JP2006029700A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いる熱交換器において、簡単な構成で冷媒偏流を低減でき、性能低下を防止できる熱交換器を提供する。
【解決手段】冷媒が流入または流出する上部ポート11aが一端に設けられ、他端が閉じた上部ヘッダ11と、上記上部ヘッダ11の上部ポート11aに対向する一端が閉じられ、他端に冷媒が流入または流出する下部ポート12aが設けられた下部ヘッダ12と、所定の間隔をあけて略並行に配列された上部ヘッダ11と下部ヘッダ12との間に、互いに間隔をあけて略平行に接続された複数の扁平管13とを備える。上記下部ヘッダ12内に、所定の間隔をあけて複数の絞り部14を配置する。
【選択図】図1

Description

この発明は、空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いられる熱交換器に関する。
従来、熱交換器としては、上部ヘッダと下部ヘッダとの間に、互いに間隔をあけて略平行に接続された複数の扁平管を備えたものがある(例えば、特開平10−132422号公報(特許文献1)参照)。
このような上部ヘッダと下部ヘッダとの間に複数の扁平管が接続された構成の熱交換器を、下部ヘッダから気液二相冷媒を流入させる蒸発器と、上部ヘッダからガス冷媒を流入させる凝縮器とを切り換えて空気調和機の熱交換器に用いることが考えられる。ところが、この熱交換器では、下部ヘッダから気液二相冷媒を流入させて蒸発器として用いるときに、下部ヘッダ内の圧損分布と上部ヘッダ内の圧損分布に差があるため、各扁平管に流入する冷媒量に偏りが生じ、蒸発器としての性能が低下するという問題がある。
特開平10−132422号公報
そこで、この発明の目的は、空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いる熱交換器において、簡単な構成で冷媒偏流を低減でき、性能低下を防止できる熱交換器を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の熱交換器は、空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いられる熱交換器であって、冷媒が流入または流出する上部ポートが一端に設けられ、他端が閉じた上部ヘッダと、上記上部ヘッダの上部ポートに対向する一端が閉じられ、他端に冷媒が流入または流出する下部ポートが設けられた下部ヘッダと、上記上部ヘッダと上記下部ヘッダとの間に、互いに間隔をあけて略平行に接続された複数の扁平管とを備え、上記下部ヘッダ内の少なくとも上記下部ポート寄りに絞り部を設けたことを特徴とする。
上記構成の熱交換器によれば、上記上部ヘッダと下部ヘッダとの間に複数の扁平管が互いに間隔をあけて略平行に接続された熱交換器において、下部ヘッダ内の少なくとも下部ポート寄りに絞り部を設けることによって、蒸発器として用いるときに、下部ヘッダ側から気化して比体積が大きくなった冷媒が流れる上部ヘッダ内の圧力損失に対する差を解消するように、絞り部により下部ヘッダ内に圧損分布を設けることによって、下部ヘッダから各扁平管に流入する冷媒量に偏りが生じるのを抑制することが可能となる。したがって、空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いる熱交換器において、簡単な構成で冷媒偏流を低減でき、性能低下を防止できる。
また、一実施形態の熱交換器は、上記下部ヘッダ内の少なくとも上記下部ポート寄りに設けられた上記絞り部の開口面積が、上記下部ヘッダ内の流路断面積の略1/2以下であることを特徴とする。
上記実施形態の熱交換器によれば、上記下部ヘッダ内の少なくとも下部ポート寄りに設けられた絞り部の開口面積を、下部ヘッダ内の流路断面積の略1/2以下にすることによって、蒸発器として用いるときに、少なくとも下部ポート側に設けられた絞り部により得られる圧損によって、下部ポートから流入する気液二相冷媒の偏流を効果的に抑制できる。ここで、「流路断面積」とは、流路の有効断面積のことである。
また、一実施形態の熱交換器は、上記絞り部の開口の中心が上記下部ヘッダの断面の中心よりも上側にあることを特徴とする。
