JP2006024720A - 熱伝導シートおよびこれを用いた半導体装置 - Google Patents

熱伝導シートおよびこれを用いた半導体装置 Download PDF

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Noriaki Harada
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Abstract


【課題】 良好な熱伝導性を有し、かつ、低圧の加圧によって半導体素子および放熱板に対して高い接着力で接着し得、しかも、半導体素子と放熱板間の隙間の熱変動が生じても、半導体素子と放熱板間の熱抵抗率の上昇が抑制される、高信頼性の熱伝導シートを提供する。
【解決手段】 金属箔2の両面にそれぞれ複数の金属凸状物3が配設され、かつ、金属箔2の少なくとも一方の面において、複数の金属凸状物3の間隙の少なくとも一部が、加熱及び加圧により溶融または流動して接着機能を有する樹脂4で埋め込まれた構造のシートであって、前記樹脂4が、一般式:
【化1】
Figure 2006024720

(式中、Rは有機ジイソシアネート残基、Rはゴム主鎖、Rは有機モノイソシアネート残基、nは1〜50の整数、mは1〜50の整数を示す。)
で表されるポリカルボジイミド共重合体からなることを特徴とする、熱伝導シート1。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体素子と放熱体との間に介在して半導体素子で発生する熱を放熱板へ効率よく伝えることのできる熱伝導シートおよび当該熱伝導シートを介して半導体素子と放熱体とが接着・一体化された半導体装置に関する。
半導体素子の高密度化・高性能化に伴い、半導体素子(以下、「半導体チップ」、「チップ」等ともいう。)から発生する熱の影響(すなわち、半導体素子の高温動作不良)が、半導体装置および半導体装置を組み込んだ電子機器の設計の自由度を狭める一要因になっている。そのような熱の影響を軽減するための一手段として、例えば、プリント基板に接合された半導体素子のプリント基板とは反対側のシリコンチップ裏面に、シリコーン系ゴムに熱伝導性粉末を混合してシート化したものや、シリコーン系グリースに金属酸化物粉末を混合してペースト状としたものを介して、放熱板を接着・一体化し、作動時に半導体素子で発生する熱を放熱板から外部へ逃がすことが試みられている(特許文献1参照)。
しかし、上記のシリコーン系ゴムに熱伝導性粉末を混合してシート化したものは、シート厚みが0.5mm程度であり、半導体素子の反りや表面凹凸に追従して半導体素子に高い密着性で接着し得るが、熱伝導性が十分でない。そのため、多量の熱量を発生する高密度化した半導体素子と放熱板間の接続には適用し難いという問題がある。一方、上記のシリコーン系グリースに金属酸化物粉末を混合してペースト状としたものは、半導体素子(シリコンチップ等)に薄く塗工できるため、半導体素子と放熱板間において高い熱伝導性を示すが、ペースト状であるために、半導体素子と放熱板間の隙間の熱変動により、半導体素子及び放熱板への接着力が低下して、剥離が生じてしまう場合がある。
一方、本発明者らは、異方導電性フィルム(特許文献2)を、半導体素子と放熱板間に介在させ、半導体素子と放熱板間を熱伝導可能に接続することを試みた。しかし、当該フィルム(シート)は、上記特許文献1で提案されている熱伝導シート(シリコーン系ゴムに熱伝導性粉末を混合してシート化したもの)に比べ、それ自体の熱伝導性の点では優れていたが、サイズの大きい半導体素子と接着する際の加圧時に、半導体素子の反りに起因する応力の集中が生じ、半導体素子の割れが生じるといった問題を生じた。
すなわち、半導体素子の反りは、10mm角以上の半導体素子、すなわち、その外形が、一辺が10mm以上の正方形や短辺が10mm以上の矩形(長方形)等からなる大型の半導体素子の場合に顕在化する。半導体素子の反りの程度は、デバイスの種類、チップサイズ、チップ厚みによっても異なるが、20mm□のチップ(一辺が20mmの正方形のチップ)で、150μm程度(チップ主面内での高低差が150μm程度)の反りを有する場合もある。よって、このような反りを有する半導体チップに熱伝導シートを介して放熱板を接着・一体化する場合、半導体チップの割れが生じるのを防止するため、接着時の加圧は1MPa以下の低圧力で行う必要がある。しかしながら、このような1MPa以下の圧力で加圧した場合、半導体素子と熱伝導シート間の密着性が不十分となり、十分な放熱効果が得られない場合がある。また、ある程度良好な密着性が得られても、半導体素子の温度変化、使用環境の温度変化等による半導体素子と放熱板間の隙間の熱変動が起こると、半導体素子と熱伝導シート間の密着性が低下して半導体素子と放熱板間の熱抵抗率が上昇し、それによって放熱性が低下する問題を生じてしまう。
