JP2006024910A - 表面処理方法及び表面処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速でかつ平坦性に優れた窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能な表面処理方法及び表面処理装置を提供する。
【解決手段】 金属微粒子及び研磨材を含むKOH電解液14を供給する電解液供給口15と、上方に開口を有し、電解液供給口15から供給されたKOH電解液14を保持する保持容器40と、GaN基板11を固定し、GaN基板11表面を保持容器40内のKOH電解液14に保持容器40の上方から含浸させてKOH電解液14に接触させるウエハホルダ12と、ウエハホルダ12上に設置された荷重13と、装置筐体16と、GaN基板11表面を研磨するための研磨パッド17と、紫外光源42とから構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば窒化物化合物半導体から構成される半導体レーザ素子、発光ダイオードあるいは電界効果トランジスタ等を含む集積回路の製造工程に適用できる基板の表面処理方法及び表面処理装置に関し、特に基板の表面平坦化方法及び表面平坦化装置に関するものである。
GaN系窒化物化合物半導体(InGaAlNと一般に表記)は広い禁制帯幅(GaNの室温での禁制帯幅が3.4eV)を有しており、緑色・青色の可視域あるいは紫外といった波長範囲にて高出力の発光ダイオードを実現できる材料であり、既に青色・緑色発光ダイオード、さらには蛍光体と組み合わせた白色での高出力発光ダイオードとして商品化され広く使用されている。また、次世代高密度光ディスクシステム(Blu−ray Disc)用光源に用いるため、この窒化物化合物半導体を用いた青紫色半導体レーザ素子の開発が盛んに行われている。また、窒化物化合物半導体はその大きな飽和ドリフト速度や高耐圧といった特性から、将来の高周波高出力電子デバイス用材料として有望視されており、研究開発が活発に行われている。
窒化物化合物半導体の結晶成長には有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition: MOCVD法)が広く用いられている。これまでは一般にサファイア基板上に結晶成長が行われてきたが、1)サファイア基板とGaNとの間で格子不整合による結晶欠陥が発生する、2)サファイア基板の放熱が悪い、3)サファイア基板は絶縁性基板であり両面電極を形成できないためにチップ面積が大きくなる等の課題がある。このような課題を解決するために、GaN厚膜をハイドライド気相成長法(Hydride Vapor Phase Epitaxy: HVPE法)により母材基板上に形成し、母材基板を分離あるいは除去することで得られるGaN基板が開発され、その上へのデバイス構造形成も行われている。またGaNエピタキシャル成長層をサファイア基板から分離する方法として、GaNエピタキシャル成長層が形成されていないサファイア基板の裏面より短波長紫外高出力レーザを照射して界面のGaNを分解し、基板とGaNエピタキシャル成長層とを分離する、レーザリフトオフ法という方法も提案されている。このとき、HVPE法を用いた結晶成長により形成したGaN表面は凹凸が激しく、続けてGaN表面上にデバイス構造のエピタキシャル成長を行う場合には、GaN表面を原子レベルにまで平坦にする必要がある(例えば、非特許文献1参照)。また、前述のレーザリフトオフ後のGaN表面はサファイア基板裏面より照射されるレーザ光の不均一性あるいはサファイア基板との界面付近での結晶性の不均一性のために荒れた表面となる(例えば、非特許文献2参照)。従って、このレーザリフトオフ後にGaN表面にデバイスプロセスを行う場合には、GaN表面がより平坦であることが望ましく、結晶成長後のGaN表面と同様に平坦化を行う必要がある。そして、前述の平坦化は一般にダイヤモンド粉などの研磨材溶液を用いた研磨により行われている。
以下、従来のGaN表面の平坦化方法について説明する。
図7は、従来例におけるGaN基板の表面処理装置の構成を示す表面処理装置の断面図である。
この表面処理装置は、GaN基板表面の平坦化を行う研磨装置であって、GaN基板1を固定するウエハホルダ2と、ウエハホルダ2上に設置された荷重3と、研磨材を含む電解液4を供給する電解液供給口5と、装置筐体6と、装置筐体6上に設置された研磨パッド7とから構成される。
上記構成を有する表面処理装置においては、GaN基板1をウエハホルダ2上に例えばワックス等で固定し、GaN基板1と研磨パッド7との間に例えばダイヤモンド粉などの研磨材を含む電解液4を供給した後、GaN基板1に荷重をかけながらGaN基板1を回転させることで、研磨材によりGaN基板1の表面が研磨され、平坦化される。前述のレーザリフトオフされた後のGaN表面を平坦化する場合も同様である。なお、この平坦化はHVPE法により形成されたGaN基板を薄膜化する工程あるいはGaN基板の表面を鏡面にする工程、又はデバイスプロセス工程にてGaN基板の表面を平坦化する必要のある場合に使用される。
A.Usui et al., Mat.Res.Soc.Symp.Proc. Vol.639 (2001) G5.6.1-G.5.6.10 T.Ueda et al. Applied Surface Science Vol.216 (2003) p.512-518
しかしながら、従来のGaN表面の平坦化に適用される表面処理方法及び表面処理装置では、GaN表面の平坦化は研磨材を用いてGaN表面を削ることによってのみ行われるため、GaN表面を原子レベルにて平坦化する平坦性に優れた平坦化を実現することができない。
このとき、GaN表面を原子レベルにて平坦化する表面処理方法としては、ウェット化学エッチングにより平坦化する方法が考えられる。すなわち、GaN表面にて正孔を生じさせてGaN表面を酸化させ、酸化物を除去する方法が考えられる。しかしながら、一般にGaN表面についてはウェットエッチングを行うことが困難であり、より高速のエッチングを可能とするためにはGaN表面に電極を形成し、例えばKOH等の溶液中に電極を設置して電流を流しながらエッチングを行う必要があるため、この方法では高速な平坦化を容易に実現することができない。結果として、GaNに対しては、Si基板あるいはSi集積回路プロセス工程や基板研磨の最終工程で広く行われているエッチング溶剤を使っての研磨(化学研磨エッチング)を行う化学機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing: CMP)工程のような、高速でかつ平坦性に優れた平坦化を実現することができない。
