JP2006027208A - タイヤの加硫方法、およびタイヤ加硫プロセスの設定方法、ならびに、タイヤ加硫用ブラダ - Google Patents

タイヤの加硫方法、およびタイヤ加硫プロセスの設定方法、ならびに、タイヤ加硫用ブラダ Download PDF

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Abstract

【課題】少なくともタイヤの内面から熱を供給してタイヤを加硫する方法において、それぞれのタイヤ部位に用いる材料の選択の幅を狭めることなく、これらのタイヤ部位ごとに予め定められた、許容加硫度範囲と許容最高温度との条件を満たすことのできるタイヤの加硫方法、およびタイヤ加硫プロセスの設定方法を提供する。
【解決手段】加硫金型20に収容されたタイヤの内面の空間を分割してできる複数の環状空間5a、6a、7aを可撓的に画成するそれぞれのサブブラダ5、6、7に、タイヤTを加熱しもしくは冷却する熱流体を供給して、サブブラダ5、6、7をタイヤ内面を密着させ、異なるタイヤ内面部分に密着するサブブラダ同士で熱流体の種類、熱流体の温度、および熱流体の供給タイミングを含む供給条件の少なくとも一部を異ならせてタイヤを加硫する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤを加硫する方法、およびその加硫方法によって加硫されるタイヤの加硫プロセスを設定する方法、ならびに、この加硫方法に用いられるタイヤ加硫用ブラダに関し、特に、タイヤの部位ごとに加硫品質を最適化することのできるものに関する。
タイヤを加硫する際、一般的に、タイヤの内面側および外面側の両方から熱を供給するが、内面側から熱を供給する方法として、袋状になり膨出縮退するタイヤ加硫用ブラダの中に熱流体を供給して、このブラダをタイヤ内面に密着させるとともに、熱流体の熱をブラダを介してタイヤに内面から伝達することが一般的に行われている(例えば、特許文献1参照。)。
この従来の方法においては、タイヤの内側に収縮させたブラダを挿入し、その後、ブラダ内に内圧を供給してブラダを膨出させることにより、ブラダをタイヤ内面に密着させてタイヤ・ブラダ組立体とし、次いで、加硫金型内に配置されたタイヤ・ブラダ組立体に対して、加硫金型の閉止後、さらに高圧の熱流体をブラダ内に供給し、タイヤを内側から加硫金型に押しつけると同時に、タイヤを内面から加熱してタイヤを加硫する。ブラダは薄いゴム等の可撓性のあるもので作られ、熱をできるだけ効率よくタイヤに伝達できるよう構成されている。
特開2002−172674号公報
しかしながら、この従来のタイヤの加硫方法においては、タイヤ内面に対応した形状に膨出するブラダは、一個のブラダとして、その内部は複数の空間に分割されてはおらず、したがって、ブラダ内を場所毎に区画して、それぞれの場所に異なる熱流体を供給することはできなかった。そのため、一般的には、ビード部、ショルダ部、トレッド部等のタイヤ部位ごとに、所定加硫度を得るための体積あたり必要熱量や、許容最高温度の条件が異なるのが一般的であるにもかかわらず、供給される熱流体が一種類に限定されることにより、どうしても、全部のタイヤ部位を所定品質内に収めるように加硫条件を設定ことがむつかしく、逆に、このように加硫条件を設定しようとする場合には、その加硫条件下で所定の品質が得られるように材料の選択幅を狭めざるをえず、タイヤ本来の性能の点で不満足な材料選択となってしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、少なくともタイヤの内面から熱を供給してタイヤを加硫する方法において、それぞれのタイヤ部位に用いる材料の選択の幅を狭めることなく、これらのタイヤ部位ごとに予め定められた、許容加硫度範囲と許容最高温度との条件を満たすことのできるタイヤの加硫方法、およびタイヤ加硫プロセスの設定方法を提供することを目的とする。
(1)本発明は、加硫金型に収容されたタイヤの内面の空間を分割してできる複数の環状空間を可撓的に画成するそれぞれのサブブラダに、タイヤを加熱しもしくは冷却する熱流体を供給して、サブブラダをタイヤ内面に密着させ、異なるタイヤ内面部分に密着するサブブラダ同士で熱流体の種類、熱流体の温度、および熱流体の供給タイミングを含む供給条件の少なくとも一部を異ならせてタイヤを加硫するタイヤの加硫方法である。
(2)本発明は、(1)において、前記サブブラダのそれぞれに供給する熱流体として、予め決められた、互いに異なる温度の二系統以上の熱流体から選択されたものを用いる請求項1に記載のタイヤの加硫方法である。
(3)本発明は、(2)において、少なくとも一つのサブブラダにおいて、前記二系統以上から選ばれた複数の熱流体を、加硫の途中、所要のタイミングで切替える請求項2に記載のタイヤの加硫方法である。
(4)本発明は、(3)において、前記熱流体の切替のすべてを、高温側の熱流体から低温側の熱流体への切替とするタイヤの加硫方法である。
(5)本発明は、(4)において、前記熱流体の切替のいずれかにおいて、切替前後の熱流体の温度を、高温側が160℃以上、低温側が40〜145℃とするタイヤの加硫方法である。
