JP2006028228A - 中空成形品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 木粉に処理を施す手間とコストを省き、かつ成形時の熱により木粉の色や形状を変化させない中空成形品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 天然木材の外観を有する木質様の中空成形品であって、セルロース系粉粒体10〜60重量%および熱可塑性樹脂90〜40重量%の合計100重量部に対し、ポリフェニレンエーテル1〜30重量部を含む樹脂組成物によりブロー成形で形成される。これにより、低温度でブロー成形ができるため、木粉等に特別な処理を施すことなく、過熱によりパリソンの押出工程において木粉等の色や形状が変化したり、焦げ臭くなったりするのを防ぎ成形品の外観や触感の点で木質感を向上させることができる。一方、特別な処理が不要であるため、手間やコストを省くことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ブロー成形された木質様の中空成形品およびその製造方法に関する。
従来から、木質様の樹脂成形品には、木粉を混入させた樹脂を、押出成形や射出成形により成形し木質感を持たせたものがある(たとえば、特許文献1)。特許文献1に記載される樹脂成形品は、木粉等のセルロース系粉粒体を含む樹脂組成物の粒状物、ポリエチレンおよび着色剤を含み、押出成形により成形されている。
木質様の樹脂成形品には、木粉の含有量を増加させ、外観または触感の点から木質感を向上させることが求められている。また、建築用の部材や家具に用いるために軽くて強度の高い樹脂成形品が求められている。上記のような樹脂成形品の中には、木質感の向上と軽量化を図るため、磨砕処理により微粉末とした木粉にさらに細かい金属やセラミックス等の微粉末を付着させ固定粒とし、その固定粒に樹脂および顔料を混合して、ブロー成形により成形した中空成形品もある(たとえば、特許文献2)。
特開平2002−194223号公報 特許2891645号公報
しかしながら、木粉を磨砕処理し、金属やセラミックス等の固い微粉末を付着させると、時間と手間がかかり、製造コストが高くなる。一方、木粉に磨砕処理を行なわない場合、または磨砕された木粉に金属やセラミックス等の固い微粉末を付着させるという処理を行なわない場合には、耐熱性が低下し、成形時の熱により木粉の色や形状が変化するだけでなく、木粉が焦げた場合には悪臭が発生しうる。
本発明は、木粉に処理を施す手間とコストを省き、かつ成形時の熱により木粉の色や形状を変化させない中空成形品およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の中空成形品は、天然木材の外観を有する木質様の中空成形品であって、セルロース系粉粒体10〜60重量%および熱可塑性樹脂90〜40重量%の合計100重量部に対し、ポリフェニレンエーテル1〜30重量部を含む樹脂組成物によりブロー成形で形成されることを特徴としている。
このように、本発明の中空成形品は、セルロース系粉粒体の含有量が多く、セルロース系粉粒体と熱可塑性樹脂との比が10/90〜40/60であり、ポリフェニレンエーテルを1〜30重量部含む。これにより、製造の際にブロー成形のパリソンを押し出す工程では、シリンダ内の材料の温度が180〜190℃であっても材料の粘度を押し出し可能な程度まで小さくしつつ、押し出されたパリソンが切れない程度に大きい粘度を維持することができる。その結果、木粉に特別な処理を施すことなく、過熱によりパリソンの押出工程において木粉の色や形状が変化したり、焦げ臭くなったりするのを防ぎ成形品の外観や触感の点で木質感を向上させることができる。一方、磨砕処理等の特別な処理が不要であるため、手間やコストを省くことができる。またセルロース系粉粒体の含有量が多いため、成形品の表面に水分が保持されやすく、静電気を逃がすため、表面に埃が付着するのを防止することができる。
また、中空成形品は、ブロー成形の押出方向に対して、開始側端部の一部および終了側端部の一部が閉塞していることが好適である。このように本発明の中空成形品は、セルロース系粉粒体の含有量の多いブロー成形品であり、ブロー成形の押出方向に対して、開始側端部の一部および終了側端部の一部が閉塞しているため、木質様の瓶や両端部が封止された一体成形の木質様の棚板に応用することができる。
