JP2006025741A - ソフトキャンディ用ゲル化剤及びそれを用いたソフトキャンディの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原料中にゼラチンを添加せず、ゼラチンを添加して作ったソフトキャンディと同等のチュウイ性や弾力性を有するソフトキャンディを得ることができ、かつ、ゼラチンを添加したときと同等の作業性や成形性を維持できるゲル化剤を提供する。また、ゼラチンを用いないで、ゼラチンを用いて作ったソフトキャンディと同等のチュウイ性や弾力性を有し、かつ、ゼラチンを添加したときと同等の作業性や成形性を維持できるソフトキャンディの製造方法を提供する。
【解決手段】カラギーナンとアラビアガムとペクチンとを組み合わせてなるソフトキャンディ用ゲル化剤。このゲル化剤をソフトキャンディの全原料中に0.1〜5重量%添加して、ゼラチンを添加せずにソフトキャンディを製造する方法。アルカリ土類金属及びカリウム、ナトリウムの総含量が9000mg/100g以下のカラギーナンを用いることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】カラギーナンとアラビアガムとペクチンとを組み合わせてなるソフトキャンディ用ゲル化剤。このゲル化剤をソフトキャンディの全原料中に0.1〜5重量%添加して、ゼラチンを添加せずにソフトキャンディを製造する方法。アルカリ土類金属及びカリウム、ナトリウムの総含量が9000mg/100g以下のカラギーナンを用いることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ソフトキャンディ用ゲル化剤及びそれを用いたソフトキャンディの製造方法に関する。詳しくは、ゼラチンを添加しないで、ゼラチンを添加したのと同等の弾力性やチュウイ性(噛み応え)と作業適性を有するソフトキャンディを製造できるソフトキャンディ用ゲル化剤とそのゲル化剤を用いて、ゼラチンを用いないで、ゼラチンを添加したのと同等の弾力性やチュウイ性と製造時の作業適性を有するソフトキャンディを製造する方法に関する。
一般に、キャンディは、砂糖を主原料とする洋風飴菓子の総称で、砂糖などの煮詰め方によってハードキャンディとソフトキャンディに大別される。すなわち、キャンディは、砂糖や水飴などの糖類に乳製品(牛乳やバターなど)、油脂、果実や種実、でん粉、小麦粉、酸味料、起泡剤、結合剤、ゲル化剤、香料、着色料などの副原料を所要に応じて適宜加えて煮詰めるのであるが、高温で加熱して水分含量1〜2%程度に硬く仕上げたものをハードキャンディと称し、ドロップ、タフィー、ブリットル、飴玉を代表例に挙げることができる。また、低温で加熱して水分含量5〜20%、好ましくは6〜10%、さらに好ましくは7〜8%程度に柔らかく仕上げたものをソフトキャンディと称し、代表例としてキャラメルやヌガーやゼリービーンズを挙げることができる。
ドロップや飴玉などのハードキャンディは、「口の中で嘗めたり、しゃぶる」ような食べ方をするのが特徴であるが、ソフトキャンディは、キャラメルやヌガーに見るごとく、口の中で適当に噛んで、そのチュウイ性(chewy quality:噛み心地/噛み応え:チューイング性ともいう。)や弾力性を楽しむことが多い。従来から、ソフトキャンディのチュウイ性や弾力性は、主として原料中のゼラチンによって形成されている。
ゼラチンは、室温以下に冷やすとゲル化するが、温水中では適宜の粘度のゾル状を呈するので、ゼラチンを配合した従来のソフトキャンディの原料液は、成形などの加工とゼリー型や容器などへの充填が容易である。すなわち、ゼラチンを加配した原料液は、ソフトキャンディ製造時の作業性や成形性がきわめて良好であり、加工しやすいことが知られている。
このようにゼラチンは、ソフトキャンディのチュウイ性や弾力性を形成すると共にソフトキャンディ製造時の作業性や成形性に影響を与える重要な原料である。しかし、ゼラチンは、動物の骨、皮、腱、靱帯などに由来する変性コラーゲンであるから、ゼラチンを原料に含むソフトキャンディは、動物性タンパク質に対してアレルギーを持つ人や宗教上の理由によって動物性食品を好まない人などには敬遠されている。また、ゼラチンは、独特の臭いがあるため、これを数%加えただけでヒトによっては気になる場合がある。
本発明者らは、ゼラチンを使用しないで、チュウイ性や弾力性を有するソフトキャンディを作る方法について研究を続け、ゲル化剤としてカラギーナンとアラビアガムとペクチンを組み合わせて用いると、ゼラチンを用いなくても、ソフトキャンディとして満足できるチュウイ性や弾力性が得られると共に、製造時の作業性や成形性を損なうおそれがないことを見出し、さらに研究を続け、本発明を完成するに至った。
ソフトキャンディの製法については多くの発明が特許出願されているが、その殆どは、原料中にゲル化剤としてゼラチンを配合する方法を採っている。すなわち、ソフトキャンディの製造において、ゼラチンを用いることなく、しかも、カラギーナンとアラビアガムとペクチンを併用する製法については、どの文献にも未だ開示されていない。
特表2002−507400号公報
