JP2006024826A - 電気二重層キャパシタ電極用炭素材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 静電容量保持率の低下が少ない電気二重層キャパシタ電極用炭素材料を簡便な方法で安価に提供する。
【解決手段】 コークスを、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理したのち有機性ガスを含む雰囲気下で熱処理することによって得られる電気二重層キャパシタ電極用炭素材料およびその製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 コークスを、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理したのち有機性ガスを含む雰囲気下で熱処理することによって得られる電気二重層キャパシタ電極用炭素材料およびその製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は長期の使用において静電容量密度低下が少ない電気二重層キャパシタおよび該電極用炭素材料の製造方法に関する。
近年、省資源や環境問題の意識の高まりとともに、蓄電システムの開発が急速に進んでいる。蓄電デバイスとしては種々の二次電池があげられる。その中で、電気二重層キャパシタは、急速充放電が可能で、出力密度が大きく、化学反応を伴わないため充放電による劣化が少なく長寿命であるなど、優れた特長を有しており、車載用電源、電子情報機器のメモリーバックアップ電源、夜間電力貯蔵、ソーラーシステム電力貯蔵、非常用電源、補助電源など、今後ますますその用途開発が期待されている。
電気二重層キャパシタは分極性電極と電解質界面に生じる電気二重層を利用するものであるが、そのエネルギー密度等の基本的性能を決定する一つが、分極性電極である。この分極性電極は、電気的、化学的に安定であること、更に、多くの電気二重層を生じさせて高いエネルギー密度を得るためには、電解質を保持する適当な細孔の空隙が多いことが必要とされていた。このため、一般的に、分極性電極は高比表面積を有する活性炭を主材料とすることが多い。活性炭としては、その原料としてヤシ殻、フェノール樹脂、ピッチ等が挙げられる。特に近年、ピッチ等の原料からなる黒鉛類似の層状結晶構造を有する微結晶炭素を水酸化アルカリ金属で賦活処理を行い、得られた炭素材を分極性電極の主材料とする方法が多く報告されており、その炭化、賦活処理方法が開示されている(特許文献1〜8参照)。
これらのピッチ等の原料から得られる黒鉛類似の層状結晶構造を有する微結晶炭素(以下、易黒鉛化炭素原料炭という)の水酸化アルカリ賦活炭は、前述のヤシ殻原料、フェノール樹脂原料から得られる炭素の水蒸気活性炭よりも比表面積は小さいことが多いが、電気二重層キャパシタの分極性電極として用いた場合、より高い静電容量密度が得られることが知られている。
しかしながら、易黒鉛化炭素原料炭から得られる水酸化アルカリ金属賦活炭を用いた電気二重層キャパシタは、ヤシ殻原料、フェノール樹脂原料を用いた場合と比較して繰り返し使用時の静電容量密度の低下が大きいことが欠点であった。その低下の原因の一つとして、水酸化アルカリ金属賦活炭はCOOH、CHO、OH等の含ヘテロ元素官能基が多く、この官能基と電解質が化学的に反応し、この時に発生するガスや反応生成物が炭素材の空隙を塞ぐ等の種々の問題を引き起こし、結果的に、繰り返し使用時の静電容量密度を低下させるものと推測される(静電容量保持率の低下)。
水酸化アルカリ金属賦活炭の含ヘテロ元素官能基は、熱処理することによりCO2、H2O、CO等の形で脱離して、除去することは可能であり、既にその方法は開示されている(特許文献9および10参照)。特許文献9では、賦活処理後に、遷移金属触媒存在下のもと水素ガス、アンモニアガス気流下で熱処理することにより、含ヘテロ元素官能基を脱離させる方法が記載されている。しかし、この方法では、熱処理後、触媒を分離する煩雑な工程が必要であり、静電容量保持率を向上させる簡便な電気二重層キャパシタ用炭素材料の製造方法が望まれていた。
特開平5−258996号 公報
特開平10−199767号 公報
特開平11−135380号 公報
特開平11−222732号 公報
特開2002−15958号 公報
特開2002−25867号 公報
特開2003−206121号 公報
国際公開第00/11688号 パンフレット
特開2002−25867号 公報
特開2002−362912号 公報
