JP2006025594A - 偏平型コアレスモータ、偏平型コアレスモータにおける電機子及びその製造方法 - Google Patents

偏平型コアレスモータ、偏平型コアレスモータにおける電機子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータの体格を増やすことなく、簡単な構成で出力特性を大幅に向上させることができる偏平型コアレスモータを提供する。
【解決手段】各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して樹脂でモールドされた平面状の電機子と、電機子の平面のうちの少なくとも一方の面側に回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、電機子もしくはマグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおいて、樹脂には磁性粉が混入され、電機子を樹脂によりモールド成形する際には、磁場を樹脂に印加した状態で行う。これにより、磁性粉は磁場により一定方向に磁化配列され、電機子自体に磁石作用を生じさせることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は一般産業機器、家電機器、電装用等に用いて好適な偏平型コアレスモータ、所謂フラットモータに関し、特に、モールド用樹脂に磁性粉を混入して成形するようにした電機子を用いた偏平型コアレスモータ、偏平型コアレスモータにおける電機子及びその製造方法に関し、更にはその出力軸を外部の被駆動体に容易に接続可能とした偏平型コアレスモータに関する。
近年、偏平型コアレスモータは一般産業機器、家電機器から電装用(自動車用)に至るまで、その薄型・小型、軽量の利点を生かし、各種駆動源として多用されている。最近では省エネへの傾向から装置の高効率化が切望され、駆動源としてのモータも小型化が益々要求され、同時に高効率、高トルクへの要求も高まっている。特にコアレスモータは鉄心がない分、トルクリップル等には優れているが、反面、磁気的飽和が早く出力特性に劣るため高トルク化には限界があった。
従来の偏平型コアレスモータとしては例えば、特許文献1、特許文献2等に開示されているものがある。特許文献1には、偏平コイルを磁性粉末(軟鉄粉)を混合した樹脂モールド材で円板状に一体的にモールドして形成したフラットモータが開示されている。これにより回転子の単コイル群に電機子電流が流れた場合、界磁部、空隙、回転子円板、空隙、固定子枠からなる磁気回路抵抗が減少し出力特性が改善されるようになっている。
特許文献2には電機子コイルに平角銅線を巻線して構成し、隣接するコイル間の隙間をなくしコイルの占積率を向上させる技術が開示されている。
特開昭61−46879号 特開昭60−96985号
しかしながら磁性粉末を樹脂モールド材に混合したものは、電機子の内部に磁路を形成させることはできるものの、電機子とマグネット間の磁束増幅は期待できず出力特性の向上には寄与できない。同様に電機子コイルを平角銅線で巻回して構成しても占積率の向上には繋がるが、出力特性の顕著な効果は期待できない。
また、従来の偏平型コアレスモータにおいては、その出力を外部の被駆動体(負荷)に伝達するためには出力軸にカップリング部材等の結合部材を介する必要があり、そのために構造が複雑になると共にモータの出力軸をモータ本体から突出させる必要があり、モータの小型化が制限され、従って被駆動体(負荷手段)の設計の自由度が制限されるという問題点があった。
本発明は上記従来の問題点に顧みてなされたもので、モータの体格を増やすことなく、簡単な構成で出力特性を大幅に向上させることができる偏平型コアレスモータ、該偏平型コアレスモータにおける電機子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、簡単な構成で出力軸を負荷手段に容易に接続することができ、且つ偏平形状のメリットを生かし各種用途に適用することができる偏平型コアレスモータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係わる偏平型コアレスモータは、各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して樹脂でモールドされた平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおいて、
前記電機子をモールド成形する前記樹脂には磁性粉が混入され、該磁性粉は前記回転軸の軸方向に磁化配列され、それにより前記電機子コイルに電流を流すことにより生じる電磁力と、一定方向に磁化配列された該磁性粉による磁束と前記マグネットの磁束とが重畳されることにより駆動されることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係わる偏平型コアレスモータにおける電機子の製造方法は、平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおける電機子の製造方法であって、
