JP2006029291A - フランシス形水車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水車の運転効率を向上させることができるフランシス形水車を提供する。
【解決手段】 フランシス形水車はランナ2と、ランナ2を囲うカバー3,4とを備えている。このうちランナ2はランナクラウン2aと、ランナクラウン2aの外周に位置するランナバンド2bと、ランナクラウン2aとランナバンド2bとの間に配置された複数のランナ羽根2cとを有している。ランナバンド2bはその出口側部分2dが切欠かれて切欠部を形成する。このためランナ羽根2cの出口側端部はランナバンド2bの出口側端部より下流側へ突出している。
【選択図】 図1
【解決手段】 フランシス形水車はランナ2と、ランナ2を囲うカバー3,4とを備えている。このうちランナ2はランナクラウン2aと、ランナクラウン2aの外周に位置するランナバンド2bと、ランナクラウン2aとランナバンド2bとの間に配置された複数のランナ羽根2cとを有している。ランナバンド2bはその出口側部分2dが切欠かれて切欠部を形成する。このためランナ羽根2cの出口側端部はランナバンド2bの出口側端部より下流側へ突出している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フランシス形水車に係り、とりわけ効率を向上させることができるフランシス形水車に関する。
一般的に、従来のフランシス形水車は、上流からの圧力水を導く図示しない渦巻状のケーシングと、ケーシングの内周に配置されケーシングからの水を整流するステーベーンと、ステーベーンを上下から挟み込むように構成されたステーリングとを有している。また、ステーリング内周に流量調整を行うための可動翼であるガイドベーンが配置され、このガイドベーンにより発電機駆動力となる回転部のランナへ水流を導くようになっている。
ランナへ流入した水流はランナにエネルギーを与えた後、下流の吸出し管を経て放水路に流出する。また、ランナは上カバーおよび下カバー内に納められ、ランナに接続された水車側主軸は、発電機ローター軸に接続され、ランナの回転により発電機ローターを回転させ電力を生じさせる。
ランナは上下カバーに囲まれ、一定の隙間を保って回動運転しているため、水流の一部はランナ内に流入することなく、ランナと上下カバーとの間の隙間を通って吸出し管に流出する。これは一般に漏流れといわれ水車の損失となる。
また、ランナと上下カバーとの隙間には水流が存在するため、回転するランナとこの隙間に存在する水流との間に粘性に伴う摩擦(円板摩擦)が発生し、水力性能上無視できない損失となる。この円板摩擦損失は、回転する円板の半径の5乗に比例するので、低比速度機のようにランナ入口径が出口径よりも相対的に大きい場合には、水力損失に対する円板摩擦損失の割合もかなり大きく、全損失の3〜4割を占めるといわれ効率低下の要因となっている。
一方、比較的高比速度のフランシス水車では、ランナの入口径と出口径がほぼ同程度であるため、ランナ出口側のバンド側シール部(隙間)での円板摩擦損失も水力性能上、無視できなくなってくる。
これまでに、円板摩擦損失を低減する方法としては、上下カバーとランナとの間に形成される隙間に空気を注入して、摩擦抵抗を減少させる方法や隙間の寸法の最適化を図る方法、壁面を超撥水塗料でコーティングする方法が見受けられる。
従来、例えば、ランナ背圧室およびランナ側圧室の隙間の寸法の最適化を図ることにより摩擦損失を低減する方法(特公昭59−34871号公報)や、ランナ背圧室およびランナ側圧室に抗力低減物質を混入するなどの方法も知られている。しかしながら水以外の物質を混入する場合、その物質の漏れ対策が問題となる。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、構造上無視できない円板摩擦を低減し、効率向上を図ることができるフランシス形水車を提供することを目的とする。
本発明は、ランナクラウンとランナバンドとの間に配置された複数のランナ羽根とを有するランナと、このランナを囲うカバーとを備え、ランナバンドはその出口側部分が切欠かれ、これによりランナ羽根の出口側端部はランナバンドの出口側端部より下流側に突出することを特徴とするフランシス形水車である。
本発明は、ランナバンドはその出口側端部が円筒状に切欠かれ、カバー内周面に、ランナバンドの出口側端部から突出するランナ羽根に向き合うよう円周方向に延びる静止部を設けたことを特徴とするフランシス形水車である。
