JP2006029395A - 静圧スライド - Google Patents
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Abstract
【課題】
支持剛性を高く維持しつつも、より軽量化が図れる静圧スライドを提供する。
【解決手段】
同じ方向を向いた2つの静圧面SP1、SP3の間に、それらの向きと交差する方向を向いた少なくとも1つの静圧SP2を配置している。従って、同じ合計面積の静圧面を有しながらも、比較例の静圧スライドSS’の断面において、点線で示す領域分Aだけ軽量化されることとなる。静圧面の合計面積は、支持剛性に等しいため、本発明の静圧スライドSSは、比較例の静圧スライドSS’に比べて、同じ支持剛性を有しながらも、より軽量化を実現できる。
【選択図】 図1
支持剛性を高く維持しつつも、より軽量化が図れる静圧スライドを提供する。
【解決手段】
同じ方向を向いた2つの静圧面SP1、SP3の間に、それらの向きと交差する方向を向いた少なくとも1つの静圧SP2を配置している。従って、同じ合計面積の静圧面を有しながらも、比較例の静圧スライドSS’の断面において、点線で示す領域分Aだけ軽量化されることとなる。静圧面の合計面積は、支持剛性に等しいため、本発明の静圧スライドSSは、比較例の静圧スライドSS’に比べて、同じ支持剛性を有しながらも、より軽量化を実現できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、静圧スライドに関し、特に圧力伝達媒体を用いて移動可能に支持される静圧スライドに関する。
光学素子やその成形用型に対して、切削加工や研磨加工等を施すために加工機が知られている(特許文献1参照)。かかる加工機においては、作業台を高精度に移動させるために静圧スライドが設けられている。
特開2003−39294号公報
ここで、例えば光学素子の非球面に対応した複雑な曲面を精度良く創成するためには、機械の制御精度をより高くすることが重要であり、そのために各軸の位置測定分解能を向上して、高速なサーボにより駆動する作業台(スライドテーブルや旋回テーブル)を高精度に制御することや、サーボモーターの駆動指令に対して高速に追従するために、駆動する静圧スライドを軽くして慣性質量を減らすことが重要である。
ここで、静圧スライドの体積を減少させれば、それに応じて静圧スライドを軽くすることができる。ところが、静圧スライドの体積が減少すると、その表面積も減少し、その結果として、静圧スライドの表面に設けられた静圧面の面積が減少し、それにより支持剛性が低下するという問題が生じる。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、支持剛性を高く維持しつつも、より軽量化が図れる静圧スライドを提供することを目的とする。
請求項1に記載の静圧スライドは、支持面と静圧面との間に供給された圧力伝達媒体により移動可能に支持される静圧スライドにおいて、同じ方向を向いた2つの静圧面の間に、それらの向きと交差する方向を向いた少なくとも1つの静圧面を配置したことを特徴とする。
図1(a)は、本発明の例として示す静圧スライドの断面図であり、図1(b)は、比較例として示す静圧スライドの断面図であり、共に静圧スライドを移動方向に対して直交する面で切断して示している。図1(a)において、静圧スライドSSは、対応する形状をなしたスライドレールSR内に配置されている。静圧スライドSSは、上部と下部とからなっており、上部の幅B1は、下部の幅B2より小さくなっている(B1<B2)。上部両側面には静圧面SP1、SP1がスライドレールSRの支持面HPに対向するようにして配置されており、下部両側面には静圧面SP3、SP3がスライドレールSRの支持面HPに対向するようにして配置されている。静圧面SP1と静圧面SP3との間における下部上面には、スライドレールSRの支持面HPに対向するようにして静圧面SP2が形成され、更に静圧面SP2と逆向きの形で、下部下面にはスライドレールSRの支持面HPに対向するようにして静圧面SP4が配置されている。尚、各静圧面内には、不図示の配管を介して供給される圧力伝達媒体を吐出するためのオリフィスを備えたリセスRが形成されている。
静圧スライダSSは、その静圧面SP1、SP3と、スライドレールSRの支持面HPとの間に供給された圧力伝達媒体により支持されて、水平方向の位置決めを実現でき、また静圧面SP2、SP4と、スライドレールSRの支持面HPとの間に供給された圧力伝達媒体により支持されて、垂直方向の位置決めを実現でき、従って紙面に垂直方向に移動可能となっている。
