JP2006029471A - 回転伝達装置 - Google Patents

回転伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006029471A
JP2006029471A JP2004210122A JP2004210122A JP2006029471A JP 2006029471 A JP2006029471 A JP 2006029471A JP 2004210122 A JP2004210122 A JP 2004210122A JP 2004210122 A JP2004210122 A JP 2004210122A JP 2006029471 A JP2006029471 A JP 2006029471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation
cam surface
input
transmission device
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004210122A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahide Saito
隆英 齋藤
Tomoaki Makino
智昭 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2004210122A priority Critical patent/JP2006029471A/ja
Publication of JP2006029471A publication Critical patent/JP2006029471A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

【課題】軸方向寸法を小さくすることにより薄型化を実現容易にした回転伝達装置を提供する。
【解決手段】 静止側部材25,26に対して入力側回転部材21と出力側回転部材22を正逆回転自在に同軸上に配置し、前記入力側回転部材21と出力側回転部材22の両軸端に設けられたフランジ面21a,22aを対向させ、その対向したフランジ面21a,22aの一方にカム面35、その他方に平面36をそれぞれ形成することにより両フランジ面間に楔空間37を形成し、両フランジ面間にトルク伝達部材23を保持した保持プレート24を介在させ、その保持プレート24と静止側部材25,26との間に設けられた回転抵抗付与手段27により入力側回転部材21と保持プレート24の回転位相差を制御することにより前記楔空間37でのトルク伝達部材23の係合・離脱を切り替える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等に利用されるもので、入力側からの回転トルクのみを出力側へ伝達するクラッチ機能と、出力側からの逆入力トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能とを併せ持つクラッチ等の回転伝達装置に関する。
例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等に利用されるもので、入力側からの回転トルクのみを出力側へ伝達するクラッチ機能と、出力側からの逆入力トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能とを併せ持つクラッチとしては、種々のタイプのものがある。
図11は、逆入力遮断機能を有するクラッチの一例を示す(例えば、特許文献1参照)。このクラッチは、入力側回転部材としての入力外輪11と、出力側回転部材としての出力内輪12と、トルク伝達部材としてのローラ13と、そのローラ13を保持する保持器14と、その保持器14の位置決めを行う弾性部材としてのセンタリングばね15と、静止側部材としてのハウジング16と、そのハウジング16に対して摺動しながら保持器14に係合して連れ回り、保持器14の回転に対して保持器14に摩擦抵抗を作用させる回転抵抗付与手段としての摺動ばね17とで主要部が構成されている。
前述の入力外輪11の内周面には、出力内輪12の外周面との間に正逆両回転方向に対称に楔空間を形成したカム面19が円周方向等間隔に形成されている。ハウジング16に摺動自在に装着された摺動ばね17は、保持器14に形成された突起部14dと円周方向に係合可能な形状となっている。出力内輪12は、入力外輪11と同軸的に配置されている。保持器14には、その円周方向等間隔に形成された複数のポケット14aにローラ13が収容配置されると共に、それら保持器14および入力外輪11にセンタリングばね15が嵌合されている。
このクラッチにおいて、回転トルクが入力外輪11に作用すると、入力外輪11は回転開始する。この時、保持器14は、センタリングばね15によって入力外輪11に連結されていることから、入力外輪11と共に回転を始める。その保持器14が回転すると、保持器14の突起部14dが摺動ばね17に接触し、その状態で摺動ばね17が連れ回るようになる。この摺動ばね17は、ハウジング16との間で滑り摩擦抵抗を受け、この滑り摩擦抵抗が突起部14dを介して保持器4の回転抵抗となる。
