JP2006032303A - 高周波プラズマ処理装置および処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 容量結合プラズマと誘導結合プラズマとを組み合わせたプラズマの高性能化を実現できる高周波プラズマ装置を提供する。
【解決手段】 所定の間隔で対面する壁面部1a,1bを有する所望のガス雰囲気を形成するための反応容器1と、高周波電源7と、前記反応容器1の一方の壁面部1aの外面部にコイル軸が壁面に対して直交する方向で配置された第1のコイル4と、前記反応容器1の他方の壁面部1bの外面部にコイル軸が壁面に対して直交する方向で且つ前記第1のコイル4と対向する位置に配置された第2のコイル5とを備え、前記高周波電源7より前記第1のコイル4及び前記第2のコイル5に高周波電流を流すことによって前記壁面部1a,1bの壁面を横切る高周波磁界を形成するとともに、前記壁面1a,1b間に強電界を形成し、前記反応容器1内に誘導結合プラズマ及び容量結合プラズマを放電維持させ、該プラズマによって、前記反応容器1内のガス雰囲気中に位置する被処理物10に対して所望のプラズマ処理を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定の間隔で対面する壁面部1a,1bを有する所望のガス雰囲気を形成するための反応容器1と、高周波電源7と、前記反応容器1の一方の壁面部1aの外面部にコイル軸が壁面に対して直交する方向で配置された第1のコイル4と、前記反応容器1の他方の壁面部1bの外面部にコイル軸が壁面に対して直交する方向で且つ前記第1のコイル4と対向する位置に配置された第2のコイル5とを備え、前記高周波電源7より前記第1のコイル4及び前記第2のコイル5に高周波電流を流すことによって前記壁面部1a,1bの壁面を横切る高周波磁界を形成するとともに、前記壁面1a,1b間に強電界を形成し、前記反応容器1内に誘導結合プラズマ及び容量結合プラズマを放電維持させ、該プラズマによって、前記反応容器1内のガス雰囲気中に位置する被処理物10に対して所望のプラズマ処理を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プラズマによる化学反応を利用して、各種基板に代表される被処理物へのプラズマ処理、例えば、基板への薄膜形成、基板もしくは基板上に形成された薄膜の加工、基板もしくは基板上に形成された薄膜への表面処理など、を行うための高周波プラズマ処理装置および処理方法に関する。
従来高周波を用いたプラズマ源としては、プラズマ発生、維持の方式によって、電界に基づく方式と、磁界に基づく方式と、に大別される。
電界に基づく方式とは、一対の電極間に高電位を印加し、電極間に強電界を形成し、該強電界によってプラズマを発生、維持させる方式であり、容量結合プラズマが該当する。また、大気圧近傍の圧力下では、電極金属に誘電体を被覆し、アーク放電形態への移行を抑制して放電を維持する意味で誘電体バリア放電、あるいは筋状の放電形態をもってストリーマ放電と呼ばれるが、いずれの名称、形態でも強電界に基づいてプラズマを発生させる方式と言える。なお以下では名称による混乱を避けるため、電界に基づくプラズマを容量結合プラズマと称することとする。
また、磁界に基づく方式とは、コイルに高周波電流を流すことにより、高周波磁界を形成させ、該高周波磁界とプラズマとを電気的に結合させることによってプラズマ中にエネルギーを供給する方式のことであり、誘導結合プラズマと呼ばれる。
そして電界に基づく方式と、磁界に基づく方式と、にはそれぞれ特徴がある。例えば、非特許文献1には容量結合プラズマと、誘導結合プラズマとの、電子密度、電子温度などの特性の違いが示されている。
また、特許文献1には、容量結合プラズマは均一性に優れ、異方性エッチングに適していること、誘導結合プラズマは高密度プラズマが発生できること、が開示されている。すなわち、容量結合プラズマや誘導結合プラズマという、放電形式によってプラズマの特性が異なり、被処理物へのプラズマ処理においてもそれぞれ特徴があることが知られている。そしてさらに、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとを組み合わせて放電させることが開示されている。これによれば、誘導結合プラズマと容量結合プラズマの特徴を生かした、新規のプラズマを形成できる。
ここで、特許文献1に開示された装置構成について図7を用いて説明する。図7では、石英チャンバ101は、開閉可能な蓋114および蓋115により密閉される。処理ガスなどはガス導入口107を介して石英チャンバ101内に導入される。また、ガス排気口108は排気ポンプ110に接続されている。高周波整合器105と高周波電源106とは同軸ケーブル113により接続されている。また、高周波整合器105とコイル102、およびコイル102と平板電極103、とはそれぞれRF導入板112により接続されている。そして、本構成において高周波電源106より電力を供給することにより、容量結合プラズマと誘導結合型プラズマとを同時に励起する。
より詳細に構成を見れば、コイル102と、電極(平板電極103および対抗電極104)とは別々の構成物であり、コイル102の中心軸に対して垂直に平板電極103および対抗電極104が配置される構成である。なお、対抗電極104は接地電位となる。
