JP2006028778A - 捨て型枠 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工現場にて所望の寸法に容易に組立可能であり、しかも軽量で持ち運びが容易な捨て型枠を提供する。
【解決手段】エキスパンドメタルにて形成された略四角形状の金網4を円筒状に成形し、側端部4a,4bを接合して円筒形状の枠体2を形成する。側端部4a,4bは重合部5を形成し結束材6にて固定される。枠体2の外側には保持部材3が装着され捨て型枠1となる。保持部材3は鋼棒にて形成され、円環部3aと連結棒3bとから構成される。円環部3aの内径D1は枠体2の外径D0よりも大径に形成されており保持部材3は枠体2に外装される。捨て型枠1は建造物の基礎中に埋め殺しされ、その内部に基礎孔が形成される。基礎孔にはアンカーボルト等が埋設される。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物の基礎孔等の施工に使用される捨て型枠に関し、特に、施工現場にて組み立て可能な金網製の箱抜用捨て型枠に適用して有効な技術に関する。
建造物のアンカーボルトや機械の据付用ボルト等は一般に、建造物等の基礎部分に中空状の基礎孔を形成し、そこに鋼製のボルトをコンクリートにて埋設するなどして設置される。このような基礎孔は、従来より「箱抜」と呼ばれる工法にて形成されており、そこでは基礎部分に木製の箱や鋼管等を設置し、その内側を空洞化して基礎孔が設けられる。特許文献1や2には、このような箱抜用の部材として、鋼板をスパイラル状に加工したワインディングパイプと称される鋼管製の型枠材が示されている。かかる型枠材は自由な寸法に製作可能であり、鉄筋との溶接や埋め殺しも可能であることから、工期短縮や工費節減のため、近年その利用が増加している。
特開2003-293314 特開平10-159228
しかしながら、このような鋼管製型枠材は、予め所望の長さに製造されて現場に運搬されることから、長尺でしかも重量の大きい鋼製の筒状部材を運搬しなければならない。このため、施工上のメリットは大きいものの、製品自体は取り扱いにくく、運搬コストが嵩み、工費節減効果が減殺されるという問題があった。また、型枠材自身は自由な寸法に製作・発注可能であるものの、現場において容易に寸法変更できないという問題もあった。すなわち、鋼管製型枠材はスパイラル加工された鋼板にて構成されているため、現場で所望の寸法に容易に切断加工できず、施工現場でのフレキシビリティに欠けその改善が求められていた。
本発明の目的は、施工現場にて所望の寸法に容易に組立可能であり、しかも軽量で持ち運びが容易な捨て型枠を提供することにある。
本発明の捨て型枠は、略四角形状の金属製シート部材の両側端部を接合し、前記シート部材を円筒形状に形成してなる枠体と、金属線にて環状に形成され、前記枠体に装着される保持部材とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、枠体と保持部材を組み立てるだけで捨て型枠を形成できるため、現場にて簡単に捨て型枠を製作することが可能となる。このため、施工現場に長尺で重量の大きい型枠を運搬する必要がなく、製品の運搬コストを大幅に低減できる。また、当該捨て型枠は軽量で持ち運びが容易であるため、施工作業も軽減される。さらに、金属製シート部材や金属線は現場にて適宜加工が可能であるため、その場で自由に寸法設定することができ、現場の状態に合わせて最適な捨て型枠を形成できる。
前記捨て型枠において、前記保持部材を前記枠体の外側にのみ装着しても良い。この場合、保持部材を、リング状に形成され前記枠体に外装される複数個の円環部と、前記円環部同士を結合する連結棒とを有する構成としても良い。
前記捨て型枠において、前記保持部材を前記枠体に複数個装着し、前記保持部材を前記枠体の外側に装着される外装体と、前記枠体の内側に装着される内装体とから構成しても良い。また、前記捨て型枠において、前記保持部材を前記枠体の内側にのみ装着しても良い。
前記捨て型枠において、前記シート部材の上端縁に沿って帯状の板部材を取り付けても良い。これにより、シート部材の先端部が板部材によって隠れる形となり、例えば、シート部材を金属製網部材にて形成した場合など、作業者自身やその衣服等が金属材先端部に引っ掛かるなどのトラブルを未然に防止でき、安全性向上が図られる。
前記捨て型枠において、前記枠体の外側にフィルム部材を装着しても良い。これにより、捨て型枠を埋設する際に、枠体外側から内側への土やコンクリート等の侵入を防止できる。
