JP2006027129A - ハニカム体の成形方法および成形装置、ハニカム体成形装置の口金 - Google Patents

ハニカム体の成形方法および成形装置、ハニカム体成形装置の口金 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形によってより好適に成形する。
【解決手段】 ハニカム体の隔壁の材料を口金7の成形孔8、9に導入するときには、ハニカム体の隔壁の厚さが2種類以上であるために成形孔8、9の幅が2種類以上である場合は該成形孔8、9の幅の種類毎に、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は該材料の粘性の種類毎に、それぞれ別々に前記材料に対して圧力を加えて導入する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体の成形方法および成形装置、さらに、このようなハニカム体を押し出し成形するハニカム体成形装置の口金に関する。
内燃機関の排気浄化装置の一種として、排気中の粒子状物質(以下、PMと称する)を捕集するものが知られている。このような排気浄化装置用の基材は、複数のセルを有するハニカム体となっている。ここで、ハニカム体とは、隔壁によって区画されることで形成され特定の方向に伸びたセルを複数有する構造体のことである。
また、このような排気浄化装置においては、排気が流通する際にフィルタとなるフィルタ隔壁によってセルが形成されると共に、該セルをフィルタ隔壁よりも薄い副隔壁によってさらにしきり、フィルタ隔壁および副隔壁の両方に触媒を担持したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ハニカム体の成形方法としては、隔壁の材料となる坏土であって特性の異なる複数の坏土を、それぞれ口金の異なる位置に導入した後、該複数の坏土を同時に押し出して成形する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−205245号公報 特開2003−25316号公報 特開2003−181233号公報
複数のセルを有し、厚さが異なる少なくとも2種類の隔壁によって該複数のセルが形成されたハニカム体を押し出し成形装置によって成形しようとした場合、押し出し成形装置の口金には、それぞれの隔壁の厚さに応じた幅で形成された少なくとも2種類の成形孔を形成する必要がある。
しかしながら、幅の異なる少なくとも2種類の成形孔の入口を、口金における同一面に形成し、ハニカム体の材料をそれぞれの成形孔に導入しようとした場合、より幅の広い成形孔に材料が集中的に導入されてしまう虞がある。そのため、厚さが異なる少なくとも2種類の隔壁によってセルが形成されたハニカム体を押し出し成形によって成形することは困難であった。
また、それぞれのセルを形成する隔壁の厚さが同一であり、そのために口金に形成された成形孔の幅が同一であっても、粘性の異なる少なくとも2種類の材料を隔壁の材料として使用する場合、それぞれの材料を成形孔に導入しようとしたときには、より粘性の低い材料が成形孔に集中的に導入されてしまう虞がある。そのため、粘性の異なる少なくとも2種類の材料によってセルの隔壁が形成されたハニカム体を押し出し成形によって成形することは困難であった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形によってより好適に成形することが可能な技術を提供することを課題とする。
本発明では上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
即ち、第一の発明に係るハニカム体の成形方法は、
複数のセルを有し、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって該複数のセルが形成されたハニカム体を押し出し成形装置によって成形するハニカム体の成形方法において、
前記押し出し成形装置の口金に前記隔壁の厚さに応じた幅で形成されている複数の成形孔に前記隔壁の材料を導入し、その後、それぞれの前記成形孔から導出される前記材料を一体とさせることで前記ハニカム体を成形するものであって、
前記成形孔に前記材料を導入するときには、前記隔壁の厚さが2種類以上であるために前記成形孔の幅が2種類以上である場合は該成形孔の幅の種類毎に、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は該材料の粘性の種類毎に、それぞれ別々に前記材料に対して圧力を加えて導入することを特徴とする。
本発明においては、ハニカム体においてセルを形成する隔壁を成形するための成形孔が押し出し成形装置の口金に形成されている。そして、この成形孔に隔壁の材料を該材料に対して圧力を加えて導入することでハニカム体を成形する。
このとき、隔壁の厚さが2種類以上の場合、この隔壁の厚さに対応して口金における成形孔の幅も2種類以上となる。そして、本発明では、成形孔の幅が2種類以上の場合、この成形孔に材料を導入するときには成形孔の幅毎にそれぞれ別々に材料に対して圧力を加える。即ち、成形孔に材料を導入するときはそれぞれの成形孔の幅に応じた圧力を材料に加える。その結果、より幅の広い成形孔に材料が集中的に導入されてしまうことを抑制することが出来る。
