JP2006023456A - ホログラム記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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久江 吉沢
Kazuhiro Hayashi
和廣 林
Koichi Haga
浩一 羽賀
Jiro Mitsunabe
治郎 三鍋
Yasuhiro Ogasawara
康裕 小笠原
Susumu Yasuda
晋 安田
Katsunori Kono
克典 河野
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Abstract

【課題】偽造が防止できる上に、長期に渡って、一旦記録されたホログラムの劣化を抑制することができるホログラム記録媒体を提供すること。
【解決手段】基材、ホログラム記録層、第1の保護層、および、第2の保護層を少なくとも含み、前記基材の少なくとも片面に、ホログラム記録層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に積層したホログラム記録媒体であって、前記ホログラム記録層が、前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、前記第1の保護層が、少なくとも前記ホログラム記録層全面を接着剤を介さずに覆うと共に前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、前記第2の保護層が、前記基材および前記第1の保護層を接着剤を介して覆うことを特徴とするホログラム記録媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、身分証明書やクレジットカード、キャッシュカード等に、真偽性の確認や、その他各種情報の付与を目的としてホログラムの記録/再生が可能なホログラム記録媒体およびその製造方法に関するものである。
プリペイドカード、クレジットカード、キャッシュカード、証明用カードなどでは、不正に偽造・変造されていないかどうかを識別する必要がある。これを識別する一つの方法として、クレジットカードやキャシュカード等にはホログラム記録を利用して真偽性を確認するためのホログラムを予め記録しておき、これらのカードの利用に際してはその情報を読み取ることによりカードの所持者が本人であるか否かや、カードが本物か否かの確認が行われる。また、ギフトカード等においても、見る角度によって文字や数字、絵柄などが変化するホログラムが、偽造対策として施されている。
このようなホログラムの記録/再生が可能なホログラム記録媒体は、基本的に、塩化ビニル等からなる基材の上に、ホログラムシールの貼り付けや、塗布法により形成されたホログラム記録層が設けられ、さらにこのホログラム記録層全面と基材とを覆うように保護層が設けられた構成を有する(例えば、特許文献1〜3等参照)。また、偽造を防止するために、ホログラム記録層および基材と保護層とは接着剤を介して接着固定される。
従って、ホログラム記録層が保護層によって機械的な磨耗や化学的な腐食等から保護されると共に、基材上に設けられたホログラムが記録された部分を剥がして貼り代えようとしても、綺麗に剥がすことが困難である上に、剥がす際にホログラム記録層が破れたりして破損するために、偽造を防止することができる。
特開2002−19341号公報 特開平10−95186号公報 特開平10−97171号公報
しかし、時間の経過と共にホログラム記録層と保護層との間に設けられた接着剤中の各種添加物成分がホログラム記録層中へと浸透・拡散し、ホログラム記録層に記録されたホログラムの再生に際してノイズの増加や解像度の低下、さらには再生自体が困難になる場合があった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、偽造が防止できる上に、長期に渡って、一旦記録されたホログラムの劣化を抑制することができるホログラム記録媒体およびその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
基材、ホログラム記録層、第1の保護層、および、第2の保護層を少なくとも含み、
前記基材の少なくとも片面に、ホログラム記録層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に積層したホログラム記録媒体であって、
前記ホログラム記録層が、前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、
前記第1の保護層が、少なくとも前記ホログラム記録層を接着剤を介さずに覆うと共に前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、
前記第2の保護層が、前記基材および前記第1の保護層を接着剤を介して覆うことを特徴とするホログラム記録媒体である。
<2>
前記基材の前記ホログラム記録層が設けられた領域を被覆する前記第2の保護層表目が、前記基材の前記ホログラム記録層が設けられていない領域を被覆する前記第2の保護層表面に対して凸部を形成し、前記凸部の高さが50μm以下であることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<3>
前記第1の保護層の前記ホログラム記録層が設けられた反対側の面の外周端の少なくとも一部を含み、前記第1の保護層の前記ホログラム記録層が設けられた反対側の面、および、前記基材の前記第1の保護層で覆われていない面の双方の領域に跨って、画像が形成されていることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体
<4>
ホログラムの記録および/または再生のために前記ホログラム記録層に対して照射される光に対する前記第1の保護層および第2の保護層の透過率が各々80%以上であることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<5>
前記第1の保護層および第2の保護層のヘイズが各々5%以下であることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<6>