特開平7−161493号公報(要約、第3図)
菅井秀郎、応用物理、第63巻、第6号(1994)、P.559
しかしながら、上記の装置構成には次のような問題点がある。すなわち、コイル102に対して、電極(平板電極103および対抗電極104)は中心軸に対して垂直に配置される。従って、電極がコイル102の近くに配置されれば、コイル102が形成する高周波磁界によって電極が誘導加熱される問題が生じる。
また、一般に高周波電流値をI、該電流の角周波数をω、コイルのインダクタンスをLとしたとき、コイル両端には、
V=IωL
なる電圧が誘起される。従って、コイル102と対抗電極104のエッジ部との空間に強電界が形成され、該空間にてプラズマが形成しうる。
V=IωL
なる電圧が誘起される。従って、コイル102と対抗電極104のエッジ部との空間に強電界が形成され、該空間にてプラズマが形成しうる。
このようなプラズマが形成された場合には、コイル102と対抗電極104とがコンデンサ性を呈し、通常の高周波電流回路とは異なる高周波電流経路が形成されることとなり、コイル102に所望とする電流が流れず、誘導結合プラズマの形成が難しくなる。また、平板電極103と対抗電極104との間の電位差を大きく取れず、容量結合プラズマの形成も難しくなる。
そして、本構成において、以上に示した誘導加熱の問題と、コイル102と対抗電極104との間のプラズマ発生の問題と、を抑止するにはコイルと、電極とを十分に離す必要がある。
しかしながら、平板電極103と対抗電極104との間隔を離すことによって、コイル102から電極を遠ざければ、容量結合のための、平板電極103と対抗電極104との間の電界強度が弱くなるという問題が発生する。また、コイル102のコイル直径を大きくすることで、コイル102と電極との距離を確保すると、誘導結合のための磁界強度が低下するという問題が生じる。
すなわち、本構成を実現する上では装置構成上の制約が厳しく、磁界強度や電界強度というプラズマ特性に及ぼすパラメータがこれによって制限されるという問題がある。
さらには、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとが同時に成立するプラズマにおいては、両者のプラズマによる電力消費の割合によって、容量結合プラズマに近いプラズマ特性から誘導結合プラズマに近いプラズマ特性まで、幅広い特性が期待できる。
しかしながら、本構成では、装置構成が決定した段階で電気的な回路がほぼ決定されるために、電界強度と磁界強度との比を変化させることが難しい。このため容量結合プラズマと誘導結合プラズマとの電力消費の割合を制御することが困難である。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとを組み合わせたプラズマの高性能化を実現できる高周波プラズマ装置あるいはそれを用いた効果的なプラズマ処理方法を提供することを目的とする。また、反応容器内に形成する磁界強度と電界強度との比を制御することが極めて容易な装置構成も可能となり、多様なプラズマ処理方法を可能とする高周波プラズマ処理装置を提供することを目的とする。
本願発明者は上記の課題に対し、鋭意研究を重ね、高周波磁界を発生する機能を有するコイルを電界を形成する電極としても機能させることによって、上記の装置設計上の制限要素を排除でき、その結果、強電界かつ強磁界の空間を形成できることが可能であることを見出した。
すなわち所定の間隔で対面する壁面部を有して所望のガス雰囲気を形成するための反応容器と、高周波電源と、前記反応容器の一方の壁面部の外面部に配置された第1のコイルと、前記反応容器の他方の壁面部の外面部に前記第1のコイルと対向する位置に配置された金属導体とを備え、前記高周波電源より前記第1のコイルに高周波電流を流すことによって前記反応容器内部に高周波磁界を形成するとともに、前記第1のコイルと前記金属導体との間に位置する前記反応容器内部の前記壁面間の空間に強電界を形成し、前記反応容器内に高周波磁界と高電界とによってプラズマを放電維持させ、所望のプラズマ処理を行うことを特徴とする。
本構成であれば、第1のコイルは高周波磁界を形成するとともに、金属導体との間に強電界を発生させる電極の機能を有する。従って、コイルと別に電極対を形成する必要がなく、コイルと電極との配置について制限が小さくなる。
また、前記金属導体が第2のコイルであり、高周波電流によって前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれが形成する高周波磁界が重畳されて、前記反応容器内に高周波磁界が形成されることが望ましい。本構成を採用することにより、反応容器内には、より強い磁界を発生させることが可能となる。
なお、前記第1のコイルと前記第2のコイルとは電気的に直列に接続されていることがより望ましい。このように電気的に直列に配置することにより、第1のコイルと第2のコイルに流れる高周波電流の位相は一致するため、それぞれのコイルが形成する高周波磁界を重ね合わせることによって、第1のコイルと第2のコイルとの間に強磁界を形成する装置構成、装置設計が容易となる。
なお、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間で形成される電界強度が、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの、コイル周方向において均一である装置とすることにより、プラズマが発生する空間において電界強度を均一とすることが良い。これによって均一性の高いプラズマ処理を可能とする。