上記問題を克服し、静電容量保持率の低下が少ない電気二重層キャパシタ電極用炭素材料を簡便な方法で安価に提供する。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、水酸化アルカリ金属賦活炭を特定の条件下で熱処理することにより、静電容量保持率の低下が少ない電気二重層キャパシタを与える炭素材料が得られることを見出し本発明に至った。すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)コークスを、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理したのち有機性ガスを含む雰囲気下で熱処理することによって得られる電気二重層キャパシタ電極用炭素材料。
(2)コークスを、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理したのち有機性ガスを含む雰囲気下で熱処理する電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(3)熱処理が、600℃〜1200℃の温度範囲で行われる上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(4)有機性ガスが、低級アルコールガス、または低級アルコールの有機酸エステルガスである上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(5)有機性ガスが、メタノールガス、または蟻酸メチルガスである上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(6)有機性ガスをニッケル、鉄、またはコバルトを含む金属と接触させる上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(7)熱処理用の炉材または容器に、ニッケル、鉄、またはコバルトを含む金属を用いる上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(1)コークスを、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理したのち有機性ガスを含む雰囲気下で熱処理することによって得られる電気二重層キャパシタ電極用炭素材料。
(2)コークスを、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理したのち有機性ガスを含む雰囲気下で熱処理する電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(3)熱処理が、600℃〜1200℃の温度範囲で行われる上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(4)有機性ガスが、低級アルコールガス、または低級アルコールの有機酸エステルガスである上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(5)有機性ガスが、メタノールガス、または蟻酸メチルガスである上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(6)有機性ガスをニッケル、鉄、またはコバルトを含む金属と接触させる上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
(7)熱処理用の炉材または容器に、ニッケル、鉄、またはコバルトを含む金属を用いる上記(2)記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
本発明の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料は高い静電容量保持率を与える。また、該炭素材料の製造方法は簡便であり該炭素材料を安価に製造できる。
本発明に用いられるコークスとしては、石油系コークス、石炭系コークスが挙げられる。本発明に用いられるコークスは石油重質油や石炭系重質油から製造されるものであり、ニードルコークス、セミコークス、ピッチコークス、鋳物用コークス、溶鉱炉用コークス、ガス化用コークスなどが例示できる。これらをそのまま用いることもできるが、これらを550〜950℃の温度で0.5〜10時間の熱処理を行ってから用いてもよい。
また、本発明に用いられるコークスは、石油系ピッチ、石炭系ピッチまたは合成系ピッチを出発原料として、これらを熱処理することによってコークス化したものでもよい。この場合は、揮発成分を除去する工程と、これを更に高い温度で熱処理することにより微結晶構造を発達させる仮焼工程、および、これらの連続した工程から得られる。これらの工程は一般的には不活性ガス雰囲気下で行われる。揮発成分を除去する工程は、550℃以下で行うが、温度、時間は特に限定されない。仮焼工程は、550〜950℃で0.5〜10時間行うが、好ましくは、600〜850℃で1〜5時間行う。また、この二つの工程を連続して行うこともできる。これらの工程前の原料の形状は特に限定されない。