前記ホログラム記録層と前記基材との間にベース基板が設けられ、前記ベース基板が前記基材と接着剤を介して接着されていることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<7>
フォトポリマーおよびアゾポリマーから選択される1種のホログラム記録材料が、前記ホログラム記録層に含まれることを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<8>
前記ホログラム記録層の前記基材が設けられた側の面に接して反射層を設けたことを特徴とする<1>に記載のホログラム記録媒体である。
<9>
基材、ホログラム記録層、第1の保護層、および、第2の保護層を少なくとも含み、
前記基材の少なくとも片面に、ホログラム記録層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に積層し、
前記ホログラム記録層が、前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、前記第1の保護層が、少なくとも前記ホログラム記録層を接着剤を介さずに覆うと共に前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、前記第2の保護層が、前記基材および前記第1の保護層を接着剤を介して覆うホログラム記録媒体の製造方法であって、
前記基材の外周端から離れた位置の表面に、前記ホログラム記録層と、この片面全面を覆うように接着剤を介さずに接して設けられた前記第1の保護層とを少なくとも含むホログラム記録層保持体を配置する工程と、
前記ホログラム記録層保持体が配置された前記基材表面を、接着剤を介して前記第2の保護層により覆い貼り合わせる工程を少なくとも含むことを特徴とするホログラム記録媒体の製造方法である。
<10>
前記ホログラム記録層保持体が、前記ホログラム記録層の前記第1の保護層が設けられた反対側の面に接して設けられた反射層を含むことを特徴とする<9>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
<11>
前記ホログラム記録層保持体が、前記ホログラム記録層の前記第1の保護層が設けられた反対側の面に設けられたベース基板を含むことを特徴とする<9>に記載のホログラム記録媒体の製造方法である。
以上に説明したように本発明によれば、偽造が防止できる上に、長期に渡って使用しても、記録されたホログラムの劣化を抑制することができるホログラム記録媒体およびその製造方法を提供することを提供することができる。
本発明のホログラム記録媒体は、基材、ホログラム記録層、第1の保護層、および、第2の保護層を少なくとも含み、前記基材の少なくとも片面に、ホログラム記録層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に積層したホログラム記録媒体であって、前記ホログラム記録層が、前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、前記第1の保護層が、少なくとも前記ホログラム記録層を接着剤を介さずに覆うと共に前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、前記第2の保護層が、前記基材および前記第1の保護層を接着剤を介して覆うことを特徴とする。
従って、本発明のホログラム記録媒体は、偽造が防止できる上に、長期に渡って、一旦記録されたホログラムの接着剤に起因した劣化を抑制することができる。
本発明のホログラム記録媒体は、従来のホログラム記録層表面に接着剤を介して1層の保護層を設けたホログラム記録媒体と異なり、上述したような2層の保護層を設けることによって、偽造防止機能を確保した上で、更に、接着剤が直接ホログラム記録層と接触しない構成としたところに特徴がある。
すなわち、第2の保護層によって、ホログラム記録層を間接的に保護・被覆すると共に、基材表面に対して接着剤を介して接着固定されることよる偽造防止機能が確保される。
また、第2の保護層と接着剤を介して固定された第1の保護層によって、ホログラム記録層は直接的に保護・被覆される。従って、第1の保護層とホログラム記録層との間には従来のホログラム記録媒体のように接着剤を介して接着する必要がない上に、ホログラム記録層は、第1の保護層と第2の保護層との間に設けられた接着剤とも接触することが無い。
このように、本発明のホログラム記録媒体では、従来のホログラム記録媒体のように、ホログラム記録層と保護層との間に設けられていた接着剤が存在しないため、一旦記録されたホログラムの接着剤に起因した劣化を抑制することができる。
また、本発明のホログラム記録媒体では、ホログラム記録層の端面や、基材側の面にも接着剤を設けないことが特に好ましい。これによって、一旦記録されたホログラムの接着剤に起因した劣化をほぼ完全に抑制することができる。
なお、ホログラム記録層は、基材の外周端から離れた位置に設けられるが、これは、偽造防止効果を確保するために、第2の保護層と基材との接着代を確保するためであり、ホログラム記録層は、その全周が基材の外周端から離れた位置に設けられる必要がある。さらに、偽造防止をより確実にするためには、第2の保護層と基材との接着代(接着面積)は大きければ大きい程よい。
また、第1の保護層は、少なくともホログラム記録層を接着剤を介さずに覆うと共に基材の外周端から離れた位置に設けられる。この場合、第1の保護層の面方向の形状・サイズはホログラム記録層と同一の形状・サイズであることが少なくとも必要であり、基材と第2の保護層との間の接着剤の回り込みによってホログラム記録層の外周端近傍が接着剤と接触するのを確実に防ぐため、ホログラム記録層の形状よりも一回り大きい形状であってもよい。
但し、後者の場合は、第2の保護層と基材との接着代が、基材の外周端と第1の保護層の外周端までの最短距離によって決まるため、基材の外周端と第1の保護層の外周端までの最短距離が、上述の接着代幅を満たすように調整することが好ましい。