(6)本発明は、(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記サブブラダは、少なくともビード部に密着するビード部用サブブラダを含み、ビード部用サブブラダに供給する熱流体の最高温度を、他のどのサブブラダに供給する熱流体の最高温度よりも低くして加硫を行うタイヤの加硫方法である。
(7)本発明は、(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記二系統以上の熱流体のすべてを水とするタイヤの加硫方法である。
(8)本発明は、(1)〜(7)のいずれかのタイヤの加硫方法によって加硫されるタイヤの加硫プロセスを設定する方法であって、
複数のタイヤ部位の全てについて、これらのタイヤ部位ごとに予め定められた、加硫度範囲と許容最高温度との条件を満たすよう、前記サブブラダに供給するそれぞれの熱流体の前記供給条件を個別に設定するタイヤ加硫プロセスの設定方法である。
(9)本発明は、(8)において、加硫開始の直後、前記サブブラダのそれぞれに供給される熱流体を、前記二系統以上の熱流体のうち、温度がもっとも高いものとし、少なくとも一つのタイヤ部位において、その温度が、前記許容最高温度を超える前に、そのタイヤ部位に対応する配置のサブブラダに対し、そこに供給する熱流体を低温側のものに切替えるよう、熱流体の切替タイミングを設定するタイヤ加硫プロセスの設定方法である。
(10)本発明は、(8)もしくは(9)において、少なくとも一つのサブブラダへは一種類の熱流体だけを供給し、このサブブラダに対応する位置のタイヤ部位の加硫度が、予め定められた加硫度に到達した時点で、加硫を終了するタイヤ加硫プロセスの設定方法である。
(11)本発明は、(1)〜(7)のいずれかのタイヤの加硫方法に用いられるブラダであって、
複数の前記サブブラダよりなり、それぞれのサブブラダは、個別に熱流体の出し入れが可能なよう構成されてなるタイヤ加硫用ブラダである。
(1)の発明によれば、熱流体の、種類、流体温度、および供給タイミングを含む供給条件の少なくとも一部を、異なるタイヤ内面部分に密着するサブブラダ同士で異ならせたので、これらのタイヤ内面部分に対応するタイヤ部位、例えばビード部およびショルダ部毎にサブブラダを対応させて設け、これらのサブブラダのそれぞれに供給する熱流体の供給条件を互いに独立に設定することができ、このことにより、部位ごとの許容加硫度範囲および許容最高温度の条件が互いに大きく違っていても、それぞれの条件にあうよう熱流体の供給条件を設定して、これらの条件をすべて満たすことができる。
(2)の発明によれば、前記サブブラダのそれぞれに供給する熱流体として、予め決められた、互いに異なる温度の二系統以上の熱流体から選択したものを用いるので、その時々の加硫条件に合わせて熱流体の温度を変更するのに対比して、予め定められた数の熱流体供給源を準備するだけで済み、設備費を低減できるとともに、切替を瞬時に行うことができ、しかも、二系統の熱流体を途中で切替えることにより、それぞれのタイヤ部位に対応する加硫条件を満足させることができる。
(3)の発明によれば、少なくとも一つのサブブラダにおいて、予め決められた前記二系統以上から選ばれた熱流体を、加硫の途中、所要のタイミングで切替えるので、切替タイミングを調整することにより、それぞれのタイヤ部位に対応して定められている許容加硫度範囲、許容最高温度を満足させることができる。
(4)の発明によれば、前記熱流体の切替のすべてを、高温側の熱流体から低温側の熱流体への切替えとするので、加硫の最初から効率よくタイヤ加熱するともに、タイヤの温度が、許容最高温度を超える前に、熱流体を低温側に切替えることにより、短い時間でタイヤの加硫を終了することができ、しかも、タイヤの温度が許容最高温度を超えることはない。
(5)の発明によれば、いずれかの切替前後の熱流体の温度を、高温側が160℃以上、低温側が40〜145℃としたので、それぞれのタイヤ部位を、さらに一層速く加硫するとともに一層速く冷却することができ、このことにより、加硫時間をより一層短くすることができる。
(6)の発明によれば、前記サブブラダは、少なくともビード部に密着するビード部用サブブラダを含み、ビード部用サブブラダに供給する熱流体の最高温度を、他のいずれのサブブラダに供給する熱流体の最高温度よりも低くしたので、もし、ビード部用サブブラダも他のサブブラダも熱流体の温度が同じであった場合には、通常、ビード部の加硫反応がもっとも早く進行するところ、ビード部の加硫反応の進行を、他のタイヤ部位に対して、相対的に抑え、ビード部を含むすべてのタイヤ部位に対して、材料の選択幅を狭めることなく、タイヤ温度が許容最高温度以下であること、および加硫度が許容加硫度範囲内であることの条件を満足させることができる。
(7)の発明によれば、前記二系統以上の熱流体のすべてを水としたので、これを水蒸気とした場合とは異なり、熱流体の温度と圧力とを独立に設定することができ、タイヤに内面側から加える圧力と温度とを最適なものとすることができる。
(8)の発明によれば、少なくともビード部およびショルダ部を含む複数のタイヤ部位の全てについて、これらのタイヤ部位ごとに予め定められた、加硫度範囲と許容最高温度との条件を満たすよう、それぞれのサブブラダに供給する熱流体の前記供給条件を個別に設定するので、前述の通り、これらのタイヤ部位に用いる材料を、タイヤ本来の性能を犠牲にすることなく選択することができる。
