JP2006029624A - 建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出入り口に隣接する室内空間内に外気が流入するのを抑制できると共に、流入した外気の影響を抑制でき、更に、装置全体の構成を簡略化できるアトリウムにおける空気調整方法及び装置の提供を課題とする。
【解決手段】本発明は、建造物2の外部と室内とを連絡し且つ外気の流入を抑制するための風除室15を有する出入り口11と隣接する室内空間10に、出入り口11から流入する外気の影響を抑制する空気調整方法である。この空気調整方法は、風除室15に空気流によるエアカーテンを形成するとともに、出入り口11と隣接する室内空間10の上方の空気を下方へと送り、出入り口11と隣接する室内空間10の下部の空気と混合させる。本発明では、エアカーテンによって出入り口11から流入する外気の量を抑制できる。また、流入した外気を室内空間10の上方の空気と混合させることにより、出入り口11付近の空気温度を室温に近づけることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整方法及び装置に係り、特に、冬季において建造物の出入り口と隣接する室内空間内に外部から流入した冷気の影響を抑制するのに好適な建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整方法及び装置に関する。
最近、ビルの大型化に伴ってその出入り口に隣接して設けられたアトリウム(建築物内部の吹き抜け空間)も大型化している。このような大型のアトリウムにおいては、特に、冬季において出入り口から冷気が流入すると、この冷気が出入り口付近に滞留してしまい、利用者に不快感を与えるという問題がある。
そのため、従来は、アトリウムの出入り口にエアカーテンや二重扉を設けて、冷気の流入をできるだけ少なくすることによって、利用者に与える影響を抑制するようにしていた。
特開平5−288384号公報 特開2002−213104号公報 特開平6−18085号公報 特開平10−170051号公報 特開平10−132354号公報
しかしながら、従来のエアカーテンや二重扉により冷気の流入を抑制する方法では、冷気の流入量を抑制することはできるものの、一旦アトリウム内に冷気が流入すると、この冷気が出入り口付近に滞留するという問題があった。
このような問題を解決するために、アトリウム内の圧力を外部より高くして冷気の流入量を抑制することも考えられるが、この場合には、流入する冷気の数倍の空気をアトリウムから外部に押し出す必要があり、そのための設備が大がかりになるので実用には適さない。
上記と同様な問題は、アトリウムに限らず、エントランスホール、ロビーなど出入り口に隣接して設けられた各種の室内空間において発生する。
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、出入り口と隣接する室内空間内に外気が流入するのを抑制できると共に、出入り口から流入した外気が出入り口付近に滞留するのを防止し、更に、装置全体の構成を簡略化できる建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整方法及び装置の提供を課題とする。
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、建
造物の外部と室内とを連絡し、且つ前記外部から前記室内に流入する外気を抑制するための風除室を有する出入り口に対して隣接する室内空間に、前記出入り口から流入する外気の影響を抑制する空気調整方法であって、
前記風除室に空気流によるエアカーテンを形成するとともに、
前記出入り口と隣接する前記室内空間の上方の空気を下方へと送り、前記出入り口と隣接する前記室内空間の下部の空気と混合させることを特徴とする。
本発明では、建造物における出入り口の風除室に形成したエアカーテンによって外気の流入を抑制でき、更に、出入り口から流入した外気を出入り口と隣接する室内空間内の上方の空気と混合させることにより、流入した外気が出入り口付近に滞留するのを防止できる。
上記の出入り口と隣接する室内空間としては、出入り口から執務室など利用者が所定の目的を持って居室する部屋に至るまでの空間、例えばアトリウム(建築物内部の吹き抜け空間)、エントランスホール、ロビーなどを例示できる。
ここで、前記出入り口と隣接する室内空間における上方の空気を前記エアカーテン用空気として送り、前記室内空間の下部における外部からの流入空気と混合させることが好ましい。