そこで本発明は、前述の技術的課題に鑑み、高速でかつ平坦性に優れた窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能な表面処理方法及び表面処理装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の表面処理方法は、基板表面を平坦化する方法であって、金属微粒子を含む電解液に前記基板表面を接触させて、前記表面のエッチングを行うことにより、前記表面を平坦化することを特徴とする。ここで、前記エッチングは、前記電解液と接触する基板表面への光照射と共に行われることが好ましく、前記電解液には、研磨材が含まれ、前記エッチングは、前記表面の研磨と共に行われることが更に好ましい。
これにより、窒化物化合物半導体基板の表面の平坦化を行う場合には、電解液と接触する基板表面に紫外光が照射されると、基板表面での電子−正孔対形成及び窒化物化合物半導体の酸化・分解が促進され、電解液のみでは非常に困難であった大きなエッチングレートでの窒化物化合物半導体の化学エッチングが可能となる。その結果、高速でかつ平坦性に優れた窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。また、エッチングに研磨を組み合わせることができ、窒化物化合物半導体表面の化学研磨エッチングが可能となる。その結果、更に高速の窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。また、大きなエッチングレートを実現するために基板上に電極を設ける必要が無いので、高速な平坦化を容易に実現することが可能となる。
また、前記表面に照射される光のエネルギーは、前記基板の禁制帯幅よりも大きいことが好ましい。
これにより、光照射により基板表面に電子−正孔対が形成されるので、大きなエッチングレートでの窒化物化合物半導体の化学エッチングが可能となる。その結果、高速でかつ平坦性に優れた窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。
また、前記表面に照射される光は、レーザ光であることが好ましい。
これにより、基板表面に照射する光の光出力を大きくでき、より多くの電子−正孔対を形成させることができるので、更に大きなエッチングレートでの窒化物化合物半導体の化学エッチングが可能となる。その結果、更に高速の窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。
また、前記電解液への接触は、前記電解液への前記表面の含浸、又は前記電解液を浸潤させた保持材への前記表面の接触により行われることが好ましい。つまり、基板の一部を電解液に触れさせる手段が、基板を含浸させるという手段、基板に電解液を吹き付けるという手段、または電解液を浸潤させた保持材で基板を摩擦するという手段であることが好ましい。また、基板の一部を電解液に触れさせるに際し、基板と電解液との接触面に向けて光照射を行うことが更に好ましい。
これにより、窒化物化合物半導体基板表面の平坦化を行う場合には、窒化物化合物半導体表面近傍の内部電界により正孔の蓄積が促進されるので、高速でかつ平坦性に優れた窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。
また、前記金属微粒子は、Pt、Au又はAgから構成されることが好ましい。
これにより、金属微粒子が電子を放出しにくくなるので、更に大きなエッチングレートでの窒化物化合物半導体の化学エッチングが可能となる。その結果、更に高速の窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。
また、前記電解液内には、導電性部材が配置され、前記エッチングは、前記表面と前記導電性部材との間への電圧の印加と共に行われることが好ましい。
これにより、基板側に正電圧を印加してp型の半導体基板を平坦化する場合には、正孔が基板表面に蓄積されるので、基板表面付近での正孔濃度が増加し、エッチング速度を増加させることが可能となる。
また、前記エッチングは、前記基板の加熱と共に行われることが好ましい。
これにより、基板が加熱され、基板の反りが低減されるので、基板面内での均一性に優れた平坦化を行うことが可能となる。また、基板の加熱と同時に電解液も加熱されるので、電解液内での化学反応を促進し、エッチング速度を増加させることが可能となる。
また、前記基板は、窒素を含む化合物半導体から構成されることが好ましい。
これにより、例えば可視域・紫外発光ダイオード素子、青紫色半導体レーザ素子、あるいは高温高速高出力デバイスといったGaN系半導体デバイスの製造工程において、高速でかつ平坦性に優れた基板表面の平坦化を行うことが可能となる。
また、金属微粒子を含む電解液に基板の一部を触れさせることが好ましい。また、金属微粒子を含む電解液に基板の一部を触れさせ、電解液に触れた部分の基板表面をエッチングまたは研磨することが更に好ましい。
これにより、GaN表面での正孔の蓄積を促進し、表面エッチング速度を向上させることが可能となる。
また、金属微粒子を含む電解液に基板を触れさせる工程において、基板又は電解液を加熱することが好ましい。
これにより、基板表面にエピタキシャル成長層が形成された基板とエピタキシャル成長層との間に熱膨張係数差が存在し、基板が反っている場合には、基板を加熱することにより、基板の反りを緩和して均一に平坦化することが可能となる。また電解液を加熱することで、エッチング化学反応を促進し、より高速の表面エッチングを実現することが可能となる。
また、基板は単結晶基板とこの単結晶基板の上にエピタキシャル成長した半導体膜とにより構成されていることが好ましい。
これにより、例えばエピタキシャル成長後に荒れた表面を平坦化する、あるいは半導体レーザ素子等のデバイス構造が形成されたエピタキシャル成長層を薄膜化する際に、高速でかつ平坦性に優れた表面処理を行うことが可能となる。
また、基板が少なくとも2層の熱膨張係数の異なる材料により構成されていることが好ましい。