上記実施形態の熱交換器によれば、上記絞り部の開口の中心が下部ヘッダの断面の中心よりも上側にすることによって、蒸発器として用いるときの下部ポートから流入する気液二相冷媒の偏流を効果的に抑制しつつ、このときの気液二相冷媒が絞り部を通過するときの圧損と、凝縮器として用いるときの液冷媒が絞り部を通過するときの圧損を調整して、蒸発器として用いるときのみに所望の圧損分布を設け、凝縮器として用いるときに絞り部が下部ヘッダの下部ポートから液冷媒が排出されるときの妨げとなって偏流が生じるのを防止できる。
また、一実施形態の熱交換器は、上記絞り部が、略円形の開口を有する仕切板であることを特徴とする。
上記実施形態の熱交換器によれば、略円形の開口を有する仕切板を上記絞り部に用いることによって、簡単な構成で下部ヘッダ内に絞り部を設けることができる。この場合、仕切板の開口の径を調整することにより、圧損を設定することが容易にできる。
また、一実施形態の熱交換器は、上記絞り部が、上記下部ヘッダ内に上記下部ポート側から所定の間隔をあけて配置された複数の絞り部であって、上記複数の絞り部の開口面積が上記下部ポート側から徐々に大きくなっていることを特徴とする。
上記実施形態の熱交換器によれば、上記下部ヘッダ内に下部ポート側から所定の間隔をあけて配置された複数の絞り部の開口面積を下部ポート側から徐々に大きくすることによって、下部ヘッダの圧損分布が下部ポート側から反対側の端に向かって徐々に小さくなるので、冷媒偏流を効果的に低減できる圧損分布を得ることができる。
また、この発明の熱交換器は、空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いられる熱交換器であって、冷媒が流入または流出する上部ポートが一端に設けられ、他端が閉じられた上部ヘッダと、上記上部ヘッダの上部ポートに対向する一端が閉じられ、他端に冷媒が流入または流出する下部ポートが設けられた下部ヘッダと、上記上部ヘッダと上記下部ヘッダとの間に、互いに間隔をあけて略平行に接続された複数の扁平管と、上記下部ヘッダの下部ポートから流入した冷媒が上記上部ヘッダの上部ポートに流れて蒸発器として働くとき、上記上部ヘッダ内の圧損分布に応じて、上記複数の扁平管に冷媒が略均一に流れるように上記下部ヘッダ内の圧損を調整する圧損調整手段とを備えたことを特徴とする。
上記構成の熱交換器によれば、蒸発器として用いるときに、上部ヘッダ内の圧損分布に応じて、圧損調整手段により複数の扁平管に冷媒が略均一に流れるように下部ヘッダ内の圧損を調整するので、下部ヘッダから各扁平管に流入する冷媒量に偏りが生じるのを抑制することが可能となる。したがって、空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いる熱交換器において、簡単な構成で冷媒偏流を低減でき、性能低下を防止できる。
以上より明らかなように、この発明の熱交換器によれば、簡単な構成で蒸発器および凝縮器のいずれにおいても冷媒の偏流を低減でき、蒸発器と凝縮器として切り換えて用いる空気調和機用に好適な変換効率のよい熱交換器を実現することができる。
また、一実施形態の熱交換器によれば、上記下部ヘッダ内の少なくとも下部ポート側に設けられた絞り部の開口面積を、下部ヘッダ内の流路断面積の略1/2以下にすることによって、蒸発器として用いるときに、少なくとも下部ポート側に設けられた絞り部により得られる圧損によって気液二相冷媒の偏流を効果的に抑制することができる。
また、一実施形態の熱交換器によれば、上記絞り部の開口の中心が下部ヘッダの断面の中心よりも上側にすることによって、蒸発器として用いるときに気液二相冷媒が通過するときの圧損と、凝縮器として用いるときに液冷媒が通過するときの圧損を調整して、絞り部が下部ヘッダの下部ポートから液冷媒を排出するときの妨げとならないようにして、凝縮器として用いるときにも冷媒偏流を防止することができる。
また、一実施形態の熱交換器によれば、略円形の開口を有する仕切板を上記絞り部に用いることによって、簡単な構成で下部ヘッダ内に絞り部を設けることができる。
