JP2006025495A - 燃料電池車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回生協調制動により車両速度が低下して、燃料電池の発電を開始する際に、コンプレッサの耳障りな騒音を抑制する。
【解決手段】 ブレーキコンピュータ20,走行制御系コンピュータ10,燃料電池コンピュータ103が連係して燃料電池車両の制御装置を構成する。ブレーキコンピュータ20は、モータによる回生制動と摩擦制動装置による摩擦制動とを併用して制動制御する。走行制御系コンピュータ10、ブレーキコンピュータ20及び燃料電池コンピュータ103は、車両制動中に車速が所定値を下回った場合、或いは回生制動から摩擦制動に切り替わるまでの時間が所定値を下回った場合に、燃料電池11に対する電力需要がなくても燃料電池11の発電を停止させないように制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ブレーキコンピュータ20,走行制御系コンピュータ10,燃料電池コンピュータ103が連係して燃料電池車両の制御装置を構成する。ブレーキコンピュータ20は、モータによる回生制動と摩擦制動装置による摩擦制動とを併用して制動制御する。走行制御系コンピュータ10、ブレーキコンピュータ20及び燃料電池コンピュータ103は、車両制動中に車速が所定値を下回った場合、或いは回生制動から摩擦制動に切り替わるまでの時間が所定値を下回った場合に、燃料電池11に対する電力需要がなくても燃料電池11の発電を停止させないように制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池を動力源とする燃料電池車両の制御装置に関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、水素貯蔵装置や燃料改質装置から供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
燃料電池の空気極へ供給される空気の流量と圧力は、燃料電池へ空気を供給するコンプレッサの回転数および未使用の空気を排出する空気調圧弁の開度により制御される。コンプレッサはモータにより駆動され、燃料電池システムの制御装置はモータ回転センサを参照して、モータが目標の回転数となるように制御する。燃料電池システムの制御装置は、空気圧力センサを参照し、燃料電池の空気極へ供給される空気の圧力が目標の圧力となるように空気調圧弁を制御する。
また、水素は、水素供給装置から水素調圧弁を経由して、燃料電池の水素極へ供給され、燃料電池で未使用の水素は、水素循環装置により水素極へ循環される。
上記のような燃料電池システムを搭載した車両では、エネルギを効率的に使うために、車両制動時に車両駆動モータを発電機として作動させる回生制動により、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリーに回収する回生ブレーキシステムを装備している。
この回生ブレーキシステムは、加減速を繰り返す市街地走行パターンにおいてエネルギ回収の効果が高く、フットブレーキ操作時には電子制御された油圧ブレーキによる摩擦制動と回生制動とを協調制御して、回生制動を優先的に使用しエネルギ回収を行うことができるシステムである(例えば、特許文献1)。
上記従来の燃料電池車両では、エネルギ回生中は燃費性能を向上させるため、二次電池の充電状態(SOC)などに応じて発電を停止することが良く知られているが、低車速領域では回生制動の応答速度が遅いために、微妙なブレーキ操作に即応した協調回生制動を実施することができないため、停止間際の低速領域では摩擦制動装置により制動を実施している。
しかしながら、回生協調制動から摩擦制動装置による制動に切り替えた場合、回生電力の供給がなくなり、補器類の消費電力や二次電池の充電状態によっては、二次電池からの電力持出量が増えて、急速に燃料電池の発電が始まり、コンプレッサが急回転し始める。このように車両停止間際にコンプレッサが急回転し始めると、ロードノイズ等の走行騒音が低下したところに、コンプレッサの騒音が耳障りとなり、乗員に不快感を与えていた。
