JP2006023783A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生じ得る現像スリーブ上のトナー乃至現像剤の固着を防止する。
【解決手段】 現像剤担持体41が非磁性スリーブ43と当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラ44とからなり、当該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備えるような現像装置において、上記主磁極の法線方向磁束密度の減衰率が40%以上であり、上記スリーブの表面に不規則な凹凸パターンが形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、現像剤担持体表面の所謂現像領域部分に現像剤を立ち上げて現像処理するにあたり固着を生じ難い現像装置及び当該現像装置を装着する画像形成装置に関するものである。
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真式や静電記録式の画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトなどからなる潜像担持体(以下、像担持体と称することもある)上に画像情報に応じた静電潜像が形成され、現像装置によって現像動作が実行され、可視像が得られるようになっている。このように現像動作を実行するにあたり、転写性、ハーフトーンの再現性、温度・湿度に対する現像特性の安定性などの観点から、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像方式が主流になってきている。つまり、現像装置では、現像剤担持体上に2成分現像剤がブラシチェーン状に穂立ちを起こし、現像領域において、現像剤中のトナーを潜像担持体上の潜像部分に供給するのである。ここで現像領域とは、現像剤担持体上で磁気ブラシが立ち上がり潜像担持体と接触している範囲である。
上記現像剤担持体は、通常円筒状に形成されたスリーブ(現像スリーブ)でなると共に、当該スリーブ表面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形成する磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に備えている。穂立ちの際、キャリアが磁石ローラで生じる磁力線に沿うようにスリーブ上に穂立ちすると共に、この穂立ちに係るキャリアに対して帯電トナーが付着されている。上記磁石ローラは、複数の磁極を備え、それぞれの磁極を形成する磁石が棒状などに形成されていて、特にスリーブ表面の現像領域部分では現像剤を立ち上げる現像主磁極を備えている。上記スリーブと磁石ローラの少なくとも一方が動くことでスリーブ表面に穂立ちを起こした現像剤が移動するようになっている。その際、現像スリーブ表面には長手方向に延びた溝が形成され、この溝によって現像剤の搬送性を確保するようになっている。溝の代わりにサンドブラスト等により表面に凹凸処理を施すこともある。現像領域に搬送された現像剤は上記現像主磁極から発せられる磁力線に沿って穂立ちを起こし、この現像剤のチェーン穂は撓むように潜像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂が潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合いながら、トナー供給(現像)を行う。
ところで、現像剤担持体と潜像担持体の最近接点の距離乃至間隔(以下、現像ギャップと称する)は画質に大いに関係する。即ち、現像ギャップが広い場合には、潜像端部のトナー付着量が増加する所謂「エッジ強調画像」が発生し、画質を低下させてしまう問題がある。この現象を低減する方法の1つとして、現像ギャップを狭くする措置がよく用いられる。しかしながら、現像ギャップを狭くすると現像電界が大きくなるために現像γが高くなる。この現像γについては、高すぎると階調性が劣化し、低すぎると最大付着量が得られにくくなるので、当該現像γは最適な範囲をもつものである。
現像γはスリーブ線速比(スリーブ周速度/潜像担持体周速度)に比例するので、高くなりすぎた現像γを低下させるためには、現像スリーブの回転数を下げて、スリーブ線速比を下げ、それによって所望の現像γを得ることができる。ところが、このようにスリーブ線速比を下げると階調性は回復するものの現像能力が低下する。そして表面に長手方向溝を有した現像スリーブでは、その溝の部分に現像剤のチェーン穂が集中するので、その溝に対応するピッチでトナーの付着ムラが発生してしまう。そのため、表面凹凸処理を施したスリーブの使用が考慮される。ところがサンドブラスト等により表面凹凸を形成したスリーブは、溝付きスリーブよりも現像剤搬送力が弱く、現像ギャップを小さくスリーブ線速比も小さくして用いた場合、現像スリーブ表面にトナー乃至現像剤の固着が発生する。
固着が発生すると、現像剤担持体である現像ローラの回転トルクが上昇し、現像駆動ギヤ等の駆動伝達系のギヤピッチで駆動ムラを生じバンディングを生じてしまう。また、潜像担持体に対しても駆動ムラを発生させるため、レーザー等によるドット潜像形成時には、ドット間隔にムラを生じ、同様なバンディング画像を生じるという不具合がある。更に、そのまま作像を続けると潜像担持体と現像スリーブに線速差があるため、潜像担持体の感光層を削ったり、潜像担持体駆動を停止させたりして著しい不具合を生じてしまう。
