JP2006022791A - ターボチャージャのシール構造及びそのシール構造を備えたターボチャージャ - Google Patents

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Abstract

【課題】 タービンシャフト周辺からの潤滑油の流出を防止するためのシールリングが排気ガス圧力などの外圧を受けた場合であってもシール性能を安定的に維持でき、しかも軸受ハウジングへの放熱性を十分に得ることができるターボチャージャのシール構造及びそのシール構造を備えたターボチャージャを提供する。
【解決手段】 タービンシャフト3のタービンホイール2側端部に装着されたシールリング5のコンプレッサホイール側における軸受ハウジング4の内周面にシールリングストッパ7を圧入する。これにより、シールリング5の外周面の全面を軸受ハウジング4の内面に接触させたまま、シールリング5の軸心方向への移動をシールリングストッパ7によって規制できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ターボチャージャの回転軸(以下、タービンシャフトと呼ぶ)周辺からの潤滑油の流出を防止するためのシール構造及びそのシール構造を備えたターボチャージャに係る。特に、本発明は、このシール構造に使用されるシールリングのシール性能の維持とその冷却効率の向上とを両立するための対策に関する。
従来より、自動車用エンジンにおいて、排気ガスの流体エネルギを利用して吸入空気を圧縮して空気密度を高め、これによってエンジン出力の増大を図るターボチャージャが知られている。このターボチャージャは、排気通路の途中に設けられたタービンホイールと、吸気通路の途中に設けられたコンプレッサホイール(インペラとも呼ばれる)とがタービンシャフトによって連結されて成るターボロータを備えている。そして、排気ガスの圧力によってタービンホイールが回転すると、その回転力がタービンシャフトを介してコンプレッサホイールに伝達され、このコンプレッサホイールの回転によって吸入空気が燃焼室へ過給されることになる。
また、上記タービンシャフトは高速回転(例えば105r.p.m)するため、軸受方
式として、一般的にはフローティングベアリング方式が採用されている。このフローティングベアリング方式は、上記タービンシャフトが挿通される軸受ハウジングの内周面とタービンシャフトの外周面との間に軸受メタルを自由回転可能に配設しておき、タービンシャフトと軸受メタルとの間及び軸受メタルと軸受ハウジングとの間のそれぞれに潤滑油を供給している。このようなフローティングベアリング方式では、軸受メタルがタービンシャフトよりも低い回転速度で回転することになるため、相対回転速度差に起因する所謂油膜切れを抑制することができ、エンジンの高速回転時であってもタービンシャフトを円滑に回転させることが可能である。
ところが、この方式は潤滑油を用いているため、この潤滑油がタービンシャフトと軸受ハウジングとの間からタービンホイール側やコンプレッサホイール側に漏れ出てしまう虞がある。特に、エンジンが高速回転し、排気ガスが多量に排出される状況ではタービンホイールの回転が速くなり、このタービンホイール周辺の圧力が軸受ハウジング内の圧力よりも低くなる可能性がある。このような状況では、軸受ハウジング内の潤滑油が低圧側であるタービンホイール側に吸い出されて流出してしまうことになる。
このような潤滑油の流出を防止するために、例えば下記の特許文献1及び特許文献2に開示されているように、軸受ハウジングとタービンシャフトとの間にシールリングを配設することが行われている。
特開昭61−135941号公報 実開昭62−10240号公報
上述した特許文献1に開示されているものでは、軸受ハウジングの内面に、断面略矩形状のシールリング溝を周方向に亘って形成しておき、このシールリング溝にシールリングを嵌め込む構成となっている。
しかし、この構成では、シールリング溝を切削加工する際に、このシールリング溝の底