電気自動車におけるコンプレッサ騒音の抑制技術としては、低車速時に空調用コンプレッサモータの回転数を制限する技術が知られている(例えば、特許文献2)
特開2001−245405号公報(第5頁、図6)
特開平07−223428号公報(第8頁、図6)
上記従来の燃料電池車両では、回生協調制動から摩擦制動装置による制動に切り替えた場合、回生電力の供給がなくなり、車両内の電力需給によっては、コンプレッサが急回転し始め、ロードノイズ等の走行騒音が低下したところに、コンプレッサの騒音が耳障りとなるという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点を解決するため、少なくとも燃料電池システムから車両駆動モータに駆動電力を供給する燃料電池車両の制御装置において、燃料電池車両の車速が所定値を超えた場合には、前記駆動電力の需要に応じて前記燃料電池システムを起動または停止させる一方、燃料電池車両の車速が所定値を下回った場合には、前記駆動電力の需要がなくても燃料電池システムを停止させないことを要旨とする。
第1発明によれば、車速が所定値を下回った場合には、駆動電力の需要がない場合でも燃料電池システムを停止させない構成にしたので、車両停止間際にコンプレッサの急回転による騒音を抑制することができるという効果がある。
第2発明によれば、車両制動時に車両駆動モータによる回生制動から摩擦制動装置による摩擦制動に切り替わるまでの時間が所定値を下回った場合には、前記駆動電力の需要がなくても燃料電池システムを停止させない構成としたので、短時間での燃料電池システムの停止、起動を繰り返すことを抑制し、燃料電池システムの耐久性を向上させることができるという効果がある。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池車両の制御装置を搭載した車両の制御系の構成を示すブロック図であり、図2は、この車両の制動系、駆動系を表す概略構成図である。
まず、図2を参照して、本発明が適用される燃料電池車両の構成を説明する。この燃料電池車両は、車両駆動源として回生制動も行うモータ12を有し、モータ12への電力は燃料電池11および二次電池であるバッテリ16の少なくとも一方からインバータ15を介してモータへ供給される。モータ12の駆動力は、ディファレンシャルギヤ17を介して駆動輪である前輪FR、FLに伝達される。
モータ12は、例えば、交流同期型であり、インバータ15から供給される3相交流の周波数制御により回転速度が制御される。インバータ15は、回生制動時に、モータ12が発生した交流電力を整流してバッテリー16へ充電、または燃料電池車両内で消費する制御を行う。
一方、各車輪FR、FL、RR、RLには、摩擦制動装置である液圧ブレーキ23が設置されている。そして、電動モータやアキュムレーターからなるブレーキ液圧源21と、このブレーキ液圧源21の液圧を基にして各液圧ブレーキ23に供給する作動液圧を調整する液圧調整部22を備えている。
本発明に係る燃料電池車両の制御装置は、図1に示されるブレーキコンピュータ20と、走行制御系コンピュータ(ECU)10、さらにモータECU101、バッテリーECU102、燃料電池ECU103からなる。
液圧ブレーキ23を制御するブレーキコンピュータ20は、ブレーキ液圧源21と液圧調整部22を制御するものであり、図示しないブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ30の出力が供給されている。
走行制御系コンピュータ10は、主として駆動系を制御するものであり、車速Vを検出する車速センサ31、図示しないアクセルペダルの開度を検出するアクセルセンサ32の出力信号が供給されている。また走行系コンピュータ10は、モータECU101、バッテリーECU102、燃料電池ECU103を制御するとともに、ブレーキコンピュータ20との通信により制御に必要な情報を共有し、協調して制動制御を行う。
モータECU101は、インバータ15を制御してモータ12の駆動力及び回生制動力を制御する。
バッテリーECU102は、バッテリー16の充電状態(SOC)を監視するとともにSOCに基づいてバッテリー16の充放電を制御する。