これを実現する望ましい一形態は、前記第1のコイルと前記第2のコイルとは電気的に直列に接続され、前記第1のコイルの線路長に対して前記第2のコイルと相対する領域の線路長の比をr1、前記第1のコイルのインダクタンスをL1、前記第2のコイルの線路長に対して前記第1のコイルと相対する領域の線路長の比をr2、前記第2のコイルのインダクタンスをL2、とした時、前記第1のコイルと前記第2のコイルには
r1×L1=r2×L2
なる条件を満たす。これにより、第1のコイルと第2のコイル間の互いに相対するコイル
線路領域において、一定の高周波電流が流れる際に起きる電位変化の量を共通にすることができるため、上記のコイル間で形成される電界強度を均一に保つことが容易になる。さらにより望ましくは、前記第1のコイルと前記第2のコイルが同形であれば良い。特に低インダクタンスのコイルにおいては、コイル形状よりインダクタンスを算出することが難しいが、コイルが同形であれば、インダクタスは同一値を持つため、上記の条件を満たす装置の作成が容易である。
r1×L1=r2×L2
なる条件を満たす。これにより、第1のコイルと第2のコイル間の互いに相対するコイル
線路領域において、一定の高周波電流が流れる際に起きる電位変化の量を共通にすることができるため、上記のコイル間で形成される電界強度を均一に保つことが容易になる。さらにより望ましくは、前記第1のコイルと前記第2のコイルが同形であれば良い。特に低インダクタンスのコイルにおいては、コイル形状よりインダクタンスを算出することが難しいが、コイルが同形であれば、インダクタスは同一値を持つため、上記の条件を満たす装置の作成が容易である。
そして、前記第1のコイルと前記第2のコイルの間になされた電気的接続部において、前記第1のコイルと前記第2のコイルに直列に第3のコイルが挿入されている。このように第3のコイルを挿入することにより、高周波回路系においては、単なる抵抗体で第1のコイルと第2のコイル間に電位差を形成する以上に容易に電位差を形成でき、かつジュール熱によるエネルギー損失も抑えられ、効率の良い装置を実現できる。そしてさらに、前記第3のコイルは、そのインダクタンスを制御可能とする機能を有するコイルであることが望ましい。このように第3のコイルのインダクタンスを変化させることによって、第1のコイルと、第2のコイルの間に発生する電圧を変化することが可能であり、これによって反応容器内に形成される電界強度を制御することが可能となる。そしてその結果、電界に基づくプラズマへのエネルギー供給量を制御できることとなる。また、第1のコイル、第2のコイル、第3のコイルで形成される全体の負荷のインピーダンスを制御することが可能であるので、全体の負荷に印加する高周波電圧を一定とした場合であっても、第1のコイルおよび第2のコイルに流れる電流値を制御できる。従って、反応容器内に形成する高周波磁界の強度を制御でき、その結果、磁界に基づくプラズマへのエネルギー供給量を制御できることとなる。
あるいはまた、前記第1のコイルと前記第2のコイルの間になされた電気的接続部において、前記第1のコイルと前記第2のコイルに直列にコンデンサが挿入されていても良い。このように直列にコンデンサを挿入すれば、上記の第3のコイルの場合と同様に効果的に、第1のコイルと第2のコイルとの間の電位差を形成することができる。さらに、第1のコイルと、第2のコイルとが有するインピーダンスと、挿入されるコンデンサが有するインピーダンスとが打ち消しあうために、第1のコイルと、第2のコイルと、挿入されるコンデンサとが構成する全体の負荷のインピーダンスは、コンデンサを挿入しない場合のインピーダンスに比べて小さくすることができる。よって、同一の電圧を負荷に印加する場合であっても、電流量を大きく設定することが可能となる。よって反応容器内により強い磁界を形成することができる。そしてさらに前記直列に挿入されたコンデンサは、その静電容量を制御可能とする静電容量可変のコンデンサとし、該コンデンサの静電容量を変化することにより、第1のコイルと、第2のコイルの間に発生する電圧を変化することが可能であり、これによって反応容器内に形成される電界強度を制御することが可能となる。そしてその結果、電界に基づくプラズマへのエネルギー供給量を制御できることとなる。また、第1のコイル、第2のコイル、コンデンサで形成される全体の負荷のインピーダンスを制御することが可能であるので、全体の負荷に印加する高周波電圧を一定とした場合であっても、第1のコイルおよび第2のコイルに流れる電流値を制御できる。従って、反応容器内に形成する高周波磁界の強度を制御でき、その結果、磁界に基づくプラズマへのエネルギー供給量を制御できることとなる。
ところで、本構成においては前記反応容器内は略1気圧程度の圧力にて動作することによって、被処理物を加熱する効果が顕著になる。すなわち、1Torr以下の減圧条件で動作する誘導結合プラズマや容量結合プラズマは通常、ガス温度が電子温度より極めて低い、熱的に非平衡なプラズマである。従ってガスによる被処理物への加熱が難しい。しかしながら動作圧力を略1気圧程度まで上昇すると、容量結合プラズマは非平衡のままであるが、誘導結合プラズマは熱平衡、あるいはそれに近い状態が形成される。