部のコーナ部分を直角形状に形成することは難しく、このコーナ部分は曲面(所謂R:以下、コーナ曲面部と呼ぶ)として形成されてしまうことになる。このため、排気ガスの圧力をシールリングが受けた場合に、シールリングがこのコーナ曲面部に乗り上げてしまってシール性能が低下してしまう可能性があった。図6はシールリング溝aにシールリングbが嵌め込まれた状態を示す部分拡大断面図であり、図中実線はシールリングbが排気ガスの圧力を受けていない状態を示しており、図中二点鎖線はシールリングbが排気ガスの圧力を受けて上記コーナ曲面部cに乗り上げた状態を示している。このように、シールリングbが排気ガスの圧力を受けると、コーナ曲面部cに対面する角部がこのコーナ曲面部cに沿って移動(図中下側へ移動)してしまう可能性があった。
一方、上記特許文献2の構成では、この不具合を解消することが可能になっている。つまり、図7に示すように、シールリング溝aの底面dと側面eとの境界部分に微小な溝fを形成し、上記コーナ曲面部が存在しないようにしている。これによれば、シールリングbが排気ガスの圧力を受けたとしてもシールリングbの各面がシールリング溝aの底面dや側面eに安定的に当接することになり上記シールリングbのシール性能を維持できる。
ところが、この特許文献2の如くシールリング溝aの底面dと側面eとの境界部分に溝fを形成した場合、この溝fの開放面積分だけシールリングbと軸受ハウジングgの内面(上記シールリング溝aの底面d)との接触面積が小さくなる。上記シールリングbには、タービンホイールを流れる高温(例えば900℃)の排気ガスからの熱が伝達しており、シール性能を安定的に維持するためにはその冷却が必要である。その冷却のための一手法として、シールリングbの熱を軸受ハウジングgに熱伝導によって放出することが掲げられるが、上述した如く、シールリングbと軸受ハウジングgの内面との接触面積が小さくなってしまうと、シールリングbの放熱性が十分に得られなくなる可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シールリングが排気ガス圧力などの外圧を受けた場合であってもシール性能を安定的に維持でき、しかも軸受ハウジングへの放熱性を十分に得ることができるターボチャージャのシール構造及びそのシール構造を備えたターボチャージャを提供することにある。
−発明の概要−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、シールリングの移動を規制するための構成として、ハウジングの内面を加工するものに代えて、別部材で成るストッパ部材を使用し、このストッパ部材をハウジングの内面に圧入してこのハウジングに一体化させる構成とした。つまり、シールリングの外周面の全面をハウジングの内面に接触させたまま、シールリングの軸心方向への移動をストッパ部材によって規制できる構成とした。
−解決手段−
具体的に、本発明は、エンジンの排気圧によって回転するタービンホイールと、このタービンホイールに回転軸を介して連結されるコンプレッサホイールと、回転軸が挿通されるハウジングと、このハウジングと回転軸との間をシールするシールリングとを備えたターボチャージャを前提とする。そして、このターボチャージャのシール構造として、上記シールリングの配設位置近傍であって、ハウジングの内周面に、シールリングの軸心方向への移動を規制するためのストッパ部材を圧入により装着した構成としている。
より具体的な構成として、上記回転軸をフローティングベアリング方式で軸受けするものに本発明を適用することが掲げられる。つまり、エンジンの排気圧によって回転するタービンホイールと、このタービンホイールに回転軸を介して連結されるコンプレッサホイ
ールと、上記回転軸が挿通されるハウジングと、このハウジングと回転軸との間に配設された軸受メタルと、上記回転軸と軸受メタルとの間及び軸受メタルとハウジングとの間にそれぞれ潤滑油を供給して回転軸をフローティングベアリング方式で軸受けするための潤滑油供給路と、上記軸受メタルよりも回転軸の軸心方向外側に位置して上記ハウジングと回転軸との間をシールするシールリングとを備えたターボチャージャを前提とする。そして、このターボチャージャのシール構造として、上記シールリングの配設位置近傍であって、ハウジングの内周面に、シールリングの軸心方向への移動を規制するためのストッパ部材を圧入により装着した構成としている。
これら特定事項により、シールリングが排気ガスの圧力等の外力を受けた場合に、このシールリングが回転軸の軸心方向へ移動しようとするが、この移動はシールリング近傍に配置されているストッパ部材によって阻止される。このストッパ部材はハウジングとは別部材であるため、従来技術のようなコーナ曲面部(図6参照)が存在することはない。このため、シールリングが浮き上がる方向に移動してハウジングと回転軸との間のシール性能が低下してしまうといった状況を回避することができ、軸受けのための潤滑油の流出を防止できる。
