JP2006023564A - 位置調整装置及び位置調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バルブとリフレクターとの相対的な位置調整のばらつきが小さく、双方を高い精度で位置調整を行うことができるランプ位置調整装置及びランプ位置調整方法を得ること。
【解決手段】 バルブとリフレクターを含む光源と、該光源からの光束で被照射面を照明する照明光学系と、該被照射面からの光束を所定面に投射する投射光学系と、該所定面上に入射する光束を検出する複数のセンサーを含む検出系と、該検出系の検出結果に基づいて該バルブと該リフレクターとの相対的な位置関係を調整する移動機構と、を備え、該照明光学系の屈折力は、光軸に垂直で、互いに直交する第1方向と第2方向で異なっており、該移動機構は、該第1方向と第2方向で、それぞれ、該バルブとリフレクターとの相対的位置を調整していること。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば液晶プロジェクター等の投射装置に用いられる光源(ランプ)を構成するバルブとリフレクターとの相対的な位置関係を調整する際に好適な位置調整機構及び位置調整方法に関するものである。
現在、液晶プロジェクター等のような大画面投射型のディスプレイにおいては、投射画面が明るいことが要望されている。一般には、投射画面を大画面にするほど明るくするのが困難となる。投射画面の明るさを決定する要因としては、光源の輝度、光束の集光効率、光の利用効率などがある。
投射型のディスプレイに利用される光源には、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプなどがあるが、発光効率の高さと大光量である点などから、最近では高圧水銀ランプが多く利用されてきている。また、液晶プロジェクターは、角度依存性のある光学部品を数多く使用するため、光源(ランプ)から液晶パネルに至る光束が特に平行光であることが要望されている。
このためランプからの放射光を集光して集光効率を高めて平行光として出射するためにリフレクター(反射鏡)が多く使われる。
リフレクターは、液晶パネルまでの距離や液晶パネルと発光部分の大きさを考慮して、球面・放物回転面・楕円回転面など最適な形状に設計される。リフレクターにはランプが、例えば、図10に示すような状態で固定されている。すなわち、ランプ7を構成するバルブ3と、リフレクター4と、をバルブ3が放物形状のリフレクター4の中央に配置するようにバルブ支持部2に固定している。
リフレクター4の内側の反射鏡を形成する放物面の焦点位置と、バルブ3の陽極10と陰極9との間の発光部3aとが略一致するように固定することにより、バルブ3からの光束の集光効率を高めリフレクター4から反射される光束を平行光としている。
このようなバルブ3とリフレクター4の固定位置関係は集光効率に影響を与える。たとえば高圧水銀ランプは、図10に示すように、陽極10と陰極9の間でアーク放電を起こさせて発光させるため発光部3aは光学的に線光源となり、その陽極10と陰極9は常に同じ軸線上にあるとは限らず、ランプ毎にそれぞれの線光源3aの位置にバラツキがある。
また、リフレクター4も、反射面の形状誤差から焦点位置にバラツキがある。一方、バルブ3の発光部3aがリフレクター4の焦点位置からずれると、集光効率が悪くなりスクリーンへの照射光の照度が低下したり、スクリーン上の照度のムラが大きくなったりする。バルブ3とリフレクター4との位置関係のバラツキを考慮すると、バルブ3をリフレクター4の内部に固定する際には、非常に微妙な調整が必要になっている。
図11は、特許文献1で開示されている液晶プロジェクターにおけるリフレクターとランプとの固定位置調整機構を示す概略図である。同図に示す液晶プロジェクターの固定位置調整機構では、光学系11と、その光学系(照明光学系と投射光学系を含む)11に対して所定の位置にリフレクター4を固定するリフレクター固定治具20と、バルブ3を支持するバルブ支持具30と、そのバルブ支持具30に支持されたバルブ3の位置を調整するランプ位置調整機構40と、ランプ7から放射された光が光学系11を介して照射されるスクリーン50と、そのスクリーン50を撮影するCCDカメラ60と、そのCCDカメラ60の撮影する画像情報を表示するディスプレイ70からリフレクター4に対するバルブ3の位置を調整制御するコントローラ70とを備えている。