本発明によれば、円板摩擦の要因となるランナバンドが円筒状に一部切り欠かれているので、ランナバンドとカバーとの間の隙間における摩擦損失が減少する。なお、ランナバンドの一部を切り欠いたことによって、羽根の作用面と反作用面との圧力差による羽根外周端での漏れ損失の発生が懸念されるが、元来出口部での作用面と反作用面との圧力差は入口側と比較して極めて小さいので、漏れ損失の増加は少ない。むしろランナバンドを切り欠いたことによる摩擦損失の低減効果の方が漏れ損失増加を上回るので、水車全損失として減少させることができる。
本発明は、水車中心からランナバンドの出口側端部まで、および水車中心からランナ羽根の出口側端部までの最短距離をLa、Lbとした場合、La<Lbとなっており、ランナ羽根のうちランナバンドの出口側端部から突出する部分は、カバーの下流側に設置された吸出し管内に位置することを特徴とするフランシス形水車である。
本発明によれば、老朽化した既設発電所のランナを改修する場合に、従来形式のランナでは、水車中心からランナバンドの出口側端部までの最短距離Laと水車中心からランナ羽根の出口側端部までの最短距離Lbは常にLa>Lbなる関係であるために、羽根長さを延長したくてもランナ羽根の出口側端部は、ランナバンドの出口側端部までしか延ばせない。これに対して、本発明によれば、構造上の制約を受けることなくランナ羽根の出口側端部をランナバンドの出口側端部より更に突出させることができる。これにより、ランナバンド側でのランナ羽根の翼負荷、すなわち作用面と反作用面との圧力差に関係する翼負荷を低減することができる。
本発明は、ランナバンドは、ランナ羽根出口端とランナバンド内壁面との交点と、当該交点とこのランナ羽根に隣接するランナ羽根との最短距離の点とを結んだ線より出口側部分が切欠かれていることを特徴とするフランシス形水車である。
本発明によれば、ランナバンドの外周壁面が周方向に部分的に切り欠かれているので、外周壁面での面積が減少し、水力性能上無視できない円板摩擦が減少する。
本発明は、ランナバンドの出口側端部から突出するランナ羽根の部分に、反作用面から作用面側に向って延びるフィレットが設けられていることを特徴とするフランシス形水車である。
本発明によれば、キャビテーションの発生には複雑な要素が存在するが、羽根面に発生するキャビテーションは羽根形状を調整することによって防止することが可能である。しかしながら、カバーとの間である隙間を隔てて回転運動するランナにおいては、ランナの外周に形成された隙間から発生するギャップキャビテーションが問題となる。この対策として一般的にフィレットがランナ羽根の最外周端部に取り付けられ、ギャップキャビテーションの抑制とキャビテーションによる羽根の損傷を極力抑えるように成されている。本発明は、この原理を適用するため、ランナバンドの出口側端部から下流側へ突出するランナ羽根にフィレットを設けている。
本発明は、フィレットはランナ羽根に着脱自在に設けられていることを特徴とするフランシス形水車である。
本発明によれば、フィレットは容易に着脱可能な構造となっているので、ランナ羽根に取り付けられたフィレットが、ギャップキャビテーションによって部分的に損傷を受けた場合でも、容易にフィレットの交換を行なうことができる。
本発明は、静止部内面の圧力が低下した場合に給気する給気孔を静止部に開口して設けたことを特徴とするフランシス形水車である。
本発明によれば、発電運転の最大出力側(大流量側)では、流速増加によって、ランナ出口側のランナ羽根の反作用面で局所的な圧力低下が生じ易いという原理を利用し、ランナバンドの下流側へ突出するランナ羽根の外周部と狭い隙間を介して向かい合う静止部に複数の孔を設けることにより自然給気を行なうことができる。
本発明は、給気孔に給気管を接続するとともに、この給気管に圧力検出器と開閉弁を取付け、圧力検出器からの信号に基づいて制御部により開閉弁を制御することを特徴とするフランシス形水車である。
本発明によれば、静止部内面において圧力低下した場合、圧力検出器によって的確に捉えることができ、かつ適切な量の給気を行なうことができる。
本発明によれば、フランシス形水車のランナで発生する円板摩擦損失を低減することができ、フランシス形水車の運転効率を大幅に向上させることができる。
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず図11により本発明によるフランシス形水車の概略について述べる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず図11により本発明によるフランシス形水車の概略について述べる。
