JP2006029263A - 燃料分配管 - Google Patents

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Abstract

【目的】合成樹脂材料を用いた燃料分配管の反り、歪みの発生を抑止するとともに燃料分配路に屈曲部を形成できる燃料分配管を提供する。
【構成】燃料分配路1は金属材料で形成され、一端に開口部1aを備え、長手方向X−Xに沿って複数の燃料吐出孔1cが穿設される。
燃料分配路1の外周と、開口部1aに連なる燃料入口部2aと、燃料吐出孔1cに連なり、噴射弁挿入孔2bを備える噴射弁支持ボス部2cと、が合成樹脂材料によって一体形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料タンク内の燃料が燃料ポンプにて昇圧され、この昇圧された燃料が燃料噴射弁を介して機関へ供給される燃料噴射装置に関し、そのうち特に燃料ポンプにて昇圧された燃料が供給され、この燃料を燃料噴射弁に向けて分配して供給する燃料分配管に関する。
かかる燃料分配管の従来の第1例は図4に示される。
図により説明すると、燃料分配管Dは、その一端A(図において右端)に燃料入口部20aに連なる開口部20bを有し、開口部20bから他端B(図において左端)側に向けて燃料分配路20cが穿設される。
又、燃料分配路20cには、その長手方向X−Xに沿って複数の噴射弁挿入孔20dが貫通して穿設されるもので、この噴射弁挿入孔20dは噴射弁支持ボス部20eに形成される。
かかる燃料分配管Dは合成樹脂材料を射出成形することで形成されるもので、燃料入口部20a、燃料分配路20c、噴射弁挿入孔20dはかかる射出成形時において、同時に鋳抜き形成される。
又、燃料分配管の従来の第2例は、(図示されない)燃料入口部と、長手方向に沿って穿設される燃料吐出孔と、を備える燃料分配路が第1の金属パイプで形成されて用意され、噴射弁挿入孔を備える噴射弁支持ボス部が第2の金属パイプで形成されて用意される。
そして第2の金属パイプが第1の金属パイプにロー付けにより接合されて燃料分配管が形成される。
かかる従来の、合成樹脂材料により射出成形で形成された燃料分配管によると、合成樹脂材料を用いて一体的に射出成形されるので製造コストを低減できる。
これは成形の為の金型が単一でよいこと。材料費が安価なこと。
燃料入口部20a、燃料分配路20c、噴射弁挿入孔20dが一度に成形でき、且つ製造のタクトタイムの短縮を図れること。によるものである。
又、軽量化を達成できるとともに耐蝕性の向上を図ることができる。
然しながら上記効果を有する反面、噴射弁挿入孔20dが複数設けられて、(例えば4個)燃料分配路20cの長手方向X−Xが長くなる場合、燃料分配管Dに反り、歪みが生じ、燃料噴射弁を安定して気密支持できない。
そして、この反り、歪みを解消するには、燃料分配管の成形時における収縮変形を予測し、金型の補正修正、あるいは成形条件等を選択する必要があり、この作業には多くの熟練と時間を必要とする。
又、燃料分配路20cは固定金型、可動金型、間に配置される中子を直線方向に移動させることによって鋳抜き形成されるものであり、このことから燃料分配路に屈曲部を形成することができない。
一方、かかる燃料分配管は、吸気管等、機関の近傍に配置されるものであり、上記屈曲部を形成できないことは燃料入口部に対する燃料配管の接続性、あるいは燃料分配管自体の配置の自由度が阻害される。
又、金属材料をロー付けにより接合して形成した燃料分配管によると、ロー付け作業工数が大きく増加すること。ロー付け部分の気密確認テストを必要とすること。更にはロー付け部分の焼けに対するメッキ処理を必要とすること。から製造コストの低減を達成できない。
更には燃料分配管の重量を軽減できない。
本発明になる燃料分配管は上記不具合に鑑み成されたもので、合成樹脂材料を用いた燃料分配管を反り、歪みの発生がなく高精度に形成するとともに燃料分配路に屈曲部を形成することのできる燃料分配管を提供することを第1の目的とする。