各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを前記回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して平面状の電機子を作成し、
モールド成形用の樹脂に予め磁性粉を混入し、
磁場を前記回転軸の軸方向に沿った方向に前記樹脂に印加した状態で前記電機子を前記樹脂によりモールド成形し、それにより該磁性粉を前記回転軸の軸方向に磁化配列させることを特徴とする。
好ましくは、前記複数の単コイルの各々は、平形銅線を巻回して形成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記電機子は、前記回転軸より外側で且つ前記マグネットの内方側で該マグネットと対向しない位置より、前記回転軸の軸方向に折り曲げられた折り曲げ部を有していることを特徴とする。
好ましくは、前記磁性粉の粉末表面には絶縁処理により形成された絶縁被膜が設けられ、前記樹脂中における前記磁性粉の混入割合は約40〜60重量%であることを特徴とする。
上記他の課題を解決するために、本発明の請求項9に係わる偏平型コアレスモータは、各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して樹脂でモールドされた平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおいて、
前記電機子をモールド成形する前記樹脂には磁性粉が混入され、該磁性粉は前記回転軸の軸方向に磁化配列され、それにより前記電機子コイルに電流を流すことにより生じる電磁力と、一定方向に磁化配列された該磁性粉による磁束と前記マグネットの磁束とが重畳されることにより駆動され、前記回転軸には、その軸心と同心状に孔が配設され、該孔に外部よりネジ部材の一端側を嵌合可能としたことを特徴とする。
好ましくは、前記回転軸には前記ネジ部材を介して例えば自動車のアクチュエーターが結合または連結または当接され、自動車のアクチュエーター用駆動源として用いられることを特徴とする。
好ましくは、前記ネジ孔は前記回転軸の軸心部にナット状にネジ切りされた有底開孔であることを特徴とする。
好ましくは、更に、前記電機子の前記平面のうちの他方の面側に、前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該他方の面に対向し、かつ前記マグネットに前記電機子を介して対向するように配置された別のマグネットを有することを特徴とする。
請求項1及び請求項6の発明によれば、電機子のモールド樹脂に磁性粉が混入され、モールド時に該樹脂に磁場を印加した状態で成形を行うようにしたため、磁性粉は磁場により一定方向に磁化配列され、電機子自体に磁石作用を生じさせることができる。従って、電機子コイルに電流を流すことで生じる電磁力と、一定方向に磁化配列された磁性粉により発生する磁束とマグネットの磁束とが重畳され、より強いトルクの回転力が生じるので、出力特性を大幅に向上させることができる。
更に、電機子の単コイルを平形銅線で巻回するのが好ましい。平形銅線の場合には丸形銅線に比して占積率が向上するので効率が良くなると共に、薄型・軽量化に寄与できる。
更に、前記電機子は、回転軸より外側で且つ前記マグネットの内方側で該マグネットと対向していない位置より、前記回転軸の軸方向に折り曲げられた折り曲げ部を有するように構成するのが好ましい。電機子コイルの回転軸近傍部分はマグネットの磁束の影響を受けない(マグネットの磁束密度が低い)のでトルク特性に寄与しない部分であり、この部分を折り曲げることで電機子径を小さくすることができ、ひいてはイナーシャを小さく抑えることができる。特に、単コイルとして平形銅線を使用した場合には薄型になるので曲げやすく、曲げた後の電機子の平面度に優れ樹脂モールドに支障は生じない。
請求項9の発明によれば、回転軸をネジ部材の固定用部材して機能させることができるため、簡単な構成で出力軸を負荷手段に容易に接続することができ、且つ偏平形状のメリットを生かし各種用途に適用することができる。即ち、回転軸がモータ本体から突出していないため、モータの製作効率を向上でき、該回転軸に結合(螺合)される例えばボールネジ等の結合手段の長さや径等の設計の自由度を増すことができる。しかも薄型で場所をとらず、小型・高トルクのモータとすることができるため自動車用等各種アクチュエーターの駆動源として好適である。
更に、好ましくは、前記回転軸には前記ネジ部材を介して自動車のアクチュエーターが結合または連結または当接され、自動車のアクチュエーター用駆動源として用いられる。従って、例えば、自動車の内燃機関のバルブタイミング開閉用アクチュエーター用として、薄型、軽量で載置性の高い且つ高効率の駆動源として機能させることができる。