また、本発明では、隔壁の厚さは同一であるが、隔壁の材料の粘性が2種類以上の場合、成形孔に材料を導入するときには該材料の粘性毎にそれぞれ別々に材料に対して圧力を加える。即ち、成形孔に材料を導入するときはそれぞれの材料の粘性に応じた圧力をその材料に加える。その結果、より粘性の低い材料が成形孔に集中的に導入されてしまうことを抑制することが出来る。
本発明によれば、ハニカム体において複数のセルを形成する隔壁の厚さが2種類以上の場合、もしくは、該隔壁の材料の粘性が2種類以上の場合であっても、上記のように口金の成形孔に材料を導入し、成形孔から導出された材料を一体とさせることで所望のセルを形成することが出来る。即ち、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形によってより好適に成形することが可能となる。
本発明においては、成形孔の幅が2種類以上の場合は該成形孔の入口が該成形孔の幅の種類毎に口金における別々の面に形成され、また、隔壁の材料が2種類以上の場合は該材料が導入される前記成形孔の入口が該材料の粘性の種類毎に口金における別々の面に形成され、且つ、それぞれの成形孔の出口は全て口金における同一の面に形成されるように、成形孔が口金に形成されているのが好ましい。
このような場合、成形孔の入口が形成された面毎に別々に材料に対して圧力を加えることによって該材料をそれぞれの成形孔に導入させる。
上記のように、幅または導入する材料の粘性毎に成形孔の入口を口金における別々の面に形成することによって、より幅の広い成形孔に材料が集中的に導入されてしまうことや、より粘性の低い材料が成形孔に集中的に導入されてしまうことを防ぐことが出来る。ま
た、それぞれの成形孔に材料を導入するときに、成形孔の幅または材料の粘性に応じた圧力を材料に対してより容易に加えることが出来る。
また、上記のような成形孔を口金自体に形成し、この口金を用いて押し出し成形することで、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を成形する押し出し成形装置をより簡易な構造とすることが出来る。
本発明においては、成形孔の幅が2種類以上の場合は材料を該成形孔に導入させるときに該材料に対して加える圧力を該成形孔の幅が小さいほど高くし、また、材料の粘性が2種類以上の場合は材料を成形孔に導入させるときに該材料に対して加える圧力を該材料の粘性が高いほど高くすることで、各成形孔から略同時に材料を導出させるのが好ましい。
これによれば、より幅の広い成形孔に材料が集中的に導入されてしまうことや、より粘性の低い材料が成形孔に集中的に導入されてしまうことを抑制することが出来ると共に、各成形孔から材料を略同時に導出させることで材料の余分な消費を抑えることが出来る。
本発明では、ハニカム体において、隔壁が、第一の隔壁と、該第一の隔壁より幅の薄い第二の隔壁とによって形成され、セルが、第一の隔壁によって形成される大セルと、第二の隔壁によって大セルを更にしきることで形成される小セルとによって形成される場合は、押し出し成形装置の口金を柱状の形状とし、さらに、第一の隔壁または第二の隔壁のうち一方の隔壁の厚さに応じた幅の第一の成形孔の入口が口金の一端面に形成され、第一の隔壁または第二の隔壁のうち他方の隔壁の厚さに応じた幅の第二の成形孔の入口が口金の側面に形成され、且つ、第一の成形孔の出口と第二の成形孔の出口とが口金の他端面に交互に並んで形成されるように、第一の成形孔と第二の成形孔とが口金に形成されていても良い。
第一の隔壁によって形成される大セルと、第一の隔壁より幅の薄い第二の隔壁によって大セルを更にしきることで形成される小セルとを有するようなハニカム体を押し出し成形によって成形する場合において、第一の隔壁の厚さに応じた幅の成形孔の入口と第二の隔壁の厚さに応じた幅の成形孔の入口とを口金の同一面に形成すると、それぞれの隔壁の厚さに応じた成形孔の入口が交互に並んで形成されることになる。しかしながら、口金の同一面に交互に並んだ厚さのことなる成形孔に材料を導入する場合、その厚さの種類に応じて別々に圧力を加えようとすると押し出し成形装置の構成がより複雑になる虞がある。
そこで、上記のように、第一の成形孔の入口と第2の成形孔の入口とを口金における別々の面に形成することで、それぞれの成形孔に材料を導入するときにそれぞれの成形孔の幅に応じた圧力をより容易に材料に対して加えることが出来る。また、上記口金では、第一の成形孔および第二の成形孔の出口は口金の同一面に交互に並んで配置されている。そのため、それぞれの成形孔の出口から導出する材料を一体とすることで、第一の隔壁によって大セルが形成されると共に、該大セルが更に第二の隔壁によってしきられて小セルが形成されることになる。従って、上記のような第一の成形孔および第二の成形孔を口金自体に形成することで、第一の隔壁によって形成された大セル及び第一の隔壁より薄い第二の隔壁によって大セルを更にしきることで形成された小セルを有するハニカム体を成形する押し出し成形装置をより簡易な構成とすることが出来る。
尚、本発明におけるハニカム体はパティキュレートフィルタ等の排気浄化装置用基材であっても良い。この場合、隔壁の材料をセラミック原料とするのが好ましい。