この場合は、エアカーテン用空気として用いられる出入り口と隣接する室内空間の上方の空気が、外部から出入り口を通って室内空間に流入する外気と混合されるので、出入り口から流入する外気の温度を出入り口と隣接する室内空間内の空気温度に近づけることができる。
また、前記出入り口と隣接する室内空間内における一部分の空気温度がその周囲の空気温度より低い場合には、前記出入り口と隣接する室内空間内に設けられた輻射熱放射手段によって、前記一部分に輻射熱を放射することが好ましい。
この場合は、出入り口と隣接する室内空間内の一部分の空気温度が周囲の空気温度より低くても、上記一部分にいる利用者に輻射熱が照射されて、その利用者の体感温度が上昇する。
また、前記出入り口から前記出入り口と隣接する室内空間内に流入した外気を、前記出入り口と隣接する室内空間内の上方の空気と混合させる際には、前記出入り口の上縁より高く、且つ高さの異なる複数の場所から下方に向けて空気を送出することが好ましい。
この場合は、出入り口と隣接する室内空間内の上方の空気が下方へ送られる際に、その途中で下方へ送られる空気に段階的に下方への圧力が加えられるので、空気を下方へ送るための圧力を小さくできる。
また、本発明は、建造物の外部と室内とを連絡し、且つ前記外部から前記室内に流入する外気を抑制するための風除室を有する出入り口に対して隣接する室内空間に、前記出入り口から流入する外気の影響を抑制する空気調整装置であって、
前記風除室に空気流によるエアカーテンを形成するエアカーテン装置と、
前記出入り口の上縁より上方の前記出入り口と隣接する室内空間に設けられ、下方に向けて空気を送る送風手段とを有することを特徴とする。
本発明では、エアカーテン装置と送風手段だけで空気調整装置を構成できるので、装置全体の構成を簡略化できる。なお、送風手段としてはファンを例示できる。
また、前記エアカーテン装置は、前記風除室の出入り方向に沿って前記風除室が形成され該風除室を仕切る仕切壁を有すると共に、この仕切壁下部であって、かつ、前記風除室の進行方向(出入り方向)に沿って開口した空気吹き出し口をこの仕切壁に有し、
かつ、前記風除室の上方の空気を誘引して、前記仕切壁内側の送風路に送り、前記空気吹き出し口から排出させ、前記風除室の側方から出入り方向に対し、直交する方向に空気流によるエアカーテンを形成することが好ましい。
また、前記出入り口と隣接する室内空間内における一部分の空気温度がその周囲の空気温度より低い場合、前記一部分に輻射熱を放射する輻射熱放射手段を有することが好ましい。
また、前記送風手段は、前記出入り口の上縁より高く且つ高さの異なる複数の場所に設けられていることが好ましい。
なお、以上の各構成要素は、可能な限り互いに組み合わせることができる。
以上説明したように、本発明によれば、エアカーテンによって建造物の出入り口と隣接する室内空間内に流入する外気の量を抑制できると共に、出入り口と隣接する室内空間内に流入した外気が上方の空気と混合されることにより、外気が出入り口付近に滞留するのを防止でき、これにより出入り口付近の温度を室内温度に近づけることができるので、出入り口付近にいる利用者に不快感を与えるのを抑制できる。
また、本発明は、エアカーテン装置と送風手段とで構成できるので、装置全体の構成を簡略化でき、これによりコストダウンが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を添付した図1から図11に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整装置1を示す平面図である。
この空気調整装置1は、建造物2の外部と室内とを連絡し且つ外気の流入を抑制するための風除室15を有する第1出入り口11に対して、隣接する室内空間であるアトリウム10に第1出入り口11から流入する外気の影響を抑制するものである。
この空気調整装置1は、風除室15に空気流によるエアカーテンを形成するエアカーテン装置12と、第1出入り口11の上縁より上方で、第1出入り口11と隣接するアトリウム10内に設けられ、下方に向けて空気を送る送風手段である攪拌ファン13とを有している。なお、ここでは、アトリウムを建造物内部の吹き抜け空間の意味で用いる。
上記の第1出入り口風除室11の両側には、この第1出入り口11から少し離れて位置する2個の第2出入り口14,14が設けられている。第2出入り口には、手動ドア33が設けられている。
本例では、既設の回転扉を改造して第1出入り口11が設けられている。本実施形態では、夜間に建造物を閉鎖するため、第1出入り口11における風除室15の両側に扉を有するが、建造物の開館時はこの扉が常時開放されている。従って、第1出入り口11に扉がなく、屋内と屋外とは連通していても良い。