(9)の発明によれば、加硫開始の直後、前記サブブラダのそれぞれに供給される熱流体を、前記二系統以上の熱流体のうち、温度がもっとも高いものとし、少なくとも一つのタイヤ部位において、その温度が、前記許容最高温度を超える前に、そのタイヤ部位に対応する配置のサブブラダに対し、そこに供給する熱流体を低温側のものに切替えるよう、熱媒体の切替えタイミングを設定するので、短い時間でタイヤの加硫を終了することができ、しかも、タイヤの温度が許容最高温度を超えることはない。
(10)の発明によれば、少なくとも一つのサブブラダへは一種類の熱流体だけを供給し、このサブブラダに対応する位置のタイヤ部位の加硫度が、予め定められた加硫度に到達した時点で、加硫を終了するので、所定の加硫度に到達する時間がもっとも長いタイヤ部位に合わせて加硫を終了させ、加硫時間を最短のものすることができる。
(11)の発明によれば、複数の前記サブブラダよりなり、それぞれのサブブラダは、個別に熱流体の出し入れが可能なよう構成されてなるので、前述の通り、これらのサブブラダのそれぞれに供給する熱流体の供給条件を互いに独立に設定して、これらのサブブラダに密着するタイヤ内面部分に対応するタイヤ部位に対する許容加硫度範囲および許容最高温度の条件がタイヤ部位毎に大きく異なっていても、これらの加硫条件を満足させることができる。
本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図1は、本実施形態のタイヤの加硫方法に用いるタイヤ加硫装置を、建設用タイヤ用の装置を例にとって示す、タイヤ加硫時における断面図であり、図2は、その装置を、上サイドモールドを固定する上部プラテンを上昇離隔させた状態において示す断面図、図3は、トレッドセグメントを半径方向外側に移動させた状態において示す断面図である。また、図4は、ブラダを縮退した状態で示す断面図である。
加硫装置1は、タイヤの外面形状を特定し、タイヤを外側から加熱する加硫金型20と、タイヤの内面を加圧してタイヤを加硫金型20の内周面に押圧するとともにタイヤを内側から加熱するブラダ10とを装着して、加硫金型20とブラダ10との間に配置されたタイヤを加硫するよう構成される。
加硫金型20は、一対のサイドモールド22、23と、これらサイドモールド22、23の外周部に係合する複数個のトレッドセグメント24とを有する。各トレッドセグメント24は、平面で見て扇形状を有し、加硫金型20の稼働時には相互に合体して環状をなし、かつ、サイドモールド22、23の外周部と係合し、タイヤTのトレッド部TRのトレッド面を形成する。この意味でトレッドセグメント24は、周方向に複数個、例えば26〜29個に分割した形状を有する。その一方で、サイドモールド22、23は、タイヤTの残余部位、すなわちトレッド部TRの両側に連なるショルダ部SHからサイドウォール部を経由してビード部BDまで半径方向内外に延在する、一対のタイヤ側面を形成する。サイドモールド22、23は、ビード部を加硫成形するビードリング25、26を具える。
一方、ブラダ10は、内周面を構成する内周面部材2、内周面部材2に上下両端を係止され膨出状態においてトロイダル状をなす外周面ゴム部材3、内周面部材2と外周面ゴム部材3とで囲繞される空間を、それぞれ環状をなす3つ空間5a、6a、7aに分割する隔壁ゴム部材4A、4Bとよりなり、このように、ブラダ10は、これらの環状空間5a、6a、7aをそれぞれ囲繞する3つのサブブラダ5、6、7に分割されて構成される。
すなわち、サブブラダ5は、外周面ゴム部材3の軸方向中央の部分3aと、それぞれの隔壁ゴム部材4A、4Bと、内周面部材2の軸方向中央部分とよりなり、これらの部分によって環状空間5aを形成する。同様に、サブブラダ6は、外周面ゴム部材3の軸方向一方側の端部3bと、隔壁ゴム部材4Aと、内周面部材2の軸方向一方側の端部とよりなり、これらの部分によって環状空間6aを形成し、サブブラダ7は、外周面ゴム部材3の軸方向他方側の端部3cと、隔壁ゴム部材4Bと、内周面部材2の軸方向他方方側の端部とよりなり、これらの部分によって環状空間7aを形成する。
ここで、外周面ゴム部材3のそれぞれの部分3a、3b、3cは相互に異なるタイヤ部位に対応するタイヤ内面に密着するよう区分され、図示の場合、部分3aはトレッド部TRに、部分3b、3cはそれぞれ上下のビード部BDに対応するタイヤ内面に、それぞれ密着するよう区分されている。
また、内周面部材2は、ブラダ10内の気密を維持しながら、相互に軸方向に相対変位する円筒部材2Aと円筒部材2Bとよりなり、これらの円筒部材2A、2Bの互いに離隔する方向への相対変位によって、内周面部材2は伸長し、円筒部材2A、2Bの互いに接近する方向への相対変位によって、内周面部材2は短縮する。
ブラダ10は、内周面部材2を短縮させるとともに、環状空間5a、6a、7aのそれぞれに内圧を供給することにより、図1に示すように、トロイダル状に膨出することができ、一方、内周面部材2を伸長させるとともに、これらの空間から内圧を排出して真空にすることにより、図4に示すように、これを縮退して、タイヤへの挿入、タイヤからの退出を可能にすることができる。このとき、外周面ゴム部材3は折り畳まれ、部分3aと3bとの一部が重なり、また、部分3aと3cとの一部が重なることになる。