ここで、摺動ばね17の滑り摩擦抵抗に起因する保持器14の回転抵抗がセンタリングばね15の弾性力よりも大きいため、センタリングばね15が弾性変形し、その分、保持器14に回転位相遅れが生じ、その回転位相差によりローラ13が入力外輪11に対して相対移動して楔空間18で噛み込んだ状態となり、入力外輪11に入力された回転トルクは、出力内輪12に伝達される。
一方、出力内輪12に逆入力の回転トルクが作用すると、センタリングばね15により位置決めされた保持器14によって保持されたローラ13が楔空間18の円周方向中央に位置し続けることから、入力外輪11に対して保持器14が回転位相遅れを生ずることなく、ローラ13が楔空間18に押し込まれることはない。その結果、入力外輪11と出力内輪12は回転方向に係合せず、出力内輪12は空転してその出力内輪12に入力された回転トルクは、入力外輪11に伝達されずに遮断される。
特開2003−120715号公報
ところで、前述したクラッチでは、入力外輪11と出力内輪12との間に、複数のローラ13を円周方向等間隔に保持器14により配置した状態で介在させた構造を具備する。つまり、複数のローラ13は、その軸方向を入力外輪11および出力内輪12の軸方向と一致させるように配置されている。その結果、このクラッチでは、ローラ13の軸方向寸法を必要とすることから、その軸方向に対してクラッチの薄型化を実現することが困難であった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、軸方向寸法を小さくすることにより薄型化を実現容易にし得る回転伝達装置を提供することにある。
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、静止側部材に対して入力側回転部材と出力側回転部材を正逆回転自在に同軸上に配置し、前記入力側回転部材と出力側回転部材の両軸端に設けられたフランジ部を対向させ、その対向面の一方にカム面、その他方にフラット面をそれぞれ形成することにより前記対向面間に楔空間を形成し、その楔空間で係合・離脱可能なトルク伝達部材を保持した保持プレートを前記対向面間に介在させ、その保持プレートと静止側部材との間に設けられた回転抵抗付与手段により入力側回転部材と保持プレートの回転位相差を制御することでもって前記楔空間でのトルク伝達部材の係合・離脱を切り替えることを特徴とする。
本発明に係る回転伝達装置では、入力側回転部材と出力側回転部材を同軸上に配置し、それら両回転部材の軸端にフランジ部を設けて対向させ、その対向面の一方にカム面、その他方にフラット面をそれぞれ形成することにより両対向面間に楔空間を形成し、その楔空間で係合・離脱可能なトルク伝達部材を保持した保持プレートを前記対向面間に介在させた構造としたことにより、入力側回転部材と出力側回転部材間に介在するトルク伝達部材の軸方向を、両回転部材の軸方向と直交する径方向にすることが可能となるため、回転伝達装置の軸方向寸法を小さくして薄型化を実現することが容易となる。
本発明は、例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等に利用されるもので、入力側からの回転トルクのみを出力側へ伝達するクラッチ機能と、出力側からの逆入力トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能とを併せ持つクラッチに適用すれば、有効な手段となる。
前述の構成における楔空間としては、フラット面に対して凹形状をなし、そのフラット面に対する軸方向深さが最深となる位置から円周方向両側へ向けて漸次浅くなるようなカム面を有する構造が可能である。また、前述のトルク伝達部材としては、円筒ローラ、円錐ローラあるいは鋼球のうちから選択されたいずれかを使用することが可能である。
ここで、従来のクラッチにおいて、入力トルクが増大した場合、トルク伝達部材であるローラが楔空間に押し込まれ続け、ローラとその接触面近傍では過大な変形が生じる。その変形エネルギーによりローラが楔空間から勢いよくはじき出される現象(ポップアウト)や、変形量過大によりローラが隣接するカム面まで到達する現象(ロールオーバー)を発生する可能性がある。
このポップアウトやロールオーバーを未然に防止する手段として、過大トルクの伝達を遮断するためのトルクリミッタを動力伝達系に付設することが考えられるが、その場合、装置全体の大型化およびコストアップを招来することになって好ましい手段ではない。
そこで、本発明では、前述した構成において、カム面とフラット面が近接する方向に押圧力を作用させる弾性部材を、静止側部材とフランジ部との間に設けた構造とすることが望ましい。なお、静止側部材とフランジ部との間に、例えばスラスト軸受およびラジアル軸受からなる軸受構造を介在させることが可能である。また、前述の弾性部材を当接させるフランジ部は、入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれであってもよい。