なお、図2中の符号17は空気送出路、18は空気吹き出し口、19は空気吸い込み口、20は空気回収路、32は風除室15の両側に設けられた仕切壁であり、これらの構成については、次に説明する。
エアカーテン設備12は、図3に示すように、風除室15の上方の空気を誘引して、仕切壁32内側(風除室15の外側)の送風路17に送り、空気吹き出し口18から噴出させ、風除室15の側方から出入り方向X(図2参照)に対し、直交する方向Yに空気流によるエアカーテンを形成するように構成されている。
すなわち、このエアカーテン装置12は、風除室15の出入り方向X(図2参照)に沿って、風除室15の内部空間を仕切るため上記の仕切壁32を有している。
また、このエアカーテン装置12は、上記の仕切壁32の下部であって、第1出入り口11の出入り方向Xに沿って且つ風除室15の内側に向けて開口した複数の空気吹き出し口18を仕切壁32に有している。
また、このエアカーテン設備12は、第1出入り口11の仕切り壁32より上側に設けられたファン16と、上記の空気吹き出し口18から噴出された空気を回収するため、仕切壁32の上部側に設けられた空気吸い込み口19と、この空気吸い込み口19で吸い込まれた空気をファン16側に戻すため仕切壁32の外側(風除室15の外側)に設けられた空気回収路20とを備えている。
上記の空気吹き出し口18は、第1風除室11の高さ方向における中央付近から床面31までの間に、縦横に互いに適宜な間隔をあけて多数設けられている。
つまり、仕切り壁32は多孔板で形成されている。開口した吹き出し口18のうち最も高い位置にある吹き出し口の高さは、風除室15の高さの1/3程度であり、本実施形態では風除室15の高さが2.5m程度、最上部の吹き出し口18の高さが0.8m程度である。
第1出入り口11の上側におけるファン16の周囲空間は、図4に示すように、仕切部材21によって仕切られ、ファン16の空気送出側に位置するサプライチャンバー22と、ファン16の空気吸い込み側に位置する吸い込みチャンバー23とが設けられている。
このうち、サプライチャンバー22は、上記の空気送出路17の上部側に接続されている。また、吸い込みチャンバー23は、上記の空気回収路20の上部側に接続されている。
ファン16から送出された空気24Aは、サプライチャンバー22、及び空気送出路17を介して、空気吹き出し口18から吹き出し気流として噴出される。
また、空気吹き出し口18から風除室15内に噴出され、エアカーテンとして用いられた空気24Bは、風除室15の上方に設けられた空気吸い込み口19(図2,3参照)から吸い込まれ、空気回収路20、及び吸い込みチャンバー23を介して、ファン16の吸い込み口側に吸い込み気流として戻される。
図1の攪拌ファン13は、図5に示すように、第1出入り口11の上縁11aより上方に複数設けられている。これらの攪拌ファン13は、アトリウム10内における高さが異なる場所、本例では、アトリウム10内の空間に面している2階〜4階の床部25〜27
に設けられている。
これらの攪拌ファン13から、下方に向けて空気28が送出される。また、上記の攪拌ファン13は、ノズル付きのファンであり、各床部25〜27に1台又は床部の幅方向に間隔をおいて複数台設けられている。本例では、各床部25〜27にそれぞれ6台設置されている。
次に、この建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整装置1の作用を説明する。ここでは、冬季を想定して説明する。
まず、第1出入り口11からアトリウム10内に流入する外気(冷気)について検討する。
(流入冷気風量及び熱量の算定)
本例では、図6に示すように、アトリウム10内の室温を22℃、外部の気温を0℃とする。アトリウム10内に外気が流入する開口は、第1出入り口11と第2出入り口14,14の3箇所である(図1参照)。
ここで、第1出入り口11の開口面積A1=3.1m(幅W)×2.4m(高さH)、第2出入り口14の開口面積A2=2.05m(幅W)×2.6m(高さH)とする。
図7に示すように、第1出入り口11及び第2出入り口14の室内外における圧力差ΔP,風速U(z),流入風量Qは、数式(1)〜(3)によって求めることができる。なお、図7中の左側の図は圧力差ΔPを示す図、右側の図は風速U(z)を示す図である。
ここで、第2出入り口14,14に設けられた手動ドアが常時開放されているものと想定し、第1出入り口11及び第2出入り口14,14を一個の開口と見なす。
そして、図7に示すように、この一個の開口を適宜な幅及び高さを有する出入り口29としてモデル化する。また、本例では、このモデル出入り口29の幅を、上記第1及び第2出入り口11,14の幅の合計(2.05+3.1+2.05)m=7.2m、高さを2.5mとする。
