JP2006046457A - 回転伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向寸法を小さくすることにより薄型化を実現容易にした回転伝達装置を提供する。
【解決手段】 静止側部材25,26に対して入力側回転部材21と出力側回転部材22を正逆回転自在に同軸上に配置し、入力側回転部材21に、カム面35が形成されたカムフランジ21aを設け、そのカム面35と対向する側で、平坦面36が形成された平面フランジ31を軸方向移動を規制した状態で回転可能かつ軸方向移動可能に装着することにより、カム面35と平坦面36間に楔空間37を形成し、その楔空間37で係合・離脱可能なトルク伝達部材23を保持した保持プレート24をカム面35と平坦面36間に介在させ、平面フランジ31とその軸方向移動規制部位との間に、カムフランジ21aと平面フランジ31を軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させる弾性体28を介在させ、平面フランジ31を出力側回転部材22にトルク伝達可能に連結する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等に利用されるもので、入力側からの回転トルクのみを出力側へ伝達するクラッチ機能と、出力側からの逆入力トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能とを併せ持つクラッチ等の回転伝達装置に関する。
例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等に利用され、入力側からの回転トルクのみを出力側へ伝達するクラッチ機能と、出力側からの逆入力トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能とを併せ持つクラッチとしては、種々のタイプのものがある。
図11は、逆入力遮断機能を有するクラッチの一例を示す(例えば、特許文献1参照)。このクラッチは、入力側回転部材としての入力外輪11と、出力側回転部材としての出力内輪12と、トルク伝達部材としてのローラ13と、そのローラ13を保持する保持器14と、その保持器14の位置決めを行う弾性部材としてのセンタリングばね15と、静止側部材としてのハウジング16と、そのハウジング16に対して摺動しながら保持器14に係合して連れ回り、保持器14の回転に対して保持器14に摩擦抵抗を作用させる回転抵抗付与手段としての摺動ばね17とで主要部が構成されている。
前述の入力外輪11の内周面には、出力内輪12の外周面との間に正逆両回転方向に対称に楔空間18を形成したカム面19が円周方向等間隔に形成されている。ハウジング16に摺動自在に装着された摺動ばね17は、保持器14に形成された突起部14dと円周方向に係合可能な形状となっている。出力内輪12は、入力外輪11と同軸上に配置されている。保持器14には、その円周方向等間隔に形成された複数のポケット14aにローラ13が収容配置されると共に、それら保持器14および入力外輪11にセンタリングばね15が嵌合されている。
このクラッチにおいて、回転トルクが入力外輪11に作用すると、入力外輪11は回転を開始する。この時、保持器14は、センタリングばね15によって入力外輪11に連結されていることから、入力外輪11と共に回転を始める。その保持器14が回転すると、保持器14の突起部14dが摺動ばね17に接触し、その状態で摺動ばね17が連れ回るようになる。この摺動ばね17は、ハウジング16との間で滑り摩擦抵抗を受け、この滑り摩擦抵抗が突起部14dを介して保持器14の回転抵抗となる。
ここで、摺動ばね17の滑り摩擦抵抗に起因する保持器14の回転抵抗がセンタリングばね15の弾性力よりも大きいため、センタリングばね15が弾性変形し、その分、保持器14に回転位相遅れが生じ、その回転位相差によりローラ13が入力外輪11に対して相対移動して楔空間18で噛み込んだ状態となり、入力外輪11に入力された回転トルクは、出力内輪12に伝達される。
一方、出力内輪12に逆入力の回転トルクが作用すると、センタリングばね15により位置決めされた保持器14によって保持されたローラ13が楔空間18の円周方向中央に位置し続けることから、入力外輪11に対して保持器14が回転位相遅れを生ずることなく、ローラ13が楔空間18に押し込まれることはない。その結果、入力外輪11と出力内輪12は回転方向に係合せず、出力内輪12は空転してその出力内輪12に入力された回転トルクは、入力外輪11に伝達されずに遮断される。
特開2003−120715号公報
ところで、前述したクラッチでは、入力外輪11と出力内輪12との間に、複数のローラ13を円周方向等間隔に保持器14により配置した状態で介在させた構造を具備する。つまり、複数のローラ13は、その軸方向を入力外輪11および出力内輪12の軸方向と一致させるように配置されている。その結果、このクラッチでは、ローラ13の軸方向寸法を必要とすることから、その軸方向に対してクラッチの薄型化を実現することが困難であった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、軸方向寸法を小さくすることにより薄型化を実現容易にし得る回転伝達装置を提供することにある。