また、中空成形品は、前記熱可塑性樹脂はスチレン系樹脂であり、前記セルロース系粉粒体は木粉であることが好適である。これにより、スチレン系樹脂の特性からエッジがシャープで外観の美しい木質様の中空成形品を作製することができる。また、オガ粉など調達しやすい木粉を用いて作製することができるため、コストを削減することができる。
また、中空成形品は、前記中空を形成する空隙の周囲に、三次元の各方向にそれぞれ対向して設けられた三対の壁部を備えることが好適である。これにより、中空成形品を軽量な中空の棚板、テーブルやカウンターの天板等に応用することができる。また、一体成形で封止すべき面を封止しているため、二次加工を不要とし、封止面について外観を美しくすることができる。また、三次元の各方向に対の壁部が設けられているため、補強なしで強度を大きくすることができる。
また、中空成形品は、中空板状に形成され、底側の前記壁部の外面に前記空隙側に窪んだ溝を有することが好適である。これにより、中空成形品の壁部の溝に収容スペースを確保することができる。たとえば、棚板に蛍光灯を収容するための溝として、上記溝を利用することができる。
また、中空成形品の製造方法は、セルロース系粉粒体60〜10重量%ならびに熱可塑性樹脂40〜90重量%の合計100重量部に対してポリフェニレンエーテル1〜30重量部を混練する工程と、混練して得られた樹脂組成物を、低圧縮スクリューを用いて、入口温度140℃〜150℃、出口温度160〜180℃に保たれたシリンダから押し出してパリソンを形成する工程と、50℃〜70℃の温度に保たれた一対の型を衝合させて、前記パリソンを挟み、空気圧により内部から前記パリソンを、50℃〜70℃の温度に保たれた前記型に圧着させる工程と、前記型から成形品を剥離する工程と、を含むことを特徴としている。
このように、本発明の製造方法は、木粉含有量が多く、木粉と熱可塑性樹脂との比が10/90〜40/60であり、ポリフェニレンエーテルを1〜30重量部含む。これにより、製造の際にブロー成形のパリソンを押し出す工程では、シリンダ内の材料の温度が180〜190℃であっても材料の粘度を押し出し可能な程度まで小さくしつつ、押し出されたパリソンが切れない程度に大きい粘度を維持することができる。
また、上記のように、パリソンの押出から成形までの工程において、材料の温度を190℃以下に維持する。これにより、木粉に特別な処理を施すことなく、過熱によりパリソンの押出工程において木粉の色や形状が変化したり、焦げ臭くなったりするのを防ぎ成形品の木質感を向上することができる。一方、磨砕処理等の特別な処理が不要であるため、手間やコストを省くことができる。また、低圧縮スクリューを用いているため、材料の温度を190℃以下に維持するようにスクリューの回転による発熱を抑えつつ、パリソンを押し出す効率を高めることができる。
本発明に係る中空成形品によれば、製造の際にブロー成形のパリソンを押し出す工程では、シリンダ内の材料の温度が180〜190℃であっても材料の粘度を押し出し可能な程度まで小さくしつつ、押し出されたパリソンが切れない程度に大きい粘度を維持することができる。その結果、木粉に特別な処理を施すことなく、過熱によりパリソンの押出工程において木粉の色や形状が変化したり、焦げ臭くなったりするのを防ぎ成形品の外観や触感の点で木質感を向上させることができる。一方、磨砕処理等の特別な処理が不要であるため、手間やコストを省くことができる。またセルロース系粉粒体の含有量が多いため、成形品の表面に水分が保持されやすく、静電気を逃がすため、表面に埃が付着するのを防止することができる。
また、本発明に係る中空成形品によれば、木質様の瓶や両端部が封止された一体成形の木質様の棚板に応用することができる。
また、本発明に係る中空成形品によれば、スチレン系樹脂の特性からエッジがシャープで外観の美しい木質様の中空成形品を作製することができる。また、オガ粉など調達しやすい木粉を用いて作製することができるため、コストを削減することができる。
また、本発明に係る中空成形品によれば、中空成形品を軽量な中空の棚板、テーブルやカウンターの天板等に応用することができる。また、一体成形で封止すべき面を封止しているため、二次加工を不要とし、封止面について外観を美しくすることができる。また、三次元の各方向に対の壁部が設けられているため、補強なしで強度を大きくすることができる。