図12は、図11においてランプ7を構成するバルブ3とリフレクター4との相対的な位置合わせをするときのフローチャートである。次に図12を用いてランプの位置合わせについて説明する。
リフレクター4からの反射光の出射方向をZ軸方向、そのZ軸と垂直に交わる面上の直交する方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向として、まず、ランプ7を駆動手段41でZ軸方向に移動させ、出射光によるスクリーン50上への照射光の照度が最大となり、かつ、スクリーン50上の中央に対する周辺の光量比を最小にするようにランプ7のZ軸方向位置を調整して位置決めを行い、次に、バルブ3を駆動手段43でX軸方向または駆動手段42でY軸方向に移動させて、出射光によるスクリーン50上への照射光の最大照度位置を中央にするように、バルブ3のX軸方向またはY軸方向の位置を調整して位置決めを行い、その後に、リフレクター4へバルブ3を固定する。
特開平05−313117号公報
ここで、図11に示す調整機構における光学系7は、図13に示すように、バルブ101から発せられる光束を反射集光するリフレクター102とリフレクター102で反射集光した光束より複数の光源像を形成する微小レンズが2次元的に配置された第1インテグレーター(ハエの目レンズ)201と第2インテグレーター202を含む光学インテグレーター200と光学インテグレーター200からの複数の光束をそれぞれ集光して被照明面であるライトバルブ(液晶パネル)400を重畳的に照明する光学系300とライトバルブ400に基づく画像をスクリーンSに投射する投射レンズPLから構成される光学系である。
このような光学系11の特徴として、バルブ101から出射される光を2次元的に細かく分割してライトバルブ400上に重ね合わせるために、リフレクター102に対してバルブ101の位置が若干ずれて配置されてもスクリーンS上の照度ムラや明るさは大きく変化しない。
したがって、バルブ101とリフレクター102の位置調整に最適な光学系ではない。
本発明は、バルブとリフレクターとの相対的な位置調整のばらつきが小さく、双方を高い精度で位置調整を行うことができる位置調整装置及び位置調整方法の提供を目的とする。
本発明の位置調整装置は、
バルブとリフレクターを含む光源と、
該光源からの光束で被照射面を照明する照明光学系と、
該被照射面からの光束を所定面に投射する投射光学系と、
該所定面上に入射する光束を検出する複数のセンサーを含む検出系と、
該検出系の検出結果に基づいて該バルブと該リフレクターとの相対的な位置関係を調整する移動機構と、を備え、
該照明光学系の屈折力は、光軸に垂直で、互いに直交する第1方向と第2方向で異なっており、
該移動機構は、該第1方向と第2方向で、それぞれ、該バルブとリフレクターとの相対的位置を調整していることを特徴としている。
本発明によれば、バルブとリフレクターとの相対的な位置調整のばらつきが小さく、双方を高い精度で位置調整を行うことができる位置調整装置及び位置調整方法を達成することができる。
図1は、本発明の位置調整装置を用いたプロジェクターの概略図である。図2は図1のYZ平面の概略図、図3は図1のXZ平面の概略図である。
図中、1はバルブ位置調整治具であり、バルブ3を保持するバルブ支持部材2を駆動してバルブ3の位置を調整している。4はリフレクターであり、バルブ3から放射した光束を反射している。5はランプ位置調整用の光学系であり、照明光学系21と投射光学系PLを有している。6は複数のセンサーを有する照度測定器(検出系)であり、スクリーン面Sに相当する位置に配置されている。