上述のように本発明に用いられるコークスとしては、石油系コークス、石炭系コークス、または合成系コークスが挙げられ特に限定されないが、合成系ピッチを熱処理して得られる合成系コークスは、石油系コークスや石炭系コークスに比べて化学純度や品質安定性の点で優れているため好適に用いられる。
また、合成系コークスの原料となる合成系ピッチとしては、弗化水素および三弗化硼素の存在下で縮合多環炭化水素またはこれを含有する物質を重合させることによって得られるピッチが好適に用いられる。このような合成系ピッチは、特許第2931593号公報、特許第2621253号公報、または特許第2526585号公報に示されるように、ナフタレン、モノメチルナフタレン、ジメチルナフタレン、アントラセン、フェナントレン、アセナフテン、ピレン等ならびにこれらの骨格を有する縮合多環炭化水素、およびこれらの混合物ないしこれらを含有する物質を重合させて得られるものである。
上記のコークスは、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理される。この水酸化アルカリ金属による賦活処理は、アルカリ金属がコークス中の微結晶構造を侵食し、あるいは微結晶構造の層間に作用するものである。このようにして得られた賦活炭は、電解質を保持する適当な細孔の空隙を形成し、或いは、充放電時に電解質のインターカレーションで空隙を形成され易い形態となり、電気二重層キャパシタ電極炭素材料に好適な性能が付与される。
水酸化アルカリ金属としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。ここでは水酸化カリウムを使うが、これらの混合物であっても良い。また、賦活処理前のコークスの形状は微粉が好ましいが特に粒度の限定はされない。水酸化アルカリ金属とコークスの混合割合は水酸化カリウムの場合、コークス1重量部に対して、水酸化カリウムは1〜4重量部、好ましくは2重量部である。賦活処理は、550〜900℃の温度で0.5〜10時間行うが、好ましくは650〜750℃の温度で1〜3時間である。
こうして得られた賦活炭は、洗浄を行って水酸化アルカリ金属成分を除去する。洗浄方法は特に限定されないが、一般的には、水洗浄、スチーム洗浄、希塩酸洗浄、或いは、これらの洗浄の組み合わせでできる。洗浄は、水酸化アルカリ金属成分や、洗浄に用いた酸分が溶出しなくなるまで、可能な限り洗浄しなければならない。これらの成分が残存すると、キャパシタの長期性能に悪影響を及ぼすとされている。得られた賦活炭は加熱乾燥するが、加熱時の酸化を抑えるため、不活性ガス中、或いは真空で乾燥することが好ましい。
得られた賦活炭の比表面積は数10〜1000m2/gと広い範囲にあり、原料、仮焼温度、賦活温度、それらの時間に大きく影響される。概して、仮焼温度、賦活温度が高いほど、また、それらの時間が長いほど、比表面積が小さくなる傾向を示す。該賦活炭の比表面積は、好ましくは300〜800m2/gである。
賦活処理後の熱処理における雰囲気ガスは、低級アルコール、低級アルコールの有機酸エステルが挙げられる。また低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。低級アルコールの有機酸エステルとしては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル等が挙げられる。また、該有機性ガスは、これらのガスを組み合わせてもよいしアルゴンや窒素などの不活性ガスで希釈しても良い。該ガスの濃度は0.1〜100vol%であり、好ましくは20〜100vol%である。有機性ガスの流量(GHSV)は100〜100000hr−1であり、好ましくは、500〜5000hr−1である。
熱処理は、通常600〜1200℃で0.5〜2時間行う。また、有機性ガスが、該熱処理温度において、賦活炭とともに、ニッケル、鉄、またはコバルトを含む金属と接触することが好ましい。これは、有機性ガスがこれらの金属成分と接触して、分解により生じた炭素成分が有効に作用していることを鑑みたことによる。実際的には、有機性ガスを含む雰囲気下での熱処理時に賦活炭と接触する炉の材質、または熱処理時に賦活炭を入れる容器がこれらの金属を含んでいることが望ましい。
上記のようにして得られた炭素材料を用いて分極性電極を作製するが、その方法は特に限定されない。例えば、炭素材料の粉末とカーボンブラック等の導電剤及びテフロン(登録商標)等のバインダーを配合して成形する方法、炭素材料と導電剤を樹脂やピッチ等で成形した後焼成して高密度の分極性電極を製造する方法などが採用できる。また、体積あたりの静電容量を大きくするため、加圧プレス等により充填密度を上げることもできる。