特開2000−166477号公報
特開2004−65035号公報
特開2001−178381号公報
例えば、特許文献1には、アラビアガム、カラギーナン、イナゴマメガム、グアールガム、ゼラチン及びこれらの混合物からなる群より選択される1つ又は複数の成分を含む食品等級のガム又はゼラチンを配合して咀嚼性ヌガー菓子製品を製造する方法について記載されている。しかし、この文献は、ソフトキャンディの一種であるヌガー菓子を対象として、カラギーナンとアラビアガムの併用を示唆するものの、アラビアガムとカラギーナンとペクチンの組み合わせがソフトキャンディのチュウイ性や弾力性の形成ないし充填時の作業性に特異的な効果を奏するとか、ゼラチンの代替品として使用できることについては何ら開示されていない。また、特許文献2には、アラビアガム、ゼラチン、キサンタンガムのうちのいずれか1品、もしくはこれらの混合物をゲル化剤とするゼリー菓子の製造方法について記載されている。しかし、この文献には、カラギーナンやペクチンは挙げておらず、加えてカラギーナンとアラビアガムとペクチンの組み合わせがソフトキャンディのチュウイ性や弾力性の形成ないし充填時の作業性に特異的な効果を奏するとか、ゼラチンの代替品として使用できることについては何ら開示されていない。さらに、特許文献3には、アラビアガム、寒天、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンド種子多糖類、カラヤガム、トラガントガム、キサンタンガム、ジェランガム、カードラン、プルランなどのゲル化剤を添加して製したグミをソフトキャンディ生地に捻じり合わせたグミ入りソフトキャンディについて記載されている。しかし、この文献は、グミゼリーのゲル化剤として用いられる一般的な原料を列記したにすぎず、カラギーナンとアラビアガムとペクチンの組み合わせがソフトキャンディのチュウイ性や弾力性の形成ないし充填時の作業性に特異的な効果を奏するとか、ゼラチンの代替品として使用できることについては何ら開示されていない。さらに、特許文献4には、ゼラチンを用いないで、サイリウムシードガムをゼリー化剤とすると共に、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、ペクチン、寒天など30種のうち1種以上を併用するグミ状ゼリー及びその製法について開示されている。しかし、この文献には、アラビアガムとカラギーナンの組み合わせがソフトキャンディのチュウイ性や弾力性の形成ないし充填時の作業性に特異的な効果を奏するとか、ゼラチンの代替品として使用できることについては何ら開示されていない。
上記の状況に鑑み、本発明は、原料中にゼラチンを添加せず、ゼラチンを添加して製したソフトキャンディと同等のチュウイ性や弾力性を有するソフトキャンディを得ることができ、かつ、ゼラチンを添加したときと同等の作業性や成形性を維持できるゲル化剤を提供することを第1の課題とする。また、本発明は、ゼラチンを用いないで、ゼラチンを用いて製したソフトキャンディと同等のチュウイ性や弾力性を有し、かつ、ゼラチンを添加したときと同等の作業性や成形性を維持できるソフトキャンディの製造方法を提供することを第2の課題とする。
上記第1の課題を解決するために、本発明のうち特許請求の範囲・請求項1に記載する発明は、カラギーナンとアラビアガムとペクチンとを組み合わせてなるソフトキャンディ用ゲル化剤である。
また、同請求項2に記載する発明は、上記第1の課題を解決するためのもので、アルカリ土類金属及びカリウム、ナトリウムの総含量が9000mg/100g以下であるカラギーナンを用いる請求項1に記載のソフトキャンディ用ゲル化剤である。
また、同請求項3に記載する発明は、上記第2の課題を解決するためのものであり、請求項1又は2に記載のゲル化剤を0.1〜5重量%添加して、ゼラチンを添加せずにソフトキャンディを製造する方法である。
また、同請求項4に記載する発明は、上記第2の課題を解決するためのもので、請求項1又は2に記載のゲル化剤を2〜3重量%添加して、ゼラチンを添加せずに水分含量7〜8%のソフトキャンディを製造する方法である。
本発明のソフトキャンディ用ゲル化剤は、これをソフトキャンディの原料中に添加すると、ゼラチンを添加しなくても、ゼラチンを用いたときと同等以上のチュウイ性や弾力性を有するソフトキャンディを作ることができ、しかも、ゼラチンを用いたときと同等以上に作業が容易でありかつ成形しやすくなるので、製造工程における作業性や成形性を損なうことがない。また、本発明のソフトキャンディの製造方法は、これにしたがってソフトキャンディを作ると、ゼラチンを添加しなくても、ゼラチンを用いたときと同等以上のチュウイ性や弾力性を有するソフトキャンディを作ることができ、しかも、ゼラチンを用いたときと同等以上に作業が容易になりかつ成形しやすくなるので、製造工程における作業性や成形性を損なうことがない。そのため、本発明は、ゼラチンを配合したソフトキャンディを敬遠する人、例えば、動物性タンパク質に対してアレルギーを持つ人や宗教上の理由によって動物性食品を好まない人、また、ゼラチン特有の臭いを好まない人などに好適なソフトキャンディを作ることができる。