加硫金型20とブラダ10とを装着する加硫装置1は、上下一対のプラテン27、28を有し、上部プラテン27は上サイドモールド22を、下部プラテン28は下サイドモールド23をそれぞれ固定し、プラテン27、28のそれぞれは、サイドモールド22、23に当接してこれらを加熱する加熱板を構成する。
上部プラテン27には、加硫金型20に収容されるタイヤのビード部BDに対応する半径方向位置に設けられる環状の内側ジャケット50と、ショルダ部SHに対応する半径方向位置に設けられる環状の外側ジャケット51とが設けられ、同様に、下部プラテン28にも、ビード部BDに対応する環状の内側ジャケット52と、ショルダ部SHに対応する状の外側ジャケット53とが設けられ、これらのジャケット50〜53はそれぞれには、タイヤ側面からタイヤを加熱して加硫するための熱源となる熱流体、あるいは、タイヤ側面からタイヤを冷却する熱流体が供給される。
なお、本明細書において、「ジャケット」とは、加熱用もしくは冷却用の熱流体を収容する空間とそれを囲繞する部分とを云い、この空間を囲繞する部分が、ジャケットの周囲と一体化されていてもよく、例えば、加熱板を穿孔加工して形成された熱流体収容空間と、この空間を囲繞する加熱板部分とを併せて「ジャケット」と呼ぶこととする。
また、加硫装置20は、各トレッドセグメント24を固定して取付ける複数個のセクタ33を有する。それぞれのセクタ33は、加硫装置1の稼働時に、一対のプラテン27 、28の間で、対応するトレッドセグメント24を伴い、中心軸線CLに関し半径方向内外に移動自在である。この移動を円滑に行うため、一対のプラテン27、28のそれぞれは、半径方向外側対向面に各セクタ33の半径方向内外摺動面31S、32Sを備える一方で、各セクタ33のそれぞれは、下方に向け先細りのテーパ外周面33Sを備える。
加硫装置1は、各セクタ33を介して各トレッドセグメント24を加熱する収容リング34を有する。収容リング34は、各セクタ33のテーパ外周面33Sと摺動係合するテーパ内周面34Sを備える。内周面34Sは外周面33Sのテーパ面と同じテーパ面形状を有する。収容リング34は、各セクタ33の外周面33Sを係止する。その係止手段は、例えば、各セクタ33の外周面33S側に設けるアリ溝33Aに嵌まるT字状突起34Tを内周面34Sに設ける。収容リング34と、これと係合するそれぞれのセクタ33とは、対応するトレッドセグメント24に当接してこれらを加熱する環状加熱部材29を構成する。
環状加熱部材29を構成する収容リング34には、環状のトレッドジャケット54、55が設けられ、これらのトレッドジャケット54、55に、トレッド部TRを加硫する熱源となる熱流体、あるいは、トレッド部TRを冷却する熱流体が供給される。
また、加硫装置1は、収容リング34を昇降動作させる複数個、図示例では2個の昇降手段35を有する。昇降手段35は、加圧流体(加圧気体、加圧液体)アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、機械式(例えばボールねじ式)アクチュエータなど、収容リング34を昇降動作させる手段であれば方式を問わない。昇降手段35は、動作軸の先端部35Pを固定具36により収容リング34に連結固定する。
ここに、下部プラテン28は床面FLに支持部材37により固定し、上部プラテン27は、上サイドモールド22を固定した状態で下部プラテン28に対し昇降自在に構成する。この昇降動作と相互の心出しとのため、上部プラテン27及び収容リング34のいずれか一方は、他方に対する案内手段および固定手段を有するものとする。
図示の案内手段の例では、上部プラテン27が、それに固定するピン38を有し、収容リング34が、その半径方向外側で突出する案内部材39にピン38を案内する穴39Hを有し、ピン18は案内溝19H壁面に沿って下降・上昇する。また、図示の固定手段の例では、ピン38の先端部に設けるねじに締結具、例えばナット40を螺合し、ナット40を案内部材39に締結する。これら案内固定手段により、上サイドモールド22を固定した上部プラテン27の加硫装置1からの切り離しと加硫装置1への簡便な装着とが可能となる。これ以外に、図示は省略したが、ピン38を部材39に固定し、上部プラテン27にピン38の案内穴を設け、ピン38の上端部を上部プラテン27に固定してもよい。
以上述べた加硫装置20の動作を以下簡単に説明する。まず、図2において、各昇降手段35の動作軸と先端部35Pとを下降させて収容リング34を下降させ、これにより、各セクタ33と各トレッドセグメント24とを半径方向外方に移動させ、各トレッドセグメント24の開状態下で成形完了の未加硫タイヤGTを装填する。
次に、加硫装置20から取外して別の場所に一旦保管している上サイドモールド22を取付け済の上部プラテン27を下部プラテン28の真上に位置させる。上部プラテン27の昇降及び搬送には、加硫装置20が超大型の場合は天井走行クレーンなど重量物搬送に適する別途の昇降・移動手段を用い、他の場合は電動ホイストなどの昇降手段を用いる。そのため、上部プラテン27は、ワイヤーロープを掛ける複数個の被吊り具、例えばアイボルト56を備えるのが好ましい。