上記「エッジ強調画像」を低減する別の方法として、現像バイアスにACバイアスを用いることも有効な措置として知られている。ACバイアスを印加することにより、現像剤の穂の電気抵抗が低下し、現像電極が磁気ブラシの先端部近傍になり、実質的に現像ギャップが小さくなった効果(エッジ強調画像改善)が得られる。しかしながら、同時に現像γも高くなり、上記ギャップ狭化と同じように所望の現像γを得るにはスリーブ線速比を小さくする必要があり、その結果、上記の場合と同様な不具合を発生する。
ここで固着のメカニズムを説明する。固着は、像担持体の振れと現像剤担持体の振れによって正規現像ギャップ幅が減少したり、現像剤担持体上の現像剤が正規汲み上げ量を越えた場合に発生し易い。現像剤担持体上の汲み上げ量が部分的に増加し、量の多くなった現像剤が現像ニップ(現像スリーブ上に形成される磁気ブラシが潜像担持体と摺擦する部分で発生する接触部)内で押圧されながら通過する際に狭い空隙で生じるストレスにより
1.トナーが力学的に軟化
2.トナーが熱的に軟化及び溶融
3.トナー内に含有されたワックスが力学的に染み出る
等が発生する。更にこのような状態において、現像スリーブ表面の現像剤搬送力が弱いと、現像ニップを通過できない高密度の現像剤は、スリーブ表面で滑ることによりスリーブ表面での摩擦熱でトナーが溶融、固着してしまう。
軟化・溶融したトナーに他のトナー又はキャリア等が凝集し始め、この部分が核となって固着部が成長する。固着開始は、ほぼ1個所から始まり周方向に次第に広がる場合と、複数個所発生して成長する場合とがある。
他の間接的な要因として、装置内トナー濃度が高くなり(低湿環境でPセンサを制御する際や元々トナー濃度が高いカラー剤使用時)流動性が低下したり、現像剤の経時劣化や放置低下により帯電量の落ちた浮遊トナーが増加して流動性が低下しているとき、等の場合に固着が発生し易い。また経時的にスリーブ表面粗さが小さくなって現像剤の搬送性が低下するとき、高温環境や連続コピーでスリーブ温度が上昇する時(渦電流)、更にはスリーブ汚れが多いとき等にも特に固着が発生し易い。いずれの場合も、現像スリーブとキャリアやトナーの間で相対的速度差が大きいほど摩擦熱が発生し、固着を誘発する。
本発明は、高画質化を達成するにあたり、生じ得る現像スリーブ上のトナー乃至現像剤の固着を防止し、上記した不具合を生じない現像装置を提供することを課題とする。
上記課題は、本発明にしたがって、現像剤を現像剤担持体に汲み上げて、現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像装置にして、上記現像剤担持体が非磁性スリーブと当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラとからなり、当該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備えるような現像装置において、上記主磁極の法線方向磁束密度の減衰率が40%以上、好ましくは50%以上であり、上記スリーブの表面に不規則な凹凸パターンが形成されているように構成することで、解決される。減衰率とは、スリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値からとスリーブ表面から1mm離れたところでの法線方向磁束密度のピーク値の差をスリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値で割った比率である。磁極の減衰率が大きくなるということは、磁気ブラシの立ち上がり・倒れの間の穂立ち幅が小さくなることで、その結果、磁気ブラシは短く且つ密に立ち上がる。
減衰率を大きくするには、その磁極を形成する磁石の選択によって実現可能である。また以下の実施の形態の項で述べるように、実験的に、磁極の半値幅を狭くすることで、その減衰率が大きくなることが判明している。当該半値幅を22°以下、望ましくは18°以下で構成するのが良い。半値幅とは、法線方向の磁力分布曲線の最高法線磁力(頂点)の半分の値(例えばN極によって作製されている磁石の最高法線磁力が120mT(ミリテスラ)であった場合、半値50%というと60mTである。半値80%という表現もあり、この場合には96mTとなる)を指す部分の角度幅のことである。主磁極の半値幅を狭くする一つの方策として、その磁力形成を補助する補助磁極を形成することが考えられる。半値幅が狭くなれば、磁気ブラシの穂立ち位置が主極に近づき、現像ニップ自体も狭くなる。上記補助磁極は、主磁極の現像剤搬送方向上流側及び/又は下流側に形成する。上流側と下流側の両方の他、上流側か下流側のいずれか一方に形成することができ、いずれもそれぞれ利点を有する。
現像スリーブの表面に形成される不規則な凹凸パターンはブラスト処理により行われる。代表的なブラスト処理はサンドブラスト法であるが、ビーズブラスト法を用いることも当然ながら可能である。
本発明によれば、磁気ブラシの立ち上がり・倒れの間の穂立ち幅が小さく、磁気ブラシは短くなって、スリーブ線速比を低くし、且つ現像ギャップを狭くしても、現像剤担持体と像担持体の間に挟まれる現像剤のストレスが小さく、磁気ブラシの現像剤溜りや固着が発生し難い。