また、本発明のソフトキャンディ用ゲル化剤は、最も好ましい食感を有する水分含量7〜8%のソフトキャンディを作るときに、その原料中に2〜3%添加するだけで、従来市販の、ゼラチンを5%添加したソフトキャンディと同等以上のチュウイ性や作業性を得ることができる。すなわち、本発明のソフトキャンディ用ゲル化剤は、従来のゲル化剤に比べて使用量が少くて済むという利点がある。
また、本発明によって作ったソフトキャンディは、喫食できる温度帯が広く、熱帯地方や夏場でも容易には溶解しない。すなわち、本発明によって作ったソフトキャンディは、高温になっても十分な弾力性を維持し、柔らかくなり過ぎないので、夏期や高温地域での流通に適し、例えば、気温の高い夏場の露天や店頭に展示して販売しても商品価値が毀損されない。そのため、本発明は、キャラメルやヌガーなどソフトキャンディの用途や販路を従来よりも拡大できる。その上、本発明によれば、従来のゼラチンを用いたソフトキャンディよりも保存中の色調が変化しにくく、かつ、フレーバリリースのすぐれたソフトキャンディを作ることができる。
本発明でいうソフトキャンディは、砂糖、果糖、水飴、蜂蜜などの糖類に牛乳やバターなど乳製品、油脂、果実や種実、でん粉、小麦粉、酸味料、起泡剤、結合剤、ゲル化剤、乳化剤、保湿剤、香料、着色料、水などの副原料を所要に応じて適宜加えて110〜140℃程度の比較的低温で加熱して水分含量5〜20%、好ましくは6〜10%、さらに好ましくは7〜8%程度に柔らかく仕上げたものをいい、代表例としてキャラメルやヌガーやゼリービーンズを挙げることができる。ソフトキャンディは、チュウイ性(噛み応え)や弾力性に富み、独特の食感を有するものが好まれる傾向にある。
本発明のソフトキャンディ用ゲル化剤は、カラギーナンとアラビアガムとペクチンとを組み合わせて構成する。また、本発明に係るソフトキャンディの製造方法は、原料中にゼラチンを添加することなく、カラギーナンとアラビアガムとペクチンとを組み合わせたゲル化剤を原料の全量に対して0.1〜5%添加することを必須とする。カラギーナンとアラビアガムとペクチンとを組み合わせたゲル化剤の添加量が上記よりも少ないと、ゼラチンを用いたときに比べて十分なチュウイ性や弾力性を有するソフトキャンディを得ることができず、また、上記よりも多いと、ゼラチンを用いたときに比べて製造時の作業性や成形性が悪くなるので、いずれも注意を要する。なお、その他の原料や配合は、従来のソフトキャンディの製法と異なるところはない。
本発明のゲル化剤の添加量は、上記0.1〜5重量%の範囲において、製造するソフトキャンディの水分含量によって適宜増減させることが好ましい。例えば、最も食感がよいとされている水分含量7〜8%のソフトキャンディを製するときは、本発明のゲル化剤を2〜3%添加するのが好ましい。また、水分含量が高いソフトキャンディを作るときは、ゲル化剤の添加量を多くすることが好ましい。
本発明に係るソフトキャンディ用ゲル化剤は、通常のソフトキャンディ用ゲル化剤と同様、可溶性固形分が50〜95重量%でpHが3〜7に調製してあることが好ましい。
本発明のソフトキャンディには、上記ゲル化剤の他に、例えば、ビタミン、食物繊維、カルシウム、上記以外のゲル化剤、増粘剤、安定剤などを添加して差し支えない。カラギーナン、アラビアガム、ペクチン、その他の所要原料は、食品用として市販されているものであれば、特に限定はない。なお、本発明に係るソフトキャンディにはゼラチンを配合しないことは勿論である。
本発明のソフトキャンディには、上記ゲル化剤の他に、例えば、ビタミン、食物繊維、カルシウム、上記以外のゲル化剤、増粘剤、安定剤などを添加して差し支えない。カラギーナン、アラビアガム、ペクチン、その他の所要原料は、食品用として市販されているものであれば、特に限定はない。なお、本発明に係るソフトキャンディにはゼラチンを配合しないことは勿論である。
本発明で用いるカラギーナンは、従来からゲル化剤の一つとして知られているが、単独使用で高粘度になりやすいため、ゼラチンと異なり、充填適性が著しく劣る。これは、カラギーナンに含まれているミネラル分(特にカリウム、カルシウム)の影響であると推察できる。よって、本発明では、ミネラル含有量の少ないカラギーナンを使用することが好ましい。具体的には、カルシウムなどのアルカリ土類金属及びカリウム、ナトリウムの総含量が9000mg/100g以下のものを使用することが好ましい。カラギーナンに含まれる金属塩が上記よりも多いと、溶液の粘度が高くなり過ぎて、製造時にゼリー型や容器への充填がしにくくなり、作業性を損ねやすい。また、カラギーナンの配合量を多くすると、弾力性は強くなっても粘度が上がるので、カラギーナンの添加量を抑える必要がある。そのため、アラビアガムを添加することによって適度の弾力性とチュウイ性を付与することができる。これは、アラビアガムの溶液粘度がガム類として非常に低く、カラギーナンと組み合わせても大幅な粘度上昇が生じないように抑えることができるからである。しかしながら、カラギーナンとアラビアガムだけのゲル化剤では、得られるソフトキャンディの舌触りが十分でない。そこで、ペクチンを加えて食感の調整を図る必要がある。なお、ペクチンは、HMペクチン又はLMペクチンのどちらでも用いることができる。