このようにすれば、入力トルクが増大した場合、トルク伝達部材であるローラが楔空間に押し込まれ続け、ローラとその接触面近傍で過大な変形が生じる前に、弾性部材の弾性力に抗してカム面とフラット面が離反する方向に変形エネルギーが作用する。その変形エネルギーを前述の弾性部材によるトルクリミッタ機能で遮断することにより、ポップアウトやロールオーバーを未然に防止できる。なおかつ、そのトルクリミッタ機能は、クラッチ内部もしくはその作動に付随した構造として付加できるので、装置全体の大型化およびコストアップを招来することはない。
また、前述の弾性部材を静止側部材とフランジ部との間に設けた構造に、カム面の円周方向端部と隣接する部位にトルク伝達不可領域を形成した構造を付加することが望ましい。特に、そのトルク伝達不可領域は、カム面と対向するフラット面と平行な面で構成したり、あるいは、カム面の楔角度より大きな角度を有する凹面で構成したりすることが可能である。
このような構造とすれば、入力トルクが増大した場合、トルク伝達部材であるローラが楔空間に押し込まれ続け、ローラとその接触面近傍で過大な変形が生じても、弾性部材によりカム面とフラット面が離反する方向に変形エネルギーが作用すると共に、ローラがカム面を乗り越えてトルク伝達不可領域へ移動することにより、トルクリミッタ機能を確実に発揮させることが可能となる。
本発明によれば、入力側回転部材と出力側回転部材を同軸上に配置し、それら両回転部材の軸端にフランジ部を設けて対向させ、その対向面の一方にカム面、その他方にフラット面をそれぞれ形成することにより両対向面間に楔空間を形成し、その楔空間で係合・離脱可能なトルク伝達部材を保持した保持プレートを前記対向面間に介在させた構造としたことにより、入力側回転部材と出力側回転部材間に介在するトルク伝達部材の軸方向を、両回転部材の軸方向と直交する径方向にすることが可能となるため、回転伝達装置の軸方向寸法を小さくして薄型化を実現することが容易となる。
また、前述した構成において、カム面とフラット面が近接する方向に押圧力を作用させる弾性部材を、静止側部材とフランジ部との間に設けた構造とすれば、入力トルクが増大した場合、トルク伝達部材であるローラが楔空間に押し込まれ続け、ローラとその接触面近傍で過大な変形が生じようとしても、そのエネルギーをトルクリミッタ機能により遮断することで、ポップアウトやロールオーバーを未然に防止できる。なおかつ、そのトルクリミッタ機能は、クラッチ内部もしくはその作動に付随した構造として付加できるので、装置全体の大型化およびコストアップを回避できる。
本発明に係る回転伝達装置の実施形態を以下に詳述する。図1に示す実施形態は、例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等に利用され、入力側からの回転トルクのみを出力側へ伝達するクラッチ機能と、出力側からの逆入力トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能とを併せ持つクラッチに適用した例示である。
図1に示す実施形態のクラッチは、入力側回転部材としての入力軸21と、その入力軸21と同軸的に配置された出力側回転部材としての出力軸22と、それら入力軸21と出力軸22との間に介挿されたトルク伝達部材としての複数のローラ23と、入力軸21と出力軸22との間に介挿されてローラ23を保持する保持プレート24と、静止側部材としての入力側ハウジング25および出力側ハウジング26と、保持プレート24の回転に対して保持プレート24に摩擦抵抗を作用させる回転抵抗付与手段としての弾性体27と、入力軸21に対して弾性力を付与することによりトルクリミッタとして機能する弾性部材28とで主要部が構成されている。
入力軸21は、入力側ハウジング25にラジアル軸受29を介して径方向に支持され、スラスト軸受30、プレート31および弾性部材28を介して軸方向に支持されている。また、出力軸22は、出力側ハウジング26にラジアル軸受32を介して径方向に支持され、スラスト軸受33を介して軸方向に支持されている。入力側ハウジング25と出力側ハウジング26は、ボルト34により同軸的に連結されている。
なお、入力側のスラスト軸受30、プレート31およびラジアル軸受29を一体とし、コンパクト化を図ることも可能である。また同様に、出力側のスラスト軸受33およびラジアル軸受32を一体とし、コンパクト化を図ることも可能である。
一方、入力軸21と出力軸22の対向する内側軸端にはフランジ部21a,22aがそれぞれ一体的に設けられ、入力軸21のフランジ部21aの対向面にカム面35を形成すると共に、出力軸22のフランジ部22aの対向面にフラット面36を形成する。このカム面35は、図2および図3に示すように出力軸22のフラット面36に対して凹形状をなす箇所(この実施形態では、例えば三箇所)を円周方向等間隔に形成している。
