JP2006030006A - 光学式エンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】1次元方向に相対変位する2つの物体の変位を検出する光学式エンコーダにおいて、SN比を改善し、耐ノイズ性を向上させる。
【解決手段】光源13からの照明光は第2格子14を透過し、メインスケール11を照射する。第1格子12で反射された照明光I1と、第1格子12の透過部12bを透過し、メインスケール11の裏面側に形成した反射手段18により、メインスケール11の表面側に反射され、再び第1格子12を透過した照明光I2が第3格子15へ入射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、相対変位する2つの物体の機械的変位を電気的信号に変換する光学的変位検出器に関し、特に3種類の格子によって制限された光の強度の変化から2つの物体の機械的相対変位を検出する光学式エンコーダに関する。
従来、相対変位する2つの物体の機械的変位を3種類の格子によって制限された光の強度の変化から検出する光学式リニアエンコーダが開示されている。(例えば、実用新案文献1参照)。
図4は従来の光学式リニアエンコーダの側面図である。
図4において、11はガラス製メインスケールであり、相対変位する図示しない一方の部材に固定されている。12はメインスケール11の上面に形成された第1格子であり、ピッチP1の反射パターンが形成されている。10はセンサヘッドであり、相対変位する図示しない他方の部材に固定されている。13は光源であり、照明光を照射する発光ダイオード(LED)またはランプ等からなる。14は第2格子であり、光源13からの照明光を一部遮断して、第1格子12を照明するためのピッチP2の透過パターンが形成されている。15は第3格子であり、第2格子14および第1格子12によって制限された照明光を更に制限するための、第2格子14と独立したピッチP3のパターンが形成されている。16はガラス製インデックススケールであり、第2格子14と第3格子15が形成されている。17は受光素子であり、第2格子14、第1格子12、第3格子15によって制限された照明光を検出する。
図5はメインスケール11の上面図、図6はメインスケール11の側面図である。ピッチP1の縦縞目盛りの第1格子12の反射部12aがパターン形成されている。なお、12bは透過部である。通常、反射部12aはメインスケール裏面部からの乱反射光による多重反射の影響を低減するために、ガラス表面上に一旦、酸化クロム膜121aを形成し、その上に反射用のクロム膜122aを形成している(図6)。
また、図7は、インデックススケール16の上面図である。インデックススケール16の中央に、複数の線光源を形成するためのピッチP2の第2格子14が形成され、その両側に位相が互いに90°づつずれたピッチP3の+a相、+b相、−a相、−b相の4つの第3格子15が形成されており、その周囲は外乱光等の防止のため、酸化クロム蒸着面となっている。各格子のピッチの関係は、幾何光学的システムまたは回折効果的システムを用いた設定になっている。
次に、動作について説明する。
メインスケール11が取り付けられた一方の部材(図示せず)が、光源13、インデックススケール16、受光素子17が取り付けられた他方の部材(図示せず)に対して相対変位すると、第3格子15の+a相、+b相、−a相、−b相を通過し、各受光素子17に入射する光量が変化する。その光量変化を各受光素子17で電気信号に変換することにより、2つの部材の変位の方向と変位量を検出する。
このように、従来の光学式リニアエンコーダは、1次元方向に相対変位する2つの物体の変位を検出していた。
実公平7−888号公報
従来の光学式リニアエンコーダは、検出信号の直流成分が大きく、2つの物体の相対変位に対応した変化分である交流成分が小さい、すなわちSN比が低いという問題があった。
そのため、種々の機器と組み合わせ使用する際、耐ノイズ性が低いという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、2つの物体の相対変位に対応した信号成分である交流成分を大きくし、SN比を改善することにより、耐ノイズ性を向上させた光学式エンコーダを提供することを目的とする。
なお、SN比とは検出信号の直流成分に対する交流成分のピーク・ツウ・ピーク値(pp値)を言う。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の光学式エンコーダの発明は、相対変位する一方の部材に固定される第1格子が形成されたメインスケールと、相対変位する他方の部材に固定される照明光を射出する光源と、前記光源からの照明光を複数光束に分割して前記メインスケールを照明するための第2格子及び前記第2格子と前記第1格子によって制限された照明光を更に制限するための前記第2格子と独立した位相が互いに異なる複数の第3格子が形成されたインデックススケールと、前記第1乃至第3格子によって制限された照明光をそれぞれ検出する複数の受光素子とを備え、前記受光素子の検出信号から前記両部材の相対変位を検出する光学式エンコーダにおいて、前記メインスケールは透明材料からなり、前記メインスケールの表面には、透過部と反射部からなる周期的パターンを有する前記第1格子が形成され、前記メインスケールの裏面には反射手段が形成されたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光学式エンコーダにおいて、前記第1格子の反射部は、前記反射手段側からの光に対して反射することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によると、メインスケールの裏面からの反射光が検出信号として加わるので、信号成分である交流成分を大きくし、SN比を改善するとことができ、光学式エンコーダの耐ノイズ性を向上できる。
請求項2に記載の発明によると、第1格子の反射部からの反射光が検出信号として加わるので、信号成分である交流成分をさらに大きくし、SN比を改善するとことができ、光学式エンコーダの耐ノイズ性を向上できる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す光学式リニアエンコーダの側面図である。