本発明においては以下の手段を採用しても良い。
即ち、第二の発明に係るハニカム体の成形装置は、
複数のセルを有し、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって該複数のセルが形成されたハニカム体を押し出し成形するハニカム体の成形装置において、
前記隔壁の厚さに応じた幅で形成された複数の成形孔を有する口金を備え、
前記口金の複数の前記成形孔に前記隔壁の材料を導入し、その後、それぞれの前記成形孔から導出される前記材料を一体とさせることでハニカム体を成形するものであって、
前記成形孔に前記材料を導入するときには、前記隔壁の厚さが2種類以上であるために前記成形孔の幅が2種類以上である場合は該成形孔の幅の種類毎に、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は該材料の粘性の種類毎に、それぞれ別々に前記材料に対して圧力を加えて導入することを特徴とする。
本発明においては、ハニカム体においてセルを形成する隔壁を成形するための成形孔が口金に形成されている。そして、この成形孔に隔壁の材料を該材料に対して圧力を加えて導入することでハニカム体を成形する。
本発明では、成形孔の幅が2種類以上の場合、この成形孔に材料を導入するときにそれぞれの成形孔の幅に応じた圧力を材料に加える。その結果、より幅の広い成形孔に材料が集中的に導入されてしまうことを抑制することが出来る。また、
隔壁の厚さは同一であるが、隔壁の材料の粘性が2種類以上の場合、成形孔に材料を導入するときにそれぞれの材料の粘性に応じた圧力をそれぞれの材料に加える。その結果、より粘性の低い材料が成形孔に集中的に導入されてしまうことを抑制することが出来る。
本発明によれば、ハニカム体において複数のセルを形成する隔壁の厚さが2種類以上の場合、もしくは、該隔壁の材料の粘性が2種類以上の場合であっても、上記のように口金の成形孔に材料を導入し、成形孔から導出された材料を一体とさせることで所望のセルを形成することが出来る。即ち、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形によってより好適に成形することが可能となる。
本発明では、口金において、成形孔の幅が2種類以上の場合は該成形孔の入口が該成形孔の幅の種類毎に別々の面に形成され、また、材料の粘性が2種類以上の場合は該材料が導入される成形孔の入口が該材料の粘性の種類毎に別々の面に形成され、且つ、それぞれの前記成形孔の出口は全て同一の面に形成されるように、前記成形孔が形成されていても良い。そして、この場合、口金における成形孔の入口が形成された複数の面にそれぞれ別々に接続され、接続された面に入口が形成されている成形孔に材料を導入する複数の材料導入通路がさらに備えられていても良い。
このような場合、複数の材料導入通路から成形孔に材料を導入するときは、成形孔の入口が形成された面毎に別々に材料に対して圧力を加える。
上記のように、幅または導入する材料の粘性毎に成形孔の入口を口金における別々の面に形成することによって、より幅の広い成形孔に材料が集中的に導入されてしまうことや、より粘性の低い材料が成形孔に集中的に導入されてしまうことを防ぐことが出来る。また、それぞれの成形孔に材料を導入するときに、成形孔の幅または材料の粘性に応じた圧力を材料に対してより容易に加えることが出来る。
また、上記のような成形孔を口金自体に形成することで、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形する成形装置をより簡易な構造とすることが出来る。
本発明においても、前記第一の発明と同様、成形孔の幅が2種類以上の場合は材料を該成形孔に導入させるときに該材料に対して加える圧力を該成形孔の幅が小さいほど高くし、また、材料の粘性が2種類以上の場合は材料を成形孔に導入させるときに該材料に対して加える圧力を該材料の粘性が高いほど高くすることで、各成形孔から略同時に材料を導出させるのが好ましい。
本発明では、ハニカム体において、隔壁が、第一の隔壁と、該第一の隔壁より幅の薄い第二の隔壁とによって形成され、セルが、第一の隔壁によって形成される大セルと、第二の隔壁によって大セルをさらにしきることで形成される小セルとによって形成される場合は、口金が柱状の形状となっており、さらに、第一の隔壁または第二の隔壁のうち一方の隔壁の厚さに応じた幅の第一の成形孔の入口が口金の一端面に形成され、第一の隔壁または第二の隔壁のうち他方の隔壁の厚さに応じた幅の第二の成形孔の入口が口金の側面に形成され、且つ、第一の成形孔の出口と第二の成形孔の出口とが口金の他端面に交互に並んで形成されるように、第一の成形孔と第二の成形孔とが口金に形成されていても良い。
そして、この場合、材料導入通路が、口金の一端面に接続された第一の材料導入通路と、口金の側面に接続された第二の材料導入通路とを有する構成となる。