数式(1)に、空気比重量γ=1.2kgf/m3、空気体膨張係数β=1/300、温度差ΔT=22℃、モデル風除室29の開口高さH=2.5mを代入すると、モデル風除室29における内外の圧力差ΔP=0.22mmAqを得る。
また、モデル出入り口29から室内への流入気流の最大風速Umaxは、(γ/2g)×(Umax)2=(1/2)×ΔP=0.11の関係から、Umax=1.3m/sとなる。
数式(2)(3)から、モデル出入り口29からの流入風量Qは、開口幅1mにつきQ=0.8×(2/3)×(2.5/2)×(2×9.8×1.2×(1/300)×22×(2.5/2))1/2≒0.98(m3/s)となる。
また、モデル出入り口29の全幅からの流入風量Q=(0.98m3/s)×(7.2m)×(3600s)≒25,000(m3/h)となる。
この場合、外気流入負荷は、(25000m3/h)×(22℃)×(0.288kcl/m3℃)=158,400kcal/h≒184kWとなる。
(エアカーテンによる外気流入抑制効果)
図8は、第1出入り口11における空気の流れを示す。ここで、エアカーテン装置12の空気吹き出し面積A=1.5m(幅)×1.0m(高さ)、吹き出し風速V1=1.0m/s、エアカーテン風量QA=10,800m3/hとする。
吹き出し風速V1=1.0m/sは、第1出入り口11からの外気流入風速Umax=1.3m/sと同等レベルであり、第1出入り口11を通過する利用者が特に不快を感じないレベルである。
第1出入り口11にエアカーテンがない場合には、図9(a)に示すように、第1出入り口11から室内への流入風量Q1=11,000m3/hとなる。
第1出入り口11にエアカーテンを設けた場合には、図9(b)に示すように、エアカーテンによる流入有効面積縮小効果が作用し、第1出入り口11から室内への流入外気量は、エアカーテンがない場合に比べて30%程度低減される。すなわち、第1出入り口11から室内への流入外気量Q2=Q1×0.7=7,700m3/h程度となる。
また、エアカーテン吹き出し気流(22℃)と、流入冷気(0℃)とが混合され、流入冷気の温度が緩和される。本例では、エアカーテン吹き出し気流の30%程度の混合効果があるものとする。
この混合効果により、流入冷気の温度T1={(7,700m3/h)×(0℃)}+{(10,800m3/h)×0.3×(22℃)}=6.5℃程度となる。
このエアカーテンにおける排気熱の回収混合効果による省エネルギー効果は、厳冬期で約半減を期待できる。すなわち、第1出入り口11にエアカーテンがない場合の暖房負荷は、(11,000m3/h)×(22℃)×0.288=69,696kcal/hである。
これに対して、第1出入り口11にエアカーテンがある場合の暖房負荷は、(7,700m3/h)×{((22−6.5)℃)}×0.288=34,372kcal/hとなる。
第1出入り口11にエアカーテンがある場合の暖房負荷は、エアカーテンがない場合に比べて35,324kcal/h少なく、約50%の低減となる。
(攪拌ファン13による空気混合効果)
図10は、攪拌ファン13から下方に空気を送った場合におけるアトリウム10内の空気30の流れを示す。なお、ここでは一個の攪拌ファン13について説明するが、攪拌ファン13が複数個ある場合には、各攪拌ファン13について同様に作用する。
アトリウム10内では、上方の空気30が異なる高さに設けられた攪拌ファン13(1個のみ図示)によって斜め下方に送られる。この斜め下方に送られた空気30は、攪拌ファン13の斜め下方で第1出入り口11寄りの床面31に衝突し、床面31に沿って放射方向にある程度の距離だけ流れた後上昇し、再度攪拌ファン13によって下方に送られる。
そして、上階、本実施例では4階床付近の最高点の空気を4階床に設置した攪拌ファン13で3階近傍に送り、これ以降同様にして攪拌ファン13の周囲の空気を誘引しながら
1階床近傍まで下降させる。
このようにして、アトリウム10内の上下の空気30が上下に循環する。このとき、床面31から2m程度の高さまでは、低温外気の誘引混合域Y1となり、それより上では周囲空気の誘引混合域Y2となる。これにより、上方の温度の高い空気30と、第1風除室11から流入した冷気とが混合され、第1風除室11付近の空気温度が、流入した冷気の温度より高くなる。
例えば、攪拌ファン13の送風量が1,000m3/hであり、この攪拌ファン13が10台設置されている場合には、攪拌ファン13から送出される合計風量は10,000m3/hとなる。
攪拌ファン13から空気30が送出されると、その周囲の空気が誘引される。この誘因風量は攪拌ファン13から送出される空気量の3倍程度、本例では30,000m3/h程度になる。従って、上下に循環する空気量は合計40,000m3/h程度となる。
