JP2006032072A - 金属部材の溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非水系二次電池を構成する銅材のリード板と鉄材の電池容器との溶接性を向上させる溶接方法を提供する。
【解決手段】鉄製の電池缶1の内底部及び銅製の負極リード板2間には、ニッケル板3が介在している。電池缶1の底部下面には銅電極23が当接しており、負極リード板2の上面にはタングステン電極24が当接している。タングステン電極24は抵抗溶接機の負極側に、銅電極23は正極側にそれぞれ接続されている。負極リード板2、ニッケル板3には、プロジェクション4、5がそれぞれ形成されている。ニッケル板3は、負極リード板2及び電池缶1との溶接性が、負極リード板2及び電池缶1を直接溶接するときの溶接性より高い。タングステン電極24及び銅電極23間を加圧通電することで、プロジェクション4、5が電池缶1底部に溶け込みナゲットが形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は金属部材の溶接方法に係り、特に、非水系二次電池を構成する部材であって銅を主体とする第1部材と鉄を主体とする第2部材とを溶接する溶接方法に関する。
非水系二次電池は、VTRカメラやノートパソコン、携帯電話等の各種携帯型機器や情報機器用の電源として広く使用されており、最近では、電気自動車等の動力用電源としても期待されている。一般に、非水系二次電池は、電池容器内に電極群が収容され、非水電解液注液後、電池容器が蓋板で封口されており、蓋板と電池容器とはガスケットで絶縁されている。この電極群は、活物質を含む合剤が金属箔(集電体)に塗着された正負極板を、これら正負極板が直接接触しないようにセパレ−タを挟んで対向させて形成されている。正極板は正極リード板で蓋板に接続されており、負極板は負極リード板で電池容器に接続されている。
このような非水系二次電池の中でも高出力、高容量を特徴とするリチウムイオン二次電池が注目されている。通常、リチウムイオン二次電池では、負極集電体に銅材が使用されており、負極リード板にニッケル材が使用されている。また、電池容器(外装缶)には、鉄材(深絞り用鋼板)にニッケルメッキを施した材料が多く使用されている。この負極リード板は、抵抗溶接で電池容器に接続されている。ところが、リチウムイオン二次電池の大電流充放電特性を向上させるために、負極リード板等の接続材料の電気抵抗を低減することが求められている。このため、負極リード板に使用されているニッケル材に代わる材料の開発がなされてきた。
中でも銅材は、電気抵抗が低いため、大電流を流す非水系二次電池の接続材料として有利であり注目されている。銅材にニッケルメッキを施した材料や、銅材とニッケル材とを張り合わせたクラッド材を用いることも試みられている。このクラッド材を非水系二次電池の負極リード板に用い、負極リード板及び電池容器を抵抗溶接で接続する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−100278号公報
しかしながら、銅材と電池容器に使用される鉄材とを溶接する場合、抵抗溶接では両者の材料が交じり合うナゲットが形成されず溶接部が不安定となる(溶接性が劣る)。このことは、銅材では電気抵抗が低いことに加え放熱性に優れるため、溶接部の温度が上昇しにくいことが一因ともなっている。これを解決するため、銅材にニッケルメッキを施した材料を用いても、メッキ層の厚みを大きくすることが難しいため、十分な溶接性を得ることができない、という問題がある。また、上述した特許文献1の技術では、クラッド材を用いることでニッケル層を厚くできるため、電池容器との溶接性は向上するが、溶接部以外の負極リード板全体にクラッド材を用いるため、電池全体がコスト高となる。このため、クラッド材を用いることなく溶接性を向上させる溶接方法が望まれている。
上記事案に鑑み本発明は、非水系二次電池を構成する銅材のリード板と鉄材の電池容器との溶接性を向上させる溶接方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、非水系二次電池を構成する部材であって銅を主体とする第1部材と鉄を主体とする第2部材とを溶接する溶接方法において、前記第1部材及び第2部材間に、前記第1部材との溶接性及び前記第2部材との溶接性がいずれも前記第1部材及び第2部材を直接溶接するときの溶接性より高い金属材料を介在させて溶接することを特徴とする。