なお、第1の保護層の面方向の形状・サイズは、ホログラム記録層と同一あるいは一回り大きい形状・サイズであることが特に好ましいが、場合によっては、ホログラム記録層の形状・サイズよりも若干小さくてもよい。このような構成が利用できる例としては、ホログラムの記録や再生の対象となるエリアが、ホログラム記録層面内の中心部近傍に限られ、端部近傍は捨て代(マージン)として利用されない場合が挙げられる。
また、本発明のホログラム記録媒体においては、基材のホログラム記録層が設けられた領域(ホログラム記録部)を被覆する第2の保護層表面が、基材のホログラム記録層が設けられていない領域(非ホログラム記録部)を被覆する第2の保護層表面に対して、凸部や凹部を形成していてもよいが、審美性の点からは同じ高さ、すなわち同一の平坦面を形成していることが最も好ましい。
しかし、通常、ホログラム記録媒体は、ホログラム記録層および第1の保護層が基材に積層された後、第2の保護層を貼り合わせる時に、板材やロール等のホログラム記録部よりも面積(あるいは幅)の大きい押厚部材を用いて圧着するプロセスを経て作製される。この場合、第1の保護層と第2の保護層との接着性を十分に確保するためには、第2の保護層と貼り合わせる前のホログラム記録部は非ホログラム記録部に対して凸部を形成するように設けられていることが好ましい。
従って、上述したような実用上、利用し易い製造プロセスを適用する観点からは、ホログラム記録部を被覆する第2の保護層表面が、非ホログラム記録部を被覆する第2の保護層表面に対して、大なり小なり凸部を形成することになる場合がある。但し、この凸部の高さは50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、0μmに近いほど好ましい。
凸部の高さが50μmを超える場合には審美性が低下したり、凸部への引掛かりによる磨耗や破損が発生しやすくなる場合がある。
本発明のホログラム記録媒体には、少なくとも一方の面に電子写真法やインクジェット記録、スクリーン印刷等、公知の画像形成方法により描画された文字や記号、模様や写真等の画像が設けられていてもよい。
但し、基材のホログラム記録層が設けられた側の面に画像が形成される場合には、画像は、前記第1の保護層の前記ホログラム記録層が設けられた反対側の面の外周端の少なくとも一部を含み、前記第1の保護層の前記ホログラム記録層が設けられた反対側の面、および、前記基材の前記第1の保護層で覆われていない面の双方の領域に跨って形成されていることが好ましい。このように画像を形成することによってより一層偽造防止効果を高めることができる。
また、基材のホログラム記録層が設けられない側の面や第2の保護層表面にも画像を形成してもよい。なお、第2の保護層のホログラム記録層が設けられる側の面(内面)に画像を形成する場合には、第2の保護層をホログラム記録層や第1の保護層が積層された基材の表面に貼り合わせる前に、内面に画像を形成しておくことができる。
本発明のホログラム記録媒体は透過型であってもよく反射型であってもよい。本発明のホログラム記録媒体が透過型である場合には、例えば、記録時には第2の保護層が設けられた側からホログラム記録層へと信号光および参照光を照射し、再生時には参照光を同じ面から照射し、第2の保護層が設けられた側と反対の面から再生光を取り出すことができる。従って、本発明のホログラム記録媒体が透過型である場合は、基材もホログラムの再生に際して利用される光(読み出し光)に対して透過性を有する材料を用いる必要がある。
また、透過性の無い材料からなる基材(不透明基材)を用いる場合には、適宜、基材とホログラム記録層との間に反射層を設けてもよい。さらに、反射型のホログラム記録媒体が、後述する反射層を備えたホログラム記録層保持体を不透明基材に接着して作製される場合には、接着前のホログラム記録層保持体に予めホログラムを記録させておくこともできる。このようなホログラム記録媒体の場合、記録時と同じ面側から読み出し光を照射し、同じ面側から再生光を取り出すことができる。
−ホログラム記録媒体の構成例−
次に、本発明のホログラム記録媒体の構成例を図面を用いてより詳細に説明する。
図1は本発明のホログラム記録媒体の一例を示す概略模式図であり、図1(A)がホログラム記録媒体の厚み方向の断面図を表し、図1(B)がホログラム記録媒体の面方向の模式図を表す。図1中、10は基材、11は(基材10の片面に設けられた)凹部、20はホログラム記録層、21が第1の保護層、30が接着剤(接着層)、40が第2の保護層、50がホログラム記録部、51が非ホログラム記録部、60が画像、100がホログラム記録媒体を表す。
図1に示すホログラム記録媒体100は、基材10の片面に設けられた凹部11に埋め込まれるようにホログラム記録層20と、このホログラム記録層20と面方向の形状・サイズが同一である第1の保護層21とがこの順に積層され、基材10および第1の保護層21を覆うように第2の保護層40が接着剤30を介して設けられている。
また、ホログラム記録層20および第1の保護層21は基材10の凹部11に埋め込まれるように形成されているため、ホログラム記録部50は、これ以外の領域(非ホログラム記録部51)と凹凸差が無く、ホログラム記録媒体100の第2の保護層40が設けられた面は、全面が平坦である。
また、図1(B)は、ホログラム記録媒体100をいずれか一方の面から見た場合のホログラム記録部50と非ホログラム記録部51との関係を示す概略図であり、ホログラム記録部50は、その外周端全てが非ホログラム記録部51(すなわち、基材10と第2の保護層40とが接着剤30で接着された領域)で囲まれているため、確実に偽造を防止することができる。
また、画像を形成する場合には、基材10表面、第1の保護層21表面、第2の保護層40の両側表面の任意の表面に形成することができる。なお、第2の保護層40と対向する基材10表面や第1の保護層表面に画像を形成する場合には、偽造防止の観点から、図1(B)の符号60で示される領域(斜線部):すなわち、第1の保護層21(ホログラム記録部50)の外周端の少なくとも一部を含み、基材10表面(非ホログラム記録部51)および第1の保護層21表面(ホログラム記録部50)を跨ぐ領域に画像を形成することが好ましい。
図2は本発明のホログラム記録媒体の他の例を示す模式断面図であり、図1に示すホログラム記録媒体に対して、凹部を有さない基材を用いた場合のホログラム記録媒体について示したものである。なお、図中、200はホログラム記録媒体を表し、それ以外の符号は、図1中に示すものと同様の部材、領域を示す。