また、本発明に係る中空成形品によれば、中空成形品の壁部の溝に収容スペースを確保することができる。たとえば、棚板に蛍光灯を収容するための溝として、上記溝を利用することができる。
また、本発明に係る中空成形品の製造方法によれば、製造の際にブロー成形のパリソンを押し出す工程では、シリンダ内の材料の温度が180〜190℃であっても材料の粘度を押し出し可能な程度まで小さくしつつ、押し出されたパリソンが切れない程度に大きい粘度を維持することができる。
また、上記のように、パリソンの押出から成形までの工程において、材料の温度を190℃以下に維持する。これにより、木粉に特別な処理を施すことなく、過熱によりパリソンの押出工程において木粉の色や形状が変化したり、焦げ臭くなったりするのを防ぎ成形品の木質感を向上することができる。一方、磨砕処理等の特別な処理が不要であるため、手間やコストを省くことができる。また、低圧縮スクリューを用いているため、材料の温度を190℃以下に維持するようにスクリューの回転による発熱を抑えつつ、パリソンを押し出す効率を高めることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、木質様の中空成形品1の斜視図である。中空成形品1は、ブロー成形により成形されたものである。中空成形品1は、三次元の各方向に壁部2を備えて空隙3を封止して一体成形された棚板である。中空であることを明瞭にするために、上面11と側面12とに垂直な平面で切った断面を斜線で示すが、実際には、断面部も壁部2により封止されている。これにより、一体成形で封止すべき面を封止しているため、二次加工を不要とすることができる。押出成形の中空の棚板では、押出方向に貫通した中空の孔が生じるが、中空成形品1では、空隙が壁部2で封止されているため、外観を美しくすることができる。また、押出成形の中空の棚板は、端面にボス加工を施し、鉄芯を通して用いられることが多いが、中空成形品1は、このような補強なしで強度を大きくすることができる。
また、中空成形品1の底面14には空隙3側に窪んだ溝14aが形成されている。これにより、溝14aに収容スペースを確保することができる。たとえば、木製の棚板に蛍光灯を設置する必要がある場合に、従来は棚板の側面に木製の板を固着して、蛍光灯を隠し外観を美しくするという事情があったが、木製の板に代えて中空成形品1を用い、蛍光灯を収容するための溝として、溝14aを利用することができる。また、木製の板を用いる場合に比べ、加工コストを削減することができる。また、ブロー成形による中空成形品は、押出方向に垂直な断面が一定形状となる押出成形品とは異なり、様々な形状の溝を成形することができる。なお、図1の矢印Aは、押出方向を示している。
中空成形品1の形状は、タンク、ボトル等の容器形状、パイプ、蛇腹ホース等の筒形状とするのに適しており、ブロー成形で成形可能な形状であれば、上記の棚板に限定されない。特に、上記の棚板の形状に示されるように、ブロー成形における押出方向に対して、開始側端部の一部および終了側端部の一部が閉塞している形状は、押出成形や射出成形では成形不可能であるため、ブロー成形に好適である。したがって、図1に示す両端部が封止された一体成形の木質様の棚板だけでなく、木質様の瓶等にも応用することができる。なお、押出方向に対して、開始側端部の一部および終了側端部の一部が閉塞している形状には、軸の折れ曲がったパイプの形状も含む。
中空成形品1はその材料に、セルロース系粉粒体、熱可塑性樹脂およびポリフェニレンエーテルを含む。セルロース系粉粒体とは、たとえば、オガ粉、木屑、パルプ粉等の木粉、コルク粉、ココナッツやし殻粉またはクルミ殻粉等である。セルロース系粉粒体であれば、特に制限はなく、上記の例に限られない。セルロース系粉粒体は、例示された上記材料単独で構成されてもよいし、あるいは二種以上の混合物であってもよい。特に、オガ粉、木屑、パルプ粉等の木粉が好ましい。これにより、調達しやすい材料を用いて作製することができるため、コストを削減することができる。さらには、製材工程で発生する松、杉、ひのき、ツガ等のオガ粉が、セルロース系粉粒体として好適である。セルロース系粉粒体の平均粒子径は好ましくは1〜500μmである。