本発明では、第1部材及び第2部材間に介在させる金属材料と、第1部材及び第2部材との溶接性がいずれも第1部材及び第2部材を直接溶接するときの溶接性より高いので、金属材料を介在させて溶接する第1部材と第2部材との溶接性を向上させることができる。ここでいう溶接性は、溶接の容易性及び溶接後の高溶接強度の確保を意味する。
この場合において、金属材料をニッケル又はニッケル合金とすることが好ましい。また、金属材料を介在させた第1部材及び第2部材を溶接電源に接続された2つの電極間に接触させ、加圧通電して溶接してもよい。このとき、溶接電源を直流電源としてもよい。また、第1部材と接触する一方の溶接電極の材料が高比抵抗を有しており、かつ、直流電源の負極に一方の溶接電極が接続されることが好ましい。更に、第1部材及び金属材料にそれぞれ突起を形成し、突起同士を重ねて溶接してもよい。また、第1部材を非水系二次電池の負極リード板とし、第2部材を電池容器としてもよい。
本発明によれば、第1部材及び第2部材間に、第1部材との溶接性及び第2部材との溶接性がいずれも第1部材及び第2部材を直接溶接するときの溶接性より高い金属材料を介在させて溶接することで、第1部材と第2部材との溶接性を向上させることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した円筒型リチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
(構成)
本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池20は、図1に示すように、電池容器となるニッケルメッキを施された鉄製で有底円筒状の電池缶1及び帯状の正負極板が捲回された捲回群15を有している。
捲回群15には、正負極板が微多孔性でポリエチレン製のセパレータを介して断面渦巻状に捲回されている。セパレータの厚さは、本例では30μmに設定されており、20〜50μmの範囲で設定されることが好ましい。捲回群15の上端面には、一端を正極板に固定されたアルミニウム製でリボン状の正極リード板7が導出されている。正極リード板7の他端は、捲回群15の上側に配置され正極外部端子となる円盤状の電池蓋10の下面に超音波溶接で接続されている。一方、捲回群15の下端面には、一端を負極板に固定された銅製でリボン状の負極リード板2が導出されている。負極リード板2の他端は、後述するように電池缶1の内底部に抵抗溶接されている。従って、正極リード板7及び負極リード板2は、それぞれ捲回群15の両端面の互いに反対側に導出されている。捲回群15の外周面全周には、図示を省略した絶縁被覆が施されている。
電池蓋10は、絶縁性の樹脂製ガスケット9を介して電池缶1の上部にカシメられて固定されている。このため、リチウムイオン二次電池20の内部は密封されている。また、電池缶1内には、非水電解液が注液されている。非水電解液には、例えば、エチレンカーボネートやジエチルカーボネート等のカーボネート系混合溶媒中に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解して使用することができる。
捲回群15を構成する正極板は、正極集電体としてアルミニウム箔を有している。アルミニウム箔の厚さは本例では20μmに設定されており、15〜25μmの範囲で設定されることが好ましい。アルミニウム箔の両面には、正極活物質としてリチウムマンガン複合酸化物粉末を含む正極合剤が略均等に塗着されて合剤層が形成されている。正極合剤には、例えば、正極活物質の85重量部に対して、導電剤として炭素粉末の10重量部及びバインダ(結着材)としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)の5重量部が配合されている。正極合剤は、粘度調整溶媒としてN−メチルピロリドンが用いられ、略均一に混練されている。正極板は、合剤層のかさ密度が、例えば、2.8g/cmとなるように、ロールプレス機でプレス加工されている。正極板の長手方向略中央部には、正極リード板7が超音波溶接で固定されている。
一方、負極板は、負極集電体として銅箔を有している。銅箔の厚さは本例では10μmに設定されており、5〜20μmの範囲で設定されることが好ましい。銅箔の両面には、負極活物質として非晶質炭素粉末を含む負極合剤が塗着されて合剤層が形成されている。負極合剤には、例えば、負極活物質の90重量部に対して、導電剤としてアセチレンブラックの5重量部及びバインダとしてPVDFの5重量部が配合されており、負極合剤は正極合剤と同様にして調製されている。負極板は、合剤層のかさ密度が、例えば、1.0g/cmとなるように、ロールプレス機でプレス加工されている。負極板の長手方向一端には、負極リード板2が超音波溶接で固定されている。