これにより、例えば基板がサファイア基板とその上に形成されたGaN系半導体薄膜とから構成されている場合、すなわち熱膨張係数差により基板が反っている場合には、基板を加熱することにより、基板の反りを緩和し、均一に平坦化することが可能となる。
また、基板がサファイア、SiC、GaN、AlN、MgO、LiGaO2、LiAlO2及びLiGaO2トLiAlO2混晶のうちのいずれかの基板と、その基板上に形成された窒素を含む化合物半導体とで構成されていることが好ましい。
これにより、結晶性に優れたGaN系半導体デバイスを形成できるので、より高性能な、例えば可視域・紫外発光ダイオード素子、青紫色半導体レーザ素子、あるいは高温高速高出力デバイスといったGaN系半導体デバイスを実現することが可能となる。
また、窒素を含む化合物半導体が基板の最表面層として形成されており、照射する光が水銀灯、He−Cdレーザ、YAGレーザの高調波及びエキシマレーザのいずれかにより構成されていることが好ましい。
これにより、GaN系半導体表面に多くの電子−正孔対を形成させることができるので、より高速の表面エッチングを実現することが可能となる。
また、基板が紫外光を透過する基板とその上に形成された窒化物化合物半導体層とから構成され、紫外光を透過する基板の窒化物化合物半導体が形成されていない側より紫外光を照射し、窒化物化合物半導体層と基板との界面にて窒化物化合物半導体を分解させて基板と窒化物化合物半導体層とを分離し、基板に接する形で形成されていた窒化物化合物半導体層表面を平坦化することが好ましい。
これにより、例えばサファイア基板上に形成されたGaN系半導体デバイス層を、サファイア基板裏面より例えばKrFエキシマレーザ等の短波長高出力パルスレーザを照射することによりサファイア基板から分離する、いわゆるレーザリフトオフ工程後のGaN系半導体表面に対して、高速かつ平坦性に優れた平坦化を行うことが可能となる。
また、本発明は、基板表面を平坦化する装置であって、金属微粒子を含む電解液を保持する保持手段と、前記基板表面を前記電解液に接触させる接触手段とを備えることを特徴とする表面処理装置とすることもできる。ここで、前記表面処理装置は、さらに、前記表面に光を照射する光源を備えることが好ましい。また、前記保持手段は、上方に開口を有する、前記電解液を保持する保持容器であり、前記接触手段は、前記基板を固定し、前記保持容器の上方から前記表面を前記電解液に含浸させることが好ましく、前記保持手段は、前記電解液を浸潤させることが可能な保持部材であり、前記接触手段は、前記基板を固定し、前記表面を前記保持部材に接触させることが更に好ましい。
これにより、電解液のみでは非常に困難であった大きなエッチングレートでの窒化物化合物半導体の化学エッチングが可能となるので、高速でかつ平坦性に優れた窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。また、大きなエッチングレートを実現するために基板上に電極を設ける必要が無いので、高速な平坦化を容易に実現することが可能となる。
また、前記光源は、レーザ光源であることが好ましい。
これにより、基板表面に照射する光の光出力が大きくなり、基板表面により多くの電子−正孔対を形成させることができるので、更に大きなエッチングレートでの窒化物化合物半導体の化学エッチングが可能となる。その結果、更に高速の窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。
また、前記表面処理装置は、さらに、前記表面と対向するように位置し、前記表面を研磨するための研磨パッドを備えることが好ましい。
これにより、窒化物化合物半導体表面の化学研磨エッチングが可能となるので、更に高速の窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。
また、前記表面処理装置は、さらに、前記表面と対向するように位置し、前記表面を研磨するための研磨パッドと、前記研磨パッドを跨いで前記基板と反対側に位置し、前記表面に光を照射する光源とを備え、前記研磨パッドは、開口部を有することが好ましい。
これにより、基板近傍にて光照射を行うことができるので、表面近傍での光強度が増し、基板表面で形成される電子−正孔対は増加し、更に高速の窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。
また、前記保持手段は、上方に開口を有する、前記電解液を保持する保持容器であり、前記接触手段は、前記基板を固定し、前記保持容器の上方から前記表面を前記電解液に含浸させ、前記表面処理装置は、さらに、前記表面と対向するように位置し、前記表面を研磨するための研磨パッドと、前記保持容器の側方に位置し、前記表面に光を照射する光源とを備え、前記保持容器の側部は、前記光源の発する光に対して透明であることが好ましい。
これにより、基板表面に照射する光として例えば光出力の大きなレーザ光を用いることで、基板横方向からの光照射でも十分な電子−正孔対を形成させることが可能となり、研磨パッドに開口部を形成する必要がなくなる。その結果、より簡単な装置構成の表面処理装置を実現することが可能となる。
また、前記表面処理装置は、さらに、前記表面と対向するように配置され、前記表面を研磨するための導電性の研磨パッドと、前記基板と接するように位置する電極と、前記電極と前記研磨パッドとの間に電圧を印加する電源とを備えることが好ましい。
これにより、例えば基板側に正電圧を印加してp型の半導体基板を平坦化する場合には、正孔が基板表面に蓄積されるので、基板表面での正孔濃度が増加し、エッチング速度を増加させることが可能となる。
また、前記表面処理装置は、さらに、前記基板を加熱するヒータを備えることが好ましい。
これにより、基板が加熱され、基板の反りが低減されるので、基板面内での均一性に優れた平坦化を行うことが可能となる。また、基板の加熱と同時に電解液も加熱されるので、電解液内での化学反応を促進し、エッチング速度を増加させることが可能となる。
また、研磨装置は、基板を固定するウエハホルダと、ウエハホルダに対向する位置に配置された研磨パッドと、基板と研磨パッドとの間に金属微粒子を含む電解液を供給する設備とを有することが好ましい。
これにより、電子を放出しにくい例えばPt等の金属材料により構成される金属微粒子を用いることにより、例えばGaN表面を平坦化する場合には、GaN表面での正孔の蓄積を促進させ、表面エッチング速度を向上させることが可能となる。
