JP2006025367A - 薄膜バルク音響共振器及びその製造方法 - Google Patents
薄膜バルク音響共振器及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006025367A JP2006025367A JP2004203809A JP2004203809A JP2006025367A JP 2006025367 A JP2006025367 A JP 2006025367A JP 2004203809 A JP2004203809 A JP 2004203809A JP 2004203809 A JP2004203809 A JP 2004203809A JP 2006025367 A JP2006025367 A JP 2006025367A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- electrode layer
- insulating substrate
- acoustic resonator
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Abstract
【課題】 横方向の共振振動を抑制して電気的特性の向上と高品質、高生産性を図る。
【解決手段】 絶縁基板2と、その主面2a上に空洞部3を構成して積層形成された第1電極層4と、圧電層5、第2電極層6とから構成され、第2電極層6内に中心O1から外方に偏倚した中心O2を有し、圧電層5を外方に臨ませて開口され、第2電極層2の外周縁部と非平行対向辺を構成する開口形状の疑似共振制御開口11を形成してなる。
【選択図】 図3
【解決手段】 絶縁基板2と、その主面2a上に空洞部3を構成して積層形成された第1電極層4と、圧電層5、第2電極層6とから構成され、第2電極層6内に中心O1から外方に偏倚した中心O2を有し、圧電層5を外方に臨ませて開口され、第2電極層2の外周縁部と非平行対向辺を構成する開口形状の疑似共振制御開口11を形成してなる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、基板上に薄膜形成技術(半導体技術)によって圧電層を挟んだ一対の電極層を形成してなり、電極層に電圧を印加することによって生じる共振動作を電気信号に変換する薄膜バルク音響共振器及びその製造方法に関する。
バルク音響共振器は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されているが、ガリウム砒素基板上にスパッタリングによって窒化アルミニウムや酸化亜鉛等の圧電性材料層を形成し、この圧電性材料層の両面に金属基相成長法等によって薄膜金属電極を形成してなる。バルク音響共振器は、例えば所定形状等に形成された電極間に印加する所定周波数の入力信号に対して圧電性材料層に厚み方向(縦方向)の伸縮を生じさせ、この圧電性材料層の機械的振動を電気的信号に変換することで周波数フィルタとして機能させる。
ところで、バルク音響共振器においては、上述した特許文献1にも開示されるように、縦方向の振動とともに発生する層内方向(横方向)の振動が得るべき縦方向振動に干渉して不整動作が生じ、挿入損失や位相の不規則性といった問題があった。特許文献1に開示されたバルク音響共振器においては、一方の電極の周囲の一部に音響減衰材料を配置した構成と、各電極が2対の直線状対辺を有するとともに少なくとも一方の対の対辺を非平行に形成した構成とによって横振動の抑制を図っている。バルク音響共振器においては、非平行の各対向辺が横方向の共振モードの周波数を散開させることにより、安定した縦方向の共振振動が得られるようになる。
また、特許文献2に開示されたバルク音響共振器には、基板に凹部を形成するとともにこの凹部に充填した犠牲金属材をエッチング処理によって除去することによって空洞部を形成する。バルク音響共振器には、犠牲金属材上に各電極層や圧電性材料層を形成した後にこれらを貫通して形成した多数個のエッチングホールを介して犠牲金属材を除去することにより、空洞部を形成する。
上述した従来のバルク音響共振器は、小型で高いQ値特性及び動作周波数特性を有し、例えば基板上にそれぞれ共振特性を異にする複数個数を実装して周波数フィルタを構成することが可能である。ところで、従来のバルク音響共振器は、各電極が上述したように非平行の対向辺を有して横方向の疑似共振動作の発生を抑制するようにしているが、矩形体を基本形状とすることから共振動作に際して各電極や圧電性材料層の立ち上がりコーナ部に応力が集中して剥離現象やクラックが生じることがあり、品質低下の問題があった。
