JP2006032190A - Nb−Sn化合物系超電導線及びその前駆体 - Google Patents

Nb−Sn化合物系超電導線及びその前駆体 Download PDF

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Abstract

【課題】 実用的に高いJを有すると共に、Qの上昇が抑制されたNb−Sn化合物系超電導線を得ることができる。
【解決手段】 Nb−Sn化合物系超電導線15は、ブロンズにNbSnフィラメント16が埋設され、中心部がブロンズ17のみからなり、その周囲に、上記Nb−Sn化合物系超電導線15の径方向においては、放射状に上記NbSnフィラメント16が配置されるとともに、放射状にそれぞれが接触し、かつ外側の上記NbSnフィラメントほどその直径が大である。また、上記Nb−Sn化合物系超電導線15の周方向においては、それぞれのNbSnフィラメント16の間隔が電磁気的に孤立する間隔である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Nb−Sn化合物系超電導線及びその前駆体に関するものである。
Nb−Sn化合物系超電導線としては、線材の超電導特性の1つである臨界電流密度(J)を少しでも大きくするため、NbSnフィラメントをなるべく密に、ブロンズマトリックス中に埋設させた構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、線材の電気的特性であるヒステリシス損失(Q)を低減させるために、予備熱処理時に生成されるε相ブロンズの領域内にNbフィラメントを配置しないようにした構成のものや、上記領域内のフィラメント間隔を熱処理後に生成されるNbSn同士が接触しない程度に広げた構成のものがある(例えば、特許文献2参照)。
特公昭61−16141号公報(第1頁) 特開平6−338228号公報(第1頁)
しかしながら、上記特許文献1に記載された超電導線は、いわゆる高Jタイプのもので、Nb−Sn化合物系超電導線の前駆体は、上記のようになるべく密にNbフィラメントが配置され、Jは1500A/mm(12テスラの磁界において測定された値であり、以下本明細書におけるJは同様の磁界における値である。)程度のものが得られるが、超電導層を生成するための熱処理時にNbSnフィラメント同士が接触したり、電磁気的に結合するため、線材のQが2000mJ/cm(外部磁界を+3テスラと−3テスラ間で1サイクル変化させることにより超電導体内部で発生する損失を示す値であり、以下本明細書におけるQは、同様の外部磁界の変化による値である。)程度或いはそれ以上に増大して、その結果、直流電流に対しては問題を生じないが、パルス電流を通電する時には大きなヒステリシス損失を生じ、超電導コイルの発熱により安定性が損なわれるという問題がある。
また、上記特許文献2に記載された超電導線は、いわゆる低ヒステリシス損失タイプのもので、Qを200mJ/cm程度以下に小さく制御することができるが、製造時に接触の生じやすい領域のNbSnフィラメント同士の間隔を広げたり、最内層フィラメントとSnコアとの距離を確保するため、J≧1000A/mmの達成は困難であった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、実用的に高いJを有すると共に、Qの上昇が抑制された線材を得ることを目的とする。
本発明に係る第1のNb−Sn化合物系超電導線は、NbSnフィラメントがブロンズに埋設されたNb−Sn化合物系超電導線であって、中心部がブロンズのみからなり、その周囲に、上記NbSnフィラメントが、上記Nb−Sn化合物系超電導線の径方向において、放射状に配置されるとともに、放射状にそれぞれが電磁気的に結合し、かつ外側のNbSnフィラメントほどその直径が大であり、上記Nb−Sn化合物系超電導線の周方向において、上記NbSnフィラメントが、それぞれ電磁気的に孤立する間隔で配置されていることを特徴とするものである。
本発明の第1のNb−Sn化合物系超電導線は、NbSnフィラメントがブロンズに埋設されたNb−Sn化合物系超電導線であって、中心部がブロンズのみからなり、その周囲に、上記NbSnフィラメントが、上記Nb−Sn化合物系超電導線の径方向において、放射状に配置されるとともに、放射状にそれぞれが電磁気的に結合し、かつ外側のNbSnフィラメントほどその直径が大であり、上記Nb−Sn化合物系超電導線の周方向において、上記NbSnフィラメントが、それぞれ電磁気的に孤立する間隔で配置されていることを特徴とするもので、実用的に高いJを有すると共に、Qの上昇が抑制されるという効果がある。
実施の形態1.