また、研磨装置は、さらに電解液に研磨材を含む形で供給する設備を有していることが好ましい。
これにより、化学エッチングと機械的な研磨を同時に行うことができるので、より高速な平坦化を実現することが可能となる。
以上説明したように、本発明の表面処理方法及び表面処理装置によれば、金属微粒子を含む電解液及び窒化物化合物半導体表面に照射される紫外光により窒化物化合物半導体表面での電子−正孔対形成及び窒化物化合物半導体の分解を促進でき、電解液のみでは非常に困難であった窒化物化合物半導体表面の化学研磨エッチングが可能となる。結果として、高速性と平坦性とを両立できる窒化物化合物半導体表面の平坦化が可能となる。また、平坦化される基板あるいは電解液を加熱することにより、より高速な平坦化が可能となる。基板と研磨パッドとの間に直流電圧を印加することにより、例えばp−GaN表面を平坦化する場合にはp−GaN表面での正孔濃度が増加し、結果として高速エッチングが可能となる。
以下、本発明の実施の形態における表面処理方法及び表面処理装置について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。
この表面平坦化装置は、GaN基板11表面の平坦化を行う装置であって、Pt微粒子及び例えばダイヤモンド粉等の研磨材を含むアルカリ電解液であるKOH電解液14を供給する電解液供給口15と、上方に開口を有し、電解液供給口15から供給されたKOH電解液14を保持する保持手段としての保持容器40と、GaN基板11を固定し、GaN基板11表面を保持容器40内のKOH電解液14に保持容器40の上方から含浸させてKOH電解液14に接触させるウエハホルダ12と、ウエハホルダ12上に設置され、ウエハホルダ12と共に接触手段を構成する荷重13と、装置筐体16と、保持容器40の底部を構成する石英板43上に設置されたGaN基板11表面を研磨するための研磨パッド17と、保持容器40下方の装置筐体16内部に位置する紫外光源42とから構成される。なお、微粒子とは、電解液中で良好な分散状態を維持することが可能な粒系が1μm以下のナノパーティクルを示す。
研磨パッド17は、研磨されるGaN基板11表面と対向するように位置し、微細な複数個の開口部が形成された例えば金属板あるいは合成ゴム等の樹脂から構成される。
紫外光源42は、研磨パッド17を跨いでGaN基板11と反対側に位置する例えば低圧水銀灯等の紫外光源であり、KOH電解液14と接触するGaN基板11表面に、GaN基板11の禁制帯幅よりも大きなエネルギーを持つ紫外光41を照射する。紫外光源42とGaN基板11との間に位置する石英板43は、この紫外光41に対して透明であり、石英板43を透過した紫外光41は、研磨パッド17の開口部を介してGaN基板11表面に照射される。
保持容器40内のKOH電解液14は、保持容器40の排出口(図外)及び電解液供給口15を介して循環されるかあるいは定期的に交換される。
次に図1を用い、本発明の第1の実施形態における表面平坦化方法について説明する。
上記構成を有する表面平坦化装置においては、GaN基板11をウエハホルダ12上に研磨面を下向きにして例えばワックス等で固定し、ウエハホルダ12上に設置された荷重13によりGaN基板11に荷重をかけ、保持容器40のKOH電解液14内で、GaN基板11表面を研磨パッド17に押し付けた後、ウエハホルダ12を回転させることで、GaN基板11の表面が研磨され、平坦化される。
このとき、この表面平坦化方法は、電解液としてPt微粒子を含むKOH電解液14を使用し、研磨パッド17中に存在する開口部を介してKOH電解液14内のGaN基板11表面に紫外光41を照射することで、GaN基板11表面に付着したPt微粒子を介しての光エッチングを行っている点で従来の表面平坦化装置と大きく異なっている。
以下にGaN基板11への光照射あるいはGaN基板11への電圧印加によるウェットエッチングの機構について解説する。C-Y.Fangらによれば(Jpn. J.Appl.Phys. Vol.42 (2203) pp.4207-4212参照)、GaNのウェットエッチングは下記の化学反応式により表される。
GaN(s)→GaN(s)+e-+h+
2GaN*+6h++3H2O(l)→Ga23(s)+N2(g)+6H+(aq)
Ga23(s)+3H2O(l)→2Ga3+(aq)+6OH-(aq)
すなわち、GaN表面に紫外光が照射されると電子−正孔対が形成され、この正孔及びH2OがGaNと反応してGaNが酸化され、GaNの酸化物が溶解することでGaNのエッチングが進行する。n型GaNの場合には電子を逃がす工夫によりエッチングを生じ易くすることができ、p型GaNの場合には例えばGaN基板11側が正電位になるようにバイアスを印加する等してGaN基板1表面付近に正孔を蓄積させることでエッチングを生じ易くすることができる(例えばJ-W.Yang et al. Electronics Letters Vol.36 (2000) p88-90参照)。本実施形態では、KOH電解液14に添加されるPt微粒子は大きな電気陰性度を有し、電子を放出しにくいので、n型GaNの場合には紫外光41を照射した際にGaN基板11表面に正孔が蓄積し易く、化学エッチングを生じ易くすることができる。また、p型GaNの場合には前述のPt微粒子は電圧印加した際の溶液側の電極としても機能し、結果として、化学エッチングを生じ易くすることができる。
従って、本実施形態における表面平坦化方法及び表面平坦化装置においては、GaN基板表面を研磨する際に、Pt微粒子を含むアルカリ電解液にGaN基板表面を接触させ、そのアルカリ電解液と接触するGaN基板表面に研磨パッド内の開口部を介して紫外光を照射する。その結果、GaN基板表面での電子−正孔対形成及びGaNの分解を促進でき、電解液のみでは非常に困難であったGaN表面の高速の化学エッチングが可能となる。これにより、高速のエッチング及び研磨を組み合わせたGaN基板の平坦化が可能となり、高速でかつ平坦性に優れたGaN表面の平坦化が可能な表面平坦化方法及び表面平坦化装置を実現することができる。
なお、本実施形態の表面平坦化方法及び表面平坦化装置において、GaN基板上には例えば青紫色半導体レーザ素子等が形成されたエピタキシャル成長層、あるいは例えば青紫色半導体レーザ素子等のデバイス構造が形成されていてもよく、本実施形態における表面平坦化方法及び表面平坦化装置は、それらが形成されていないGaN基板の裏面を研磨・エッチングして薄膜化する工程で使用されてもよい。