本発明の詳細を、図に示す例に基づいて説明する。
先ず本発明に係る現像装置を含む感光体ユニット全体について説明する。図1において、潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、当該ドラム表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線でなる露光3、ドラム表面の潜像に帯電トナーを付着することでトナー像を形成する現像装置4、形成されたドラム上のトナー像を記録紙6へ転写するための転写装置5、ドラム上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置7、ドラム上の残留電位を除去するための除電ランプ8が順に配設されている。このような構成において、帯電装置2の帯電ローラによって表面を一様に帯電された感光体1は、露光3によって静電潜像を形成され、現像装置4によってトナー像を形成される。当該トナー像は、転写ベルトなどでなる転写装置5によって、感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写される。この転写の際に感光体ドラムに静電的に付着した記録紙は、分離爪によって感光体ドラム1から分離される。そして未定着の記録紙上のトナー像は定着器によって記録紙に定着される。一方、転写されずに感光体ドラム上に残留したトナーは、クリーニング装置7によって除去され回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム1は除電ランプ8で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
上記現像装置4の構成を図2に基づいて説明する。現像装置4内には、現像剤担持体である現像ローラ41が感光体ドラム1に近接するように配置されていて、双方の対向部分には、感光体ドラムと磁気ブラシが接触する現像領域が形成されている。現像ローラ41では、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成してなる現像スリーブ43が不図示の回転駆動機構によって時計回り方向に回転されるようになっている。本実施例においては、感光体ドラム1のドラム径が60mmで、ドラム線速が240mm/秒に設定され、現像スリーブ43のスリーブ径が20mmで、スリーブ線速が600mm/秒に設定されている。したがって、ドラム線速に対するスリーブ線速の比は2.5である。また感光体ドラム1と現像スリーブ43との間隔である現像ギャップは0.4mmに設定されている。現像ギャップは、従来ではキャリア粒径が50μmであれば0.65mmから0.8mm程度、言い換えれば、現像剤粒径の10倍以上に設定されていたが、本実施例では10倍以下(0.55mm)に設定するのが良い。これより広くすると望ましいとされる画像濃度が出にくくなる。
現像剤の搬送方向(図で見て時計回り方向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ上の現像剤量を規制するドクタブレード45が設置されている。このドクタブレード45と現像スリーブ43との間隔であるドクタギャップは0.4mmに設定されている。更に現像ローラの感光体ドラムとは反対側領域には、現像ケーシング46内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ41へ汲み上げるためのスクリュー47が設置されている。
上記現像スリーブ43内には、当該現像スリーブ43の周表面に現像剤の穂立ちを生じるように磁界を形成する磁石ローラ体(磁石ローラ)44が固定状態で備えられている。この磁石ローラ体から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが現像スリーブ43上にチェーン状に穂立ちを起こし、このチェーン状に穂立ちを生じたキャリアに帯電トナーが付着されて、磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシは現像スリーブ43の回転によって現像スリーブ43と同方向(図で見て時計回り方向)に移送されることとなる。上記磁石ローラ体44は、複数の磁極(磁石)を備えている。具体的には、現像領域部分に現像剤の穂立ちを生じる現像主磁石P1b、主磁極の磁力形成を補助する主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1c、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P5,P6、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3を備えている。これら各磁石P1b,P1a,P1c,P4,P5,P2及びP3は、現像スリーブ43の半径方向に向けて配置されている。本例では、磁石ローラ体44を8極の磁石によって構成しているが、汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上させるためにP3極からドクタブレード45の間に磁石(磁極)を更に増やして10極や12極で構成してもよい。