各箇所において、出力軸22のフラット面36に対する入力軸21のカム面35の軸方向深さが最深となる位置(図中の平面35’)から円周方向両側へ向けて漸次浅くなるカム面35を形成することにより、図4に示すように出力軸22のフラット面36との間で楔空間37を形成した構造としている。
図3は、ローラ23がカム面35の最深位置(平面35’)に位置して入力軸21と出力軸22間で係合していないクラッチ空転時の状態を示す。また、隣接するカム面35同士の間にはトルク伝達不可領域が形成されており、この実施形態では、カム面35と対向するフラット面36と平行な面、つまり、フラット面38をトルク伝達不可領域として形成している。
なお、この実施形態では、入力軸21のフランジ部21aにカム面35を形成し、出力軸22のフランジ部22aにフラット面36を形成することにより楔空間37を設けているが、逆に、出力軸22のフランジ部22aにカム面を形成し、入力軸21のフランジ部21aにフラット面を形成することにより楔空間を設けることも可能である。
保持プレート24は、図5に示すように円周方向等間隔に複数(この実施形態では、例えば三個)のポケット39が放射状に形成され、各ポケット39にローラ23が転動自在に収容されている。これにより、ローラ23は、その軸方向を径方向と一致させた状態で入力軸21のカム面35と出力軸22のフラット面36との間に配置されることになる。なお、この実施形態では、トルク伝達部材として円筒ローラ23を例示しているが、その他、円錐ローラや鋼球をトルク伝達部材とすることも可能である。
出力側ハウジング26における出力軸22のフランジ部22aの外側部位には、弾性体27が取り付けられており、この弾性体27に当接した状態で保持プレート24が摺動することにより、その保持プレート24に摩擦抵抗を作用させるようにしている。
入力側ハウジング25とプレート31との間には、トルクリミッタ機能を発揮する弾性部材28が取り付けられており、この弾性部材28の弾性力によりスラスト軸受30を介して入力軸21のフランジ部21aが出力軸22のフランジ部22aに近接する方向に向けて軸方向の押圧力を作用させるようにしている。
この実施形態におけるクラッチにおいて、回転トルクが入力軸21に作用していない初期状態では、弾性部材28により入力軸21が出力軸22と近接する方向に押圧されていることから、ローラ23は入力軸21のカム面35の円周方向中央に位置する状態に保持されている(図3参照)。
この状態で出力軸22に逆入力の回転トルクが作用した場合、その出力軸22のフランジ部22aは回転するが、弾性部材28により入力軸21が出力軸22と近接する方向に押圧され、かつ、弾性体27により保持プレート24に摩擦抵抗が付与された状態であることから、ローラ23が楔空間37の円周方向中央に位置し続けてその楔空間37で噛み込むことなく、入力軸21と出力軸22は回転方向に係合せず、出力軸22は空転してその出力軸22に逆入力された回転トルクは、入力軸21に伝達されずに遮断される。
一方、回転トルクが入力軸21に作用すると、入力軸21のフランジ部21aのカム面35が回転するが、ローラ23を保持している保持プレート24には、出力側ハウジング26に対して弾性体27を介して摩擦抵抗が付与されている。そのため、この摩擦抵抗が保持プレート24の回転抵抗となって、保持プレート24およびローラ23は入力軸21のカム面35に対して回転位相遅れを生じる。
その結果、入力軸21のカム面35に対してローラ23は、図6に示すような配置関係となって、そのカム面35と出力軸22のフラット面36とで形成される楔空間37でローラ23が噛み込んだ状態となり、入力軸21のカム面35と出力軸22のフラット面36とが係合することにより、入力軸21に入力された回転トルクは出力軸22に伝達される。
なお、保持プレート24は、図5に示すようにその中央部分に穿設された孔40により入力軸21に対して半径方向に支持されているため、ローラ23はカム面35に対して半径方向にずれることなく当接することが可能である。
前述した回転トルクの入力時には、図7に示すようにローラ23が、楔角度θを有する楔空間37に噛み込んだ状態となっているため、入力軸21のカム面35と出力軸22のフラット面36とが離反する方向に力が作用している。その力は、スラスト軸受30およびプレート31を介して弾性部材28を撓ませることになる。
この状態から、入力軸21への回転トルクがゼロになると、前述の弾性部材28の復元力により、プレート31およびスラスト軸受30を介して入力軸21のカム面35が出力軸22のフラット面36に向けて押し戻され、図4に示すようにローラ23は入力軸21のカム面35の円周方向中央に位置する状態に保持されて、入力軸21のカム面35と出力軸22のフラット面36とが非係合状態となる。