また、従来の各バルク音響共振器においては、基板に空洞部を構成する凹部や開口部を形成するために所定の設備や工程が必要となる。従来のバルク音響共振器においては、薄膜形成工程中にこれらの設備や工程を設けて複雑な形状を有する精密な凹部や開口部を形成することにから、素材の取り扱い工程や精密加工を施すことによる製造効率が低下するといった問題があった。
したがって、本発明は、横方向の共振振動を抑制して電気的特性の向上と高品質、高生産性を図った高精度の薄膜バルク音響共振器を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明にかかる薄膜バルク音響共振器は、絶縁基板と、この絶縁基板の主面上に空洞部を構成して形成された第1電極層と、この第1電極層を被覆して絶縁基板の主面上に形成された圧電層と、空洞部の対応位置において第1電極層と対向して圧電層上に形成された第2電極層とから構成される。薄膜バルク音響共振器は、第2電極層に、その中心位置から偏倚した位置に圧電層を外方に臨ませるようにして開口され、その開口形状が内周縁部を第2電極層の外周縁部に対して非平行対向辺とされた疑似共振制御開口部を形成してなる。
薄膜バルク音響共振器においては、所定の形状を有する疑似共振制御開口部が、圧電層上に形成された第2電極層をパターニングする際にその層内に高精度に形成される。薄膜バルク音響共振器においては、第2電極層に対してその中心位置から偏倚した位置でかつ各対向辺を非平行にして疑似共振制御開口部が形成されることにより、第2電極層の外周縁部と疑似共振制御開口部の内周縁部とにおいて横方向の共振モードの周波数を散開させる。薄膜バルク音響共振器においては、横方向の共振振動が低減されて安定した縦方向の共振振動が得られることで、所定の周波数に対する高精度の電気的特性が得られるようになる。薄膜バルク音響共振器においては、例えば各電極や圧電層を略円錐台形状に形成するとともに第2電極層内に疑似共振制御開口部を形成してコーナ部を有しない構造とすることで、立ち上がり部位の応力集中が緩和される。
また、上述した目的を達成する本発明にかかる薄膜バルク音響共振器の製造方法は、犠牲層形成工程と、第1電極層形成工程と、圧電層形成工程と、第2電極層形成工程と、エッチングホール形成工程と、空洞部形成工程とを有する。犠牲層形成工程は、例えばシリコンウェーハ等の絶縁基板の主面上にエッチングレートが大きい燐を多く含んだ二酸化珪素等の犠牲層材を所定の厚みで塗布し、この犠牲層材に対してフォトリソグラフ処理を施して所定形状の犠牲層を形成する。犠牲層形成工程は、詳細には犠牲層材に対してフォトレジストによるパターニングした後に高温でベーキング処理を行ってフォトレジストのラウンディングを行う。犠牲層形成工程は、犠牲層材のエッチングレートに対するフォトレジストのエッチングレートの選択比が1又は1以下の条件でエッチング処理を施すことにより、略円錐台の犠牲層を形成する。犠牲層形成工程は、外周壁部が立ち上がり傾斜角度を45°以下の所定角度とした略円錐台の犠牲層を形成する。第1電極層形成工程は、絶縁基板上に犠牲層を被覆する導電金属層を全面に亘って成膜するとともに、この導電金属層に対してフォトリソグラフ処理を施して第1電極層を形成する。圧電層形成工程は、圧電材により第1電極層を被覆する圧電層を絶縁基板上に形成する。第2電極層形成工程は、絶縁基板上に圧電層を被覆する導電金属層を全面に亘って成膜するとともに、この導電金属層に対してフォトリソグラフ処理を施して犠牲層の対応位置において第1電極層と対向する所定形状の第2電極層を形成する。エッチングホール形成工程は、第2電極層に圧電層及び第1電極層を貫通して犠牲層に達するエッチング用のエッチングホールを形成する。空洞部形成工程は、エッチングホールを介してエッチング処理を施して犠牲層を除去することにより、絶縁基板と第1電極層との間に空洞部を形成する。薄膜バルク音響共振器の製造方法は、第2電極層に、その中心位置から偏倚した位置に圧電層を外方に臨ませるようにして開口され、その開口形状が内周縁部を第2電極層の外周縁部に対して非平行対向辺とされた疑似共振制御開口部を形成する。