また、コーナ曲面部が存在しない構成であるため、このコーナ曲面部を廃するための溝(図7参照)を形成しておく必要がなく、シールリングの外周面の全面をハウジングの内面に接触させたまま、シールリングの軸心方向への移動を規制することができる。このため、シールリングとハウジングとの接触面積が小さくなってしまうことはなく(従来では図7の如くシールリング溝aの底面dと側面eとの境界部分に微小な溝fを形成することでこの接触面積が小さくなっていた)、シールリングの熱をハウジングに熱伝導によって効果的に放出することができる。その結果、シールリングの冷却が良好に行われシール性能を安定的に維持することが可能になる。
また、ストッパ部材の配設位置として具体的には以下のものが掲げられる。つまり、回転軸におけるタービンホイール側の端部近傍に配設されたシールリングに対し、ストッパ部材を、このシールリングのコンプレッサホイール側に位置させた構成である。
上記回転軸におけるタービンホイール側の端部近傍に配設されたシールリングは、タービンホイールから流れ込む排気ガスの圧力を受けやすく、この圧力を受けた場合には、コンプレッサホイール側に移動しようとする。そこで、このシールリングのコンプレッサホイール側にストッパ部材を位置させ、この移動を規制する構成としている。このような位置にストッパ部材を配置したことで、シールリングが移動してしまう可能性の最も高い状況、つまり潤滑油漏れの最大の原因を排除することが可能になる。
尚、上述した各解決手段のうち何れかのシール構造を備えたターボチャージャも本発明の技術的思想の範疇である。つまり、タービンホイールがエンジンの排気圧を受けて回転し、この回転力が回転軸を経てコンプレッサホイールに伝達されて、このコンプレッサホイールが吸入空気を燃焼室へ過給する構成とされているターボチャージャである。
本発明では、ハウジングと回転軸(タービンシャフト)との間をシールするシールリングの移動を規制するための構成として、ハウジングの内面を加工するのではなく、このハウジングとは別部材であるストッパ部材を使用し、このストッパ部材をハウジングの内面に圧入してこのハウジングに一体化させる構成とした。つまり、シールリングに排気圧などの外力が作用した場合であっても、このシールリングの外周面の全面をハウジングの内面に接触させたまま、シールリングの軸心方向への移動をストッパ部材によって規制できる構成としている。このため、シールリングのシール性能を安定的に維持しながらも、シ
ールリングとハウジングとの接触面積が小さくなってしまうことを回避でき、潤滑油の流出の防止とシールリングの冷却効率の向上とを両立することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態ではシングルターボ式のターボチャージャに本発明を適用した場合について説明する。これに限らず、ツインターボ式のターボチャージャ、シーケンシャルターボ式のターボチャージャ、スーパーチャージャを併設したハイブリッド式過給システムにも本発明は適用可能である。
−ターボチャージャの構成説明−
図1は、本実施形態に係るターボチャージャ1のタービンホイール2及びその周辺部分を示す縦断面図である。
このターボチャージャ1は、エンジンの排気通路に設けられた図示しないタービンハウジング内に収容され且つこのタービンハウジング内に送り込まれる排気ガスによって回転するタービンホイール2と、エンジンの吸気通路に設けられた図示しないコンプレッサハウジング内に収容され且つ上記タービンホイール2の回転力を受けて空気(吸気)を強制的に燃焼室へ送り込む図示しないコンプレッサホイールとを備えている。
これらタービンホイール2とコンプレッサホイールとは、金属製のタービンシャフト(本発明でいう回転軸)3によって一体回転可能に連結されている。つまり、タービンホイール2、コンプレッサホイール、タービンシャフト3が同一軸心上に配置され、一体的に組み付けられてターボロータ11が構成されており、タービンホイール2の回転に伴ってタービンシャフト3及びコンプレッサホイールがこの軸心回りに回転する構成となっている。