図11において、フランシス形水車は水車側主軸6と、この水車側主軸6に連結されたランナ2と、ランナ2を囲む上カバー3および下カバー4と、下カバー4に連結された吸出し管5とを備えている。このうち、ランナ2は水車側主軸6に連結されたランナクラウン2aと、外周側に位置するランナバンド2bと、ランナクラウン2aとランナバンド2bとの間に放射状に配置された複数のランナ羽根2cとを有している。
なお、上カバー3と下カバー4によりランナ2を囲むカバー3,4を構成している。
図11において、図示しない渦巻状のケーシングからの水は、ケーシング内周に配置されたステーベーンと、ステーベーンを上下から挟み込むように構成されたステーリングとにより形成される流路を流れる。水は、その後ステーリング内周に配置された可動翼となるガイドベーン1により流量調整されて、ランナ2内へ流入するようになっている。
ランナ2内へ流入した水は、ランナ2に回転エネルギーを与えた後、ランナ2の下方に位置する吸出し管5を経て放水路へ流出する。この間、ランナ2からの回転エネルギーは発電機ローター6へ送られ、この発電機ローター6により電力を生じさせる。
次にランナ2について、図1および図11により更に詳述する。図1および図11に示すように、ランナ2のうちランナバンド2bの出口側部分(下方側部分)2dは円筒状に切り欠かれて切欠部を形成し、このためランナ羽根2cの出口側端部(下方側端部)は円筒状に切り欠かれたランナバンド2bの出口側端部2dよりも下方に突出している。
また下カバー4の内周面にリング状の静止部7が設けられ、このため、この突出したランナ羽根2cの外周は、狭い隙間を介してリング状の静止部7と向かい合っている。
ランナバンド2bと下カバー4との隙間には水流が存在するため、回転するランナバンド2bと隙間の水流との間に、粘性に伴う円板摩擦損失が発生し、効率低下要因となることも考えられる。本実施の形態によれば、円板摩擦損失の要因となるランナバンド2bの出口側端部2dが円筒状に一部切り欠かれ、かつ下カバー4の内周面にリング状の静止部7が設けられているので、ランナバンド2bと下カバー4との間の隙間における摩擦損失を減少させることができる。
次にランナバンド2bの出口側端部2dを円筒状に切り欠いた場合の水車効率を図6に示し、一般のフランシス形水車のランナ羽根の面内圧力係数分布を図7に示す。
上述のように、本発明によればランナバンド2bの出口側端部2dを円筒状に切り欠いたために円板摩擦損失が低減し、この円板摩擦損失の低減により、図6に示すように大流量側から小流量側にかけて効率が0.2〜0.5%向上する。
図7は流れ解析による一般のランナ羽根面の圧力係数分布を示す図である。図7に示すように、ランナ羽根2cの出口側部分における作用面と反作用面の圧力差はランナ羽根2cの入口側部分と比較して極めて小さくなっているので、本発明のようにランナバンド2b出口側部分2dを切り欠いた場合でも、ランナ羽根2cの外周における漏れ損失の増加は少ない。即ち、円板摩擦損失の低減効果が漏れ損失増加を上回るため、ランナバンド2bの出口側部分2dを切欠くことにより全体としての損失を減少させることができる。
第2の実施の形態
次に図2により、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2に示す第2の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
次に図2により、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2に示す第2の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図2に示すように、水車中心からランナバンド2bの下端部(出口側端部)までの最短距離と、水車中心からランナ羽根2cの下端部(出口側端部)までの最短距離を各々La、Lbとした場合、ランナ2はLa<Lbなるように構成されている。また、ランナの羽根2cの下端部は、下カバー4の下方に位置する円錐状の吸出し管5内に突出している。
例えば、老朽化した既設発電所のランナ2を改修する場合、従来形式のランナ2では、水車中心からランナバンド2bの下端部までの最短距離Laと、水車中心からランナ羽根2cの下端部までの最短距離Lbとの関係は、常にLa>Lbとなっている。このため、ランナ羽根2cの長さを下流側に延長したくてもランナ羽根2cの下端部までの最短距離Lbは最大でLaが限界となり、ランナ羽根2cを下流側へ延長させることは不可能である。