次いで、図3において、上部プラテン27を下降させつつ、併せて各昇降手段35 を同時に稼働させて動作軸の先端部35Pと固定具36とを上昇させつつ、上部プラテン27の各ピン38を案内部材39の案内溝39Hに嵌め合わせつつ上部プラテン27の下降を継続し、上部プラテン27を収容リング34 に固定して、開状態の各セクタ33と各トレッドセグメント24とを半径方向内方に移動させ、各トレッドセグメント24を環状に合体させ閉状態とする。
ここで、上部プラテン27を下降させるに先だって、図4に示すように縮退状態にあったブラダ10を膨出させタイヤTの内面に密着させる。なお、この膨出は、先に説明したとおり、ブラダ10の内周面部材2を短縮しながらそれぞれのサブブラダ5、6、7内に内圧を供給することによって行う。図2は、ブラダ10の膨出後、上部プラテン27の下降前の状態を示す。
次に、図1において、ナット40を案内部材39に締結する。その後、加圧流体供給手段21を介し、未加硫タイヤGT内部に所定ゲージ圧の内圧を充てんし、加硫金型20の内面に未加硫タイヤGTを押圧する。この押圧開始と少なくとも同時に、好ましくは押圧以前に、一対のプラテン27、28および収容リング34のそれぞれのジャケット50〜55への熱流体の供給を開始し、この供給により加硫金型20を加熱し、未加硫タイヤGTに加硫成形を施し、製品タイヤTを得る。加硫成形終了の後は上述のプロセスの逆を辿り、製品タイヤTを加硫装置1から取出す。
図5は、ブラダ10を構成するサブブラダ5、6、7、内側ジャケット50、52、外側ジャケット51、53、および、トレッドジャケット54、55に熱流体を供給する熱流体供給システムを示す配管系統図である。熱流体供給システム100は、サブブラダ5、6、7に、互いに温度の異なる、3系統の熱流体を供給するとともに、ジャケット50〜55に1系統の熱流体を供給するよう構成される。
サブブラダ5、6、7用熱流体は3系統よりなり、これらは、温度が160℃以上の高温水系統と、温度が100〜145℃の低温水系統と、温度が100℃未満の冷却水(通常は室温程度)系統である。高温水系統の供給源は、高温水生成装置110と、この生成装置110から高温水を一以上の加硫装置1に分配する高温水供給主配管118と、これらの加硫装置1を循環して使用された高温水を高温水生成装置110に回収する高温水戻り主配管119とを具え、同様に、低温水系統の供給源は、低温水生成装置120と、この生成装置120から低温水を一以上の加硫装置1に分配する低温水供給主配管128と、これらの加硫装置1を循環して使用された低温水を低温水生成装置120に回収する低温水戻り主配管129とを、また、冷却水系統の供給源は、冷却水生成装置130と、この生成装置130から冷却水を一以上の加硫装置1に分配する冷却水供給主配管138と、これらの加硫装置1を循環して使用された冷却水を冷却水生成装置120に回収する冷却水戻り主配管129とを、それぞれ具える。
一方、ジャケット50〜55用熱流体は1系統よりなり、これは、所定温度の蒸気系統であり、所定の温度の水蒸気を発生させる蒸気発生装置140と、蒸気発生装置140から一以上の加硫装置1に蒸気を分配する蒸気主配管148とを具える。
高温水、および低温水生成装置110、120としては、例えば、工場用水を貯めるタンクと、タンク内の工場用水を所定温度に温調する温調装置と、タンクから温調された工場用水を吸引して高温もしくは低温水供給主配管118、128に吐出するポンプとで構成することができる。また、蒸気発生装置140としては、例えば、ボイラと、ボイラで発生した蒸気を所定の温度になるよう減圧する減圧弁とで構成することができる。
高温水供給主配管118から分岐してそれぞれの加硫装置1に供給される高温水は、自動開閉弁111、113、115を介して、それぞれ対応するサブブラダ5〜7に供給され、また、これらのサブブラダ5〜7を循環して排出された高温水は、それぞれ、対応する自動開閉弁112、114、116を介して高温水戻り主配管119に回収される。
同様に、低温水供給主配管128から分岐してそれぞれの加硫装置1に供給される低温水は、自動開閉弁121、123、125を介して、それぞれ対応するサブブラダ5〜7に供給され、また、これらのサブブラダ5〜7を循環して排出された低温水は、それぞれ、対応する自動開閉弁122、124、126を介して低温水戻り主配管129に回収され、また、冷却水供給主配管138から分岐してそれぞれの加硫装置1に供給される冷却水は、自動開閉弁131、133、135を介して、それぞれ対応するサブブラダ5〜7に供給され、また、これらのサブブラダ5〜7を循環して排出された冷却水は、それぞれ、対応する自動開閉弁132、134、136を介して冷却水戻り主配管139に回収される。
一方、水蒸気は、蒸気主配管148から分岐して、自動開閉弁141を介してジャケット50〜55に供給される。なお、これらのジャケット50〜35で冷却された蒸気は、ドレーンとなって、図示しないスチームトラップを通してドレーン管に排出され、蒸気発生装置140に回収することができる。