尚、上記タービンホイール2は、外周面に多数のタービンブレード21,21,…を備えている。また、このタービンホイール2は高温(例えば900℃)の排気ガスに晒されるため耐熱性を有するニッケル合金やセラッミックにより形成されている。一方、上記コンプレッサホイールは、外周面に多数のコンプレッサブレードを備えている。また、このコンプレッサホイールはターボラグを抑えるために軽量なアルミニウム合金や合成樹脂により形成されている。また、上記タービンホイール2の形状は特に限定されるものではなく、衝撃型、反射型、斜流式等が採用可能である。同様に、コンプレッサホイールの各ブレードの形状も特に限定されるものではなく、ラジアル型、バックワード型、バックワードレイク型等が採用可能である。本実施形態のターボロータ11は、タービンホイール2、タービンシャフト3、コンプレッサホイールをそれぞれ別体として形成して、これらを一体的に組み付けるものとしたが、これらを一体形成したものであってもよい。
また、上記タービンシャフト3は、軸受ハウジング4内に形成された軸受部材41に挿通されている。この軸受部材41はその内部に円筒形状の空間が形成されており、その内周面には、軸受である軸受メタル42が遊嵌されている。また、この軸受メタル42の内周面は、タービンシャフト3に遊嵌されている。すなわち、軸受メタル42は、タービンシャフト3と軸受部材41との摺動部に配設されている。さらに、この軸受メタル42には、軸受ハウジング4内に形成された潤滑油供給路43から潤滑油が供給されるようになっている。この潤滑油の供給によって、軸受部材41の内周面と軸受メタル42の外周面との間に油膜が形成される。一方、軸受メタル42には、その外周面から内周面に亘って貫通する油供給孔42aが複数箇所に形成されている。従って、軸受メタル42の外周面に供給された潤滑油は、これら複数の油供給孔42aを介して軸受メタル42の内周面にも供給され、軸受メタル42の内周面とタービンシャフト3の外周面との間にも油膜が形成される。このように、本実施形態におけるタービンシャフト3の軸受方式は、所謂フロ
ーティングベアリング方式とされており、軸受メタル42はタービンシャフト3と軸受部材41との間で自由に回転することができるようになっている。このフローティングベアリング方式では、タービンシャフト3の回転時、軸受メタル42は、タービンシャフト3よりも低い回転速度で回転することになる。そのため、タービンシャフト3と軸受メタル42との相対回転速度差に起因する所謂油膜切れが抑制され、高速回転時におけるタービンシャフト3の円滑な回転が確保される。尚、軸受メタル42は、スナップリング44,44によって、軸心方向への移動が規制されている。このような構成の軸受け構造がタービンシャフト3の長手方向の両端部(タービンホイール2に近接する箇所とコンプレッサホイールに近接する箇所の2箇所)に設けられている。
一方、上記軸受ハウジング4のタービンホイール2側に形成された開口部45には、上記潤滑油がタービンホイール2側へ流出することを抑えるための金属製で円環状のシールリング5が配設されている。このシールリング5の配設状態については後述する。
また、軸受ハウジング4の重力方向下方には、上記軸受け部分から流出する潤滑油を軸受ハウジング4の内部から排出するための潤滑油戻し孔46が設けられている。この潤滑油戻し孔46には、油通路6が接続され、この油通路6はエンジンのクランクケースに接続されている。これにより、潤滑油戻し孔46から排出された潤滑油をクランクケース下方に設けられたオイルパンに回収できるようになっている。
−シールリング5の配設位置周辺の構成−
次に、本形態の特徴部分であるシールリング5の配設位置周辺の構成について説明する。
図2は、シールリング5の配設位置及びその周辺を示す縦断面図である。この図に示すように、タービンシャフト3のタービンホイール2側の端部の外周面には、スリンガ溝31及びシールリング溝32が形成されている。
詳しくは、タービンシャフト3は、上記軸受メタル42によって軸受けされている軸受け部分よりも外側(タービンホイール2側であって図2の右側)が、この軸受け部分の外径寸法よりも大径に形成されており、この大径部分(図2における符号3Aの範囲がこの大径部分となっている)においては、タービンホイール2に向かってスリンガ溝31及びシールリング溝32が順に形成されている。