また、一実施形態の熱交換器によれば、上記下部ヘッダ内に下部ポート側から所定の間隔をあけて配置された複数の絞り部の開口面積を下部ポート側から徐々に大きくすることによって、下部ヘッダの圧損分布が下部ポート側から反対側の端に向かって徐々に小さくなるので、冷媒偏流を効果的に少なくできる圧損分布を得ることができる。
また、この発明の熱交換器によれば、空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いられる熱交換器であって、冷媒が流入または流出する上部ポートが一端に設けられ、他端が閉じられた上部ヘッダと、上記上部ヘッダの上部ポートに対向する一端が閉じられ、他端に冷媒が流入または流出する下部ポートが設けられた下部ヘッダと、上記上部ヘッダと上記下部ヘッダとの間に、互いに間隔をあけて略平行に接続された複数の扁平管と、上記下部ヘッダの下部ポートから流入した冷媒が上記上部ヘッダの上部ポートに流れて蒸発器として働くとき、上記上部ヘッダ内の圧損分布に応じて、上記複数の扁平管に冷媒が略均一に流れるように上記下部ヘッダ内の圧損を調整する圧損調整手段とを備えたことを特徴とする。
上記実施形態の熱交換器によれば、蒸発器として用いるときに、上部ヘッダ内の圧損分布に応じて、圧損調整手段により複数の扁平管に冷媒が略均一に流れるように下部ヘッダ内の圧損を調整するので、簡単な構成で蒸発器および凝縮器のいずれにおいても冷媒偏流を低減でき、性能低下を防止できる。
以下、この発明の熱交換器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の一形態の空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いられる熱交換器の斜視図である。この実施の一形態の熱交換器10は、図1に示すように、冷媒が流入または流出する上部ポート11aが一端に設けられ、他端が閉じた円筒形状の上部ヘッダ11と、上記上部ヘッダ11の上部ポート11aに対向する一端が閉じられ、他端に冷媒が流入または流出する下部ポート12aが設けられた円筒形状の下部ヘッダ12と、所定の間隔をあけて略並行に配列された上部ヘッダ11と下部ヘッダ12との間に、互いに間隔をあけて略平行に接続された複数の扁平管13とを備えている。なお、複数の扁平管13の間には、アルミニウム板が積層された放熱フィンが取り付けられ、放熱フィンの結露水は、扁平管13に沿って滴下する。
上記熱交換器10の下部ヘッダ12内に、圧損調整手段の一例としての4つの絞り部14を所定の間隔をあけて配置している。上記絞り部14は、略円形の開口14aを有する円形の仕切板である(図1の下側に示す)。上記絞り部14の開口14aは、その中心が下部ヘッダ12の断面の中心と略同じ位置になるように設けている。
上記下部ヘッダ12内に下部ポート12a側から等間隔に第1,第2,第3,第4の絞り部14を配置している。すなわち、下部ヘッダ12の下部ポート12aと第1の絞り部14との間、第1,第2の絞り部14間、および、第3,第4の絞り部14間に略同一の長さの区画が夫々形成され、第4の絞り部14と下部ヘッダ12の下部ポート12aの反対側の端との間に区画が形成されている。
上記構成の熱交換器10において、蒸発器として用いる場合、下部ヘッダ12の下部ポート12aから気液二相冷媒が流入する(矢印R1)。そして、下部ヘッダ12で分流された気液二相冷媒は、複数の扁平管13内を上昇しつつ蒸発して、蒸発したガス冷媒が上方に流れて上部ヘッダ11を介して上部ポート11aから出る。
図2(a)は、蒸発器として用いたときの熱交換器10の下部ヘッダ12の要部の断面を示す模式図であり、図2(a)は下部ヘッダ12内に図1に示す絞り部14が配置された冷媒の状態を示している。図2(a)において、左側にある下部ヘッダ12の下部ポート12a(図1に示す)から流入した気液二相冷媒が絞り部14の開口14aを介して絞り部14の下流の区画に流入する。このとき、気液二相冷媒がガス冷媒と液冷媒に分離され、分離されたガス冷媒は、絞り部14の開口14aを通ると共に、分離された液冷媒は、下部ヘッダ12内の下側に溜まった後、絞り部14の開口14aを乗り越えて右側の区画に流れ込むことになる。こうして、下部ポート12a(図1に示す)から流入した気液二相冷媒は4つの絞り部14を介して下流側の区画に流れた後、それぞれの区画の上側に接続された複数の扁平管13に分流され、各扁平管13内を上昇しつつ蒸発する。そうして、複数の扁平管13内で蒸発した冷媒は、複数の扁平管13を介して上部ヘッダ11で合流した後、上部ヘッダ11の上部ポート11aから流出する。