好ましくは、前記ネジ孔は前記回転軸の軸心部にナット状にネジ切りされた有底開孔である。従って、例えばボールネジ等の結合手段を容易に回転軸に結合(螺合)可能となる。
好ましくは、更に、前記電機子の前記平面のうちの他方の面側に、前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該他方の面に対向し、かつ前記マグネットに前記電機子を介して対向するように配置された別のマグネットを有する。従って、このように所謂ダブルマグネットとして構成することにより、マグネットより発生される磁束をより強くすることができるので、出力特性をより向上させることができる。
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の偏平型コアレスモータの実施例を示す要部断面図であり、1は偏平状の複数の単コイルを回転軸10の周囲に回転軸10の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂)でモールド成形(固化)した電機子、2は電機子1の平面のうちの少なくとも一方の面側に回転軸10の軸方向に空隙を介して電機子1に対向するように環状に配置されているマグネットで、例えばN、S極交互に4極あるいはそれ以上の偶数極からなる。各マグネットは扇形もしくは円環状等の何れの形状でも良い。3は鋼板から成るカバーAでマグネット2が接着等で固着されている。4は同じく鋼板から成り電機子1及びマグネット2の磁路を形成するカバーBで、整流子5に当接する複数のブラシ6が取付けられている。7及び8は電機子1の回転軸10を回転自在に軸承する軸受で、カバーA 3及びカバーC 9にそれぞれ固着されている。10aは回転軸10の出力軸端で図示しないファンやプーリー等の負荷手段に接続される。
図2は樹脂モールド成形される前の電機子1を示す斜視図で、各単コイルが整流子5に接続されている状態を示す。図3は、樹脂モールド成形された後の電機子1を示す斜視図である。
図4は本発明の偏平型コアレスモータの電機子巻線を構成する単コイルの形状例を表す模式図で、(A)は略五角形の多角形状に巻いたもの、(B)は略四角形に巻いたもの、(C)は略円形に巻いたもので、それぞれ巻始め線と巻終わり線が延出した状態を示す。なお、(B)は平形銅線で巻回した例で、(A)及び(C)は丸形銅線で巻回した例である。単コイルの巻回形状は略六角形等でも良く界磁マグネットの有効磁界を受ける範囲で丸形もしくは多角形に構成して良い。平形銅線は隣接する銅線間の隙間をなくし、コイルの占積率を向上させるものであり、例えば円形断面を持つコイルを圧延し平角にした銅線を使用しても良い。また、平形銅線の巻方向は幅の広い面を軸方向に重ねてより偏平度を増すようにすると良い。即ち、銅線の巻方向は幅の広い面を軸方向に重ねて旋回させる、所謂、エッジワイズ(縦巻)と呼ばれている手法により構成しても良い。図4、(D)にエッジワイズ(縦巻)式に巻回した単コイルの例を示す。なお、図2は単コイルとして略五角形のものを用いた例である。
図5は、単コイル1aと界磁マグネット2との位置関係を模式的に示す平面図であり、上記したように単コイルが界磁マグネットの有効磁界を受ける範囲に位置するよう、回転軸の軸方向に垂直な方向(図の矢印方向)において、界磁マグネット2が単コイル1aの内周面内に位置するように配置するのが好ましい。
次ぎに、電機子コイルを樹脂モールドする方法及び装置について図6−図8等を参照して説明する。図6は樹脂モールドを行うための装置の一例の断面図、図7はその分解斜視図である。これらの図において、1は整流子5に複数の単コイルの各々が環状に配され、各単コイルの巻始め線と巻終わり線がそれぞれ所定の整流子片に接続された電機子である。12は樹脂モールドを行うための下型、13は同じく上型である。14aは下型12と上型13の何れか一方を可動として型締めしキャビティ11を形成するため上型の下部に設けられたガイドピン(誘いピン)、14bは下型の上部に設けられたガイドピンを受け入れる孔である。21は複数のノズル17(ここでは3つのノズル)から樹脂を型内に案内するスプルー16と溶融樹脂材料をキャビティ11内に射出するゲート15が形成された交換自在のスプルーブッシュである。スプルー16はノズル17に対応して複数(例えば3本)設けられて良く、スプルーブッシュ21は上型13もしくは下型12のサイド(側壁)に脱着自在に設けても良い。
18は図示しない成形機のノズル17より射出される熱硬化性樹脂(例えばフェノール等)であり予め所定割合の軟磁性粉末が混入されている。軟磁性粉末としては異方性に磁化し易い、例えばソフトフェライト系粉末を用い且つ粉末間の電気抵抗を大きくして渦電流損を低減するため、好ましくは、粉末表面に絶縁処理を施して絶縁被膜を形成したものを用いる。軟磁性粉の樹脂に対する混入割合は約40〜90重量%、好ましくは約40〜60重量%とする。図13に軟磁性粉の樹脂に対する混入割合とモータトルク及び電機子破壊強度の相関を示す。磁性粉の混入割合が高いほどトルク特性は大きくできるが、モールド成形時におけるモールド材料の流れが悪くなり成形性が劣ると共に、電機子樹脂成形後の樹脂部の破壊強度は徐々に小さくなり90重量%を超えると、樹脂による磁性粉のバインド強度が小さくなり脆さを増す。40重量%未満だと電機子破壊強度への影響は小さいがトルク特性に寄与できないため、磁性粉の樹脂に対する混入割合は約40〜60重量%が好ましい。