電解質は、非水溶媒に溶解して使用できる(以下、この液を電解液という)。電解液は、特に限定されないが、電解質であるテトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、イミダゾリウム等の四級アンモニウムの硼弗化物、リン弗化物、トリフルオロメタンスルホニルイミド化物等を非水電解液であるプロピレンカーボネート、アセトニトリル、スルホラン等に溶解させて使用することができる。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例における分極性電極の製造方法と静電容量密度の測定方法は、以下の方法で行った。
(I)分極性電極の製造方法
炭素材料の粉末100重量部、カーボンブラック10重量部,ポリテトラフルオロエチレン10重量部からなる混合物を混練した後、加圧シート化した。得られたシートを円盤状に打ち抜いて分極性電極(直径16mm、厚さ0.55mm)とし、220℃、12時間、真空乾燥して電極とした。
(II)静電容量保持率の測定方法
この電極を、ポリエチレン製セパレーターを介して互いに対向させ、ステンレス製ケース内に収納した。その後、減圧下で電解液を含浸させ封じ込め電気二重層キャパシタセルとした。電解液は1.8mol/Lのトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液を用いた。
25℃での初回の充電は5mAの定電流で電圧3.2Vまで印加して100分充電し、5mAの定電流で0Vまで放電した。その後印加電圧3.0Vで同様に10サイクル充放電を行った。その後、70℃に昇温して、300分充電で280時間充放電を繰り返し、1サイクル目と280サイクル目の電極体積あたりの静電容量密度(F/cc)を求め、1サイクル目の静電容量密度を100%として、280サイクル目の静電容量保持率(%)を求めた。なお、電極体積あたりの静電容量密度は、静電容量C(F)=2×U×3600/(V1×V1)の式で求めた静電容量C(F)に電極体積(cc)を除して求めた。ここでU(Wh)は、放電開始時から放電終了時までの放電電圧(V)と放電電流(A)の積を積算して得られた値であり、また、V1は充電電圧(V)である。
(I)分極性電極の製造方法
炭素材料の粉末100重量部、カーボンブラック10重量部,ポリテトラフルオロエチレン10重量部からなる混合物を混練した後、加圧シート化した。得られたシートを円盤状に打ち抜いて分極性電極(直径16mm、厚さ0.55mm)とし、220℃、12時間、真空乾燥して電極とした。
(II)静電容量保持率の測定方法
この電極を、ポリエチレン製セパレーターを介して互いに対向させ、ステンレス製ケース内に収納した。その後、減圧下で電解液を含浸させ封じ込め電気二重層キャパシタセルとした。電解液は1.8mol/Lのトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液を用いた。
25℃での初回の充電は5mAの定電流で電圧3.2Vまで印加して100分充電し、5mAの定電流で0Vまで放電した。その後印加電圧3.0Vで同様に10サイクル充放電を行った。その後、70℃に昇温して、300分充電で280時間充放電を繰り返し、1サイクル目と280サイクル目の電極体積あたりの静電容量密度(F/cc)を求め、1サイクル目の静電容量密度を100%として、280サイクル目の静電容量保持率(%)を求めた。なお、電極体積あたりの静電容量密度は、静電容量C(F)=2×U×3600/(V1×V1)の式で求めた静電容量C(F)に電極体積(cc)を除して求めた。ここでU(Wh)は、放電開始時から放電終了時までの放電電圧(V)と放電電流(A)の積を積算して得られた値であり、また、V1は充電電圧(V)である。
実施例1
弗化水素・三弗化硼素の共存下、ナフタレンを触媒重合させて得られた合成系メソフェーズピッチ(高架式フローテスターによる軟化点:235℃、H/C原子比:0.65、光学的異方性含有率100%)を窒素気流下、550℃で2時間保持して揮発分を除去し、室温まで冷却した後、ボールミルで平均粒度30μm以下に粉砕した。更に、これを窒素気流下750℃で4時間保持し室温まで冷却してコークスを得た。このコークス1重量部に対して、水酸化カリウム(試薬特級)2重量部をニッケル容器内で均一に混合し、窒素気流下700℃で2時間保持して賦活処理した。100℃まで冷却後、スチームを流して賦活物を充分に湿潤させた後、室温に冷却して取り出した。この賦活物を100重量部の水で超音波水洗(10分)と吸引ろ過を繰り返した。これを、100℃で2時間乾燥し、更に、220℃で5時間、真空乾燥して賦活炭を得た。