上記従来の内部拡散法により製造されたNb−Sn化合物系超電導線では、高いJを得ようとすればQが上昇し、低いQを得ようとすればJが減少する。
そのため、実用的に高いJと共に、実用的なQ値である、J≧1000A/mm、かつQ≦800mJ/cmという、特性の両立は困難であった。
そこで本発明の実施の形態は、Jを増加するために生じるQの上昇を抑制することにより、J≧1000A/mm且つQ≦800mJ/cmという両立した特性のNb−Sn化合物系超電導線を得るものである。
そして、例えば核融合用マグネットの分野では、マグネットをコンパクト化するために、NbSn線材にはJの値が大きいと共に、マグネットの冷凍負荷を軽減するためにはQの値がそれ程大きくならないことが要求されるが、本実施の形態の超電導線が上記分野へ有効に適用されることになる。
図1は、本発明の実施の形態1のNb−Sn化合物系超電導線15の説明図であり、ブロンズにNbSnフィラメント16が埋設され、中心部がブロンズ17のみからなり、その周囲に、上記Nb−Sn化合物系超電導線の径方向においては、放射状に上記NbSnフィラメント16が配置されるとともに、放射状にそれぞれが接触し、かつ外側の上記NbSnフィラメントほどその直径が大である。
また、上記Nb−Sn化合物系超電導線15の周方向においては、それぞれのNbSnフィラメント16の間隔が電磁気的に孤立している間隔である。
さらに、図に示すように、これらはNb、Taに代表されるバリヤ材5で取り囲まれており、バリヤ材5の外側には無酸素銅等の安定化材6が配置されている。
なお、中心部のブロンズ17は、下記実施の形態において説明するように、内部拡散法により、Nb−Sn化合物系超電導線の前駆体を熱処理することにより超電導線を製造する場合に、上記熱処理過程で一旦生じるブロンズのSn含量よりも低含量のSnを含む低Sn濃度のブロンズである。
また、図は径方向において放射状に配置されたNbSnフィラメントがそれぞれ接触している場合を示すが、物理的に接触するだけでなく、0.4μm未満の間隔で、それぞれが電磁気的に結合する程、密に配置されておれば良く、このように径方向の放射状に配置されたフィラメントを密に配置することにより、周方向のフィラメント間隔を従来より広げることができる。つまり、径方向のフィラメントのみを結合させることにより、Qは800mJ/cm以下に収めることができると共に、それによりフィラメントをより密に配置することができるのである。
なお、電磁気的な結合とは、NbSnフィラメントの周囲にしみ出した超電導電子が、隣のNbSnフィラメントからしみ出した超電導電子と相互に重なり合い、あたかもこれらの分離されたフィラメントが、1本の結合されたフィラメントのように電磁気的に振る舞うことを意味し、電磁気的に孤立とはこれらのしみ出した超電導電子が相互に干渉し合わないことを意味する。
また、図1に示すように、NbSnフィラメントが、NbSn超電導線の中心部のブロンズ17の周囲に同心状に複数層配置され、最内層からN層目における上記NbSnフィラメントの直径をDとし、N層目におけるNbSnフィラメントの中心から、NbSn超電導線の中心までの距離をLとした時、
/L≦D/L≦D/L≦D/L≦・・・
となるように、外側のフィラメント径ほど、より増大させることより、有効にJを向上させることができる。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体の説明図であり、Nb−Sn化合物系超電導線の前駆体1の中心部にはSn基金属材2が設けられ、そのSn基金属材2の周囲に同心状にNb基金属材3が複数層、Cu基金属材4中に分離して配置され、下記熱処理により超電導線となるように構成されて埋設されている。これらのSn基金属材2、熱処理により超電導となるNb基金属材3、及びCu基金属材4による複合体を基本モジュール7と称する。基本モジュール7はNb、Taに代表されるバリヤ材5で取り囲まれており、バリヤ材5の外側には無酸素銅等の安定化材6が配置されている。
そして、上記前駆体のNb基金属材の配置構成としては、上記熱処理により超電導となった時に、互いに電磁気的に結合するように配置され、前駆体の径方向の最内層からN層目における直径をd(μm)、N+1層目における直径をdN+1(μm)とした時、最内層からN層目とN+1層目とのNb基金属材の間隔をs(μm)とし、上記N層目におけるNb基金属材の周方向の間隔をs(μm)として、
<0.07×(d+dN+1)+0.4
≧0.14×d+0.9
を満足させるべく配置した。