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、静止側部材に対して入力側回転部材と出力側回転部材を正逆回転自在に同軸上に配置し、前記入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に、カム面が形成されたカムフランジを設け、そのカム面と対向する側で、平坦面が形成された平面フランジを軸方向移動を規制した状態で回転可能に装着することにより、前記カム面と平坦面間に楔空間を形成し、その楔空間で係合・離脱可能なトルク伝達部材を保持した保持プレートを前記カム面と平坦面間に介在させ、前記平面フランジを入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方の相手部材にトルク伝達可能に連結したことを特徴とする。
ここで、「入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に、カム面が形成されたカムフランジを設ける」とは、入力側回転部材にカムフランジを設ける場合と、出力側回転部材にカムフランジを設ける場合の両方を含むことを意味する。また、「平面フランジを軸方向移動を規制した状態で装着する」とは、平面フランジをガタを持たせた状態で装着する場合も含むことを意味する。さらに、「平面フランジを出力側回転部材にトルク伝達可能に連結する」とは、平面フランジと出力側回転部材とが回転方向に係合した状態で連結された構造を意味する。
本発明に係る回転伝達装置では、入力側回転部材と出力側回転部材を同軸上に配置し、入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に、カム面が形成されたカムフランジを設けると共に、平坦面が形成された平面フランジを軸方向移動規制状態で回転可能に装着し、前記カム面と平坦面間に形成された楔空間で係合・離脱可能なトルク伝達部材を保持した保持プレートを前記カム面と平坦面間に介在させた構造としたことにより、入力側回転部材と出力側回転部材間に介在するトルク伝達部材の軸方向を、両回転部材の軸方向と直交する径方向にすることが可能となるため、回転伝達装置の軸方向寸法を小さくして薄型化を実現することが容易となる。また、トルク伝達時に発生する軸方向力を支持する軸受構造が不要となる。
前述の構成における楔空間としては、平坦面に対して凹形状をなし、その平坦面に対する軸方向深さが最深となる位置から円周方向両側へ向けて漸次浅くなるようなカム面を有する構造が可能である。また、前述のトルク伝達部材としては、円筒ローラ、円錐ローラあるいは鋼球のうちから選択されたいずれかを使用することが可能である。さらに、前述の構成において、保持プレートと静止側部材との間に、保持プレートに摩擦抵抗を付与して入力側回転部材と保持プレートの回転位相差を制御する回転抵抗付与手段を設けた構造が望ましい。このような構造とすれば、保持プレートに回転位相遅れが生じ、その回転位相差によりトルク伝達部材が入力側回転部材に対して相対移動して楔空間で噛み込んだ状態となる。
ここで、従来のクラッチにおいて、入力トルクがクラッチ係合初期から増大した場合、トルク伝達部材であるローラが楔空間に押し込まれ続け、ローラとその接触面近傍では過大な変形が生じる。その変形エネルギーによりローラが楔空間から勢いよくはじき出される現象(ポップアウト)や、変形量過大によりローラが隣接するカム面まで到達する現象(ロールオーバー)を発生する可能性がある。
このポップアウトやロールオーバーを未然に防止する手段として、過大トルクの伝達を遮断するためのトルクリミッタを動力伝達系に付設することが考えられるが、その場合、装置全体の大型化およびコストアップを招来することになって好ましい手段ではない。
本発明は、例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等の自動車の艤装系クラッチに利用されるものであることから、一般的に、そのニーズとしては、製品のコンパクト化やコスト低減が非常に重要であり、部品点数の削減、部品の小型化が要求されている。
そこで、本発明では、前述した構成において、前記平面フランジを入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に軸方向移動可能に設けると共に、平面フランジとその軸方向移動規制部との間に、前記カムフランジと平面フランジを軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させる弾性体を介在させた構造、あるいは、前記カムフランジを入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に軸方向移動可能に設けると共に、カムフランジとその軸方向移動規制部との間に、カムフランジと平面フランジを軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させる弾性体を介在させた構造とすることが望ましい。