本発明では樹脂による成形時に電機子1に磁場を印加して樹脂中の磁性粉の配向を制御する、所謂、磁場中での成形を行うようにしている。このため、磁場発生用コイル19及び20が、それぞれ図示しない外囲体の中に収納され、上型13及び下型12に予め設置されている。磁場発生用コイル19,20はそれぞれその内周面が電機子1の外縁部(外周面)の略外側に位置するように配置される。更に、磁場発生用コイル19,20はそれぞれ通電可能なように図示しない外部電源に電気的に接続されている。
電機子を樹脂モールド成形する場合、先ず巻線が完了し単コイルが所定数装着された状態の電機子1をその整流子5を下向きにして下型12の受け孔に載置し、上型13をそのピン14aが孔14bに嵌合するように下降させ型締めしキャビティ11を形成する。次に成形機のノズル17を予め上型13にセットされたスプルーブッシュ21のスプルー16注入口に当接させる。そして熱硬化性樹脂で形成された溶融状態の樹脂18をノズル17,スプルー16を通ってゲート15よりキャビティ11内に充填し、電機子1を樹脂で固着させる。
ここで、上記の磁場中での成形を行うようにするため、樹脂の射出前に、上型13、下型12に装着された磁場発生用コイル19、20に予め所定電流を通電させ、磁場を生成するようにしている。図8は、磁場発生用コイル19、20に流す電流とコイル19,20から発生される磁束の流れを示す模式図である。なお、コイル19,20の電流の向きもそれぞれ記号で示している。ここで、○の中に×(クロス)の符号は紙面の表から裏に電流が向かうことを、○の中に・(ドット)の符号は裏から表に電流が向かうことを表す。そしてこのように電機子1に磁場を印加しながらモールド成形を行うことで、コイル19,20で発生された磁束は図8に示す様に電機子1の面に対して、同一方向からほぼ垂直に印加されることとなり、従って、樹脂中の磁性粉が磁化され図9(C)に矢印で示すように軸方向に沿って配向された磁束を持つ電機子1を完成させることができる。図9は樹脂成形後の電機子を示す図で(A)は電機子コイルを一部露出させた状態の平面図、(B)は側面図であり、(C)は図9(B)の丸で囲った部分の拡大図であり、電機子の配向方向(着磁方向)を一部詳細図として示す。
図10はフェライト系磁性粉末の結晶配列を説明する模式図であり、(D)は磁性粉30の磁化容易方向、磁化困難方向を示し、(A)は樹脂充填初期において樹脂18内の各磁性粉30の磁化容易方向がランダムに向いた状態を示し、(B)は磁場印加後に樹脂18内の各磁性粉30が一定方向に磁化配列された状態を示し、(C)は磁場印加後の磁性粉の配向方向を示す。このように、比較的微量且つ微小の粉末であっても磁化容易方向を1方向に整列させることができるため簡単な構成で電機子に磁化を与えられ、且つ磁力を大きくできる。
尚、界磁マグネット2の配置位置によっては、各磁性粉30の配向方向を逆にしても良く、例えば第1図のマグネット2が電機子1の紙面向かって左側に配置されている場合、第9図(C)の配向方向は逆になるようにして良い。
なお、図11の(A)の断面図及び(B)の電機子コイル1aの部分斜視図に示す様に、電機子1の電機子コイル1aは整流子5の外周近傍、好ましくは界磁マグネット2に対向していない部分より折り曲げ成形された折り曲げ部40を有するように構成しても良い。この折り曲げ部40はマグネット2に対向して無く、従って、出力特性に寄与しない部分であるため、折り曲げることにより電機子外径を小さくしている。尚折り曲げはコイル銅線の巻線後、磁場中成形前にコイル成形機で行う。このように折り曲げ部を設けることにより、電機子径を小さくすることができ、ひいてはイナーシャを小さく抑えることができる。特に、単コイルとして平形銅線を使用した場合には薄型になるので曲げやすく、曲げた後の電機子の平面度に優れ樹脂モールドに支障は生じない。
次に上記のように構成された、偏平型コアレスモータの動作を説明する。先ず図示しない直流電源より電流が供給されるとブラシ(正極ブラシ)6,ブラシが当接している整流子5の整流子片を通って電機子コイル1aに通電される。電機子コイル1aを通過した電流は順次、同一整流子片に接続された複数の電機子コイル1aを通り、整流子5、もう一方のブラシ(負極ブラシ)6を通って再び直流電源に戻る。この時、図12の本発明の偏平型コアレスモータの部分断面図に示すように、マグネット2からカバーB4側へ形成されている磁路と電機子コイルに電流が流れることにより発生する電磁力による所謂左手の法則により電機子1は所定方向に回転するが、電機子1自体が磁束を持っているので電機子円板からの磁束がマグネット2の磁束に重畳されて、より強い磁束を磁路中に生じせしめ電機子1を押し出そうとする。このようにしてモータ体格を大きくすることなく、出力特性を大幅に向上させることができる。尚軟磁性粉は個々に絶縁されている(図10(C)参照)ため、電機子に発生する渦電流は粉末内部で閉じられ粉末自体も微粒径(数μm〜数十μm)であるため個々の渦電流は小さく出力特性に影響はほとんどない。