また、図2(b)は、圧損調整手段の他の例としての絞り部15が下部ヘッダ12内に配置された熱交換器10を蒸発器として用いたときの冷媒の状態を示しており、この絞り部15の開口15aの中心は、下部ヘッダ12の断面の中心よりも高い位置に設けている。この場合、下部ポート12a(図1に示す)から流入した気液二相冷媒から分離した液冷媒は、下部ヘッダ12内の下側に溜まった後、図2(a)に示す絞り部14の開口14aよりも高い位置の絞り部15の開口15aを乗り越えて右側の区画に流れ込む。したがって、図2(b)に示す絞り部15の開口15aは、図2(a)に示す絞り部14の開口14aよりも液冷媒の通過量が制限される。
また、図2(c)は、図2(b)に示す絞り部15が下部ヘッダ12内に配置された熱交換器10を凝縮器として用いたときの冷媒の状態を示しており、この場合は、下部ヘッダ12内に液冷媒が満たされ、絞り部15の開口15aの位置にかかわらず、圧損が一定となる。
図3(a)は図4に示す比較例の熱交換器20を蒸発器として用いたときの冷媒の状態分布を示し、図3(b)は上記熱交換器20を凝縮器として用いたときの冷媒の状態分布を示している。図4に示す熱交換器20は、比較のために熱交換器10の構成から絞り部14を除去したものであり、絞り部14を除いて図1に示す熱交換器10と同一の構成をしており、21は上部ヘッダ、21aは上部ポート、22aは下部ポート、23は扁平管である。
図3(a)に示すように、熱交換器20を蒸発器として用いるときは、気液二相冷媒が左下側コーナーの下部ポート22a(図4に示す)から流入し(矢印R11)、下部ポート22aとは対角側である右上側コーナーの上部ポート21a(図4に示す)から冷媒が流出する(矢印R12)。この場合、二相域および過熱域の分布は、図3(a)に示すように、複数の扁平管23に分流する冷媒に偏りがあり、左側の大部分の領域が過熱域となっており、下側かつ右側のわずかな領域が二相域となっている。このため、この熱交換器20の蒸発器としての効率が悪い。ここで、「二相域」とは、冷媒が気相と液相が混じり合った気液二相状態となっている領域のことであり、「過熱域」とは、冷媒が過熱蒸気となっている領域のことである。
一方、図3(b)に示すように、熱交換器20を凝縮器として用いたときは、気液二相冷媒が右上側コーナーの上部ポート21a(図4に示す)から流入し、左下側コーナーの下部ポート22a(図4に示す)から冷媒が流出する。この場合、二相域および過熱域の分布は、図3(b)に示すように、上側の大部分が二相域となり、下側の一部領域が過冷却域となっており、冷媒の流れに偏流などの問題はない。ここで、「過冷却域」とは、凝縮された液冷媒が所定圧力下において飽和温度よりもさらに冷却された状態となっている領域のことである。
次に、図3(c),(d)は、本発明の実施の形態の熱交換器10において、絞り部14の開口14aの中心が下部ヘッダ12の断面の中心と略同じ位置に設けられているときの冷媒の状態分布を示している。なお、このときの絞り部14の開口14aの開口面積を下部ヘッダ12の流路断面積の5%としている。
図3(c)に示すように、熱交換器10を蒸発器として用いるときは、気液二相冷媒が左下側コーナーの下部ポート12a(図1に示す)から流入し、下部ポート12aとは対角側である右上側コーナーの上部ポート11a(図1に示す)から冷媒が流出する。この場合、二相域および過熱域の分布は、図3(c)に示すように、複数の扁平管13に分流する冷媒の偏りが少なくなり、左上側の略三角部分の領域が過熱域となっており、その下側の領域が二相域となっている。このため、この熱交換器10の蒸発器としての効率は、比較例の熱交換器20に比べて大幅に向上している。
一方、図3(d)に示すように、熱交換器10を凝縮器として用いたときは、気液二相冷媒が右上側コーナーの上部ポート21a(図4に示す)から流入し、左下側コーナーの下部ポート22a(図4に示す)から冷媒が流出する。この場合、二相域および過熱域の分布は、図3(b)に示すように、上側の大部分が二相域となり、下側の一部領域が過冷却域となっており、冷媒の流れに偏流などの問題はない。ここで、熱交換器10の下部ヘッダ12内に設けられた絞り部14により、過冷却域が階段状になっているが、凝縮器の能力に大きな影響はない。