このようにすれば、入力トルクが増大した場合、トルク伝達部材であるローラが楔空間に押し込まれ続け、ローラとその接触面近傍で過大な変形が生じる前に、弾性体の弾性力に抗してカム面と平坦面が離反する方向に変形エネルギーが作用する。その変形エネルギーを前述の弾性体によるトルクリミッタ機能で遮断することにより、ポップアウトやロールオーバーを未然に防止できる。なおかつ、そのトルクリミッタ機能は、クラッチ内部もしくはその作動に付随した構造として付加できるので、装置全体の大型化およびコストアップを招来することはない。
また、前述の弾性体を設けた構造に、カム面の円周方向端部と隣接する部位にトルク伝達不可領域を形成した構造を付加することが望ましい。特に、そのトルク伝達不可領域は、カム面と対向する平坦面と平行な面で構成したり、あるいは、カム面の楔角度より大きな角度を有する凹面で構成したりすることが可能である。
このような構造とすれば、入力トルクが増大した場合、トルク伝達部材であるローラが楔空間に押し込まれ続け、ローラとその接触面近傍で過大な変形が生じる前に、弾性体によりカム面と平坦面が離反する方向に変形エネルギーが作用すると共に、ローラがカム面を乗り越えてトルク伝達不可領域へ移動することにより、トルクリミッタ機能を確実に発揮させることが可能となる。
本発明によれば、入力側回転部材と出力側回転部材を同軸上に配置し、入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に、カム面が形成されたカムフランジを設けると共に、平坦面が形成された平面フランジを軸方向移動規制状態で回転可能に装着することにより、前記カム面と平坦面間に形成された楔空間で係合・離脱可能なトルク伝達部材を保持した保持プレートを前記カム面と平坦面間に介在させた構造としたことにより、入力側回転部材と出力側回転部材間に介在するトルク伝達部材の軸方向を、両回転部材の軸方向と直交する径方向にすることが可能となるため、回転伝達装置の軸方向寸法を小さくして薄型化を実現することが容易となる。また、トルク伝達時に発生する軸方向力を支持する軸受構造が不要となることから、入力側回転部材および出力側回転部材の支持構造を簡素化することで部品点数の削減および小型化を実現できる。
また、前述した構成において、前記平面フランジを入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に軸方向移動可能に設けると共に、平面フランジとその軸方向移動規制部との間に、前記カムフランジと平面フランジを軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させる弾性体を介在させた構造、あるいは、前記カムフランジを入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に軸方向移動可能に設けると共に、カムフランジとその軸方向移動規制部との間に、カムフランジと前記平面フランジを軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させる弾性体を介在させた構造とすれば、入力トルクが増大した場合、トルク伝達部材であるローラが楔空間に押し込まれ続け、ローラとその接触面近傍で過大な変形が生じようとしても、そのエネルギーをトルクリミッタ機能により遮断することで、ポップアウトやロールオーバーを未然に防止できる。なおかつ、そのトルクリミッタ機能は、クラッチ内部もしくはその作動に付随した構造として付加できるので、装置全体の大型化およびコストアップを回避できる。
本発明に係る回転伝達装置の実施形態を以下に詳述する。図1に示す実施形態は、例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等の艤装系クラッチとして利用され、入力側からの回転トルクのみを出力側へ伝達するクラッチ機能と、出力側からの逆入力トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能とを併せ持つクラッチに適用した例示である。
図1に示す実施形態のクラッチは、入力側回転部材としての入力軸21と、その入力軸21と同軸上に配置された出力側回転部材としての出力軸22と、それら入力軸21と出力軸22との間に介挿されたトルク伝達部材としての複数のローラ23と、入力軸21と出力軸22との間に介挿されてローラ23を保持する保持プレート24と、静止側部材としての入力側ハウジング25および出力側ハウジング26と、保持プレート24の回転に対して保持プレート24に摩擦抵抗を作用させる回転抵抗付与手段としての弾性部材27と、平面フランジ31に対して弾性力を付与することによりトルクリミッタとして機能する弾性体28とで主要部が構成されている。