及びSに関する上式の第一項は熱処理に伴うフィラメント径の増大に関わる量であり、第二項は熱処理により、Cu/Snの相互拡散によりマトリックスであるブロンズが減少することにともなうフィラメント間隔の減少に関わる量を表している。
また、実施の形態1の超電導線において、上記のように外側のフィラメント径ほど有効に増大させるために、本実施の形態の前駆体において、Nb基合金材の各層において、最内層からN層目におけるNb基金属材の直径をdとし、上記Nb基金属材の中心から、上記前駆体の中心までの距離をlとした時、下式
/l≦d/l≦d/l≦d/l≦・・・
を満たすように配置する。
具体的には、最内層、第二層及び最外層のフィラメント径/間隔は、それぞれ2.7/1.3μm、3.2/1.6μm、及び3.8/1.9μm、最内層と第二層及び第二層と最外層のフィラメント間隔は、それぞれ0.4μm及び0.5μmのように作製した。
本実施の形態における、Nb−Sn化合物系超電導線の前駆体1は、例えば以下のように製造することによって得ることができる。
図3に示すように、直径229mm、厚さ20mmの無酸素銅の円盤10上に内層側から直径10.6mm、12.6mm、14.9mmの孔をそれぞれ各28個、NCボール盤により放射状に穿孔した。この円盤を、図4に示すように、30枚、孔の位置が合うように、外径250mm、内径230mmの無酸素銅の容器中11に組み込み、この円盤群の孔中にそれぞれ直径が10.5mm、12.5mm、14.8mm、長さ600mmのNb棒12を挿入し、真空排気と蓋を電子ビーム溶接し複合体を作製した。
次に、この複合体を熱間静水圧プレス(HIP)した後、熱間押し出し加工を行ってNb/Cu複合体の円柱を得た。この複合体の余分な外周のCuを切削し、中央部を穿孔してSn棒を挿入した後、伸線加工を行って基本モジュールとなる複合線を得た。これをSnの拡散障壁材であるTaパイプ中に挿入し、安定化のためのCuパイプを被せて二次複合を行った後、線径0.5mmまで伸線加工してNb−Sn化合物系超電導線の前駆体を得た。
次に、上記超電導線の前駆体について、600〜750℃で100〜300時間の熱処理を行い、Nbフィラメント部分にNbSn超電導体を形成させた。
このNb−Sn化合物系超電導線の断面を光学顕微鏡で観察した結果、径方向に放射状に並んでいる1〜3層のフィラメント同士は熱処理により互いに結合しているのを確認した。なお、フィラメント径と間隔が反応前後で変化する理由は、NbSn化合物生成時にNbSnフィラメントが30%ほど面積が増加するためと、マトリックスであるブロンズがCu/Snの相互拡散により減少するためである。
上記Nb−Sn化合物系超電導線を液体ヘリウム中でJとQの測定を行ったところ、Jは1057A/mm、Qは700mJ/cmとなり、本実施の形態の超電導線はJ≧1000A/mmとQ≦800mJ/cmを同時に達成することを確認した。
なお、前駆体の構成として、バリヤ材内に基本モジュールを1本のみ設けたものを示したが、大電流容量化するためには、得られた基本モジュールを多数本バリヤ材内に組み込んだ構成でもよい。
また、本実施の形態では、Cuで代表される安定化材とTaやNbで代表されるバリヤ材を備えた超電導線の前駆体について説明したが、安定化材や拡散障壁材がない構成であってもよく、本実施の形態と同様の効果がある。
また、本実施の形態における超電導線、及びその前駆体としては、実施例で示したNbSnの他に、更にTi、Ta、Ga、In、Mnなどを少量添加したものなど数多くあるが、いずれの場合も含まれることは言うまでもない。
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3のNb−Sn化合物系超電導線の説明図であり、実施の形態2のNb−Sn化合物系超電導線において、NbSnフィラメントの層数が4層の構成のもので、実施の形態2と同様にして製造することができるが、NbSnフィラメントの層数として、4層の構成を採用したため、実施の形態2における前駆体の最内層の、さらに内側にNb基金属材として直径が8.8mm、長さ600mmのNb棒を28本追加した。
上記のようにして得られた超電導線の断面観察を行った結果、最内層、第二層、第三層及び最外層のフィラメント径/間隔は、それぞれ2.6/0.5μm、3.1/0.6μm、3.6/0.7μm、及び4.3/0.9μmであり、最内層と第二層、第二層と第三層、及び第三層と最外層のフィラメントは接触していた。