熱可塑性樹脂は、スチレン系樹脂およびオレフィン系樹脂を含むが、スチレン系樹脂の方が好適である。これにより、スチレン系樹脂の特性からエッジがシャープで外観の美しい木質様の中空成形品を作製することができる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−スチレン等の単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと共重合可能な不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。代表的なものとしては、一般用ポリスチレン、耐衝撃用ポリスチレン、耐熱用ポリスチレン(α−メチルスチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、耐熱用AS樹脂(N−フェニルマレイミド−アクリロニトリル共重合体)、ACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合体)等が挙げられる。これらのスチレン系樹脂は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。この中では、特にABS樹脂が好ましい。
ポリオレフィン 系樹脂 としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリブタジエン、ブタジエン−イソプレン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素化物(SEB)、あるいはこれら樹脂 の少なくとも2種以上の混合物が挙げられる。熱可塑性樹脂は、例示された上記樹脂単独で構成されてもよいし、あるいは二種以上の混合物であってもよい。
中空成形品1の材料のうち、セルロース系粉粒体と熱可塑性樹脂との重量比は、10/90以上60/40以下である。このように中空成形品1は、セルロース系粉粒体の含有量が多い。これにより、外観や触感の点で木質感を向上させることができる。またセルロース系粉粒体の含有量が多いため、中空成形品1の表面に水分が保持されやすく、静電気を逃がすため、表面に埃が付着するのを防止することができる。一方、セルロース系粉粒体には磨砕処理等の特別な処理が不要であるため、手間やコストを省くことができる。
セルロース系粉粒体が、熱可塑性樹脂との合計100重量%に対して、上限の60重量%を超えると、成形時にパリソンの押出が困難になり、また、中空成形品1の靭性が低くなり割れ易くなる。一方、セルロース系粉粒体が、下限の10重量%未満になると、中空成形品1は木質的外観および木質的触感が得られない。
また、中空成形品1は、セルロース系粉粒体および熱可塑性樹脂の他に、ポリフェニレンエーテルを含む。ポリフェニレンエーテルとは、たとえば一般式:
Figure 2006028228
(式中Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基およびハロゲン原子とフェニル環との間に少なくとも2個の炭素原子を有するハロアルキル基またはハロアルコキシ基で第3級α−炭素を含まないものから選ばれた一価置換基を表わし、qは重合度を表わす整数である)で示される重合体の一種単独であっても、二種以上が組み合わされた共重合体であってもよい。
ポリフェニレンエーテルは、一般的にフェノール類の反応により製造可能である。このフェノール類には、2,6-ジメチルフェノール、2,6-ジエチルフェノール、2,6-ジブチルフェノール、2,6-ジラウリルフェノール、2,6-ジプロピルフェノール、2,6-ジフェニルフェノール、2-メチル-6- エチルフェノール、2-メチル-6- シクロヘキシルフェノール、2-メチル-6- トリルフェノール、2-メチル-6- メトキシフェノール、2-メチル-6- ブチルフェノール、2,6-ジメトキシフェノール、2,3,6-トリメチルフェノール、2,3,5,6-テトラメチルフェノール及び2,6-ジエトキシフェノールが包含されるが、これらに限定されるものではない。これらの各々は単独に反応させて対応するホモポリマーとしてもよいし、別のフェノールと反応させて上記式に包含される異なる単位を有する対応するコポリマーとしてもよい。