薄膜バルク音響共振器の製造方法においては、上述した形状の疑似共振制御開口部を薄膜技術によって第2電極層とともにその層内に高精度に形成する。薄膜バルク音響共振器の製造方法においては、各対向辺を非平行とされた第2電極層の外周縁部と疑似共振制御開口部の内周縁部とにおいて横方向の共振モードの周波数が散開されるようにして横方向の共振振動を低減し、安定した縦方向の共振振動が得られることで所定の周波数に対する高精度の電気的特性を得る薄膜バルク音響共振器を製造する。薄膜バルク音響共振器の製造方法においては、例えば各電極や圧電層を略円錐台形状に形成するとともに第2電極層内に疑似共振制御開口部を形成してコーナ部を有しない構造とすることで、立ち上がり部位の応力集中を緩和した薄膜バルク音響共振器を製造する。
本発明によれば、第2電極層に対してその中心位置から外側に偏倚した位置でかつ各対向辺を非平行にして疑似共振制御開口部を形成したことから、第2電極層の外周縁部と疑似共振制御開口部の内周縁部との間を反復する横方向の共振モードの周波数が散開されるようになる。したがって、本発明によれば、横方向の共振振動を低減して安定した縦方向の共振振動が得られるようになり、所定の周波数に対する高精度の電気的特性が得られるようになる。また、本発明によれば、各電極層や圧電層において立ち上がり部位の応力集中の緩和が図られることで剥離等の発生が防止され、信頼性の向上が図られる。
以下、本発明の実施の形態として示す薄膜バルク音響共振器(以下、単に音響共振器と略称する。)1について、図面を参照して詳細に説明する。音響共振器1は、例えば高周波回路モジュール体等に複数個が実装され、それぞれが所定の周波数帯域の入力信号に対して共振動作を行うことにより、周波数フィルタを構成する。音響共振器1は、図1及び図2に示すように、絶縁基板2と、この絶縁基板2の主面2a上に空洞部3を構成して形成された第1電極層4と、この第1電極層4を被覆して絶縁基板2の主面2a上に形成された圧電層5と、空洞部3の対応位置において第1電極層4と対向して圧電層5上に形成された第2電極層6とから構成される。
絶縁基板2には、主面2aが高精度の平坦面として形成することが可能であり各種の半導体用基板として一般に用いられている例えばシリコン、セラミック、ガラス基板が用いられる。絶縁基板2は、主面2a上に詳細を後述する音響共振器1の各構成部位を薄膜技術によって形成するばかりでなく、複数個の音響共振器1の各構成部位を形成したり他の集積回路素子や入出力回路等を形成するようにしてもよい。
空洞部3は、詳細を後述するように、絶縁基板2上に犠牲層7を形成するとともに、この犠牲層7を被覆するようにして第1電極層4を形成し、犠牲層7に対してエッチング処理を施して除去することによって絶縁基板2と第1電極層4との間に形成される。空洞部3は、略円錐台形状を呈しており、その外周部、換言すれば第1電極層4の外周壁部4bの立ち上がり傾斜角度θを45°以下とされる。なお、空洞部3は、この傾斜角度θが、犠牲層7の材料特性、音響共振器1の外形仕様等に応じて適宜設定される。
第1電極層4は、第1電極部4aと、外周壁部4bと、フランジ部4cと、リード部4dとからなり、内部に空洞部3を有する略円錐台状を呈している。第1電極層4は、上述した空洞部3を形成した絶縁基板2の主面2a上に例えばモリブデン層をスパッタ法等により薄膜形成し、このモリブデン層に対してフォトリソグラフ処理を施して形成される。第1電極層4は、第1電極部4aが所定の外径を有する円盤状に形成されており、その外周縁の全周に亘って上述した傾斜角度θを有する略テーパ付き円筒状の外周壁部4bが全周に亘って一体に形成される。第1電極層4は、絶縁基板2の主面2a上に、外周壁部4bの下端縁の全周に亘ってフランジ部4cが一体に形成される。第1電極層4には、フランジ部4cの一部からリード部4dが引き出されており、このリード部4dを絶縁基板2の主面2a上に形成した第1ランド部8と接続する。
圧電層5は、上述した第1電極層4を形成した絶縁基板2の主面2a上に、第1電極層4を被覆して形成される。圧電層5は、例えば窒化アルミニウム等の圧電材料をスパッタ法等によって所定の膜厚に成膜することによって形成される。圧電層5は、図2に示すように、第1電極層4の形成部位において、その天井部4aを被覆する天井部5aと、外周壁部4bを被覆する外周壁部5bとからなる略円錐台状の膨出部5cを構成する。なお、圧電層5は、絶縁基板2の外周部位において、第1ランド部8を露出させて形成される。