本発明の静圧スライドSSは、同一方向(図1では側方)を向いた2つの静圧面SP1、SP3の間に、それらの向きと交差する方向(図1では上方)を向いた少なくとも1つの静圧SP2を配置している。従って、図1(a)と図1(b)とを比較すると明らかであるが、同じ合計面積の静圧面を有しながらも、比較例の静圧スライドSS’の断面において、点線で示す領域分Aだけ軽量化されることとなる。静圧面の合計面積は、支持剛性に比例するため、本発明の静圧スライドSSは、矩形断面形状の比較例の静圧スライドSS’に比べて、同じ支持剛性を有しながらも、より軽量化を実現できる。尚、本発明の静圧スライドSSにおける静圧面SP1〜SP3の配置は、片側だけでも、その効果を発揮できる。又、静圧スライドSSは一体である必要はなく、静圧面をそれぞれ有する複数の部品から組み立てられていても良い。本明細書において、「静圧面」とは、静圧スライド(移動体)に設けられ、固定されたレールの支持面との間に静圧隙間を構成し、そこへ圧力伝達媒体を供給されることで発生する静圧力を受ける面をいう。又、「同じ方向を向いた静圧面」とは、2つの静圧面の法線ベクトルが平行かつ同じ向きであるか、もしくは法線ベクトルが10度以内の角度(すなわち法線ベクトルの挟み角)で交差するように配置された静圧面をいう。
請求項2に記載の静圧スライドは、請求項1に記載の発明において、向かい合った静圧面を有することを特徴とする。
請求項3に記載の静圧スライドは、請求項2に記載の発明において、前記向かい合った静圧面に隣接して、それらの向きと交差する方向を向いた少なくとも1つの静圧面を配置したことを特徴とする。
図2は、本発明の例として示す静圧スライドの断面図であり、静圧スライドを移動方向に対して直交する面で切断して示している。図2において、静圧スライドSSの断面は、上部、中部、下部からなるH形状であり、上部及び下部の幅B1は、中部の幅B2より小さくなっている(B1<B2)。スライドレールSRの断面形状は、静圧スライドSSのへこんだ中部に対応して凸形状を有する。静圧スライドSSの中部両側面には静圧面SP2、SP2がスライドレールSRの支持面HPに対向するようにして配置されており、各静圧面SP2に隣接して、上部下面には静圧面SP1が、及び下部上面には静圧面SP3が、共にスライドレールSRの支持面HPに対向するようにして配置されている。尚、各静圧面内には、圧力伝達媒体を吐出するためのオリフィスを備えたリセスRが形成されている。
静圧スライダSSは、静圧面SP1、SP3とは異なる方向を向いた静圧面SP2と、スライドレールSRの支持面HPとの間に供給された圧力伝達媒体により支持されて、水平方向の位置決めを実現でき、静圧スライダSSの向かい合っている静圧面SP1、SP3と、スライドレールSRの支持面HPとの間に供給された圧力伝達媒体により支持されて、垂直方向の位置決めを実現でき、従って、紙面に垂直方向に移動可能となっている。
本発明の静圧スライダSSでは、静圧面SP1,SP3が向かい合っているため断面がH形状を有することとなり、それによりねじれに強いという利点がある。また静圧スライダSSの上面を広くとれるので、大きなワークを支持するのに好都合である。
請求項4に記載の静圧スライドは、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記静圧スライドの移動方向に直交する断面をとったとき、対向する一対の静圧面(例えば図1のSP1)の距離と、対向する別な対の静圧面(例えば図1のSP3)の距離とが異なっていることを特徴とする。
請求項5に記載の静圧スライドは、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記静圧スライドはセラミックを少なくとも一つの素材として形成されていることを特徴とする。一般的な静圧スライドは鋳鉄製であり、その線膨張係数が10×10−6、比重7.8、ヤング率130GPa程度である。これに対し、セラミックは、ヤング率が300GPaと鋳鉄に比べて高く、前記静圧スライドのたわみや加工反力などによる変形が小さくでき、この上に取り付けた工具や主軸などの位置精度を安定させることが出来る。また、線膨張係数が従来の鋳鉄の数分の1程度なので、温度変化による位置変動も小さくできる。さらに、比重が従来の鋳鉄の約1/3と小さいので、前記静圧スライドがより軽量となり、高速かつ高精度な送り制御が実現できる。尚、セラミックを少なくとも一つの素材として形成されるとは、例えば静圧スライドが本体と配管とからなる場合、本体のみをセラミックで形成すること、及び/又は静圧スライドが複数の本体を組み合わせて形成されるような場合、一つの本体のみをセラミックで形成することを含むものである。