スリンガ溝31は、タービンシャフト3の周方向に亘って形成された断面U字状の凹陥部により構成されている。また、シールリング溝32はタービンシャフト3の周方向に亘って形成された断面矩形状の凹陥部により構成されている。このスリンガ溝31とシールリング溝32との間には、溝などの加工が施されていない所定外径寸法を有する円筒部33が形成されている。
一方、これらスリンガ溝31、円筒部33及びシールリング溝32に対向する軸受ハウジング4の内周面の形状としては、上記スリンガ溝31に対向する面が凹陥されて凹陥部47が周方向に亘って形成されている。また、円筒部33及びシールリング溝32に対向する部分は溝などの加工が施されていない所定内径寸法を有する円筒内面部48として形成されている。
そして、軸受ハウジング4の内周面における上記円筒内面部48には、上記シールリング5及びこのシールリング5の移動を規制するための金属製で円環状のシールリングストッパ(本発明でいうストッパ部材)7が装着されている。
具体的には、上記シールリング5は、上記軸受ハウジング4の円筒内面部48のうち上記シールリング溝32に対向する位置に配設され、その外周面51が円筒内面部48に押圧されるように装着されている。つまり、シールリング5は、周方向の1箇所に合い口が形成された環状体で形成され、外径方向へ拡径する付勢力が得られるように縮径された状態で軸受ハウジング4に嵌め込まれている。これにより、シールリング5の外周面51は軸受ハウジング4の円筒内面部48の内面に密着している。また、このシールリング5の内周側部分の一部はシールリング溝32の内部に位置しており、その内周面52はシールリング溝32の底面との間に僅かな隙間を存している。
一方、シールリングストッパ7は、上記軸受ハウジング4の円筒内面部48のうち上記円筒部33に対向する位置(上記シールリング5のコンプレッサホイール側)において、この軸受ハウジング4の円筒内面部48の内面に圧入されている。つまり、このシールリングストッパ7は、その外径寸法が軸受ハウジング4の円筒内面部48の内径寸法よりも僅かに大きく設定されており、焼きばめ等の手段によってこの円筒内面部48の内面に圧入されている。このため、シールリングストッパ7は、その外周面71が軸受ハウジング4の円筒内面部48の内面に圧接しており、この位置において移動不能に固定されている。また、このシールリングストッパ7の内周面72はタービンシャフト3の円筒部33との間に僅かな隙間を存している。
このような構成により、エンジンの運転時にシールリング5が排気ガスの圧力等の外力を受けた場合には、このシールリング5がタービンシャフト3の軸心方向(図2にあっては左側)へ移動しようとするが、この移動はシールリングストッパ7によって阻止されることになる。このため、シールリング5が移動して軸受部材41とタービンシャフト3との間のシール性能が低下してしまうといった状況を確実に回避することができ、軸受のための潤滑油の流出を防止できる。
また、上記シールリングストッパ7は、軸受ハウジング4とは別部材で構成されて軸受部材41の内周面に圧入されているので、シールリング5が外力を受けた場合であっても、シールリング5の外周面の全面が軸受部材41の内面に接触したまま、シールリング5の軸心方向への移動が規制されることになる。このため、シールリング5と軸受部材41との接触面積が小さくなってしまうことはなく、シールリング5の熱を軸受ハウジング4に熱伝導によって効果的に放出することができる。その結果、シールリング5の冷却が良好に行われシール性能を安定的に維持することが可能になる。
−第1の変形例−
次に、本発明の第1の変形例について説明する。本例は、上述した実施形態の構成に対して、潤滑油によってシールリング5を冷却する構成を付加したものである。この潤滑油による冷却構造以外の部分は上述した実施形態のものと同一である。従って、ここでは、この潤滑油による冷却構造についてのみ説明する。
図3は、本例に係るターボチャージャ1のタービンホイール2及びその周辺部分を示す縦断面図である。この図3に示すように、本形態のターボチャージャ1のタービンシャフト3の軸心部にはその長手方向(軸心方向)に延びる冷却用潤滑油通路34が形成されている。この冷却用潤滑油通路34は、上記潤滑油供給路43に連通しており、潤滑油供給路43を流れる潤滑油の一部がこの冷却用潤滑油通路34に導入される構成となっている。具体的には、例えば、この冷却用潤滑油通路34には、上記軸受メタル42の油供給孔42aに連通可能な連通路(I字状または十字状の通路)が形成されており、この連通路が油供給孔42aに連通するタイミングで潤滑油供給路43から冷却用潤滑油通路34に潤滑油が導入される構成となっている。