これに対して本発明によれば、ランナ羽根2cの下端部までの最短距離Lbをランナバンド2bの下端部までの最短距離Laよりも大きくできるので、構造上の制約を受けることなくランナ羽根2cを下流側へより延長させることが可能となる。近年の既設発電所におけるランナ改修では、ランナ入口キャビテーション性能の改善や水車効率の改善要求が多く見られる。このような要求に対応するランナ形状としては、ランナバンド2b側の羽根の翼負荷を低減するためにランナ羽根2cを長くする場合があるが、本発明を適用することでランナ羽根を下流側へ延長させることが可能となる。また、既設のランナではランナ出口の流速分布が均一化されていない場合があり、この不均一性が効率低下の原因にもなっている。この速度分布の均一化を図るために、図2に示すように本発明のランナ羽根2cの出口曲線9は、従来の羽根出口曲線8よりも下流に下げられており、任意の高さ位置Zでのランナ羽根2cの出口曲線9までの半径Ra、Rbは、Ra>Rbとなる。このため、その位置Zにおけるランナ羽根2cの出口の旋回速度は、本発明のランナ羽根2cを用いることにより低減されることとなる。このため本発明によれば、ランナ羽根2cの出口速度分布が均一化するため水車効率が向上する。とりわけ旋回流れが強く発生する小流量領域では大きな効果が得られる。
第3の実施の形態
次に図3により本発明の第3の実施の形態について説明する。図3に示す第3の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に図3により本発明の第3の実施の形態について説明する。図3に示す第3の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図3に示すように、ランナ2のランナバンド2bの出口側部分2dが部分的に切欠かれている。ランナバンド2bの切欠かれた出口側端部2dの切欠き形状は、羽根2cのランナバンド2b側出口端とランナバンド2bの内壁面との交点をA点とし、このA点から隣接する羽根2cの反作用面までの最短距離となる反作用面上の点をB点とした場合、2点を結んだ線よりも下流側を切欠いた形状となっている。
本実施の形態によれば、ランナバンド2bの外周壁面が周方向に部分的に切欠かれているので、下カバー4とランナバンド2bの外周面との間に形成される隙間の面積が減少し、円板摩擦損失を低減させることができる。また、ランナバンド2bのうちA点とB点とを結ぶ線より下流側の出口側部分2dを切欠いたので、水車の流量特性に影響するランナ羽根2cの出口開度を維持することができる。
第4の実施の形態
次に図4により本発明の第4の実施の形態について説明する。図4に示す第4の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に図4により本発明の第4の実施の形態について説明する。図4に示す第4の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示すように、ランナバンド2bの出口側部分2dは切欠かれており、ランナバンド2bの下流側に突出するランナ羽根2cの外周端部には、羽根の反作用面から作用面側に向かって任意の幅をもつフィレット10が、ランナ羽根2cとランナバンド2bと一体に形成されている。
図4において、ランナ羽根2cにフィレット10を設けたので、ランナバンド2の下流側に突出したランナ羽根2cの外周端部から発生するギャップキャビテーションを抑制することができる。また、フィレット10を取付けることによってランナ羽根2cの外周端部反作用面のキャビテーション壊食を防止することが可能となる。
第5の実施の形態
次に図5により本発明の第5の実施の形態について説明する。図5に示す第5の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に図5により本発明の第5の実施の形態について説明する。図5に示す第5の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示すように、出口側部分2dが円筒状に切り欠かれたランナバンド2dとランナ羽根2cの外周端部に、複数のボルト12によりフィレット11が締結されている。図5においてフィレット11を設けたことにより、ランナ羽根12cの外周端部においてギャップキャビテーションの抑制を図ることができる。またギャップキャビテーションによってフィレット11が部分的に損傷を受けた場合においても、容易に且つ何度でもフィレット11の交換を行なうことができる。
第6の実施の形態