図2から理解できるように、上記現像主極群P1は、P1a,P1b,P1cの順で上流側から並ぶ横断面の小さな磁石から構成されている。横断面の小さいこれら磁石は希土類金属合金により作製されているが、サマリウム合金系磁石、特にサマリウムコバルト合金系磁石などを用いることもできる。希土類金属合金磁石のうち代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁石では最大エネルギー積が358kJ/m3であり、鉄ネオジウムボロン合金ボンド磁石では最大エネルギー積が80kJ/m3前後である。このような磁石によって従来の磁石と異なり、相当に小サイズ化しても必要な現像ローラ表面磁力を確保できる。従来の通常フェライト磁石やフェライトボンド磁石では最大エネルギー積がそれぞれ36kJ/m3前後、20kJ/m3前後である。スリーブ径を大きくすることが許容される場合には、フェライト磁石やフェライトボンド磁石を用いて形状を大きくとり、あるいはスリーブ側に向いた磁石先端を細く形成することによっても半値幅を狭くすることが可能である。また、本実施例では横断面の小さな磁石により構成しているが、一体成形で形成される磁石ローラにより成形して良く、更に、P1極群以外の磁石を一体成形しP1極群を個別に形成し一体化若しくは同時に形成しても良い。扇状に形成した磁石を磁石ローラ軸に貼り合わせによって成形しても良い。
本例では、現像主磁石P1bと、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4と、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P6と、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3がN極をなし、主磁極の磁力形成を補助する主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cと、汲み上げられた現像剤を搬送する磁石P5がS極をなしている。法線方向の磁束密度を測定し円チャートグラフとして示した図3で理解できるように、主磁石P1bとして、現像ローラ上の85mT以上の法線方向磁力を有する磁石が用いられた。キャリア付着に関する磁力は接線磁力であり、この接線磁力を大きくするためにはP1b,P1a,P1cの磁力を大きくする必要があるが、どれかを十分に大きくすることでキャリア付着の発生を抑えることができる。磁石P1b,P1a,P1cの磁石幅は2mmであった。この時のP1bの半値幅は16°であった。
なお別の例(第2例)として、主磁極の上・下流側に補助磁極を備えない磁石ローラ体の配置構成を図4に示す。磁石ローラ体の配置以外、現像装置4や感光体ドラム1の構成自体は図2に示したものと同じなので、同一符号を付し、説明を省略する。磁石ローラ体44’は、現像領域部分に現像剤を穂立ちさせる現像主磁石P1、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P5,P6、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3を備えている。これら各磁石P1,P4,P5,P2及びP3は、現像スリーブ43の半径方向に向けて配置されている。本第2例では、磁石ローラ体44’を6極の磁石によって構成しているが、上記の例と同じく、汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上させるためにP3極からドクタブレード45の間に磁石(磁極)を更に増やして8極以上で構成してもよい。
主磁石の上・下流側に補助磁石を備えた上記の例と同様に、現像主極を形成する主磁石P1は、横断面の小さな磁石から構成されている。横断面の小さい磁石は希土類金属合金により作製されているが、サマリウム合金磁石、特にサマリウムコバルト合金磁石などを用いることもできる。スリーブ径を大きくすることが許容される場合には、フェライト磁石やフェライトボンド磁石を用いてスリーブ側に向いた磁石先端を細く形成することで半値中央角を狭くすることが可能である。
第2例では、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4と、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P6と、現像後の領域で現像剤を搬送する磁石P2,P3がN極をなし、現像主磁石P1と、汲み上げられた現像剤を搬送する磁石P5がS極をなしている。第1例での磁力詳細に対応するものを図5に示す。
法線方向の磁力密度の減衰率を考察するにあたり、改めて図3に戻る。当該図は法線磁力パターンを示すもので、実線は現像スリーブ表面上の磁束密度を測定して円チャートグラフであり、破線は現像スリーブ表面から1mm離れたところでの法線方向の磁束密度を測定した円チャートグラフである。測定に使用した計測装置はADS社製ガウスメーター(HGM-8300)並びにADS社製A1型アキシャルプローブであり、円チャートレコーダにて記録した。