本発明によれば、第一の成形孔の入口と第2の成形孔の入口とを口金における別々の面に形成し、さらに第一および第二の成形孔の入口が形成された面それぞれに接続された第一および第二の材料導入通路を備えることで、それぞれの成形孔に材料を導入するときにそれぞれの成形孔の幅に応じた圧力をより容易に材料に対して加えることが出来る。また、第一および第二の成形孔の出口は口金の同一面に交互に並んで配置されているため、それぞれの成形孔の出口から導出する材料を一体とすることで、第一の隔壁によって大セルが形成されると共に、該大セルがさらに第二の隔壁によってしきられて小セルが形成されることになる。従って、上記のような第一の成形孔および第二の成形孔を口金自体に形成することで、第一の隔壁によって形成された大セル及び第一の隔壁より薄い第二の隔壁によって大セルを更にしきることで形成された小セルを有するハニカム体を押し出し成形する成形装置をより簡易な構成とすることが出来る。
尚、本発明におけるハニカム体は、前記第一の発明と同様、パティキュレートフィルタ等の排気浄化装置用基材であっても良い。この場合、隔壁の材料をセラミック原料とするのが好ましい。
また、本発明においては以下の手段を採用しても良い。
即ち、第三の発明に係るハニカム体成形装置の口金は、
複数のセルを有し、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって該複数のセルが形成されたハニカム体を押し出し成形するハニカム体成形装置の口金において、
前記隔壁の厚さに応じた幅で形成され、前記隔壁の材料が導入される複数の成形孔を備え、
前記隔壁の厚さが2種類以上であるために前記成形孔の幅が2種類以上である場合は該成形孔の入口が該成形孔の幅の種類毎に別々の面に形成され、また、前記隔壁の材料の粘性が2種類以上の場合は前記成形孔の入口が導入される材料の粘性の種類毎に別々の面に形成され、且つ、それぞれの前記成形孔の出口は全て同一の面に形成されるように、前記成形孔が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、幅または導入する材料の粘性毎に成形孔の入口を口金における別々の面に形成することによって、成形孔に材料を導入するときに、成形孔の幅または材料の粘性に応じた圧力を材料に対してより容易に加えることが可能となる。そのため、より幅の
広い成形孔に材料が集中的に導入されてしまうことや、より粘性の低い材料が成形孔に集中的に導入されてしまうことを防ぐことが出来る。
従って、本発明に係る口金を使用することで、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形によってより好適に成形することが可能となる。また、上記のような成形孔を口金自体に形成することで、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形するハニカム体成形装置をより簡易な構造とすることが出来る。
本発明では、ハニカム体において、隔壁が、第一の隔壁と、該第一の隔壁より幅の薄い第二の隔壁とによって形成され、セルが、第一の隔壁によって形成される大セルと、第二の隔壁によって大セルを更にしきることで形成される小セルとによって形成される場合は、口金自体の形状を柱状とし、さらに、第一の隔壁または第二の隔壁のうち一方の隔壁の厚さに応じた幅の第一の成形孔の入口が一端面に形成され、第一の隔壁または第二の隔壁のうち他方の隔壁の厚さに応じた幅の第二の成形孔の入口が側面に形成され、且つ、第一の成形孔の出口と第二の成形孔の出口とが他端面に交互に並んで形成されるように、第一の成形孔と第二の成形孔とが形成されていても良い。
本発明によれば、第一の成形孔の入口と第2の成形孔の入口とを口金における別々の面に形成することで、成形孔に材料を導入するときにそれぞれの成形孔の幅に応じた圧力をより容易に材料に対して加えることが出来る。
また、本発明では、第一の成形孔および第2の成形孔の出口は口金の同一面に交互に並んで配置されている。そのため、それぞれの成形孔の出口から導出する材料を一体とすることで、第一の隔壁によって大セルが形成されると共に、該大セルが更に第二の隔壁によってしきられて小セルが形成されることになる。従って、上記のように第一の成形孔および第二の成形孔が形成された口金を使用することで、第一の隔壁によって形成された大セル及び第一の隔壁より薄い第二の隔壁によって大セルを更にしきることで形成された小セルを有するハニカム体を押し出し成形するハニカム体成形装置をより簡易な構成とすることが出来る。
本発明に係るハニカム体の成形方法および成形装置によれば、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形によってより好適に成形することが出来る。また、本発明に係るハニカム体成形装置の口金を使用することで、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するハニカム体を押し出し成形によってより好適に成形することが出来る。
次に、本発明に係るハニカム体の成形方法および成形装置、成形装置の口金の具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
本実施例では、本発明を排気中のPMを捕集する排気浄化装置であるパティキュレートフィルタ用の基材(以下、フィルタ基材と称する)の成形に適用した場合を例に挙げて説明する。
<フィルタ基材の概略構成>