次に図8により本発明の第6の実施の形態について説明する。図8に示す第6の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に図8により本発明の第6の実施の形態について説明する。図8に示す第6の実施の形態において、図1および図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に示すように、ランナバンド2bの出口側部分2dが切欠かれるとともに、下カバー4にランナバンド2bの切欠かれた出口側部分2dに向き合うようリング状の静止部7が設けられている。またリング状静止部7に、複数の開口からなる給気孔13が形成され、各給気孔13には空気15を給気する給気管14が接続されている。
図8において、リング状の静止部7の近傍で圧力低下が生じた場合に、リング状の静止部7に開口された複数の給気孔13および給気管14から空気15が大気より自然給気される。
なお、ランナバンド2bの下端よりも下流側に突出するランナ羽根2cが吸出し管5内に延びている場合は(図2参照)、吸出し管5の壁面に給気孔13を設けて自然給気を行ってもよい。
フランシス形水車では、通常、最高効率点から外れた非設計点運転状態において、ランナ出口からの旋回流れに伴うホワールが発生し、主機の安定した運転上好ましくない水圧変動を引き起こす。この対策として、吸出し管の壁面から給気を行なったり、上カバーや水車主軸から給気を行なったりしてホワールを安定させ水圧変動を抑制する方法がとられる。しかしながら、大流量側で発生するホワールは吸出し管の中心部で振れ回っているので、吸出し管の壁面での圧力は低下せず自然給気は困難となり、コンプレッサー等を用いた強制的な給気が余儀なくされる。この場合、大掛かりな付帯設備が必要となり、あまり経済的でない。
これに対して本実施の形態によれば、発電運転の最大出力側(大流量側)では、流速増加によって、ランナ2出口側のランナ羽根2cの反作用面において局所的な圧力低下が生じ易いという原理を利用する。すなわち大戻側へ突出するランナ羽根2cの外周端部と狭い隙間を介して向かい合うリング状の静止部7に複数の給気孔13を設けることにより、この給気孔13を介して確実に自然給気を行なうことができる。
第7の実施の形態
次に図9により本発明の第7の実施の形態について説明する。図9に示す第7の実施の形態は、給気管14に圧力検出器16と開閉弁17を設け、圧力検出器16からの信号に基づいて制御部18により開閉弁17を制御するものであり、他の構成は図8に示す第6の実施の形態と略同一である。図9において、図8に示す第6の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に図9により本発明の第7の実施の形態について説明する。図9に示す第7の実施の形態は、給気管14に圧力検出器16と開閉弁17を設け、圧力検出器16からの信号に基づいて制御部18により開閉弁17を制御するものであり、他の構成は図8に示す第6の実施の形態と略同一である。図9において、図8に示す第6の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9において、運転中に常時、給気管14内の圧力を圧力検出器16で測定し、その測定圧力値と予め定められた圧力基準値とを制御部18により比較し、測定圧力値が基準値を下回った場合に、制御部18から開閉バルブ17へ開操作信号を出力して空気15を給気する。この一連の制御は全て制御部18で行なうものであり、大流量側の運転状態で吸出し管5内のホワールの挙動による異常な水圧変動や振動が発生した場合に、的確に給気を行なうことができる。
第8の実施の形態
次に図10により本発明の第8の実施の形態について説明する。図10に示す第8の実施の形態は、給気管14に逆止弁19を設けたものであり、他の構成は図8に示す第6の実施の形態と略同一である。図10において、図8に示す第6の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に図10により本発明の第8の実施の形態について説明する。図10に示す第8の実施の形態は、給気管14に逆止弁19を設けたものであり、他の構成は図8に示す第6の実施の形態と略同一である。図10において、図8に示す第6の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10において、静止部7近傍での壁面圧力が大気圧よりも低くなった時のみ、自動的に逆止弁19が開いて大気中の空気15を自然給気することができる。一方、運転点が変化して静止部7近傍での壁面圧力が大気圧よりも増加すると、自動的に逆止弁19が閉じ、空気15の給気を停止する。本実施の形態によれば、複雑な制御を行なうことなく簡単な構造で、容易且つ的確な給気が達成される。