本発明になる燃料分配管は前記目的達成の為に、少なくとも一端に燃料入口部に連なる開口部を有し、該開口部から側方に向けて穿設される燃料分配路と、燃料分配路内に向けて開口する噴射弁挿入孔が燃料分配路の長手方向に沿って形成される燃料分配管において、
金属材料にて形成される燃料分配路は、少なくとも一端に開口部を有するとともに燃料分配路の長手方向に沿って複数の燃料吐出孔が穿設され、前記燃料分配路の外周と、開口部に連なる燃料入口部と、燃料吐出孔に連なり、噴射弁挿入孔を備える噴射弁支持ボス部と、を合成樹脂材料にて一体形成したことを第1の特徴とする。
又、本発明は前記第1の特徴に加え、前記燃料分配路の他端の開口部を折曲げ形成し、該開口部に燃料入口部を一体形成したことを第2の特徴とする。
更に本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料分配路の一端を折曲げ形成し、該折曲部の端部の開口部に、噴射弁挿入孔を備える噴射弁支持ボス部を一体形成したことを第3の特徴とする。
更に又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記合成樹脂材料を66ナイロンとし、前記金属材料をアルミニウムとしたことを第4の特徴とする。
本発明の第1の特徴によると、燃料分配路が金属材料によって形成され、その外周部分が合成樹脂材料にて一体形成され、更に燃料入口部と噴射弁挿入孔とを備える噴射弁支持ボス部が同時に一体形成されるので、燃料分配管を合成樹脂材料によって形成した際において、燃料分配管の長手方向の反り、歪みは金属材料よりなる燃料分配路によって阻止され、反り、歪みのない高精度の燃料分配管を提供できる。
又、燃料分配路が予め金属材料にて形成され、中子により鋳抜き形成されるものでないので、中子の抜き勾配により燃料分配路の面積が減少されることがなく分配路容積を大きく確保できる。
又、金属材料によって形成される燃料分配路の外周に合成樹脂材料が一体形成されるので、本来、合成樹脂材料のみによって形成される燃料分配管が備える効果、すなわち製造コストが安価である点、重量が軽減される点、耐蝕性が優れている点、を依然として維持できる。
又、本発明の第2の特徴によると、金属材料によって形成される燃料分配路の一端の開口部が折曲げ形成され、この開口部に燃料入口部が合成樹脂材料によって一体形成されるので、直線状をなす燃料ジョイントを用いた際にあっても燃料の導入開口を燃料分配路の側方へ開口することができ、これによって燃料導入管の配管の自由度を向上できる。
更に、本発明の第3の特徴によると、燃料分配路の他端が折曲部をもって折曲げ形成され、その開口部に噴射弁挿入孔が形成されるので、機関への装着時において燃料分配管が機関又はその周囲に配置される機器との干渉を抑止でき、もって燃料分配管の配置の自由度を向上できる。
更に又、本発明の第4の特徴によると、燃料分配管に用いられる合成樹脂材料として66ナイロンが用いられ、燃料分配路に用いられる金属材料としてアルミニウムを用い、両材料の熱膨張係数を略同等としたので、熱変化に対して両部材の対接面がハク離して間隙が生じたり、他方の部材に過大な荷重が加わり変形させたりすることがない。
以下、本発明になる燃料分配管の1実施例について図1により説明する。
1は金属材料によって形成され、両端が開口部1a,1bをもって開口するとともに長手方向X−Xに沿って複数の燃料吐出孔1cが穿設された燃料分配路である。
尚、開口部1bは必ずしも必要としない。
そして、前記燃料分配路1の外周を囲繞して合成樹脂材料が一体形成されるもので、このとき燃料分配路1の開口部1aに向けて燃料入口部2aが一体形成され、燃料吐出孔1cに向けて噴射弁挿入孔2bを備える噴射弁支持ボス部2cが一体形成される。
尚、燃料分配路1の他方の開口部1bは合成樹脂材料によって閉塞される。