また、燃料電池ECU103は、燃料電池11の起動、停止及び運転状態を制御している。
次に、この燃料電池車両の制動時の動作について説明する。まず、図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、ブレーキペダルの操作量はブレーキセンサ30からブレーキコンピュータ20へと供給される。ブレーキコンピュータ20は、走行制御系コンピュータ10に回生制動要求を行う。
走行制御系コンピュータ10は、この回生制動要求を受けて、モータECU101を介してインバータ15を制御することで、ディファレンシャルギヤ17を介して接続されている駆動輪FL、FRの回転力でモータ12を駆動させることにより発電を行い、得られた電力によりバッテリー16の充電を行う。
この回生制動による発電の際、モータ12の回転に対する抵抗により車両を制動する制動力が得られる。この制動力がブレーキセンサ30の出力信号から算出した要求制動力に不足している場合、ブレーキコンピュータ20は液圧調整部22を作動させて、各ブレーキ23に供給する液圧を調整することにより摩擦制動力を調整して制動を行う。
図3は、この回生協調制御のゼネラルフローチャートである。
この制御は、車両のブレーキコンピュータ20がオンになってから所定タイミングで繰り返し実行されるものである。
まずステップS1では、ブレーキコンピュータ20、走行制御系コンピュータ10はそれぞれ車両状態量を読み込む。この車両状態量には、ブレーキセンサ30から送られるブレーキ操作量、車速センサ31から送られる車速V、アクセルセンサ32から送られるアクセル開度、前後加速度センサ33から送られる車両の前後加速度G等がある。
ステップS2では、ブレーキコンピュータ20は、得られた車両状態量から目標減速度(EBA(t))を演算する。
次に、ステップS3では、バッテリーECU102がバッテリー16の充電状態に基づいてバッテリー16が満充電か否かを判定する。バッテリー16が満充電状態でないときは、ステップS4へと移行し、ブレーキコンピュータ20は走行制御系コンピュータ10に対して回生制動要求を送り、走行制御系コンピュータ10は必要な減速度が得られるようモータECU101を介してインバータ15を制御し、回生ブレーキを作動させる。すなわち、モータ12を発電機として機能させることで車両の運動エネルギを電力として回収し、バッテリー16を充電する。
一方、ステップS3の判定でバッテリー16が満充電状態の時には、ステップS5へと移行し、ブレーキコンピュータ20は液圧調整部22を制御して各液圧ブレーキ23で付加する制動力を制御し、必要な減速度を得る。
次に、燃料電池車両の駆動源である燃料電池11の基本的な構成について図4を用いて説明する。
燃料電池11は、それぞれ図示しない加湿器により加湿された水素、空気が供給されるアノード(水素極)11a及びカソード(空気極)11bを備えて、これら反応ガスの電気化学反応により直接発電するものである。
空気は、大気からコンプレッサ200で加圧され、図示しない空気加湿器で加湿された後、燃料電池のカソード11bへ供給され、カソード11bで未使用の空気はカソード圧力調整バルブ205から大気へ排出される。
燃料電池のカソード11bへ供給される空気の流量と圧力は、コンプレッサ200の回転数およびカソード圧力調整バルブ205の開度により制御される。
コンプレッサ200は図示しないモータにより駆動され、燃料電池コンピュータ103は、モータ回転数を参照して、モータが目標の回転数となるようにモータを制御する。
また、水素は、高圧で水素が充填された水素貯蔵器201からアノード圧力調整バルブ201、エゼクタ203を経由して、図示しない水素加湿器で加湿された後、燃料電池のアノード11aへ供給され、燃料電池で未使用の水素は、エゼクタ203によって燃料電池のアノード11aへ循環される。
燃料電池のアノード11aへ供給される水素の圧力は、アノード圧力調整バルブ202の開度で制御される。燃料電池コンピュータ103は、燃料電池のアノード11aへ供給される水素の圧力が目標の圧力となるようにアノード圧力調整バルブ202を制御する。