図2に示すホログラム記録媒体200のホログラム記録部50における層構成は基本的に図1に示すホログラム記録媒体100と同様であるが、ホログラム記録層20の端部が、接着層30と接触しないように、ホログラム記録層20よりも面方向の形状が一回り大きい第1の保護層21によりホログラム記録層20を保護・被覆しているところに特徴がある。これにより、ホログラム記録層20の端部近傍に記録されたホログラムが接着剤30によって経時的に劣化するのを確実に防ぐことができる。
なお、ホログラム記録部50は、図1に示すように基材10に設けられた凹部に完全に埋め込まれ状態と、図2に示すように基材10表面に凸部を形成した状態との中間の状態、すなわち、基材10に設けられた凹部に一部が埋め込まれると共に、埋め込まれなかった部分が凸部を形成した状態で設けられてもよい。
また、図1および図2に示す例においては、基材10上に直接ホログラム記録層20が設けられた場合について示したが、基材10と、ホログラム記録層20との間には必要に応じて種々の層を設けてもよい。
図3は、基材とホログラム記録層との間の層構成の例について示した模式断面図であり、図3中、31は接着剤(接着層)、22は反射層、23はベース基板を表し、他の符号は、図1,2に示したものと同様の部材を表す。
図3(A)は、図1,2に示した場合と同様に、基材10表面に直接ホログラム記録層20が設けられた構成を示している。なお、このような層構成の場合には、ホログラム記録層20と基材10との間の接着性を確保するためにホログラム記録層20は、アプリケーターやスピンコートなどの塗布等を利用して形成されることが好ましい。この場合、基材10とホログラム20との間に接着剤を設けることなく両者の接着性を確保することができる。基材10表面に予め反射層を形成した後、この表面にホログラム記録層20を塗布や蒸着等により形成してもよい。
また、ホログラム記録層を含むシート状あるいは板状のホログラム記録層保持体を、接着剤を介して基材10に表面に貼り付けるような場合には、例えば、図3(B)〜図3(C)のような層構成とすることができる。
すなわち、図3(B)は、基材10表面に、接着層31、反射層22、ホログラム記録層20がこの順に設けられた構成を、図3(C)は、基材10表面に、接着層31、ベース基板23、ホログラム記録層20がこの順に設けられた構成を、図3(D)は、基材10表面に、接着層31、ベース基板23、反射層22、ホログラム記録層20がこの順に設けられた構成を示している。
このような層構成においては、接着層31は直接ホログラム記録層20と接触することがない上に、予め特定の形状に加工されたホログラム記録層保持体を用いるため、容易にホログラム記録媒体を作製することができる。
なお、図3(B)のような反射型の場合において、基材10表面が切削加工等により形成された表面粗さの粗い面からなる場合には、基材10表面の粗さが反射層22にも反映されるため、ホログラムの再生時に反射層22表面で光の散乱が発生し、ノイズが発生してしまう場合がある。
このような場合には、基材10表面の粗さをベース基板23で遮断することができる図3(B)の層構成が好ましい。
−ホログラム記録媒体の製造方法−
次に、本発明のホログラム記録媒体の製造方法について説明する。
本発明のホログラム記録媒体の製造方法としては特に限定されず、例えば、基材表面の一領域(基材の外周端から離れた位置)にホログラム記録層を塗布等により形成し、続いてこのホログラム記録層全面を被覆するように第1の保護層を配置した後、接着剤付の第2の保護層で基材のホログラム記録層が設けられた側の面を貼り合わせるなどの、基材上に各層を順次積層することによって作製することができる。
しかし、上述した方法は、同一仕様のホログラム記録媒体を大量生産する場合には適しているが、種々の材質・形状のカード基材に様々なホログラムを記録させ、様々な画像を必要に応じて印刷したホログラム記録媒体を必要となった時に必要な数だけその場で作製するオンデマンド性に劣る。
このため、オンデマンド性を確保する観点からは、ホログラム記録層と、この片面全面を覆うように接着剤を介さずに接して設けられた第1の保護層とを少なくとも含むホログラム記録層保持体を利用して作製することが好ましい。この場合、基材の外周端から離れた位置の表面に、ホログラム記録層保持体を配置する工程(配置工程)と、このホログラム記録層保持体が配置された基材表面を、接着剤を介して第2の保護層により覆い貼り合わせる工程(貼り合わせ工程)とを少なくとも経てホログラム記録媒体を作製することができる。
但し、このような製造方法は、図1に示すホログラム記録媒体のように第1の保護層の形状とホログラム記録層の形状とが実質的に同一である場合に特に好適である。
なお、ホログラム記録層保持体は、ホログラム記録層と、この片面全面を覆うように接着剤を介さずに接して設けられた第1の保護層とを少なくとも含むものであれば特に限定されないが、例えば、フォトポリマーからなるホログラム記録層とベースフィルム(第1の保護層)とからなるホログラム記録層保持体を含み、さらに、このホログラム記録層のベースフィルムが設けられた側と反対側の面にカバーフィルムを設けたような市販のホログラムフィルムを用いることができる。
この場合、カバーフィルムを剥がして、ホログラム記録層を構成するフォトポリマーの粘着性を利用して、基材とホログラム記録層とを貼り合わせるようにしてホログラム記録層保持体を配置することができる。
また、ホログラム記録層保持体としては、第1の保護層、ホログラム記録層、反射フィルムをこの順に積層したもの、第1の保護層、ホログラム記録層、ベース基板をこの順に積層したもの、あるいは、第1の保護層、ホログラム記録層、反射膜付ベース基板をこの順に積層したものも利用できる。この場合には、接着剤を利用して、ホログラム記録層の第1の保護層が設けられた側と反対側の面を基材表面と貼り合わせることができる。
また、画像の形成は、配置工程の前や、貼り合わせ工程の後に実施してもよいが、偽装防止の観点からは配置工程と貼り合わせ工程との間に実施することが好ましい。この場合は、図1(B)に示したように画像を形成することが好ましい。