特開平6−291226号公報 特許第3179503号公報
本発明は、上記事情に鑑み、良好な熱伝導性を有し、かつ、低圧の加圧によって半導体素子および放熱板に対して高い接着力で接着し得、しかも、半導体素子と放熱板間の隙間の熱変動が生じても、半導体素子と放熱板間の熱抵抗率の上昇が抑制される、高信頼性の熱伝導シートを提供することを目的とする。また、この熱伝導シートを用いた放熱特性の良好な半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、接着用の樹脂材料として、ポリカルボジイミド樹脂の主鎖中に液状ゴムの単位を導入したポリカルボジイミド共重合体を使用すれば、低圧力の加圧で、被接着体(半導体素子、放熱板)に高い接着力で接着し得、しかも、半導体素子と放熱板熱間の隙間の熱変動が生じた場合の接着力の低下も軽減できることを知見し、該知見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)金属箔の両面にそれぞれ複数の金属凸状物が配設され、かつ、金属箔の少なくとも一方の面において、複数の金属凸状物の間隙の少なくとも一部が、加熱及び加圧により溶融または流動して接着機能を有する樹脂で埋め込まれた構造のシートであって、前記樹脂が、一般式:
Figure 2006024720
(式中、Rは有機ジイソシアネート残基、Rはゴム主鎖、Rは有機モノイソシアネート残基、nは1〜50の整数、mは1〜50の整数を示す。)
で表されるポリカルボジイミド共重合体からなることを特徴とする、熱伝導シート。
(2)金属凸状物が、加熱により軟化乃至溶融して他の金属に接合し得る金属からなる、上記(1)記載の熱伝導シート。
(3)複数の金属凸状物の各々の形状が円柱状、四角柱状または球状である、上記(1)又は(2)記載の熱伝導シート。
(4)金属箔の樹脂が存在する面における該樹脂が占める面積の占有率が25〜75%である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱伝導シート。
(5)ポリカルボジイミド共重合体の弾性率が10MPa〜4GPaである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱伝導シート。
(6)半導体素子と放熱板とが上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱伝導シートを介して接着・一体化された半導体装置。
本発明の熱伝導シートによれば、自体が良好な熱伝導性を有し、低圧の加圧によって半導体素子および放熱板に対して十分に高い接着力で接着し得るので、10mm角以上の大型の半導体素子と放熱板との接着を、大型の半導体素子に割れを生じることなく実施できる。また、接着用の樹脂であるポリカルボジイミド共重合体が低弾性であることから、半導体素子と放熱板間の隙間の熱変動によって熱伝導シートに生じる応力を緩和し、接着力の低下を軽減することができる。従って、本発明の熱伝導シートを用いて得られる本発明の半導体装置においては、半導体素子と放熱板間が低い熱抵抗率で接着し、しかも、半導体装置の温度変化や使用環境温度の変化等により、半導体素子と放熱板間の隙間の熱変動が生じても、半導体素子と放熱板間の低い熱抵抗率が維持されることとなり、極めて高い信頼性の半導体装置が実現される。
以下、本発明をより詳細に説明する。
図1は本発明の熱伝導シートの一例を簡略化して示した図であり、図1(A)は断面図(図1(B)のA−A線における断面図)、図1(B)は一方側の平面図、図1(C)は他方側の平面図である。
本発明の熱伝導シートは、該図1の一例の熱伝導シート1に示されるように、金属箔2と、金属箔2の両面にそれぞれ配設された複数の金属凸状物3と、該複数金属凸状物3の間隙に埋め込まれた樹脂4とを有する構造物である。ここで樹脂4は、加熱及び加圧により溶融または流動して接着機能を有する。
図2は、図1の熱伝導シート1を介して半導体素子5と放熱板6とを接着・一体化した半導体装置10を簡略化して示した断面図である。
本発明の熱伝導シートにおいて、金属箔2は、特に限定されないが、銅板、銅合金板、ニッケル合金板等が好ましく、これらの中でも、熱伝導性、金属凸状物の形成のしやすさ、価格(コスト)等の点から銅板が特に好ましい。金属凸状物3は後述するように、メッキ処理、エッチング処理等によって形成されるが、特に銅板であれば、かかるメッキ処理、エッチング処理等を安定に行うことができる。
