JP2006030171A - 方位検出機能付き携帯電子機器、磁気センサ装置、及びそのキャリブレーション方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 磁気センサを有する方位検出手段を搭載した折り畳み式の携帯電子機器において、当該携帯電子機器の開閉を検出する開閉検出手段と、開閉検出手段により該携帯電子機器の閉じ終わりが検出されると、磁気センサから出力データの取得を開始し、取得したデータに基づき磁気センサの出力の誤差であるオフセットを推定するオフセット推定手段と、開閉検出手段により当該携帯電子機器の開き始めが検出されると、磁気センサから当該携帯電子機器内で生じる漏洩磁界を求めるためのデータ取得を開始し、取得したデータに基づき前記オフセットから漏洩磁界による影響分を除去する漏洩磁界補正手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
折畳み式の携帯電子機器の開き始めを示す開信号を受け、これに応じて、該磁気センサから出力データの取得を開始し、取得したデータに基づき前記オフセットから前記漏洩磁界による影響分を除去する漏洩磁界補正手段と、を備えたことを特徴としている。
また、従来では、ユーザがキャリブレーションの操作を怠ったり忘れたりした場合、地磁気センサを最適な状態で動作させることができなかったが、本発明では、当該携帯電子機器が通常使用される際の開閉動作時に自動的にキャリブレーションがなされることになるので、このような問題がない。
図1は、本発明の方位検出機能付き携帯電子機器の一実施の形態である、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)通信方式による携帯通信端末(以下、携帯端末と称す)の電気的構成を示すブロック図である。
なお、以下において、参照する各図に共通する部分には、同一の符号を附している。
図1に示すアンテナ101は図示せぬ無線基地局と電波の送受信を行う。RF部102は信号の送受信に係る処理を行う。このRF部102は局部発振器等を備え、受信時にアンテナ101から出力された受信信号に対して所定周波数の局部発信信号を混合することにより、受信信号を中間周波数(IF)の受信IF信号に変換し、変復調部103へ出力する。また、RF部102は送信時に中間周波数の送信IF信号に対して所定周波数の局部発信信号を混合することにより、送信IF信号を送信周波数の送信信号に変換し、アンテナ101へ出力する。
CDMA部104は、送信される信号の符号化処理、および受信された信号の複号化処理を行う。このCDMA部104は、変復調部103から出力されたベースバンド信号を復号化する。また、CDMA部104は、送信用の信号を符号化し、符号化したベースバンド信号を変復調部103へ出力する。
なお、同図に示す方位データ演算部307は、図1に示す主制御部108が対応し、表示手段316は、図1に示す表示部202が対応する。
温度センサ部303は、温度センサと、温度センサの出力値のオフセット、感度などの値を示す初期値を予め製造時に記憶する温度センサ初期値記憶手段と、測定時に、温度センサ初期値記憶手段によって記憶されている初期値に基づいて温度センサの出力を補正する温度センサ補正手段とを備えている。
キャリブレーション時には、センサデータ取得部115から出力される測定データがデータ格納判定手段308に入力される。データ格納判定手段308は、データ格納判定アルゴリズムに基づいて、測定データを記憶手段309に格納すべきかどうか判定する。判定の結果、測定データを記憶手段309に格納すべきと判定した場合には、データ格納判定手段308は測定データを記憶手段309に格納する。また、データ格納判定手段308は、記憶手段309に格納された測定データの数をカウントし、測定データの数が所定の数に達した場合に、記憶手段309への測定データの格納を中止し、オフセット推定手段310に対してオフセットの推定を指示する。
S1=S0−{OF+A(T−TO)}となる。
ここで、この傾き補正についてその詳細を説明する。
ここでは、図3(a)に示すように携帯端末1の座標系を定義する。すなわち、携帯端末1のアンテナ101の方位角をα、仰角をβ、ひねり角(アンテナ軸のまわりの回転角)をγとする。符号は、同図に示す矢印方向を正とする。また、アンテナ方向の単位ベクトルをVy、端末ユニット−2(アンテナ101および磁気センサ部301が配置された側)がなす面(例えば、図3では符号99部分の面)に垂直な方向の単位ベクトルをVzとし、Vy,Vzのいずれにも直交する単位ベクトルをVxとする。なお、同図に示す矢印方向を正の向きとする。地面座標系は、図3(b)に示すように、X、Y、Zで表し、北方向をY軸にとる。
すると、携帯座標系の重力gと地面座標系での重力Gは、下式で表される。
(Gx,Gy,Gz)BC=(gx,gy,gz)ただし、
(0,Hy,Hz)ABC=(hx,hy,hz)が成り立つ。ただし、
(hx’,hy’,hz’)=(Hysinα,Hycosα,Hz)となる。仰角β、ひねり角γは先に求められており、携帯座標系での地磁気hは測定されるので、(hx’,hy’,hz’)が定まる。ここで地面座標系での地磁気Hが既知であるとすると、方位角αが求まる。また、地磁気の仰角θも下式により求まる。
データ格納判定アルゴリズムは、ユーザが携帯端末1をほとんど動かしていないときにデータの取り込みが行われ方位円または方位球(下記)上の同一点近傍に測定データが集中したり、ユーザの動作スピードが均一でないためにデータ密度にまだらができたりしたような場合に、キャリブレーションに使えない測定データを格納するのを防止するためのものである。このような測定データが得られた場合には、測定データを記憶手段309に格納させない。
(X−X0)2+(Y−Y0)2=R23次元の場合も同様の関係式が成り立ち、これを方位球と称す。