請求項6に記載の静圧スライドは、請求項5に記載の発明において、前記セラミックは、窒化珪素又はサイアロンであることを特徴とする。セラミック材料の中でも特に、窒化珪素またはサイアロンは、破壊じん性が6.0と高いため割れにくく、かつヤング率が290GPa前後と高いため変形しにくく、さらに線膨張係数が室温付近で1.5×10−6と非常に小さいので、前記静圧スライドの温度膨縮が非常に少なく、前記静圧スライド上に取り付けた工具やワークの位置が温度変動しない高精度な静圧スライドを実現できる。また、その比重が3.3と軽いので、スライド駆動に際して慣性力などの制御負荷が小さく、それだけ高精度な送り制御が実現できる。
請求項7に記載の静圧スライドは、請求項1〜6のいずれかに記載の発明に置いて、前記圧力伝達媒体は、液体であることを特徴とするので、ガスを用いる場合に比べて支持剛性を高くできる。尚、液体の中でも、特に油が好ましいが、水であっても良い。
本発明によれば、支持剛性を高く維持しつつも、より軽量化が図れる静圧スライドを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図3は、本実施の形態にかかる静圧スライドを備えた5軸加工機10の斜視図である。かかる静圧スライドは加工機のみならず、高精度な測定を行う計測器等にも用いることができる。図3において、床F上に4本(3本のみ図示)の脚11aで支持されたアクティブエアマウント11は、振動の伝達を抑制する抑制手段であり、床の振動をベース12に伝達しない機能を有する。
アクテイブエアマウント11上に支持されたベース12には、支持面を有する部材である一対のスライドレール13が形成され、スライドレール13の対向する支持面13aの間には、Z軸方向に移動可能に静圧スライド20が設けられ、静圧スライド20上に回転可能に旋回テーブル14が設けられている。尚、静圧スライド20はスライドレール13に対し、旋回テーブル14は静圧スライド20に対し、それぞれ油を圧力伝達媒体として静圧で支持されている。
更に、ベース12上において、一対のサポートブロック15上に掛け渡されたレール15aには、X軸方向に移動可能にスライドテーブル16が設けられ、スライドテーブル16上のレール16aには、Y軸方向に移動可能にスライドテーブル17が設けられ、スライドテーブル17上に回転可能に旋回テーブル18が設けられている。尚、スライドテーブル16はレール15aに対し、スライドテーブル17はレール16aに対し、旋回テーブル18はスライドテーブル17に対し、それぞれ油を圧力伝達媒体として静圧で支持されている。
図4は、図3に示す静圧スライド20の斜視図である。静圧スライド20は、図5に示す上部の静圧スライド部材20Aと、図6に示す下部の静圧スライド部材20Bとを上下に重合して固定した構造を有する。個々の静圧スライド部材について説明する。
図5は、静圧スライド部材20Aの分解斜視図である。尚、図5に示す例では、説明を簡略化すべく旋回テーブルの支持構成は省略している。静圧スライド20Aは、本体21と、パイプ22と、流量制限部材であるオリフィス部材23とから構成されている。窒化珪素などのセラミックから形成される本体21は、両側に静圧面21a、21aを形成している。各静圧面21aは、5つの矩形状のリセス(凹部)21bを有しており、各リセス21bには開口21cが形成されている。開口21cは、反対側の静圧面21aに形成された対応するリセス21bに連通している。更に、本体21には、各開口21cに連通しそれに対して交差する方向に延在する油供給孔21dが形成されている。油供給孔21dの始端には外部から油を供給するためのコネクタCが接続され、油供給孔21dの終端は蓋部材Pにより閉止されている。尚、油供給孔21dは必ずしも貫通している必要はない。