金属箔2の厚みは入手し易さやコスト等の観点から、10〜100μmの範囲内で選択されるが、金属凸状物3の形成時のハンドリングのしやすさ、半導体素子5と熱伝導シート6間での金属箔2の変形のしやすさ(半導体素子及び熱伝導シートへの追従性)の点から、20〜70μmが好ましく、30〜40μmがより好ましく、とりわけ好ましくは35μm前後である。
金属箔2の外形(金属箔の厚み方向と直交する平面で切った断面の形状)は、接合する半導体素子の外形(チップの厚み方向と直交する平面で切った断面の形状)に応じて決定されるが、一般に半導体素子の外形は正方形や矩形(長方形)であることが多いので、これに対応して、正方形や矩形(長方形)とするのが好適である。
本発明の熱伝導シート1では、金属箔2とその両面にそれぞれ配設された複数の金属凸状物3とによって高い熱伝導性を示すものとなる。金属箔2の両面における複数の金属凸状物3は、隣接する凸状物との間に所定の間隙を空けて配設される。図3の半導体装置10に示されるように、半導体素子(すなわち発熱体)5および放熱板6に、この金属凸状物3の頂上部の表面が直接接触して、効率よく熱を伝達し得る。すなわち、半導体素子5で発生した熱は、該半導体素子5に接触する金属凸状物3を介して金属箔2に伝達されて、金属箔2全体(全面)に広がり、該金属箔2全体(全面)から金属凸状物3を介して放熱板6へと伝熱される。これより、半導体素子5で発生した局所的な発熱は、熱伝導シート1を介することで放熱板6の全面(全体)から効率よく放熱される。
なお、金属箔2の両面のそれぞれにおいて、複数の金属凸状物3は一様に分布しているのが好ましく、図1(B)、(C)は行列状に配列した例である。その他、千鳥状の配列(略正三角形の頂点に金属凸状物を位置させ、これを最小単位としてネットワーク状に並ぶ配列)も好適である。
金属凸状物3の形状は、球状、半球状、円柱状、角柱状、円錐状、立方体状等が好ましい。これらの中でも、熱伝導性、加工性、半導体素子への接触安定性等の点から、円柱状、角柱状又は球状が特に好ましい。なお、角柱状の場合、四角柱状が好ましい。また、複数の金属凸状物2は、その形成効率、半導体素子への接触安定性等の点から基本的に全てを実質的に同一の形状とするのが好ましいが、2種以上の形状が異なるものが混在していてもよい。また、複数の金属凸状物3におけるそれぞれの太さ及び隣接する2つの凸状物の離間距離(ピッチ)は、半導体素子への追従性の点から、太さは0.05〜0.8mmの範囲から選択するのが好ましく、ピッチは0.07〜1.2mmの範囲から選択するのが好ましい。特に太さにおいては0.3〜0.6mmの範囲から選択するのがより好ましく、ピッチにおいては0.4〜1.0mmの範囲からから選択するのがより好ましい。ここで、太さとは、金属凸状物2が球状である場合はその球体の直径であり、半球状である場合はその半球の直径であり、円柱状、円錐状等である場合はその円柱または円錐の底面の直径を意味する。また、金属凸状物が角柱状である場合はその角柱の底面の一辺の長さ、立法体状である場合はその立法体の一辺の長さを意味する。また、離間距離(ピッチ)は、隣接する2つの金属凸状物の中心(軸心)間の距離である。
本発明において、複数の金属凸状物2は、形成のしやすさ、半導体素子への接触安定性等の点から、基本的に全てが実質的に同一の太さであるのが好ましいが、異なる太さのものが混在していてもよい。
複数の金属凸状物3の高さは、低すぎると、半導体チップの主面の反りや粗さ等による高低差に対する追従性が低下し、また、高すぎると熱抵抗率が高くなることから、10〜100μmから選択するのが好ましく、40〜80μmから選択するのが特に好ましく、50〜70μmから選択するのがとりわけ好ましい。なお、複数の金属凸状物2は、基本的に全てが実質的に同じ高さであるのが好ましいが、高さの異なるものが混在していてもよい。
本発明において、複数の金属凸状物2の形状、高さ又は太さが実質的に同一であるとは、その形成時に、複数の金属凸状物2間の形状、高さ又は太さを、意図して異ならせるような形成の仕方(処理)を行わず、同一にすることを意図して形成されたものであることを意味し、通常の誤差範囲で生じる形状、高さ又は太さの変化(相異)は、当該同一の範囲内である。
本発明において、複数の金属凸状物3の形成方法は、特に限定されず、プリント基板等において従来から使用されているバンプ形成技術を適用できる。具体例としては、金属箔2の表面を、例えば、エッチングなどで選択的に除去して金属凸状物を形成する方法、金属箔2に選択的にメッキ等で金属凸状物を形成する方法、はんだ等を含有したペースト状流動物をスクリーン印刷で印刷して金属凸状物を形成する方法等が挙げられる。メッキで金属凸状物を形成する場合、ニッケルメッキ、錫メッキ、銅メッキ、金メッキ、はんだメッキ等が挙げられる。半導体素子(発熱面)への追従性の点からは、圧力を受けて容易に変形する、錫メッキ、金メッキ、はんだメッキ等が好ましく、特に好ましくははんだメッキである。