水素パージバルブ204は、燃料電池の状態に応じて燃料電池コンピュータ103が開閉制御することにより、燃料電池内部の水つまりや、カソード11bからアノード11aへの空気のリークによる出力低下および効率低下を防止するために使用するものである。
燃料電池コンピュータ103は、走行制御系コンピュータ10からの燃料電池の起動要求、または停止要求を受けて、燃料電池11に供給する水素及び空気の供給開始または供給停止を制御する。
次に本発明の実施例1における燃料電池車両の制御装置について、図5および図6を用いて説明する。図5は回生協調時に回生ブレーキから液圧ブレーキにすりかわる時の状況を時系列に示したタイムチャートである。
図5(a)において、運転者が急にブレーキペダルを踏み込み、ペダルストロークが立ち上がったとする。しかし図5(c)に示すように回生制動によるトルク(駆動トルクを+、制動トルクを−で示す)の立ち上がりが遅いので、図5(d)に示すように制動の初期には、摩擦制動装置へ供給する制動液圧を一時的に高めて、ブレーキペダル操作に応じた制動レスポンスを得ている。次いで、回生制動トルクの立ち上がりに応じて、摩擦制動トルク減少するように制動液圧を低下させる。その後回生制動トルクのみによる制動状態が続くが、図5(b)に示す車速が液圧制動介入切り替え車速(例えば、20〔km/h〕)となると、制動液圧を高めながら回生制動トルクを低下させ、回生制動から摩擦制動へ切れ目なく滑らかに切り替える。車速が回生協調終了車速(例えば、10〔km/h〕)以下となると、全制動トルクは摩擦制動トルクとなるように制御している。これにより低車速時の高いブレーキレスポンス特性を得ている。
図6は、実施例1における燃料電池車両の制御装置の制御内容を示したフローチャートである。
まずステップ(以下、ステップをSと略す)11にて、ブレーキコンピュータ20がブレーキセンサ30よりブレーキペダル踏込量、走行制御系コンピュータ10が車速センサ31より車速V、アクセルセンサ32よりアクセルペダル踏込量をそれぞれ車両情報として読み込む。これらの車両情報は、ブレーキコンピュータ20と走行制御系コンピュータ10とで相互通信により共有される。次いでS12で、ブレーキコンピュータ20は、ブレーキペダル踏込量と車速Vに基づいて目標減速度EBA(t)を算出する。
次いでS13で、走行制御系コンピュータ10は、車速Vが所定値(V0とする)を下回っているか否かを判定する。ここで、車速Vの比較対象である所定値V0は、図5のタイムチャートでいえば、回生制動から摩擦制動に切り替え開始する車速である液圧制動介入切り替え車速(例えば20〔km/h〕)車速である。
S13の判定で、車速Vが所定値V0より小さい場合には、S14において走行制御系コンピュータ10は、バッテリECU102が検出したバッテリ16の充電状態SOCを読み込む。次いで、S15において、走行制御系コンピュータ10は、SOCが所定値を下回っているか否かを判定する。S15の比較対象の所定値は、満充電より多少少なく過渡的な充電が可能な充電状態であり、例えば、SOC=95〔%〕の充電状態である。
S15の判定でSOCが所定値を下回っていれば、S16へ進み、走行制御系コンピュータ10から燃料電池コンピュータ103に対して、燃料電池の発電を継続する信号を出力して、メインルーチンへリターンする。このとき、既に燃料電池の発電が停止していれば停止状態を継続する。
S15の判定で、SOCが所定値以上であれば、S18において、走行制御系コンピュータ10から燃料電池コンピュータ103へ燃料電池システム停止要求信号が出力される。燃料電池システム停止要求信号を受けた燃料電池コンピュータ103は、燃料電池システムが運転中であれば、その運転を停止させ、燃料電池システムが停止中であれば何もしない。
一方、S13の判定において、車速Vが所定値V0以上であれば、走行制御系コンピュータ10は、制動中であるので車両駆動用に要求する電力を示す信号を0として燃料電池コンピュータ103へ出力する。この信号を受けて燃料電池コンピュータ103は、S17において、車両駆動用要求電力(=0)に、その他の車両内での燃料電池に対する電力需要を加算して、加算結果が0か否か、言い換えれば、燃料電池に対する電力需要が有るか否かを判定する。電力需要が有れば、S16へ進み発電を継続する。S17の判定で電力需要がなければ、S18へ進み、燃料電池の発電を停止させる。
