待機させる。
そして、ウエハW1に対する露光が終了すると、主制御装置50では、ウエハステージWST1をウエハ交換位置に移動するとともに、ウエハステージWST2を投影光学系PLの下方に移動してウエハステージWST2上のウエハW2に対して露光を行う。勿論、この露光中に、ウエハステージWST1上では、ウエハ交換、ウエハアライメントが行われる。
そして、レチクル交換の必要性が生じた場合に、前述したA.及びB.の動作が行われ、この際にレチクルプリ2上の待機レチクルが、レチクルステージRST上のレチクルと交換される。そして、その交換後のレチクルを用いた露光が開始されると、これと並行して前述したC.及びD.の動作が行われる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るレチクル搬送系32によると、レチクル搬入部87と、露光装置本体30と、レチクル搬入部87と露光装置本体30との間でマスクとしてのレチクルを搬送するレチクル中継部89とがそれぞれ異なる架台上に設置されている。このため、露光装置本体30で露光処理動作が行われている最中でも、レチクル中継部89では、レチクル搬入部87からレチクルを受け取り、露光装置本体30上のレチクルプリ2部29(マスクの一時待機位置)に渡すことが可能となる。すなわち、レチクル中継部89のロードシェルフ25が、第2ロボット188からレチクルを受け取り、そのレチクルをレチクル中継部89の第3ロボット39が、レチクルプリ2部29に渡すことが可能となる。これにより、露光が終わり、レチクル交換が必要になった場合に、直ちに露光に用いられていたレチクルと待機していたレチクルとを交換することが可能となり、レチクル交換を含むレチクル搬送を効率良く行うことが可能となる。
また、レチクル搬入部87には、第2のロボット188のアーム190(マスク搬送部材)により複数のレチクルを出し入れ可能で、その内部が温調空気により温調された内部バッファ36が設けられていることから、内部バッファ36内に収納されたレチクルを所定の温度に管理することができ、必要部位のみに絞った部分的な温調を実現し、装置の大型化を抑制することができる。
また、レチクル搬入部87には、レチクルに付された情報を読み取るバーコードリーダ118と、レチクルに付着した異物をチェックする異物検査装置34とが設けられ、バーコードリーダ118による情報読み取り、及び異物検査装置34による異物チェックは、内部バッファ36内へのレチクルの収容に先立って行われる。これにより、レチクルIDが不明なレチクルや、異物が付着したレチクルなどが、不用意に内部バッファ36へ収容されるのを防止することができ、ひいてはレチクルIDが不明なレチクルや、異物が付着したレチクルなどが、露光装置本体に対して誤って搬入されるのを防止することができる。
また、本実施形態に係るレチクル搬送系32では、レチクル中継部89は、ロード側の棚としてのロードシェルフ25と、アンロード側の棚としてのアンロードシェルフ43と、両方の棚と露光装置本体30との間でレチクルを搬送するロボットアーム290と、を有している。この場合、ロードシェルフ25が、レチクル搬入部87から露光装置本体30へ向かってレチクルを搬送するロード側搬送経路の一部を構成し、アンロードシェルフ43が、露光装置本体30側からレチクル搬入部87に向かってレチクルを搬送するアンロード側搬送経路の一部を構成している。このため、ロード側の搬送経路に沿ったレチクルの搬送動作の一部(例えばロードシェルフ25へのレチクルの搬送動作)と、アンロード側の搬送経路に沿ったレチクルの搬送動作の一部(例えばアンロードシェルフ43へのレチクルの搬送動作)とを、並行して行うことが可能となり、レチクル搬送を効率的に行うことが可能となる。
また、本実施形態では、ロードシェルフ25、アンロードシェルフ43に位置決め機構として接触式レチクル位置決め装置31、231がそれぞれ設けられているので、レチクルの受け渡し直前に、それらの接触式レチクル位置決め装置を用いてレチクルのプリアライメントを行うことで、レチクル搬入部87側とレチクル中継部89側との間のレチクルの受け渡しを行うことが可能になる。
また、本実施形態に係るレチクル搬送系32は、第2のロボット188のアーム190の一部、具体的にはハンド部180に光L1、L2を照射する照射部197a,197bと、アーム190とロードシェルフ25とが所望の位置関係にあるときアーム190(ハンド部180)の異なる2箇所を経由した前記光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部199a,199bとを有する位置ずれ検出装置45を備えている。このため、光の受光状況により、支持架台85上の内部バッファ36から搬送系支持架台75上のロードシェルフ25に試料としてのレチクルを渡す際に、レチクルを保持した第2ロボット188のアーム190の一部(ハンド部180)とロードシェルフ25とが所望の位置関係にあるか否か、換言すればアーム190のハンド部180の位置ずれを確実に検出することができ、この検出結果に基づいてアーム190のハンド部180の位置を調整することが可能となる。
また、本実施形態に係るレチクル搬送系32は、ロボットアーム290に光を照射する照射部と、ロボットアーム290と露光装置本体30(より具体的には、レチクルプリ2部29)とが所望の位置関係にあるときロボットアーム290の異なる2箇所を経由した光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部とを有する位置ずれ検出装置145を、備えている。このため、この位置ずれ検出装置145により、搬送系支持架台75から露光装置本体30上のレチクルプリ2部29にレチクルを渡す際に、レチクルを保持した第3ロボット39のロボットアーム290とレチクルプリ2部29とが所望の位置関係にあるか否か、換言すればロボットアーム290の位置ずれを確実に検出することができ、この検出結果に基づいてロボットアーム290の位置を調整することが可能となる。