−ホログラム記録層−
次に、本発明のホログラム記録媒体を構成する各部材の詳細について以下に説明する。
ホログラム記録層には、ホログラムを記録するために、少なくとも光の照射により屈折率や透過率が変化するホログラム記録材料が用いられ、本発明においては公知の材料を利用することできる。また、本発明においては感応波長の調節が容易である等から屈折率が変化するタイプのホログラム記録材料を用いることが好ましい。
ホログラム記録材料としては、例えば、無機材料では、チタン酸バリウムやニオブ酸リチウム、ケイ酸ビスマスなどの無機強誘電体結晶などを挙げることができる。しかし、本発明においては、ホログラム記録媒体の製造性や、ホログラム記録媒体に柔軟性を付与できること、また屈折率を変化させる場合に外部電場が不要である等の点から有機材料系のホログラム記録材料を用いることが特に好ましい。
有機材料系のホログラム記録材料としては、フォトポリマーやアゾポリマーを用いることが好ましい。
フォトポリマーとしては、光が照射された部分の化学的変化により屈折率や透過率が変化する公知の材料を用いることができ、ポジ型(光照射により可溶化する材料)としては、光照射により官能基が変化する材料や、分子量が低下する材料が挙げられ、ネガ型(光照射部が硬化する材料)としては、光照射により反応性モノマーが重合する材料、生成したラジカルで重合する材料、生成した酸で重(縮)合する材料、重合部と非重合部との間で成分が拡散移動する材料、光照射により架橋する材料を挙げることができ(例えば、「フォトポリマーの基礎と応用」、山岡亜夫、シーエムシー出版参照)、本発明においてはネガ型を用いることがより好ましい。
また、フォトポリマーは、基本的に光照射による反応が不可逆的であるため、リードオンリータイプのホログラム記録媒体を作製する場合に好適である。
フォトポリマーとしては、例えば、予めフィルム状に形成されたフォトポリマーフィルム(例えば、デュポン社製、オムニデックス等)や、体積型ホログラム感光性材料(日本ペイント社製)等を利用することができる。
また、アゾポリマーは、光を照射することにより、シス−トランス異性化するアゾ基を含む高分子であり、屈折率の変化を利用してホログラムを記録/再生を行うことができる。アゾポリマーとしては、公知の材料が利用できるがアゾベンゼン骨格(アゾ基の両端にベンゼン環を設けた構造)を含むものを用いることが好ましい。このような高分子材料は、主鎖の構造と側鎖の構造とに分けて、多様な分子設計が可能であるため、吸収係数のみならず、感応波長域や、応答速度、記録保持性等のホログラム記録に必要な種々の物性を高いレベルで所望の値に調整することが容易である。このようなアゾポリマーの一例としては、下記構造式に示すような側鎖部分にアゾベンゼン骨格を有する繰り返し単位を含むポリエステル等が挙げられる。
Figure 2006023456
なお、アゾポリマーは、基本的に光照射による反応が可逆的であるため、一旦記録したホログラムを書き換えることができるリライタブルタイプのホログラム記録媒体を作製する場合に好適である。
また、アゾポリマー以外に異性化反応を示す構造を含むホログラム記録材料も利用でき、例えば、ジアリールエテン類、スピロピラン類、ウラニン、エリトロシンB、エオシンYなどに代表されるキサンテン系色素、フルギド類も利用可能である。
なお、ホログラム記録層には、上述したホログラム記録材料以外の他の材料も併用でき、各種添加剤やバインダー樹脂等を併用することもできる。
また、ホログラム記録層は、公知のホログラム記録/再生方式を利用してホログラムの記録や再生が可能であればその光学特性や厚み等は特に限定されるものではない。しかし、高い回折効率での記録/再生を可能とするためには、ホログラム記録層を構成する材料の吸収係数αと、ホログラム記録層の膜厚Lとで表される光学濃度αLが0.3〜2.0の範囲内であることが好ましく、また、多重記録を行う場合には0.5〜1.5の範囲内であることがより好ましい。
ホログラム記録層の厚みとしては、ホログラム記録層に記録されるホログラムが平面ホログラム(記録層に記録される干渉縞の間隔に比べて、記録層の膜厚Lが薄いか同程度の場合)の場合には、膜厚は3μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜20μmの範囲内であることがより好ましい。また、体積ホログラム(記録層に記録される干渉縞の間隔に比べて、記録層の膜厚Lが同程度から数倍以上の場合)の場合には、膜厚は100μm〜2mmの範囲内であることが好ましく、250μm〜1mmの範囲内であることがより好ましい。
但し、ホログラム記録層の膜厚は、基材に凹部を設けて、この部分にホログラム記録層や第1の保護層等を埋め込む形で形成する場合には、基材の厚み等も考慮して決定する必要がある。
また、凹部を設けずに基材表面に形成する場合には、ホログラム記録層が設けられた部分が凸部を形成するために、審美性を損ねたり、凸部への引掛かりによる破損や磨耗が起こりやすくなる場合がある。このため、余り嵩高くならない範囲で膜厚を調整することが好ましい。
−基材−
基材としては、表面が平滑なものであれば各種の材料を任意に選択して使用することができる。例えば、金属、セラミックス、樹脂、紙等を用いることができ、また、その形状も特に限定されないが、ガラス、アルミニウム、SUS等の金属や、プラスチック材料等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。しかし、本発明においては、加工性や汎用性の点からプラスチック材料、特に、キャッシュカード等のカード基材に利用されているプラスチック材料/市販のカード基材を用いることが好ましい。
プラスチック材料としては、公知のプラスチックフィルムが利用でき、カード基材用としては、代表的には、塩化ビニル樹脂や、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の各種ポリエステル樹脂類(例えば、二軸延伸PET樹脂、二軸延伸しないPETで、A−PETと呼ばれる非晶質系ポリエステル樹脂、PETの合成に際して用いられるエチレングリコール成分の約半分程度を、1,4−シクロへキサンメタノール成分に置き換えたPETGと呼ばれるような変性PET樹脂等)を挙げることができる。