好ましい具体例ではQ及びQが炭素原子数1〜4のアルキル基であり、Q及びQが水素原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基である。例えば、ポリ(2,6‐ジメチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジエチル‐1,4‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐エチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジプロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐エチル‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル等が挙げられる。またポリフェニレンエーテル共重合体としては、上記ポリフェニレンエ―テル繰返し単位中にアルキル三置換フェノ―ル、例えば 2,3,6‐トリメチルフェノ―ルを一部含有する共重合体を挙げることができる。また、これらのポリフェニレンエーテルに、スチレン系化合物がグラフトした共重合体であってもよい。スチレン系化合物グラフト化ポリフェニレンエ―テルとしては上記ポリフェニレンエーテルにスチレン系化合物として、例えばスチレン、q‐メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどをグラフト重合して得られる共重合体である。
中空成形品1の材料のうち、ポリフェニレンエーテルの含有量はセルロース系粉粒体と熱可塑性樹脂との合計100重量部に対して、下限が1重量部、上限が30重量部である。これにより、製造の際にブロー成形のパリソンを押し出す工程では、シリンダ内の材料の温度が180〜190℃であっても材料の粘度を押し出し可能な程度まで小さくしつつ、押し出されたパリソンが切れない程度に大きい粘度を維持することができる。その結果、木粉に特別な処理を施すことなく、過熱によりパリソンの押出工程において木粉の色や形状が変化したり、焦げ臭くなったりするのを防ぎ成形品の外観や触感の点で木質感を向上させることができる。ポリフェニレンエーテルの含有量が上記の下限未満である場合には、パリソンの粘度が低くなりすぎ、押し出しが困難になる。一方、上記の上限を超えると、成形時にパリソンが切れ易くなってしまう。
また、中空成形品1の材料には、上記に挙げた材料の効果を損なわない範囲で、それら以外に当業者に公知の各種の添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔料、可塑剤、離形剤、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤、充填材、補強材がふくまれていてもよい。充填材の配合量は、セルロース系粉粒体と熱可塑性樹脂との合計100重量部に対して、下限が好ましくは1重量%、特に好ましくは5重量%であり、上限が20重量%、特に好ましくは15重量%である。
次に、以上のように構成された中空成形品1の製造方法を説明する。
まず、上記の各材料の所定量を秤量し混合する。例えば、十分に乾燥させた粉末状の木粉、ペレットや細片状態等の熱可塑性樹脂およびポリフェニレンエーテルのペレットをターンブルミキサーやヘンシェルミキサーで代表される高速ミキサー等でドライブレンドして均一混合する。
粉末の木粉の代わりに、予め木粉と熱可塑性樹脂とを混合したペレット状の市販品を使用してもよく、たとえば、プラスッド(商標、長瀬産業株式会社製)を用いることができる。また、ポリフェニレンエーテルとしては、市販品を使用することができ、たとえば、ノリル(商標、日本ジーイープラスチックス株式会社製)等を挙げることができる。ポリフェニレンエーテルのペレットの代わりに、着色剤とポリフェニレンエーテルとを予め混合したペレット状マスターバッチを使用してもよい。マスターバッチとしては、市販品を使用することができ、たとえば、もくめくん(商標、セツナン化成株式会社製)等を挙げることができる。
次に、混合された材料を、図2に示すブロー成形機20のホッパー21に投入する。たとえば、押出ブロー成形機を用いてホットパリソン法によりブロー成形を行なう。パリソンとは、可塑化して押出された円筒状の樹脂の部分をいう。ブロー成形機20のシリンダ22の温度は、ホッパー21の下側の部分で140〜150℃、シリンダ22の先端部分で160〜190℃に保持し、ダイ23の温度を150〜190℃に保持しておく。これにより、木粉に特別な処理を施すことなく、過熱によりパリソンの押出工程において木粉の色や形状が変化したり、焦げ臭くなったりするのを防ぎ成形品の木質感を向上することができる。一方、磨砕処理等の特別な処理が不要であるため、手間やコストを省くことができる。