金属凸状物3の材質のより好ましい態様として、軟化(溶融)して他の金属と接合(金属接合)し得る金属(はんだ、錫等)を挙げることができる。このような金属を用いることで、加熱によって金属凸状物3と放熱板(通常、金属製である。)6との間に金属接合を形成することができ、これによって、金属凸状物3と放熱板6との接触信頼性を高め、熱伝導効率をさらに向上させることもできる。
複数の金属凸状物3は、熱伝導シートの熱伝導性及び半導体素子の反りといった変形に対する熱伝導シートの追従性の観点から、金属箔2の表面積(表裏両面の合計)の30%〜75%の面積を占めるように設けるのが好ましい。すなわち、30%未満では十分な熱伝導性が得られにくくなり、75%を越えると、半導体素子の反りといった変形に対する熱伝導シートの追従性が低下し、好ましくない。
本発明の熱伝導シートにおいて、複数の金属凸状物3の間隙に埋め込む樹脂4には、下記一般式(式(I))で表されるポリカルボジイミド共重合体が使用される。
Figure 2006024720
(式中、Rは有機ジイソシアネート残基、Rはゴム主鎖、Rは有機モノイソシアネート残基、nは1〜50の整数、mは1〜50の整数を示す。)
当該式(I)のポリカルボジイミド共重合体は、有機ジイソシアネートから合成されるポリカルボジイミド樹脂の主鎖中に液状ゴムの単位を導入したもので、150〜250℃(好ましくは200〜250℃)のガラス転移点を有し、加熱及び加圧により溶融または流動することで接着機能を有するものである。ここで、「加熱および加圧」とは、120〜250℃の加熱および0.01MPa〜1MPaで加圧することを意味し、「接着機能を有する」とは、他の固体(半導体素子5、放熱板6)に接着し得ることをいう。従来の技術で説明したように、1MPa以下の圧力は、半導体素子(チップ)の割れを回避できる低圧力であり、当該ポリカルボジイミド共重合体は、1MPa以下の低圧力でも十分に変形し得る低弾性率を有し、かかる加圧条件で他の固体(半導体素子5、放熱板6)と高い接着力で接着し得る。
上記のガラス転移温度は、TMA(熱機械分析)の引張りモードで測定した値であり、測定条件は5℃/分で昇温し、1gの引張荷重を加えた。この測定によって得られたTMA曲線における変曲点をガラス転移温度とした。
当該式(I)のポリカルボジイミド共重合体において、式中、Rで示されるゴム主鎖は、末端にカルボキシル基を有する2官能液状ゴムの主鎖であり、該2官能液状ゴムとしては、例えば、液状ポリブタジエン、液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体、液状ポリイソプレン、液状水添ポリイソプレン等が挙げられる。
該2官能液状ゴムの数平均分子量は一般に1000〜10000であり、好ましくは2000〜5000である。該2官能液状ゴムの数平均分子量が1000より小さい場合、樹脂溶液の粘度が低くなるとともに、硬化物が硬くなりすぎる傾向となるため、好ましくなく、一方、該数平均分子量が10000より大きい場合、溶媒への溶解性が低下して、作業性が悪く、共重合反応自体が困難になる。すなわち、後述のように、当該ポリカルボジイミド共重合体の共重合反応は溶媒中で行われるので、溶媒への溶解性が低下すると、反応が行えなくなる。
該2官能液状ゴムの具体例としては、宇部興産社製のHycar CTB(商品名)[液状ポリブタジエン、数平均分子量:4500]、宇部興産社製のHycar CTBN(商品名)[液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体、数平均分子量:3500]、日本曹達社製のCI−1000(商品名)[液状水素化ポリブタジエン、数平均分子量:2200]、B.F.Goodrich社製のCTBN1300×13(商品名)[液状ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体、数平均分子量3500]等が挙げられる。
式中、Rで表される有機ジイソシアネート残基は、有機ジイソシアネートから2つのイソシアネートが除去されたものであり、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等の残基が挙げられる。ここで、芳香族ジイソシアネートとしては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等が挙げられ、脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は1種または2種以上を使用できる。中でも、好ましいものはトリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートであり、特に好ましくはトリレンジイソシアネートである。