この超電導線を液体ヘリウム中でJの測定を行ったところ、Jは1100A/mm、Qは790mJ/cmが得られ、本実施の形態は実施の形態2と同様の効果があることを確認した。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4のNb−Sn化合物系超電導線は、実施の形態2においては層当たりのNbSnフィラメントの本数が28本であったのに対して29本に増加させて、実施の形態2より密に配置したもので、最内層のNbSnフィラメント径/間隔が3.1/0.4μmであり、周方向のNbSnフィラメント同士が電磁気的結合をきたさない程度に密に配置されたものである。
つまり、本実施の形態に係わる前駆体としては、最内層のNb基金属材フィラメント径/間隔を2.7/1.2μm、第二層と最外層の径/間隔をそれぞれ3.2/1.4、及び3.8/1.7μmに設定して実施の形態2と同様にして作製した。
上記前駆体について、600〜750℃で100〜300時間の熱処理を行い、Nbフィラメント部分にNbSn超電導体を形成させた。上記のようにして得られた本実施の形態のNb−Sn化合物系超電導線を液体ヘリウム中でJとQの測定を行ったところ、Jは1094A/mm、Qは710mJ/cmという値が得られた。
比較例1.
本比較例の超電導線は、実施の形態4のNb−Sn化合物系超電導線において、最内層の周方向のNbSnフィラメント間隔が0.3μm、第二層、最外層でのフィラメント間隔が0.4μm、0.5μmとなるように配置されたもので、前駆体の作製において、二次複合線の伸線加工を実施の形態4では線径を0.5mmまで行う代わりに、0.357mmまで施してNb−Sn化合物系超電導線の前駆体を作製した。
上記のようにして得られた超電導線の前駆体について、600〜750℃で100〜300時間の熱処理を行い、Nbフィラメント部分にNbSn超電導体を形成させた。このNb−Sn化合物系超電導線を液体ヘリウム中でJとQの測定を行ったところ、Jは1133A/mmという値が、Qは2200mJ/cmという値が得られた。このQの値は1層目のフィラメントが電磁気的に結合しているのに相当する値である。
上記実施の形態4と比較例1とから、最内層における上記NbSnフィラメント間隔は、0.4μm未満であると電磁気的結合によりQが急激に増大する。また、0.8μm以上だとJの減少が顕著になるため、周方向におけるフィラメント間隔は、0.4μm以上、0.8μm未満とすることで、Q≦800mJ/cmを達成する効果があることを確認した。
実施の形態5.
本実施の形態では、実施の形態2により製作したNb−Sn化合物系超電導線(最内層におけるNbSnフィラメント間隔は0.6μm)よりも、更に高いJを得るため、熱処理後における最内層、第二層、最外層におけるNbSnフィラメント間隔が0.5μmとなるように、Nb基金属材フィラメント径/間隔を以下のように設定して前駆体を作製した。
図6は、本発明の実施の形態5のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体に係わるNb基金属材の配置状態の説明図で、最内層、第二層及び最外層におけるNb基金属材フィラメント径/各層におけるNb基金属材フィラメント間隔を、それぞれ2.8/1.3μm、3.4/1.4μm、及び4.2/1.5μmとした。
上記前駆体に600〜750℃で100〜300時間の熱処理を行い、Nbフィラメント部分にNbSn超電導体を形成させた。この線材の断面観察を行った結果、NbSnフィラメントが径方向では結合していることが確認され、最内層、第二層、最外層のフィラメントの直径と間隔はそれぞれ3.1/0.5μm、3.9/0.5μm、及び4.8/0.5μmであった。
このNb−Sn化合物系超電導線を液体ヘリウム中でJとQの測定を行ったところ、Jは1215A/mmという値が、Qは750mJ/cmという値が得られた。このQの値は周方向のフィラメントが電磁気的に結合していないことを表している。
一方、実施の形態2のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体の最内層、第二層及び最外層のNb基金属材フィラメント径/間隔は、それぞれ2.7/1.3μm、3.2/1.6μm、及び3.8/1.9μmであり、JとQの特性は、J=1057A/mm、Qは700mJ/cmであることから、本実施の形態の超電導線は、周方向におけるフィラメント間隔を電磁気的結合が発生しない程度にフィラメント径を増加させて密に配列したことにより、実施の形態2よりも更にJが増大する効果があることを確認した。
実施の形態6.