この回転トルクの入力時、前述したように入力軸21のカム面35と出力軸22のフラット面36とがローラ23によって離反する方向に力が作用しているが、その状態から、さらに入力軸21の回転トルクが増大すると、弾性部材28がさらに変形することになり、図8に示すようにローラ23がカム面35を乗り上げてトルク伝達不可領域であるフラット面38に達する。その結果、入力軸21から出力軸22へ伝達される回転トルクは、弾性部材28の軸方向力に、(ローラ接触面の摩擦係数)×(ローラ公転半径)を乗じた程度となり、トルク伝達が不可となって過大トルクに対するトルクリミッタ機能を発揮することになる。
なお、この実施形態では、トルクリミッタ機能を発揮する弾性部材28を、入力側ハウジング25とプレート31との間に介在させているが、トルクリミッタ機能を発揮させ得る箇所であれば、その弾性部材28を設ける部位は任意である。
前述した実施形態では、トルクリミッタ機能を発揮させる構造として、隣接するカム面35同士の間に設けられたトルク伝達不可領域として、カム面35と対向するフラット面36と平行な面、つまり、フラット面38を入力軸21のフランジ面21aに形成していたが、他の構造からなるトルク伝達不可領域も可能である。
他の実施形態のトルク伝達領域としては、図9および図10に示すようにカム面35の楔角度θaより大きな角度θbを有する凹面41をカム面35と隣接させて形成した構造が可能である。同図は、入力軸21のカム面35、ローラ23、保持プレート24、出力軸22のフラット面36および弾性部材28を模式的に表したものであり、弾性部材28は出力軸22のフランジ部22a側に設けた場合を例示する。
図9は、入力軸21のカム面35と出力軸22のフラット面36との間で形成された楔空間37にローラ23が噛み込んだ状態を示す。この入力軸21のカム面35は、楔角度θaを有する。また、図10は、図9に示す入力軸21のカム面35の端部に、そのカム面35の楔角度θaよりも大きな楔角度θbを有する凹面41を形成し、その凹面41にローラ23が配置された状態を示す。このカム面35と隣接する凹面41がトルクリミッタ機能を発揮する箇所となる。
図9に示す状態で、楔角度θaにより決定される値のトルク伝達が可能であるが、さらに入力トルクが増大すると、弾性部材28を撓ませつつ、図10に示すように楔角度θbを持つ凹面41とフラット面36との間にローラ23が押し込まれた状態となる。ここで、一般的なローラクラッチでは、ローラ接触面での最大摩擦係数をμ、楔角度をθとした場合、μ>tan(θ/2)が成り立つような寸法関係を有する。この関係が崩れる条件、つまり、μ<tan(θ/2)となると、ローラ23が楔空間37に自己保持されなくなる。この関係を利用して、μ>tan(θa/2)、かつ、μ<tan(θb/2)と設定することにより、図10に示す状態となった時には、ローラ23が楔空間37から押し出されて凹面41に配置された状態でトルクリミッタとして機能させることが可能となる。
本発明に係る回転伝達装置の実施形態で、クラッチの基本構成を示す断面図である。 図1における入力軸のフランジ部を示す部分斜視図である。 図1における入力軸のフランジ部に形成されたカム面および非係合位置でのローラを示す側面図である。 図1における入力軸のカム面、出力軸の平面、保持プレートおよびローラを示す断面図である。 図1の保持プレートを示す側面図である。 図1における入力軸のフランジ部に形成されたカム面および係合位置でのローラを示す側面図である。 図1における入力軸のカム面、出力軸の平面、保持プレートおよびローラで、ローラがカム面に押し込まれた状態を示す断面図である。 図1における入力軸のカム面、出力軸の平面、保持プレートおよびローラで、ローラがカム面から乗り上げた状態を示す断面図である。 本発明の他の実施形態で、入力軸のカム面、出力軸の平面、保持プレートおよびローラで、ローラがカム面に押し込まれた状態を示す断面図である。 図9の状態から、ローラがカム面を逸脱して凹面に押し込まれた状態を示す断面図である。 従来の回転伝達装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
21 入力側回転部材(入力軸)
22 出力側回転部材(出力軸)
23 トルク伝達部材(ローラ)
24 保持プレート
25 静止側部材(入力側ハウジング)
26 静止側部材(出力側ハウジング)
27 回転抵抗付与手段(弾性体)
28 弾性部材
35 カム面
36 平面
37 楔空間

Claims (9)