第1例での磁石ローラによる観測では、主磁極P1bのスリーブ表面上の法線方向の磁束密度は95mTを示し、スリーブ表面から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は44.2mTであり、磁束密度の変化量は50.8mTの磁力差であった。この時の法線方向磁束密度の減衰率(スリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値からとスリーブ表面から1mm離れたところでの法線方向磁束密度のピーク値の差をスリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値で割った比率)は53.5%である。主磁石の最高法線磁力が95mTである時の半値は47.5mTで、その半値幅は22°である。この主磁極の半値幅22°を境に、それより大きくすると異常画像の発生があることが確認された。
主磁極P1bの上流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石P1aのスリーブ表面上の法線方向磁束密度は93mTを示し、スリーブ表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は49.6mTであり、磁束密度の変化量は43.4mTの磁力差であった。この時の法線方向磁束密度の減衰率は46.7%である。主磁極P1bの下流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石P1cのスリーブ表面上の法線方向磁束密度は92mTを示し、スリーブ表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は51.7mTであり、磁束密度の変化量は40.3mTの磁力差であった。この時の法線方向磁束密度の減衰率は43.8%である。本例では、磁石ローラ上に発生した磁力線に沿って形成された磁気ブラシは、主磁極P1bに形成されるブラシ部分のみが感光体に接し、感光体上の静電潜像を顕像化する。この際、感光体が接しない状態で測定すると当該箇所での磁気ブラシの長さは約1.5mmで、従来の磁石ローラで形成される磁気ブラシ(約3mm)よりも穂立ちが短く、密になった状態を作り出すことが可能となった。現像剤規制部材と現像スリーブの間の距離が従来と同じである場合には、現像剤規制部材を通過する現像剤量が同じであるので、現像領域にある磁気ブラシは短く、密になっていることが確認できた。この現象は図3の法線磁力パターンからも理解でき、現像スリーブ表面から1mm離れたところでの法線磁束密度が大きく減少しているので、磁気ブラシは現像スリーブより離れたところではブラシチェーンを形成することができず、磁気ブラシが短く現像スリーブ表面に密に形成することとなる。ちなみに従来の磁石ローラでは、主磁極のスリーブ表面上の法線方向磁束密度は73mTを示し、スリーブ表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は51.8mTであり、磁束密度の変化量は21.2mTの磁力差であった。この時の法線方向磁束密度の減衰率は29%である。
実験値では半値幅を小さくすることによって減衰率が高まることが判明している。半値幅を小さくするには、磁石の幅(スリーブ円周方向での幅)を小さくすることによって達成できる。例えば、上記第1の例では磁石P1b,P1a,P1cの磁石幅が2mmで、P1bの半値幅が16°であるが、1.6mm幅の磁石では主磁極の半値幅は12°であった。半値幅を狭くすることにより隣り合う磁石に回り込む磁力線量が増え、スリーブ表面より離れた部分での法線磁束密度が低下する。磁石ローラと現像スリーブの間には、磁石ローラが固定され現像スリーブが回転するのに必要な空間と現像スリーブの肉厚分とに基づく実質空隙が存在し、接線磁束密度位置が実質的に現像スリーブ側に集中するので、法線磁束密度はスリーブ表面から遠ざかるほど低下するのである。
減衰率の高い磁石ローラを使用すると磁気ブラシは短く密に形成される。これに対して、減衰率の低い従来の磁石ローラでは磁気ブラシは長く疎に形成される。これは、減衰率の大きい磁石により形成された磁界は隣の磁石(例えばP1bに対するP1a,P1c)に引き付けられやすくなり、法線方向に磁束が広がるよりも接線方向に磁束が回り込む寄与が高くなり、法線方向の磁束密度が小さくなることによって法線方向に磁気ブラシが形成されにくくなり、短く且つ密に磁気ブラシが形成されるのである。例えば減衰率の高い磁石P1bに形成される磁気ブラシは細長く個別に形成されるよりも隣り合って短く形成された方が安定する。減衰率の低い従来の磁石ローラでは現像剤の汲み上げ量を少なくしても磁気ブラシは短くならず、ほぼ前述した磁気ブラシと同等の長さとなってしまう。
減衰率を高くするには、主磁極と隣り合う主磁極形成補助磁石を(スリーブ周方向において)主磁極位置に近づけることでも達成可能である。こうすることにより、主磁極から発せられる磁力線が隣り合う主磁極形成補助磁極に流れ込む磁力線が増すことになって、減衰率が高くなる。
図2に示された磁石ローラ体(本願マグローラとも称する)において、主磁極(現像極)の磁束密度のピーク位置を0°とすると、その磁気力は図6での実線のようになるが、従来型の磁石ローラ体(従来マグローラとも称する)では点線のようになる。図7において、磁気力とスリーブ上の現像剤の滑り量の関係は、磁気力が大きいほど滑り量が小さくなることが分かる。従来マグローラに比べて本願マグローラの方が滑り量が少なくなる。これはスリーブ表面の摩擦係数が同じであることを前提にしているが、摩擦係数と正の相関関係がある表面粗さRzと滑り量の関係は図8に示す通りである。従来マグローラでは表面粗さRzが小さくなった時に滑り量が大きくなるが、本願マグローラでは磁気力が強いため表面粗さが小さい場合でも滑り量が少なく、結果的にスリーブ固着を発生しない。