図7は、本発明の実施の形態6のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体に係わるNb基金属材の配置状態の説明図で、実施の形態2のNb−Sn化合物系超電導線よりも、更に高いJを得るため、本実施の形態の前駆体のNb基金属材フィラメントの、各層における周方向の間隔は実施の形態2と同じで、最内層と第二層、及び第二層と最外層のNb基金属材フィラメント間隔を、それぞれ0.3μm、及び0.4μmと、実施の形態2より狭くなるように設定して製作した。
上記前駆体について、600〜750℃で100〜300時間の熱処理を行い、Nbフィラメント部分にNbSn超電導体を形成させた。この線材の断面観察を行った結果、NbSnフィラメントが径方向では結合していることが確認され、最内層、第二層、最外層のフィラメントの直径と間隔はそれぞれ3.1/0.6μm、3.6/0.7μm、及び4.3/0.9μm(実施の形態2における、最内層、第二層、最外層のフィラメントの直径と間隔はそれぞれ3.1/0.6、3.6/0.7、4.3/0.9)であった。
このNb−Sn化合物系超電導線を液体ヘリウム中でJとQの測定を行ったところ、Jは1105A/mmという値が、Qは780mJ/cmという値が得られた。なお、このQの値は周方向のフィラメントが電磁気的に結合していないことを表している。
一方、実施の形態2のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体の最内層と第二層、及び第二層と最外層のNb基金属材フィラメント間隔は、それぞれ0.4μm、及び0.5μmであり、JとQの特性は、Jは1057A/mm、Qは700mJ/cmであったことから、本実施の形態の超電導線は、放射状に結合している1〜3層目のNbSnフィラメントを更に密に詰めて配列したことにより、実施の形態2よりも更にJが増大することを確認した。
実施の形態7.
本発明の実施の形態のNb−Sn化合物系超電導線は、放射状に配置された1層目、2層目及び3層目のフィラメントが、互いに接触はしていないが、電磁気的に結合する程、密に配置されているものである。
図8は、本実施の形態7のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体に係わるNb基金属材の配置状態の説明図であり、最内層と第二層、及び第二層と最外層のNb基金属材フィラメント間隔を、それぞれ1.1μm、及び1.2μmに設定して実施の形態2と同様に製作されたもので、上記前駆体に600〜750℃で100〜300時間の熱処理を施すことにより、Nbフィラメント部分にNbSn超電導体を形成させた。
上記Nb−Sn化合物系超電導線について断面観察を行った結果、NbSnフィラメントが径方向では最内層と第二層間が0.3μm、第二層と最外層間が0.3μmと、接触していないが、電磁気的には結合するほど密に配置された状態であった。また、最内層、第二層、最外層のフィラメントの直径と間隔はそれぞれ3.1/0.6μm、3.6/0.7μm、及び4.3/0.9μmであった。
このNb−Sn化合物系超電導線を液体ヘリウム中でJとQの測定を行ったところ、Jは1000A/mmという値が、Qは670mJ/cmという値が得られた。
なお、本実施の形態では実施の形態2よりも、径方向に放射状に並んでいるNbSnフィラメント同士が接触していないため、超伝導電子のしみ出し効果による電磁気的結合範囲が減少するため、更にQが低減する効果があることを確認した。
実施の形態1のNb−Sn化合物系超電導線の説明図である。 実施の形態2のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体の説明図である。 実施の形態2のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体に係わる無酸素銅の円盤の説明図である。 実施の形態2のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体に係わる押し出し加工前の複合体の説明図である。 実施の形態3のNb−Sn化合物系超電導線の説明図である。 実施の形態5のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体に係わるNb基金属材の配置状態の説明図である。 実施の形態6のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体に係わるNb基金属材の配置状態の説明図である。 実施の形態7のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体に係わるNb基金属材の配置状態の説明図である。