入力軸21は、入力側ハウジング25に軸受29により回転自在に支持され、また、出力軸22は、出力側ハウジング26に軸受32により回転自在に支持されている。入力側ハウジング25と出力側ハウジング26は、インロー部30でもって同軸を確保しつつ、ボルト34により連結されている。
一方、入力軸21にはカムフランジ21aが一体的に設けられ、そのカムフランジ21aから出力側へ延出された軸端部21bに平面フランジ31が回転可能かつ軸方向移動可能に装着されている。また、この平面フランジ31は、出力軸22とトルク伝達可能に連結されている。つまり、平面フランジ31の外周の円周方向複数箇所に凹溝31aが軸方向に沿って形成され、出力軸22の入力側を拡径させた端部の円周方向複数箇所に爪部22aが軸方向に沿って形成され、それら爪部22aを凹溝31aに嵌入させることにより平面フランジ31と出力軸22が連結されている。
入力軸21のカムフランジ21aの平面フランジ31との対向面にカム面35を形成すると共に、平面フランジ31のカムフランジ21aとの対向面に平坦面36を形成する。このカム面35は、図2および図3に示すように平面フランジ31の平坦面36に対して凹形状をなす箇所(この実施形態では、例えば三箇所)を円周方向等間隔に形成している。
各箇所において、フランジ部材31の平坦面36に対する入力軸21のカム面35の軸方向深さが最深となる位置(図中の平面35’)から円周方向両側へ向けて漸次浅くなるカム面35を形成することにより、図4に示すように平面フランジ31の平坦面36との間で楔空間37を形成した構造としている。
図3は、ローラ23がカム面35の最深位置(平面35’)に位置して入力軸21と出力軸22間で係合していないクラッチ空転時の状態を示す。また、隣接するカム面35同士の間にはトルク伝達不可領域が形成されており、この実施形態では、カム面35と対向する平坦面36と平行な面、つまり、平坦面38をトルク伝達不可領域として形成している。
なお、この実施形態では、入力軸21のカムフランジ21aにカム面35を形成し、平面フランジ31に平坦面36を形成することにより楔空間37を設けているが、逆に、平面フランジ31にカム面を形成し、入力軸21のカムフランジ21aに平坦面を形成することにより楔空間を設けることも可能である。なお、この場合、入力軸21が出力軸となり、出力軸22が入力軸となる。
保持プレート24は、図5に示すように円周方向等間隔に複数(この実施形態では、例えば三個)のポケット39が放射状に形成され、各ポケット39にローラ23が転動自在に収容されている。これにより、ローラ23は、その軸方向を径方向と一致させた状態で入力軸21のカム面35と平面フランジ31の平坦面36との間に配置されることになる。なお、この実施形態では、トルク伝達部材として円筒ローラ23を例示しているが、その他、円錐ローラや鋼球をトルク伝達部材とすることも可能である。
なお、保持プレート24は、図5に示すようにその中央部分に穿設された孔40により入力軸21に対して半径方向に支持されているため、ローラ23はカム面35に対して半径方向にずれることなく当接することが可能である。
出力側ハウジング26における平面フランジ31の外側部位には、弾性部材27が取り付けられており、この弾性部材27に当接した状態で保持プレート24が摺動することにより、その保持プレート24に摩擦抵抗を作用させるようにしている。
入力軸21の軸端部21bには、平面フランジ31の軸方向移動を規制するための軸方向移動規制部である止め輪33が嵌着されており、この止め輪33と平面フランジ31との間に、トルクリミッタ機能を発揮する弾性体28が取り付けられている。この弾性体28は、カムフランジ21aと平面フランジ31を軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させる。
なお、この実施形態では、平面フランジ31と止め輪33の間に弾性体28を設けることにより、その弾性体28がトルクリミッタ機能を発揮するように構成しているが、弾性体28を設ける部位は、その弾性体28が、カムフランジ21aと平面フランジ31を軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させてトルクリミッタ機能を発揮し得る箇所であればよく任意である。他の実施形態としては、図示しないが、カム面35が形成されたカムフランジ21aを入力軸21に対して軸方向移動可能に設け、カムフランジ21aとその軸方向移動規制部の間に弾性体を設けるようにしてもよい。また、前述した平面フランジ側に弾性体28を設けた構造とカムフランジ側に弾性体を設けた構造を併用することも可能である。
この実施形態におけるクラッチにおいて、回転トルクが入力軸21に作用していない初期状態では、弾性体28により平面フランジ31が入力軸21と近接する方向に押圧されていることから、ローラ23は入力軸21のカム面35の円周方向中央(平面35’)に位置する状態に保持されている(図3参照)。