また図9は現像ギャップと現像剤汲み上げ量との関係でスリーブ固着が発生する限界点を調べた結果を示すグラフである。従来マグローラでは、現像ギャップを小さくしていった場合、スリーブ固着が発生し易いために現像剤汲み上げ量を多くすることができないが、本願マグローラでは、従来のものに比べて多めの汲み上げ量まで固着が発生しないので、高画質化に必須の狭現像ギャップを達成することが可能である。
本発明に係る磁石ローラ体を使用することにより、キャリアが現像極(P1b極、P1極)から受ける磁気力が強いため、スリーブ表面粗さが小さくなって現像剤の搬送性が低下してもスリーブ表面で滑り難く、摩擦熱の発生を抑えることができる。即ち、固着が発生する現像ニップ部での現像剤搬送性が高くなり、スリーブ表面で滑り難くなるため、摩擦熱による固着がなくなる。そのため、スリーブ表面の現像剤搬送性が溝付きスリーブよりも劣るブラスト処理されたスリーブを低いスリーブ線速比のもとで使用可能である。ブラスト処理には例えばサンドブラスト法やビーズブラスト法があり、いずれの処理法でも本発明の表面凹凸形成には利用可能である。
ACバイアスを印加することで上昇した現像γを下がるために線速比を下げてもスリーブ固着は発生しなくなった。具体的には、線速比1.2、Vpp=0.8Kv、f=4.5kHz、現像ギャップ=0.35mm、汲み上げ量=0.08mg/cm2で固着が発生せず画像品質が良好であった。
本発明に係る現像装置を含む感光体ユニットの概略構成図である。 図1における現像装置の詳細構成図である。 本発明に係る現像装置での現像ローラの磁力分布とその大きさ程度を示す図である。 別の配置構成を有する磁石ローラ体を備えた現像装置の詳細構成図である。 図3に対応する、図4の現像装置での現像ローラの磁力分布とその大きさ程度を示す図である。 主磁極の磁束密度ピークを0°にとった場合の磁気力の変化を本発明に係る第1例の磁石ローラ体と従来構成の磁石ローラ体とにおいて示すグラフである。 現像スリーブ表面の摩擦係数が同じ場合の磁気力とスリーブ上の現像剤の滑り量の関係を示すグラフである。 現像スリーブの表面粗さとスリーブ上の現像剤の滑り量の関係を示すグラフである。 現像ギャップと現像剤汲み上げ量の大小における固着発生領域を示すグラフである。
符号の説明
1 感光体ドラム
4 現像装置
41 現像ローラ
43 現像スリーブ
44 磁石ローラ体

Claims (7)

  1. 現像剤を現像剤担持体に汲み上げて、現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像装置にして、上記現像剤担持体が非磁性スリーブと当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラとからなり、当該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備えるような現像装置において、
    上記主磁極の法線方向磁束密度の減衰率が40%以上であり、上記スリーブの表面に不規則な凹凸パターンが形成されていることを特徴とする現像装置。
  2. 現像剤を現像剤担持体に汲み上げて、現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像装置にして、上記現像剤担持体が非磁性スリーブと当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラとからなり、当該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備えるような現像装置において、
    上記主磁極の半値幅が22°以下であり、上記スリーブの表面に不規則な凹凸パターンが形成されていることを特徴とする現像装置。
  3. 現像剤を現像剤担持体に汲み上げて、現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像装置にして、上記現像剤担持体が非磁性スリーブと当該スリーブ内に固定配置された磁石ローラとからなり、当該磁石ローラが現像剤汲み上げ磁極、現像剤搬送磁極、現像剤穂立ちのための主磁極を備えるような現像装置において、
    上記主磁極の磁力形成を補助する補助磁石を備え、上記スリーブの表面に不規則な凹凸パターンが形成されていることを特徴とする現像装置。
  4. 上記補助磁石を、上記主磁極を形成する主磁石の現像剤搬送方向上流側及び/又は下流側に配置することを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 上記不規則な凹凸パターンがサンドブラストにより形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像装置。
  6. 上記潜像を交番電界にて現像することを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
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