前記捨て型枠において、前記シート部材の両側端を金属線にて結束して接合しても良い。また、前記シート部材をエキスパンドメタルにて形成しても良い。
本発明によれば、捨て型枠を、金属製シート部材からなる円筒形状の枠体と、枠体に装着される保持部材とを有する構成としたので、枠体と保持部材を組み立てるだけで捨て型枠を形成できる。このため、現場にて容易に捨て型枠を製作することが可能となり、施工現場に長尺で重量の大きい型枠材を運搬する必要がなく、運搬コストの低減を図ることが可能となる。また、捨て型枠を軽量で持ち運びが容易なものとすることができ、施工作業も軽減される。さらに、枠体や保持部材の寸法をその場で容易に変更できるため、現場の状態に合わせて最適な捨て型枠を形成することが可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1である捨て型枠(以下、適宜型枠と略記する)の構成を示す斜視図である。図1の型枠1はいわゆる箱抜施工に使用され、円筒形状の枠体2と、枠体2の外側に装着された保持部材3とから構成されている。図1の型枠1は、例えば、枠体2の外径D0が約100〜1500mm、高さHが約200〜2500mm程度に形成される。
枠体2は、金網(金属製シート部材)4を円筒状に成形し、その側端部4a,4bを接合した構成となっている。側端部4a,4bは約50mm程度の重合部5を形成しており、重合部5は結束材6にて分離しないように固定されている。結束材6には、針金等の金属線が使用される。型枠1では、この結束材6によって、側端部4a,4bが長手方向(図1において上下方向)に沿って4箇所固定されている。
金網4としては、エキスパンドメタル(例えば、株式会社サンゴ製TS-35等)が使用される。図2は、金網4の構成を示す説明図である。金網4は、図2に示すように、偏平六角形状の網目7を有している。網目7の上下は壁部8となっており、図2下図に示すように、壁部8は45°傾斜して形成されている。このような金網4の一方側にコンクリート9を打設すると、壁部8によってコンクリート9の流出が阻止され、金網4の他方側にはコンクリート9が漏れにくくなっている。
保持部材3は直径5〜10mm程度の鋼棒にて形成されており、円環部3aと連結棒3bとから構成されている。円環部3aの内径D1は枠体2の外径D0よりも大径に形成されており、円環部3aは枠体2の外装可能となっている。型枠1では、円環部3aは3個設けられており、各円環部3a同士は直線状の連結棒3bによって結合されている。連結棒3bは円環部3aの円周に沿って等分に3個設けられており、連結棒3bと円環部3aとの間は溶接にて接合されている。
型枠1は次のようにして組み立てられる。図3は図1の型枠の組立方法を示す説明図である。型枠1は施工現場にて組み立てられ、現場には所定寸法に加工された金網4や保持部材3の円環部3a及び連結棒3bが搬入される。枠体2は、まず図3(a)左図のように、金網4の側端部4a,4bを対向させる形で丸めて円筒状にする。次に、重合部5にて側端部4a,4b同士を結束材6によって固定し枠体2を形成する(図3(b)左図)。一方、保持部材3は、図3(a)右図のように、各円環部3aに連結棒3bを溶接又は結束して形成される。これにより、図3(b)右図のような骨組の保持部材3が形成される。
枠体2と保持部材3を製作した後、図3(c)のように枠体2の外側に保持部材3を装着する。保持部材3は、結束材6にて枠体2に固定される。前述のように円環部3aは枠体2に外装可能となっており、枠体2は保持部材3の内側に嵌め込まれる。枠体2はこの保持部材3内に保持され、金網4が解けて開放されないようになっている。これにより、型枠1は図1に示したような構成に組み立てられる。
このように当該型枠1は、金網や鋼棒を現場にて組み立てるだけで容易に形成することができる。このため、施工現場に長尺で重量の大きい鋼製の筒状部材を運搬する必要がなく、製品の運搬コストを大幅に低減することができる。また、型枠1は金網と鋼棒からなるため、軽量で持ち運びが容易であり、施工作業も軽減される。さらに、金網と鋼棒という汎用材料から構成されているため型枠1の製品コスト自体も安く抑えることができる。
次に、型枠1の使用方法について説明する。図4は図1の型枠の施工状態を示す説明図、図5は図1の型枠の使用例を示す説明図である。ここでは、建造物の基礎を構築する際の箱抜施工に型枠1を使用する場合について説明する。図5(b)に示すように、建造物の基礎11には、型枠1によって基礎孔12が形成され、そこにアンカーボルト13が埋設される。