自動開閉弁111〜116、121〜126、131〜136、および141のそれぞれは、互いに独立して作動することができ、加硫装置1に設けられた、図示しない加硫制御装置からの制御信号にもとづいて開閉作動し、例えば、弁体を上下させるピストンに供給される操作エアを入切することにより作動する。
ここで、必要に応じて、サブブラダ5〜7のうち、一以上のいずれかを除いて、低温側熱流体の系統を省略してもよい。
図5において、加硫装置1を一式だけ示したが、これらの熱流体供給システムに接続される加硫装置1は複数台とすることにより、簡易な熱流体供給システム一式で多数本のタイヤを生産することができ、その場合、高温水、低温水、および、冷却水のそれぞれは、各加硫装置1の各サブブラダ5〜7へ、高温水供給主配管118、低温水供給主配管128、冷却水供給主配管138からそれぞれ分岐して供給され、また、それぞれの加硫装置1の各サブブラダ5〜7からそれぞれ、高温水戻り主配管119、低温水戻り主配管129、冷却水戻り主配管139に回収される。
図6は、熱流体供給システム100から加硫装置1に熱流体を供給して、タイヤを加硫するに当たり、各サブブラダおよびジャケットに供給される熱流体の供給タイミングに関する加硫プロセスの設定例を示すチャート図であり、縦軸は、図5中の符号で表わされる自動開閉弁を表わし、横軸は時間を表す。横軸における、Tは加硫開始のタイミングを、Tは加硫終了のタイミングを表わす。また、この加硫プロセスが対象とするタイヤにおいて、もし周囲を同じ温度にした場合には、ビード部BDの加硫が最も速く進行し、最も早く許容最高温度に達し、次に、トレッド部の加硫が速く、ショルダ部の加硫の進行が最も遅いものとする。
この設定例においては、まず、加硫開始Tの直前のタイミングt分で、自動開閉弁111、115、112、116、113、114、141を「開」にして、すべてサブブラダのジャケット30〜35に高温側熱流体である水蒸気を供給する。そして最も加硫が速く進行するビード部BDが、所定の許容最高温度に達する直前のタイミングtで、自動開閉弁111、115を「閉」とすると同時に、自動開閉弁121、125を「開」にして、ビード部BDに対応する配置のサブブラダ6、7の熱流体を、高温水から低温水に切替えて、低温水の循環を開始する。ただし、温水を回収する側の、自動開閉弁112、116を「閉」とし、自動開閉弁122、126を「開」とする切替は、温水を供給する側の切替より、タイミングを遅らせることにより、高温水が低温水系統に混入して低温水系統の温度が上昇するのを防止することが好ましい。
このとき、ビード部BDの加硫度は、まだ、予め定められた所定の加硫度範囲には未到達であり、この低温水の循環は、加硫度が所定の加硫度範囲に達するまで継続する。
タイミングtにおいて、ビード部BD以外のタイヤ部位では、温度が許容最高温度に到達しておらず、この温度が許容最高温度に到達する直前のタイミングtまで、ビード部BD以外のタイヤ部位に対応する配置のサブブラダ5での高温水の循環を継続し、タイミングtにおいて、自動開閉弁113を「閉」にするとともに、自動開閉弁123を「開」にして、サブブラダ5内を循環する熱流体の高温水から低温水への切替を開始し、タイミングtより少し遅れたタイミングtで、自動開閉弁114を「閉」にするとともに、自動開閉弁124を「開」にして、この切替を終了する。
次いで、ビード部BDの加硫度が所定の加硫度範囲に到達したタイミングtで、自動開閉弁122、126を「閉」にして、ビード部BDに対応するサブブラダ6、7内の低温水の循環を停止する。また、ビード部BD以外のタイヤ部位の加硫度が所定の加硫度範囲に到達したタイミングtで、自動開閉弁124を「閉」にして、ビード部BD以外のタイヤ部位に対応するサブブラダ5内の低温水の循環を停止するが、この時点で、すべてのタイヤ部位において、加硫度は所定の範囲に到達したので、低温水供給側の自動開閉弁121、125、123を「閉」にするとともに、冷却水の循環を司るすべて自動開閉弁131〜136を「開」にして、冷却水の循環を開始し、タイヤが十分冷却されるタイミングTeにおいて自動開閉弁131〜136を「閉」にするまでこの循環を継続する。この冷却水の循環は、タイヤを加硫金型20から取出したあとの後加硫により、タイヤが過加硫状態になるのを防止するために行うものである。
なお、ジャケット50〜55への蒸気の供給は、加硫終了時点Teもしくはそれより前の時点tで自動開閉弁141を「閉」にして停止すればよい。
以上説明したように、本発明のタイヤの加硫方法に従えば、他のタイヤ部位での加硫条件に影響されることなく、タイヤ部位ごとに最適な加硫条件を選択することができ、しかも、その条件は、タイヤ部位に対応するサブブラダごとにまちまちの温度の熱流体を供給して実現するのではなく、予め準備された2系統以上(上記の例の場合、3系統)の熱流体を、加硫条件にふさわしいタイミングで切替えることにより実現するので、簡易な設備で済ませることができる。
ここで、ジャケット50〜55へ供給する熱流体を一種類としたが、これを複数のものとすることもでき、図7は、その場合の例としての熱流体供給システム100Aを示す配管系統図である。なお、熱流体供給システム100の、サブブラダ5〜7への熱流体供給部分は図6に示したものと同じであり、図7ではその部分は省略して示した。