この循環する空気30は、第1出入り口11からアトリウム10内に流入する冷気と混合される。エアカーテンがある場合、第1出入り口11からアトリウム10内に流入する全空気量QTは、外部から第1出入り口11内に流入する流入外気量Q2と、エアカーテンで用いられる空気量QAの約3割の空気量(0.3QA)との合計になる。すなわち、QT=(7,700m3/h)+{(10,800×0.3)m3/h}≒11,000m3/hとなる。
アトリウム10内で上下に循環する空気量40,000m3/hと、第1出入り口11からアトリウム10内に流入する冷気の全空気量QT=11,000m3/hとが混合された場合、アトリウム10内の空気による混合の効果を30%とすると、混合された空気の温度T2={(11,000m3/h)×(6.5℃)+(40,000m3/h)×0.3×(22℃)}/{(11,000m3/h)+(40,000m3/h)×0.3}=14.6(℃)となる。
すなわち、流入した冷気と室内における上方の空気とが混合した後の温度は、第1出入り口11から室内に流入した冷気の温度6.5℃より、8.1℃高くなる。
このように、本発明では、アトリウム10の第1出入り口11にエアカーテンを形成すると共に、第1出入り口11の上縁より上方に攪拌ファン13を設けて、アトリウム10内の空気を上下に循環させることにより、第1出入り口11よりアトリウム10内に流入した外部の冷気と、アトリウム10内の上の空気とを混合させて、第1出入り口11近傍の温度を室温に近づけることができる。
例えば、上記のように外部から第1出入り口11に流入する冷気の温度が0℃程度であり、アトリウム10内の上方の空気温度が22℃である場合、アトリウム10内の第出入り口11付近では、空気の温度が14.6℃程度まで高くなるので、第1出入り口11の付近にいる利用者に不快感を与えるのを防止できる。
また、本発明の空気調整装置1は、エアカーテン装置12及び攪拌ファン13など一般的な設備を用いて構成できるので、装置全体の構成を簡略化でき、これによりコストダウンが可能になる。
また、建造物2の上層階では、冬季においても冷房を施す傾向にあり、上記のようにアトリウム10内の空気30を上下に循環することにより、第1出入り口11付近の冷気が
上層階にも拡散されるので、上層階において熱利得(ヒートゲイン、冷房負荷低減)が得られる。
なお、厳冬期のように、アトリウム内外の温度差が所定値以上の場合には、第2出入り口14,14を常時閉鎖したり、アトリウム10内の空気を冷却して空気温度を下げて、内外の温度差を小さくすることによって、冷気の流入を更に抑制できる。
また、アトリウム10内で冷気の影響が大きい一部分、すなわち、一部分の空気温度がその周囲の部分より低い場合には、この一部分に輻射暖房器具を用いて輻射熱を放射することにより、ここにいる利用者の体感温度が改善される。従って、利用者に不快感を与えるのを防止できる。
更に、上記の実施例では、第1出入り口11の両側から風除室15に空気を噴射してエアカーテンを設けたが、図11に示すように、第1出入り口11の床面31に空気吹き出し口18を設け、この空気吹き出し口18から風除室15に0.5m/s程度で空気を噴射することができる。
これにより、流入冷気と室内空気との混合が促進されるので。第1出入り口11から室内に流入する冷気の温度を更に室内温度に近づけることができる。
なお、上記の実施例では、第1及び第2出入り口11,14からアトリウム10内に外部から流入する冷気の影響を抑制する場合について説明したが、アトリウム10の上方に窓ガラスが設けられている場合には、窓ガラスの近傍の空気が冷却されて、コールドドラフトが第1出入り口11付近まで下降した際にも、このコールドドラフトの影響を本発明の空気調整装置1によって抑制できる。
また、上記の実施例では、本発明をアトリウムに適用した場合に説明したが、本発明はアトリウムに限らず、エントランスホール、ロビーなど各種の出入り口と隣接する室内空間に適用できる。
更に、上記の実施例では、風除室15の水平断面を楕円形にした場合について例示したが、矩形でも良い。また、風除室15は、建造物2の内側と外側とをある程度の奥行き(出入り方向の距離)をもって隔てる空間であればよい。