また、このタービンシャフト3におけるタービンホイール2との連結部分(図3における右側端部)には、この冷却用潤滑油通路34が開放する開放空間35が形成されている。この開放空間35の開放側(図3における右側)は、このタービンシャフト3がタービンホイール2に連結されることによって閉塞され、この両者2,3によってオイルチャンバが形成されている。また、タービンシャフト3には、このタービンシャフト3の大径部分3Aの基端部(大径部分3Aと小径の軸受け部分との境界部)と上記開放空間35とを連通する給油路36が周方向の複数箇所に形成されている。この給油路36の形成箇所は2箇所または3箇所以上であってもよい。
このような構成により、図4(シールリング5の配設位置及びその周辺を示す縦断面図)に矢印で示すように、エンジンの運転時には、上記潤滑油供給路43を流れる潤滑油の一部が冷却用潤滑油通路34に導入され、この潤滑油は、開放空間(オイルチャンバ)35に一旦導かれた後に、タービンシャフト3の回転に伴う遠心力の作用により、給油路36を経てタービンシャフト3の大径部分3Aの基端部に向けて導出される。このように導出された潤滑油は、上記スリンガ溝31を経た後、シールリングストッパ7とタービンシャフト3の円筒部33との間の空間を通過し、シールリング5に沿ってその周方向に流れる。このとき、シールリング5の熱は潤滑油によって回収される。つまり、この潤滑油によってシールリング5が冷却されることになる。このようにしてシールリング5の熱を奪った潤滑油は、その後、潤滑油戻し孔46に落下してオイルパンに回収される。
このように、本形態によれば、上述した実施形態で述べたようなシールリング5の外周面51の全面を軸受ハウジング4の内面(上記円筒内面部48)に接触させることによる放熱効果に加えて、シールリング5に沿って潤滑油を流すことによるシールリング5の冷却も行うことができ、シールリング5の冷却がよりいっそう効果的に行われてシール性能を安定的に維持することが可能になる。
−第2の変形例−
次に、本発明の第2の変形例について説明する。本例は、上述した実施形態の構成に対して、エンジン冷却水によってシールリング5を冷却する構成を付加したものである。このエンジン冷却水による冷却構造以外の部分は上述した実施形態のものと同一である。従って、ここでは、このエンジン冷却水による冷却構造についてのみ説明する。
図5は、本例に係るターボチャージャ1のタービンホイール2及びその周辺部分を示す縦断面図である。この図5に示すように、本形態のターボチャージャ1の冷却水通路(ウォータジャケット)8は、軸受ハウジング4内に形成され、ターボロータ11の軸心方向に沿って延びる第1通路エリア81と、この第1通路エリア81の一端(タービンホイール2側の端部)からシールリング5の配設箇所に向けて延びる第2通路エリア82とを備えている。この第2通路エリア82は、軸受ハウジング4内においてシールリング5の外周側を囲むように円環状に形成された空間により形成されている。また、この第2通路エリア82と軸受ハウジング4の円筒内面部48との間の肉厚寸法は、3〜5mm程度に比較的小さく設定されており、シールリング5の周囲の熱が容易に冷却水に伝達されるようになっている。
このような構成により、エンジンの運転時には、冷却水通路8の第1通路エリア81を流れる冷却水の一部が第2通路エリア82に導入され、この冷却水は、シールリング5の外周側を流れることによって、このシールリング5の周囲の熱を奪うことになる。これによりシールリング5が冷却される。このようにしてシールリング5及びその周辺の熱を奪った冷却水は、その後、第1通路エリア81を経てラジエータに戻されることになる。
このように、本形態によれば、上述した実施形態で述べたようなシールリング5の外周
面51の全面を軸受ハウジング4の内面(上記円筒内面部48)に接触させることによる放熱効果に加えて、シールリング5の外周側に冷却水を流すことによるシールリング5の冷却も行うことができ、シールリング5の冷却がよりいっそう効果的に行われてシール性能を安定的に維持することが可能になる。