図において、11はガラス製メインスケールであり、相対変位する一方の部材(図示せず)に固定されている。12はメインスケール11の表面に形成された第1格子であり、ピッチP1の反射パターンが形成されている。18は反射手段でメインスケール11の裏面側に形成されている。反射手段18は、反射作用のある金属薄膜や誘電体材料で形成することが可能である。本実施例においては、クロム膜を形成している。
10はセンサヘッドであり、相対変位する他方の部材(図示せず)に固定されている。13は照明光を照射する光源であり、本実施例ではLEDを用いた。14は第2格子であり、光源13からの照明光を一部遮断して、第1格子12を照明するためのピッチP2の透過パターンが形成されている。15は第3格子であり、第2格子14および第1格子12によって制限された照明光を更に制限するための、第2格子14と独立したピッチP3のパターンが形成されている。16はガラス製インデックススケールであり、第2格子14と第3格子15が形成されている。17は受光素子であり、第2格子14、第1格子12、第3格子15によって制限された照明光を検出する。
図2はメインスケールの側面図である。12aはメインスケール11の表面に形成された第1格子の反射部であり、ガラス表面上に一旦、酸化クロム膜121aを形成し、その上に反射用のクロム膜122aを形成している。
本発明が従来技術と異なる点は、メインスケールの裏面に反射手段18を備えた点である。
次に、動作について説明する。
図2において、第2格子14を透過し、メインスケール11を照射した照明光の内、第1格子12で反射された照明光I1と、第1格子12の透過部12bを透過し、メインスケール11の裏面側に形成した反射手段18により、メインスケール11の表面側に反射され、再び第1格子12を透過した照明光I2が第3格子15へ入射する。すなわち、従来の照明光I1に加えて照明光I2が第3格子15へ入射する。
次に本実施例における光学式リニアエンコーダの特性について述べる。
メインスケール11の裏面側に形成した反射手段18の効果を確認するため、メインスケール11の裏面側に反射手段を持たないリニアスケール(条件1)、メインスケール11の裏面側にクロム膜の反射手段を形成したリニアスケール(条件2)を試作し特性を測定した。
条件1のリニアスケールではSN比は15%しかなかったが、メインスケールの裏面にクロム膜により反射手段を設けた条件2のリニアスケールではSN比が25%に改善できた。
ただし、条件1および条件2のリニアスケールの格子ピッチは以下の通りである。
第1格子ピッチP1=40μm
第2格子ピッチP2=40μm
第3格子ピッチP3=40μm
各格子のパターン幅は格子ピッチの1/2とした。
また、第1格子パターンは、ガラス表面上に一旦、酸化クロム膜121aを形成し、その上に反射用のクロム膜122aを形成した。
このように本実施例では第3格子を通過し、受光素子に入射する照明光の信号成分が増加し、SN比を改善することができる。
図3は本発明の第2実施例を示すメインスケールの側面図である。
本発明が実施例1と異なる点は、メインスケール11表面に形成した第1格子12の反射部12aを光源13側からの光に対しても、反射手段18側からの光に対しても反射するようにした点である。
次に、動作について説明する。
本実施例では、第1格子の反射部12aは反射手段18側からの光に対しても反射するように構成しおり、反射手段18により反射され、第1格子12の反射部12aに到達した光I3はメインスケール11内部を抜け出すまで減衰することなく何度も第1格子の反射部12aとメインスケールの反射手段18の間で反射を繰り返す。
次に、本発明の第2実施例の特性について述べる。
実際に、第1格子パターンにクロム膜を形成した(条件3)の光学式リニアエンコーダを試作し、SN比を求めたところ、30%に改善できた。
ただし、条件3のリニアスケールの格子ピッチはおよび各格子のパターン幅は条件1および条件2の場合と同じである。
このように本実施例では第2格子を透過し、第1格子を透過した光は、すべて再び第1格子を透過するので、実施例1における照明光I1、I2に加えて照明光I3を検出信号として利用できるので信号成分である交流成分をさらに大きくし、SN比を改善することができる
本発明は、3種類の格子を用いた光学式エンコーダの基本特性を向上させるものであり、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダ、2次元エンコーダ等に利用でき、工作機械等種々の産業機器の位置決め用センサに適用できる。
本発明の第1実施例を示す光学式リニアエンコーダの側面図 本発明の第1実施例を示すメインスケールの側面図 本発明の第2実施例を示すメインスケールの側面図 従来の光学式リニアエンコーダの側面図 従来の光学式リニアエンコーダのメインスケールの上面図 従来の光学式リニアエンコーダのメインスケールの側面図 従来の光学式リニアエンコーダのインデックススケールの上面図
符号の説明
10 センサヘッド
11 メインスケール
12 第1格子
13 光源
14 第2格子
15 第3格子
16 インデックススケール
17 受光素子
18 反射手段

Claims (2)

  1. 相対変位する一方の部材に固定される第1格子が形成されたメインスケールと、
    相対変位する他方の部材に固定される照明光を射出する光源と、
    前記光源からの照明光を複数光束に分割して前記メインスケールを照明するための第2格子及び前記第2格子と前記第1格子によって制限された照明光を更に制限するための前記第2格子と独立した位相が互いに異なる複数の第3格子が形成されたインデックススケールと、
    前記第1乃至第3格子によって制限された照明光をそれぞれ検出する複数の受光素子と、を備え、
    前記受光素子の検出信号から前記両部材の相対変位を検出する光学式エンコーダにおいて、
    前記メインスケールは透明材料からなり、前記メインスケールの表面には、透過部と反射部からなる周期的パターンを有する前記第1格子が形成され、前記メインスケールの裏面には反射手段が形成されたことを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 前記第1格子の反射部は、前記反射手段側からの光に対して反射することを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
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