また、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアセテート、三酢酸セルロース、ナイロン、、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリイミド、セロハン等の樹脂も挙げることができる。
なお、記録や再生に際し、基材を介してホログラム記録層に光を照射したりする場合には、使用する光(記録光および再生光)の波長域を透過する材料を用いる。この場合、使用する光の波長域(レーザー光の場合は、強度が極大となる波長域近傍)の透過率が90%以上であることが好ましい。
なお、基材の表面に直接反射層を設ける場合には、基材表面には平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
また、図1(A)に示したように、ホログラム記録部と非ホログラム記録部とが同一の平坦面を形成するようなホログラム記録媒体を作製する場合には、ホログラム記録部を埋め込むための凹部を有する基材を用いることができる。
このような基材としては、平坦な基材表面の一部を切削加工することによって凹部を形成したものや、エンボス加工によって凹部を形成したもの、あるいは、
平坦な基材と開口部を有する基材とを貼り合わせて凹部を形成したものなどが利用できる。
−保護層−
第1の保護層および第2の保護層としては、記録や再生に際して利用される光に対して透過性を有する公知の材料を利用することができ、加工性の点からフィルム状の樹脂材料を用いることが特に好ましい。
なお、ホログラムの記録および/または再生のためにホログラム記録層に対して照射される光や、再生時にホログラム記録層から取り出される光は、本発明においては第1の保護層および第2の保護層を介してホログラム記録層に出入りすることが好ましいため、2つの保護層には、優れた光学的特性が求められる。
従って、これら2つの保護層の記録や再生に利用される光に対する透過率は各々80%以上であることが好ましく、85%以上であることが好ましい。また、第1の保護層および第2の保護層のヘイズは各々5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。透過率やヘイズが上記条件を満たす場合には、高いSN比を得ることができる。
なお、第1の保護層および第2の保護層としては同一の材料を用いることもできる。しかし、第1の保護層としては、ホログラム記録層と直接接して設けられることから、ホログラム記録層に対して溶出や相溶などによって悪影響を与えないこと等が強く求められる。
また、第2の保護層としては、第1の保護層やさらにその基材側に設けられたホログラム記録層を、外部からの摩擦や磨耗などの機械的刺激、空気中の水分や微弱な酸性ガス等の化学的刺激、あるいは、日光や蛍光灯の紫外線のような物理的刺激から保護する機能、また、ホログラム記録媒体の作製に際して、第2の保護層を貼り合わせる際のラミネート性等が強く求められる。
このように、光学的特性以外の点では、第1および第2の保護層に要求される仕様は基本的に異なるものであり、以下にこの点を踏まえて、第1の保護層および第2の保護層についてより詳細に説明する。
−第1の保護層−
まず、第1の保護層の膜厚は特に限定されないが、光学品質(透過率90%以上、ヘイズ0.3以下)を満たさない場合には50μm以下であることが好ましい。また、第1の保護層の屈折率はできるだけホログラム記録材料の屈折率に近いものがよく、第2の保護層の屈折率とも近いものがよい。第1の保護層の構成材料としては、例えばトリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアリレート(PAR)等があげられる。
−第2の保護層−
第2の保護層の膜厚は特に限定されないが、光学品質(透過率90%以上、ヘイズ0.3以下)を満たさない場合には50μm以下であることが好ましい。また、第2の保護層の屈折率はできるだけホログラム記録材料の屈折率に近いものがよく、第1の保護層の屈折率とも近いものがよい。
また、第2の保護層の構成材料としては、機械的な特性に優れていることも求められるため、透過性のエンジニアリングプラスチックなどが好適である。このような材料としては例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン(PSF)等があげられる。
−接着剤(接着層)−
接着剤としては、接着対象となる2つの部材に応じて公知の接着剤を適宜選択して利用することができ、例えば、α−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系等の接着剤を利用することができる。また、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂又はこれらの共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂も接着剤として利用できる。
但し、ホログラムの記録や再生に際して、信号光や参照光、再生光の光路上に位置する接着剤(例えば、ホログラム記録媒体が反射型の場合は、第2の保護層と第1の保護層との間の間の接着に用いられる接着剤)は、少なくともこれらの光に対して透過性の高い材料が用いられる必要がある。またできるだけ屈折率が第1の保護層や第2の保護層やホログラム記録材料に近いものが好ましい。
このような接着剤としては、アクリル酸エステル樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン樹脂等を用いることが好ましい。また、このような光路上に位置する接着層の厚みは1〜100μmの範囲内とすることが好ましい。厚みが1μm未満の場合には十分な接着力が確保できず剥離が発生する場合があり、100μmを超える場合には接着層での吸収や散乱が大きくなり、感度が低下する場合がある。
−反射層−
反射層としては、レーザー光の反射率が70%以上である光反射性物質から構成されていることが好ましく、このような光反射性物質としては、例えば、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。
これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基材上に直接形成したり、ベース基板上に形成してもよい。また、樹脂フィルム上に反射層を形成した反射フィルムを利用することもできる。反射層の層厚は、一般的には10nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、50nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。
−ベース基板−
ベース基板は、通常、ホログラム記録層保持体を構成する部材として利用され、特に反射型のホログラム記録媒体を作製する場合には、少なくともホログラム記録層が設けられる側の面(記録層側面)が平滑なものであることが好ましく、この記録層側面の表面粗さは、記録や再生に利用される光の波長の1/2以下であることが特に好ましい。また、ベース基板が、切削加工された凹凸を有する基材表面に配置される場合には、基材表面の凹凸が記録層側面に設けられた反射層にも反映され、反射層表面で光の散乱を招いてしまう場合がある。従って、ベース基板は、このような基材表面の凹凸に追従して変形しない程度の剛性を有していることが好ましく、基材よりも硬い材料からなることが好ましい。
従ってホログラム記録媒体を作製する際にホログラム記録層保持体を構成する部材として利用されるベース基板としては、例えば、金属、セラミックス、樹脂等を用いることができ、また、その形状も特に限定されないが、ガラス、アルミニウム、SUS等の金属や、プラスチック材料等を挙げることができる。
−ホログラムの記録および再生−
次に、本発明のホログラム記録媒体を用いたホログラムの記録/再生の一例について図面を用いて説明するが、本発明のホログラム記録媒体の記録/再生方法は、以下の例にのみ限定されるものではなく、ホログラム記録媒体の構成(反射層の有無、ホログラム記録層の厚み、ホログラム記録材料等)や記録/再生するホログラムの記録密度等に応じて公知のホログラム記録/再生方法を利用することができる。
図4は、本発明のホログラム記録媒体にホログラムを記録するための記録装置の一例を示した模式図であり、図中、120がレーザ光源、122が偏光ビームスプリッタ、124、125、126が反射ミラー、127がλ/2板、128、130がレンズ、132が(フーリエ変換)レンズ、134が空間光変調素子、146、148がレンズ、150がアパーチャを表し、20は、図1〜3に示すホログラム記録層と同様である。なお、図4中、ホログラム記録層20以外のホログラム記録媒体のその他の構成については省略している。
この記録装置は、レーザ光源120を備えており、レーザ光源120からは、コヒーレント光であるレーザ光が発振され、照射される。レーザ光源120のレーザ光照射側には、レーザ光を参照光用の光(参照光)と信号光用の光と(信号光)に分離する偏光ビームスプリッタ122が配置されており、レーザ光源120と偏光ビームスプリッタ122との光路上には反射ミラー125とλ/2板127とが配置されている。
レーザ光源120から照射されたレーザ光は、反射ミラー125により反射された後、λ/2板127を通過し、偏光ビームスプリッタ122に入射した後、参照光と信号光とに分離される。
偏光ビームスプリッタ122の光反射側には、参照光用のレーザ光を拡大した平行光の状態でホログラム記録層20に照射するための反射ミラー124、レンズ146、レンズ148、および、アパーチャ150が光路上に配置されている。ここで、偏光ビームスプリッタ122で分離されたレーザ光は、反射ミラー124により反射された後、レンズ146に入射される。さらに、このレーザ光は、レンズ146を通過することより一旦拡大され、レンズ148によって並行光とされた後にアパーチャー150を経てホログラム記録層20に対して斜め方向から参照光として照射される。
また、偏光ビームスプリッタ122の光透過側には、信号光用のレーザ光を所定の反射角で反射して光路をホログラム記録層20の方向に変更する反射ミラー126と、レンズ128、130、132で構成されたレンズ系とが順に配置されている。
レンズ130とレンズ132との間には、液晶表示素子等で構成され、制御部(図示せず)から供給された記録信号に応じて信号光用のレーザ光を変調し、ホログラムを記録するための信号光を生成する透過型の空間光変調素子134が配置されている。レンズ128、130は、レーザ光を大径のビームにコリメートして空間光変調素子134に照射し、レンズ132は、空間光変調素子34で変調されて透過された信号光を集光させる。
このとき、信号光は、ホログラム記録層20の出射側の面から離間した位置に焦点を結ぶように集光され、フーリエ変換された信号光と参照光とが同時に同じ面側からホログラム記録層20に照射される。これによりフーリエ変換ホログラムが記録される。
なお、図4中において、ホログラム記録層20を備えたホログラム記録媒体は、通常は信号光および参照光が入射する側の面に第2の保護層が位置するように配置される。
次に、図4に示したような記録装置によりホログラムが記録された反射型の本発明のホログラム記録媒体を用いて、ホログラムを再生する場合について説明する。
図5は、本発明のホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための再生装置の一例を示した模式図であり、図中、136がレーザ光源、140がアパーチャ、142がレンズ、144がCCD等のの撮像素子で構成された検出器を表し、検出器144は制御部(図示せず)に接続されている。
また、300は本発明のホログラム記録媒体(反射型)のホログラム記録部の一部を示したものであり、反射層22、ホログラム記録層20、第1の保護層21、接着層30、第2の保護層40が積層された部分についてのみ示し、その他の構成については省略してある。
再生装置は、光軸上にアパーチャ140とレンズ142と検出器144とがこの順に配置された検出系と、検出系のアパーチャ140側の光軸に対して斜めに交差するように参照光(読み出し光)を照射するレーザ光源136とを含むものである。また、ホログラム記録媒体300に記録されたホログラムの再生に際しては、検出系の光軸と読み出し光の光軸とが交差する位置にホログラム記録媒体300が配置される。