以上によって燃料分配管Dが形成されるもので、固定金型、可動金型、中子によって形成される金型内に金属材料よりなる燃料分配路1をインサートし、この状態で合成樹脂材料が射出成形される。
かかる燃料分配管Dによると、燃料分配管Dの長手方向に沿って金属材料よりなる燃料分配路1がインサートされるので、燃料分配管Dの射出成形後において、燃料分配管Dの長手方向における反り、歪みの発生を解消できる。
これによると、燃料分配管Dの噴射弁挿入孔2bと、例えばスロットルボデー、吸気管とによって燃料噴射弁を挟持して支持した際、燃料噴射弁の上流側は正確に噴射弁挿入孔2b内に挿入されて支持されるので、この挿入部における燃料洩れを確実に防止できる。
又、前記によれば、金属材料よりなる燃料分配路1によって燃料分配管D自体の剛性を高めることができるので燃料分配路1の外周を囲繞する合成樹脂材料の肉厚を小さくすることができ、これによって燃料分配管Dを小型化できる。
又、燃料分配路は金属材料よりなるパイプ材でよいもので、これによると燃料分配路の通路径を先端、後端において同一直径とすることができ、燃料分配路の容積を充分に確保できる。
(燃料分配路が合成樹脂材料にて形成される従来のものにあっては鋳抜きピンによって鋳抜き形成されるので先端側の直径は後端側の直径に比較して小径に形成され、その分に相当して燃料分配路の容積が減少される)
更に、かかる燃料分配管Dによると、その大部分が合成樹脂材料によって形成されるので、合成樹脂材料が本来有する、製造コストの低減、重量の軽減、耐蝕性の向上、の効果を依然として維持できる。
次に図2により本発明になる燃料分配管の他の実施例について説明する。
尚、図1と同一構造部分は同一符号を使用する。
金属材料よりなる燃料分配路1はその両端に開口部1a,1bを備え、長手方向X−Xに複数の燃料吐出孔1cが開口して形成される。
ここで、前記燃料分配路1の一端1dは図2において折曲部1eによって下方に向けて折曲げ形成されるもので、開口部1aは下方に向けて開口される。
そして、第1の実施例と同様に、燃料分配路1の外周を囲繞して合成樹脂材料が一体形成され、このとき、燃料分配路1の他端の開口部1bに向けて燃料入口部2aが一体形成され、燃料吐出孔1c及び燃料分配路1の一端1dの開口部1aに向けて噴射弁挿入孔2bを備える噴射弁支持ボス部2cが一体形成される。
かかる第2実施例によると、燃料分配路1を金属材料によって形成したので燃料分配路1の一端1d側に折曲部1eを形成できたもので、これによると折曲部1eによって、図2の一点鎖線領域に空間部Eを形成することができる。
以上のように、かかる空間部Eを形成できたことによると、燃料分配管Dを機関へ装着する際、燃料分配管Dと機関あるいはその周囲に配置される機器との干渉を抑止でき、燃料分配管の配置の自由度を向上できる。
かかる第2の実施例において、燃料入口部2aには燃料ジョイント3が接続配置され、更にこの燃料ジョイント3には燃料ポンプ(図示せず)に連なる燃料導入管4が接続され、燃料ポンプによって昇圧された燃料が燃料導入管4、燃料ジョイント3を介して燃料分配路1内に供給される。
ここで燃料導入管4が燃料分配路1の長手方向X−Xに沿って配置される場合、燃料ジョイント3は点線で示される如きストレートジョイントが用いられ、燃料導入管4が燃料分配路1の長手方向X−Xに略直交して配置される場合、一点鎖線で示される如き、バンジョウ型ジョイントが用いられる。
そして前記バンジョウ型ジョイントを用いることによると、ストレートジョイントに比して高価であることから燃料分配管の製造コストを効果的に低減できない。
図3に示した第3の実施例は、前記バンジョウ型ジョイントの不具合を解消する為に提案される燃料分配管である。
金属材料よりなる燃料分配路1はその両端に開口部1a,1bを備え、長手方向X−Xに複数の燃料吐出孔1cが開口して形成される。
ここで、前記燃料分配路1の他端1fは図3において折曲部1gによって上方に向けて折曲げ形成されるもので、開口部1bは上方に向けて開口される。