また、カラギーナンには、カッパタイプ、イオタタイプ、ラムダタイプがあり、最もチュウイ性がすぐれているのは、ラムダタイプで、次いで、イオタタイプ、カッパタイプの順である。しかし、チュウイ性に伴って歯への付着性が高まる。そこで、本発明では、カラギーナンは各タイプを適宜混合して使用するのが好ましい。すなわち、用いるカラギーナンの種類は、製造するソフトキャンディの求められる食感や弾力性に応じて適宜選択すればよい。
一般に、ソフトキャンディの製造に際して、糖類を主原料とする全原料を110〜140℃程度で加熱して水分を飛ばし、煮詰めて、糖類を再結晶化させるが、結晶粒子が大きくなってしまうと舌触りが滑らかにならず、ざらついた感じになる。カラギーナン、アラビアガム及びペクチンを組み合わせた本発明のゲル化剤は、ソフトキャンディの製造工程において、糖類の結晶が大きくなりすぎないように防止する機能も奏している。
本発明において、カラギーナンとアラビアガムとペクチンの配合割合は、製するソフトキャンディの性状によって異なるので一概に決めることはできないが、例えば、カラギーナン1部に対してアラビアガム0.6〜1部、ペクチン0.6〜1部程度にするのが好ましい。
本発明の全説明において、「食感」とは、口のなかで感じる快・不快を全般的に表した用語であり、「舌触り」「チュウイ性」「異味・嫌味の有無」などの総合評価を示す。また、「チュウイ性や弾力性」とは、食感の中の物性に関する部分のみを注目して表現する用語である。「チュウイ性」と「弾力性」は、どちらも噛み応えを表し、特に区別する必要はない。なお、本発明の全説明において、「%」の表示は、特に断らない限り、重量割合を示す。以下、試験例をもって本発明をさらに詳細に説明する。
<カラギーナン添加量による食感と作業性の比較試験>
(1)試験方法
まず、ゲル化剤として最もポピュラーなカラギーナンを用い、ゼラチンの効果と比較することにした。すなわち、カラギーナンの添加量を1%から5%までの5段階に分け、それぞれを表1に示す原料に加えて、表1の原料配合に基づいて5通りのヌガー様ソフトキャンディ(水分含量5〜8%)を試作した。一方、カラギーナンに代わるゲル化剤として市販のゼラチンを5%添加し、表1の原料配合に基づいてヌガー様ソフトキャンディ(水分含量5〜8%)を作り、対照とした。これら合計6種24通りのソフトキャンディについて、熟練したパネラー10名によって食感評価をおこない、試作者の作業性評価と合わせ表2の結果を得た。なお、対照品について「ゼラチン5.0%」とする理由は、市販のソフトキャンディにはゼラチンを5%配合したものが多いからである。
供試したソフトキャンディは、クエン酸を除く全原料を混合して加熱し(ニーダー温度90℃:生地飴煮詰温度130℃)、飴水分を7.0%に調整し、成形したものである。(2)試験結果
試験結果は、表2に示すとおりである。
(1)試験方法
まず、ゲル化剤として最もポピュラーなカラギーナンを用い、ゼラチンの効果と比較することにした。すなわち、カラギーナンの添加量を1%から5%までの5段階に分け、それぞれを表1に示す原料に加えて、表1の原料配合に基づいて5通りのヌガー様ソフトキャンディ(水分含量5〜8%)を試作した。一方、カラギーナンに代わるゲル化剤として市販のゼラチンを5%添加し、表1の原料配合に基づいてヌガー様ソフトキャンディ(水分含量5〜8%)を作り、対照とした。これら合計6種24通りのソフトキャンディについて、熟練したパネラー10名によって食感評価をおこない、試作者の作業性評価と合わせ表2の結果を得た。なお、対照品について「ゼラチン5.0%」とする理由は、市販のソフトキャンディにはゼラチンを5%配合したものが多いからである。
供試したソフトキャンディは、クエン酸を除く全原料を混合して加熱し(ニーダー温度90℃:生地飴煮詰温度130℃)、飴水分を7.0%に調整し、成形したものである。(2)試験結果
試験結果は、表2に示すとおりである。
(3)所見
表2から、カラギーナン2〜3%を添加して作った試験区2と試験区3のソフトキャンディのうち水分含量6〜8%のものは、ゼラチンを5%添加した対照区のソフトキャンディ(市販品相当)に比べて、同等以上の食感と作業適性を有することが確認された。しかし、ソフトキャンディの水分含量によってカラギーナンの適正添加量も変動することが判ったので、さらに試験をおこなうことにした。
表2から、カラギーナン2〜3%を添加して作った試験区2と試験区3のソフトキャンディのうち水分含量6〜8%のものは、ゼラチンを5%添加した対照区のソフトキャンディ(市販品相当)に比べて、同等以上の食感と作業適性を有することが確認された。しかし、ソフトキャンディの水分含量によってカラギーナンの適正添加量も変動することが判ったので、さらに試験をおこなうことにした。
<ゲル化剤による食感と作業性の比較試験−1>
(1)試験方法