該賦活炭の熱処理はニッケル製ボートの容器中、メタノール/窒素(各50vol%)の混合ガス雰囲気下(GHSV:2000hr−1)熱処理したのち冷却して取り出し分極性電極用炭素材料を得た。該熱処理の条件は、1)700℃、2時間 2)800℃、2時間 3)850℃、2時間 4)900℃、2時間 5)950℃、2時間、6)1000℃、2時間 7)1050℃、2時間、8)1100℃、2時間で行った。
弗化水素・三弗化硼素の共存下、ナフタレンを触媒重合させて得られた合成系メソフェーズピッチ(高架式フローテスターによる軟化点:235℃、H/C原子比:0.65、光学的異方性含有率100%)を窒素気流下、550℃で2時間保持して揮発分を除去し、室温まで冷却した後、ボールミルで平均粒度30μm以下に粉砕した。更に、これを窒素気流下750℃で4時間保持し室温まで冷却してコークスを得た。このコークス1重量部に対して、水酸化カリウム(試薬特級)2重量部をニッケル容器内で均一に混合し、窒素気流下700℃で2時間保持して賦活処理した。100℃まで冷却後、スチームを流して賦活物を充分に湿潤させた後、室温に冷却して取り出した。この賦活物を100重量部の水で超音波水洗(10分)と吸引ろ過を繰り返した。これを、100℃で2時間乾燥し、更に、220℃で5時間、真空乾燥して賦活炭を得た。
該賦活炭の熱処理はニッケル製ボートの容器中、メタノール/窒素(各50vol%)の混合ガス雰囲気下(GHSV:2000hr−1)熱処理したのち冷却して取り出し分極性電極用炭素材料を得た。該熱処理の条件は、1)700℃、2時間 2)800℃、2時間 3)850℃、2時間 4)900℃、2時間 5)950℃、2時間、6)1000℃、2時間 7)1050℃、2時間、8)1100℃、2時間で行った。
実施例2
賦活炭を熱処理する際の雰囲気ガスを蟻酸メチル/窒素(各50vol%)混合ガスに変えた以外は実施例1と同様にして分極性電極用炭素材料を得た。
賦活炭を熱処理する際の雰囲気ガスを蟻酸メチル/窒素(各50vol%)混合ガスに変えた以外は実施例1と同様にして分極性電極用炭素材料を得た。
実施例3
原料を石油系ニードルコークス(興亜石油社製、H/C原子比:0.38)とし、これを窒素気流下550℃で2時間保持して室温まで冷却したのち、ボールミルで平均粒度30μm以下に粉砕した。更に、これを窒素気流下750℃で4時間保持した。以降、実施例1と同様の操作を行って分極性電極用炭素材料を得た。
原料を石油系ニードルコークス(興亜石油社製、H/C原子比:0.38)とし、これを窒素気流下550℃で2時間保持して室温まで冷却したのち、ボールミルで平均粒度30μm以下に粉砕した。更に、これを窒素気流下750℃で4時間保持した。以降、実施例1と同様の操作を行って分極性電極用炭素材料を得た。
実施例4
熱処理用の容器をニッケル製ボードからセラミックス製ボートに変えたこと、および賦活炭の熱処理を900℃、2時間のみとしたこと以外は実施例1と同様にして分極性電極用炭素材料を得た。
熱処理用の容器をニッケル製ボードからセラミックス製ボートに変えたこと、および賦活炭の熱処理を900℃、2時間のみとしたこと以外は実施例1と同様にして分極性電極用炭素材料を得た。
比較例1
実施例1と同様にして得られた賦活炭を、熱処理せずに分極性電極とした。
実施例1と同様にして得られた賦活炭を、熱処理せずに分極性電極とした。
比較例2
実施例3と同様にして得られた賦活炭を、熱処理せずに分極性電極とした。
実施例3と同様にして得られた賦活炭を、熱処理せずに分極性電極とした。
実施例および比較例で得られた分極性電極用炭素材料を上記の(I)分極性電極の製造方法、および(II)静電容量保持率の測定方法に従い、電気二重層キャパシタの性能評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、合成系メソフェーズピッチ由来の賦活炭を用いたメタノール/窒素雰囲気下の熱処理では、比較例1の熱未処理の場合と比較して静電容量保持率が全ての熱処理温度の範囲(700〜1100℃)で向上した。
実施例2において、合成系メソフェーズピッチ由来の賦活炭を用いた蟻酸メチル/窒素雰囲気下の熱処理では、比較例1と比較して静電容量保持率が全ての熱処理温度の範囲(700〜1100℃)で向上した。
実施例3において、石油系ニードルコークス由来の賦活炭を用いたメタノール/窒素雰囲気下の熱処理では、比較例2の熱未処理の場合と比較して静電容量保持率が全ての熱処理温度の範囲(700〜1100℃)で向上した。