また、本実施形態の表面平坦化方法及び表面平坦化装置において、アルカリ電解液に含まれる金属微粒子としてPt微粒子を例示したが、電気陰性度が1ポーリング以上と大きく、水素よりもイオン化し難い金属元素から構成される金属微粒子であればこれに限られず、例えばAu及びAg等の電気陰性度がそれぞれ2.4ポーリング及び1.9ポーリングの金属元素から構成される金属微粒子であっても良い。これにより、金属微粒子は電子を放出しにくい材料から構成されることになるので、例えばGaN基板表面での正孔の蓄積を促進でき、更に高速の平坦化が可能な表面平坦化方法及び表面平坦化装置を実現することができる。
また、本実施形態の表面平坦化方法及び表面平坦化装置において、平坦化される基板としてGaN基板を例示したが、窒素を含む化合物半導体であればこれに限られない。
また、本実施形態の表面平坦化装置は、電解液供給口と接続され、電解液、研磨材及び金属微粒子を混合する混合部を有してもよい。また、保持容器40内には、研磨材及び金属微粒子が電解液に均一に拡散した状態を維持するための攪拌等を行う拡散維持部が設けられてもよい。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。
この表面平坦化装置は、GaN基板51表面の平坦化を行う装置であって、Pt微粒子及び研磨材を含むKOH電解液14を供給する電解液供給口15と、保持容器40と、GaN基板51を固定し、GaN基板51表面を保持容器40内のKOH電解液14に保持容器40の上方から含浸させてKOH電解液14に接触させるウエハホルダ52と、ウエハホルダ52と共に接触手段を構成する荷重13と、装置筐体16と、保持容器40の底部を構成する石英板43上に設置されたGaN基板51表面を研磨するための研磨パッド44と、GaN基板51の禁制帯幅よりも大きなエネルギーを持つ紫外光41をGaN基板51表面に照射する紫外光源42と、GaN基板51と接するように位置する電極ピン46と、電極ピン46と研磨パッド44との間に電圧を印加する直流電源45とから構成される。GaN基板51は、単結晶基板としてのサファイア基板上に例えば有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition: MOCVD)によりGaN薄膜を形成して構成される。
研磨パッド44は、研磨されるGaN基板51表面と対向するように位置し、微細な複数個の開口部が形成された例えば金属板等から構成される導電性部材である。
ウエハホルダ52には、ヒータ電源48と接続された基板ヒータ47が取り付けられている。
次に図2を用い、本発明の第2の実施形態における表面平坦化方法について説明する。
上記構成を有する表面平坦化装置においては、GaN基板51をウエハホルダ52上に研磨面を下向きにして例えばワックス等で固定し、ウエハホルダ52上に設置された荷重13によりGaN基板51に荷重をかけ、保持容器40のKOH電解液14内で、GaN基板51表面を研磨パッド44に押し付けた後、ウエハホルダ52を回転させることで、GaN基板51の表面が研磨され、平坦化される。
このとき、この表面平坦化方法は、ウエハホルダ52の基板ヒータ47によりGaN基板51を加熱し、GaN基板51の反りを低減しているという点で第1の実施形態の表面平坦化方法と異なっている。一般にGaN薄膜をサファイア基板上にエピタキシャル成長してGaN基板51を形成した場合には、両者の熱膨張係数の差によりGaN基板51は凸に反る。しかし、本実施形態の表面平坦化方法においては、基板ヒータ47により研磨中に例えば500℃程度にGaN基板51が加熱されるために、GaN基板51の反りは緩和されて平坦な表面となる。その結果、GaN基板51面内での均一性に優れたエッチング及び研磨を行うことが可能となる。また、研磨時にGaN基板51に与えるストレスが小さくなるので、研磨時における基板の割れ等を防止することが可能となる。なお、GaN基板51をウエハホルダ52に固定するワックスあるいは接着剤としては、500℃以上の耐熱性を有し、このような温度においてもGaN基板51を保持することが可能なワックスあるいは接着剤が選択されて使用される。
また、この表面平坦化方法は、GaN基板51のGaN薄膜表面に接する形で設置された電極ピン46と、導電性材料から構成される研磨パッド44との間に直流電源45により直流電圧を印加することで、化学ウェットエッチングを更に促進させているという点で第1の実施形態の表面平坦化方法と異なっている。p型のGaN薄膜がGaN基板51表面に形成されている場合には、KOH電解液14を介し、研磨パッド44とGaN基板51との間に直流電圧を印加することにより、正孔をGaN基板51表面に蓄積させることができる。その結果、特にp型のGaN薄膜の化学ウェットエッチングを促進し、ウェットエッチング速度を増加させることが可能となる。
さらに、この表面平坦化方法は、基板ヒータ47によりGaN基板51を加熱すると同時にKOH電解液14を加熱することで、KOH電解液14内での化学反応を促進し、ウェットエッチング速度を増加させているという点で第1の実施形態の表面平坦化方法と異なっている。
従って、本実施形態における表面平坦化方法及び表面平坦化装置においては、研磨パッドを用いてGaN基板表面を研磨する際に、Pt微粒子を含むアルカリ電解液にGaN基板表面を接触させ、そのアルカリ電解液と接触するGaN基板表面に研磨パッド内の開口部を介して紫外光を照射し、さらにGaN基板表面と研磨パッドとの間に直流電圧を印加する。その結果、GaN基板表面での電子−正孔対形成及びGaNの分解を促進でき、第1の実施形態の表面平坦化方法及び表面平坦化装置に比べて更に高速の化学エッチングが可能となる。また、GaN基板を加熱し、GaN基板の反りを低減できるので、面内での均一性に優れたエッチング及び研磨を行うことが可能となる。さらに、GaN基板の加熱により電解液も加熱されるので、更に高速の化学エッチングが可能となる。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。
この表面平坦化装置は、GaN基板51表面の平坦化を行う装置であって、Pt微粒子及び研磨材を含むKOH電解液14を供給する電解液供給口15と、保持容器40と、ウエハホルダ52と、荷重13と、装置筐体16と、保持容器40の底部上に設置されたGaN51表面を研磨するための研磨パッド67と、直流電源45と、電極ピン46とから構成される。GaN基板51は、サファイア基板上に例えばMOCVD法によりGaN薄膜を形成して構成される。