式中、Rで表される有機モノイソシアネート残基は、有機モノイソシアネートからイソシアネートが除去されたものである。ここで、有機モノイソシアネートとしては、フェニルイソシアネート、トシルイソシアネート、ナフチルイソシアネート、イソプロピルフェニルイソシアネート、メトキシフェニルイソシアネート、クロロフェニルイソシアネート、炭素数1〜10のアルキルイソシアネート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を使用できる。中でも、好ましいものはフェニルイソシアネート、イソプロピルフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートである。当該有機モノイソシアネートは末端封止のために添加され、該末端封止により当該共重合体の鎖長制御がなされる。
当該式(I)のポリカルボジイミド共重合体において、カルボジイミド単位の繰り返し数n、mは、それぞれ1〜50の整数である。n+mの合計数は30以下が好ましい。n+mの合計数が30を越えると、共重合体の合成(重合)中にゲル化が生じやすくなり、好ましくない。すなわち、反応後の溶液から、溶媒を揮散(蒸発)させて、当該共重合体のフィルムを採取するが、ゲル化が生じると、かかる作業を行えなくなる。
当該式(I)のポリカルボジイミド共重合体の数平均分子量は好ましくは2000〜5000、特に好ましくは3000〜5000である。当該数平均分子量は、GPCによる測定値であり、測定装置:HLC8120(東ソー社製)、カラム:GMHHR-H+GMHHR-H+G2000HR(いずれも東ソー社製、3個を直列したもの)、展開溶媒:テトラヒドロフランの測定条件で測定し、ポリスチレン換算をした値である。
当該式(I)のポリカルボジイミド共重合体は、液状ゴムの単位を導入したことにより、ポリカルボジイミドよりも低い弾性率を示す。すなわち、その弾性率は一般に10MPa〜4GPaであり、好ましくは10MPa〜1Gpa、より好ましくは10MPa〜500MPaである。弾性率は、主に2官能液状ゴム(残基)の分子量、カルボジイミドの重合度(カルボジイミド単位の繰り返し数)等によって決定されるが、シリカ、金属微粒子(例えば、銀、酸化亜鉛、窒化ケイ素、錫)等のフィラーを当該共重合体中に充填(混入)した組成物とすることによって弾性率をさらに細かく調整することができる。
当該式(I)のポリカルボジイミド共重合体は低弾性率であるため、1MPa以下の低圧力でも十分に変形し得る低弾性率を有し、かかる加圧条件で他の固体(半導体素子5、放熱板6)と高い接着力で接着し得る。また、半導体素子と放熱板間の隙間の熱変動によって熱伝導シートに生じる応力を緩和する効果も得られ、半導体装置10の温度が変動した場合にも、熱伝導シート1と半導体素子5(放熱板6)間の接着力(密着性)が低下せず、半導体素子と放熱板間の低熱抵抗率による接続状態が維持される。なお、フィラーに金属微粒子を使用した場合、金属微粒子が充填した組成物はポリカルボジイミド共重合体単体よりも熱伝導性が向上し、それによって熱伝導シート自体の熱伝導性が向上するという効果も得られる。フィラーを使用する場合、その配合量はポリカルボジイミド共重合体の接着性を損なわない範囲であり、ポリカルボジイミド共重合体100重量部当たり10〜40重量部程度が好ましい。
上記の弾性率は、動的粘弾性測定装置(セイコー電子工業社製、DMS210)による測定値であり、175℃で5時間キュアした接着シートを試料として使用し、引張りモードにおいて一定周波数で温度を昇温させ、35℃と200℃で測定した。測定時に入力する試料の厚さは、試料の厚みとした。
当該式(I)のポリカルボジイミド共重合体は、末端にカルボキシル基を有する2官能液状ゴムと有機ジイソシアネートとを非プロトン性溶媒中で反応させた後、鎖長制御のために有機モノイソシアネートとカルボジイミド化触媒を作用することによって得ることできる。
非プロトン性溶媒としては、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の脂環式エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンノン等のケトン系溶媒等が挙げられる。これらは1種でも2種以上を併用してもよい。