断面を図示する中空円筒状のパイプ22は、両端にねじ孔22aを形成しており、また長手方向に等間隔に油流入孔22bを形成している。オリフィス部材23は、頭部23aと、それに同軸的に接合されたねじ軸部23bとを有している。頭部23aは、開口21cよりも大径であるが、リセス21b内に収まる寸法形状を有しており、更にねじ軸部23bの周囲の面に周溝23cを形成している。周溝23c内にはO−リングORが配置されている。ねじ軸部23bは中空であり、その内部空間は頭部23aの中央に形成された小径のオリフィス孔(流量制限部ともいう)23dに連通している。
静圧スライド部材20Bを組み立てる場合、まずパイプ22の一端のねじ孔22aに一つのオリフィス部材23のねじ軸部23bを螺合させる(図2に示す状態)。この状態で、パイプ22を、オリフィス部材23を取り付けてない方の端部から開口21c内へと挿入し、これと並行して別のオリフィス部材23を、開口21の対向端を介して挿入し、且つパイプ22の挿入端に螺合させる。オリフィス部材23を螺合させてゆくと、パイプ22が弾性変形し引っ張り応力が生じ、それによりオリフィス部材23の頭部23aは、リセス21bの底面に押しつけられる。このとき、O−リングORが、頭部23aとリセス21bとの間を密封するように作用する。図示していないが、全ての開口21cに、パイプ22とオリフィス部材23とが取り付けられる。パイプ22が弾性部材を構成する。
図6は、静圧スライド部材20Bの上面図である。静圧スライド部材20Aは、水平方向における静圧支持を行う静圧スライドであるのに対し、静圧スライド部材20Bは、水平方向と垂直方向の静圧支持を実現できる。
本実施の形態の静圧スライド部材20Bにおける本体21’において、上述した静圧スライド20Aと同様に、両側面である第1静圧面21aに第1リセス21bを有し、上下面である第2静圧面21a’に第2リセス21b’を2列に形成している。対向する第1リセス21b同士は、第1の開口21cにより連通され、対向する第2リセス21b’同士は、第2の開口21c’により連通されているが、図3に見て第1の開口21cと第2の開口21c’とは、本体21’の長手方向にずれて形成されている。
本体21’の長手方向端面から、第1の開口21cと第2の開口21c’とに交互に交差し、且つ反対側の端面に抜けるようにして油供給孔21d、21d’が形成されている。上述した実施の形態と同様に、油供給孔21dの一端にはコネクタCが取り付けられ、他端には蓋部材Pが取り付けられている。一方、油供給孔21d’の両端にはそれぞれ蓋部材Pが取り付けられている。尚、油供給孔21d、21d’同士は、第1の開口21cを介して連通している。従って、コネクタCから供給された作動油は、蓋部材Pが設けられた油供給孔21d、21d’の末端まで供給されることができる。
本実施の形態において、第1の開口21cには、図5に示すパイプ22を配置すれば良く、第2の開口21c’には、図5に示すパイプ22を短くしたもの(不図示)を配置すればよい。この際、第1の開口21cと、第2の開口21c’とは互いに干渉しない位置に設けられているので、それらに挿通されるパイプ22同士が干渉する恐れはない。かかるパイプ22の両端に、図5に示すオリフィス部材23を取り付けることで、静圧スライド部材20Aと同様な効果を発揮することができる。
本実施の形態の静圧スライド20の動作について説明する。不図示の外部ポンプから、コネクタCを介して、静圧油(単に油ともいう)を5〜30気圧程度の圧力で供給する。かかる静圧油は、静圧スライド部材20Aの本体21の油供給孔21dを介して開口21cへと分配される。開口21cへと分配された静圧油は、開口21cよりも径が一回り小さいパイプ22の外周に沿って流れ、油流入孔22bを介してパイプ22内へと侵入し、オリフィス部材23のオリフィス孔23dを介して、流量を制限されつつリセス21b内へと吐出される。リセス21b内に吐出された静圧油は、静圧面21aと支持面13a(図4)との間の10μm程度の微少スキマに介在することで、両者を非接触に支持することができるが、オリフィス孔23dによって吐出量が制限されているので、高い支持剛性を確保できる。
同様に、供給された静圧油は、静圧スライド部材20Bの本体21’の油供給孔21d、21d’を介して開口21c、21c’へと分配される。開口21c、21c’へと分配された静圧油は、開口21c、21c’よりも径が一回り小さいパイプ22(図5参照)の外周に沿って流れ、油流入孔22bを介してパイプ22内へと侵入し、オリフィス部材23のオリフィス孔23dを介して、流量を制限されつつリセス21b内へと吐出される。リセス21b内に吐出された静圧油は、静圧面21aと支持面13a(図4)との間の10μm程度の微少スキマに介在することで、両者を非接触に支持することができるが、オリフィス孔23dによって吐出量が制限されているので、高い支持剛性を確保できる。かかる状態で、不図示の駆動源からの駆動力により、静圧スライド20を水平方向及び垂直方向に高精度且つ振動を抑えた状態で移動することができる。