第2電極層6は、第2電極部6aとリード部6bとからなり、圧電層5上に例えばモリブデン層をスパッタ法等により薄膜形成し、このモリブデン層に対してフォトリソグラフ処理を施して形成される。第2電極層6は、第2電極部6aが、第1電極層4の第1電極部4aよりもやや小径の円盤状を呈し、第1電極部4aと圧電層5の天井部4aを挟んで対向する。第2電極層6は、第2電極部6aの外周縁からリード部6bが一体に引き出され、圧電層5の外周壁部5bから絶縁基板2の主面2a上に導かれて第2ランド部9と接続される。
音響共振器1には、犠牲層7を除去して上述した空洞部3を形成するエッチング処理を行った際の複数のエッチングホール10が残存する。各エッチングホール10は、第2電極層6の第2電極部6aに、その外周部の近傍に位置して開口して形成されている。各エッチングホール10は、図2に示すように、それぞれ第1電極部4aを貫通する第1エッチングホール10aと圧電層5の天井部4aを貫通する第2エッチングホール10b、或いは第2電極部6aを貫通する第3エッチングホール10cとから構成される。
音響共振器1は、上述したように複数のエッチングホール10を形成することにより、空洞部3を形成する犠牲層7のエッチング処理が効率よく行われるようにして構成各部に対するエッチング液による影響が抑制されるようにする。なお、音響共振器1は、多数個のエッチングホール10を形成した場合に、第1電極層4の第1電極部4aと対向する第2電極部6aの面積を小さくして共振特性を低下させる。したがって、音響共振器1においては、エッチングホール10をエッチング効率と所望の共振周波数特性等を考慮して適宜の個数を形成する。
音響共振器1においては、第1ランド部8と第2ランド部9から、第1電極層4と第2電極層6とに入力信号を印加すると圧電層5において厚み方向の振動動作が生じる。音響共振器1においては、所定の周波数帯域の入力信号で圧電層5に大きな共振動作が生じ、この共振動作を電気的信号に変換することによって周波数フィルタとして機能する。音響共振器1においては、上述したように絶縁基板2上に略円錐台状の空洞部3を構成する第1電極層4と圧電層5と第2電極層6とを積層してコーナ部を有しない構造とされる。したがって、音響共振器1においては、上述した振動動作に際して第1電極層4や第2電極層6の外周縁や圧電層5の外周壁部5bにおいて特定部位に応力集中が発生することが抑制され、これら第1電極層4や第2電極層6或いは圧電層5に剥離やクラックの発生が防止される。
一方、音響共振器1においては、入力信号が印加されることにより、圧電層5において厚み方向の振動動作とともに直径方向の振動動作も生じる。音響共振器1においては、第1電極層4と圧電層5と第2電極層6とが円盤状に形成されることにより、直径方向の振動動作の共振点が中心位置O1となる。音響共振器1においては、第2電極層6に疑似共振制御開口部11を形成することにより、直径方向の振動動作の共振点をずらして共振動作の発生を抑制した構造となっている。
すなわち、音響共振器1には、図1に示すように、第2電極層6の第2電極部6aに、その中心位置O1から外周側に偏倚した位置を中心O2とした円形の疑似共振制御開口部11が形成される。疑似共振制御開口部11は、第2電極層6をパターニングする際に同時に形成され、圧電層5を外方へと臨ませる、疑似共振制御開口部11は、その内周縁と第2電極部6aの外周縁との間隔を異にさせて非平行対向辺とすることにより、共振点をずらして共振動作の発生を抑制する。
なお、音響共振器1においては、疑似共振制御開口部11が第2電極部6aの中心O1から共振点をずらす作用を奏することから複数個を形成するようにしてもよいが、この疑似共振制御開口部11が第1電極層4の第1電極部4aと対向する第2電極部6aの面積を小さくして共振特性を低下させる。したがって、音響共振器1においては、疑似共振制御開口部11が、圧電層5や電極層4、5の外形寸法やその材質と所望の共振周波数とに応じて開口径や個数を適宜設定される。
以上のように構成された音響共振器1の製造工程について、図3乃至図7を参照して説明する。音響共振器1の製造工程は、犠牲層形成工程と、第1電極層形成工程と、圧電層形成工程と、第2電極層形成工程と、エッチングホール形成工程と、空洞部形成工程とを有する。音響共振器1の製造工程は、絶縁基板2上に複数個の音響共振器1を同時に形成する場合に、各工程で複数の部位が同時に形成されるようにする。