次に、他のゲル化剤でもカラギーナンと同様の効果があるか否かを調べるため、以下の試験をおこなった。すなわち、表3に示すゲル化剤を表1に示す原料に加えて6通りのヌガー様ソフトキャンディを試作した。これら6種のソフトキャンディについて、熟練したパネラー10名によって食感評価をおこない、試作者の作業性評価と合わせて表4の結果を得た。なお、供試したソフトキャンディの製法と製造条件は、試験例1と同じである。
(1)試験方法
次に、他のゲル化剤でもカラギーナンと同様の効果があるか否かを調べるため、以下の試験をおこなった。すなわち、表3に示すゲル化剤を表1に示す原料に加えて6通りのヌガー様ソフトキャンディを試作した。これら6種のソフトキャンディについて、熟練したパネラー10名によって食感評価をおこない、試作者の作業性評価と合わせて表4の結果を得た。なお、供試したソフトキャンディの製法と製造条件は、試験例1と同じである。
(2)試験結果
試験結果は、表4に示すとおりである。
(3)所見
表4から、試験区1(カラギーナン2.0%添加区)のゲル化剤を使用したソフトキャンディが食感(舌触り、チュウイ性、異味・嫌味の有無)の点と作業性(成形のしやすさ)の点で最もすぐれていることが判明した。しかし、対照区(ゼラチン5.0%添加区)のソフトキャンディに比べると、試験区1のソフトキャンディの食感や作業性は未だ満足できるものではない。そこで、さらに試験を続けることにした。
試験結果は、表4に示すとおりである。
(3)所見
表4から、試験区1(カラギーナン2.0%添加区)のゲル化剤を使用したソフトキャンディが食感(舌触り、チュウイ性、異味・嫌味の有無)の点と作業性(成形のしやすさ)の点で最もすぐれていることが判明した。しかし、対照区(ゼラチン5.0%添加区)のソフトキャンディに比べると、試験区1のソフトキャンディの食感や作業性は未だ満足できるものではない。そこで、さらに試験を続けることにした。
<ゲル化剤による食感と作業性の比較試験−2>
(1)試験方法
表5に示すゲル化剤を表1に示す原料に加えて7通りのヌガー様ソフトキャンディを試作した。これら7種のソフトキャンディについて、熟練したパネラー10名によって食感評価をおこない、試作者の作業性評価と合わせて表6の結果を得た。
なお、供試したソフトキャンディの製法と製造条件並びに評価項目と評価基準は、試験例2と同じである。
(2)試験結果
試験結果は、表6に示すとおりである。
(3)所見
表6から、チュウイ性は試験区2(カラギーナン・アラビアガム添加区)のソフトキャンディがすぐれており、舌触りは試験区3(カラギーナン・HMペクチン添加区)のソフトキャンディがすぐれていることが判明した。しかし、試験例2の表4の対照区(ゼラチン5.0%添加区)のソフトキャンディの評価と比較すると、全体的にバランスが悪く、満足できるものではなかった。そこで、さらに試験を続けることにした。
(1)試験方法
表5に示すゲル化剤を表1に示す原料に加えて7通りのヌガー様ソフトキャンディを試作した。これら7種のソフトキャンディについて、熟練したパネラー10名によって食感評価をおこない、試作者の作業性評価と合わせて表6の結果を得た。
なお、供試したソフトキャンディの製法と製造条件並びに評価項目と評価基準は、試験例2と同じである。
(2)試験結果
試験結果は、表6に示すとおりである。
(3)所見
表6から、チュウイ性は試験区2(カラギーナン・アラビアガム添加区)のソフトキャンディがすぐれており、舌触りは試験区3(カラギーナン・HMペクチン添加区)のソフトキャンディがすぐれていることが判明した。しかし、試験例2の表4の対照区(ゼラチン5.0%添加区)のソフトキャンディの評価と比較すると、全体的にバランスが悪く、満足できるものではなかった。そこで、さらに試験を続けることにした。
<ゲル化剤による食感と作業性の比較試験−3>
(1)試験方法
表7に示すゲル化剤を表1に示す原料に加えて5通りのヌガー様ソフトキャンディを試作した。これら5種のソフトキャンディについて、熟練したパネラー10名によって食感評価をおこない、試作者の作業性評価と合わせて表8の結果を得た。なお、供試したソフトキャンディの製法と製造条件並びに評価項目と評価基準は、試験例2と同じである。
(2)試験結果
試験結果は、表8に示すとおりである。
(3)所見
表8から、試験区2(カラギーナン1.0%・アラビアガム0.5%・HMペクチン0.5%の添加区)のゲル化剤を使用したソフトキャンディが食感の点と製造工程における作業性の点で最もすぐれていることが判明した。また、試験区3(カラギーナン0.5%・アラビアガム0.5%・HMペクチン1.0%の添加区)、試験区4(カラギーナン1.0%・アラビアガム0.5%・LMペクチン0.5%の添加区)、試験区5(カラギーナン0.5%・アラビアガム0.5%・LMペクチン1.0%の添加区)のゲル化剤についても、試験例2の表4の対照区(ゼラチン5.0%添加区)のゲル化剤よりも、総合的に見てすぐれていることが判明した。以上のことから、本試験例によって、カラギーナンとアラビアガムとペクチンを組み合わせたゲル化剤を用いてソフトキャンディを作ると、ゼラチンを用いたときと同等以上に食感と作業性を改良できることが確認された。