図1は、本実施例に係るハニカム体の成形方法によって成形されるフィルタ基材の前面図である。図1に示すように、フィルタ基材1は、外周壁2内において格子状に並んだ第一隔壁3および第二隔壁5によって形成されたセル4、6を有するハニカム構造体となっている。セル4、6は、第一隔壁3によって囲まれることで形成された大セル4と、第一隔壁3よりも厚さの薄い第二隔壁5によって大セル4を縦方向および横方向に更にしきることで各大セル4内に4つずつ形成される小セル6と、によって形成されている。尚、外周壁2と第1隔壁3とは同一の厚さとなっている。
<口金の概略構成>
次に、本実施例に係る押し出し成形機の口金の概略構成について図2から5に基づいて説明する。図2は口金の前端面を示す図であり、図3は口金の側面を示す図であり、図6は口金の後端面を示す図である。また、図4は、図3における一点鎖線Aで口金を切断した場合の縦断面図であり、図5は、図4における一点鎖線Bで口金を切断した場合の横断面図である。
図2から5に示すように、本実施例に係る口金7は円柱形状となっており、口金7には、第一隔壁3を成形するための第一成形孔8、および、第二隔壁5を成形するための第二成形孔9、外周壁2を成形するための外周壁成形孔10が形成されている。これらの成形孔8、9、10に、フィルタ基材1の材料となる粘土状のセラミック原料が導入される。ここで、セラミック原料としては、コージェライトや炭化ケイ素(SiC)等が例示出来る。
より詳しくは、図2に示すように、口金7の前端面には、フィルタ基材1の第一隔壁3を成形するための第一成形孔8の入口8aが形成されている。各第一成形孔8は、縦方向成形孔8bと横方向成形孔8cとが互いに交差することで十字型となっており、縦方向成形孔8bおよび横方向成形孔8cのそれぞれの幅が第一隔壁3の厚さに対応した幅となっている。また、第一成形孔8の入口8aには、縦方向成形孔8bと横方向成形孔8cとの交点に円形状の原料導入口8dが形成されている。第一成形孔8に導入されるセラミック原料は、この原料導入口8dから導入する。そして、このような第一成形孔8が横方向および縦方向に互いにわずかな距離をおいて並んで形成されている。この第一成形孔8は、口金7における前端面とは反対側の面である後端面まで貫通している。
また、フィルタ基材1の外周壁2を成形するための外周壁成形孔10の入口10aも口金7の前端面に形成されている。この外周壁成形孔10の幅は外周壁2の厚さに対応した幅となっている。尚、外周壁成形孔10も複数に分割されており、それぞれの外周壁成形孔10の入口10aにも原料導入口10cが形成されている。また、最も外周側に位置している第一成形孔8とそれぞれの外周壁成形孔10とは連通されている。この外周壁成形孔10も口金7の後端面まで貫通している。
次に、フィルタ基材1の第二隔壁5を成形するために口金7に形成された第二成形孔9について説明する。図3に示すように、口金7の側面には第二成形孔9の入口9aが設けられている。
この第二成形孔9の入口9aは、図4に示すように、複数の第二成形孔9と連通している第二成形孔連通路9eの入口となっている。また、図4において、点線は第一成形孔8を表している。つまり、口金7において、第二成形孔9はそれぞれが第一成形孔8の間に位置するように形成されている。そして、第二成形孔9の端部(口金7の前端面側の端部)は口金7の前端面には開口しておらず、それぞれの端部が第二成形孔連通路9eに接続されることで口金7の側面に開口している。また、第二成形孔9における、第二成形孔連通路9eと接続された端部とは反対側の端部は、口金7における前端面とは反対側の面で
ある後端面に開口している。つまり、口金の7の後端面には第一成形孔8の出口8fと第二成形孔9の出口9fとが形成されている。
ここで、第二成形孔9の形状と配置について図5に基づいて説明する。図5は、図4における一点鎖線Bで口金7を切断した場合の横断面図であるが、第一成形孔8の記載は省略されている。また、点線は、第二成形孔連通路9eを表している。
各第二成形孔9は、第一成形孔8と同様、縦方向成形孔9bと横方向成形孔9cとが互いに交差することで十字型となっており、縦方向成形孔9bおよび横方向成形孔9cのそれぞれの幅が第二隔壁5の厚さに対応した幅となっている。このような第二成形孔9が横方向および縦方向に互いにわずかな距離をおいて並んで形成されている。
そして、図5に示すように、一列に並んだ複数の第二成形孔9が一の第二成形孔連通路9eに接続されている。また、第二成形孔9における第二成形孔連通路9eとの接続部には、縦方向成形孔9bと横方向成形孔9cとの交点に円形状の原料導入口9dが形成されている。第二隔壁5の材料となるセラミック原料は入口9aから第二成形孔連通路9eに導入され、第二成形孔連通路9eを通ったセラミック原料が原料導入口9dから各第二成形孔9に導入される。
以上説明したように、第一成形孔8および第二成形孔9、外周壁成形孔10が形成されることで、図6に示すように、口金7の後端面に各成形孔8、9、10のそれぞれの出口8f、9f、10fが形成されることになる。つまり、第一成形孔8の出口8fと第二成形孔9の出口9fとが口金7の後端面に交互に並んで形成されることになる。
<フィルタ基材成形方法>
ここで、上記説明した口金7を使用してフィルタ基材1を押し出し成形する方法について図7に基づいて説明する。図7は、口金7が設置された押し出し成形機の概略構成を示す図である。