7はバルブ3とバルブ支持部材2とバルブ位置調整治具1とリフレクター4を含む光源部(光源手段)である。8はスクリーン位置に配置された照度測定器6の各センサーからの出力値を演算して表示する表示機器である。バルブ3は、バルブ保持部材2により保持されており、バルブ位置調整治具1で、バルブ保持部材2を駆動させることによりリフレクター4に対して位置調整される。
光源部7から出射される光は照明光学系21で投影画像が配置される照射面に相当する被投影面400を照明し、被投影面400は投射レンズPLによってスクリーンSに投影される。照度測定の際には被投影画像を用いず単に光束のみがスクリーン面S上に投射される。スクリーン位置Sには照度測定器6が配置され、その照度測定器6には9個(何個でも良い)のセンサーS1〜S9が図1に示すように設けられており、スクリーンSに照射される光はその9個のセンサーS1〜S9によって照度値を計測され、各照度値を演算した数値が演算表示機器8により表示される。
図2は、本発明に係るランプ調整治具を用いたプロジェクターの光学系のインテグレーターレンズ201,202の配列方向の断面図(YZ断面図)である。図3は図2のYZ断面と垂直なXZ断面図である。ここでは、リフレクター4から光の出射する光軸方向をZ軸方向(Z方向)、それとは垂直で前記インテグレーターのレンズ配列方向(第1方向)をY軸方向(Y方向)、Z軸及びY軸と垂直な方向(第2方向)をX軸方向(X方向)としている。
100は光源系、200は光学インテグレーター、300は集光光学系、400はライトバルブ(被投影画像)、PLはライトバルブ400の画像をスクリーンSに投影する投影光学系(投射レンズ)、Sはスクリーンである。光源系100はバルブ101、リフレクター102を有し、光学インテグレーター200はYZ面内(第1方向)に屈折力を有するシリンドリカルレンズを複数配列した第1のインテグレーター(第1光学素子)201、同じくシリンドリカルレンズとトーリックレンズを所定のピッチで配列した第2のインテグレーター(第2光学素子)202を有し、集光光学系300はXZ面内(第2方向)に屈折力を有する第1の光束圧縮レンズ302、球面系より成るコンデンサーレンズ301とXZ面内に屈折力を有する第2の光束圧縮レンズ303を有している。
ここで、第1のインテグレーター(第1光学素子)201は、図1のYZ断面内(第1方向)にのみ屈折力を持った複数の微小レンズが並列に配置されたレンズアレイである。また第2のインテグレーター(第2光学素子)202は第1のインテグレーター201と同様に図2のYZ断面内に同じ屈折力を持った複数の微小レンズが複数個並列に配置されている。又この第2のインテグレーターレンズ202は、レンズ配列方向と垂直な方向(XZ断面内)において中央部の2つ又は3つの微小レンズだけがYZ面内と同一又は異なった正の屈折力を有している。尚、XZ面内において屈折力を持たせなくても良い。
以上のように照明光学系21は、一方の平面内(YZ面内)においてのみ屈折力を有する複数のシリンドリカルレンズを所定のピッチで配列した第1光学素子201を有している。
又、一方の平面内(YZ面内)と他方の平面内(XZ面内)において互いに屈折力が異なる複数のトーリックレンズを所定のピッチで配列した第2光学素子202を有している。
また、第1の光束圧縮レンズ302と第2の光束圧縮レンズ303は、図2のYZ断面方向には屈折力を有しておらず、この断面と垂直な方向のXZ断面図にのみ屈折力を有している。
図3のXZ断面内において第1の光束圧縮レンズ302と第2の光束圧縮レンズ303は正の屈折力を有している。
以上のように、光学系5は、ランプ100からの光束で被投射面400を照明する照明光学系21と、被照射面400からの光束を該所定面Sに投射する投射光学系PLを有しており、照明光学系21は、直交する平面内での屈折力が互いに異なっており、一方の平面内(第1方向)(YZ面内)においては、ランプ100からの光束より複数の2次光源像を形成し、該複数の2次光源像からの光束を被投射面400上に重畳しており、他方の平面内(第2方向)(XZ面内)においては、ランプ100からの光束の光束径を縮小して該被投射面上に導光しており、移動機構1により、直交する平面内において、ランプ100のバルブ101とリフレクター102との相対的な位置関係を変化させたときに、光検出器6で得られる信号を利用して、ランプ100のバルブ101とリフレクター102との相対的位置を調整している。