研磨パッド67は、研磨されるGaN基板51表面と対向するように位置し、例えば金属板等から構成される導電性部材である。
ウエハホルダ52には、ヒータ電源48と接続された基板ヒータ47が取り付けられている。
次に図3を用い、本発明の第3の実施形態における表面平坦化方法について説明する。
上記構成を有する表面平坦化装置においては、GaN基板51をウエハホルダ52上に研磨面を下向きにして例えばワックス等で固定し、ウエハホルダ52上に設置された荷重13によりGaN基板51に荷重をかけ、保持容器40のKOH電解液14内で、GaN基板51表面を研磨パッド67に押し付けた後、ウエハホルダ52を回転させることで、GaN基板51の表面が研磨され、平坦化される。
従って、本実施形態における表面平坦化装置は、第2の実施形態の表面平坦化装置と同様の電源及び電極を有しているが、本実施形態の表面平坦化装置では、p型のGaN薄膜がGaN基板51表面に形成されている場合、GaN基板51側が正電位になるようにバイアスを印加してGaN基板51表面付近に正孔を蓄積させ、ウェットエッチング速度を増加させる。よって、第2の実施形態の表面平坦化装置のように、ウェットエッチング速度を増加させるために、紫外光をGaN基板51に照射しないので、紫外光を出射する光源が不要となり、表面平坦化装置を小型化することが可能となる。また、本実施形態に示す表面平坦化装置は、特にp型のGaN薄膜の化学ウェットエッチングを促進させるので、選択エッチングが可能となる。
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。
この表面平坦化装置は、GaN基板51表面の平坦化を行う装置であって、Pt微粒子及び研磨材を含むKOH電解液14を供給する電解液供給口15と、電解液供給口15から供給されたKOH電解液14を浸潤して保持する保持手段としてのスポンジ状の保持部材60と、ウエハホルダ52と、荷重13と、装置筐体16と、保持部材60と接するように保持部材60の下方に設置されたGaN基板51表面を研磨するための研磨パッド67と、直流電源45と、電極ピン46とから構成される。
ウエハホルダ52には、ヒータ電源48と接続された基板ヒータ47が取り付けられている。
次に図4を用い、本発明の第4の実施形態における表面平坦化方法について説明する。
上記構成を有する表面平坦化装置においては、GaN基板51をウエハホルダ52上に研磨面を下向きにして例えばワックス等で固定し、ウエハホルダ52上に設置された荷重13によりGaN基板51に荷重をかけ、GaN基板51表面を保持部材60に接触させつつ、GaN基板51表面を研磨パッド67に押し付けた後、ウエハホルダ52を回転させることで、GaN基板51の表面が研磨され、平坦化される。
従って、本実施形態における表面平坦化装置は、第3の実施形態の表面平坦化装置と同様に、表面平坦化装置を小型化することが可能となる。
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。
この表面平坦化装置は、GaN基板11表面の平坦化を行う装置であって、Pt微粒子及び研磨材を含むKOH電解液14を供給する電解液供給口15と、ウエハホルダ12と、荷重13と、保持容器40と、保持容器40の側方に配置された紫外レーザ光源72と、保持容器40の底部上に設置されたGaN基板11表面を研磨するための研磨パッド75と、装置筐体16とから構成される。
紫外レーザ光源72は、KOH電解液14と接触するGaN基板11表面に、GaN基板11の禁制帯幅よりも大きなエネルギーを持つ紫外レーザ光74を照射する。紫外レーザ光源72とGaN基板11との間に位置し、保持容器40の側部を構成する石英板73は、この紫外レーザ光74に対して透明であり、紫外レーザ光74は石英板73を透過する。
研磨パッド75は、研磨されるGaN基板11表面と対向するように位置し、例えば金属板あるいは合成ゴム等の樹脂から構成されている。
次に図5を用い、本発明の第5の実施形態における表面平坦化方法について説明する。
上記構成を有する表面平坦化装置においては、GaN基板11をウエハホルダ12上に研磨面を下向きにして例えばワックス等で固定し、ウエハホルダ12上に設置された荷重13によりGaN基板11に荷重をかけ、保持容器40のKOH電解液14内で、GaN基板11表面を研磨パッド75に押し付けた後、ウエハホルダ12を回転させることで、GaN基板11の表面が研磨され、平坦化される。
このとき、この表面平坦化方法は、GaN基板11に照射する光として水銀灯の光では無く例えばYAGレーザの3次高調波等の紫外レーザ光を用いているという点と、研磨パッド75に開口部を設けること無く、研磨パッド75の周辺部にアレイ状に光源を配置して、GaN基板11の側方から石英板73を介して光をGaN基板11表面に照射しているという点とで第1の実施形態の表面平坦化方法と異なっている。GaN基板11に照射する光としてレーザ光を用いることで、例えば高圧水銀灯等の紫外光源に比べて照射光強度が十分強くなるので、第1の実施形態の表面平坦化装置で示したような、GaN基板11表面の近傍に光源を配置し、研磨パッドの開口部を介して紫外光を照射する必要がなくなる。その結果、表面平坦化装置を小型化できるとともに、光強度が強く、特にn型GaN基板についてより大きなエッチング速度を実現することが可能となる。
従って、本実施形態における表面平坦化方法及び表面平坦化装置においては、GaN基板表面を研磨する際に、Pt微粒子を含むアルカリ電解液にGaN基板表面を接触させ、そのアルカリ電解液と接触するGaN基板表面に研磨パッド周辺部より紫外レーザ光を照射する。その結果、GaN基板表面での電子−正孔対形成及びGaNの分解を大きく促進させることができるので、第1の実施形態の表面平坦化装置に比べて更に高速の化学エッチングが可能な小型の表面平坦化装置を実現できる。
なお、本実施形態の表面平坦化方法及び表面平坦化装置においては、YAGレーザの3次高調波を用いてGaN基板表面への光照射を行ったが、He−Cdレーザ又はエキシマレーザを用いてGaN基板表面への光照射を行ってもよい。
(第6の実施形態)