末端にカルボキシル基を有する2官能液状ゴムと有機ジイソイソシアネートとの反応は、通常、末端にカルボキシル基を有する2官能液状ゴム1モルに対して有機ジイソイソシアネートを2倍モル以上、好ましくは10倍モル以上添加し、0〜60℃(好ましくは20〜50℃)で、0.1〜2時間程度反応を行う。
鎖長制御のための有機モノイソシアネートは、使用する有機ジイソシアネート成分100モル当たり1〜10モルの範囲で用いるのが好ましい。有機ジイソシアネート成分100モル当たり有機モノイソシアネートが1モル未満の場合、ポリカルボジイミドの分子量が大きくなり過ぎ、架橋反応による溶液粘度の上昇や溶液の固化が起ったり、ポリカルボジイミド溶液の保存安定性の著しい低下を引き起こすことがあり、また、有機ジイソシアネート成分100モル当たり有機モノイソシアネートが10モルを越えると、ポリカルボジイミドの分子量が小さくなり過ぎ、その結果、ポリカルボジイミド共重合体溶液の溶液粘度が低くなり過ぎて、溶液を塗布、乾燥してフィルムを形成する場合に、良好な成膜を行えなくなることがあり、好ましくない。
カルボジイミド化触媒は、種々のものを使用できるが、例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−1−ホスファ−3−シクロペンテン−1−オキシド、2,5−ジヒドロ−3−メチル−1−フェニルホスホール−1−オキシドや、これらに相当する異性体、3−ホスホレン類等が好ましい。また、トリフェニルホスフィンオキシド、トリトリルホスフィンオキシド、ビス(オキサジフェニルホスフィノ)エタン等のホスフィンオキシド類も使用できる。使用量はイソシアネート成分全量に対して0.001〜5モル%程度が好ましい。0.001モル%未満では重合に時間がかかり過ぎて実用的でなく、5モル%を越えると反応が速すぎて反応途中にゲル状に固化してしまったり、保存安定性が著しく低下したものが得られることがあるため、好ましくない。また、カルボジイミド化反応は50〜140℃程度で、0.5〜2.5時間程度行うのが好ましい。
代表的な製造例を挙げると、例えば、トルエン溶媒中で、液状ゴムと、液状ゴム1モルに当たり10倍モル量の有機ジイソシアネートと、有機ジイソシアネート1モル当たり0.05倍モル量の有機モノイソシアネートとを混合し、該混合物を50℃で1時間攪拌した後、混合物中にカルボジイミド化触媒を添加し、赤外分光法により反応経過を確認しながら、温度を100℃に昇温して、この温度で2時間カルボジイミド化反応を行う。
本発明において、金属凸状物3の間隙へ樹脂(式(I)のポリカルボジイミド共重合体)4を埋め込む方法としては、金属箔2の両面に金属凸状物3を形成後、溶媒で希釈する、溶融状態とする等して液状にした樹脂を塗布し、スキジーなどで不要な樹脂をかき取り、金属凸状物3の間隙にのみ樹脂4を残す方法(間隙に残された式(I)のポリカルボジイミド共重合体は、加温により乾燥・硬化される。)、又は、樹脂4(式(I)のポリカルボジイミド共重合体)をシート状に成形し、該シートを金属凸状物3を配設した金属箔2に加圧・加温して貼りあわせ、次いで、金属凸状物3の頭面が露出するように研磨する方法等が挙げられる。また、金属凸状物3が配設された金属箔2と被接着物(半導体素子5、放熱板6)との間に、式(I)のポリカルボジイミド共重合体のシートを挿入後、該シートの溶融又は流動により、金属凸状物3が該シートを貫通して被接着物(半導体素子5、放熱板6)に接触した状態となるように加熱及び加圧を施すことで、金属凸状物3の間隙に樹脂(式(I)のポリカルボジイミド共重合体)4を埋め込むようにしてもよい。即ち、金属凸状物3が配設された金属箔2(即ち、熱伝導シートの前段物)と、被接着体(半導体素子5、放熱板6)との間に式(I)のポリカルボジイミド共重合体のシートを挟んで、加熱及び加圧を施すことで、金属凸状物3の先端面(頭面)が被接着体(半導体素子5、放熱板6)に接触し、該ポリカルボジイミド共重合体によって半導体素子5と放熱板6間が接着した状態を形成する(即ち、本発明の半導体装置10(図3参照)を作製する)ことで、その結果として、該ポリカルボジイミド共重合体が金属凸状物2の間隙に埋め込まれていればよい。
本発明において、金属箔2の樹脂4が存在する面(片面)における樹脂4(ポリカルボジイミド共重合体)が占める面積の占有率は25〜75%であるのが好ましく、特に好ましくは40〜50%である。該占有率が75%を超える場合、金属凸状物の占める割合が少なくなるので、金属箔2と半導体素子5または放熱板6との間での熱伝導効率が低下する傾向となり、25%未満であると半導体素子5または放熱板6との接着力が低下する傾向となり、好ましくない。
