JP2006026471A - 燃料電池用電極触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 触媒金属粒子の粒子径、担持量および分散性に優れた燃料電池用電極触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性担体と触媒金属原料とを含む混合液中において、触媒金属原料を還元する過程を、触媒金属粒子生成工程と触媒金属粒成長工程とに分け、触媒金属生成工程よりも触媒金属粒子成長工程の還元反応速度を大きくする燃料電池用電極触媒の製造方法である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃料電池用電極触媒の調製方法、燃料電池用電極触媒および燃料電池に関する。燃料電池用電極触媒の調製方法について、より詳しくは、燃料電池用電極触媒内の触媒金属粒子の担持、分散および成長に関する。
燃料電池の発電は、燃料極において、化学式1に示す反応により得られたプロトンを、電解質膜が伝導し、酸素極において、伝導されたプロトンと電子とが化学式2に示す反応により酸素と反応して水を生成することにより行われる。
高い電池性能を得るための条件の一つとして、化学式1および化学式2に示した反応を促進することが挙げられ、該反応を促進するために電極触媒が用いられる。電極触媒に用いられる触媒金属として、高活性であるという視点から貴金属、特に白金が用いられることが多い。上述した反応は触媒金属粒子の表面で行われることから、電極に用いられる触媒金属の粒子形状、担持量および分散状況を有効に制御することは、電池の性能向上に大きく関わる。
従来の燃料電池用電極触媒の製造方法は、特許文献1に示されるように、導電性担体、触媒金属水溶液および還元剤を含む混合液中から、触媒金属粒子を還元し、触媒金属粒子を導電性担体に担持させる過程を含む。
特開平9−167622号公報
従来の燃料電池用電極触媒の製造方法では、触媒金属粒子の還元反応を、反応の開始から終了まで一定の還元反応速度で行っている。しかしながら、従来の燃料電池用電極触媒の製造方法では、触媒金属粒子を高分散させようとすると、粒子径が大きくなりすぎてしまい、一方で、触媒金属粒子を適切な粒子径に調節しようとすると、高分散を実現する為に長時間を要してしまう。
本発明は、効率よく、最適な平均粒子径を有する触媒金属粒子を担体上に高担持および高分散させることを目的とする。
本発明は、導電性担体および触媒金属原料を含む混合液を調製する段階と、該混合液中の触媒金属原料を還元し、該導電性担体に触媒金属粒子を担持させる段階と、を有する燃料電池用電極触媒の製造方法であって、該導電性担体に触媒金属を担持させる段階は、該触媒金属原料を還元して、触媒金属粒子を生成させる触媒金属粒子生成工程と、該触媒金属粒子生成工程よりも大きな該触媒金属原料の還元反応速度で、該触媒金属粒子を成長させる触媒金属粒成長工程とからなる、燃料電池用電極触媒の製造方法である。
本発明の燃料電池用電極触媒は、触媒金属粒子が適切な粒子径を保ち、触媒金属粒子の担持量が多く、かつ高分散しているため、触媒金属粒子同士の接触が少なく、その表面利用率が大きい。このため、触媒金属の単位質量当たりの触媒活性量を増大させることができ、燃料電池の性能を向上させることができる。
本発明の第一は、効率よく、最適な平均粒子径を有する触媒金属粒子を、担体上に高担持および高分散させるための、燃料電池用電極触媒の製造方法である。
本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法において、まず、導電性担体および触媒金属原料を含む混合液を調製する。
導電性担体としては、カーボン担体が好ましい。また、カーボン担体を不活性ガス雰囲気下で焼成し、表面にグラファイト化処理を施したものは、耐久性向上のためにより好ましい。
触媒金属水溶液は、触媒金属の可溶性化合物を用いて作製する。触媒金属水溶液は、特に限定されないが、塩化白金酸溶液またはジニトロジアミン白金錯体溶液が用いられることが多い。触媒金属粒子として析出する触媒金属として、貴金属、貴金属の合金、貴金属と卑金属の合金、貴金属と卑金属の金属間化合物、または貴金属の酸化物が好ましい。貴金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムおよびイリジウムが好ましく、白金が最も好ましい。貴金属との合金または金属間化合物として用いられる卑金属の例として、鉄、銅、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、アンチモン、ビスマス、セレンまたはテルルなどがあげられる。合金の組成は限定されず、適宜決定される。金属間化合物の組成は特に限定されないが、例として、PtAl、PtSb、PtSiまたはPtTeなどが挙げられる。