尚、前記実施例はブラシ付の偏平型コアレスモータとして説明したが、電機子巻線を3相結線し界磁マグネットの位置に応じて巻線への通電方向を切り換え、界磁マグネット側を回転させる例えば回転ヨーク型等のブラシレスモータにも適宜応用可能である。
以上のように構成された偏平型コアレスモータによれば、各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して樹脂でモールドされた平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおいて、前記樹脂には磁性粉が混入され、前記電機子を前記樹脂によりモールド成形する際には、磁場を前記樹脂に印加した状態で行うようにされているため、電機子自体に磁束配向が生じ、電機子コイルに電流を流すことにより生じる電磁力と、一定方向に磁化配列された磁性粉により発生する磁束と界磁マグネットの磁束が重畳された合成磁束により、より強いトルクで回転させようとするので出力特性を大幅に向上させることができる。
更に電機子コイルを平形銅線で巻回したので、丸形銅線に比して占積率が良くなり効率向上に寄与できると共に薄型・軽量化できる。
更に電機子巻線の界磁マグネットに対向しない部分を折り曲げて構成したので、電機子径を小さくすることができひいてはイナーシャを小さくできる。この場合平形銅線を使用することでより薄型になるので曲げやすく、曲げた後の電機子の平面度に優れているのでバランスを損なうことはない。
図14は本発明の偏平型コアレスモータの第2の実施例を示す要部断面図である。本実施例は、例えば、自動車の内燃機関のシリンダーヘッドバルブ駆動(開閉)やウインドウ開閉等のアクチュエーター用途に好適である。図14において、28はマグネット33及びヨーク34を固定支持するカバーA、31はブラシホルダ37及び上ヨーク34を固定支持するカバーBでブラシホルダ37には整流子35aに当接する複数のブラシ36が設けられている。カバーA28とヨーク34はスポット溶接等で固着され、マグネット33はヨーク34に接着等で固定されている。32はカバーCでヨーク34、カバーB31と共に周方向に略等間隔に配設された複数のネジ42で一体に固定されている。尚図6では便宜上1つのネジ42のみを示す。43,44は軸受でそれぞれカバーC32,カバーA28に固着され、電機子35の回転軸45を回転自在に軸承している。尚、ヨーク34はカバーA28,カバーB31の厚みを増して必要磁束を確保できる場合は必ずしも設ける必要はない。
38は回転軸45に対して同心円状に配置された環状のセンサマグネットであり、交互に異なる磁極が隣り合うように複数極のマグネット(磁極片)が環状に配置されたものである。該センサマグネット38は、回転軸45に固着されたセンサマグネットカバー29に接着等で固定され、図示しないコントロール基板に接続されたセンサIC39により電機子35の回転量(回転角)がモニターされる。即ち、電機子35の回転に伴ってセンサマグネット38が回転すると、順次センサマグネット38の各磁極片がセンサIC39を通過し、それにより例えばホールICから構成されるセンサIC39よりパルス信号が発生されて、電機子35の回転量(回転角)が検知される。41はセンサマグネット38とセンサIC39の対向位置を適正に位置決めすると共にスラストを調整するスペーサである。
電機子35の電機子コイルは整流子35aの外周近傍、好ましくは界磁マグネット33に対向していない部分より折り曲げ成形された折り曲げ部49(図11(A)の折り曲げ部40に対応)を有している。図11(A)の折り曲げ部40と同様に、この折り曲げ部49はマグネット33に対向して無く出力特性に寄与しない部分であるため、折り曲げることにより電機子外径を小さくしている。尚折り曲げは、コイル銅線の巻線後、磁場中でのモールド成形前にコイル成形機で行なわれる。
この実施例で一つの特徴とするところは回転軸45の構成にある。即ち、回転軸45の軸心部に例えば方形または円筒状の有底開孔45aが設けられ、例えばボールネジ等からなる結合(または連結または当接)手段であるネジ部材、例えばピニオンシャフト46の軸部(例えば方形または円筒状の軸部)46bが有底開孔45a内に嵌合されている。これにより、電機子35による回転運動を負荷手段(自動車のアクチュエータ)に伝達して駆動するようにしている。46aはピニオンシャフト46用の回転軸45への固定部材でありネジ等で回転軸45に固定され回転軸45と一体的に回転するものである。