押し出し成形機11には、口金7の前端面に接続された第一原料導入通路12と、口金7の側面に接続された第二原料導入通路13とが設けられている。そして、この押し出し成形機11によってフィルタ基材1を押し出し成形する場合、各原料導入通路12、13において、粘土状のセラミック原料に対して図7に矢印で示す方向に圧力が加えられる。その結果、第一原料導入通路12から第一成形孔8および外周壁成形孔10に、第二原料導入通路13から第二成形孔9に、それぞれセラミック原料が導入される。
ここで、本実施例に係る口金7においては、第一成形孔8および外周壁成形孔10よりも第二成形孔9の方がその幅が小さくなっているためセラミック原料が入りにくくなっている。そこで、各成形孔8、9、10にセラミック原料を導入させるときは、第一成形孔8および外周壁成形孔10に導入させるセラミック原料に加える圧力よりも、第二成形孔9に導入させるセラミック原料に加える圧力の方を高くする。即ち、第一原料導入通路12においてセラミック原料に加える圧力よりも、第二原料導入通路13においてセラミック原料に加える圧力の方を高くする。また、このときに加える圧力を、口金7の後端面における各成形孔8、9、10の出口8f、9f、10fから略同時にセラミック原料が導出するように制御する。
そして、このように各成形孔8、9、10に導入され、各出口8f、9f、10fから略同時に導出されたセラミック原料を、該出口8f、9f、10f直後で一体化させる。その結果、図1に示すようなフィルタ基材1が成形される。
本実施例によれば、第一成形孔8の入口8aおよび外周壁成形孔10の入口10aと第二成形孔9の入口9aとが口金7において異なる面に形成されており、また、第一成形孔8および外周壁成形孔10と第二成形孔9とではセラミック原料に対して別々に圧力を加えて該セラミック原料を各成形孔8、9、10に導入するため、より幅の広い第一成形孔8および外周壁成形孔10にセラミック原料が集中的に導入されてしまうことを防ぐことが出来る。
また、本実施例によれば、導入されるセラミック原料に加える圧力を成形孔8、9、10の幅毎に異なる値とするためには、口金7の前端面側と側面側、即ち、第一原料導入通路12と第二原料導入通路13とでセラミック原料に加える圧力を変更すれば良い。そのため、それぞれの成形孔8、9、10にセラミック原料を導入するときに、成形孔8、9、10の幅に応じた圧力をより容易にセラミック原料に対して加えることが出来る。
さらに、上記のような成形孔8、9、10を口金7自体に形成し、この口金7を用いて押し出し成形することで、厚さの異なる2種類の隔壁3、5によって形成された複数のセル4、6を有するフィルタ基材1を成形する押し出し成形機11をより簡易な構造とすることが出来る。また、上記のような第一成形孔8および第二成形孔9を口金7自体に形成することで、大セル4および該大セル4の中に形成された小セル6を有するフィルタ基材1を成形するときの押し出し成形機11をより簡易な構成とすることが出来る。
また、各成形孔8、9からセラミック原料を略同時に導出させることで、材料となるセラミック原料の余分な使用を抑えることが出来る。
<変形例1>
本実施例においては、第1隔壁3によって形成された大セル4を、第1隔壁より幅の薄い第二隔壁5によって更にしきることで小セル6が形成されているフィルタ基材1を成形する場合について説明したが、フィルタ基材1の構成はこれに限られるものではない。
例えば、軸中心部付近のセルと外周部付近のセルとで隔壁の厚さが異なるようなフィルタ基材を成形する場合にも本実施例に係る成形方法を適用することが出来る。このような場合、上記説明した口金7における第一成形孔8と第二成形孔9との出口の配置を、フィルタ基材における隔壁の分布に応じて変更すれば良い。
また、軸中心部付近と外周部付近とに限らず、フィルタ基材を二箇所に区切り、セルを形成する隔壁の厚さをそれぞれの場所毎に変えた場合にも本実施例に係る成形方法を適用しても良い。
尚、フィルタ基材の隔壁の厚さの種類は2種類に限られるものではなく、隔壁の厚さが3種類以上の場合にも本発明に係る成形方法を適用しても良い。
<変形例2>
さらに、フィルタ基材において、隔壁の幅は同一であるが、粘性の異なる2種類のセラミック原料を材料として隔壁が形成される場合においても、本実施例に係る成形方法を適用することが出来る。
このような場合、口金7における第一成形孔8および第二成形孔9の幅は同一となるが、各成形孔8、9の出口の配置を、フィルタ基材での各種のセラミック原料の分布(即ち、粘性の高い方のセラミック原料を材料とした隔壁と粘性の低い方のセラミック原料を材料した隔壁との分布)に応じたものとする。そして、第一成形孔8および第二成形孔9のうち、一方に粘性の低い方のセラミック原料を導入させ、他方に粘性の高い方のセラミッ
ク原料を導入させるようにする。
また、このような場合、セラミック原料を各成形孔8、9に導入させるときに該セラミック原料の粘性が高いほど該セラミック原料に加える圧力を高くすることで、各成形孔8、9から略同時にセラミック原料を導出させる。
このような方法によれば、より粘性の低いセラミック原料が集中的に成形孔に導入されてしまうことを防ぐことが出来る。また、それぞれの成形孔8、9にセラミック原料を導入するときに、セラミック原料の粘性に応じた圧力をより容易に加えることが出来る。