混合液の調製の次に行われる段階は、混合液から触媒金属原料を還元する段階である。混合液から触媒金属原料を還元する段階は、触媒金属粒子生成工程と、触媒金属粒成長工程と、からなる。
触媒金属粒子生成工程では、混合液から触媒金属粒子または触媒金属粒子を形成する為の核となる物質(以下、触媒金属前駆体粒子と記す)を生成させる。混合液に含まれる導電性担体によっては、担体表面の官能基によって還元反応を進行させることができる。このような機能を有する導電性担体として、例えば、ケッチェンブラックTMECもしくはアセチレンブラック等のカーボンブラック、またはグラファイトもしくはカーボンナノチューブ等の炭素材料が挙げられる。また、還元剤を用いて触媒金属粒子または触媒金属前駆体粒子を生成させてもよい。還元剤としては、触媒金属水溶液を還元・析出させることができるものであれば特に限定されない。還元剤として例えば炭素数1〜6の有機酸類、アルコール類、炭素数1〜3のアルデヒド類、水酸化ホウ素ナトリウムおよびヒドラジンなどを用いることができる。炭素数1〜6の有機酸類としては、特に限定されないが、ギ酸、酢酸、シュウ酸またはクエン酸などが挙げられる。アルコール類としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、エチレングリコールまたは1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。炭素数1〜3のアルデヒド類としては、特に限定されないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはアクロレインなどが挙げられる。触媒金属粒子生成工程で生成される触媒金属粒子または触媒金属前駆体粒子の粒子径は、2nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
触媒金属粒子成長工程では、触媒金属粒子生成工程の還元反応速度よりも大きな還元反応速度で還元反応を行うことにより、触媒金属粒子を成長させたり、触媒金属前駆体粒子から触媒金属粒子を成長させたりする。また、触媒金属粒子成長工程では、導電性担体表面へ吸着できずに混合液中に浮遊した触媒金属粒子または前駆体粒子を、導電性担体上へ吸着させる。粒子の成長は、平均粒子径が1〜10nmになるまで続けることが好ましい。触媒金属粒子の平均粒子径が1〜10nmであれば、触媒活性に十分な表面積を確保することができる。さらに触媒金属粒子の単位質量あたりの触媒活性量を増大させるならば、触媒金属の平均粒子径を2〜5nmの範囲に制御することがより好ましい。
平均粒子径を測定するために、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いることができる。TEMの代わりにXRD(X線結晶回析法)を用いて平均結晶子径を測定してもよい平均結晶子径の好ましい範囲は、上述の平均粒子径の好ましい範囲と同じである。また、触媒金属粒子の分散の態様もTEMによる観測により確認を行う。
触媒金属粒子の還元工程において、還元反応速度を変更した2工程以上の工程を経ることで、高分散化、高担持量化を共に兼ね備えた電極触媒を得ることができる。触媒金属粒子生成工程では、触媒金属粒子の成長を抑制しつつ、高分散させる。その後に触媒金属粒子成長工程では、還元反応速度を大きくすることによって、生成した触媒金属粒子を成長させ必要な担持量を実現する。
触媒金属粒子生成工程から触媒金属粒子成長工程への切り換え時間は、TEMによる粒子径の測定またはXRDによる結晶子径の測定を随時行うことにより、決定することができる。触媒金属粒子成長工程の終了時間も同様にして決定することができる。ただし、触媒金属水溶液としてジニトロジアミン白金硝酸水溶液または塩化白金酸六水和物を用いた場合には、TEMまたはXRDを用いずに各工程の終了時間を決定することができる。ジニトロジアミン白金硝酸水溶液または塩化白金酸六水和物を用いた場合、触媒金属粒子生成工程では、混合液中に白金粒子が析出すると混合液が黒色化する。このため、混合液の着色から触媒金属粒子生成工程から触媒金属粒子成長工程への切り換え時間を決定することができる。また、触媒金属粒子成長工程では、混合液中の触媒金属粒子である白金粒子が十分に析出し、導電性担体上に担持されて電極触媒を形成すると、混合攪拌の停止に伴い触媒金属粒子である白金粒子が担持された電極触媒が沈降する。その結果、混合液が無色透明となるため、混合液の無色透明化から触媒金属粒子成長工程の終了時間を決定することができる。