本実施の形態によれば、静圧スライド20において、同じ方向を向いた2つの静圧面21a、21aの間に、それらの向きと交差する方向を向いた少なくとも1つの静圧21a’を配置している。従って、支持剛性が高いにも関わらず軽量な静圧スライド20を提供できる。
本実施の形態においては、オリフィス部材23とパイプ22とは共にステンレス製とし、オリフィス部材23は同じものをパイプ22の両端に取り付けているが、パイプ22にオリフィス部材23の頭部と同じ形状の円板を溶接しても良い。
尚、本実施の形態では、本体21、21’を窒化珪素のセラミックで製作し、開口21c、21c’、油供給孔21d、21d’、リセス21b、21b’などをセラミックの粉体を仮焼結した段階で加工し、本焼結して、静圧面21a、21a’を平面研削により仕上げているが、開口21c、21c’、油供給孔21d、21d’、リセス21b、21b’などの加工は高い精度が不要のため、仮焼結段階で極めて容易に加工生成でき、他の部品の止めネジ用穴加工等と一緒に加工が出来るので、加工コストは従来とほとんど変わらないという利点もある。
図7は、変形例である流量制限部材を本体に取り付けた状態で示す断面図である。例えば図6に示す実施の形態において、本体21’の上下面を連通する開口21c’は全長が短いので、挿入するパイプも短くなる。そこで、パイプを流量制限部材の一部とすれば、より部品点数を削減できる。
より具体的には、異なる形状の流量制限部材23’、23”を用いる。第1の流量制限部材23’は、内部に空間を有する円盤状の頭部23a’と、中空の長軸部23b’と、長軸部23b’の先端に内周に形成された雌ねじ部23d’とを有する。頭部23a’の先端には、その内部空間を遮蔽するように円盤状の多孔体PRが配置され、ボルトBにより固定されている。頭部23a’のリセス21b’に対向する面には、周溝23c’が形成され、そこにO−リングORが配置されている。更に、長軸部23b’は、その内部と連通する油流入路23e’を、油供給孔21dに対応する位置に形成している。
一方、第2の流量制限部材23”は、内部に空間を有する円盤状の頭部23a”と、中空の短軸部23b”と、短軸部23b”の先端に形成された雄ねじ部23d’とを有する。頭部23a’の先端には、その内部空間を遮蔽するように円盤状の多孔体PRが配置され、ボルトBにより固定されている。頭部23a’のリセス21b’に対向する面には、周溝23c’が形成され、そこにO−リングORが配置されている。
組み付けに際しては、第1の流量制限部材23’の長軸部23b’と、第2の流量制限部材23”の短軸部23b”とを開口21c’の両側から挿入し、雄ねじ部23d”を雌ねじ部23d’に螺合させる。(図4に示す状態)。すると、長軸部23b’と短軸部23b”が弾性変形し引っ張り応力が生じ、それにより流量制限部材23’、23”の頭部23a’、23a”は、リセス21b、21bの底面に押しつけられる。このとき、O−リングOR、ORが、頭部23a’、23a”とリセス21bとの間を密封するように作用する。尚、長軸部23b’と短軸部23b”が弾性部材を構成する。又、多孔質体PRの代わりに、図5に示すオリフィス部材のごときオリフィス孔を設けても良い。
不図示の外部ポンプから、コネクタCを介して、静圧油を5〜30気圧程度の圧力で供給すると、かかる静圧油は、本体21’の油供給孔21dを介して開口21c’へと分配される。開口21c’へと分配された静圧油は、油流入路23e’を介して長軸部23b’及び短軸部23b”内へと侵入し、頭部23a’、23a”の内部空間へと吐出される。かかる空間から静圧油は、流量制限部である多孔体PR、PRの微少な無数の孔を介して、流量を制限された形で静圧面21a’、21a’に均一な圧力で供給されることができる。
図4において、スーパーインバー製のスライドスライドレール13の支持面13aと、静圧スライド20の静圧面との隙間(静圧隙間ともいう)を片側5μm取って取り付けた。静圧スライド20の本体の材料は、サイアロンを用い、静圧面の大きさは、水平方向受け面が片側50mm×540mm(リセス7箇所)、垂直方向受け面が片側60mm×540mm(リセス8箇所)。圧力伝達媒体として水を用い、コネクタCより供給圧力5気圧で静圧スライド20に圧送した。