従って、誘導結合プラズマを組み合わせる本願発明の装置によって形成されるプラズマは、ガス温度が高温になる。そしてさらに、ガス温度が高温である誘導結合プラズマと、ガス温度が低温である容量結合プラズマとの割合が、上記の手法をとることにより制御可能となるので、組み合わされたプラズマのガス温度は、その割合によって高温から低温まで自在に制御できる。
そしてこのプラズマを被処理物に作用させる、つまりプラズマによって加熱されたガスを被処理物へ曝露することにより、被処理物を加熱することができる。またその加熱温度を制御することも可能となる。
さらに前記高周波磁界によって放電維持される前記プラズマに対して速度制御可能に前記被処理物を移動する機構を具備し、前記被処理物の所望の位置に所望の速度でプラズマを作用させる機能を付与すれば、大型の基板に対して局所的にプラズマを発生させても、各部領域を順次プラズマと作用させることにより基板全面にプラズマ処理を行うことができる。また、このときに基板を移動させながらプラズマ処理を行う処理方法が可能となる。そして基板移動速度を変えると、上記の高温のプラズマによる加熱量が制御できるという機能を付与できることとなる。
以上に記載のプラズマ処理装置を用いて前記被処理物に対してプラズマ処理を行うことにより、電界、強磁界で形成できる結果、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとの組み合わせを幅広く設定することが可能であり、多様なプラズマ処理が可能となる。
また、上記、第1のコイルと第2のコイルに直列に第3のコイル、もしくはコンデンサを挿入する高周波プラズマ処理装置を用いれば、被処理物に特定のプラズマ処理の過程において、第3のコイルのインダクタンス、もしくはコンデンサの静電容量を変化させることができる。これにより、ある特定のプラズマ処理でありながら、時間的にプラズマ特性を変化させてプラズマ処理を行うことが可能となり、各種用途に応じて適応させるという多様性が増加する。
本発明の提供する高周波プラズマ処理装置を採用することにより、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとを組み合わせたプラズマを放電、維持することができ、かつ装置制約を小さくできるために、容量結合プラズマ形成のための電界強度と誘導結合プラズマ形成のための高周波の磁界強度を大きくできる。さらに上記2種のプラズマの組み合わせの割合を簡便にかつ自在に制御でき、1つの処理装置でありながら様々な特性を有するプラズマを発生させることが可能となり、多様なプラズマ処理方法を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の高周波プラズマ処理装置の第1の実施形態の要部構成を示す図である。本実施形態において高周波プラズマ処理装置は、反応容器1と、該反応容器1内に所望のガスを供給するためのガス供給源であるガスボンベ2、供給するガス流量をモニター並びに制御するガス流量計3、第1のコイル4、該第1のコイル4と同形状である第2のコイル5、及び静電容量可変のコンデンサ6と、これらに高周波電流を流すための高周波電源7およびインピーダンス整合を行う整合器8と、被処理物である基板10を搬送、移動するための基板搬送装置(構成部品である基板搬送用コロ9のみ図示)と、を有している。反応容器1は、所望のガス雰囲気を形成するための所定の間隔で平行に対面する壁面部である上下一対の平板状絶縁体1a,1bを有する。
そして平板状絶縁体1aの外壁近傍にコイル軸が平板状絶縁体1aの壁面に対して直交する方向で第1のコイル4が配置され、平板状絶縁体1bの外壁近傍にコイル軸が平板状絶縁体1bの壁面に対して直交する方向で第1のコイル4と対向するように第2のコイル5が配置されている。すなわち、第1のコイル4と第2のコイル5は平板状絶縁体1a,1bを挟んで同軸に対向配置される。また第1のコイル4と第2のコイル5とは電気的に直列に接続されており、第1のコイル4と第2のコイル5との間に直列にコンデンサ6が挿入されている。基板10は、平板状絶縁体1a,1bの間の空間を、該平板状絶縁体1a,1bに対して平行に搬送される。
かかる装置において、所望のプラズマ処理を行う手順は以下の通りである。まず、ガス供給源に接続されたガス供給口を通して、プラズマ放電を容易に安定維持可能とする希ガスと、所望のプラズマ処理を行うための反応ガスとを、ガス供給源であるガスボンベ2に接続されたガス流量計3により適当量、適当比に混合し、反応容器1内に導入する。希ガスは、具体的にはHeあるいはArが用いられる。特に、準安定状態での寿命が長いHeが好適であるが、上記以外のNe,Kr,Xeを用いることもできる。また、反応ガスのみで安定放電、維持が可能であれば、上記希ガスを混合しなくとも良い。
反応ガスは、処理を行う対象材料によって適切に変更すればよい。例えば有機物を除去するのであれば、これを酸化、灰化するために酸素を用いればよい。また、Siあるいは酸化Siをエッチング処理するのであれば、CF4,SF6その他ハロゲンを含むガスを選択すればよい。もちろん、これらに酸素、水蒸気その他のガスを添加しても良く、適宜適切なガスを選択すれば良い。