触媒金属粒子生成工程の還元反応速度よりも触媒金属粒子成長工程の還元反応速度を大きくする方法の一つとして、還元剤を追加投入する方法がある。
触媒金属粒子生成工程で、還元剤を用いて触媒金属粒子または触媒金属前駆体粒子を生成させる場合、触媒金属粒子成長工程で、還元剤を追加投入することは還元反応速度を大きくするのに有効である。
還元剤の例として、炭素数1〜6の有機酸類、アルコール類、炭素数1〜3のアルデヒド類、水酸化ホウ素ナトリウムおよびヒドラジンが挙げられる。炭素数1〜6の有機酸類としては、特に限定されないが、ギ酸、酢酸、シュウ酸またはクエン酸などが挙げられる。アルコール類としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、エチレングリコールまたは1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。炭素数1〜3のアルデヒド類としては、特に限定されないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはアクロレインなどが挙げられる。還元剤は触媒金属を還元、析出させることができるものであれば上述したものに限定されない。
還元剤は、触媒金属粒子生成工程と触媒金属成長工程とで同じ種類の還元剤を用いてもよいし、触媒金属粒子生成工程で用いた還元剤よりも、強い還元力を有する還元剤を触媒金属粒子成長工程で用いてもよい。還元力の強さとしては、アルコールおよび炭素数1〜6の有機酸と比較すると、炭素数1〜3のアルデヒド類の方が強い傾向にある。同程度の価格の還元剤であれば、より強い還元剤を用いた方がより少量の使用で済むため、コスト面では優れている。
還元剤の量は、使用する触媒金属溶液の種類、還元剤の種類および導電性担体の種類などによって異なるが、使用する導電性担体が、還元剤としての機能を有さない場合、触媒金属水溶液中に含まれる触媒金属1モルに対して5〜1000モルを用いることが好ましく、100〜800モルを用いることがより好ましい。触媒金属1モルに対して、還元剤が5モルを下回ると、還元が不十分となり金属酸化物が生成する虞がある。また、触媒金属1モルに対して、還元剤が1000モルを超えると還元剤の効果が飽和する虞がある。還元剤を追加投入する場合には、触媒金属粒子生成工程と触媒金属粒子成長工程とで用いる還元剤の量の比率は限定されない。
触媒金属粒子生成工程の還元反応速度よりも触媒金属粒子成長工程の還元反応速度を大きくする方法の一つとして、還元剤を投入する方法もある。
触媒金属粒子生成工程で、還元剤を用いずに触媒金属粒子または触媒金属前駆体粒子を生成させる場合、触媒金属粒子成長工程で、還元剤を投入することは還元反応速度を大きくするのに有効である。還元剤の例および還元剤の量は、上述の還元剤を追加投入する場合と同様である。
触媒金属粒子生成工程の還元反応速度よりも触媒金属粒子成長工程の還元反応速度を大きくする方法の一つとして、混合液の反応温度を上昇させる方法もある。
図1に、触媒金属原料として白金含有量0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液200gと導電性担体としてケッチェンブラックTMEC1.0gとを用いて混合液を調製し、還元剤としてギ酸10mlを用いた例を示す。反応温度を60℃以上の一定温度で6時間還元を行った場合、触媒担持量は40質量%を超し、高担持量を実現できるが、触媒金属粒子の平均結晶子径は3.5nm以上となる。また、反応温度を60℃よりも低い一定温度で6時間還元を行った場合、平均結晶子径は3.5nm以下になるが、触媒担持量も低くなる。
図2に、触媒金属原料として白金含有量0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液200gと導電性担体としてケッチェンブラックTMEC1.0gとを用いて混合液を調製し、還元剤としてギ酸10mlを用いた例を示す。還元反応を40℃の一定温度で6時間を行った場合、平均結晶子径3nmで且つ担持量34質量%であり、還元反応を60℃の一定温度で6時間行った結果が、平均結晶子径3.5nmで且つ担持量40質量%であった。これらの結果に対し、40℃で4時間還元反応を行った後に、60℃で1.5時間還元反応を行った結果は、平均結晶子径3.1nmで且つ担持量38質量%であった。このことから、混合液の温度を調節し、還元反応速度を還元反応の途中で大きくすることは触媒金属粒子の分散と粒径制御を効率よく行う上で有効であると言える。