本発明の熱伝導シートにおいて、樹脂(ポリカルボジイミド共重合体)4は、金属箔2の少なくとも片面に設けられるが、図1の例に示すように、金属箔2の両面に設けるのが好ましい。なお、片面のみに設ける場合、その面が半導体素子5と接着する側の面である。すなわち、前記したように、金属凸状物3と放熱板6とが金属接合する場合には、十分な接着性(接合性)が得られることが多いので、必ずしも樹脂(ポリカルボジイミド共重合体)4で満たさなくてもよい。
本発明の熱伝導シートにおいて、「複数の金属凸状物の間隙の少なくとも一部に樹脂が埋め込まれる」とは、被接着体(半導体素子、放熱板)に対して十分に高い接着(接合)力が得られるのであれば、金属板の片面上の、被接着体との接合領域に在る全ての金属凸状物間の間隙が樹脂で埋め込まれていなくてもよいことを意味している。
本発明の半導体装置(図2の半導体装置10)は、半導体素子5と放熱板6の間に熱伝導シート1を挟み、例えば、フリップチッブボンダーのような接着に用いられる公知の装置を使用して、加熱及び加圧を施すことによって製造される。なお、半導体素子5と放熱板6のいずれか一方と熱伝導シート1を接着した後、半導体素子5と放熱板6のいずれか他方と熱伝導シート1を接着してもよい。
本発明において、放熱板は、この種の半導体装置で使用される公知の材質、形状からなる放熱板(ヒートスプレッダ等)を使用できるが、放熱性(熱伝導率の高さ)、加工性、コスト等の点から、銅やニッケル製のものが好適である。
本発明において、半導体装置10には、熱伝導シート1、半導体素子5および放熱板6以外の他の要素(ヒートシンク、放熱ファン等)をさらに付加した構成としてもよく、例えば、半導体素子とヒートシンクとの接合にも本発明の熱伝導シートを使用してもよい。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、CTBN1300×13(数平均分子量3500、48.7g、12.9mmol)(B.F.Goodrich社製)、トリレンジイソシアネート(42.5g、244mmol)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(61.0g、244mmol)、ナフチルイソシアネート(8.2g、49mmol)、トルエン226gを仕込み、50℃で1時間攪拌してアミド化を行った。次いで、カルボジイミド化触媒として3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド(1.9g、9.7mmol)を仕込み、赤外分光法により反応経過を確認しながら、100℃で2時間、攪拌して重合(カルボジイミド化反応)を行い、ポリカルボジイミド共重合体溶液を得た。該溶液を150℃で3分乾燥してフィルム化してポリカルボジイミド共重合体を固形分として採取した。このポリカルボジイミド共重合体の数平均分子量(Mn)は3170、弾性率(引張り弾性率)は100MPa、熱分解開始温度は250℃であった。
(実施例1)
厚み70μmの圧延銅箔(三井金属工業製SuperHTE)の表裏両面に径0.47mmφ、ピッチ0.6mm、高さ20μmの円柱状の金属凸状物(バンプ)をエッチング処理により形成した。この処理により、銅箔の全表面積の40%を金属凸状物が占めることになった。当該銅箔の表裏両面におけるバンプの間隙に、前記製造例1で製造したポリカルボジイミド共重合体(ベース濃度32%、トルエン希釈)を流し、スキジーで表面をかきとることで、バンプの間隙に埋め込み、150℃、10分間加温し、硬化させた。銅箔の表裏両面のそれぞれにおけるポリカルボジイミド共重合体膜の占有率は60%であった。次に、当該硬化したポリカルボジイミド共重合体の層(膜)を精密研磨機(ストルアス社製LabPol−5)で研磨し、バンプの頂上部(先端部)を層(膜)から露出させ、バンプ高さを18μmにした。その後、かかるシート状構造物から15mm□(一辺が15mmの正方形)のシートを切り出し、熱伝導シートを得た。
上記作製した熱伝導シートを、放熱板としてのヒートスプレッダ(銅、ニッケルメッキ製、厚み0.5mm、20mm□(一辺が20mmの正方形))と半導体チップ(15mm□(一辺が15mmの正方形))の間に挟んで、かかる積重物を240℃、0.5MPa、20秒で加熱、加圧を施し、ヒートスプレッダと半導体チップとを熱伝導シートを介して接着し、半導体装置を完成させた。
初期状態での半導体チップの発熱温度とヒートスプレッダ面への伝達温度との温度差Δtの計測から熱伝導シートそのものの熱抵抗率を算出したところ、0.13cm2K/Wであった。その後、冷熱衝撃試験(125℃/−55℃、30分/30分、1サイクル)を1000サイクル実施し、再度Δtを計測、熱抵抗率を算出したところ、0.13cm2K/Wであり、冷熱衝撃試験前後で変化がなかった。
(実施例2)