図1においては、反応容器1はその両端で基板10が反応容器1内に導入される構成であり、大気に開放された系である。このような系では大気、すなわち酸素、窒素を主要素とするガスが、反応容器1内へ混入するが、開放口の面積を極力小さくするとともに、十分な量の上記希ガスと反応ガスとを供給することにより、概ね大気の混入の影響を抑えることも可能である。
上記のように、反応容器1内を所望とするガス雰囲気とした後に、高周波電源7を用いて第1のコイル4とコンデンサ6と、第2のコイル5からなる負荷に高周波電流を流す。これにより、第1のコイル4及び第2のコイル5のコイル軸を中心として平板状絶縁体1a,1bの壁面を横切る高周波磁界が形成される。このとき、第1のコイル4と第2のコイル5とは同軸に対向配置されており、また電気的に直列に接続されるために同位相の電流が流れるために、反応容器1内の第1のコイル4とこれと同形の第2のコイル5とで挟まれる空間には、第1のコイル4の高周波磁界と第2のコイル5の高周波磁界とが強め合うことで、強力な高周波磁界が形成されることとなる。周波数は100kHz以上、より望ましくは1MHz以上が良い。さらに、高周波電流を流すことによって、上記コンデンサ6の両電極にはVC=I/ωCなる電圧が誘起される。ここで、Iは高周波電流の電流値、ωは高周波電流の角周波数、Cはコンデンサ6の静電容量である。このため、本構成では、第1のコイル4の下端のコイル線と第2のコイル5の上端のコイル線との間にはVCなる電位差が生じ、反応容器1内の第1のコイル4と第2のコイル5とで挟まれる空間に強電界が形成される。
すなわち、第1のコイル4と第2のコイル5とで挟まれる反応容器1内の空間には強電界と高周波磁界とが同時に形成でき、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとを組み合わせたプラズマが形成できることとなる。なお、放電開始に必要であれば、該空間近傍に放電トリガとなる点火プラグなどを配置しても良い。
そしてプラズマ放電を維持した条件にて、基板搬送装置に被処理物である基板10をセットし、基板10を移動、搬送することにより、基板10表面の所望領域もしくは全面に順次プラズマを作用させて、所望とするプラズマ処理を行うことが可能である。
ここで、静電容量可変であるコンデンサ6の静電容量を変化させる作用について説明する。第1のコイル4、コンデンサ6、第2のコイル5で形成される負荷に流れる高周波電流の電流量を一定とした場合、反応容器1内に形成される高周波磁界は一定のままである。このように電流量が一定の条件にて、コンデンサ6の静電容量が変化した場合、コンデンサ6の両電極間に発生する電圧VCが変化し、反応容器1内に形成される電界強度が変化する。一方、電流量は一定のままであるので、反応容器1内に形成される高周波磁界の磁界強度は変化しない。従って、誘導結合プラズマへのエネルギー供給量を固定したまま、容量結合プラズマへのエネルギー供給量を制御することが可能となる。つまり、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとの割合を変化させる効果がある。
また、図1に示した装置構成では、第1のコイル4と第2のコイル5とが電気的に直列に接続されている。このような直列接続の方式を採用すれば、第1のコイル4と第2のコイル5に流れる高周波電流は同位相となる効果がある。このため、特段に位相を制御するための設計を行うことや、位相制御器を付加することなく、第1のコイル4が形成する高周波磁界と第2のコイル5が形成する高周波磁界とが強め合うことが可能となる。
そして特に、図1に示すような大気開放された反応容器1を用い、略1気圧程度の圧力条件でプラズマを形成する場合においては、プラズマによって加熱されたガスを基板10に曝すことにより、基板10を加熱させる効果がある。またさらには、上記のように、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとの割合を比較的自由に制御可能であるため、ガス温度も適宜設定可能となる。
そしてさらに、上記プラズマに対し、速度制御可能に基板10を移動させる機能があれば、プラズマとの作用時間を設定することができ、加熱温度を制御することができる。また、熱平衡状態に至ることなく基板10を搬送すれば、基板10表面のみが選択的に加熱されるため搬送後の冷却が早く、次の処理工程へと即座に進めることが可能となる。
以上のような特性を有するプラズマ処理装置を用いることによって、従来の容量結合プラズマや誘導結合プラズマと異なる特性を有するプラズマを形成することが可能であり、従来に無いプラズマ処理を行うことが可能である。
例えば、上記コンデンサの容量を変えつつプラズマ処理を行えば、1つのプラズマ処理工程において異なる特性を有する処理が可能となる。プラズマエッチング処理工程において、誘導結合プラズマの割合を増やし、高密度プラズマによって高速に最表面のエッチング処理を行った後、連続的に容量結合プラズマの割合を増やし、異方性に富むエッチング処理を行うなど、様々な形態が考えられる。
なお、図1には金属導体として第2のコイル5を用いた例を示しているが、反応容器1を挟んで配置される金属導体はコイルに限定されず、金属平板、金属円筒物、等が配置されても同様に反応容器1内に強電界が形成可能であり、本願発明を実現できる。しかし金属導体を第2のコイル5とすれば、該第2のコイル5が形成する高周波磁界を利用することも可能となるので、より好ましい形態と言える。