触媒金属粒子生成工程および触媒粒子成長工程の還元反応温度は、混合液により適宜決定される。また、昇温速度も、混合液により適宜決定される。例えば、触媒金属水溶液にジニトロジアミン白金硝酸水溶液を用いた場合では、触媒金属粒子生成工程に適した反応温度は、室温〜40℃であることが好ましく、室温〜30℃であることがより好ましい。触媒金属粒子成長工程では、室温〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。この時、必ず触媒金属粒子形成工程の反応温度よりも触媒金属粒子成長工程の反応温度の方が高くなるように設定しなくてはならない。
還元反応速度定数は一般的にアレニウスの式に従う(式1)。
式1において、k:還元反応速度、A:頻度因子、E:活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度である。還元反応速度kを大きくするためには、絶対温度Tを大きくすることが有効である。混合液の温度を上げることは、絶対温度Tを大きくすることに相当する。
触媒金属粒子生成工程の還元反応速度よりも触媒金属粒子成長工程の還元反応速度を大きくする方法の一つとして、混合液に還元反応を促進する促進剤を投入する方法もある。
促進剤は、還元反応を促進する作用を持つものであれば特に限定されない。例えば、触媒金属粒子として白金粒子を析出させる場合、促進剤として白金または白金めっき物を用いるのが好ましい。白金または白金めっき物の形状は限定されず、例えばプレートの形状をしていてもよいし、ワイヤーの形状をしていてもよい。このとき加える白金または白金めっき物は、還元反応促進剤としてのみ作用し、促進剤として用いる白金と、導電性担体上に析出する本発明の目的の生成物である白金とは別物である。
促進剤の使用量は、用いる促進剤および混合液により適宜決定される。
触媒金属粒子生成工程の還元反応速度よりも触媒金属粒子成長工程の還元反応速度を大きくする方法の一つとして、混合液に触媒金属水溶液を追加投入する方法もある。
混合液に触媒金属水溶液を追加投入する方法を用いた場合、触媒金属粒子生成工程で還元力の強い還元剤を用いたとしても、析出した触媒金属の成長を遅くすることができ、粒子径の小さな触媒金属粒子を多数析出させられるため、析出粒子の凝集が少なく、高分散化させるのに効果的である。触媒金属水溶液を追加投入する場合には、触媒金属粒子生成工程と触媒金属粒子成長工程とで用いる触媒金属水溶液の量の比率は限定されない。
触媒金属粒子生成工程の還元反応速度よりも触媒金属粒子成長工程の還元反応速度を大きくする方法について上述したが、上述した各方法を組み合わせて行ってもよい。また、還元反応速度を変化させる段階は2段階に限定されず、2段階以上の工程を経てもよい。
触媒金属粒子生成工程の還元反応速度よりも触媒金属粒子成長工程の還元反応速度を大きくする方法を用いることにより、高価な貴金属を効率よく用いることができるため、原料費のコストダウンも可能である。
本発明の第二は、上述の方法により作製された燃料電池用電極触媒である。
上述の方法により作製された燃料電池用電極触媒は、触媒金属粒子が適切な粒子径を保ち、高担持および高分散されているため、発電効率に優れる。
本発明の第三は、上述の電極触媒を備えた燃料電池である。
上述の電極触媒を備えた燃料電池は、発電効率に優れるため、高い運転温度を必要としない。このため、上述の電極触媒は、低温型燃料電池に適応することができる。低温型燃料電池の例として、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池またはアルカリ型燃料電池などを示すことができる。また、上述の電極触媒は高価な貴金属を効率よく用い、また、製造の際に触媒金属粒子の還元を効率よく行っているため、原料コストまたは製造コストに優れ、その結果、燃料電池のコストダウンも可能である。
以下に、本発明の実施例を記載するが、この実施例は本発明を限定するものではない。本発明は下記実施例の電極触媒製造方法に制限されることはなく、これらの実施例の組み合わせにより作製するものであってもよい。また、反応時間または温度は、本実施例の記載に限定されない。実施例はカーボンをグラファイト化処理したものを用いて記載しているが、処理を施さないカーボン材料に適用してもよいし、その他の処理を施したカーボン材料であってもよいし、また、カーボン材料以外の導電性材料を用いたものであってもよい。