尚、本例の構成は、上述した第1の変形例の構成と組み合わせることも可能である。つまり、シールリング5の外周面51の全面を軸受ハウジング4の内面に接触させることによる放熱効果、シールリング5に沿って潤滑油を流すことによるシールリング5の冷却効果、シールリング5の外周側に冷却水を流すことによるシールリング5の冷却効果を共に発揮させることで、より効果的にシールリング5の冷却が行われ、シール性能を安定的に維持することが可能になる。
−その他の実施例−
以上説明した実施例及び各変形例では、タービンシャフト3のタービンホイール2側の端部に備えられたシールリング5のコンプレッサホイール側への移動を規制するシールリングストッパ7を備えさせたシール構造について説明した。本発明はこれに限らず、タービンシャフト3のタービンホイール2側の端部に備えられたシールリング5のタービンシャフト3側への移動を規制するシールリングストッパを備えさせたシール構造とすることも可能である。また、タービンシャフト3のコンプレッサホイール側の端部に備えられたシールリングのタービンシャフト3側への移動を規制シールリングストッパを備えさせたシール構造や、タービンシャフト3のコンプレッサホイール側の端部に備えられたシールリングのコンプレッサホイール側への移動を規制するシールリングストッパを備えさせたシール構造とすることも可能である。また、これらシール構造の少なくとも2つを組み合わせる構成とすることも可能である。
実施形態に係るターボチャージャのタービンホイール及びその周辺部分を示す縦断面図である。 シールリングの配設位置及びその周辺を示す縦断面図である。 第1の変形例における図1相当図である。 第1の変形例における図2相当図である。 第2の変形例における図1相当図である。 従来例において、シールリング溝にシールリングが嵌め込まれた状態を示す部分拡大断面図である。 他の従来例において、シールリング溝にシールリングが嵌め込まれた状態を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1 ターボチャージャ
2 タービンホイール
3 タービンシャフト(回転軸)
4 軸受ハウジング(ハウジング)
42 軸受メタル
43 潤滑油供給路
5 シールリング
7 シールリングストッパ(ストッパ部材)

Claims (4)

  1. エンジンの排気圧によって回転するタービンホイールと、このタービンホイールに回転軸を介して連結されるコンプレッサホイールと、上記回転軸が挿通されるハウジングと、このハウジングと回転軸との間をシールするシールリングとを備えたターボチャージャにおいて、
    上記シールリングの配設位置近傍であって、ハウジングの内周面には、シールリングの軸心方向への移動を規制するためのストッパ部材が圧入により装着されていることを特徴とするターボチャージャのシール構造。
  2. エンジンの排気圧によって回転するタービンホイールと、このタービンホイールに回転軸を介して連結されるコンプレッサホイールと、上記回転軸が挿通されるハウジングと、このハウジングと回転軸との間に配設された軸受メタルと、上記回転軸と軸受メタルとの間及び軸受メタルとハウジングとの間にそれぞれ潤滑油を供給して回転軸をフローティングベアリング方式で軸受けするための潤滑油供給路と、上記軸受メタルよりも回転軸の軸心方向外側に位置して上記ハウジングと回転軸との間をシールするシールリングとを備えたターボチャージャにおいて、
    上記シールリングの配設位置近傍であって、ハウジングの内周面には、シールリングの軸心方向への移動を規制するためのストッパ部材が圧入により装着されていることを特徴とするターボチャージャのシール構造。
  3. 上記請求項1または2記載のターボチャージャのシール構造において、
    回転軸におけるタービンホイール側の端部近傍に配設されたシールリングに対し、ストッパ部材は、このシールリングのコンプレッサホイール側に位置していることを特徴とするターボチャージャのシール構造。
  4. 上記請求項1、2または3記載のシール構造を備えたターボチャージャであって、
    タービンホイールがエンジンの排気圧を受けて回転し、この回転力が回転軸を経てコンプレッサホイールに伝達されて、このコンプレッサホイールが吸入空気を燃焼室へ過給する構成とされていることを特徴とするターボチャージャ。
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