(X−X0)2+(Y−Y0)2+(Z−Z0)2=R2
なお、dの値としては、方位円半径の1/10程度が好ましい。
測定データを(xi,yi,zi)(i=1,・・・,N)、オフセットを(X0,Y0,Z0)、方位球半径をRとすると、以下の関係式が成り立つ。
(xi−X0)2+(yi−Y0)2+(zi−Z0)2=R2このとき、最小二乗誤差εを次式のように定義する。
ai=xi 2+yi 2+zi 2
bi=−2xi
ci=−2yi
di=−2zi
D=(X02+Y02+Z02)−R2 …(1)とすると、εは以下の式となる。
このアルゴリズムによる処理では、推定されたオフセットおよび方位球(または方位円)半径と、RAM110に格納された測定データから以下の値を算出する。
σ<F
wx>G
wy>G
wz>G
ここで、Fは0.1程度が好ましく、Gは1程度が好ましい。
はじめ、開閉スイッチ(SW)114により端末ユニット−2の閉じ終わりが検出されると、このタイミングでトリガーがかかる(ステップS101)。この後、ユーザは、当該携帯端末1をポケットに入れる、机の上に置くなどの動作をする。このため、携帯端末1は、閉じられた直後からしばらくは向きを変化させる。
ステップS104でNoと判定された場合、0.1秒だけ待機し(ステップS105)、ステップS102に戻る。
ステップS104でYesと判定した場合には、RAM110に測定データを格納し(ステップS106)、RAM110に格納された測定データの数が所定の数に達したかどうかさらに判断する(ステップS107)。
あるいは、予め定められた基準に従い、オフセットがその更新が必要なレベル(あるいは基準の範囲)となっているかどうか判断をして、携帯端末1の開閉時にデータ取得を行うかどうか選択されるようにしてもよい。
携帯端末1を閉じた後、一般にユーザの動作は決まっていないので、前述のようにステップS103にてサンプリングされた測定データを、XYZ空間にプロットすると、データ点が特定の平面上に集中する場合もある。例えば、データがXY平面上に集中した場合、このデータから方位球の中心を求めても、Zの値は精度よくもとまらない。
上記のようにして求めたオフセットは携帯端末1を閉じた状態のものである。一般に携帯電話機等の携帯端末にはスピーカやマイクなどが搭載され、これらには永久磁石が用いられている。この永久磁石からの漏洩磁界が磁気センサのオフセットに与える影響は、携帯端末1を閉じた状態と開けた状態で異なる場合がある。このような場合には、先に求めたオフセットにこの相違分を補正する必要がある。
次に、求めた磁化Mを[数23]および[数24]に代入し、携帯端末1が閉じている状態における磁気センサ部301まわりの漏洩磁界Hcと、携帯端末1が完全に開いている状態における磁気センサ部301まわりの漏洩磁界Hoとを計算する。先に求めた携帯端末1が閉じている時のオフセットから、漏洩磁界Hcと漏洩磁界Hoとの差を差し引くことにより漏洩磁界の補正が行われ、オフセットが正式に更新される。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれることは言うまでもない。
Claims (5)
- 磁気センサを有する方位検出手段を搭載した折り畳み式の携帯電子機器において、
当該携帯電子機器の開閉を検出する開閉検出手段と、
前記磁気センサから出力データを取得し、取得したデータに基づき前記磁気センサの出力の誤差であるオフセットを推定するオフセット推定手段と、
前記開閉検出手段により当該携帯電子機器の開き始めが検出されると、前記磁気センサから出力データの取得を開始し、取得したデータに基づき前記オフセットから前記漏洩磁界による影響分を除去する漏洩磁界補正手段と、を具備する
ことを特徴とする方位検出機能付き携帯電子機器。 - 複数方向の磁気を検出可能な磁気センサ群を含んで構成される磁気センサ装置において、
折畳み式の携帯電子機器の閉じ終わりを示す閉信号を受け、これに応じて、該磁気センサの出力データの取得を開始し、取得したデータに基づき該磁気センサの出力の誤差であるオフセットを推定するオフセット推定手段と、
折畳み式の携帯電子機器の開き始めを示す開信号を受け、これに応じて、該磁気センサから出力データの取得を開始し、取得したデータに基づき前記オフセットから前記漏洩磁界による影響分を除去する漏洩磁界補正手段と、を備えた
ことを特徴とする磁気センサ装置。 - 磁気センサを有する方位検出手段を搭載した折り畳み式の携帯電子機器における前記方位検出手段のキャリブレーション方法であって、
前記磁気センサから出力データを取得し、取得したデータに基づき前記磁気センサの出力の誤差であるオフセットを推定し、
前記携帯電子機器の開き始めが検出された場合、前記磁気センサから出力データの取得を開始し、取得したデータに基づき前記オフセットから前記漏洩磁界による影響分を除去する
ことを特徴とする方位検出機能付き携帯電子機器のキャリブレーション方法。 - 複数方向の磁気を検出可能な磁気センサ群を含んで構成される磁気センサ装置において、
該磁気センサの出力データを取得し、取得したデータに基づき該磁気センサの出力の誤差であるオフセットを推定するオフセット推定手段と、
折畳み式の携帯電子機器の開き始めを示す開信号を受け、これに応じて、該磁気センサから出力データの取得を開始し、取得したデータに基づき前記オフセットから前記漏洩磁界による影響分を除去する漏洩磁界補正手段と、を備えた
ことを特徴とする磁気センサ装置。 - 前記オフセット推定手段は、前記開閉検出手段により前記携帯電子機器の閉じ終わりが検出された時に、前記磁気センサから出力データを取得開始し、取得されたデータに基づき、前記磁気センサの出力誤差であるオフセット値を推定することを特徴とする請求項1に記載の方位検出機能付き携帯電子機器。
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