この状態で出力軸22に逆入力の回転トルクが作用した場合、その平面フランジ31は回転するが、弾性体28により平面フランジ31が入力軸21のカムフランジ21aと近接する方向に押圧され、かつ、弾性部材27により保持プレート24に摩擦抵抗が付与された状態であることから、ローラ23が楔空間37の円周方向中央に位置し続けてその楔空間37で噛み込むことなく、入力軸21と出力軸22は回転方向に係合せず、出力軸22は空転してその出力軸22に逆入力された回転トルクは、入力軸21に伝達されずに遮断される。
一方、回転トルクが入力軸21に作用すると、入力軸21のカムフランジ21aのカム面35が回転するが、ローラ23を保持している保持プレート24には、出力側ハウジング26に対して弾性部材27を介して摩擦抵抗が付与されている。そのため、この摩擦抵抗が保持プレート24の回転抵抗となって、保持プレート24およびローラ23は入力軸21のカム面35に対して回転位相遅れを生じる。
その結果、入力軸21のカム面35に対してローラ23は、図6に示すような配置関係となって、そのカム面35と平面フランジ31の平坦面36とで形成される楔空間37でローラ23が噛み込んだ状態となり、入力軸21のカム面35と平面フランジ31の平坦面36とが係合することにより、入力軸21に入力された回転トルクは平面フランジ31を介して出力軸22に伝達される。
前述した回転トルクの入力時には、図7に示すようにローラ23が、楔角度θを有する楔空間37に噛み込んだ状態となっているため、入力軸21のカム面35と平面フランジ31の平坦面36とが離反する方向に力が作用している。カム面35と平坦面36とを離反させる力は、弾性体28を撓ませることになる。また、その力は、入力軸21に形成されたカムフランジ21aと、その入力軸21に取り付けられた止め輪33との間でのみ作用する。つまり、入力側ハウジング25および出力側ハウジング26には、その離反力は付与されない。
この状態から、入力軸21への回転トルクがゼロになると、前述の弾性体28の復元力により、平面フランジ31の平坦面36が入力軸21のカム面35に向けて押し戻され、図4に示すようにローラ23は入力軸21のカム面35の円周方向中央(平面35’)に位置する状態に保持されて、入力軸21のカム面35と平面フランジ31の平坦面36とが非係合状態となる。
この回転トルクの入力時、前述したように入力軸21のカム面35と平面フランジ31の平坦面36とがローラ23によって離反する方向に力が作用しているが、その状態から、さらに入力軸21の回転トルクが増大すると、弾性体28がさらに変形することになり、図8に示すようにローラ23がカム面35を乗り上げてトルク伝達不可領域である平坦面38に達する。
その結果、入力軸21から出力軸22へ伝達される回転トルクは、弾性体28の軸方向力に、(ローラ接触面の摩擦係数)×(ローラ公転半径)を乗じた程度となり、トルク伝達が不可となって過大トルクに対するトルクリミッタ機能を発揮することになる。
前述した実施形態では、トルクリミッタ機能を発揮させる構造は、隣接するカム面35同士の間に設けられたトルク伝達不可領域として、カム面35と対向する平坦面36と平行な面、つまり、平坦面38を入力軸21のカムフランジ21aに形成していたが、他の構造からなるトルク伝達不可領域も可能である。
他の実施形態のトルク伝達領域としては、図9および図10に示すようにカム面35の楔角度θaより大きな角度θbを有する凹面41をカム面35と隣接させて形成した構造が可能である。同図は、入力軸21のカム面35、ローラ23、保持プレート24、平面フランジ31の平坦面36および弾性体28を模式的に表したものであり、弾性体28は平面フランジ側に設けた場合を例示する。
図9は、入力軸21のカム面35と平面フランジ31の平坦面36との間で形成された楔空間37にローラ23が噛み込んだ状態を示す。この入力軸21のカム面35は、楔角度θaを有する。また、図10は、図9に示す入力軸21のカム面35の端部に、そのカム面35の楔角度θaよりも大きな楔角度θbを有する凹面41を形成し、その凹面41にローラ23が配置された状態を示す。このカム面35と隣接する凹面41がトルクリミッタ機能を発揮する箇所となる。
図9に示す状態で、楔角度θaにより決定される値のトルク伝達が可能であるが、さらに入力トルクが増大すると、弾性体28を撓ませつつ、図10に示すように楔角度θbを持つ凹面41と平坦面36との間にローラ23が押し込まれた状態となる。ここで、一般的なローラクラッチでは、ローラ接触面での最大摩擦係数をμ、楔角度をθとした場合、μ>tan(θ/2)が成り立つような寸法関係を有する。この関係が崩れる条件、つまり、μ<tan(θ/2)となると、ローラ23が楔空間37に自己保持されなくなる。この関係を利用して、μ>tan(θa/2)、かつ、μ<tan(θb/2)と設定することにより、図10に示す状態となった時には、ローラ23が楔空間37から押し出されて凹面41に配置された状態でトルクリミッタとして機能させることが可能となる。