ジャケット50〜55に熱流体を供給する熱流体供給サブシステム100Aは、互いに温度の異なる、二系統の熱流体を供給するよう構成され、高温側の熱流体として、100℃以上の水蒸気を供給し、低温側の熱流体として、20〜100℃の水を供給するとした場合の例である。
熱流体供給サブシステム100Aは、高温側熱流体源として、所定の温度の水蒸気を発生させる蒸気発生装置150と、蒸気発生装置150から一以上の加硫装置1に蒸気を分配する蒸気主配管151とを具え、また、低温側熱流体源として、所定の温度に制御された低温水を供給する低温水生成装置160と、低温水生成装置160から一以上の加硫装置1に低温水を分配する低温水供給主配管161と、これらの加硫装置1を循環して使用された低温水を回収する低温水戻り主配管171とを具える。
蒸気発生装置150としては、例えば、ボイラと、ボイラで発生した蒸気を所定の温度になるよう減圧する減圧弁とで構成することができ、また、低温水生成装置160としては、すでに述べたように、例えば、工場用水を貯めるタンクと、タンク内の工場用水を所定温度に温調する温調装置と、タンクから温調された工場用水を吸引して低温水供給主配管161に吐出するポンプとで構成することができる。
水蒸気は、蒸気主配管151から分岐して、自動開閉弁152を介して上部プラテン27の内側ジャケット50に供給され、同様にして、他のジャケット51〜55のそれぞれに、対応する自動開閉弁153〜156を介して供給される。なお、それぞれのジャケット50〜55で冷却された蒸気は、ドレーンとなって、図示しないスチームトラップを通してドレーン管に排出され、蒸気発生装置150等に回収することができる。
一方、低温水は、低温水供給主配管161から分岐して、自動開閉弁162〜166を介して、それぞれ対応するジャケット50〜55に供給され、また、これらのジャケット50〜55を循環して排出された低温水は、それぞれ、対応する自動開閉弁172〜176を介して低温水戻り主配管171に回収される。
自動開閉弁152〜156、162〜166、172〜176のそれぞれは、互いに独立して作動することができ、加硫装置1に設けられた、図示しない加硫制御装置からの制御信号にもとづいて開閉作動し、例えば、弁体を上下させるピストンに供給される操作エアを入切することにより作動する。また、これらの自動開閉弁のタイミングは、サブブラダ用熱流体について説明したのと同様の方法で設定することができる。
ここで、サブブラダの他の構成例を図8に示す。図8(a)は、これらのサブブラダが膨出した状態を、図8(b)はこれらが縮退した状態を、それぞれ示す断面図であり、ブラダ10Aは、内周面を構成する内周面部材2と、内周面部材2に両端部を係止され、それぞれ環状空間15a、16a、17aを可撓的に画成するサブブラダ15、16、17とよりなる。
内周面部材2は、ブラダ10A内の気密を維持しながら、相互に軸方向に相対変位する円筒部材2Aと円筒部材2Bとよりなり、これらの円筒部材2A、2Bの互いに離隔する方向への相対変位によって、内周面部材2は伸長し、円筒部材2A、2Bの互いに接近する方向への相対変位によって、内周面部材2は短縮する。
そして、サブブラダ15の軸方向一方の端は、円筒部材2Aに、他方の端は円筒部材2Bに係止され、一方、サブブラダ16の両端は円筒部材2Aに、サブブラダ17の両端は円筒部材2Bにそれぞれ係止されている。
内周面部材2を短縮させるとともに、環状空間15a、16a、17aのそれぞれに内圧を供給して、それぞれのサブブラダ15〜17を膨出させることにより、図8(a)に示すように、ブラダ10A全体をトロイダル状に膨出することができ、一方、内周面部材2を伸長させるとともに、環状空間15a、16a、17aのそれぞれから内圧を排出して真空にすることにより、図8(b)に示すように、それぞれのサブブラダ15〜17を縮退して、ブラダ10Aの、タイヤへの挿入、タイヤからの退出を可能にすることができる。
この場合、サブブラダ15はトレッド部TRの中央部に対応するタイヤ内面に密着し、また、サブブラダ16、17は、それぞれ、ビード部BDからショルダ部SHにまで延在するサイドウォール部に対応するするタイヤ内面に密着しするよう構成され、したがって、それぞれのサブブラダ15〜17に供給される熱流体の供給条件は、それぞれ対応するタイヤ部位の必要加硫度範囲、許容最高温度を満足させるよう互いに独立して個別に設定することができる。
このタイヤの加硫方法およびタイヤ加硫プロセスの設定方法は、種々のタイヤの加硫に適用することができる。
本発明に係るタイヤの加硫方法に用いられる加硫装置を、タイヤ加硫の状態において示す断面図である。 加硫装置を、上部プラテンを上昇離隔させた状態において示す断面図である。 加硫装置を、トレッドセグメントを半径方向外側に移動させた状態において示す断面図である。 ブラダを縮退状態において示す断面図である。 熱流体供給システムを示す配管系統図である。 熱流体の供給タイミングに関する加硫プロセスの設定例を示すチャート図である。 熱流体供給システムの他の態様を示す配管系統図である。 他の態様のブラダを示す断面図である。
符号の説明
1 加硫装置
2 内周面部材
2A、2B 円筒部材
3 外周面ゴム部材