例えば、本実施例を自動車のインジェクションバルブ用アクチュエーター駆動用として適用した場合を説明する。自動車の図示しないスロットル(アクセル)ペダルが踏み込まれると図示しないコントロール基板から踏み込み量に応じた値のモータ駆動電流が本実施例のモータに供給される。すると回転軸45が該モータ駆動電流に応じた角度だけ回転し、回転軸45に固定されたピニオンシャフト46が回転してウオームギヤとして作用し、ピニオンギヤ(ウオームホイール)47にモータの回転を減速して伝達する。そしてピニオンギヤ47の軸に設けられたカム48に支持された図示しない内燃機関の負荷手段としてのカムシャフトを駆動させインジェクションバルブを開閉させるようにしている。この時センサマグネット38,センサIC39からなるモニター手段でモータの回転角、即ちバルブの開閉量が読み込まれてコントロール基板に与えられ、コントロール基板よりモータ駆動電流が制御され、スロットルペダル踏み込み量に応じた適正なバルブの開閉量が制御される。このような構成により、自動車の内燃機関のバルブタイミング開閉用アクチュエーターとして、薄型、軽量で載置性の高い且つ高効率の駆動源として機能させることができる。
このように、回転軸45をネジ部材の固定用部材として機能させることができるため、簡単な構成で出力軸を負荷手段に容易に接続することができ、且つ偏平形状のメリットを生かし各種用途に適用することができる。即ち、回転軸がモータ本体から突出していないため、モータの製作効率を向上でき、例えばボールネジ等の結合手段の長さや径等の設計の自由度を増すことができる。しかも薄型で場所をとらず、小型・高トルクのモータとすることができるため自動車用等各種アクチュエーターの駆動源として好適である。
図15は上記第2実施例の変形例であり、該変形例においては図14と同様の構成については同一符号を付してその説明を省略する。図示するように、回転軸45の軸心部にはナット状にねじ切りされた有底開孔45a’が設けられ、ここに例えばボールネジ等からなる結合(または連結または当接)手段であるネジ部材53の一方側端部53bが螺合される。ネジ部材53は更にネジ部材53用の、内面がネジ切りされたカバー(ナット)53aの内面と螺合され、カバー53aは回転軸45にネジ等で固定され回転軸45と一体に回転する。なお、カバー53aは設けなくても良い。ネジ部材53の他端側には例えばカバー(ナット)54が設けられ、ネジ部材53は該カバー54の内面と螺合され、該カバー54は被駆動部材50側のハウジング(カバー)52に固定されている。また、ネジ部材53の軸方向の図中下方(ネジ部材の他端側の延長方向)には負荷手段(自動車のアクチュエータ)である被駆動部材50(例えば、偏心カム)が設けられている。
このような構成により、電機子35が回転すると、ネジ部材53は有底開孔45a’内で回転すると共に、回転方向に従って図中矢印で示す上または下方向(ネジ部材の軸に沿った方向)に直線運動を行う。従って、電機子35の回転に従ってネジ部材53の他方側先端部が負荷手段50に当接され、負荷手段は電機子35の回転方向に従って図中上または下方向に駆動される。即ち、負荷手段50がカムの場合には軸51を中心として回転する。
図16は図14の偏平型コアレスモータの変形例を示す要部断面図で、第2の実施例との違いは界磁マグネット33を電機子の両側に配置した点である。即ち、電機子の両面側に、回転軸の軸方向に空隙及び電機子35を介して環状に互いに対向するように界磁マグネット33を配置したものである。このように所謂ダブルマグネットとして構成することにより、マグネットより発生される磁束を第2の実施例に比べてより強くすることができるので、出力特性をより向上させることができる。この場合第2の実施例と同じように電機子巻線を整流子外周近傍より折り曲げているので、第2の実施例における片面マグネット(シングルマグネット)と同じ軸方向高さhでもってダブルマグネット化に構成できる。
図17は本発明の偏平型コアレスモータの一例を示す外観斜視図であり、コントロール基板からの駆動電流を電機子に給電するための電源用コネクタ72と,センサICの出力をコントロール基板に伝送するためのセンサ用コネクタ71がカバー(C)32に設けられている。これらコネクタは特に定位置はなく、用途に応じて例えば軸方向側面に設けても良い。センサ用コネクタ71の出力は上記コントロール基板に接続される。
尚、上記の実施例はブラシ付の偏平型コアレスモータとして説明したが、巻線を3相とし界磁マグネットの位置に応じて通電方向を切り換え界磁マグネット側を回転させる所謂回転ヨーク型のブラシレスモータに適用しても良く、この場合でも小型、軽量、高トルクのモータに構成できる。