下記実施例ではケッチェンブラック・インターナショナル株式会社製KETJENBLACKTM ECを高温炉にて2800℃で焼成することで得られた、グラファイト化処理KETJENBLACKTM ECを使用した。なお、上記処理は昭和電工株式会社で行われたものである。
<実施例1:還元剤を追加投入することにより、還元反応速度を大きくする例(1)>
触媒金属原料として白金濃度0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液を200g、導電性担体としてグラファイト化処理KETJENBLACKTM EC 1gおよび還元剤としてギ酸1mlを用いて混合液を調製した。
該混合液を室温にて4時間攪拌混合した。この時、白金の粒子が混合液中に析出するため、混合液は黒色を帯びた。4時間の攪拌混合後に、混合液中にさらにギ酸9mlを追加投入し、室温にて4時間攪拌混合し、液色が無色透明になるまで還元反応を進行させた。液色が無色透明になった後、ろ過により固形分を分離し、固形分を純水にて3回洗浄し、80℃において8時間乾燥することにより50質量%白金担持の電極触媒3を得た。
<実施例2:還元剤を追加投入することにより、還元反応速度を大きくする例(2)>
触媒金属原料として白金濃度0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液を200g、導電性担体としてグラファイト化処理KETJENBLACKTM EC−600 1gおよび還元剤としてエタノール10mlを用いて混合液を調製した。
該混合液を室温にて4時間攪拌混合した。この時、白金の粒子が混合液中に析出するため、混合液は黒色を帯びた。4時間の攪拌混合後に、混合液中にさらにギ酸10mlを投入し、室温にて4時間攪拌混合し、液色が無色透明になるまで還元反応を進行させた。液色が無色透明になった後、ろ過により固形分を分離し、固形分を純水にて3回洗浄し、80℃において8時間乾燥することにより50質量%白金担持の電極触媒4を得た。
<実施例3:混合液の温度を上昇させることにより、還元反応速度を大きくする例>
触媒金属原料として白金濃度0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液を200g、導電性担体としてグラファイト化処理KETJENBLACKTM EC−600 1gおよび還元剤としてギ酸10mlを用いて混合液を調製した。
該混合液を室温にて4時間攪拌混合した。この時、白金の粒子が混合液中に析出するため、混合液は黒色を帯びた。4時間の攪拌混合後に、混合液を20分間かけて40℃まで昇温させ、さらに40℃にて4時間攪拌混合し、液色が無色透明になるまで還元反応を進行させた。液色が無色透明になった後、混合液を室温下に放置し、混合液温度が30℃以下になるまで自然冷却を行った。自然冷却後にろ過により固形分を分離し、固形分を純水にて3回洗浄し、80℃において8時間乾燥することにより50質量%白金担持の電極触媒1を得た。電極触媒1のTEM像を図3に示す。
<実施例4:促進剤を投入することにより、還元反応速度を大きくする例>
触媒金属原料として白金濃度0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液を200g、導電性担体としてグラファイト化処理KETJENBLACKTM EC−600 1gおよび還元剤としてギ酸10mlを用いて混合液を調製した。
該混合液を室温にて4時間攪拌混合した。この時、白金の粒子が混合液中に析出するため、混合液は黒色を帯びた。4時間の攪拌混合後に、混合液中にφ0.5mmの白金ワイヤー50mmを5mm長に切断したものを投入し、室温にて6時間攪拌混合し、液色が無色透明になるまで還元反応を進行させた。液色が無色透明になった後、ろ過により固形分を分離し、固形分を純水にて3回洗浄し、80℃において8時間乾燥することにより50質量%白金担持の電極触媒2を得た。
<実施例5:触媒金属水溶液を追加投入することにより、還元反応速度を大きくする例>
触媒金属原料として白金濃度0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液を100g、導電性担体としてグラファイト化処理KETJENBLACKTM EC−600 1gおよび還元剤としてギ酸10mlを用いて混合液を調製した。