以上説明した本実施例によれば、車両制動中は、車速が所定値を下回った場合には、燃料電池に対する電力需要がなくても燃料電池の発電を停止させない構成としたので、車両停止間際のコンプレッサの急回転を抑制することができるという効果がある。
また本実施例によれば、液圧制御の摩擦制動装置による制動が介入する車速よりも低い車速となったときには、燃料電池に対する電力需要がなくても燃料電池の発電を停止させない構成としたので、車両停止間際のコンプレッサの急回転を抑制することができるという効果がある。
さらに本実施例によれば、二次電池の充電状態が所定値以上の場合には、燃料電池の発電を停止させるので、二次電池の過充電を避けて二次電池を保護することができるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池車両の制御装置の実施例2を説明する。実施例2の制御装置が適用される燃料電池車両の構成、及び制御装置全体の構成は、図1乃至図5を参照して説明した実施例1と同様であるので、重複する説明を省略する。
実施例2の特徴は、回生協調制動から摩擦制動へ切り替えるまでの時間が所定値を下回った場合、燃料電池に対する電力需要がなくても燃料電池の発電を停止させない点にある。
図7は、実施例2における燃料電池車両の制御装置の制御内容を示したフローチャートである。
まずS21にて、ブレーキコンピュータ20がブレーキセンサ30よりブレーキペダル踏込量、走行制御系コンピュータ10が車速センサ31より車速V、アクセルセンサ32よりアクセルペダル踏込量をそれぞれ車両情報として読み込む。これらの車両情報は、ブレーキコンピュータ20と走行制御系コンピュータ10とで相互通信により共有される。次いでS22で、ブレーキコンピュータ20は、ブレーキペダル踏込量と車速Vに基づいて目標減速度EBA(t)を算出する。
次いでS23で、走行制御系コンピュータ10は、現在の車速Vと減速度に基づいて回生制動状態から摩擦制動状態に切り替わるまでの時間Tが所定値(T0とする)を超えているか否かを判定する。ここで、時間Tの比較対象である所定値T0は、図5のタイムチャートでいえば、回生制動から摩擦制動に切り替え開始する車速(例えば20〔km/h〕)に至るまでの時間である。
S23の判定で、時間Tが所定値T0を超えていなければ、間もなく回生制動が終了して回生電力の供給がなくなるので、S24へ進み、走行制御系コンピュータ10は、バッテリECU102が検出したバッテリ16の充電状態SOCを読み込む。次いで、S25において、走行制御系コンピュータ10は、SOCが所定値を下回っているか否かを判定する。S25の比較対象の所定値は、満充電より多少少なく過渡的な充電が可能な充電状態であり、例えば、SOC=95〔%〕の充電状態である。
S25の判定でSOCが所定値を下回っていれば、S26へ進み、走行制御系コンピュータ10から燃料電池コンピュータ103に対して、燃料電池の発電を継続する信号を出力して、メインルーチンへリターンする。このとき、既に燃料電池の発電が停止していれば、燃料電池11のカソード11bに空気を供給するコンプレッサ200をゆっくり起動させながら燃料電池を起動する。コンプレッサ200をゆっくり起動させる具体的な方法は、例えば、コンプレッサ200の回転速度の上昇率を制限して起動させる、コンプレッサ200に供給する電力の上昇率を制限して起動させる、或いはコンプレッサ200が吐出する空気圧の上昇率を制限して起動させる等がある。
S25の判定で、SOCが所定値以上であれば、S28において、走行制御系コンピュータ10から燃料電池コンピュータ103へ燃料電池システム停止要求信号が出力される。燃料電池システム停止要求信号を受けた燃料電池コンピュータ103は、燃料電池システムが運転中であれば、その運転を停止させ、燃料電池システムが停止中であれば何もしない。