低圧縮タイプのスクリュー24により、上記材料の混合物をパリソン30にして、押し出す。図3から図5は、パリソン30が押し出されてから金型27でパリソンを挟み込むまでの工程の一例を示す断面図である。低圧縮タイプのスクリュー24とは、一般的に用いられ、低速度で材料を押し出すように形状を設計されたスクリューである。低圧縮スクリューを用いているため、材料の温度を190℃以下に維持するようにスクリュー24の回転による発熱を抑えつつ、パリソンを押し出す効率を高めることができる。なお、低圧縮タイプのものであれば特にスクリューの形状は限定されない。
次に押し出されたパリソン30を二つ割りで一組の合わせ金型27ではさみ込む。一組の合わせ金型27ではさみ込むことにより、パリソン30の押出方向の開始側端部および終了側端部の両端部が閉じられる。次に、ダイ23の中央の空気吹き込み口から空気を吹き込み、パリソン30を膨らませて、金型27の内壁に密着させる。金型27に押しつけられたパリソンを、そのままの状態で冷却し固化する。パリソンに圧入された空気を抜き、金型を開いて中空成形品を取り出す。
なお、上記の成形方法では、ホットパリソン法を用いたが、押出成形または射出成形したパリソンをいったん冷却・固化させた後、ブロー用の金型に入れ、成形直前に再度加熱し可塑化させて成形するコールドパリソン法を用いてもよい。
本発明に係る中空成形品の斜視図である。 ブロー成形機の略断面図である。 本発明に係る中空成形品の成形工程を示す断面図である。 本発明に係る中空成形品の成形工程を示す断面図である。 本発明に係る中空成形品の成形工程を示す断面図である。
符号の説明
1 中空成形品
2 壁部
3 空隙
14 底面
14a 溝
20 ブロー成形機
21 ホッパー
22 シリンダ
23 ダイ
24 スクリュー
27 金型
30 パリソン

Claims (6)

  1. 天然木材の外観を有する木質様の中空成形品であって、セルロース系粉粒体10〜60重量%および熱可塑性樹脂90〜40重量%の合計100重量部に対し、ポリフェニレンエーテル1〜30重量部を含む樹脂組成物によりブロー成形で形成されることを特徴とする中空成形品。
  2. ブロー成形の押出方向に対して、開始側端部の一部および終了側端部の一部が閉塞していることを特徴とする請求項1記載の中空成形品。
  3. 前記熱可塑性樹脂はスチレン系樹脂であり、前記セルロース系粉粒体は木粉であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の中空成形品。
  4. 前記中空を形成する空隙の周囲に、三次元の各方向にそれぞれ対向して設けられた三対の壁部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の中空成形品。
  5. 中空板状に形成され、底側の前記壁部の外面に前記空隙側に窪んだ溝を有することを特徴とする請求項4記載の中空成形品。
  6. セルロース系粉粒体60〜10重量%ならびに熱可塑性樹脂40〜90重量%の合計100重量部に対してポリフェニレンエーテル1〜30重量部を混練する工程と、
    混練して得られた樹脂組成物を、低圧縮スクリューを用いて、入口温度140℃〜150℃、出口温度160〜180℃に保たれたシリンダから押し出してパリソンを形成する工程と、
    50℃〜70℃の温度に保たれた一対の型を衝合させて、前記パリソンを挟み、空気圧により内部から前記パリソンを、50℃〜70℃の温度に保たれた前記型に圧着させる工程と、
    前記型から成形品を剥離する工程と、
    を含むことを特徴とする木質様の中空成形品の製造方法。


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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102020863A (zh) * 2010-11-16 2011-04-20 耿玉兰 废旧塑料改性生产空心楼盖填充体专用料及制备方法

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