(電池作製の手順)
電池の作製では、まず、正負極合剤をそれぞれの集電体に塗着した後、得られた正負極板に正極リード板7及び負極リード板2をそれぞれ超音波溶接する。作製した正負極板をセパレータを介して捲回し捲回群15を作製する。
次に、電池缶1の内底部に負極リード板2の導出端部を抵抗溶接する。このとき、負極リード板2と電池缶1との間に短冊状のニッケル板3を介在させる。ニッケル板3は、負極リード板2及び電池缶1と溶接するときの方が、負極リード板2及び電池缶1を直接溶接するときより高い溶接性を有している。抵抗溶接には、直流インバータ式の抵抗溶接機を使用する。抵抗溶接機の負極側に材質にタングステン材を用いた直径5mmの円筒状のタングステン電極24を接続し、正極側に材質にアルミナ分散銅を用いた直径5mmの円筒状の銅電極23を接続する。溶接条件としては、本例では、電圧2.8V、通電時間30ミリ秒、電流2.5kAに設定されている。
図2に示すように、負極リード板2及びニッケル板3の溶接部には、それぞれ内径1mm、高さ0.2mmのプロジェクション(突起)4及びプロジェクション5が形成されている。電池缶1の底部下側には、銅電極23の上端面が当接している。電池缶1の上側(内底部側)には、ニッケル板3及び負極リード板2がこの順に載置されている。負極リード板2のプロジェクション4は、ニッケル板3のプロジェクション5に重なるように載置されている。負極リード板2の上面にはタングステン電極24の下端面が当接している。銅電極23の中心、プロジェクション4、5の頂点及びタングステン電極24の中心が同軸上に位置するように配置されている。
タングステン電極24及び銅電極23間を200Nの力(抵抗溶接の加圧力)で加圧しながら両電極間に通電することで、プロジェクション4、5が熱溶融してつぶれ、溶接部には、電池缶1の鉄に負極リード板2の銅及びニッケル板3のニッケルが溶け込んだナゲットが形成される。このため、負極リード板2及び電池缶1がニッケル板3を介して溶接される。
負極リード板2を電池缶1の内底部に溶接後、負極リード板2を折りたたむようにして捲回群15を電池缶1内に挿入する。電池缶1内に非水電解液を注液後、予め正極リード板7の他端を超音波溶接した電池蓋10を電池缶1の上部にガスケット9を介して嵌合させる。電池缶1の上部をカシメ固定することでリチウムイオン二次電池20の組立を完成する。
次に、本実施形態に従いリチウムイオン二次電池20を作製するときの負極リード板2及び電池缶1内底部の溶接性を評価した実施例について説明する。なお、比較のために評価した比較例についても説明する。
(実施例1)
実施例1では、タングステン電極24を溶接電源の負極側に接続して抵抗溶接を行った(図2参照)。電池缶1の材質として厚さ3μmのニッケルメッキを施した厚さ0.5mmの冷間圧延鋼板を、負極リード板2の材質として厚さ0.3mmの銅板を、それぞれ使用し、厚さ0.3mmのニッケル板3を介在させて溶接を行った。
(実施例2)
実施例2では、タングステン電極24を溶接電源の正極側に接続すること以外は実施例1と同様にして溶接を行った。
(比較例1)
比較例1では、ニッケル板3を介在させないこと以外は実施例1と同様にして溶接を行った。
(溶接性評価)
溶接性の評価として、溶接部の引張り強さを引張り試験機を用いて測定した。電池缶1底部から溶接部を含む試料を切り出し、引張り試験機の試料把持部に圧延鋼板及び銅板のそれぞれ反対側の端部を溶接部が略中央となるように把持させて測定した。また、溶接部の断面に形成されたナゲットの状況を目視にて観察した。引張り強さの測定結果を図3に示す。
図3に示すように、ニッケル板3を介在させない比較例1では、引張り強さが80N程度であった。また、溶接部にはナゲットが形成されておらず、引張り試験時に溶接部が剥離した。これに対して、ニッケル板3を介在させた実施例1及び実施例2では、引張り強さが200〜250N程度の高い数値を示した。また、引張り試験の試料破断持には、圧延鋼板に銅とニッケルが溶け込んだナゲットが残っており、ナゲットの周囲から銅材が母材破断した。更に、溶接電極を接続する溶接電源の極性を変えた実施例1及び実施例2を比較すると、銅板を負極側に接続した実施例1の方が、正極側に接続した実施例2より引張り強さが高い値を示した。このことから、銅製の負極リード板2と鉄製の電池缶1とを溶接する際にニッケル板3を介在させることで、溶接部にナゲットが形成されるため、引張り強さが高くなり溶接性が向上することが判明した。また、負極リード板2側に当接させるタングステン電極24を溶接電源の負極側に接続することで、引張り強さが高くなることも判明した。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20に適用した溶接方法の作用について説明する。