実施例4において、合成系メソフェーズピッチ由来の賦活炭を用いたセラミックス製容器中の熱処理(メタノール/窒素雰囲気下)では、比較例1の場合と比較して静電容量保持率が81.0%から86.2%に向上した。また、ニッケル製容器を用いた以外は同じ条件で行った実施例1との比較では、ニッケル製容器中で熱処理を行った方が、静電容量保持率が高かった。
実施例1において、合成系メソフェーズピッチ由来の賦活炭を用いたメタノール/窒素雰囲気下の熱処理では、比較例1の熱未処理の場合と比較して静電容量保持率が全ての熱処理温度の範囲(700〜1100℃)で向上した。
実施例2において、合成系メソフェーズピッチ由来の賦活炭を用いた蟻酸メチル/窒素雰囲気下の熱処理では、比較例1と比較して静電容量保持率が全ての熱処理温度の範囲(700〜1100℃)で向上した。
実施例3において、石油系ニードルコークス由来の賦活炭を用いたメタノール/窒素雰囲気下の熱処理では、比較例2の熱未処理の場合と比較して静電容量保持率が全ての熱処理温度の範囲(700〜1100℃)で向上した。
実施例4において、合成系メソフェーズピッチ由来の賦活炭を用いたセラミックス製容器中の熱処理(メタノール/窒素雰囲気下)では、比較例1の場合と比較して静電容量保持率が81.0%から86.2%に向上した。また、ニッケル製容器を用いた以外は同じ条件で行った実施例1との比較では、ニッケル製容器中で熱処理を行った方が、静電容量保持率が高かった。
Claims (7)
- コークスを、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理したのち有機性ガスを含む雰囲気下で熱処理することによって得られる電気二重層キャパシタ電極用炭素材料。
- コークスを、水酸化アルカリ金属を用いて賦活処理したのち有機性ガスを含む雰囲気下で熱処理する電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
- 熱処理が、600℃〜1200℃の温度範囲で行われる請求項2記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
- 有機性ガスが、低級アルコールガス、または低級アルコールの有機酸エステルガスである請求項2記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
- 有機性ガスが、メタノールガス、または蟻酸メチルガスである請求項2記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
- 有機性ガスをニッケル、鉄、またはコバルトを含む金属と接触させる請求項2記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
- 熱処理用の炉材または容器に、ニッケル、鉄、またはコバルトを含む金属を用いる請求項2記載の電気二重層キャパシタ電極用炭素材料の製造方法。
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JP2004202845A Pending JP2006024826A (ja) | 2004-07-09 | 2004-07-09 | 電気二重層キャパシタ電極用炭素材料およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2006024826A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014038005A1 (ja) * | 2012-09-05 | 2014-03-13 | 東洋炭素株式会社 | 多孔質炭素及びその製造方法 |
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JPS60263420A (ja) * | 1984-06-12 | 1985-12-26 | 松下電器産業株式会社 | エネルギ−貯蔵装置 |
JP2002522616A (ja) * | 1998-08-13 | 2002-07-23 | ザ・リサーチ・ファンデーション・オブ・ステート・ユニバーシティ・オブ・ニューヨーク | 向上した高分子型電気化学電池用の、スルホン化ポリ(フェニレンオキシド)に基づくブレンド膜 |
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JP2002362912A (ja) * | 2001-06-06 | 2002-12-18 | Jeol Ltd | 残存活性酸化水素の除去方法 |
-
2004
- 2004-07-09 JP JP2004202845A patent/JP2006024826A/ja active Pending
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