ホログラムは、レーザ光源136から読み出し光をホログラム記録媒体300(ホログラム記録層20)に照射することにより再生される。なお、ホログラムの再生に際しては、読み出し光が、第2の保護層40、接着層30、第1の保護層21を経てホログラム記録層20に記録されたホログラムによって回折され、信号光が再生される。再生された信号光(再生光)は、反射層22で反射され、再生光が焦点を結ぶ位置に配置されたアパーチャ40により散乱光成分がカットされた後、レンズ42によりコリメートされて、検出器44により受光される。受光された再生光は、検出器44により電気信号に変換されて、制御部(図示せず)に入力される。
なお、読み出し光の波長は、記録時に用いた参照光とは波長が同じでも異なっていてもよい。読み出し光としては、記録時に用いた参照光より長波長の光が好ましい。長波長のレーザ光源が安価であることに加え、読み出し光を長波長の光とすることで、再生光の集光角度が狭くなり、アパーチャ140の作製精度が緩和されるためである。
本発明のホログラム記録媒体の一例を示す概略模式図である。 本発明のホログラム記録媒体の他の例を示す模式断面図である。 基材とホログラム記録層との間の層構成の例について示した模式断面図である。 本発明のホログラム記録媒体にホログラムを記録するための記録装置の一例を示した模式図である。 本発明のホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための再生装置の一例を示した模式図である。
符号の説明
10 基材
11 凹部
20 ホログラム記録層
21 第1の保護層
22 反射層
23 ベース基板
30、31 接着剤(接着層)
40 第2の保護層
50 ホログラム記録部
51 非ホログラム記録部
60 画像
100 ホログラム記録媒体
120 レーザ光源
122 偏光ビームスプリッタ
124、125、126 反射ミラー
127 λ/2板
128、130 レンズ
132 レンズ(フーリエ変換レンズ)
134 空間光変調素子
136 レーザ光源
140 アパーチャ
142 レンズ
144 検出器
146、148 レンズ
150 アパーチャ
200、300 ホログラム記録媒体

Claims (9)

  1. 基材、ホログラム記録層、第1の保護層、および、第2の保護層を少なくとも含み、
    前記基材の少なくとも片面に、ホログラム記録層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に積層したホログラム記録媒体であって、
    前記ホログラム記録層が、前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、
    前記第1の保護層が、少なくとも前記ホログラム記録層を接着剤を介さずに覆うと共に前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、
    前記第2の保護層が、前記基材および前記第1の保護層を接着剤を介して覆うことを特徴とするホログラム記録媒体。
  2. 前記基材の前記ホログラム記録層が設けられた領域を被覆する前記第2の保護層表面が、前記基材の前記ホログラム記録層が設けられていない領域を被覆する前記第2の保護層表面に対して凸部を形成し、前記凸部の高さが50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  3. 前記第1の保護層の前記ホログラム記録層が設けられた反対側の面の外周端の少なくとも一部を含み、前記第1の保護層の前記ホログラム記録層が設けられた反対側の面、および、前記基材の前記第1の保護層で覆われていない面の双方の領域に跨って、画像が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体
  4. 前記ホログラム記録層と前記基材との間にベース基板が設けられ、前記ベース基板が前記基材と接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  5. フォトポリマーおよびアゾポリマーから選択される1種のホログラム記録材料が、前記ホログラム記録層に含まれることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  6. 前記ホログラム記録層の前記基材が設けられた側の面に接して反射層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  7. 基材、ホログラム記録層、第1の保護層、および、第2の保護層を少なくとも含み、
    前記基材の少なくとも片面に、ホログラム記録層と、第1の保護層と、第2の保護層とをこの順に積層し、
    前記ホログラム記録層が、前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、前記第1の保護層が、少なくとも前記ホログラム記録層を接着剤を介さずに覆うと共に前記基材の外周端から離れた位置に設けられ、前記第2の保護層が、前記基材および前記第1の保護層を接着剤を介して覆うホログラム記録媒体の製造方法であって、
    前記基材の外周端から離れた位置の表面に、前記ホログラム記録層と、この片面全面を覆うように接着剤を介さずに接して設けられた前記第1の保護層とを少なくとも含むホログラム記録層保持体を配置する工程と、
    前記ホログラム記録層保持体が配置された前記基材表面を、接着剤を介して前記第2の保護層により覆い貼り合わせる工程を少なくとも含むことを特徴とするホログラム記録媒体の製造方法。
  8. 前記ホログラム記録層保持体が、前記ホログラム記録層の前記第1の保護層が設けられた反対側の面に接して設けられた反射層を含むことを特徴とする請求項7に記載のホログラム記録媒体の製造方法。
  9. 前記ホログラム記録層保持体が、前記ホログラム記録層の前記第1の保護層が設けられた反対側の面に設けられたベース基板を含むことを特徴とする請求項7に記載のホログラム記録媒体の製造方法。
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