次に、図2及び図3の光学作用の説明をする。バルブ101から出射した光はリフレクター102で反射して平行光としてライトバルブ400側に導かれ、その後、第1のインテグレーター201に入射する。
ここで、第1のインテグレータ201に入射する光は、インテグレーターレンズ201のレンズの配列方向(Y方向)には微小レンズの数だけ分割され、第2のインテグレーター202の近傍に光源像(2次光源像)を作るよう集光するが、インテグレーターレンズ配列方向(Y方向)と垂直な方向(X方向)には屈折されずに第2のインテグレーター202に入射する。
第2のインテグレーターレンズ202に入射した光は、インテグレーターレンズの配列方向(Y方向)には再び正の屈折力を受けて屈折し、それとは垂直な方向(X方向)には、第2のインテグレーター202の中央部3つの微小レンズを通る光線は正の屈折力を受け、それ以外の領域は屈折力を受けずに第1の光束圧縮レンズ302に入射する。
第1の光束圧縮レンズ302に入射した光は、インテグレーターレンズの配列方向(Y方向)には屈折力を受けずに透過し、コンデンサーレンズ301に入射する。また、それとは垂直な方向(X方向)には第1の光束圧縮レンズ302の正の屈折力を受けて屈折し、コンデンサーレンズ301に入射する。コンデンサーレンズ301を透過・屈折した光は、第2の光束圧縮レンズ303に入射し、インテグレーターレンズの配列方向(Y方向)には屈折力を受けずに透過し、ライトバルブ400に入射する。また、それとは垂直な方向(X方向)には第2の光束圧縮レンズ303の正の屈折力により屈折し、ライトバルブ400に入射する。
図4は、バルブ101をリフレクター102に対して位置調整する作業の手順(フローチャート)を示す。最初に、調整治具1に配置されたリフレクター4に対してバルブ3を任意の位置に固定する。ここで、リフレクター4を後ろから見たときバルブ3がリフレクター4の穴4aに対してほぼ真中となるようにあらかじめ配置しておくのが望ましい。こうしておくことで、調整にかかる時間を比較的短くすることができる。
次にリフレクター4に対して任意の位置に配置されたバルブ3を点灯させ、投射サイズが40インチ程度となる投射距離のスクリーン位置Sに配置された照度測定器6によりスクリーン中心位置の照度値が例えば6500Lux以上となるように、バルブ位置調整治具1により上下左右及びリフレクター4から光が出射する方向にシフトさせ、調整する。
上記の作業ではXYZ方向をシフトさせて、スクリーン中心照度値が6500Lux以上となるように位置調整する。次の作業の説明をする前に、図5を用い照度測定器6の各センサーで得られる数値から計算する調整時パラメーターの説明をする。調整時パラメーターとして、左右差照度C、周辺照度比B、スクリーン光束値Aがあり、それぞれ次のように定義する。
ここで、図5のS1〜S9は斜線部で示したセンサー位置(1)〜(9)におけるセンサーで得られる照度値である。
即ち、照度測定器6は、被投射面をXY方向で2次元的に9つに均等分割した矩形領域の中央部にそれぞれ1個づつセンサーを有しており、各センサーで検出された照度を、該ランプ側から該被投射面を見たとき左上側から右上側へS1、S2、S3、左中側から右中側へS4、S5、S6、左下側から右下側へS7、S8、S9とすると、スクリーン光束値A、周辺照度比B、左右差照度Cは、
A={(S1+S2+S3+S4+S5+S6+S7+S8+S9)/9}×0.495
B=[{(S1+S3+S7+S9)/4}/S5]×100
C={(S4−S6)/(S4+S6)}×2×100
で表され、移動機構1は、スクリーン光束値Aが所定の範囲となるようにバルブ3をリフレクター4に対してY方向に移動させ、周辺照度比Bが所定の範囲となるようにバルブ3をリフレクター4に対してZ方向に移動させ、左右差照度Cが所定の範囲となるようにバルブ3をリフレクター4に対してX方向に移動させている。
次の作業として、この左右差照度Cが次の範囲となるようにバルブ3をリフレクター4に対してX方向にシフトさせる。