本発明に係る回転伝達装置の実施形態で、クラッチの基本構成を示す断面図である。 図1における入力軸のカムフランジを示す部分斜視図である。 図1における入力軸のカムフランジに形成されたカム面および非係合位置でのローラを示す側面図である。 図1における入力軸のカム面、平面フランジの平坦面、保持プレートおよびローラ(断面)を示す正面図である。 図1の保持プレートを示す側面図である。 図1における入力軸のカムフランジに形成されたカム面および係合位置でのローラを示す側面図である。 図1における入力軸のカム面、平面フランジの平坦面、保持プレートおよびローラ(断面)で、ローラがカム面に押し込まれた状態を示す部分正面図である。 図1における入力軸のカム面、平面フランジの平坦面、保持プレートおよびローラ(断面)で、ローラがカム面から乗り上げた状態を示す部分正面図である。 本発明の他の実施形態で、入力軸のカム面、平面フランジの平坦面、保持プレートおよびローラで、ローラがカム面に押し込まれた状態を示す断面図である。 図9の状態から、ローラがカム面を逸脱して凹面に押し込まれた状態を示す断面図である。 従来の回転伝達装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
21 入力側回転部材(入力軸)
21a カムフランジ
22 出力側回転部材(出力軸)
23 トルク伝達部材(ローラ)
24 保持プレート
25 静止側部材(入力側ハウジング)
26 静止側部材(出力側ハウジング)
27 回転抵抗付与手段(弾性部材)
28 弾性体
31 平面フランジ
35 カム面
36 平坦面
37 楔空間

Claims (9)

  1. 静止側部材に対して入力側回転部材と出力側回転部材を正逆回転自在に同軸上に配置し、前記入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に、カム面が形成されたカムフランジを設け、そのカム面と対向する側で、平坦面が形成された平面フランジを軸方向移動を規制した状態で回転可能に装着することにより、前記カム面と平坦面間に楔空間を形成し、その楔空間で係合・離脱可能なトルク伝達部材を保持した保持プレートを前記カム面と平坦面間に介在させ、前記平面フランジを入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方の相手部材にトルク伝達可能に連結したことを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記楔空間は、平坦面に対して凹形状をなし、その平坦面に対する軸方向深さが最深となる位置から円周方向両側へ向けて漸次浅くなるようなカム面を有する請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記保持プレートと静止側部材との間に、保持プレートに摩擦抵抗を付与して入力側回転部材と保持プレートの回転位相差を制御する回転抵抗付与手段を設けた請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記平面フランジを入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に軸方向移動可能に設けると共に、平面フランジとその軸方向移動規制部との間に、前記カムフランジと平面フランジを軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させる弾性体を介在させた請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転伝達装置。
  5. 前記カムフランジを入力側回転部材あるいは出力側回転部材のいずれか一方に軸方向移動可能に設けると共に、カムフランジとその軸方向移動規制部との間に、カムフランジと前記平面フランジを軸方向に近接させる向きに押圧力を作用させる弾性体を介在させた請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転伝達装置。
  6. 前記カム面の円周方向端部と隣接する部位にトルク伝達不可領域を形成した請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転伝達装置。
  7. 前記トルク伝達不可領域は、カム面と対向する平坦面と平行な面で構成されている請求項6に記載の回転伝達装置。
  8. 前記トルク伝達不可領域は、カム面の楔角度より大きな角度を有する凹面で構成されている請求項6に記載の回転伝達装置。
  9. 前記トルク伝達部材は、ローラあるいはボールのうちから選択されたいずれかである請求項1〜8のいずれか一項に記載の回転伝達装置。
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