また、均一性の高いプラズマを形成するために第2のコイル5は第1のコイル4と同形状としている。以下これを説明する。
一般にコイルに高周波電流が流れた場合、コイル線路に従って電位差が生じる。そして、コイル両端には、VL=IωLなる電位差が発生する。ここで、Iは高周波電流の電流量、ωは高周波電流の角周波数、Lはコイルのインダクタンスである。
従って、図1に示した第1のコイル4、及び第2のコイル5において互いに相対する線部、つまり第1のコイル4の下端部と、第2のコイル5の上端部、においても、線路に沿って電位が変化している。
この線路に沿った電位の変化を、第1のコイル4と、第2のコイル5とで一致させることによって、第1のコイル4の下端と、第2のコイル5の上端との間の電位差は、コイルの周方向全域で一定に保つことが可能となる。よって第1のコイル4と第2のコイル5との間に均一な電界を形成することが可能となる。
図1では、第1のコイル4と、第2のコイル5とは同形状であり、かつ、それぞれに流れる電流量も同じである。従って、線路に沿って変化する電位量は共通するため、互いに対向して第1のコイル4と第2のコイル5とを配置すれば、コイル周方向において第1のコイル4と第2のコイル5との電位差を一定にでき、均一の電界を形成することが可能となる。よって、上記電界によって形成される容量結合プラズマをコイル周方向に均一に形成することが可能となる。
これは必ずしも第1のコイル4と第2のコイル5を同形状とする必要は無く、上記説明の通り、線路に沿って変化する電位量を第1のコイル4と第2のコイル5とで一致させれば良い。
具体的には、前記第1のコイル4と前記第2のコイル5とは電気的に直列に接続され、前記第1のコイル4の線路長に対して前記第2のコイル5と相対する領域の線路長の比をr1、前記第1のコイル4のインダクタンスをL1、前記第2のコイル5の線路長に対して前記第1のコイル4と相対する領域の線路長の比をr2、前記第2のコイル5のインダクタンスをL2、とした時、前記第1のコイル4と前記第2のコイル5にはr1×L1=r2×L2なる条件が満たされていれば実現可能である。
上記の条件であれば、電気的に直列に接続されているため、電流量及び周波数は共通しており、相対する領域部分でのコイルのインダクタンスを第1のコイル4と第2のコイル5とで一致させることによって、線路に沿って変化する電位量も一致させることができる。
ただし、コイルのインダクタンスが1μH以下の場合、特に設計が困難であるため、コイルを同形状に製作することが最も簡便であり、確実に実現できる。コイル断面の形状は円形に限らず、楕円、角型、渦巻き型、長円型等でも良い。
図2は、本発明の高周波プラズマ処理装置の第2の実施形態の要部構成を示す図である。この図において上記第1の実施の形態と重複する部分については同一符号を付し説明を省略する。
図2の装置構成においては、基板10の搬送路となる反応容器1上壁に所定の間隔で対面する壁面部となる左右一対の平板状絶縁体1a,1bを上方に垂直に立設し、該平板状絶縁体1a,1bの外壁近傍に第1のコイル4、第2のコイル5をそれぞれ該平板状絶縁体1a,1bを挟んで対向して配置している。そして、プラズマ発生領域となる平板状絶縁体1a,1b間の空間は、基板10の搬送路となる反応容器1内空間と垂直に連通している。そして、ガスボンベ2よりガス流量計3を通して供給されるガスによって、ガス流が形成され、該ガス流によってプラズマ中の反応活性種が基板10に移送され、基板10に所望のプラズマ処理を行う。
図3は、本発明の高周波プラズマ処理装置の第3の実施形態の要部構成を示す図である。この図において上記第1の実施の形態と重複する部分については同一符号を付し説明を省略する。
図3に示す高周波プラズマ処理装置では、図1に示した第1の実施の形態と異なり、コンデンサを用いず、第1のコイル4と第2のコイル5を並列に接続されている。この場合、第1のコイル4の下端と、第2のコイル5の上端との間には、高周波電流が流れた際に第1のコイル4に発生する電位差と同等の電位差が生じ、反応容器1内に強電界を形成することが可能である。そして該強電界と、高周波電流が第1のコイル4および第2のコイル5に流れることによって形成される高周波磁界とによって 、容量結合プラズマと誘導結合プラズマとを組み合わせたプラズマを反応容器1内に形成することができる。
図4は、本発明の高周波プラズマ処理装置の第4の実施形態の要部構成を示す図である。この図において上記第1の実施の形態と重複する部分については同一符号を付し説明を省略する。
図4に示す高周波プラズマ処理装置では、第2の高周波電源11および第2の整合器12を第2のコイル5に接続させており、第1のコイル4と第2のコイル5とが異なる高周波電源によって高周波磁界を形成できる装置構成である。
そして、図4においては第1のコイル4の上端側が整合器8のアースに接続されており、第1のコイル4下端には高周波電流が流れることによって電位が発生する。これに対して第2のコイル5の上端は第2の整合器12のアースに接続されており、電位はほぼ0Vに固定される。よって、第1のコイル4の下端と第2のコイル5の上端との間に電位差を生じることを実現させている。
以上のように、本願発明では、第1のコイル4の下端と、第2のコイル5の上端との間の電位差が生じるように構成できれば良く、その結果、第1のコイル4と第2のコイル5との間には強電界が形成できると同時に、高周波磁界も発生可能となる。