また、粘性の異なるセラミック原料を材料とした2種類の隔壁によって形成された複数のセルを有するフィルタ基材を成形する押し出し成形機をより簡易な構造とすることが出来る。
尚、隔壁の材料となるセラミック原料の粘性の種類は2種類に限られるものではなく、粘性の異なる3種類以上のセラミック原料を隔壁の材料とした場合にも本発明に係る成形方法を適用しても良い。
また、本発明に係るハニカム体の成形方法は、その対象が排気浄化装置用基材に限定されるものではなく、ハニカム状の構造体であればどのようなものにも適用することが出来る。例えば、内燃機関において、冷却水と排気との間で熱交換を行う熱交換器や、EGRクーラー等をハニカム状の構造体とした場合、これらの成形方法にも本発明を適用することが出来る。また、ある構造物における補強材をハニカム状の構造体とした場合、この補強材の成形に本発明を適用しても良い。
本発明の実施例に係るフィルタ基材の前面図。 本発明の実施例に係る口金の前端面を示す図。 本発明の実施例に係る口金の側面を示す図。 本発明の実施例に係る口金の縦断面図。 本発明の実施例に係る口金の横断面図。 本発明の実施例に係る口金の後端面を示す図。 本発明の実施例に係る押し出し成形機の概略構成を示す図。
符号の説明
1・・・フィルタ基材
2・・・外周壁
3・・・第一隔壁
4・・・大セル
5・・・第二隔壁
6・・・小セル
7・・・フィルタ基材
8・・・第一成形孔
8a・・入口
8b・・縦型成形孔
8c・・横型成形孔
8d・・原料導入口
8f・・出口
9・・・第二成形孔
9a・・入口
9b・・縦型成形孔
9c・・横型成形孔
9d・・原料導入口
9f・・出口
10・・外周壁成形孔
10a・・入口
10d・・原料導入口
10f・・出口
11・・押し出し成形機
12・・第一原料導入通路
13・・第二原料導入通路

Claims (12)

  1. 複数のセルを有し、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって該複数のセルが形成されたハニカム体を押し出し成形装置によって成形するハニカム体の成形方法において、
    前記押し出し成形装置の口金に前記隔壁の厚さに応じた幅で形成されている複数の成形孔に前記隔壁の材料を導入し、その後、それぞれの前記成形孔から導出される前記材料を一体とさせることで前記ハニカム体を成形するものであって、
    前記成形孔に前記材料を導入するときには、前記隔壁の厚さが2種類以上であるために前記成形孔の幅が2種類以上である場合は該成形孔の幅の種類毎に、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は該材料の粘性の種類毎に、それぞれ別々に前記材料に対して圧力を加えて導入することを特徴とするハニカム体の成形方法。
  2. 前記成形孔の幅が2種類以上の場合は該成形孔の入口が該成形孔の幅の種類毎に前記口金における別々の面に形成され、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は該材料が導入される前記成形孔の入口が該材料の粘性の種類毎に前記口金における別々の面に形成され、且つ、それぞれの前記成形孔の出口は全て前記口金における同一の面に形成されるように、前記成形孔が前記口金に形成されており、前記材料を前記成形孔に導入するときは前記成形孔の入口が形成された面毎に別々に前記材料に対して圧力を加えることを特徴とする請求項1記載のハニカム体の成形方法。
  3. 前記成形孔の幅が2種類以上の場合は前記材料を前記成形孔に導入させるときに該材料に対して加える圧力を該成形孔の幅が小さいほど高くし、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は前記材料を前記成形孔に導入させるときに該材料に対して加える圧力を該材料の粘性が高いほど高くすることで、各成形孔から略同時に前記材料を導出させることを特徴とする請求項1または2記載のハニカム体の成形方法。
  4. 前記ハニカム体における前記隔壁が、第一の隔壁と、該第一の隔壁より幅の薄い第二の隔壁とによって形成され、前記セルが、前記第一の隔壁によって形成される大セルと、前記第二の隔壁によって前記大セルを更にしきることで形成される小セルとによって形成される場合において、
    前記口金が柱状の形状となっており、さらに、前記第一の隔壁または前記第二の隔壁のうち一方の隔壁の厚さに応じた幅の第一の成形孔の入口が前記口金の一端面に形成され、前記第一の隔壁または前記第二の隔壁のうち他方の隔壁の厚さに応じた幅の第二の成形孔の入口が前記口金の側面に形成され、且つ、前記第一の成形孔の出口と前記第二の成形孔の出口とが前記口金の他端面に交互に並んで形成されるように、前記第一の成形孔と前記第二の成形孔とが前記口金に形成されていることを特徴とする請求項2または3記載のハニカム体の成形方法。
  5. 前記ハニカム体が排気浄化装置用基材であって、前記材料がセラミック原料であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のハニカム体の成形方法。