図4に示すように、型枠1は鉄筋14の間に配置される。つまり、建造物の基礎を構築する際、鉄筋14を配筋した後、鉄筋14にて形成される格子内に配置される。型枠1は、鋼製の底蓋15上に載置され、溶接や針金等によって鉄筋14に固定される。この際、型枠1はその場で自由に寸法設定することも可能なため、鉄筋回避も容易であり、現場の状態に合わせて最適な捨て型枠を設置できる。
型枠1を鉄筋14の間に設置した後、土の埋め戻しとコンクリートの打設を行う。図5(a)に示すように、コンクリート9は型枠1の外側に打設され、基礎11内に埋め殺される。この際、型枠1では、金網4の網目7によりコンクリート9の漏出が抑えられ、その内側にはコンクリート9が流入せず基礎孔12が形成される。また、網目7により、型枠1とコンクリート9の付着力も大きい。さらに、枠体2が保持部材3にて支持されているため、外圧に対しても強い抵抗力を有している。なお、底蓋15によって、型枠1の底部からのコンクリート9の流入も阻止される。
基礎孔12内には、図5(b)に示すように、アンカーボルト13と共にコンクリート9が打設される。アンカーボルト13の一端部13aはU字形に屈曲しており、コンクリート9内に埋設される。U字形の一端部13aを基礎孔12内に埋設することにより、アンカーボルト13は基礎11内に固設される。アンカーボルト13の他端部13bには雄ねじが切られており、基礎11の上部に露出して配置される。
このように、本発明の型枠1は現場にて容易に最適寸法に成形でき、しかもそれを基礎11中に埋め殺しすることができる。その際、軽量かつ簡単な構成でありながら、型枠1内には確実に基礎孔12が形成される。従って、施工品質を損なうことなく、材料の運搬コストの低減や作業性の向上を図ることが可能となり、工期の短縮や工事費の低減が図られる。
次に、本発明の実施例2である捨て型枠について説明する。図6は、本発明の実施例2である捨て型枠の構成を示す斜視図である。なお、以下の実施例では、実施例1と同様の部材、部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6の型枠21では、保持部材3が円環部3aのみにて形成され、円環部3a同士を接続する連結棒3bが省略されている。各円環部3aは、結束材6によって枠体2に固定されている。このように、連結棒3bを省いても枠体2は円環部3aによって円筒状に保持される。また、連結棒3bを省くことにより、部品点数が削減されると共に、連結棒3bの溶接作業を省くことができ現場での組立工数も削減される。
図7は、本発明の実施例3である捨て型枠の構成を示す斜視図である。図7の型枠22では、枠体2の上端縁2aに沿って、帯状の金属製板部材からなる帯板23が取り付けられている。枠体2の上端縁2aは、金網を構成する金属材が切断された状態そのままで露出する形となるため、作業者自身やその衣服、各種施工用具等が線材先端部に引っ掛かるなどのトラブルが生じるおそれがある。そこで、実施例3の型枠22では、枠体上端縁2aを隠すように帯板23を取り付け、金属材が型枠22上部から露出しないようにしている。
帯板23は、幅方向の一部が枠体上端縁2aを超えて取り付けられ、突出部23aを形成している。これにより、金網先端部が露出することなく帯板23内に隠れる。これにより、金網先端部に作業者自身やその衣服等が引っ掛かるのを防止でき、安全性や作業効率の向上が図られる。また、金網自体も先端部に処理を施すことなく切りっぱなし状態にて使用できるので、作業工数も削減される。なお、図7では枠体2の上端縁2aのみに帯板23を取り付けているが、下端縁にも帯板23を取り付けても良い。
図8は、本発明の実施例4である捨て型枠の構成を示す斜視図である。図7の型枠24では、連結棒3bのない保持部材3が使用され、円環部3aが枠体2に複数個(図8では3個)取り付けられている。また、円環部3aは、枠体2の外側に装着される外装体25と、枠体2の内側に装着される内装体26とから構成される。外装体25は、実施例1〜3の円環部3aと同様に枠体2に外装される。これに対し内装体26は、枠体2の内周に沿うように取り付けられる。外装体25及び内装体26は、それぞれ結束材6によって枠体2に固定される。