図5は、本発明の高周波プラズマ処理装置の第5の実施形態の要部構成を示す図である。この図において上記第1の実施の形態と重複する部分については同一符号を付し説明を省略する。
図5に示す高周波プラズマ処理装置では、第1のコイル4と第2のコイル5との間に第3のコイル13が直列に接続されている。コンデンサの場合は上記の通りVCなる電圧が誘起されるのに対し、コイルを挿入した場合、VL=IωL3なる電圧が誘起される。いずれであっても電圧誘起が可能である。なおここで、L3は第3のコイル13のインダクタンスである。コイルのインダクタンスは、コイルを機械的に拡張、あるいは圧縮させることによってコイル長を変化させることによっても制御可能であるが、透磁率の高い磁性体をコイル内へ挿入するあるいは引き抜くことによって制御可能となる。1MHz程度の周波数であれば電気抵抗の高いNiZn系のフェライトなどが好適に使用できる。
このようにして第3のコイル13インダクタンスを変化させれば、上記第1の実施形態で示した装置構成においてコンデンサ6(図1参照)の静電容量を変化させた場合と同様に、容量結合プラズマと誘導結合プラズマの割合を制御することが可能となる。
ただし、第1のコイル4と第2のコイル5との間にコンデンサ6が挿入される、第1の実施形態で示す高周波プラズマ処理装置と、第3のコイル13が挿入される、本実施形態の高周波プラズマ処理装置とは、プラズマが有する特性が異なるため、それぞれに有益なプラズマ装置を提供するものである。
以下に両者の差異を電気的特性に基づいて説明する。第1のコイル4と第2のコイル5の形状を変化させず、挿入物がコンデンサ6の場合と第3のコイル13の場合とを比較する。一般にコイルのリアクタンスは正であるのに対し、コンデンサのリアクタンスは負であるため、コイルとコンデンサとが直列に接続されると、リアクタンスを打ち消しあう。従って、第1の実施形態のように第1のコイル4と、コンデンサ6と、第2のコイル5と、が直列に接続された場合のトータルのインピーダンスは、本実施形態のように第1のコイル4と、第3のコイル13と、第2のコイル5と、が直列に接続された場合のトータルのインピーダンスに比べ小さくなる。
よって、電流値を大きく設定し、誘導結合プラズマの割合を増大すべき場合には、第1の実施形態のようにコンデンサを挿入した装置構成を採用すれば良い。また、電流値を小さく設定し、誘導結合プラズマの割合を減少すべき場合には、コイルを挿入した装置構成を採用すれば良い。それぞれに異なる特性を有する装置であり、適宜選択すれば良い。
なお、第1のコイル4と第2のコイル5との間に接続する部材としては特段のコンデンサ性やコイル性を有しない抵抗体は望ましくない。抵抗体におけるジュール熱によるエネルギー損失が大きいためである。例えば容量結合プラズマ放電のためには1000Vオーダの電圧誘起が必要であり、かつ、誘導結合プラズマ放電のためには10A程度以上の電流が要求される。そこで100Ω程度の抵抗体を挿入し、10Aの電流を流すことを想定した場合は、10000Wもの大電力が抵抗体でジュール熱として消費(電流値を10Aと仮定)され、エネルギー効率が極めて悪いことが分かる。電圧を誘起するための負荷としてコンデンサもしくはコイルを挿入した場合に限り、ジュール損失は小さく、実用に供する装置となる。
図6は、本発明の高周波プラズマ処理装置の第6の実施形態の要部構成を示す図である。この図において上記第1の実施の形態と重複する部分については同一符号を付し説明を省略する。
図6に示す高周波プラズマ処理装置では、第1のコイル4と、第2のコイル5とが互いに対向して配置されるのみである。そして、第1のコイル4と、第2のコイル5の、互いに相対するコイル線部がコンデンサ(以下、コイル間コンデンサと呼ぶ)を形成している。すなわち、電気回路としてはコイル、コンデンサ、コイルが直列に配置された回路となる。
本構成は、特に、コイル間コンデンサの静電容量が大きい場合に好適に使用できる。コイル間コンデンサの静電容量が小さい場合は、容量結合プラズマの放電維持のために所望の高周波電流量を得るのに必要とする電圧が増大する。このような場合は、第1の実施形態の図1に示す通りコンデンサ6を、コイル間コンデンサと並列に、第1のコイル4と第2のコイル5との間に挿入した装置構成を採用することが望ましい。
一方、コイル間コンデンサの静電容量が大きい場合、つまり十分にインピーダンスが小さい場合、特にコンデンサを挿入する必要はない。具体的には第1のコイル4と第2のコイル5とが互いに相対するコイル線部が長くなること、並びに第1のコイル4と第2のコイル5との間隔が狭くなることによって上記コイル間コンデンサの静電容量は大きくなる。例えばコイル線材の太さが3.2mm、第1のコイル4と第2のコイル5とが互いに相対するコイル線部が3m以上であり、第1のコイル4と第2のコイル5との間隔が10mm以下となれば、50pF以上程度まで静電容量を増大させることが可能である。基板サイズの大型化に伴い、コイル線長を長く設定する場合に好適な装置構成である。
本発明は、プラズマによる化学反応を利用して、各種基板に代表される被処理物へのプラズマ処理、例えば、基板への薄膜形成、基板もしくは基板上に形成された薄膜の加工、基板もしくは基板上に形成された薄膜への表面処理などに利用できる。
1 反応容器
1a,1b 平板状絶縁体
2 ガスボンベ
3 ガス流量計
4 第1のコイル
5 第2のコイル