音響共振器1の製造工程においては、犠牲層形成工程で、図3に示すように、絶縁基板2の主面2a上に犠牲層材12を所定の厚みで塗布する工程と、この犠牲層材12上にフォトレジスト13を塗布してフォトリソグラフ処理を施して所定形状の犠牲層7を形成する工程とを有する。犠牲層形成工程においては、エッチングレートが大きい燐を多く含んだ二酸化珪素等の犠牲層材12を絶縁基板2の主面2a上に塗布する。
犠牲層形成工程は、詳細には犠牲層材12上にフォトレジスト13をパターニングした後に、高温でベーキング処理を行ってフォトレジストのラウンディングを行う。犠牲層形成工程においては、犠牲層材12を、犠牲層材12のエッチングレートに対するフォトレジスト13のエッチングレートの選択比が1又は1以下の条件でエッチング処理を施すことにより、外周部7aが緩やかな傾斜角度を有する略円錐台の犠牲層7を形成する。
犠牲層形成工程においては、犠牲層7の外周部7aの傾斜角度が上述した空洞部3の傾斜角度θと対応し、45°以下で形成される。犠牲層7は、傾斜角度を45°以上とした場合に、圧電層5が振動する際に立ち上がり部位に応力が集中してクラックを生じやすくさせる。犠牲層7は、傾斜角度が10°以下の場合に、裾広がりとなり音響共振器1の外径を大きくさせてしまう。犠牲層7は、犠牲層材12の特性や所望の共振周波数を得る各電極層の形状等に応じて適宜の傾斜角度を付して形成される。
音響共振器1の製造工程においては、第1電極層形成工程が、上述した犠牲層7を含む絶縁基板2の主面2aの全体に、スパッタ法等の薄膜形成技術によってモリブデンの薄膜層を形成する工程と、このモリブデン薄膜層に対して所定のパターニングを施して第1電極層4を形成する工程とを有する。第1電極層形成工程においては、モリブデン薄膜層に対してフォトレジストを塗布し、このフォトレジストをパターニングした後にドライエッチング法により不要なモリブデン薄膜層を除去して図4に示すように犠牲層7を被覆してなる上述した形状を有する第1電極層4を形成する。
音響共振器1の製造工程においては、圧電層形成工程が、第1電極層4を含む絶縁基板2の主面2aの全体に、スパッタ法等の薄膜形成技術によって窒化アルミニウムの薄膜層を形成する工程と、この窒化アルミニウム薄膜層に対して所定のパターニングを施して圧電層5を形成する工程とを有する。圧電層形成工程においては、窒化アルミニウム薄膜層に対してフォトレジストを塗布し、このフォトレジストをパターニングした後にドライエッチング法により不要な窒化アルミニウム薄膜層を除去して図5に示すように第1電極層4を被覆してなる上述した形状を有する圧電層5を形成する。
音響共振器1の製造工程においては、第2電極層形成工程が、圧電層5を被覆して絶縁基板2の主面2aの全体に、スパッタ法等の薄膜形成技術によってモリブデンの薄膜層を形成する工程と、このモリブデン薄膜層に対して所定のパターニングを施して第2電極層6を形成する工程とを有する。第2電極層形成工程においては、モリブデン薄膜層に対してフォトレジストを塗布し、このフォトレジストをパターニングした後にドライエッチング法により不要なモリブデン薄膜層を除去して図6に示すように圧電層5を被覆してなる上述した形状を有する第2電極層6を形成する。
第2電極層形成工程においては、モリブデン薄膜層をパターニングする際に、第2電極部6aに疑似共振制御開口部11が形成される。第2電極層形成工程は、第2電極部6aの中心O1から偏倚した位置を中心O2として所定の直径でモリブデン薄膜層を除去することにより、圧電層5を外方に臨ませる円形の疑似共振制御開口部11を形成する。
音響共振器1の製造工程においては、エッチングホール形成工程で、犠牲層7の外周部近傍を外方に臨ませる複数のエッチングホール10を形成する。エッチングホール形成工程は、例えばレーザ加工によって第2電極層6から圧電層5と第1電極層4とを貫通して犠牲層7に達するエッチングホール10を形成する。エッチングホール形成工程は、第2電極層6が存在しない場所でも、圧電層5から第1電極層4を貫通して犠牲層7に達するエッチングホール10を形成するようにしてもよい。
音響共振器1の製造工程においては、空洞部形成工程で、ウェットエッチング処理を施してエッチングホール10を介して内部に形成した犠牲層7を除去することによって、空洞部3を形成する。空洞部形成工程は、例えばフッ化水素系のエッチング液を用い、このエッチング液をエッチングホール10から犠牲層7に供給して犠牲層7を除去することにより、図7に示すように絶縁基板2と第1電極層4との間に空洞部3を形成する。