従来のリチウムイオン二次電池では、負極集電体に銅材が、負極リード板にニッケル材がそれぞれ使用されており、電池缶にはニッケルメッキを施した鉄材が使用されている。負極リード板は抵抗溶接で電池缶に接続されるが、リチウムイオン二次電池の大電流充放電特性を向上させるためには負極リード板の電気抵抗の低減が望まれる。このため、負極リード板に、電気抵抗がニッケル材より小さい銅材を使用することが望ましい。ところが、銅材を使用する場合には、鉄材との抵抗溶接ではナゲットが形成されないため、溶接性が劣り、溶接しにくくなると共に溶接後の溶接強度も低くなる。この原因としては、銅材では電気抵抗が低いことに加え放熱性に優れるため、溶接時に溶接部の温度が上昇しにくいことが挙げられる。一方、鉄材及びニッケル材の抵抗溶接ではナゲットを形成し溶接性に優れており、銅材及びニッケル材の溶接もできることが判っている。そこで、厚さ0.2mmの銅材及び厚さ0.3mmのニッケル材を真空密着処理した銅・ニッケルクラッド材と、ニッケルメッキを施した厚み0.5mmの鉄板を抵抗溶接したところ優れた溶接性を示すことが判った。しかしながら、用いたクラッド材がコスト高であり、負極リード板に使用するには溶接部を含む全体にクラッド材を用いることとなるため、電池全体がコスト高となる。
これに対して、本実施形態では、銅材の負極リード板2及び鉄材の電池缶1を抵抗溶接するときに、ニッケル板3を介在させる。このため、負極リード板2とニッケル板3との溶接性、及び、電池缶1とニッケル板3との溶接性は、いずれも、負極リード板2とニッケル板3とを直接溶接するときの溶接性より高くなる。これにより、ニッケル板3を介在させて負極リード板2及び電池缶1の内底部を溶接するときの溶接性を向上させることができる。すなわち、ニッケル板3を介在させることで負極リード板2及び電池缶1が溶接し易くなり、溶接後の溶接部の引張り強さを向上させることができる。従って、銅材の負極リード板2と電池缶1とが高強度に溶接されるので、銅材のニッケル材より小さい電気抵抗を活用した接続を持つ大電流特性に優れるリチウムイオン二次電池20を得ることができる。
また、本実施形態では、銅・ニッケルクラッド材を負極リード板2の全体に用いることなく、溶接部のみに短冊状のニッケル板3が使用される。このため、コスト高のクラッド材が不要となる上、クラッド材と同等の溶接性を発揮するので、安定した溶接を行うことができると共に、電池全体のコスト低減を図ることができる。
更に、本実施形態では、負極リード板2に当接させる電極にタングステン電極24が用いられる。タングステン材は、比抵抗値が比較的高く熱伝導性が小さいため、放熱性に優れる銅材でも溶接部の温度が上昇し易くなるので、溶接性の低下を抑制することができる。また、本実施形態では、抵抗溶接の電源として直流電源を用い、負極リード板2に当接させるタングステン電極24を直流電源の負極側に接続するため、溶接された負極リード板2と電池缶1との引張り強さを高めることができる(図3参照)。
なお、本実施形態では、負極リード板2及び電池缶1間に介在させる金属材料としてニッケル板3を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。用いる金属材料と、負極リード板2及び電池缶1との溶接性がいずれも負極リード板2及び電池缶1を直接溶接するときの溶接性より高い材料であればよく、例えば、ニッケル合金等でもよい。
また、本実施形態では、負極リード板2の材質として銅材を、電池缶1の材質としてニッケルメッキを施した鉄材をそれぞれ例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。負極リード板2の材質としては銅を主体とする合金を用いてもよく、電池缶1の材質としては鉄を主体とする合金を用いてもよい。更に、本実施形態では、負極リード板2を負極板から1本導出する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大電流充放電を要求されるリチウムイオン二次電池では、複数本導出するようにしてもよい。この場合には、例えば、複数の負極リード板を銅製の集電用部材に溶接しておき、集電用部材と電池缶との溶接時にニッケル材を介在させるようにすれば、本発明の効果を得ることができる。