該混合液を室温にて4時間混合攪拌した。この時、白金の粒子が混合液中に析出するため、混合液は黒色を帯びた。4時間の攪拌混合後に、混合液を20分間かけて40℃まで昇温し、さらに40℃にて2時間攪拌混合し、液色が無色透明になるまで還元反応を進行させた。液色が無色透明になった後、白金濃度0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液を100g追加投入し、さらに40℃にて2時間攪拌混合した。保持後、混合液を室温下に放置し、反応溶液温度が30℃以下になるまで自然冷却を行った後、ろ過により固形分を分離し、固形分を純水にて3回洗浄し、80℃において8時間乾燥することにより50質量%白金担持の電極触媒5を得た。
<比較例>
触媒金属原料として白金濃度0.5質量%のジニトロジアミン白金硝酸塩水溶液を200g、導電性担体としてグラファイト化処理KETJENBLACKTM EC−600 1gおよび還元剤としてギ酸50mlを用いて混合液を調製した。
上記混合液を室温から20分かけて40℃まで昇温させた後、6時間攪拌混合し、液色が無色透明になるまで還元反応を進行させた。液色が無色透明になった後、混合液を室温下に放置し、混合液温度が30℃以下になるまで自然冷却を行った。自然冷却後にろ過により固形分を分離し、固形分を純水にて3回洗浄し、80℃において8時間乾燥することにより50質量%白金担持の比較電極触媒1を得た。比較電極触媒1のTEM像を図4に示す。
図3および図4について、黒色の部分が白金粒子であり、白金粒子の周辺に見られる濃灰色の部分が導電性担体である。電極触媒1の方が比較電極触媒1と比較して、白金粒子の粒径が小さく、凝集がほとんど見られないことがわかる。電極触媒1と比較電極触媒1との白金粒子担持量は同量であるため、粒径が小さく、分散性の高い電極触媒1の方が、表面利用率が大きいといえる。また、電極触媒2〜5に関しても、電極触媒1と同様のTEM像を得ることができた。
これらの結果から、触媒金属粒子の還元反応を触媒金属粒子生成工程と、触媒金属粒子生成工程よりも還元反応速度の大きい触媒金属粒子成長工程とに分けることにより、触媒金属の単位質量当たりの触媒活性量を増大させることが可能である。
反応温度に対する、触媒金属担持量および平均結晶子径の関係を示す。 反応時間に対する、触媒金属担持量および平均結晶子径の関係を示す。 実施例1により製造された電極触媒1のTEM像である。 比較例により製造された比較電極触媒1のTEM像である。

Claims (9)

  1. 導電性担体および触媒金属原料を含む混合液を調製する段階と、
    該混合液中の触媒金属原料を還元し、該導電性担体に触媒金属粒子を担持させる段階と、を有する燃料電池用電極触媒の製造方法であって、
    該導電性担体に触媒金属を担持させる段階は、該触媒金属原料を還元して、触媒金属粒子を生成させる触媒金属粒子生成工程と、
    該触媒金属粒子生成工程よりも大きな該触媒金属原料の還元反応速度で、該触媒金属粒子を成長させる触媒金属粒成長工程とからなる、燃料電池用電極触媒の製造方法。
  2. 該混合液に還元剤を投入することにより、該触媒金属原料を還元することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
  3. 該触媒金属原料の還元反応速度を、該混合液に触媒金属粒子生成工程で用いる還元剤と同等の還元力を有する還元剤、または、触媒金属粒子生成工程で用いる還元剤よりも強い還元力を有する還元剤を追加投入することにより、大きくすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
  4. 該触媒金属原料の還元反応速度を、該混合液に還元剤を投入することにより、大きくすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
  5. 該触媒金属原料の還元反応速度を、該混合液の温度を上昇させることにより、大きくすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
  6. 該触媒金属原料の還元反応速度を、該混合液に還元反応を促進させる促進剤を投入することにより、大きくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
  7. 該触媒金属原料の還元反応速度を、該混合液に触媒金属水溶液を追加投入することにより、大きくすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により作製された燃料電池用電極触媒。
  9. 触媒として請求項8に記載の電極触媒を備えた燃料電池。
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