また、本実施形態の露光装置10によると、露光装置本体30との間でレチクルを搬送する上記レチクル搬送系32を備えているので、該レチクル搬送系32により、レチクル交換を含むレチクル搬送を効率良く行うことができ、結果的に、レチクルの交換を伴う露光処理動作におけるスループットを向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態で示したレチクル搬送系32の構成及び動作は、本発明のマスク搬送システムの一例にすぎない。例えば、上記実施形態において、露光装置本体30で露光処理動作が行われている最中に、レチクル中継部89では、レチクル搬入部87からレチクルを受け取り、露光装置本体の近傍まで搬送してその位置で待機させることとしても良い。すなわち、レチクルプリ2部上での待機レチクルを設けない運用を採用しても良い。この場合、露光が終わり、レチクル交換が必要になった場合に、直ちに露光に用いられていたレチクルと露光装置本体の近傍で待機していたレチクルが交換される。但し、この場合、そのレチクル交換に先立って、第3ロボット39からレチクルプリ2部29へのレチクルの受け渡し、レチクルプリ2部29でのレチクルのプリアライメントの動作が行われる。しかし、この場合でも、露光動作を並行して、レチクル搬入部87から露光装置本体30の近傍までのレチクルの搬送動作を行うことができるので、レチクル交換を含むレチクル搬送を効率良く行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、ハンド部180に開口191a、191bを形成し、該開口191a、191bを通過した光を光検出部にて検出することで、ハンド部180の位置ずれを検出する位置ずれ検出装置45について説明したが、これに限らず、例えば、ハンド部180に開口191a、191bの少なくとも一方に代えて反射面を設け、該反射面を介した光を光検出部で検出することとしても良い。この場合、反射面による光の反射方向に光検出部を設ける必要がある。
なお、上記実施形態では、本発明の位置ずれ検出装置を露光装置を構成するレチクル搬送系内に設ける場合について説明したが、これに限らず、本発明の位置ずれ検出装置を露光装置本体に対してウエハを搬送するウエハ搬送系に設けることとしても良い。また、露光装置に限られるものではなく、機械的に分離された第1物体と第2物体との間で試料を搬送する各種搬送部材の位置ずれを検出するために用いることとしても良い。
なお、上記実施形態では、レチクルキャリアとしてSMIFのマルチポッド(6枚用)を用いる場合について説明したが、これに限らず、シングルポッド(1枚用)を用いても良く、あるいはフロント・オープニング・ユニファイド・ポッド(FOUP)タイプのレチクルキャリア(マスクコンテナ)を用いても良い。
また、上記実施形態では、単一のレチクルステージRSTを備える場合について説明したが、本発明の露光装置は、独立に移動可能なレチクル(マスク)ステージを2つ備えていても良い。かかる場合には、前述したレチクル(マスク)搬送系32を、それぞれのレチクルステージ毎に設けても良い。
なお、上記実施形態では本体チャンバ12内に露光装置本体30とレチクル搬送系32とを収納するものとしたが、例えば本体チャンバ12の内部空間を仕切り部材により複数の空間に分割し、露光装置本体30とレチクル搬送系32の少なくとも一部とを異なる空間に配置しても良いし、あるいは露光装置本体30とレチクル搬送系32の少なくとも一部とを相互に接続された異なるチャンバの内部にそれぞれ設けても良い。
なお、上記実施形態では、本発明が、2つのウエハステージ上での並行処理により高スループットを実現するダブルウエハステージタイプのスキャニング・ステッパに適用された場合について説明したが、これに限らず、シングルウエハステージタイプのスキャニング・ステッパは勿論、マスクとウエハ(基板)とを静止した状態でマスクのパターンを基板に転写するステップ・アンド・リピート型の露光装置にも、本発明は好適に適用できる。また、本発明は、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを基板に転写するプロキシミティ露光装置にも適用することができる。
なお、上記実施形態では、光源として、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザなどの遠紫外光源や、F2レーザ、Ar2レーザなどの真空紫外光源は勿論、紫外域の輝線(g線、i線等)を発する超高圧水銀ランプなどを用いることができる。この他、真空紫外域の光を露光用照明光として用いる場合に、上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
更に、露光用照明光としてEUV光、X線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置に本発明を適用しても良い。例えば荷電粒子線を用いる露光装置の場合、電子光学系などの荷電粒子線光学系が、露光用光学系を構成することになる。この他、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用しても良い。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
本発明の位置ずれ検出装置は、試料を搬送する搬送部材の位置ずれを検出するのに適している。また、本発明のマスク搬送システムは、マスク交換を含むマスク搬送に適している。また、本発明の露光装置は、マスク交換を含む露光処理動作を行なう場合に適している。