次に、図3(e),(f)は、本発明の実施の形態の熱交換器10において、図2(b)に示す絞り部1を用いたときの冷媒の状態分布を示している。なお、このときの絞り部15の開口15aの開口面積を下部ヘッダ12の流路断面積の5%とし、開口15aを下部ヘッダ12の断面の中心よりも6mm高い位置に設けている。この下部ヘッダ12の流路断面積は、320mm2である。
図3(e)に示すように、熱交換器10を蒸発器として用いるときは、気液二相冷媒が左下側コーナーの下部ポート12a(図1に示す)から流入し、下部ポート12aとは対角側である右上側コーナーの上部ポート11a(図1に示す)から冷媒が流出する。この場合、二相域および過熱域の分布は、図3(e)に示すように、複数の扁平管13に分流する冷媒の偏りが少なくなり、左上側の略三角部分の過熱域が図3(c)よりも小さくなっており、その下側の領域が二相域となっている。このため、この熱交換器10の蒸発器としての効率は、比較の熱交換器20に比べて大幅に向上している。
一方、図3(f)に示すように、熱交換器10を凝縮器として用いたときは、気液二相冷媒が右上側コーナーの上部ポート21a(図4に示す)から流入し、左下側コーナーの下部ポート22a(図4に示す)から冷媒が流出する。この場合、二相域および過熱域の分布は、図3(f)に示すように、上側の大部分が二相域となり、下側の一部領域が過冷却域となっており、冷媒の流れに偏流などの問題はない。ここで、熱交換器10の下部ヘッダ12内に設けられた絞り部14により、過冷却域が右側から左側に向かって徐々に細くなる略三角形状になって、図3(d)に示す階段状の過冷却域よりも小さくなり、凝縮器の能力は図3(d)の熱交換器よりも高くなる。
このように、上記構成の熱交換器によれば、簡単な構成で蒸発器および凝縮器のいずれにおいても冷媒の偏流を低減でき、蒸発器と凝縮器として切り換えて用いる空気調和機用に好適な変換効率のよい熱交換器を実現することができる。
また、上記下部ヘッダ12の少なくとも下部ポート12a側に設けられた絞り部14の開口面積を、下部ヘッダ12内の流路断面積の略1/2以下にすることによって、蒸発器として用いるときに、少なくとも下部ポート12a側に設けられた絞り部14により得られる圧損によって、気液二相冷媒の偏流を効果的に抑制することができる。
また、図2(b)に示すように、絞り部15の開口15aの中心を下部ヘッダ12の断面の中心よりも上側にすることによって、蒸発器として用いるときの気液二相冷媒が絞り部15を通過するときの圧損と、凝縮器として用いるときの液冷媒が絞り部15を通過するときの圧損を調整することが可能となる。これにより、上記絞り部15を下部ヘッダ12の下部ポート12aから液冷媒を排出するときの妨げとならないようにでき、冷媒偏流を防止することができる。
また、上記絞り部14に略円形の開口14aを有する仕切板を用いることによって、簡単な構成で下部ヘッダ12内に絞り部14を設けることができ、加工が容易になると共に、コストを低減することができる。
上記実施の形態では、複数の扁平管13を介して接続された上部ヘッダ11と下部ヘッダ12を円筒形状としたが、四角柱などの断面多角形の角柱形状としてもよい。この場合、絞り部14は、下部ヘッダ12内の断面形状に応じた形状のものであればよい。また、下部ヘッダ12内の絞り部14は、仕切板に開口を設けたものに限らず、下部ヘッダ内に内嵌された円柱または角柱に貫通穴を設けたものなどであってもよい。
上記実施の形態では、下部ヘッダ12内に配置された4つの絞り部14の開口14aの大きさを略同じとしたが、各絞り部14の開口面積が下部ポート12a側から徐々に大きくなるようにしてもよい。この場合、下部ヘッダ12内において、下部ポート12a側から反対側の端に向かって徐々に圧力損失が低くなった圧損分布が得られ、冷媒の偏流を効果的に低減できる。
上記実施の形態では、下部ヘッダ12内に4つの絞り部14を等間隔に配置したが、絞り部の数や位置はこれに限らず、下部ヘッダの全長や絞り部の開口面積などに応じて、冷媒の偏流を少なくする所望の圧損分布が得られるように適宜設定してよい。なお、上記下部ヘッダ内の絞り部は、下部ヘッダ内において液冷媒を分配する上で少なくとも下部ポー側に絞り部を設けるのが好ましい。