1 ガイドベーン
2 ランナ
2a ランナクラウン
2b ランナバンド
2c ランナ羽根
2d 円筒状に切り欠かれたランナバンドの部分
3 上カバー
4 下カバー
5 吸出し管
6 水車側主軸
7 リング状の静止部
10,11 フィレット
12 ボルト
13 給気孔
14 給気管
15 空気
16 圧力検出器
17 開閉弁
18 制御部
19 逆止弁
2 ランナ
2a ランナクラウン
2b ランナバンド
2c ランナ羽根
2d 円筒状に切り欠かれたランナバンドの部分
3 上カバー
4 下カバー
5 吸出し管
6 水車側主軸
7 リング状の静止部
10,11 フィレット
12 ボルト
13 給気孔
14 給気管
15 空気
16 圧力検出器
17 開閉弁
18 制御部
19 逆止弁
Claims (8)
- ランナクラウンとランナバンドとの間に配置された複数のランナ羽根とを有するランナと、
このランナを囲うカバーとを備え、
ランナバンドはその出口側部分が切欠かれ、これによりランナ羽根の出口側端部はランナバンドの出口側端部より下流側に突出することを特徴とするフランシス形水車。 - ランナバンドはその出口側端部が円筒状に切欠かれ、
カバー内周面に、ランナバンドの出口側端部から突出するランナ羽根に向き合うよう円周方向に延びる静止部を設けたことを特徴とする請求項1記載のフランシス形水車。 - 水車中心からランナバンドの出口側端部まで、および水車中心からランナ羽根の出口側端部までの最短距離をLa、Lbとした場合、
La<Lbとなっており、
ランナ羽根のうちランナバンドの出口側端部から突出する部分は、カバーの下流側に設置された吸出し管内に位置することを特徴とする請求項1記載のフランシス形水車。 - ランナバンドは、ランナ羽根出口端とランナバンド内壁面との交点と、当該交点とこのランナ羽根に隣接するランナ羽根との最短距離の点とを結んだ線より出口側部分が切欠かれていることを特徴とする請求項1記載のフランシス形水車。
- ランナバンドの出口側端部から突出するランナ羽根の部分に、反作用面から作用面側に向って延びるフィレットが設けられていることを特徴とする請求項1記載のフランシス形水車。
- フィレットはランナ羽根に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項5記載のフランシス形水車。
- 静止部内面の圧力が低下した場合に給気する給気孔を静止部に開口して設けたことを特徴とする請求項2記載のフランシス形水車。
- 給気孔に給気管を接続するとともに、この給気管に圧力検出器と開閉弁を取付け、圧力検出器からの信号に基づいて制御部により開閉弁を制御することを特徴とする請求項7記載のフランシス形水車。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004213020A Withdrawn JP2006029291A (ja) | 2004-07-21 | 2004-07-21 | フランシス形水車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006029291A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017015035A (ja) * | 2015-07-03 | 2017-01-19 | 株式会社酉島製作所 | 流体機械 |
KR102148933B1 (ko) * | 2019-10-31 | 2020-08-28 | 주식회사 금성이앤씨 | 모델수차의 자동간극 조절장치 |
-
2004
- 2004-07-21 JP JP2004213020A patent/JP2006029291A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017015035A (ja) * | 2015-07-03 | 2017-01-19 | 株式会社酉島製作所 | 流体機械 |
KR102148933B1 (ko) * | 2019-10-31 | 2020-08-28 | 주식회사 금성이앤씨 | 모델수차의 자동간극 조절장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071002 |