符号の説明
1 Nb−Sn化合物系超電導線の前駆体、2 Sn基金属材、3 Nb基金属材、4 Cu基金属材、15 Nb−Sn化合物系超電導線、16 NbSnフィラメント、17 ブロンズ。

Claims (11)

  1. NbSnフィラメントがブロンズに埋設されたNb−Sn化合物系超電導線であって、中心部がブロンズのみからなり、その周囲に、上記NbSnフィラメントが、上記Nb−Sn化合物系超電導線の径方向において、放射状に配置されるとともに、放射状にそれぞれが電磁気的に結合し、かつ外側のNbSnフィラメントほどその直径が大であり、上記Nb−Sn化合物系超電導線の周方向において、上記NbSnフィラメントが、それぞれ電磁気的に孤立する間隔で配置されていることを特徴とするNb−Sn化合物系超電導線。
  2. Nb−Sn化合物系超電導線の径方向において放射状に配置されたNbSnフィラメントが接触していることを特徴とする請求項1に記載のNb−Sn化合物系超電導線。
  3. Nb−Sn化合物系超電導線の径方向において放射状に配置されたNbSnフィラメントが、それぞれ0.4μm未満の間隔で配置されていることを特徴とする請求項1に記載のNb−Sn化合物系超電導線。
  4. Nb−Sn化合物系超電導線の周方向におけるNbSnフィラメントの間隔が、0.4μm以上、0.8μm未満であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のNb−Sn化合物系超電導線。
  5. NbSnフィラメントが、NbSn超電導線の中心部のブロンズの周囲に同心状に複数層配置され、最内層からN層目における上記NbSnフィラメントの直径をDとし、N層目におけるNbSnフィラメントの中心から、上記NbSn超電導線の中心までの距離をLとした時、
    /L≦D/L≦D/L≦D/L≦・・・
    であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のNb−Sn化合物系超電導線。
  6. 線状のCu基金属材と、このCu基金属材の中心部に長手方向に埋設されたSn基金属材と、上記Sn基金属材の周囲に長手方向に埋設されたNb基金属材とからなり、熱処理により超電導線となるように構成されたNb−Sn化合物系超電導線の前駆体であって、上記Nb基金属材が、上記前駆体の径方向においては、上記Sn基金属材の周囲から放射状に配置されると共に、上記熱処理後に電磁気的に結合するような間隔で配置され、外側の上記Nb基金属材ほどその直径が大であり、上記前駆体の周方向においては、上記熱処理後に電磁気的に孤立しているような間隔で配置されていることを特徴とするNb−Sn化合物系超電導線の前駆体。
  7. Nb基金属材が、前駆体の径方向においては、熱処理によりNbSn化合物が生成された時に接触するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体。
  8. Nb基金属材が、前駆体の径方向においては、熱処理によりNbSn化合物が生成された時に0.4μm未満の間隔となるように配置されていることを特徴とする請求項6に記載のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体。
  9. Nb基金属材がSn基金属材の周囲に同心状に複数層埋設され、上記Nb基金属材の最内層からN層目と、N+1層目との間隔s(μm)が、上記N層目、N+1層目における上記Nb基金属材の直径をd(μm)、dN+1(μm)とした時、下式
    <0.07×(d+dN+1)+0.4
    を満たすことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体。
  10. Nb基金属材の周方向における間隔s(μm)が、上記Nb基金属材の直径をd(μm)とした時、下式
    ≧0.14×d+0.9
    を満たすことを特徴とする請求項9に記載のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体。
  11. Nb基合金材の各層において、最内層からN層目におけるNb基金属材の直径をdとし、上記Nb基金属材の中心から、上記前駆体の中心までの距離をlとした時、下式
    /l≦d/l≦d/l≦d/l≦・・・
    を満たすことを特徴とする請求項9に記載のNb−Sn化合物系超電導線の前駆体。
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