  6. 複数のセルを有し、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって該複数のセルが形成されたハニカム体を押し出し成形するハニカム体の成形装置において、
    前記隔壁の厚さに応じた幅で形成された複数の成形孔を有する口金を備え、
    前記口金の複数の前記成形孔に前記隔壁の材料を導入し、その後、それぞれの前記成形孔から導出される前記材料を一体とさせることでハニカム体を成形するものであって、
    前記成形孔に前記材料を導入するときには、前記隔壁の厚さが2種類以上であるために前記成形孔の幅が2種類以上である場合は該成形孔の幅の種類毎に、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は該材料の粘性の種類毎に、それぞれ別々に前記材料に対して圧力
    を加えて導入することを特徴とするハニカム体の成形装置。
  7. 前記口金において、前記成形孔の幅が2種類以上の場合は該成形孔の入口が該成形孔の幅の種類毎に別々の面に形成され、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は該材料が導入される前記成形孔の入口が該材料の粘性の種類毎に別々の面に形成され、且つ、それぞれの前記成形孔の出口は全て同一の面に形成されるように、前記成形孔が形成されており、
    前記口金における前記成形孔の入口が形成された複数の面にそれぞれ別々に接続され、接続された面に入口が形成されている前記成形孔に前記材料を導入する複数の材料導入通路をさらに備え、
    該複数の材料導入通路から前記成形孔に前記材料を導入するときは前記成形孔の入口が形成された面毎に別々に前記材料に対して圧力を加えることを特徴とする請求項6記載のハニカム体の成形装置。
  8. 前記成形孔の幅が2種類以上の場合は前記材料を前記成形孔に導入させるときに該材料に対して加える圧力を該成形孔の幅が小さいほど高くし、また、前記材料の粘性が2種類以上の場合は前記材料を前記成形孔に導入させるときに該材料に対して加える圧力を該材料の粘性が高いほど高くすることで、各成形孔から略同時に前記材料を導出させることを特徴とする請求項6または7記載のハニカム体の成形装置。
  9. 前記ハニカム体における前記隔壁が、第一の隔壁と、該第一の隔壁より幅の薄い第二の隔壁とによって形成され、前記セルが、前記第一の隔壁によって形成される大セルと、前記第二の隔壁によって前記大セルをさらにしきることで形成される小セルとによって形成される場合において、
    前記口金が柱状の形状となっており、さらに、前記第一の隔壁または前記第二の隔壁のうち一方の隔壁の厚さに応じた幅の第一の成形孔の入口が前記口金の一端面に形成され、前記第一の隔壁または前記第二の隔壁のうち他方の隔壁の厚さに応じた幅の第二の成形孔の入口が前記口金の側面に形成され、且つ、前記第一の成形孔の出口と前記第二の成形孔の出口とが前記口金の他端面に交互に並んで形成されるように、前記第一の成形孔と前記第二の成形孔とが前記口金に形成されており、
    前記材料導入通路が、前記口金の一端面に接続された第一の材料導入通路と、前記口金の側面に接続された第二の材料導入通路とを有することを特徴とする請求項7または8記載のハニカム体の成形装置。
  10. 前記ハニカム体が排気浄化装置用基材であって、前記材料がセラミック原料であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載のハニカム体の成形装置。
  11. 複数のセルを有し、厚さまたは材料の粘性が異なる少なくとも2種類の隔壁によって該複数のセルが形成されたハニカム体を押し出し成形するハニカム体成形装置の口金において、
    前記隔壁の厚さに応じた幅で形成され、前記隔壁の材料が導入される複数の成形孔を備え、
    前記隔壁の厚さが2種類以上であるために前記成形孔の幅が2種類以上である場合は該成形孔の入口が該成形孔の幅の種類毎に別々の面に形成され、また、前記隔壁の材料の粘性が2種類以上の場合は前記成形孔の入口が導入される材料の粘性の種類毎に別々の面に形成され、且つ、それぞれの前記成形孔の出口は全て同一の面に形成されるように、前記成形孔が形成されていることを特徴とするハニカム体成形装置の口金。
  12. 前記ハニカム体における前記隔壁が、第一の隔壁と、該第一の隔壁より幅の薄い第二の隔壁とによって形成され、前記セルが、前記第一の隔壁によって形成される大セルと、前
    記第二の隔壁によって前記大セルを更にしきることで形成される小セルとによって形成される場合において、
    前記口金自体の形状が柱状となっており、
    前記第一の隔壁または前記第二の隔壁のうち一方の隔壁の厚さに応じた幅の第一の成形孔の入口が一端面に形成され、前記第一の隔壁または前記第二の隔壁のうち他方の隔壁の厚さに応じた幅の第二の成形孔の入口が側面に形成され、且つ、前記第一の成形孔の出口と前記第二の成形孔の出口とが他端面に交互に並んで形成されるように、前記第一の成形孔と前記第二の成形孔とが形成されていることを特徴とする請求項11記載のハニカム体成形装置の口金。
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