本発明の偏平型コアレスモータの第1の実施例を示す要部断面図である。 図1の偏平型コアレスモータにおける、樹脂モールド成形される前の電機子を示す斜視図である。 図1の偏平型コアレスモータにおける、樹脂モールド成形後の電機子を示す斜視図である。 本発明の偏平型コアレスモータの電機子巻線を構成する単コイルの形状例を表す模式図で、(A)は略五角形の多角形状に巻いたもの、(B)は略四角形に巻いたもの、(C)は略円形に巻いたもの、(D)は平形銅線をエッジワイズ式(縦巻)に巻いたものを示す。 本発明において、単コイルと界磁マグネットとの位置関係を模式的に示す平面図である。 本発明において、電機子を樹脂モールドするための装置の一例の断面図である。 図6に示す装置の分解斜視図である。 図6,7に示す装置において、磁場発生用コイルに流す電流と該コイルから発生される磁束の流れを示す模式図である。 樹脂成形後の電機子を示す図で(A)は電機子コイルを一部露出させた状態の平面図、(B)は側面図であり、(C)は(B)の丸で囲った部分の拡大図であり、電機子の配向方向(着磁方向)を一部詳細図として示す。 フェライト系磁性粉末の結晶配列を説明する模式図であり、(A)は樹脂充填初期における樹脂内の各磁性粉の状態を示し、(B)は磁場印加後に樹脂内の各磁性粉が一定方向に磁化配列された状態を示し、(C)は磁場印加後の磁性粉の配向方向を示し、(D)は磁性粉の磁化容易方向、磁化困難方向を示す。 本発明において電機子の変形例を示す図で、(A)はその電機子の断面図及び(B)は電機子コイルの部分斜視図である。 本発明の動作を説明するための偏平型コアレスモータの部分断面図である。 磁性粉末の樹脂に対する混合割合とモータトルク及び電機子破壊強度の相関を示す図である。 本発明の偏平型コアレスモータの第2の実施例を示す要部断面図である。 本発明の偏平型コアレスモータの第2の実施例の変形例を示す要部断面図である。 図14に示す偏平型コアレスモータの変形例を示す要部断面図である。 本発明の偏平型コアレスモータの一例を示す外観斜視図である。
符号の説明
1 電機子
1a 単コイル
2 マグネット
5 整流子
10 回転軸
11 キャビティ
12 下型
13 上型
17 ノズル
18 樹脂
19、20 磁場発生用コイル
30 磁性粉
40 折り曲げ部
38 センサマグネット
39 センサIC
40、49 折り曲げ部
45a、45a’ 有底開孔
46、53 ネジ部材
47 ピニオンギヤ
48、50 カム
54 ナット

Claims (18)

  1. 各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して樹脂でモールドされた平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおいて、
    前記電機子をモールド成形する前記樹脂には磁性粉が混入され、該磁性粉は前記回転軸の軸方向に磁化配列され、それにより前記電機子コイルに電流を流すことにより生じる電磁力と、一定方向に磁化配列された該磁性粉による磁束と前記マグネットの磁束とが重畳されることにより駆動されることを特徴とする、偏平型コアレスモータ。
  2. 前記複数の単コイルの各々は、平形銅線を巻回して形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の偏平型コアレスモータ。
  3. 前記電機子は、前記回転軸より外側で且つ前記マグネットの内方側で該マグネットと対向しない位置より、前記回転軸の軸方向に折り曲げられた折り曲げ部を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の偏平型コアレスモータ。
  4. 前記磁性粉の粉末表面には絶縁処理により形成された絶縁被膜が設けられ、前記樹脂中における前記磁性粉の混入割合は約40〜60重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の偏平型コアレスモータ。
  5. 各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して樹脂でモールドされた平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおける前記電機子であって、
    前記電機子をモールド成形する前記樹脂には予め磁性粉が混入され、該磁性粉は前記回転軸の軸方向に磁化配列され、それにより前記電機子コイルに電流を流すことにより生じる電磁力と、一定方向に磁化配列された該磁性粉による磁束と前記マグネットの磁束とが重畳されることにより駆動されることを特徴とする、偏平型コアレスモータ用の電機子。
  6. 平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおける電機子の製造方法であって、
    各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを前記回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して平面状の電機子を作成し、
    モールド成形用の樹脂に予め磁性粉を混入し、
    磁場を前記回転軸の軸方向に沿った方向に前記樹脂に印加した状態で前記電機子を前記樹脂によりモールド成形し、それにより該磁性粉を前記回転軸の軸方向に磁化配列させることを特徴とする、偏平型コアレスモータにおける電機子の製造方法。