(1)試験方法
表7に示すゲル化剤を表1に示す原料に加えて5通りのヌガー様ソフトキャンディを試作した。これら5種のソフトキャンディについて、熟練したパネラー10名によって食感評価をおこない、試作者の作業性評価と合わせて表8の結果を得た。なお、供試したソフトキャンディの製法と製造条件並びに評価項目と評価基準は、試験例2と同じである。
(2)試験結果
試験結果は、表8に示すとおりである。
(3)所見
表8から、試験区2(カラギーナン1.0%・アラビアガム0.5%・HMペクチン0.5%の添加区)のゲル化剤を使用したソフトキャンディが食感の点と製造工程における作業性の点で最もすぐれていることが判明した。また、試験区3(カラギーナン0.5%・アラビアガム0.5%・HMペクチン1.0%の添加区)、試験区4(カラギーナン1.0%・アラビアガム0.5%・LMペクチン0.5%の添加区)、試験区5(カラギーナン0.5%・アラビアガム0.5%・LMペクチン1.0%の添加区)のゲル化剤についても、試験例2の表4の対照区(ゼラチン5.0%添加区)のゲル化剤よりも、総合的に見てすぐれていることが判明した。以上のことから、本試験例によって、カラギーナンとアラビアガムとペクチンを組み合わせたゲル化剤を用いてソフトキャンディを作ると、ゼラチンを用いたときと同等以上に食感と作業性を改良できることが確認された。
<賞味可能温度帯確認試験>
(1)試験方法
イ.下記の2通りのゲル化剤を用い、その他の原料配合は表1のとおりとして、試験例2 の製法によってヌガー様ソフトキャンディを製した。
対照区=ゼラチン5.0%
試験区=カラギーナン1.0%、アラビアガム0.5%、HMペクチン0.5%で合計2.0%
ロ.それぞれのソフトキャンディのゲル強度(破断時における最大荷重)をサンプル温度 を変えて測定した。その結果を表9に示す。なお、ゲル強度は、以下の方法により、ゼ リー強度計を用いて測定した。
1.サンプルを縦3cm×横1.5cm×高さ1.5cmに成形した。
2.サンプルを各品温にて一晩保管した。
3.プランジャーはカッターの背中(刃を付けていない方)を用いた。
4.破断速度:5m/s
(2)試験結果
試験結果は、表9に示すとおりである。
(3)所見
表9から、試験区のソフトキャンディ(カラギーナン・アラビアガム・ペクチン併用)と対照区のソフトキャンディ(ゼラチン添加)は、どちらも、喫食温度帯は20℃以上が好ましいことが判明した。すなわち、20℃未満の温度では喫食が困難となるほど硬かった。一方、40℃以上の温度帯では、対照区(ゼラチン添加)のソフトキャンディは柔らかくなり、弾力が失われていったが、試験区(カラギーナン・アラビアガム・ペクチン併用)のソフトキャンディは温度変化に対して大きな影響を受けず、50℃でも好ましい弾力性を維持できた。すなわち、本発明のソフトキャンディは、高温において性状が変化しにくいことが確認された。
(1)試験方法
イ.下記の2通りのゲル化剤を用い、その他の原料配合は表1のとおりとして、試験例2 の製法によってヌガー様ソフトキャンディを製した。
対照区=ゼラチン5.0%
試験区=カラギーナン1.0%、アラビアガム0.5%、HMペクチン0.5%で合計2.0%
ロ.それぞれのソフトキャンディのゲル強度(破断時における最大荷重)をサンプル温度 を変えて測定した。その結果を表9に示す。なお、ゲル強度は、以下の方法により、ゼ リー強度計を用いて測定した。
1.サンプルを縦3cm×横1.5cm×高さ1.5cmに成形した。
2.サンプルを各品温にて一晩保管した。
3.プランジャーはカッターの背中(刃を付けていない方)を用いた。
4.破断速度:5m/s
(2)試験結果
試験結果は、表9に示すとおりである。
(3)所見
表9から、試験区のソフトキャンディ(カラギーナン・アラビアガム・ペクチン併用)と対照区のソフトキャンディ(ゼラチン添加)は、どちらも、喫食温度帯は20℃以上が好ましいことが判明した。すなわち、20℃未満の温度では喫食が困難となるほど硬かった。一方、40℃以上の温度帯では、対照区(ゼラチン添加)のソフトキャンディは柔らかくなり、弾力が失われていったが、試験区(カラギーナン・アラビアガム・ペクチン併用)のソフトキャンディは温度変化に対して大きな影響を受けず、50℃でも好ましい弾力性を維持できた。すなわち、本発明のソフトキャンディは、高温において性状が変化しにくいことが確認された。
<保存中の着色の程度確認試験>
(1)試験方法
イ.試験例5と同じ2通りのゲル化剤を用い、試験例5と同じ製法と原料配合でヌガー様 ソフトキャンディを試作した。
ロ.試作したソフトキャンディをアルミ蒸着紙/ポリエチレンで包装して50℃の定温庫 で保管し、ソフトキャンディ表面の色調の変化を観測した。その結果を表10に示す。 なお、表10の数値は、保管0日目の赤みの指標であるa値を基準とした相対値を%で 表したものである。
(2)試験結果
試験結果は、表10に示すとおりである。
(1)試験方法
イ.試験例5と同じ2通りのゲル化剤を用い、試験例5と同じ製法と原料配合でヌガー様 ソフトキャンディを試作した。