音響共振器1の製造工程においては、薄膜技術によって上述した工程を経て構成各部を形成することで、小型で高精度の音響共振器1を効率的に製造する。音響共振器1の製造工程においては、一般的な薄膜形成工程によって音響共振器1を製造することから、効率的な製造が行われるようになる。
1 薄膜バルク音響共振器、2 絶縁基板、3 空洞部、4 第1電極層、5 圧電層、6 第2電極層、7 犠牲層、10 エッチングホール、11 疑似共振制御開口部
Claims (3)
- 絶縁基板と、
上記絶縁基板の主面上に空洞部を構成して形成された第1電極層と、
上記第1電極層を被覆して上記絶縁基板の主面上に形成された圧電層と、
上記空洞部の対応位置において上記第1電極層と対向して上記圧電層上に形成された第2電極層とから構成され、
上記第2電極層に、その中心位置から偏倚した位置に上記圧電層を外方に臨ませるようにして開口され、その開口形状が内周縁部を上記第2電極層の外周縁部に対して非平行対向辺とされた疑似共振制御開口部を形成したことを特徴とする薄膜バルク音響共振器。 - 絶縁基板の主面上に、所定の厚みで犠牲層材を塗布するとともに、この犠牲層材に対してフォトリソグラフ処理を施して所定形状の犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、
上記絶縁基板上に上記犠牲層を被覆する導電金属層を全面に亘って成膜するとともに、この導電金属層に対してフォトリソグラフ処理を施して第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
圧電材により上記第1電極層を被覆する圧電層を上記絶縁基板上に形成する圧電層形成工程と、
上記絶縁基板上に上記圧電層を被覆する導電金属層を全面に亘って成膜するとともに、この導電金属層に対してフォトリソグラフ処理を施して上記犠牲層の対応位置において上記第1電極層と対向する所定形状の第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、
上記第2電極層に上記圧電層及び上記第1電極層を貫通して上記犠牲層に達するエッチング用のエッチングホールを形成するエッチングホール形成工程と、
上記エッチングホールを介してエッチング処理を施して上記犠牲層を除去することによって上記絶縁基板と上記第1電極層との間に空洞部を形成する空洞部形成工程とを有し、
上記第2電極層に、その中心位置から偏倚した位置に上記圧電層を外方に臨ませるようにして開口され、その開口形状が内周縁部を上記第2電極層の外周縁部に対して非平行対向辺とされた疑似共振制御開口部を形成することを特徴とする薄膜バルク音響共振器の製造方法。 - 上記犠牲層形成工程が、上記犠牲層材上に所定形状のフォトレジストをパターン形成する工程と、加熱処理を施して上記フォトレジストをラウンディングする工程と、上記犠牲層材のエッチングレートに対する上記フォトレジストのエッチングレートの選択比が1又は1以下の条件でエッチング処理を施す工程とからなり、
外周壁部を所定の立ち上がり傾斜角度とした略円錐台の上記犠牲層を形成することを特徴とする請求項2に記載の薄膜バルク音響共振器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004203809A JP2006025367A (ja) | 2004-07-09 | 2004-07-09 | 薄膜バルク音響共振器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004203809A JP2006025367A (ja) | 2004-07-09 | 2004-07-09 | 薄膜バルク音響共振器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006025367A true JP2006025367A (ja) | 2006-01-26 |
Family
ID=35798281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004203809A Withdrawn JP2006025367A (ja) | 2004-07-09 | 2004-07-09 | 薄膜バルク音響共振器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006025367A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008022305A (ja) * | 2006-07-13 | 2008-01-31 | Ube Ind Ltd | 薄膜圧電共振器およびその製造方法 |