このような型枠24では、外装体25によって枠体2の展開防止が図られると共に、内装体26によって型枠埋設時に枠体2が受ける外圧に対抗できるようになっている。なお、図9のように、既に形成されている孔27に型枠を挿入設置する場合には、外装体25を省くこともできる。すなわち、孔27に型枠28を挿入する場合、枠体2の展開は余り問題とならないため、外圧対策用に内装体26のみを取り付ければ足りる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例では、所定寸法に加工された金網4や円環部3a,連結棒3bを現場に搬入して型枠1を組み立てる例を示したが、それらを設計寸法や施工条件等に合わせて、長尺の金網や鋼棒から現場にて適宜所望の寸法に加工しても良い。また、型枠1における諸寸法や円環部3a,連結棒3bの個数は任意であり、諸条件に合わせて適宜設定可能である。さらに、枠体2では、コンクリート9の漏れや強度的な要請に基づき、金網を複数枚重ねて使用しても良い。
また、前述の実施例では、枠体2にエキスパンドメタル製の金網を用いた例を示したが、枠体2の素材は金網には限定されず、パンチングメタルや孔のない鋼板などを使用しても良い。さらに、枠体2の外側に合成樹脂製フィルム(例えば、ポリエチレン製や塩化ビニル製のラップフィルムなど)や紙、不織布等を巻き付け、コンクリートや土砂が型枠内に流入するのを防止しても良い。この場合、生分解性のフィルムや紙を使用すれば、環境への影響も抑えられより好ましい。
加えて、前述の実施例では、型枠1をアンカーボルト13設置用の基礎孔形成に使用した例を示したが、基礎孔形成のみならず、道路標識や照明器具等の基礎部分に使用することも可能である。また、型枠1の使用に際しては、鉄筋14やコンクリート9を必ず用いる必要はなく、鉄筋のない構築物への適用や土中埋設も可能である。
本発明の実施例1である捨て型枠の構成を示す斜視図である。 金網の構成を示す説明図であり、(a)は金網の網目構成、(b)は施工時のコンクリートの状態を示している。 図1の型枠の組立方法を示す説明図である。 図1の型枠の施工状態を示す説明図である。 図1の型枠の使用例を示す説明図である。 本発明の実施例2である捨て型枠の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例3である捨て型枠の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例4である捨て型枠の構成を示す斜視図である。 図8の型枠の変形例である。
符号の説明
1 捨て型枠
2 枠体
2a 上端縁
3 保持部材
3a 円環部
3b 連結棒
4 金網(金属製シート部材)
4a,4a 側端部
5 重合部
6 結束材
7 網目
8 壁部
9 コンクリート
11 基礎
12 基礎孔
13 アンカーボルト
13a 一端部
13b 他端部
14 鉄筋
15 底蓋
21 型枠
22 型枠
23 帯板
23a 突出部
24 型枠
25 外装体
26 内装体
27 孔
28 型枠
0 枠体外径
1 円環部内径

Claims (9)

  1. 略四角形状の金属製シート部材の両側端部を接合し、前記シート部材を円筒形状に形成してなる枠体と、
    金属線にて環状に形成され、前記枠体に装着される保持部材とを有することを特徴とする捨て型枠。
  2. 請求項1記載の捨て型枠において、前記保持部材は、前記枠体の外側にのみ装着されることを特徴とする捨て型枠。
  3. 請求項1または2記載の捨て型枠において、前記保持部材は、リング状に形成され前記枠体に外装される複数個の円環部と、前記円環部同士を結合する連結棒とを有することを特徴とする捨て型枠。
  4. 請求項1記載の捨て型枠において、前記保持部材は前記枠体に複数個装着され、前記枠体の外側に装着される外装体と、前記枠体の内側に装着される内装体とを有することを特徴とする捨て型枠。
  5. 請求項1記載の捨て型枠において、前記保持部材は、前記枠体の内側にのみ装着されることを特徴とする捨て型枠。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の捨て型枠において、前記シート部材の上端縁に沿って帯状の板部材を取り付けてなることを特徴とする捨て型枠。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の捨て型枠において、前記枠体の外側にフィルム部材を装着させてなることを特徴とする捨て型枠。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の捨て型枠において、前記シート部材の両側端を金属線にて結束して接合することを特徴とする捨て型枠。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の捨て型枠において、前記シート部材はエキスパンドメタルにて形成されることを特徴とする捨て型枠。
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