  1. 静止側部材に対して入力側回転部材と出力側回転部材を正逆回転自在に同軸上に配置し、前記入力側回転部材と出力側回転部材の両軸端に設けられたフランジ部を対向させ、その対向面の一方にカム面、その他方にフラット面をそれぞれ形成することにより前記対向面間に楔空間を形成し、その楔空間で係合・離脱可能なトルク伝達部材を保持した保持プレートを前記対向面間に介在させ、その保持プレートと静止側部材との間に設けられた回転抵抗付与手段により入力側回転部材と保持プレートの回転位相差を制御することでもって前記楔空間でのトルク伝達部材の係合・離脱を切り替えることを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記楔空間は、フラット面に対して凹形状をなし、そのフラット面に対する軸方向深さが最深となる位置から円周方向両側へ向けて漸次浅くなるようなカム面を有する請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記カム面とフラット面が近接する方向に押圧力を作用させる弾性部材を、静止側部材とフランジ部との間に設けた請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記静止側部材とフランジ部との間に軸受構造を介在させた請求項3に記載の回転伝達装置。
  5. 前記軸受構造は、スラスト軸受およびラジアル軸受で構成されている請求項4に記載の回転伝達装置。
  6. 前記カム面の円周方向端部と隣接する部位にトルク伝達不可領域を形成した請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転伝達装置。
  7. 前記トルク伝達不可領域は、カム面と対向するフラット面と平行な面で構成されている請求項6に記載の回転伝達装置。
  8. 前記トルク伝達不可領域は、カム面の楔角度より大きな角度を有する凹面で構成されている請求項6に記載の回転伝達装置。
  9. 前記トルク伝達部材は、ローラあるいはボールのうちから選択されたいずれかである請求項1〜8のいずれか一項に記載の回転伝達装置。
JP2004210122A 2004-07-16 2004-07-16 回転伝達装置 Withdrawn JP2006029471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004210122A JP2006029471A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 回転伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004210122A JP2006029471A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 回転伝達装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006029471A true JP2006029471A (ja) 2006-02-02

Family

ID=35896067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004210122A Withdrawn JP2006029471A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 回転伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006029471A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3129671B1 (en) Pulley assembly with radially oriented decoupling mechanism
JP2008261488A (ja) ローラ型ワンウェイクラッチ
JP6086735B2 (ja) 回転伝達装置
JP6251063B2 (ja) 回転伝達装置
JP2009293654A (ja) 回転伝達装置
WO2017018123A1 (ja) 逆入力遮断クラッチ
JP5902527B2 (ja) 回転伝達装置
JP2006112524A (ja) 逆入力遮断クラッチ
JP7141239B2 (ja) ワンウェイクラッチ
JP2010242802A (ja) 逆入力遮断クラッチ
US7284646B2 (en) Rotary motion type one-way clutch
JP2006029471A (ja) 回転伝達装置
JP4850544B2 (ja) 逆入力遮断クラッチ
JP2006046457A (ja) 回転伝達装置
EP3051162B1 (en) Rotation transmitting device
JP2010127349A (ja) 逆入力防止クラッチ
WO2004072504A1 (ja) 回転作動型ワンウェイクラッチ
JP2006046458A (ja) 回転伝達装置
JP2017198292A (ja) ギヤ減速装置
JP2006118645A (ja) 回転伝達装置
JP2009078598A (ja) ハイブリッド車両の駆動力伝達装置
JP5005623B2 (ja) 逆入力遮断クラッチ
JP7096038B2 (ja) ワンウェイクラッチ
JPH0925942A (ja) 二方向クラッチ
JP2019065943A (ja) 小型構造の逆入力遮断クラッチ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002