−2[%]≦C≦2[%]……(1)
次に、周辺照度比Bが次の範囲となるようにバルブ3をリフレクター4に対してZ方向にシフトさせる。
70[%]≦B≦80[%] ……(2)
次に、スクリーン光束値Aが最大値となるようにバルブ3をリフレクター4に対してY方向にシフトさせる。
次に、周辺照度比Bが次の範囲となるようにバルブ3をリフレクター4に対してZ方向にシフトさせる。
73[%]≦B≦77[%] ……(3)
次に、左右差照度Cが次の範囲となるようにバルブ3をリフレクター4に対してX方向にシフトさせる。
−1[%]≦C≦1[%] ……(4)
その後、周辺照度比B及び左右差照度Cがそれぞれ(3)式及び(4)式を満足しているかを確認し、満足していれば調整は完了であり、満足していなければ再び周辺照度比Bが(3)式を満足するようにバルブ3をZ方向に調整し、左右差照度Cが(4)式を満足するようにバルブ3のX方向に調整する。
次に、上記の手順による調整の詳細な説明を行なう。本実施例の調整治具に用いられる光学系では、インテグレーターレンズ201,202の配列方向(Y方向)とは垂直な方向(=X方向)には光を分割して重畳していないために、そのX方向では従来の2次元的インテグレーターレンズと比較してランプ位置ズレ(バルブ位置ズレ)によるスクリーン位置Sでの照度分布の変化が大きく、敏感度が高い。
図6では、X方向における左右差照度Cの敏感度の計算値を示す。バルブ3がリフレクター4に対して0.1mmずれたときに、左右差照度Cは約17%になる。調整治具の調整の可能な量として0.01mmとすれば、左右差照度Cは±1.7%の範囲で調整が可能であるが、バルブ3をリフレクター4に対して接着材で固着する際のずれにより、実際にはこの±1.7%より大きな値となる。実用上は、固着後に左右差照度Cが±10%の範囲に入っていれば、スクリーンS上の左右の照度分布バランスは見た目でほぼ判別できず、問題ないレベルである。
次に、バルブ3がZ方向にずれたときの周辺照度比Bの変化量について述べる。バルブ3のZ方向における周辺照度比Bの敏感度を図7に示す。
周辺照度比Bは図5に示すスクリーンSの4隅の位置における照度値(1)、(3)、(7)、(9)の平均値をスクリーン中心での照度値(5)で割った値であり、周辺照度比Bが小さいと周辺部の照度が中心照度に比べて低く、また、周辺照度比Bが大きいとスクリーン中心部と周辺部で照度の差が小さい。
この様子を示した図が図8である。図8からわかるように、バルブ3をZ方向にずらしたときには周辺部の照度値は変化が小さく、中心部の照度値の変化が大きい。このため、スクリーン光束Aの数値はスクリーンSの照度値(5)の数値変化に大きく影響を受けるために、周辺照度比Bが小さいときには、前記スクリーン光束Aが高い数値となり、周辺照度比Bが大きいときにはスクリーン光束Aの値は低くなる。こうしたことからスクリーンS上の照度分布とスクリーン光束Aの両方を考慮すると、バルブ3のZ方向のベスト位置は、周辺照度値Bが75%〜80%の範囲のときであり、上記の調整でもその範囲をターゲットとしている。
次に、バルブ3がY方向にずれたときのスクリーン光束Aの変化量について述べる。敏感度を図9に示す。バルブ3のY方向のベスト位置は図9に示す曲線の一番上の部分、すなわち、スクリーン光束Aが最大となるところである。このY位置は、第2のインテグレーターレンズ202の直後にある不図示の偏光変換素子に配置された矩形開口が交互に並んだ遮光部材での光のけられが最も小さくなる位置であり、その位置は光学系の光軸上に一致する。
上記のようにバルブ3をXYZ方向にずらしたときにそれぞれ左右差C、スクリーン光束A、周辺照度比Bの値が変化するので、各パラメーターA,B,Cの値を順次調整していくことでバルブ3をリフレクター4に対して最適な位置に調整することができる。
調整手順としては、最初にほぼ中央部にピークがあるような分布にするべく、中心照度値が所定の数値以上となるようにする。ここで、中央部が凹の分布の場合では、次の左右差調整を行なう際に凹状分布のどの箇所を見て左右調整しているのか分からなくなり調整が非常に困難となってしまう。