6 コンデンサ
7 高周波電源
8 整合器
9 基板搬送用コロ
10 基板
11 高周波電源
12 整合器
13 第3のコイル
1a,1b 平板状絶縁体
2 ガスボンベ
3 ガス流量計
4 第1のコイル
5 第2のコイル
6 コンデンサ
7 高周波電源
8 整合器
9 基板搬送用コロ
10 基板
11 高周波電源
12 整合器
13 第3のコイル
Claims (15)
- 所定の間隔で対面する壁面部を有して所望のガス雰囲気を形成するための反応容器と、高周波電源と、前記反応容器の一方の壁面部の外面部に配置された第1のコイルと、前記反応容器の他方の壁面部の外面部に前記第1のコイルと対向する位置に配置された金属導体とを備え、
前記高周波電源より前記第1のコイルに高周波電流を流すことによって前記反応容器内部に高周波磁界を形成するとともに、前記第1のコイルと前記金属導体との間に位置する前記反応容器内部の前記壁面間の空間に強電界を形成し、前記反応容器内に高周波磁界と高電界とによってプラズマを放電維持させ、所望のプラズマ処理を行うことを特徴とする高周波プラズマ処理装置。 - 前記金属導体が第2のコイルであり、高周波電流によって前記第1のコイルと前記第2のコイルそれぞれが形成する高周波磁界が重畳されて、前記反応容器内に高周波磁界が形成されることを特徴とする請求項1記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記第1のコイルと前記第2のコイルとは電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記第1のコイルと前記第2のコイルの間になされた電気的接続部において、前記第1のコイルと前記第2のコイルに直列に第3のコイルが挿入されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記第3のコイルは、そのインダクタンスを制御可能とするインダクタンス可変のコイルであることを特徴とする請求項4に記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記第1のコイルと前記第2のコイルの間になされた電気的接続部において、前記第1のコイルと前記第2のコイルに直列にコンデンサが挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記直列に挿入されたコンデンサは、その静電容量を制御可能とする静電容量可変のコンデンサであることを特徴とする請求項6に記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間で形成される電界強度が、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルのコイル周方向において均一であることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記第1のコイルと前記第2のコイルとは電気的に直列に接続され、
前記第1のコイルの線路長に対して前記第2のコイルと相対する領域の線路長の比をr1、前記第1のコイルのインダクタンスをL1、
前記第2のコイルの線路長に対して前記第1のコイルと相対する領域の線路長の比をr2、前記第2のコイルのインダクタンスをL2、
とした時、
前記第1のコイルと前記第2のコイルには、
r1×L1=r2×L2
なる条件が満たされていることを特徴とする請求項8に記載の高周波プラズマ処理装置。 - 前記第1のコイルと前記第2のコイルが同形であることを特徴とする請求項9に記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記反応容器内は略1気圧程度の圧力にて動作することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の高周波プラズマ処理装置。
- 前記高周波磁界によって放電維持される前記プラズマに対して速度制御可能に前記被処理物を移動する機構を具備し、前記被処理物の所望の位置に所望の速度でプラズマを作用させる機能を有することを特徴とする請求項11に記載の高周波プラズマ処理装置。
- 請求項1〜12のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いて前記被処理物に対してプラズマ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
- 請求項4に記載の高周波プラズマ処理装置を用いて前記被処理物に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理方法であって、
プラズマ処理の過程において、前記第3のコイルのインダクタンスを変化させることを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項6に記載の高周波プラズマ処理装置を用いて前記被処理物に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理方法であって、
プラズマ処理の過程において、前記挿入されたコンデンサの静電容量を変化させることを特徴とするプラズマ処理方法。
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