そして、第2の実施例と同様に、燃料分配路1の外周を囲繞して合成樹脂材料が一体形成され、このとき、燃料分配路1の他端1fの開口部1bに向けて燃料入口部2aが一体形成され、燃料吐出孔1cに向けて噴射弁挿入孔2bを備える噴射弁支持ボス部2cが一体形成される。
かかる第3実施例によると、燃料入口部2aは、上方に向かって開口配置される。
かかる第3実施例によると、燃料分配路1を金属材料によって形成したので燃料入口部2aを極めて容易に上方に向けて開口配置でき、この燃料入口部2aにストレートジョイントよりなる燃料ジョイント3を接続配置できる。
従って、燃料分配路1の長手方向X−Xに略直交して配置される燃料導入管4を折曲げることなく直線状態でストレートジョイントよりなる燃料ジョイント3に接続でき、これによってバンジョウ型ジョイントを使用する必要がなくなったことから燃料分配管Dの製造コストを低減できる。
又、前記実施例において、合成樹脂材料として66ナイロンを用い、燃料分配路1の金属材料としてアルミニウムを用いるとよい。
これは66ナイロンの熱膨張係数が2×10−5/℃であり、アルミニウムの熱膨張係数が2.1×10−5/℃であり、両材料の熱膨張係数を略同一とすることができるからである。
以上によると、燃料分配管Dに加わる熱が変化した際、両材料は略同一に膨張、収縮することになり、これによると、アルミニウムよりなる燃料分配路1とそれを囲繞する66ナイロンとの間に隙間、ハク離が発生することがなく、燃料分配路1内の燃料が洩れることがない。
又、一方の部材が他方の部材に対して過大な荷重を加えることがないもので燃料分配管Dにヒビが入ったりすることなく、長期間に渡って安定した品質を維持できる。
尚、燃料分配路を形成する金属材料と合成樹脂材料の熱膨張係数が略同一であればよく、上記材料の組合わせに限定されるものでない。
本発明になる燃料分配管の第1実施例を示す縦断面図。 本発明になる燃料分配管の第2実施例を示す縦断面図。 本発明になる燃料分配管の第3実施例を示す縦断面図。 従来の燃料分配管を示す縦断面図。
符号の説明
1 燃料分配路
1a 開口部
1b 開口部
1c 燃料吐出孔
2a 燃料入口部
2b 噴射弁挿入孔
2c 噴射弁支持ボス部

Claims (4)

  1. 少なくとも一端に燃料入口部に連なる開口部を有し、該開口部から側方に向けて穿設される燃料分配路と、燃料分配路内に向けて開口する噴射弁挿入孔が燃料分配路の長手方向に沿って形成される燃料分配管において、
    金属材料にて形成される燃料分配路1は、少なくとも一端に開口部1aを有するとともに燃料分配路1の長手方向X−Xに沿って複数の燃料吐出孔1cが穿設され、前記燃料分配路の外周と、開口部1aに連なる燃料入口部2aと、燃料吐出孔1cに連なり、噴射弁挿入孔2bを備える噴射弁支持ボス部2cと、を合成樹脂材料にて一体形成したことを特徴とする燃料分配管。
  2. 前記燃料分配路の他端1fの開口部1bを折曲げ形成し、該開口部に燃料入口部2aを一体形成したことを特徴とする請求項1記載の燃料分配管。
  3. 前記燃料分配路の一端1dを折曲げ形成し、該折曲部の端部の開口部1aに、噴射弁挿入孔2bを備える噴射弁支持ボス部2cを一体形成したことを特徴とする請求項1記載の燃料分配管。
  4. 前記合成樹脂材料を66ナイロンとし、前記金属材料をアルミニウムとしたことを特徴とする請求項1記載の燃料分配管。
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JP2011218866A (ja) * 2010-04-05 2011-11-04 Japan Climate Systems Corp アスピレータ
JP2012255347A (ja) * 2011-06-07 2012-12-27 Otics Corp フューエルデリバリパイプ

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