厚み35μmの電解銅箔(日本製箔社製TCU−O−35−S)の表裏両面にスクリーン印刷により、はんだクレーム(Pb/Sn共晶はんだ)を印刷することにより、径0.47mmφ、ピッチ0.6mm、高さ120μmの円柱状の金属凸状物(バンプ)を形成した。次に、製造例1で製造したポリカルボジイミド共重合体溶液を剥離処理した基材に塗工し、乾燥、剥離して得た厚み100μmのポリカルボジイミド共重合体シートをラミネータ(日東精機社製NEL−550)により、銅箔の片面に、100℃、0.3MPaで凸状物(バンプ)の間隙に樹脂が埋まるように貼りあわせ、150℃、60分硬化させた。次に、かかる硬化ポリカルボジイミド共重合体シートを精密研磨機(サンシン社製LabPol−5)で研磨してバンプの頂上部をシート表面に露出させ、さらに研磨してバンプ高さを60μmにした。その後、このようにして作製したシート状構造物から15mm□(一辺が15mmの正方形)のシートを切り出し、熱伝導シートを得た。
上記作製した熱伝導シートを、実施例1と同じヒートスプレッダと半導体チップの間に挟んで、かかる積重物を240℃、0.5MPa、20秒で加熱、加圧を施し、ヒートスプレッダと半導体チップとを熱伝導シートを介して接着し、半導体装置を完成させた。
その後、実施例1と同様にして、熱伝導シートそのものの熱抵抗率を算出したところ、0.08cm2K/Wであった。また、実施例1と同様の冷熱衝撃試験実施し、再度Δtを計測、熱抵抗率を算出したところ、0.09cm2K/Wであり、冷熱衝撃試験前後で殆ど変化がなかった。
(比較例1)
市販されているシリコーン樹脂に高熱伝導性フィラー(アルミナ)を体積比で70%充填した熱伝導シート(厚み0.5mm)を実施例1に示すように半導体素子とヒートスプレッダとの間に挟み込んだ。次いで、全体を160℃、0.5MPa、3秒で加熱、加圧した。初期状態の半導体素子とヒートスプレッダとの間の温度差Δtを測定し、熱抵抗率を求めると、1.5cm2K/W程度であった。当該熱伝導シートは、実施例1、2の熱伝導シートに比べ格段に熱伝導性が劣っていた。
(比較例2)
市場で入手可能なシリコーン樹脂に窒化珪素の超微粒子フィラーを重量比で80%充填した熱伝導性ペーストを半導体素子の反りに対応すべく、0.1mm程度の厚みで塗布し、該ペーストを半導体素子とヒートスプレッダとの間に挟み込んだ。初期の状態のΔtを測定し、熱抵抗率を求めた結果0.15cm2K/W程度であった。その後、実施例1と同様の冷熱衝撃試験を1000サイクル実施したところ、ペーストが外部に流出しているのが観察された。また、再度Δtを計測、熱抵抗率を算出したところ、熱抵抗は0.6cm2K/W程度となっており、熱伝導性の劣化を示す結果となった。
本発明に係る熱伝導シートの一例を簡略化して示した図で、図(A)はシートの断面図、図(B)及び図(C)は一方側と他方側の平面図である。 本発明に係る半導体装置の一例を簡略化して示した断面図である。
符号の説明
1 熱伝導シート
2 金属箔
3 金属凸状物
4 樹脂(ポリカルボジイミド共重合体)
5 半導体素子
6 放熱板
10 半導体装置

Claims (6)

  1. 金属箔の両面にそれぞれ複数の金属凸状物が配設され、かつ、金属箔の少なくとも一方の面において、複数の金属凸状物の間隙の少なくとも一部が、加熱及び加圧により溶融または流動して接着機能を有する樹脂で埋め込まれた構造のシートであって、前記樹脂が、一般式:
    Figure 2006024720
    (式中、Rは有機ジイソシアネート残基、Rはゴム主鎖、Rは有機モノイソシアネート残基、nは1〜50の整数、mは1〜50の整数を示す。)
    で表されるポリカルボジイミド共重合体からなることを特徴とする、熱伝導シート。
  2. 金属凸状物が、加熱により軟化乃至溶融して他の金属に接合し得る金属からなる、請求項1記載の熱伝導シート。
  3. 複数の金属凸状物の各々の形状が円柱状、四角柱状または球状である、請求項1又は2記載の熱伝導シート。
  4. 金属箔の樹脂が存在する面における該樹脂が占める面積の占有率が25〜75%である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導シート。
  5. ポリカルボジイミド共重合体の弾性率が10MPa〜4GPaである、請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導シート。
  6. 半導体素子と放熱板とが請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導シートを介して接着・一体化された半導体装置。
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