図6A〜6Hは、本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。
まず、図6Aに示されるように、例えばサファイア基板19上にMOCVD法により、n型InGaAlN層20、InGaAlN活性層21及びp型InGaAlN層22を順次形成し、さらにp層側ITO透明電極23を電子ビーム蒸着により形成した後に、例えばRFスパッタ法によりSiO2/Ta25多層膜25を形成する。このとき、InGaAlN活性層21から発光する光の波長に対して十分大きな反射率となるようにSiO2/Ta25多層膜25の構造が決定され、例えばInGaAlN活性層21から波長340nmの光が発光する場合には、SiO2膜80nm、Ta25膜53nmが10ペア積層された構造とされる。その後、SiO2/Ta25多層膜25の一部を例えばフッ化水素酸を用いたウェットエッチングにより選択的に除去し、p層側ITO透明電極23及びSiO2/Ta25多層膜25の最上層に接する形で電子ビーム蒸着によりPt/Au電極24を形成する。
次に、図6Bに示されるように、前述のPt/Au電極24のAu層を下地層として層厚が約50μmのAuメッキ26を形成する。
次に、図6Cに示されるように、基板面内をスキャンする形でサファイア基板19の裏面からYAGレーザの第3高調波(波長355nm)を照射する。照射されたレーザ光はサファイア基板19で吸収されず、GaNでのみ吸収されるので、局所的な発熱によりサファイア基板19とn型InGaAlN層20との界面付近にてGaNの結合が分解する(これをレーザリフトオフ技術と呼ぶ)。これによりサファイア基板19が分離し、GaN系半導体材料から構成されるデバイス構造を得ることができる。
このとき、サファイア基板19より分離したn型InGaAlN層20の表面は、界面でのGaNの分解が不均一であるために、図6Dに示されるように、例えばRMS30nm程度の荒れた表面となる。このように表面が平坦でないのは、照射するレーザ光の不均一性あるいはサファイア基板19上に形成されたGaN初期成長層の結晶性の不均一性等がその理由として考えられる。
次に、図6Eに示されるように、この荒れた表面に対し、第1〜第5の実施形態にて示した表面平坦化方法及び表面平坦化装置を用いて、平坦化処理を行う。すなわち、レーザリフトオフ技術を用いたサファイア基板からの分離により露出したn型InGaAlN層20表面に対して、研磨材及びPt微粒子を含むKOH電解液を用いたエッチング及び研磨を行う。これにより、高速にかつ平坦性に優れた平坦化を実現することができる。
次に、図6Fに示されるように、平坦化されたn型InGaAlN層20、InGaAlN活性層21及びp型InGaAlN層22を、p層側に形成したSiO2/Ta25多層膜25を含む形で選択的にエッチングする。
次に、図6Gに示されるように、平坦化されたn型InGaAlN層20上に、開口部を有するSiO2薄膜27を形成する。SiO2薄膜27の開口部は、p層側に形成したSiO2/Ta25多層膜25の上部に位置する形で形成されている。その後、n層側ITO透明電極28及びn層側のSiO2/Ta25多層膜29を形成する。このSiO2/Ta25多層膜29もp層側のSiO2/Ta25多層膜25と同様、InGaAlN活性層21から発光する光の波長に対して大きな反射率を有するように膜厚が設計されている。
最後に、図6Hに示されるように、n層側ITO透明電極28に接する形で、Ti/Au電極30を形成する。
従って、本実施形態における面発光レーザ素子の製造方法においては、GaN系の面発光レーザ構造がサファイア基板上に形成され、サファイア基板の裏面より短波長高出力紫外パルスレーザを照射してサファイア基板を分離する。そして、この分離により露出したInGaAlN層表面を、研磨剤及びPt微粒子を含むアルカリ電解液を用いて化学研磨エッチングし、平坦化する。その結果、平坦化されたInGaAlN層表面に例えば誘電体多層膜のような高反射ミラー構造を形成することにより発光波長に対する反射率を増大させ、GaN系の面発光レーザ素子を容易に実現することが可能となる。また、均一にかつ再現性良くInGaAlN層表面を平坦化できるので、面発光レーザ素子を高歩留まりにて再現性良く形成することが可能となる。
以上、本発明に係る表面処理方法及び表面処理装置について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能であることはいうまでもない。
例えば、第1〜第5の実施形態において用いた基板は、GaAs基板やInP基板等のGaN基板以外のいかなる基板でも良く、基板はいかなる面方位でも良い。また、基板を構成するエピタキシャル成長層は、GaN系半導体であればInGaAlNのいかなる組成でも良く、As及びP等のV族元素あるいはB等のIII族元素を構成元素として含んでいてもよい。さらにその結晶成長方法はMOCVD法、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy: MBE)法、あるいはHVPE法のいずれか、あるいはその複数により構成される形でも良い。さらにまた、エピタキシャル成長層は、SiC、GaN、AlN、MgO、LiGaO2、LiAlO2及びLiGaO2とLiAlO2との混晶のうちいずれかの基板上に形成されてもよい。
また、各実施形態における表面平坦化方法及び表面平坦化装置は、半導体レーザ素子、発光ダイオード素子あるいは電界効果トランジスタ素子等のデバイス構造が形成された後、又はこれらのデバイスの工程中にエピタキシャル成長層を平坦化する工程に使用される形でも良い。
本発明にかかる表面処理方法及び表面処理装置は、窒化物化合物半導体から構成される高密度光ディスク用半導体レーザ素子、各種表示用あるいは照明用発光ダイオード素子又は高周波通信用あるいは大電力用電界効果トランジスタ集積回路が形成された基板の表面平坦化方法及び表面平坦化装置に適用できると共に、デバイス表面の研磨あるいはエッチング工程に適用でき、非常に有用である。
本発明の第1の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。 本発明の第3の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。 本発明の第4の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。 本発明の第5の実施形態における表面平坦化装置の構成を示す表面平坦化装置の断面図である。 本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。 本発明の第6の実施形態における面発光レーザ素子の製造方法を示す面発光レーザ素子の断面図である。 従来例における表面処理装置の構成を示す表面処理装置の断面図である。