次に行なう調整としては、粗調整として左右差及び周辺照度比Bの調整を行なうことで分布が目標に近づき、その分布にした上でスクリーン光束Aが最大となるようにY方向の調整をし、最後にZとXの微調整を行なって調整を終了することにより、バルブ3をリフレクター4に対して精度良く位置調整することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、バルブをリフレクターに位置調整する際に、水平・垂直方向及びランプから光の出射する方向にバルブをシフトさせたときのスクリーン上の照度分布変化及び明るさ変化が大きい光学系を用いて、XYZをそれぞれ段階的に調整することにより、調整者によらず狙いとする固定位置に精度高く調整することができ、また、数値だけを追って調整できるので作業自体が単純で、慣れてくると短時間で調整できる。
次に本実施例の調整に用いられる照明光学系の数値例について示す。
第1のインテグレーターレンズ201
N(材料の屈折率)=1.474
・ランプ側(光線入射側)
Ry(微小レンズのY方向の曲率半径)=15.5
P(各微小レンズのY方向の幅)=4.5
Na(微小レンズの数)=9
・パネル側(光線出射側)
R(曲率半径)=∞(平面)
第2のインテグレーターレンズ202
N(材料の屈折率)=1.474
・ランプ側(光線入射側)
R(曲率半径)=∞(平面)
・パネル側(光線出射側)
Ry(微小レンズのY方向の曲率半径)=−12.7
P(各微小レンズのY方向の幅)=4.5
Na(微小レンズの数)=9
Rx1(中央部微小レンズのX方向の曲率半径)=−170.0
Rx2(中央部の一つ上の微小レンズのX方向の曲率半径)=−115.0
Rx3(中央部の一つ下の微小レンズのX方向の曲率半径)=−240.0
第1の光束圧縮レンズ302
N(材料の屈折率)=1.65844
・ランプ側(光線入射側)
Rx(X方向の曲率半径)=37.423
Ry(Y方向の曲率半径)=∞
・パネル側(光線出射側)
R(曲率半径)=∞(平面)
コンデンサーレンズ301
N(材料の屈折率)=1.51633
・ランプ側(光線入射側)
R(曲率半径)=53.60931
・パネル側(光線出射側)
R(曲率半径)=−138.28105
第2の光束圧縮レンズ303
N(材料の屈折率)=1.51633
・ランプ側(光線入射側)
R(曲率半径)=∞
・パネル側(光線出射側)
Rx(X方向の曲率半径)=―26.3950
Ry(Y方向の曲率半径)=∞
本発明の調整に用いるランプ位置調整装置の全体の概略図である。 本発明の調整に用いるランプ位置調整装置に含まれる光学系のインテグレーターレンズ配列方向の説明図である。 本発明の調整に用いるランプ位置調整装置に含まれる光学系の図2と垂直な方向の説明図である。 本発明の手順を示すフローチャートである。 本発明の調整に用いるランプ位置調整装置に含まれるスクリーン位置に配置された照度測定器の説明図である。 本発明の調整に用いるランプ位置調整装置に含まれる光学系の水平方向の照度分布変化の敏過度を示すグラフである。 本発明の調整に用いるランプ位置調整装置に含まれる光学系の光軸方向の照度分布変化の敏感度を示すグラフである。 本発明の調整に用いるランプ位置調整装置に含まれる光学系の周辺照度比とスクリーン水平方向の照度分布断面図との関係を示す図 本発明の調整に用いるランプ位置調整装置に含まれる光学系の高さ方向のスクリーン光束の敏感度を示すグラフである。 高圧水銀ランプの説明図 従来のランプとリフレクターとの固定における構成図である。 従来のランプとリフレクターとの固定における調整手順を示すフローチャートである。 従来のランプ調整における構成に含まれる光学系の図である。
符号の説明
1 バルブ位置調整治具
2 バルブ支持部材
3 バルブ
4 リフレクター
5 照明光学系
6 照度測定器
7 光源部
8 演算表示機器
9 バルブの陰極
10 バルブの陽極
11 従来の照明光学系
100 光源部
101 発光部
102 リフレクター
200 インテグレーター
201 第1のインテグレーター
202 第2のインテグレーター
300 集光光学系