  7. 前記樹脂に混入される前に、前記各磁性粉の粉末表面には絶縁処理により絶縁被膜を形成し、
    前記樹脂中における前記磁性粉の混入割合を約40〜60重量%とすることを特徴とする、請求項6に記載の偏平型コアレスモータにおける電機子の製造方法。
  8. 平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおける電機子の製造方法であって、
    各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを前記回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して平面状の電機子を作成し、
    前記回転軸を中心として同心円状に巻き回された環状の第1の磁場発生用コイルを有する上型と、前記回転軸を中心として同心円状に巻き回された環状の第2の磁場発生用コイルを有する下型との間のキャビティに前記電機子を配置し、かつ前記第1及び第2の磁場発生用コイルの内周面は前記電機子の外周面の外側に位置するように配置し、
    モールド成形用の樹脂に予め磁性粉を混入し、
    前記第1及び第2の磁場発生用コイルにそれぞれ通電を行うことで前記電機子の平面に対して同一方向からほぼ垂直な磁束を印加しながら、前記上型に設けられたノズルから前記樹脂を前記キャビティ内に注入して前記電機子を前記樹脂によりモールド成形し、それにより該磁性粉を前記回転軸の軸方向に磁化配列することを特徴とする、偏平型コアレスモータにおける電機子の製造方法。
  9. 各々が丸形もしくは多角形状に巻回された複数の単コイルを回転軸の周囲に該回転軸の軸方向に垂直な平面上に環状に配設して樹脂でモールドされた平面状の電機子と、前記電機子の前記平面のうちの少なくとも一方の面側に前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該一方の面に対向配置されたマグネットとを有し、前記電機子もしくは前記マグネットのうちの一方を他方に対して回転自在に軸承してなる偏平型コアレスモータにおいて、
    前記電機子をモールド成形する前記樹脂には磁性粉が混入され、該磁性粉は前記回転軸の軸方向に磁化配列され、それにより前記電機子コイルに電流を流すことにより生じる電磁力と、一定方向に磁化配列された該磁性粉による磁束と前記マグネットの磁束とが重畳されることにより駆動され、
    前記回転軸には、その軸心と同心状に孔が配設され、該孔に外部よりネジ部材の一端側を嵌合可能としたことを特徴とする、偏平型コアレスモータ。
  10. 前記複数の単コイルの各々は、平形銅線を巻回して形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の偏平型コアレスモータ。
  11. 前記電機子は、前記回転軸より外側で且つ前記マグネットの内方側で該マグネットと対向しない位置より、前記回転軸の軸方向に折り曲げられた折り曲げ部を有していることを特徴とする、請求項9又は10に記載の偏平型コアレスモータ。
  12. 前記磁性粉の粉末表面には絶縁処理により形成された絶縁被膜が設けられ、前記樹脂中における前記磁性粉の混入割合は約40〜60重量%であることを特徴とする、請求項9に記載の偏平型コアレスモータ。
  13. 前記回転軸には前記ネジ部材を介して自動車のアクチュエーターが結合または連結または当接され、自動車のアクチュエーター用駆動源として用いられることを特徴とする、請求項9に記載の偏平型コアレスモータ。
  14. 更に、前記電機子の前記平面のうちの他方の面側に、前記回転軸の軸方向に空隙を介して環状に該他方の面に対向し、かつ前記マグネットに前記電機子を介して対向するように配置された別のマグネットを有することを特徴とする、請求項9から請求項13のいずれかに記載の偏平型コアレスモータ。
  15. 前記ネジ孔には前記ネジ部材の一端側が嵌合されて固定されることを特徴とする、請求項9に記載の偏平型コアレスモータ。
  16. 前記ネジ部材は前記回転軸の回転に伴い該回転軸と共に回転され、該ネジ部材の他端側に設けられた被駆動部材を駆動可能とすることを特徴とする、請求項15に記載の偏平型コアレスモータ。
  17. 前記ネジ孔は前記回転軸の軸心部にナット状にネジ切りされた有底開孔であり、該開孔に前記ネジ部材の一端側が螺合されることを特徴とする、請求項9に記載の偏平型コアレスモータ。
  18. 前記ネジ部材の他端側には内面がネジ切りされたカバーが設けられ、前記ネジ部材は該カバーの内面と螺合され、該カバーは被駆動部材側のハウジングに固定され、それにより該ネジ部材は前記回転軸の回転に伴い該ネジ部の軸に沿った方向に直線運動され、該ネジ部材の他端側の延長方向に設けられた被駆動部材を駆動可能とされることを特徴とする、請求項17に記載の偏平型コアレスモータ。
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