本発明の一実施形態に係る露光装置を一部破断して示す斜視図である。 レチクル搬送系部分を示す平面図である。 図1の本体チャンバを+X方向から−X方向に見てかつ一部破断して示す側面図である。 レチクルキャリア281(又は282)近傍をY軸方向から見た状態を示す図である。 第1ロボット、第2ロボットを取り出して示す斜視図である。 図1の露光装置で用いられる内部バッファを示す斜視図である。 ロードシェルフの構成、位置ずれ検出装置の構成を説明するための図である。 ロードシェルフ上でレチクルが接触式レチクル位置決め機構により位置決めされた状態を示す図である。 位置ずれ検出装置の原理を説明するための図である。 レチクル交換機構を示す平面図である。 図1の露光装置の制御系の構成を簡略化して示すブロック図である。
符号の説明
10…露光装置、22…搬出入ポート、281,282…レチクルキャリア(マスクコンテナ)、25…ロードシェルフ(ロード側の棚、第2物体)、30…露光装置本体、31,131…接触式レチクル位置決め装置(位置決め機構)、32…レチクル搬送系(マスク搬送システム)、34…異物検査装置(検査装置)、36…内部バッファ(バッファ、第1物体)、43…アンロードシェルフ(アンロード側の棚)、45…位置ずれ検出装置、87…レチクル搬入部(マスク搬入部),89…レチクル中継部(マスク中継部)、118…バーコードリーダ(情報読み取り装置)、190…アーム(マスク搬送部材)、180…ハンド部(搬送部材)、197a,197b…照射部、199a,199b…光検出部、290…ロボットアーム、R…レチクル(マスク、試料)、W…ウエハ(感光物体)。

Claims (11)

  1. 機械的に分離された第1物体と第2物体との間で試料を搬送する搬送部材の位置ずれを検出する位置ずれ検出装置であって、
    前記試料を保持して前記第1物体から前記第2物体に搬送する搬送部材に光を照射する照射部と;
    前記搬送部材と前記第2物体とが所望の位置関係にあるとき前記搬送部材の異なる2箇所を経由した前記光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部と;を備える位置ずれ検出装置。
  2. 露光装置本体との間でマスクを搬送するマスク搬送システムであって、
    マスクを搬送するマスク搬送部材が設けられたマスク搬入部と;
    前記マスク搬入部及び前記露光装置本体とは異なる架台上に設置され、前記マスク搬入部と前記露光装置本体との間でマスクを搬送するマスク中継部と;を備えるマスク搬送システム。
  3. 前記マスク搬入部には、前記マスク搬送部材により複数のマスクを出し入れ可能で、その内部が温調空気により温調されたバッファが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のマスク搬送システム。
  4. 前記マスク搬入部には、前記マスクに付された情報を読み取る情報読み取り装置と、前記マスクに付着した異物をチェックする検査装置とが更に設けられ、
    前記情報読み取り装置による情報読み取り、及び前記検査装置による異物チェックは、前記バッファ内へのマスクの収容に先立って行われることを特徴とする請求項3に記載のマスク搬送システム。
  5. 前記マスク中継部は、前記マスク搬入部から前記露光装置本体へ向かって前記マスクを搬送するロード側搬送経路と、前記ロード側搬送経路とは少なくとも一部が異なり前記露光装置本体側から前記マスク搬入部に向かって前記マスクを搬送するアンロード側搬送経路とを有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のマスク搬送システム。
  6. 前記マスク中継部は、ロード側の棚と、アンロード側の棚と、両方の棚と前記露光装置本体との間でマスクを搬送するロボットアームと、を有することを特徴とする請求項5に記載のマスク搬送システム。
  7. 前記ロード側の棚及びアンロード側の棚には、搭載されたマスクを位置決めする位置決め機構が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のマスク搬送システム。
  8. 前記マスク搬送部材の一部に光を照射する照射部と、前記マスク搬送部材と前記ロード側の棚とが所望の位置関係にあるとき前記マスク搬送部材の異なる2箇所を経由した前記光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部とを有する位置ずれ検出装置を、更に備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のマスク搬送システム。
  9. 前記ロボットアームに光を照射する照射部と、前記ロボットアームと前記露光装置本体とが所望の位置関係にあるとき前記ロボットアームの異なる2箇所を経由した前記光を同時に受光可能で、所望の位置関係から外れたときは前記2箇所のうちの少なくとも1箇所を経由した光が受光不能となる光検出部とを有する位置ずれ検出装置を、更に備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のマスク搬送システム。
  10. 前記マスク搬入部には、少なくとも一枚のマスクを気密状態で収容する開閉型のマスクコンテナの搬出入ポートが設けられ、
    前記マスク搬入部及び前記マスク中継部には、前記マスクコンテナから取り出されたマスクを外気から隔離した状態で前記マスク搬入部から前記露光装置本体まで搬送するための搬送経路が設けられていることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載のマスク搬送システム。
  11. マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写する露光装置であって、
    前記パターンの転写が行われる露光装置本体と;
    該露光装置本体との間でマスクを搬送する請求項2〜10のいずれか一項に記載のマスク搬送システムと;を備える露光装置。
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