符号の説明
1、11、51 GaN基板
2、12、52 ウエハホルダ
3、13 荷重
4、14 KOH電解液
5、15 電解液供給口
6、16 装置筐体
7、17、44、67、75 研磨パッド
40 保持容器
41 紫外光
42 紫外光源
43、73 石英板
45 直流電源
46 電極ピン
47 基板ヒータ
48 ヒータ電源
60 保持部材
72 紫外レーザ光源
74 紫外レーザ光
19 サファイア基板
20 n型InGaAlN層
21 InGaAlN活性層
22 p型InGaAlN層
23 p層側ITO透明電極
24 Pt/Au電極
25、29 SiO2/Ta25多層膜
26 Auメッキ
27 SiO2薄膜
28 n層側ITO透明電極
30 Ti/Au電極

Claims (20)

  1. 基板表面を平坦化する方法であって、
    金属微粒子を含む電解液に前記基板表面を接触させて、前記表面のエッチングを行うことにより、前記表面を平坦化する
    ことを特徴とする表面処理方法。
  2. 前記エッチングは、前記電解液と接触する基板表面への光照射と共に行われる
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  3. 前記表面に照射される光のエネルギーは、前記基板の禁制帯幅よりも大きい
    ことを特徴とする請求項2記載の表面処理方法。
  4. 前記表面に照射される光は、レーザ光である
    ことを特徴とする請求項2記載の表面処理方法。
  5. 前記電解液への接触は、前記電解液への前記表面の含浸、又は前記電解液を浸潤させた保持材への前記表面の接触により行われる
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  6. 前記金属微粒子は、Pt、Au又はAgから構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  7. 前記電解液には、研磨材が含まれ、
    前記エッチングは、前記表面の研磨と共に行われる
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  8. 前記電解液内には、導電性部材が配置され、
    前記エッチングは、前記表面と前記導電性部材との間への電圧の印加と共に行われる
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  9. 前記エッチングは、前記基板の加熱と共に行われる
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  10. 前記基板は、窒素を含む化合物半導体から構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  11. 基板表面を平坦化する装置であって、
    金属微粒子を含む電解液を保持する保持手段と、
    前記基板表面を前記電解液に接触させる接触手段とを備える
    ことを特徴とする表面処理装置。
  12. 前記表面処理装置は、さらに、前記表面に光を照射する光源を備える
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
  13. 前記光源は、レーザ光源である
    ことを特徴とする請求項12記載の表面処理装置。
  14. 前記保持手段は、上方に開口を有する、前記電解液を保持する保持容器であり、
    前記接触手段は、前記基板を固定し、前記保持容器の上方から前記表面を前記電解液に含浸させる
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
  15. 前記保持手段は、前記電解液を浸潤させることが可能な保持部材であり、
    前記接触手段は、前記基板を固定し、前記表面を前記保持部材に接触させる
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
  16. 前記表面処理装置は、さらに、前記表面と対向するように位置し、前記表面を研磨するための研磨パッドを備える
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
  17. 前記表面処理装置は、さらに、
    前記表面と対向するように位置し、前記表面を研磨するための研磨パッドと、
    前記研磨パッドを跨いで前記基板と反対側に位置し、前記表面に光を照射する光源とを備え、
    前記研磨パッドは、開口部を有する
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
  18. 前記保持手段は、上方に開口を有する、前記電解液を保持する保持容器であり、
    前記接触手段は、前記基板を固定し、前記保持容器の上方から前記表面を前記電解液に含浸させ、
    前記表面処理装置は、さらに、
    前記表面と対向するように位置し、前記表面を研磨するための研磨パッドと、
    前記保持容器の側方に位置し、前記表面に光を照射する光源とを備え、
    前記保持容器の側部は、前記光源の発する光に対して透明である
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
  19. 前記表面処理装置は、さらに、
    前記表面と対向するように配置され、前記表面を研磨するための導電性の研磨パッドと、
    前記基板と接するように位置する電極と、
    前記電極と前記研磨パッドとの間に電圧を印加する電源とを備える
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
  20. 前記表面処理装置は、さらに、前記基板を加熱するヒータを備える
    ことを特徴とする請求項11記載の表面処理装置。
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