CN110114971A (zh) * | 2019-03-28 | 2019-08-09 | 深圳市汇顶科技股份有限公司 | 晶体振荡器及其制作方法和设备 |
CN110868184A (zh) * | 2019-04-23 | 2020-03-06 | 中国电子科技集团公司第十三研究所 | 体声波谐振器和半导体器件 |
-
2004
- 2004-07-09 JP JP2004203809A patent/JP2006025367A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008022305A (ja) * | 2006-07-13 | 2008-01-31 | Ube Ind Ltd | 薄膜圧電共振器およびその製造方法 |
CN110114971A (zh) * | 2019-03-28 | 2019-08-09 | 深圳市汇顶科技股份有限公司 | 晶体振荡器及其制作方法和设备 |
CN110868184A (zh) * | 2019-04-23 | 2020-03-06 | 中国电子科技集团公司第十三研究所 | 体声波谐振器和半导体器件 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102117471B1 (ko) | 음향 공진기 및 그 제조 방법 | |
KR100631217B1 (ko) | 박막 벌크 음향 공진기 및 표면 음향파 공진기가 집적된인티그레이티드 필터 및 그 제작 방법 | |
CN112039461B (zh) | 体声波谐振器的制造方法 | |
JP2021534611A (ja) | バルク音響波共振器のパッケージング方法及びパッケージング構造 | |
JP2005198233A (ja) | Fbar素子及びその製造方法 | |
JP4930924B2 (ja) | 水晶振動子の製造方法 | |
JP2007036829A (ja) | 薄膜圧電共振器、フィルタ及び薄膜圧電共振器の製造方法 | |
JP2008131194A (ja) | 薄膜圧電共振子 | |
JP2002314368A (ja) | 薄膜バルク音響共振器装置、及びこれを製造するための改良された方法 | |
JP2007295306A (ja) | バルク弾性波共振器、フィルタ回路、及びバルク弾性波共振器の製造方法 | |
JP7246775B2 (ja) | Baw共振器のパッケージングモジュールおよびパッケージング方法 | |
JP2021535641A (ja) | バルク音響波共振器のパッケージング方法及びパッケージング構造 | |
US20060202769A1 (en) | Piezoelectric thin film device and method of producing the same | |
JP2006254295A (ja) | 圧電共振素子の製造方法および圧電共振素子 | |
JP2010041153A (ja) | 圧電共振器およびその製造方法 | |
JP2004328739A (ja) | 基板からフローティングされたエアギャップを有する薄膜のバルク音響共振器及びその製造方法 | |
JPH0964675A (ja) | 密閉空洞上の圧電共振器および製造方法 | |
JP2006211664A (ja) | フィルムバルクアコースティック共振器を用いた帯域フィルタ及びその製造方法 | |
CN112039480B (zh) | 体声波谐振器及其制造方法 | |
JP2010206322A (ja) | パッケージ部材および該パッケージ部材の製造方法および該パッケージ部材を用いた圧電振動デバイス | |
KR20170096726A (ko) | 음향파 필터 장치 및 그 제조방법 | |
JP2006025367A (ja) | 薄膜バルク音響共振器及びその製造方法 | |
JP5202252B2 (ja) | 音響波共振子 | |
KR20040084478A (ko) | 고주파용 박막 체적 탄성파 공진기 소자 및 그 제조 방법 | |
WO2022158249A1 (ja) | 弾性波装置、フィルタ装置及び弾性波装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071002 |