本発明に係るアトリウムにおける空気調整装置を示す平面図である。 本発明に係る風除室を示す斜視図である。 本発明に係るエアカーテン装置を示す正面図であり、図1のA矢視図である。 本発明に係るエアカーテン装置のファン及び空気の通路を示す上面図であり、図3のB−B断面図である。 本発明に係る攪拌ファンの設置位置を示す側面図である。 本発明に係る外気が流入する風除室を示す図である。 本発明に係るモデル風除室における内外の圧力差、流入風速、流入空気量などの算出方法を示す図である。 本発明に係る風除室における空気の流れを示す斜視図である。 本発明に係るエアカーテンの作用を説明する平面図であり、図9(a)はエアカーテンがない場合の流入外気量、図9(b)はエアカーテンがある場合の流入外気量を示す図である。 本発明に係る攪拌ファンによる空気の循環状態を示す図である。 本発明に係るエアカーテン装置の別の実施例を示す図である。
符号の説明
1 空気調整装置
2 建造物
10 アトリウム
11 第1出入り口
12 エアカーテン装置
13 攪拌ファン
14 第2出入り口
15 風除室
16 ファン
17 空気送出路
18 空気吹き出し口
19 空気吸い込み口
20 空気回収路
21 仕切部材
22 サプライチャンバー
23 吸い込みチャンバー
24A,24B 空気
25 床部
28 空気
29 モデル出入り口
30 空気
31 床面
32 仕切壁

Claims (8)

  1. 建造物の外部と室内とを連絡し、且つ前記外部から前記室内に流入する外気を抑制するための風除室を有する出入り口に対して隣接する室内空間に、前記出入り口から流入する外気の影響を抑制する空気調整方法であって、
    前記風除室に空気流によるエアカーテンを形成するとともに、
    前記出入り口と隣接する前記室内空間の上方の空気を下方へと送り、前記出入り口と隣接する前記室内空間の下部の空気と混合させることを特徴とする建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整方法。
  2. 前記出入り口と隣接する室内空間における上方の空気を前記エアカーテン用空気として送り、前記室内空間の下部における外部からの流入空気と混合させることを特徴とする請求項1に記載の建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整方法。
  3. 前記出入り口と隣接する室内空間内における一部分の空気温度がその周囲の空気温度より低い場合には、前記出入り口と隣接する室内空間内に設けられた輻射熱放射手段によって、前記一部分に輻射熱を放射することを特徴とする請求項1又は2に記載の建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整方法。
  4. 前記出入り口から前記出入り口と隣接する室内空間内に流入した外気を、前記出入り口と隣接する室内空間内の上方の空気と混合させる際には、前記出入り口の上縁より高く、且つ高さの異なる複数の場所から下方に向けて空気を送出することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整方法。
  5. 建造物の外部と室内とを連絡し、且つ前記外部から前記室内に流入する外気を抑制するための風除室を有する出入り口に対して隣接する室内空間に、前記出入り口から流入する外気の影響を抑制する空気調整装置であって、
    前記風除室に空気流によるエアカーテンを形成するエアカーテン装置と、
    前記出入り口の上縁より上方の前記出入り口と隣接する室内空間に設けられ、下方に向けて空気を送る送風手段とを有することを特徴とする建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整装置。
  6. 前記エアカーテン装置は、前記風除室の出入り方向に沿って該風除室を仕切る仕切壁を有すると共に、この仕切壁下部であって、かつ、前記風除室の進行方向に沿って開口した空気吹き出し口をこの仕切壁に有し、
    かつ、前記風除室の上方の空気を誘引して、前記仕切壁内側の送風路に送り、前記空気吹き出し口から排出させ、前記風除室の側方から出入り方向に対し、直交する方向に空気流によるエアカーテンを形成することを特徴とする請求項5に記載の建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整装置。
  7. 前記出入り口と隣接する室内空間内における一部分の空気温度がその周囲の空気温度より低い場合、前記一部分に輻射熱を放射する輻射熱放射手段を有することを特徴とする請求項5に記載の建造物の出入り口と隣接する室内空間における空気調整装置。
  8. 前記送風手段は、前記出入り口の上縁より高く且つ高さの異なる複数の場所に設けられていることを特徴とする請求項5から7の何れかに記載の建造物風除室と隣接する室内空間における空気調整装置。
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