一方、S23の判定において、時間Tが所定値T0を超えていれば、回生制動が暫く続き従って回生電力の供給が暫く続くとして、走行制御系コンピュータ10は、車両駆動用に要求する電力を示す信号を0として燃料電池コンピュータ103へ出力する。この信号を受けて燃料電池コンピュータ103は、S27において、車両駆動用要求電力(=0)に、その他の車両内での燃料電池に対する電力需要を加算して、加算結果が0か否か、言い換えれば、燃料電池に対する電力需要が有るか否かを判定する。電力需要が有れば、S26へ進み発電を継続または発電を開始させる。S27の判定で電力需要がなければ、S28へ進み、燃料電池の発電を停止させる。
以上説明した実施例2によれば、液圧制御による摩擦制動が介入するまでの時間が所定値を下回った場合には、燃料電池に対する電力需要がなくても燃料電池の発電を停止させない構成としたので、短時間での燃料電池の停止、起動の繰り返しを抑制して、燃料電池の劣化を防止することができるとともに、車両停止間際のコンプレッサの急回転を抑制することができるという効果がある。
また本実施例によれば、液圧制御による摩擦制動が介入するまでの時間が所定値を下回った場合で、かつ、その時に燃料電池の発電が停止している場合には、コンプレッサをゆっくり起動させながら燃料電池を起動させるので、コンプレッサの急回転を低減し、乗員にとって耳障りな回転音を抑制することができるという効果がある。
10…走行制御系コンピュータ、
11…燃料電池、
12…モータ、
15…インバータ、
16…バッテリー、
17…ディファレンシャルギヤ、
20…ブレーキコンピュータ、
21…ブレーキ液圧源、
22…液圧調整部、
23…液圧ブレーキ、
30…ブレーキセンサ、
31…車速センサ、
32…アクセルセンサ、
101…モータECU、
102…バッテリーECU、
103…燃料電池コンピュータ。
11…燃料電池、
12…モータ、
15…インバータ、
16…バッテリー、
17…ディファレンシャルギヤ、
20…ブレーキコンピュータ、
21…ブレーキ液圧源、
22…液圧調整部、
23…液圧ブレーキ、
30…ブレーキセンサ、
31…車速センサ、
32…アクセルセンサ、
101…モータECU、
102…バッテリーECU、
103…燃料電池コンピュータ。
Claims (5)
- 少なくとも燃料電池システムから車両駆動モータに駆動電力を供給する燃料電池車両の制御装置において、
燃料電池車両の車速が所定値を超えた場合には、前記駆動電力の需要に応じて前記燃料電池システムを起動または停止させる一方、
燃料電池車両の車速が所定値を下回った場合には、前記駆動電力の需要がなくても燃料電池システムを停止させないことを特徴とする燃料電池車両の制御装置。 - 前記車速の所定値は、車両駆動モータによる回生制動から摩擦制動装置による摩擦制動に切り替える切り替え車速に応じて決定されるものであり、
摩擦制動装置が介入する車速よりも低い車速になったときに、前記駆動電力の需要がない場合でも燃料電池システムを停止させないことを特徴とする請求項1記載の燃料電池車両の制御装置。 - 燃料電池システムの余剰電力または前記回生制動による回生電力で充電可能な二次電池を備え、
車速が所定値より下回ったとしても、前記二次電池の充電状態が所定値以上の場合は、燃料電池システムを停止させることを特徴とする請求項2記載の燃料電池車両の制御装置。 - 少なくとも燃料電池システムから車両駆動モータに駆動電力を供給する燃料電池車両の制御装置において、
前記駆動電力の需要に応じて前記燃料電池システムを起動または停止させるとともに、
車両制動時に車両駆動モータによる回生制動から摩擦制動装置による摩擦制動に切り替わるまでの時間が所定値を下回った場合には、前記駆動電力の需要がなくても燃料電池システムを停止させないことを特徴とする燃料電池車両の制御装置。 - 燃料電池に酸化ガスとしての空気を供給するコンプレッサを備え、
前記時間が所定値を下回った場合で、かつ、その時に燃料電池システムの発電が停止している場合は、前記コンプレッサをゆっくりと起動させながら燃料電池を起動すること特徴とする請求項4記載の燃料電池車両の制御装置。
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