かかる構成における静剛性は、水平方向2580N/μm以上、垂直方向2800N/μm以上と、極めて高い剛性を実現したが、このような大きな力を受けても静圧スライド20は変形することなく、静圧隙間が5μmと極めて狭いにもかかわらす、250mmのストロークを全く機械接触すること無く滑らかに移動できた。また、静圧スライド20の重量は、本発明である図1(a)の形状により、従来の図1(b)の形状に比較して、体積で3240ccの削減となり、一般的な鋳鉄材料で重量換算すると、25kg以上の重量削減となった。さらに、静圧スライド材料にサイアロンを用いたことで、鋳鉄の場合と比較して51kgの重量を削減でき、従来の静圧スライドと全く同じ剛性を有しながら、合計で76kg以上の重量削減を実現できた。
本実施例の静圧スライド20にリ二アモーター(不図示)を取り付けて、1nm単位の微小変位駆動を行ったところ、オーバーシュートは3nm以下の誤差範囲、定速度移動時の指令値と実際のスライドの位置の差(追従誤差)は、10mm/minにおいて12nm以下とで極めて再現性の高い高精度な送りが実現できた。
20 静圧スライド
20A,20B 静圧スライド部材
21、21’ 本体
21a、21a’ 静圧面
21b、21b’ リセス
21c、21c’ 開口
21d、21d’ 油供給孔
22 パイプ
22a 孔
22b 油流入孔
23 オリフィス部材
23’、23”流量制限部材
B ボルト
C コネクタ
HP 支持面
OR リング
P 蓋部材
PR 多孔体
R リセス
SS 静圧スライド
SP1〜SP4 静圧面
SR スライドレール
20A,20B 静圧スライド部材
21、21’ 本体
21a、21a’ 静圧面
21b、21b’ リセス
21c、21c’ 開口
21d、21d’ 油供給孔
22 パイプ
22a 孔
22b 油流入孔
23 オリフィス部材
23’、23”流量制限部材
B ボルト
C コネクタ
HP 支持面
OR リング
P 蓋部材
PR 多孔体
R リセス
SS 静圧スライド
SP1〜SP4 静圧面
SR スライドレール
Claims (7)
- 支持面と静圧面との間に供給された圧力伝達媒体により移動可能に支持される静圧スライドにおいて、
同じ方向を向いた2つの静圧面の間に、それらの向きと交差する方向を向いた少なくとも1つの静圧面を配置したことを特徴とする静圧スライド。 - 向かい合った静圧面を有することを特徴とする請求項1に記載の静圧スライド。
- 前記向かい合った静圧面に隣接して、それらの向きと交差する方向を向いた少なくとも1つの静圧面を配置したことを特徴とする請求項2に記載の静圧スライド。
- 前記静圧スライドの移動方向に直交する断面をとったとき、対向する一対の静圧面の距離と、対向する別な対の静圧面の距離とが異なっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静圧スライド。
- 前記静圧スライドはセラミックを少なくとも一つの素材として形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静圧スライド。
- 前記セラミックは、窒化珪素又はサイアロンであることを特徴とする請求項5に記載の静圧スライド。
- 前記圧力伝達媒体は、液体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静圧スライド。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107429738A (zh) * | 2015-03-31 | 2017-12-01 | 住友重机械工业株式会社 | 致动器 |
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2004
- 2004-07-13 JP JP2004206275A patent/JP2006029395A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107429738A (zh) * | 2015-03-31 | 2017-12-01 | 住友重机械工业株式会社 | 致动器 |
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