ロ.試作したソフトキャンディをアルミ蒸着紙/ポリエチレンで包装して50℃の定温庫 で保管し、ソフトキャンディ表面の色調の変化を観測した。その結果を表10に示す。 なお、表10の数値は、保管0日目の赤みの指標であるa値を基準とした相対値を%で 表したものである。
(2)試験結果
試験結果は、表10に示すとおりである。
(3)所見
表10から、保存期間の経過と共に対照区のソフトキャンディ(ゼラチン5.0%添加)は徐々に茶色く変色することが確認された。一方、試験区のソフトキャンディ(カラギーナン・アラビアガム・ペクチン併用)は、3カ月間保存しても視覚的に識別できるほどの色調の変化は見られなかった。この結果から、本発明の方法で製したソフトキャンディ(試験区のソフトキャンディ)は、ゼラチンを添加して製したソフトキャンディに比べて、長期間保存しても色調が変化しにくいことが確認された。
表10から、保存期間の経過と共に対照区のソフトキャンディ(ゼラチン5.0%添加)は徐々に茶色く変色することが確認された。一方、試験区のソフトキャンディ(カラギーナン・アラビアガム・ペクチン併用)は、3カ月間保存しても視覚的に識別できるほどの色調の変化は見られなかった。この結果から、本発明の方法で製したソフトキャンディ(試験区のソフトキャンディ)は、ゼラチンを添加して製したソフトキャンディに比べて、長期間保存しても色調が変化しにくいことが確認された。
<フレーバリリース確認試験>
(1)試験方法
イ.試験例5と同じ2通りのゲル化剤を用い、試験例5と同じ原料配合にさらに0.01 %(識別できる最小量)のリンゴ香料をそれぞれ加えて、試験例5と同じ製法でヌガー 様ソフトキャンディを試作した。
ロ.試作した2種のソフトキャンディについて、リンゴ香料の香りを識別できるか否か、 熟練したパネラーによって官能検査(3点識別法)をおこなった。その結果を表11と 表12に示す。
(1)試験方法
イ.試験例5と同じ2通りのゲル化剤を用い、試験例5と同じ原料配合にさらに0.01 %(識別できる最小量)のリンゴ香料をそれぞれ加えて、試験例5と同じ製法でヌガー 様ソフトキャンディを試作した。
ロ.試作した2種のソフトキャンディについて、リンゴ香料の香りを識別できるか否か、 熟練したパネラーによって官能検査(3点識別法)をおこなった。その結果を表11と 表12に示す。
(3)所見
表11から、香料の風味を識別できた人数は試験区のソフトキャンディの方が圧倒的に多かった。これは、対照区のゲル化剤には特有の風味があるため、微妙な香料の香りを感じることができなかったためと考えられる。また、表12から、ゲル化剤の違いを識別できた人の中でどちらのゲル化剤を好むかを調査した結果「試験区を好む」とする人が圧倒的に多かった。この理由は、試験区のソフトキャンディのゲル化剤に独特の風味がなく、添加した香料の風味が率直に出たためであると考えられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
表11から、香料の風味を識別できた人数は試験区のソフトキャンディの方が圧倒的に多かった。これは、対照区のゲル化剤には特有の風味があるため、微妙な香料の香りを感じることができなかったためと考えられる。また、表12から、ゲル化剤の違いを識別できた人の中でどちらのゲル化剤を好むかを調査した結果「試験区を好む」とする人が圧倒的に多かった。この理由は、試験区のソフトキャンディのゲル化剤に独特の風味がなく、添加した香料の風味が率直に出たためであると考えられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
<キャラメルの製造例>
アラビアガム粉末5g、カラギーナン粉末10g、HMペクチン5gを混合して粉末状のゲル化剤を作った。このゲル化剤20gを砂糖500g、水飴300g、練乳50g、粉乳50g、バター100gなどの原料に混ぜて加熱攪拌機中で80℃程度に加熱し全量を溶解させ、次いで120℃にてとろとろになるまで煮詰めた。少量の香料を加えた後40〜50℃に冷却しながら拡げて、キャラメル生地とした。
適当な硬さになったキャラメル生地をロール状に成形し、キャラメルの形状に切断してワックス紙で1粒ずつ包装し、箱詰した。
アラビアガム粉末5g、カラギーナン粉末10g、HMペクチン5gを混合して粉末状のゲル化剤を作った。このゲル化剤20gを砂糖500g、水飴300g、練乳50g、粉乳50g、バター100gなどの原料に混ぜて加熱攪拌機中で80℃程度に加熱し全量を溶解させ、次いで120℃にてとろとろになるまで煮詰めた。少量の香料を加えた後40〜50℃に冷却しながら拡げて、キャラメル生地とした。
適当な硬さになったキャラメル生地をロール状に成形し、キャラメルの形状に切断してワックス紙で1粒ずつ包装し、箱詰した。
<ヌガーの製造例>