更に、本実施形態では、溶接に直流インバータ式の抵抗溶接機を使用し溶接電源を直流とする例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。溶接電源としては、例えば、交流電源を用いてもよく、コンデンサの蓄電性を利用してもよい。また、本実施形態では、負極リード板2と当接させる電極の材質にタングステン材を例示したが本発明はこれに限定されるものではなく、高比抵抗の材料であればよく、例えば、タングステンと銅との合金等の材料でもよい。
また更に、本実施形態では、負極リード板2及びニッケル板3の溶接部にそれぞれ内径1mm、高さ0.2mmのプロジェクション4、5を形成する例を示したが、本発明はプロジェクションの大きさに制限されるものではなく、電池缶1、負極リード板2及びニッケル板3の厚さ等を考慮して形成すればよい。プロジェクションを複数とすることも可能である。また、本実施形態では、溶接時の条件として、加圧力、電圧、電流、通電時間等の具体的数値を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、負極リード板2、電池缶1の材質や厚さ等を考慮して適宜設定すればよい。
更にまた、本実施形態では、負極リード板2及び電池缶1の溶接時にニッケル板3を介在させる例を示したが、二次電池を構成し銅を主体とする部材と鉄を主体とする部材との溶接に適用することもできる。例えば、複数のリチウムイオン二次電池が接続される電池モジュールでは、各リチウムイオン二次電池を接続する接続部材(ブスバ)等に銅材を用い、溶接時にニッケル材等の金属材料を介在させて溶接してもよい。このようにすれば、ニッケル材に比べて銅材の低い電気抵抗により電池モジュール全体の電気的な特性を向上させることができ、大電流用電池モジュールが可能となると共に、電池モジュール全体のコスト高を抑制することができる。また、本実施形態では、リチウムイオン二次電池20を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非水系二次電池一般に適用することができる。
本発明は、非水系二次電池を構成する銅材のリード板と鉄材の電池容器との溶接性を向上させる溶接方法を提供するものであり、非水系二次電池の製造、販売に寄与し、産業上利用可能である。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池を示す断面図である。 実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池を作製するときに2つの溶接電極に接触させた負極リード板、ニッケル板及び電池缶の位置関係を示す断面図である。 ニッケル材の有無、溶接電源の極性による負極リード板及び電池缶内底部間の溶接部の引張り強さを示すグラフである。
符号の説明
1 電池缶(第2部材)
2 負極リード板(第1部材)
3 ニッケル板(金属材料)
4 プロジェクション(突起)
5 プロジェクション(突起)
7 正極リード板
15 捲回群
20 円筒型リチウムイオン二次電池(非水系二次電池)
23 アルミナ分散銅電極(溶接電極)
24 タングステン電極(溶接電極)

Claims (7)

  1. 非水系二次電池を構成する部材であって銅を主体とする第1部材と鉄を主体とする第2部材とを溶接する溶接方法において、前記第1部材及び第2部材間に、前記第1部材との溶接性及び前記第2部材との溶接性がいずれも前記第1部材及び第2部材を直接溶接するときの溶接性より高い金属材料を介在させて溶接することを特徴とする溶接方法。
  2. 前記金属材料がニッケル又はニッケル合金であることを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記金属材料を介在させた第1部材及び第2部材を溶接電源に接続された2つの溶接電極間に接触させ、加圧通電して溶接することを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  4. 前記溶接電源が、直流電源であることを特徴とする請求項3に記載の溶接方法。
  5. 前記第1部材と接触する一方の溶接電極の材料が高比抵抗を有しており、かつ、前記直流電源の負極側に前記一方の溶接電極が接続されることを特徴とする請求項4に記載の溶接方法。
  6. 前記第1部材及び金属材料にそれぞれ突起が形成されており、前記突起同士を重ねて溶接することを特徴とする請求項3に記載の溶接方法。
  7. 前記第1部材が前記非水系二次電池の負極リード板であり、前記第2部材が電池容器であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の溶接方法。
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