図1はこの発明の実施の一形態の熱交換器の斜視図である。 図2(a)は蒸発器として用いたときの熱交換器の要部の断面を示す模式図であり、図2(b)は他の例の絞り部が下部ヘッダ内に配置された熱交換器を蒸発器として用いたときの冷媒の状態を示す模式図であり、図2(c)は図2(b)に示す熱交換器を凝縮器として用いたときの冷媒の状態を示す模式図である。 図3(a),(b)は図4に示す比較例の熱交換器の冷媒の状態分布を示す図であり、図3(c),(d)は図1に示す熱交換器の冷媒の状態分布を示す図であり、図3(e),(f)は図2(b)に示す他の例の絞り部を用いた図1に示す熱交換器の冷媒の状態分布を示す図である。 図4は比較のための熱交換器の図である。
符号の説明
10,20…熱交換器
11,21…上部ヘッダ
11a,21a…上部ポート
12,22…下部ヘッダ
12a,22a…下部ポート
13,23…扁平管
14,15…絞り部
14a,15a…開口

Claims (6)

  1. 空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いられる熱交換器であって、
    冷媒が流入または流出する上部ポート(11a)が一端に設けられ、他端が閉じた上部ヘッダ(11)と、
    上記上部ヘッダ(11)の上部ポート(11a)に対向する一端が閉じられ、他端に冷媒が流入または流出する下部ポート(12a)が設けられた下部ヘッダ(12)と、
    上記上部ヘッダ(11)と上記下部ヘッダ(12)との間に、互いに間隔をあけて略平行に接続された複数の扁平管(13)とを備え、
    上記下部ヘッダ(12)内の少なくとも上記下部ポート(12a)寄りに絞り部(14)を設けたことを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器において、
    上記下部ヘッダ(12)内の少なくとも上記下部ポート(12a)寄りに設けられた上記絞り部(14)の開口面積が、上記下部ヘッダ(12)内の流路断面積の略1/2以下であることを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1または2に記載の熱交換器において、
    上記絞り部(14)の開口の中心が上記下部ヘッダ(12)の断面の中心よりも上側にあることを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の熱交換器において、
    上記絞り部(14)が、略円形の開口を有する仕切板であることを特徴とする熱交換器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の熱交換器において、
    上記絞り部(14)が、上記下部ヘッダ(12)内に上記下部ポート(12a)側から所定の間隔をあけて配置された複数の絞り部であって、
    上記複数の絞り部の開口面積が上記下部ポート(12a)側から徐々に大きくなっていることを特徴とする熱交換器。
  6. 空気調和機用の蒸発器および凝縮器として切り換えて用いられる熱交換器であって、
    冷媒が流入または流出する上部ポート(11a)が一端に設けられ、他端が閉じられた上部ヘッダ(11)と、
    上記上部ヘッダ(11)の上部ポート(11a)に対向する一端が閉じられ、他端に冷媒が流入または流出する下部ポート(12a)が設けられた下部ヘッダ(12)と、
    上記上部ヘッダ(11)と上記下部ヘッダ(12)との間に、互いに間隔をあけて略平行に接続された複数の扁平管(13)と、
    上記下部ヘッダ(12)の下部ポート(12a)から流入した冷媒が上記上部ヘッダ(11)の上部ポート(11a)に流れて蒸発器として働くとき、上記上部ヘッダ(11)内の圧損分布に応じて、上記複数の扁平管(13)に冷媒が略均一に流れるように上記下部ヘッダ(12)内の圧損を調整する圧損調整手段(14,15)とを備えたことを特徴とする熱交換器。
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