アラビアガム粉末0.5g、カラギーナン粉末0.8g及びHMペクチン0.7gを混合して粉末状のゲル化剤を作った。このゲル化剤の全量(2.0g)を水飴20gに分散させた。この分散液に清水15gを加え、130℃で10分ほど加熱して溶解させた。この溶液に砂糖33gと水飴30gを加え、再度加熱して十分に溶解させた後、別に溶解しておいたクエン酸0.5gとリンゴ果汁10gと少量の香料を添加して、糖度90、pH4.0のゼリー溶液に仕上げた。このゼリー溶液を温度が下がりすぎないように注意しながら所定のゼリー型に各5gづつ充填した。充填後、常温で一晩静置して乾固させ、型から抜き出してヌガーとして製了した。
この製法によって、すぐれた弾力性と独特の噛み応えを有するゲル強度1080gのヌガー20個を得ることができた。
アラビアガム粉末0.5g、カラギーナン粉末0.8g及びHMペクチン0.7gを混合して粉末状のゲル化剤を作った。このゲル化剤の全量(2.0g)を水飴20gに分散させた。この分散液に清水15gを加え、130℃で10分ほど加熱して溶解させた。この溶液に砂糖33gと水飴30gを加え、再度加熱して十分に溶解させた後、別に溶解しておいたクエン酸0.5gとリンゴ果汁10gと少量の香料を添加して、糖度90、pH4.0のゼリー溶液に仕上げた。このゼリー溶液を温度が下がりすぎないように注意しながら所定のゼリー型に各5gづつ充填した。充填後、常温で一晩静置して乾固させ、型から抜き出してヌガーとして製了した。
この製法によって、すぐれた弾力性と独特の噛み応えを有するゲル強度1080gのヌガー20個を得ることができた。
以上詳細に説明するとおり、本発明のソフトキャンディ用ゲル化剤は、これをソフトキャンディの原料中に添加すると、ゼラチンを添加しなくても、十分なチュウイ性(噛み応え)や弾力性を有するソフトキャンディを作ることができ、しかも、製造工程において作業性や成形性を損なうことがない。また、本発明のソフトキャンディの製造方法にしたがってソフトキャンディを作ると、ゼラチンを用いなくても十分なチュウイ性(噛み応え)や弾力性を有するソフトキャンディを作ることができ、しかも、製造工程において作業性や成形性を損なうことがない。
また、本発明によれば、ゼラチンを配合したソフトキャンディを敬遠する人、例えば、動物性タンパク質に対してアレルギーを持つ人や宗教上の理由によって動物性食品を好まない人、ゼラチン特有の臭いを好まない人などに好適なソフトキャンディを作ることができる。その上、本発明は、ゼラチンを用いて製したソフトキャンディよりも保存中の色調が変化しにくく、かつ、フレーバリリースのすぐれたソフトキャンディを作ることができる。さらに、本発明によって作ったソフトキャンディは、喫食できる温度帯が広く、高温下でも弾力性を維持できる。そのため、本発明によって製したソフトキャンディは、夏場や高温地帯での流通に支障がなく、例えば、炎天下の露天店頭でも展示販売できるなどヌガーやキャラメルなどのソフトキャンディの用途や販路を従来よりも拡大できる。
以上のとおりであるから、本発明は、菓子業界に大きく貢献できるものである。
以上のとおりであるから、本発明は、菓子業界に大きく貢献できるものである。
Claims (4)
- カラギーナンとアラビアガムとペクチンとを組み合わせてなるソフトキャンディ用ゲル化剤。
- アルカリ土類金属及びカリウム、ナトリウムの総含量が9000mg/100g以下であるカラギーナンを用いる請求項1に記載のソフトキャンディ用ゲル化剤。
- 請求項1又は2に記載のゲル化剤を0.1〜5重量%添加して、ゼラチンを添加せずにソフトキャンディを製造する方法。
- 請求項1又は2に記載のゲル化剤を2〜3重量%添加して、ゼラチンを添加せずに水分含量7〜8%のソフトキャンディを製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004211835A JP2006025741A (ja) | 2004-07-20 | 2004-07-20 | ソフトキャンディ用ゲル化剤及びそれを用いたソフトキャンディの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008073020A (ja) * | 2006-09-25 | 2008-04-03 | Kracie Foods Ltd | ソフトキャンディ及びその製法 |
JP2008073019A (ja) * | 2006-09-25 | 2008-04-03 | Kracie Foods Ltd | 粘弾性食品生地用成形剤、それを用いた粘弾性食品及び粘弾性食品の製造方法 |
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CN113040255A (zh) * | 2021-03-19 | 2021-06-29 | 信阳农林学院 | 一种茯苓软糖及其制作方法 |
CN115191505A (zh) * | 2022-07-07 | 2022-10-18 | 仙乐健康科技(安徽)有限公司 | 一种基于植物胶的凝胶软糖及其制备方法 |
-
2004
- 2004-07-20 JP JP2004211835A patent/JP2006025741A/ja not_active Withdrawn
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