301 コンデンサーレンズ
302 第1の光束圧縮レンズ
303 第2の光束圧縮レンズ
400 ライトバルブ
PL 投射レンズ
S スクリーン

Claims (8)

  1. バルブとリフレクターを含む光源と、
    該光源からの光束で被照射面を照明する照明光学系と、
    該被照射面からの光束を所定面に投射する投射光学系と、
    該所定面上に入射する光束を検出する複数のセンサーを含む検出系と、
    該検出系の検出結果に基づいて該バルブと該リフレクターとの相対的な位置関係を調整する移動機構と、を備え、
    該照明光学系の屈折力は、光軸に垂直で、互いに直交する第1方向と第2方向で異なっており、
    該移動機構は、該第1方向と第2方向で、それぞれ、該バルブとリフレクターとの相対的位置を調整していることを特徴とする位置調整装置。
  2. 該第1方向では、該光源からの光束より複数の2次光源像が形成され、該第2方向では、該光源からの光束の光束径が縮小されることを特徴とする請求項1に記載の位置調整装置。
  3. 前記照明光学系は、前記第1方向のみで屈折力を有するシリンドリカルレンズが所定のピッチで複数配列された第1光学素子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の位置調整装置。
  4. 前記照明光学系は、前記第1方向と前記第2方向で屈折力が異なるトーリックレンズが所定のピッチで複数配列された第2光学素子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の位置調整装置。
  5. 前記光軸方向をZ方向、前記第1方向をY方向、前記第2方向をX方向とするとき、
    前記検出系は、前記被投射面をXY方向で2次元的に9つに均等分割した矩形領域の中央部にそれぞれ1個づつセンサーを有しており、
    前記移動機構は、各センサーで検出された照度の平均値が所定の範囲となるように、前記バルブを前記リフレクターに対してY方向に移動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の位置調整装置。
  6. 前記光軸方向をZ方向、前記第1方向をY方向、前記第2方向をX方向ととするとき、
    前記検出系は、前記被投射面をXY方向で2次元的に9つに均等分割した矩形領域の中央部にそれぞれ1個づつセンサーを有しており、各センサーで検出された照度を、該ランプ側から該被投射面を見たとき左上側から右上側へS1、S2、S3、左中側から右中側へS4、S5、S6、左下側から右下側へS7、S8、S9とすると、スクリーン光束値A、周辺照度比B、左右差照度Cは、
    A={(S1+S2+S3+S4+S5+S6+S7+S8+S9)/9}×0.495
    B=[{(S1+S3+S7+S9)/4}/S5]×100
    C={(S4−S6)/(S4+S6)}×2×100
    で表され、前記移動機構は、前記スクリーン光束値Aが所定の範囲となるように前記バルブを前記リフレクターに対してY方向に移動させ、周辺照度比Bが所定の範囲となるように該バルブを該リフレクターに対してZ方向に移動させ、左右差照度Cが所定の範囲となるように該バルブを該リフレクターに対してX方向に移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の位置調整装置。
  7. 前記周辺照度比Bが、
    70≦B≦80
    を満足するように前記バルブを前記リフレクターに対してZ方向に移動させ、左右差照度Cが、
    −2≦C≦2
    を満足するように該バルブを該リフレクターに対してX方向に移動させることを特徴とする請求項6に記載の位置調整装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の位置調整装置を用いて光源のバルブとリフレクターの相対的位置を調整する工程を含むことを特徴とする位置調整方法。
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