3a 外周面ゴム部材の中央部分
3b、3c 外周面ゴム部材の端部分
4A、4B 隔壁ゴム部材
5、6、7 サブブラダ
5a、6a、7a 環状空間
10、10A ブラダ
15、16、17 サブブラダ
15a、16a、17a 環状空間
20 加硫金型
22 上サイドモールド
23 下サイドモールド
24 トレッドセグメント
25、26 ビードリング
27 上部プラテン
28 下部プラテン
29 環状加熱部材
31S 半径方向内外摺動面
32S 半径方向内外摺動面
33 セクタ
33S テーパ外周面
34 収容リング
34S テーパ内周面
34T T字状突起
35 昇降手段
35P 動作軸先端部
36 固定具
37 支持部材
38 ピン
39 案内部材
39H 案内穴
40 ナット
41 加圧流体供給手段
42 ブラダ
50 上部プラテンの内側ジャケット
51 上部プラテンの外側ジャケット
52 下部プラテンの内側ジャケット
53 下部プラテンの外側ジャケット
54、55 収容リングのトレッドジャケット
56 アイボルト
100、100A 熱流体供給システム
110 高温水生成装置
111〜116 自動開閉弁
118 高温水供給主配管
119 高温水戻り主配管
120 低温水生成装置
121〜126 自動開閉弁
128 低温水供給主配管
129 低温水戻り主配管
130 冷却水供給装置
131〜136 自動開閉弁
138 冷却水供給主配管
139 冷却水戻り主配管
140 蒸気発生装置
141 自動開閉弁
148 蒸気主配管
150 蒸気発生装置
151 蒸気主配管
152〜56 自動開閉弁
160 低温水生成装置
161 低温水供給主配管
162〜166 自動開閉弁
171 低温水戻り主配管
172〜176 自動開閉弁
BD ビード部
CL 中心軸線
GT グリーンタイヤ
SH ショルダ部
T タイヤ
TR トレッド部

Claims (11)

  1. 加硫金型に収容されたタイヤの内面の空間を分割してできる複数の環状空間を可撓的に画成するそれぞれのサブブラダに、タイヤを加熱しもしくは冷却する熱流体を供給して、サブブラダをタイヤ内面に密着させ、異なるタイヤ内面部分に密着するサブブラダ同士で熱流体の種類、熱流体の温度、および熱流体の供給タイミングを含む供給条件の少なくとも一部を異ならせてタイヤを加硫するタイヤの加硫方法。
  2. 前記サブブラダのそれぞれに供給する熱流体として、予め決められた、互いに異なる温度の二系統以上の熱流体から選択されたものを用いる請求項1に記載のタイヤの加硫方法。
  3. 少なくとも一つのサブブラダにおいて、前記二系統以上から選ばれた複数の熱流体を、加硫の途中、所要のタイミングで切替える請求項2に記載のタイヤの加硫方法。
  4. 前記熱流体の切替のすべてを、高温側の熱流体から低温側の熱流体への切替とする請求項3に記載のタイヤの加硫方法。
  5. 前記熱流体の切替のいずれかにおいて、切替前後の熱流体の温度を、高温側が160℃以上、低温側が40〜145℃とする請求項4に記載のタイヤの加硫方法。
  6. 前記サブブラダは、少なくともビード部に密着するビード部用サブブラダを含み、ビード部用サブブラダに供給する熱流体の最高温度を、他のどのサブブラダに供給する熱流体の最高温度よりも低くして加硫を行う請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤの加硫方法。
  7. 前記二系統以上の熱流体のすべてを水とする請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤの加硫方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤの加硫方法によって加硫されるタイヤの加硫プロセスを設定する方法であって、
    複数のタイヤ部位の全てについて、これらのタイヤ部位ごとに予め定められた、加硫度範囲と許容最高温度との条件を満たすよう、前記サブブラダに供給するそれぞれの熱流体の前記供給条件を個別に設定するタイヤ加硫プロセスの設定方法。
  9. 加硫開始の直後、前記サブブラダのそれぞれに供給される熱流体を、前記二系統以上の熱流体のうち、温度がもっとも高いものとし、少なくとも一つのタイヤ部位において、その温度が、前記許容最高温度を超える前に、そのタイヤ部位に対応する配置のサブブラダに対し、そこに供給する熱流体を低温側のものに切替えるよう、熱流体の切替タイミングを設定する請求項8に記載のタイヤ加硫プロセスの設定方法。
  10. 少なくとも一つのサブブラダへは一種類の熱流体だけを供給し、このサブブラダに対応する位置のタイヤ部位の加硫度が、予め定められた加硫度に到達した時点で、加硫を終了する請求項8もしくは9に記載のタイヤ加硫プロセスの設定方法。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤの加硫方法に用いられるブラダであって、
    複数の前記サブブラダよりなり、それぞれのサブブラダは、個別に熱流体の出し入れが可能なよう構成されてなるタイヤ加硫用ブラダ。
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